スリランカの子育てと保育に関する研究(3) : 大都 市・農村・古都の比較から (温故知新プロジェクト )
著者 松本 なるみ, 岩崎 美智子
雑誌名 東京家政大学生活科学研究所研究報告
巻 39
ページ 9‑13
発行年 2016‑07
出版者 東京家政大学生活科学研究所
URL http://id.nii.ac.jp/1653/00009981/
《温故知新プロジェクト》
スリランカの子育てと保育に関する研究(3)
―大都市・農村・古都の比較から―
松本なるみ
*
岩崎美智子*
Study on the Early Childhood Care and Development in Sri Lanka A Comparison of the Big City, A Farm Village, The Ancient City
Narumi MATSUMOTO, and Michiko IWASAKI
1. は じ め に
温故知新プロジェクト「スリランカの子育てと保育に関 する研究」(平成25年〜27年)の目的は、スリランカの 子育てについて①1990年代以降20年間を「変化」と「継 承」という2つの視点から比較検討すること②大都市近 郊・南部農村・中央高地古都の3地域間の比較から子育て の実態を把握し、全体的傾向を明らかにすること③子育て や地域社会のあり方について日本の子育ての現状と照らし 合わせて考察すること、以上3点である。
初年度は、スリランカの保育や子どもを取り巻く環境の 変化について文献やデータを整理して報告した1)。2年目 には、スリランカ大都市近郊の幼稚園に子どもを通園させ ている母親を対象に、子育てに関する調査を実施し1990 年代の調査結果との比較検討をとおして確認できた20年 間の変化について報告した2)。
大都市近郊における社会の変容は、そこに暮らす人々の 生活に影響を及ぼしていることが示された。そして、母親 の子育てや子育て観における「私事化」「個人化」傾向、
「自分の生き方も尊重したい」と思う母親の増加、物質的 な豊かさを求めるだけではなく精神的な充足への関心の高 まり、などが認められた。一方で継承されていたことは、
3歳児神話の支持と専業主婦率の高さであった。しかし、
これらの結果は大都市近郊における調査結果であり、特に 開発途上国において経済発展の著しい都市部の調査結果を もってスリランカの子育てについて一般化することは難し い。そこで、本報告では、目的の②を中心に、大都市近 郊・南部農村・中央高地古都、の地勢や歴史的・文化的・
産業的にも異なる3地域における調査結果の比較をとおし て、地域差と共通性を見出すことによりスリランカの子育 てにおける全体的傾向について検討し考察する。
2. 研 究 方 法
1) 調査協力者・実施時期
幼稚園に子どもを通園させている母親と施設長、保育者 119名、 ① Western Province, Colombo District, Angoda 地区B幼稚園35名、施設長1名、保育者2名(2014)
②Southern Province, Matara District, Akuressa地 区S 幼 稚 園41名、保 育 者2名(2015)③Central Province, Kandy District, Kandy地 区F幼 稚 園35名、施 設 長1名 保育者2名(2015)
調査地①大都市近郊(以下大都市)はColombo District の中心都市Colomboから10 km圏内であり、内戦終了後
の2009年以降経済発展が最も著しい地域である。調査地
②南部農村(以下農村)は大都市コロンボから160キロ離 れた自然豊かな地域である。三大プランテーション作物
(紅茶、ゴム、ココナッツ)を主とする農業を主産業とす る地域である。調査地③内陸部高地古都(以下古都)は、
大都市コロンボから100キロ北東に内陸部高地にあるシン ハラ人による最後の王朝の都が置かれた地域で、仏教徒の 聖地である。キャンディ家族法3)という独自の伝統的法
* 東京家政大学(Tokyo Kasei University)
松本なるみ 岩崎美智子 律を有する地域でもあり仏教行事も盛んである。
2) 調査協力者の属性
表1 母親の属性
古都35名 農村41名 大都市35名 母親平均年齢 33.11歳 31.50歳 32.63歳 配偶者有無 35名全員有 40名有
1名無 死別
34名有 1名無 離婚 母の職業
専業主婦 21 60.00% 32 78.05% 22 62.86%
フルタイム 3 8.57% 3 7.32% 9 25.71%
パートタイム 3 8.57% 0 0.00% 0 0.00%
自営 5 14.29% 2 4.88% 4 11.43%
その他 3 8.57% 4 9.76% 0 0.00%
母親学歴
中学校 4 11.43% 3 7.32% 0 0.00%
Oレベル 17 48.57% 20 48.78% 9 25.71%
Aレベル 13 37.14% 17 41.46% 20 57.14%
大学 0.00% 0.00% 5 14.29%
3) 民族と宗教4)
(1) 大都市:協力者35名 全員シンハラ人・仏教徒
(2) 農 村:協力者41名 全員シンハラ人・仏教徒
(3) 古 都:協力者35名 31名シンハラ人・仏教徒、
2名タミル人・キリスト教徒 1名タミル人・イスラム教徒 1名ムスリム・イスラム教徒
4) 調査方法
質問紙調査(子育てに関する質問紙調査)とグループイ ンタビューを実施した。
5) 調査手続
質問紙調査と調査票回収後に17名の母親を3グループ に分け各グループ1時間のグループインタビューを実施し た。インタビューはシンハラ語で通訳者(日本語–シンハ ラ語)を介して行われた。質問紙は幼稚園の担任教師の協 力を得て回収率は100%であった。グループインタビュー では質問紙の回答結果をもとに詳細な説明を必要とする項 目を再度尋ねた。
6) 調査票
調査票は1993年に実施した質問票の質問項目を踏襲し ているが、2014年版の翻訳者の助言を得て質問文をより 丁寧にわかりやすい文章になるよう加筆した。回答方法
は、単数回答法・限定回答法を用いているが、「子育てを していて感じること」の質問では「よくある」から「な い」までの5件法で回答を求めた。主な質問項目は以下の とおりである。
(1) フェイスシート
家族・子ども・回答者母親自身の属性
民族・宗教・年齢・職業・学歴・収入・家族構成
(2) 子どもの生活について
起床就寝時間・遊び・遊ぶ場所・遊び相手・習い事
(3) 子育てについて
①子どもに身につけてほしいこと
②どのような人になってほしいか
③希望する子どもの学歴
④幼稚園で身につけてほしいこと
⑤保育者に求めること
⑥子育て支援
⑦子育てで感じること
⑧子どもの存在(子どもの価値)
3. 結果と考察
1)調査協力者の属性にみられる特徴
世帯の子どもの数は大都市2.32人、農村2.35人、古都 2.30人と地域差はみられなかった。1968年の家族計画プ ログラム導入以降、合計出生率が5人から2人へと半減し た状態の維持が3地域に共通して確認できた。
1世帯当たりの世帯員数は、大都市4.57人、農村4.36 人、古都5.77人であった。世帯構成員内訳をみると古都 では母親の実母との同居率(45.71%)が高く、夫の母
(31.42%)、夫の父(28.75%)との同居も大都市、農村地 域と比較して高いことが示された。インタビューからは、
大都市や農村において基本は核家族であるが、その近隣に 親、きょうだいなどが暮らし頻繁に交流していることが浮 かび上がってきた。
母親の学歴では、大卒者は大都市(14.9%)のみにみら れた。反対に中卒者は大都市以外、農村(7.32%)・古都
(11.43%)にみられるなど、大都市との地域差が示され た。
専 業 主 婦 の 割 合 を み る と、大 都 市(62.86%)、農 村
(78.05%)、古都(60.00%)であり、農村で特に高い割合 を示していた。フルタイム常勤雇用の母親は、大都市が
(25.71%)と最も高く、農村(7.32%)古都(8.57%)と の地域差がみられた。大都市のフルタイム常勤雇用者の職 業は、公務員、教員、会社員、病院事務など多様であった が、農村、古都では、フルタイム常勤雇用は、教員と保健 師だけであった。農村の専業主婦率の高さの背景には、女 性の就労の場が十分に確保されないことも影響を与えてい
るのではないか。専業主婦率が最も低かった古都では、就 労形態もフルタイム、パートタイム、自営、繁忙期のみ、
など選択肢があり内陸部の主要都市として発展し就労の機 会が農村部よりも恵まれていること、更に母方の母親との 同居率の高さが支援を受けやすい状況にあり母親の就労を 可能にしている側面もあると考えられる。
2) 母親の子育て観の変化
(1) 子どもに身につけてほしいこと
「子どもに身につけてほしいこと」では、図1に示した ように「自分でできることは自分でする」という回答がい ずれの地域においても最も高く、次に「基本的生活習慣の 確立」など、回答に社会や他者の存在が希薄で自分の子ど も自身、個人に向けられている傾向が示された。
(2) 将来どのような人になってほしいか
「将来どのような人になってほしいか」という項目では 図2に 示 し た よ う に、大 都 市 で は「楽 し く 生 き る 人」
(20.00%)、農村では「周りから尊敬される人」(20.34%)、
古都では「自分の家族を大切にする人」(20.00%)という ように違いが認められた。大都市における母親の子育て、
子育て観における「個人化」5)が「楽しく生きる」という
回答の選択につながったのではないだろうか。一方農村で は、都市部ではみられなくなったシュラマダーナ6)と呼 ばれている地域共同体による作業や行事が残っており「周 りの人から尊敬される」など、地域社会における他者から の評価が重要視されていることが理解できる。
(3) 「子どもの存在」にみる子どもの価値
山田は、近代社会における子どもの価値について労働力 として将来の生活保障の役割を果たしてくれる経済的要素 が強い 「投資財」 から、育てる楽しみを与えてくれるよく 育てることが親の名誉となる 「名誉財」 へと変化している ことを指摘している7)。スリランカの場合は、図3に示し たように、老後の面倒を見てくれる「投資財」として、ま た「人生を豊かにしてくれる」といった「名誉財」として の両方の価値が認められた。特徴的なことは古都では子ど もは「自分の夢を託す存在」(82.85%)と考えられている ことである。古都での母親へのグループインタビューで は、独自の伝統的法律も存在する地域ならではの伝統的職 業階級構造について良い伝統は残しながらも子どもの世代 には人生を縛る伝統からの解放が語られ「自分の夢を託 す」という言葉が発せられたのであろう。
(4) 子育てにおいて感じること
表2に結果を示したように、「子どもを育てるためにが
まんばかりしている」という項目では地域差が認められ た。「そう思う」という回答が特に農村(61.76%)、古都
(57.69%)では半数を超えていたのに対して大都市では
(5.66%)という低い値を示した。大都市の母親へのグ ループインタビューでは、子育て以外にも自分の活動の場 や楽しみをもっていることが語られていた。山根は、日本
における1990年代以降の都市部の母親の意識について
「母親の自己犠牲」といった「近代的な母親規範」を維持 しつつも「自己実現」を求めるという「新しい母親規範」
が登場してきたと指摘しているが、スリランカの大都市の 図1 子どもに身につけてほしいこと
図2 将来どのような人になってほしいか
図3 子どもの存在
松本なるみ 岩崎美智子
母親にも合致する部分がみられた8)。
子育てにおいて3地域とも共通していたことは「子ども を育てるのは楽しく幸せなことだと思う」という回答にみ られるように子どもを育てることへの肯定的感情を有して いる点である。
「3歳まで母親が一緒にいた方が良い」という「3歳児神 話」の支持は高く、大都市78.79%、農村87.50%、古都
93.33%というように3地域共通して高い値が示された。
子育てにおける母性の強調がみられ伝統的性別役割分業意 識は強いが、インタビュー調査において母親たちが性別役 割に抑圧されている様子は感じられず、否定的な発言もみ られなかった。スリランカの子育てにおいて、母親がひと りで子育てを担うという気負いは感じられない。インタ ビューで「子どもは母親一人では育てられない。みんなで 育てるものである」「母親はまずそばにいるという存在が 大切」と語っているように、「3歳児神話」における母性 の強調であり子育て責任を一人で背負うことはないのであ る。「近所に住む母、兄夫婦、夫の妹などが毎日行き来し ている」と述べていることからも分かるように、近隣に居 住する親族が、頻繁に行き来することから子育てに関わる 問題が発生しても自然にその問題や出来事を共有すること ができる。実際に現地調査の時に観察できた事例を紹介す る。
咳が1か月も治らないといった症状のみられる子どもが
いた。まず、近居に住むその子どもの母親の実兄、つまり
伯父が良いといわれる病院を近所の人々の評判から探して きた。次にその子どもの父親が自家用車を所有していない ことと、仕事で不在であることから、日中都合のつくいと こにお願いして迎えに来てもらっていた。そのいとこの運 転する車で父親の妹、叔母がその母子に付き添って一緒に 病院に出かけていく。留守宅には義母と義母の妹がやって きて食事の用意をして母子の帰りを待っている。母親は子 どもを抱いているだけで、周りの親族が地縁血縁を活用し て子どもの通院をアレンジするのである。
なんでもないことのように思えるかもしれないが、実は このようなマネジメントする行為は想像以上に母親の精神 的肉体的負担が大きいものである。日本で子どもが病気の 時に病院に行くだけで母親はひとりで準備から移動、受 診、帰宅、家事まで終えると、もう疲労度はピークに達す るといった状況であろう。日本において働く母親、家族の サポートとして家事育児の外部化がもたらされたが、育児 家事の負担は減ってもホックシールドが「管理職化する母 親」と表現しているように9)、今度はそのマネジメントを 母親が中心となって行うことになり、それらの行為は母親 を疲弊させる。スリランカにおいてはそのような負担と責 任が分散されることから子育てへの満足度が高い結果につ ながるのではないだろうか。
3) 3地域の比較から
大都市・農村・古都の3地域の比較から各地域の特徴に ついて明らかになったことを地域ごとに示していく。
(1) 大都市
子どもの生活スタイルが他の地域より多様化している。
食品や衣料品の購入においても選択肢の幅が広く購買意欲 も高い。食生活では、伝統食カレー以外に欧米化した食事 を取り入れる家庭もみられた。そのほか、子どもの就寝時 間が夜遅くなるなどの傾向が認められた。また、母親の自 己実現欲求が他の地域より強く、学歴上昇に伴うフルタイ ム就業の増加と「自分の生き方も尊重したい」と思う母親 の割合の高さが特徴的であった。
インタビューでは、子育てにおいて進路や将来について
「子どもの意思を尊重したい」「やりたいことを見つけてほ しい」と述べる母親もみられ、スリランカの伝統的子育て 観のひとつといえる「親の教えに従う生き方」から、少し ずつではあるが、子どもの意思を尊重したいという考えが みられるようになってきていることがうかがえた。
(2) 農村
南部農村は農業を主産業とする地域である。「子どもを 育てるためにがまんばかりしている」という回答が最も高 表2 子育てにおいて感じること(%)
地域 よく ある
ときどき ある
どちらで もない
あまり
ない ない
子 ど も を 育 て る た め に が ま ん ば か り している
大都市 5.66 3.77 1.89 18.87 69.81
農村 61.76 26.47 2.94 5.88 2.94
古都 57.69 15.38 15.38 3.85 7.69
子 ど も を 育てるのは 楽しくて幸 せなことだ と思う
大都市 80.00 14.29 2.86 0.00 2.86
農村 94.12 2.94 0.00 0.00 2.94
古都 96.55 3.45 0.00 0.00 0.00
子 育 て も 大 事 だ が 自 分 の 生 き 方 を 尊 重したい
大都市 41.67 27.78 5.56 11.11 13.89
農村 16.67 44.44 8.33 13.89 16.67
古都 34.48 34.48 20.69 6.90 3.45
3歳 ま で は 母 親 が 一 緒 に い た 方 が よ い
大都市 78.79 12.12 0.00 0.00 9.09
農村 87.50 6.25 3.13 0.00 3.13
古都 93.33 0.00 6.67 0.00 0.00
いことからインタビューで、「がまんしている」と思うこ とは具体的にどのようなことなのかを問うと、ほぼ全員が
「経済的なこと」と答えた。買い物などにおいてもいつも 母親のものは後回しで子どもを優先することなどが「子ど もを育てるためにがまんばかりしている」の値を高くして いることが理解できた。また、地域社会における他者から の評価が非常に重要で、これは農村特有の共同体や互助組 織の作業などの伝統的共同作業の習慣が残されていること と関連があると考えられる。子どもの将来については、具 体性をもたない漠然とした期待を持ち「経済的に豊かな人 になってほしい」という回答値が高く、20年前の調査時 の回答に最も近い傾向が認められた。
(3) 古都
シンハラ人による最後の王朝の都が置かれた場所で、仏 教徒の聖地として伝統的仏教行事も盛んな地域である。伝 統的出身階層による家族・親族のつながりが強固で宗教に 基づく生活と子育て観が他の地域より色濃く残されている ことがインタビューでも語られていた。「子どもの将来に 自分の夢を託す」という回答が高かったことから、インタ ビューで尋ねると、「伝統的に素晴らしいこの町で暮らし てほしいと思う反面、自由な都会にいき自分の能力を試し てほしいとも思う」「生まれた家でその子の将来が大方決 まることから自分の子どもにはもっと階層を越えてほしい 気もする」など、子どもの人生においては緩やかな伝統か らの解放願望がみられた。
4. お わ り に
本報告では、大都市近郊・南部農村・中央高地古都の異 なる3地域における調査結果の比較をとおして地域差と共 通性を見出すことによりスリランカの子育てにおける全体 的傾向について検討した。共通していたことは、家族・親 族共同体等情緒的結合における子育てへの依存がみられた こと、子育ての責任が分散されており母親に集中しないこ と、複数の手と目があり、複数の手による子育ては母親の 身体的精神的負担軽減し子育てへの肯定的感情を育むこ と、「三歳児神話」支持の高さは母性の強調を意味し日本 とは異なる文脈での理解であり育児を母親が単独で全責任 をもって行うことは求められないということであった。今 後は、これまで明らかにしてきたスリランカにおける子育 てや地域社会のあり方について、日本の子育ての現状と照 らし合わせて考察していきたい。
謝 辞
スリランカで実施した調査にご協力くださいました幼稚
園の先生方、保護者のみなさま、現地調査地のアレンジに ご協力いただきました方々に心よりお礼申し上げます。
付 記
本報告は、以下の論文集の一部を編集加筆し再掲したも のである。
松本なるみ「スリランカの子育てにおける地域差と共通性
―大都市・農村・古都の比較から―」日本乳幼児教育学会 第25回大会研究発表論文集,p. 156〜157(2015)
文 献
1)松本なるみ,岩崎美智子,星順子:スリランカの子育てと保 育に関する研究(1).生活科学研究所報告書第37集,9–15
(2015).
2)松本なるみ,岩崎美智子:スリランカの子育てと保育に関す る研究(2).生活科学研究所報告書第38集,7–11(2016).
3)キャンディ家族法とはキャンディのシンハラ人に適用されて きた土地,賃料,契約などにいたるシンハラの慣行を定めた ものである.湯浅道夫:スリランカにおける家族法.千葉正 士:ス リ ラ ン カ 研 究 視 察 報 告 幾.ア ジ ア 間 有 法 研 究 会
(1981).
4)スリランカは多民族多宗教国家である.民族構成は,シンハ
ラ人72.9%,タミル人18.0%,スリランカ・ムーア人8.0%
である.宗教の割合は,仏教徒70.0%(主にシンハラ人),
ヒンドゥ教徒10.0%(主にタミル人),イスラム教徒8.5%
(ムーア人),ローマン・カトリック教徒11.3%である.外務 省各国・地域情勢スリランカ民主社会主義共和国(Democrat- ic Socialist Republic of Sri Lanka)基礎データ 参考URL http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/srilanka/data.html#01 アクセス日:2016年1月10日
5)長津美代子:変わりゆく夫婦関係―共有するネットワーク.
少子社会の家族と福祉,袖井孝子編.p. 14–25,ミネルヴァ 書房(2004).長津は,日本における戦後の経済発展に伴い,
家族の私的な単位を重視する傾向「私事化」,個人の欲求充 足を図る活動単位がより小さくなる傾向「個別化」,自分ら しく生きたいという個人的価値の実現に置く傾向「個人化」
がみられることを指摘している.
6)「サルボダヤ・シュラマダーナ(労働の分け合いを行なうこ とによるすべての目覚め)」という.サルボダヤ運動は,A.
T.アリヤラトネ博士により,1958年にスリランカで始めら れた農村開発運動である.この運動の基本は,仏教に基づい て,精神的,道徳的価値を重視し,農村の自立的社会を建設 することである.開発活動に参加し,相互扶助のために労働 の分け合いを通じて一人一人が自分の力に目覚めていくこと を目的としている.
7)山田昌弘:未婚化社会の親子関係.73–96,有斐閣(1997).
8)山根真理:次世代育成支援時代の母親意識.男の育児女の育 児,69–87,昭和堂(2008).
9)アーリー・ラッセル・ホックシールド:タイム・バインド
《時間の板挟み状態》 働く母親のワークライフバランス.
85–90,明石書店(2012).