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畑 江 美 佳

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Academic year: 2021

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小学校外国語活動における評価に関する研究 一「外国語の音声や表現に慣れ親しむ」に焦点を当ててー

教科・領域教育専攻 言語系コース(英語) 藤 長 あ か ね

1.研究の目的

文部科学省は,新学習指導要領下での指導要 録の作成の参考となるよう,平成 22年5月 11

日付で文部科学省初等中等教育局長通知「小学 校,中学校,高等学校及び特別支援学校におけ る児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等に ついて」を発出した。この「改善通知」では,

外国語活動の記録について, I評価の観点を記入 した上で,それらの観点に照らして,児童の学 習状況に顕著な事項がある場合にその特徴を記 入する等,児童にどのような力が身に付いたか

を文章で記述する」ことが示されている。

これを受けて,多くの小学校において外国語 活動の記録は, I改善通知」に示された次のよう な三つの観点別に文章表記を行う形で残される こととなったO

①コミュニケーションへの関心・意欲・態度

②外国語への慣れ親しみ

③言語や文化に関する気付き

このうち①③の観点に関しては,他教科や他 領域での評価の経験を生かして,ある程度始め ていくことは可能であるが3 ②の「外国語への 慣れ親しみ」については,筆者を含めて,現場 の教員には,あまりなじみのない評価の観点と いうこともあり,どのようにその文言の意味を 捉えて, どのような規準で評価していけばよい のか,悩みの多い部分となっている。

そこで本研究では,小学校外国語活動の学習

指導教員 畑 江 美 佳

指導要領における「慣れ親しみ」という言葉を 定義づけ,小学校段階で、ねらわれている「外国 語の音声や基本的な表現に慣れ親しませるこ と」について,中学校との関連性の中で明らか にするとともに「外国語の音声や基本的な表現 に慣れ親しませる」ために行われる具体的な活 動 を 取 り 上 げ 慣 れ 親 し みjの評価の方法を提 案する。

2.研究の概要

まず初めに,研究背景及び勤機,研究目的を 明らかにし,論文構成についてまとめた。

次に,小学校外国語活動の目標と評価につい て概観し,文部科学省の言う外国語活動の観点 別評価がどのようなものであるかを述べるとと

もに,具体的にどのような評価の方法が考えら れるかについても触れたOそして, I外国語への 慣れ親しみ」に焦点を当て,外国語活動の目標 の三つの柱の一つで、ある「外国語の音声や基本 的な表現に慣れ親しませる」ということを研究 者はいったいどのように捉えているのか,また どのように評価を行うべきと考えているのかを 概観した。すると, I慣れ親しみJという言葉の 解釈には研究者間でかなりの幅があり,その結 果として評価の考え方についても違いがあるこ

とが分かった。

このような見解の相違は,実際に外国語活動 に携わっている現場の教員たちの間でも見られ

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- 258 - ることなのかという疑問をもとに,実態調査① として外国語活動に!関わる教員らが「外国語へ の慣れ親しみJの評価をどのように行い,また その実態をどのように捉えているのかアンケー ト調査を行った。その結果,

1

慣れ親しみJにつ いては 13観点に区別して子どもの行動を見取 ることの難しさを感じるJ

I U '

慣れ親しみ』は技 能の習得をしていないにもかかわらず,実際に は英語表現の使用を見取って評価していること への矛盾を感じている」など,その捉え方や評 価のあり方について様々な戸惑いや悩みを抱え ていることが分かったO また「慣れ親しみJの 評価を行うべき場面やその基準についても人そ れぞ、れ考え方が異なっていた。

これを受けて,実態調査②では,外国語活動 の授業場面をいくつか取り上げ,映像の中の児 童の姿を見ながら実際に評価を行うことを通し て外国語への慣れ親しみ」をはじめ文科省が 示す評価の3観点について評価者がそれぞれど の場面でどのように評価を行うべきと考えてい るかを調査した。この調査結果から外国語へ の慣れ親しみJと「コミュニケーションへの関 心・意欲・態度Jとの評価が評価者の中で密接 に結びついて行われていることや3 国立教育政 策研究所 (2011)が示すような評価基準の設定 の際の留意点をあまり考慮せず,それぞれの評 価者が評価の観点を自分なりに解釈して評価し ている実態があることなどが浮かび上がってき た。

3.まとめと今後の課題

二つの実態調査の結果からは慣れ親しみ」

の観点を中心として外国語活動の評価に関する いくつかの課題が見えてきた。そこで,本研究 のまとめでは,それらの課題の解決につながれ

ばと「外国語への慣れ親しみ」の評価に関する 以下の三つの提案を行った。

1.評価の観点はコミュニケーション」と「言 語や文化に関する気付き」の

2

観点とするo

II.  1慣れ親しみ」の側面に関しての評価規準は

「外国語を聞いたり話していたりしている 様子が少しでも見られればよし」とするo

III.見取りを行うべき児童の姿は,基本的に国 立教育政策研究所 (2011)が提案する「小 学校外国語活動における評価方法等の工夫 のための参考資料」に従う。

また,今後の課題としては,評価者間で評価 についての共通理解を図り,客観性のある評価 になるように努めることや,文章表記された児 童の姿を教員同士で,また教員と保護者との間 で共有することはもとより,中学校との連携も 見据えてその認識を広げていくことなどが挙げ

られる。

4.おわりに

本研究では外国語への慣れ親しみ」を中心 とした外国語活動の評価について考えてきたが,

評価とは評価のためにあるものではなく,授業 改善や児童の成長に資するものであるべきであ る。小学校外国語活動の目標は,あくまでも「コ ミュニケーション能力の素地」を養うことであ る。そしてそのことは,中学校以降の英語教育 のみならず,児童一人ひとりが,将来,社会で いろいろな人と関わり合い,伝え合い,理解し 合うことができるようなるためにとても重要な ことである。今後も, 1コミュニケーション能力 の素地jを養うことができる授業実現のために,

あるべき外国語活動の評価の方法を求めて実 践・研究に取り組んでいきたいと考える。

参照

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