緒
J
.
Hokkaido Grassl.Sci.
2
7
:
94-9
6
(993)
混播草地におけるチモシーおよび、マメ科草種の動態、
4
.
単播条件下におけるアカク口-バ品種の生育特性
中 島 和 彦 ・ 竹 田 芳 彦 ・ 堤
光昭(根釧農試)
Dynamics of Timothy (Phleum trateηse L.) and Legume in Mixed Pasture.
4. Characteristics of Red Clover (Trifolium
T
γαteηse L.) Varieties in Pure
Stands.
Nakashima
,
K.
,
Y. Takeda and M. Tsutsumi.
(Konsen Pref ectural Agric. Exp. S tn.)
広司
アカクローパ(以下、 R Cと略)の混播適性
は品種によって異なるが1)、 R Cはイネ科牧草
との混播で利用される乙とから新品種の導入に
当たっては混播適性の評価が不可欠である。し
かし、導入の対象となり得る全ての品種につい
て混播条件での評価は物理的に困難である。し
たがって、品種の評価は通常、単播条件で実施
され、その成績から混播適性について推察して
いる。しかし、混播適性の指標となる調査形質
は必ずしも明確ではない。そこで、本報におい
てはまず、単播条件下における R C品種の生育
特性の検討を行い、次報でその生育特性と混播
適性との関係について検討する。
結果および考察
年
乾物収量の品種間差は、 2番草は2年目、 3
年目ともに大きかったが、初年目および2、3
年目
l
番草で小さかった(表1)0
2
年自にお
表1.乾物収量の品種間差異
ける草丈および開花特性は有意な品種間差が認
められ、特に早春及び
2
番草の草丈の品種間差
が大きかった(表
2
。) 乙のうち、早春の草丈
表
2
.
草丈及び開花特性の品種間差異(
2
年目)
材料および方法
R Cの
2
倍体
6
品種(内、北海道優良品種
4
)
、
4
倍 体
5
品 種 〔 内 、 北 海 道 優 良 品 種
1
)の
合 計11品種を用いた。平成2年5
月
R.1区6m2
で条播し、舌
L
塊法4反復で配置した。刈取りは
初年目
1
回、
2
年目および
3
年自に各
2
回行い、
収量、生育期間中の草丈、草高、草型、葉幅、
葉長、開花始および開花程度などを調査した。
-
94-は越冬性の差異、
2
番草の草丈は再生力の差異
であった。
R C品種の草丈、草高、小葉面積(葉長と葉
幅から推定)、草型および閥花特性(開花始お
よび開花程度)を変数として主成分分析を行っ
た。なお、計算に用いた値は原則として
2
年目
および
3
年目の平均を用いたが、
2"'3
年目の
北海道草地研究会報
2
7:
94-9
6
(993)
越冬期間中に一部の品種が著しい冬枯れを受け、
ζれらの品種の生育の様相が
2
年自に比べて著
しく異なったので、
3
年目
1
番草の成績を除い
た。
第1・第2主成分の固有値はそれぞれ7.
9
9
、
2.07となり、第1主成分の寄与率は61.55ぢ、第
2
主成分までの累積寄与率が77.4%であった(表
3 。) 第1主成分は固有ベクトノレの大きさから
表
3
.
形態的形質及び開花特性による主成分分析
の結果
形 質 番 草
固 有 ベ ク ト ル
第
1
主成分
(
Z
1
)
第
2
主成分
(
Z
2
)
小葉面積
l
番
草
0
.
2
2
2
0
.
5
0
0
2
脅
草
0
.
2
0
1
0
.
4
4
7
草
丈
l
番
草
0
.
2
7
3
0
.
3
5
1
2
番
草
0
.
3
4
0
-
0
.
0
8
8
越 ~H~
0
.
3
4
0
0
.
1
0
2
草 __~_J_主旦一一一一 O.
3
3
9
一
一
一
一
一
一
二
ι087
一
一
一
一
望配位
2
主
主
一
一
一
一
-
l
L
i
l
i
-
-
一一一二
1
1
-
1
1
L
一
一
一
開花始
l
番
草
-
0
.
2
4
6
0
.
0
4
7
2
番
草
-
0
.
3
3
3
0
.
0
5
4
開花程度
1
番
草
0
.
1
4
8
0
.
0
1
2
2
番
草
0
.
3
2
9
-
0
.
2
1
3
草
型
1
t
f
草
-
0
.
2
8
4
O
.
3
7
4
越冬前
-
0
.
1
2
5
O
.
4
5
8
固 有 値
7
.
9
9
1
2
.
0
7
1
寄 与 率
6
1
.
5
1
6
.
1
累積寄与率
6
1
.
5
7
7
.
4
2
番草以降の草丈、草高、草高/草丈比、
2
番草
の開花程度および
2
番草の開花始を総合的に示
す成分であった。つまり、正に大きなスコアを
とる品種ほど
2
番草以降の草勢が旺盛で、
2
番
草の開花が早いことを示していた。第
2
主成分
は、小葉面積と草型を総合的に示していた。つ
まり、正に大きなスコアをとる品種ほど小葉の
面積が大きくほふく型であった。
第l主成分と第2主成分スコアによる11品種
の散布図を図
1
~乙示した。 2 番草以降の草勢が
同程度である場合、
4
倍体品種は
2
倍体品種に
z2
見
詰
曹
〈
z 1
小芸帥l、害〈
立型
国1第1・2主成分スコアによる 11尉量の散布図
.: ..:.倍体品領国:2信体&,積
~ë語道.íI.臭品種と「レッドへ v ド」のみ品程名在位入
に比べて小葉が大きくほふく傾向にあった。従
来、 4倍体品種は2倍体品種に比べて形態的広
大型葉であり、アカクローパ品種の分類の尺度
を倍数性の差異から行ってきた。しかし、第1
主成分についてみると倍数性による品種間差は
判然とせず、
2
倍体品種にあっても「スター卜」
や「メルビー」のように2番草の草勢が4倍 体
品種並か上回る品種もあり、逆に「タイセツ」
のように
4
倍体品種であっても
2
番草の草勢が
2
倍体品種並か下回る品種も認められた。
第
1
主成分のスコアの大きさ、すなわち
2
番
草の生育特性から供試品種は「タイセツ」およ
び「ホクセキ」型、 「サッポロ」型、 「レッド
ヘッド」および「スター卜」型の3タイフ。に分
けられ、 「タイセツ」・「ホクセキ」型は
2
番
草の生育が緩慢で開花が遅く、逆に、 「レッド
ヘッド」・「スタート」型は
2
番草の生育が旺
で開花が早く、 「サッポロ」型はその中間型で
あった。
山口ら2)は2品 種8系 統 の 生 育 特 性 を 解 析
し、品種を特徴づける形質として、
2
番草の生
F
h
u
n
同
υ
J
.
Hokkaido Grass
l.
S
c
i
.
2
7
:
94-96
(1
9
9
3
)
育(開花、草勢、収量)にも着目する必要があ
ると述べている。本試験では山口らの報告2)と
2品種を除き異なる品種を供試したが、 R Cの
品種聞の差異は2番草でより明瞭に表れ、 3つ
のタイプに分類できた。 ζのような
2
番草にお
ける品種間差異が混播適性にどのように反映す
るのかは次報で検討する。
引 用 文 献
1
)
中島和彦・竹田芳彦・堤光昭(1
9
9
2
)
北海道
草地研究会報
26:176-179
2) 山口秀和・津井晃・内山和宏・我有満(1
9
9
1)
北海道草地研究会報
2
5:
115-118
円
hu
n
同
υ