神奈川大学大学院経営学研究科 F研究年報』 第11号 2007年3月 29
■ 修士論文要旨
中国東北地域の物流事業の発展に関する一考察
‑ 大連港 における物流戦略について ‑
AStudyofDevelopmentofDistributionBusinessin仇eNortheastRegionofChina
‑ OnDistributionStrategyinDalianPort一
神 奈 川大 学 大 学 院 経 営学 研究 科 国際経営専攻 博士前期課程
劉 佳 星
JiaXingLiu
■キーワー ド
中国物流の発展段階 中国東北三省の物流事業 大連港 港経済
【問題意識
】
1
978年12月に中国が改革 開放政策 を実施 して 以来、中国の経済成長は著 しい。・ここ数年、中国 経済の発展に伴い、多 くの物流集散地 と交通の要 所にある物流業が急速に発展 したのである。約100年前に ロシアによって建設 が開始 され、
日露戦争 によって 日本 が引 き継 いだ大連港大連 市は、新 中国の下 での東北 におけ る社会主義重 工業建設 と、1980年代以 降の対外 開放政策 を経 て、現在、中国東北地域の対外窓 口としての発展 を遂 げてい る。 そ して、2004年秋 以降の新 たな 国家プロジェク ト、「中国東北老工業基地振興戦 略」の実施 を通 して、東北 アジアの物流並びに貿 易、商業 ・金融活動の中心 として新たな発展 を開 始 している。
大連港 は、東北三省 と内蒙古 自治区東部を背後 圏 としてい る。 この地域 は、 自然資源 に恵 まれ、
開発の進 んだ工業地域 となってい る。大連港 は、
鉄道 と高速道路によりこれ ら地域 と結ばれている。
対外的には、160の国 と地域 との交流 があ り、 コ
ンテナ定期船 も日本 をは じめ、韓国、香港、 シン ガポール、米国、欧州 などとの間で運航 を行って いる。
2005年の貨物取扱量 は1.7億 トン (前年比17.6
%増)、コンテナ取扱量 は268.6万TEU (同21.5%
増)。2010年 には、貨物取扱量2.5億 トン、 コン テナ取扱量800万TEU を目指すである。
しか し、中国の物流業 は先進国に比べて非常に 立 ち遅れてい る。産業 と しての中国の物流業 は、
まだスター トした段階にある。 その一方で、物流 サ ー ビスに対す る需要 は急速 に高 まって きてい る。 例 えば全国の倉庫 は流通領域 だけで3億 山に 連 していますが、管理能力 と配送機能に欠けるた め利 用率 は40%弱、 しか も在庫 期 間が先進 国の 数 日間 に対 し1‑ 2ヶ月 と、商 品 の生産 か ら販 売 に要 す る時間の90%以上 を占めて い る。 この ため、 多 くの企業 で物流 費用 が商 品価格 の40%
を超 え、対
GDP
コス ト比率 も先進国 とはまだ大 きな開 きがあるOそ して大連地域 には、低 い レベルで重複建設 さ
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れた港が多 く、競争力が低 い。 したがって、各港 が低価格競争に走 ったため、営利能力 と拡張能力 の低下 を招いてお り、市場によるいっそ うの調整 が必要である。古い港区は都市部に囲 まれて発展 の余地がな く、道路 と鉄道の輸送能力 も輸送量増 加の需要 を満 たせ ない。新 しい港区は道路 と鉄道 の輸送網 がまだ完備 されていないため、港の発展 を制約 したであるO
この研究 は中国東北地域の物流事業の発展につ いて考察 し、 とくに大連港の港湾物流 を中心に し て、中国東北三省の物流事業の発展における大連 港並び大連市の役割、大連港 における物流の現状 と今後の発展戦略、今後の課題、確実 について論 述、解明す るものである。
【論文構成】
以上 の問題意識 を基 に、本論文 は4章 に分 け、
次のように展開す る。
第 Ⅰ章 は、中国物流発展の経済環境、概要 につ いて考察 し、物流の発展段階の原理 に比較 して、
中国物流の発展段階、特徴 を分析す る。
第 Ⅱ章 は、東北地域の経済状況、中国東北三省 における物流の実態 ・諸問題 ・今後の展望 を考察 するものである。最後に中国東北三省の物流事業 の発展における大連港並び大連市の役割 を論述 し、
東北三省の物流事業の発展 における大連港の果た す ことがで きる重要性 を提示す る。
第 Ⅲ章 は、中国大連港の現状 を中心に して、大 連市の概要、大連経済技術開発区における優遇政 策 ・経済データを考察 し、そ して、大連港の港勢
を論述す る。
第Ⅳ章 は、大連港の発展戦略 を中心に して、大 連保税区 と大連輸 出加工 区の概要 を紹介 し、両者 の機能 を比較す る。 そ して大連保税 区の新 たな発 展動向、大連保税 区 と大連港の連動発展戦略 を研 究 し、最後に東北三省の振興 と大連市の関係、東 北アジアの地域経済協力 と大連港並びに大連市の 役割 を論述す るものである。
終章では、東北三省の振興 と大連市の関係、東 北 アジアの地域経済協力 と大連港並びに大連市の 役割、今後の課題 を展望 して、結論 をまとめてい く。
大連は港湾都市の機能 を十分に発揮 しなが ら国 際世界に直面 し、東北 と環潮海 に及ぼ し、地域経 済の共同発展の中で、 さらなる発展 を図 るように しなければな らない。スローガ ンとしては、東北 地区の重要 な国際交通中枢、先進的技術の工業基 地、北東 アジア地域 の商業貿易、金融力、観光、
情報センターになるとい うことである。 この 目標 を達成す るためには、環潮海 、東北および大連の 実態に応 じて、都市機能 と経済発展の関係 を適切 に処理 しなければない。
大連港 を、多機能、全方位、現代的な国際中心 港 に建設 し、東北地区の商品集散のために、以下 三つの問題 を解決す るべ きと考 えられ る。① イン フラ整備の更 なる改善 ②物流人材の育成 ③制 度面の標準化。 これか ら更 に完全 な交通運輸 サー ビスを提供 し、地域経済の共同発展の中、 もっと 広大 な国際市場競争で大 きな利益 を獲得で きるよ
うに努力 しなければな らない。