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目次 1 新生児低体温登録事業とは? 2 2 Consensus 2010 日本版新生児低体温療法ガイドライン準拠 新生児低体温療法の手引き 3 3 事前の準備から出生 治療 退院まで 出生から搬送入院まで ~ 送る側 受ける側の準備は? 23 4 導入基準と判定の実際 29 5 想定外をなくす!

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Academic year: 2021

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未熟児新生児・新生児看護学会

サテライト企画

Baby Cooling Japan

低体温療法実践講習会

~初心者から熟練者まで!~

日時:11月29日金曜日 15:30~18:30

会場:ホテル金沢4階 エメラルドA

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目次 ① 新生児低体温登録事業とは? 2 ② Consensus 2010・日本版新生児低体温療法ガイドライン準拠 新生児低体温療法の手引き 3 ③ 事前の準備から出生・治療・退院まで 出生から搬送入院まで~送る側・受ける側の準備は? 23 ④ 導入基準と判定の実際 29 ⑤ 想定外をなくす! ~冷却開始までに準備しておくこと~ 33 ⑥ 冷却の実際 ~早く安全に冷やすコツと脳温を乱高下させない知識 35 ⑦ グループワーク症例 44

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新生児低体温登録事業とは?

背景

2010 年に改定された ILCOR の蘇生法推奨では、中等症~重症の新生児低酸素性虚血性 脳症(HIE)に対する低体温療法が標準治療とされた。現時点では、18 か月後の死亡も しくは重度の神経学的後遺症を減少させる number needed to treat(NNT)は 9 であ り,低体温療法の脳保護効果は十分とは言い難い。今後、適応基準や冷却方法・併用療法 の改善により、脳保護効果を増強する必要がある。日本が世界にエビデンスを発信する礎 となる症例登録制度の確立が急務である。 目的 わが国で中等度~重症 HIE と診断された児を登録し、臨床情報を蓄積・解析することで、 予後因子をスクリーニングする。 基本構想 低体温療法の導入が 考慮された症例を登録する。 入院時に一次登録をおこなう。 退院後 1 か月以内をめどに急性期情報~退院時検査情報を提供する。(可能な限り退 院時の MRI を撮像する) 2 歳,4 歳時に,予後判定情報の提供をおこなう。 低体温療法を実施した症例は全例登録を原則とする。 参加施設のメリット 年に 2 回,学会のサテライト低体温療法講習会(脳症の診断・脳波・画像・冷却管理・ 最新論文 Update・発達評価法などのレクチャー)を開催し,協力施設は無料参加.登録数 に応じ無料参加者数を決定 Bayley 式発達評価Ⅲ版の講習会無料参加(定員あり;事前登録制)

「babycooling」

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Consensus 2010・日本版新生児低体温療法ガイドライン準拠

新生児低体温療法の手引き

0 低酸素性虚血性脳症の病態生理と低体温による脳保護のメカニズム # 胎盤血流の遮断が最初のトリガーとなって、低酸素性虚血性脳症(HIE)の複雑な傷害 カスケードが動き始める。 【虚血が引き起こされるまで】 胎盤の血流の途絶 ⇒低酸素(酸素の欠乏) ⇒嫌気的代謝の亢進 ⇒アシドーシス、エネルギー欠乏 ⇒心拍出量の低下 ⇒虚血状態(酸素やグルコースの欠乏) ⇒不可逆的な脳傷害 # 脳虚血状態では、酸素やグルコースの欠乏のために、エネルギー合成が著しく低下する。 低酸素・虚血性脱分極に伴い,細胞間隙のグルタミン酸濃度が上昇し、細胞内の Ca イオン 濃度の上昇を引き起こし、不可逆的な細胞傷害が引き起こされる 【虚血後の細胞傷害】 虚血状態(酸素やグルコースの 欠乏) ⇒細胞内でのエネルギー単位 である ATP の欠乏 ⇒細胞間隙のグルタミン酸濃 度が上昇 ⇒細胞内の Ca イオン濃度の上 昇 ⇒フリーラジカルの上昇 ⇒不可逆的な神経細胞障害

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# 低体温療法は、複雑で広範にわたる傷害カスケードの多数の反応系を抑制することで脳 を保護すると考えられている。 # 一方で、低体温には、時として生命を危険にさらしかねない合併症をきたす。このため、 低体温が脳に保護的に作用するのは、特殊な条件が整った場合に限られる。 # 新生児の脳は、成人の脳に比べて低酸素や虚血に対する耐性が高いが、視床•基底核部 が比較的傷害を受けやすい。 # 新生児の HIE では、大泉門や骨縫合による圧緩衝能力が高いため、成人で見られるよう な、頭蓋内圧の上昇による脳組織灌流障害は認めにくい。 Ⅰ 搬送時の注意 ①搬送中の基本は、「冷やし過ぎない」「温め過ぎない」 ②体温は 36-37℃を目標にするのが安全 . ③搬送中の低体温療法開始(Pre-hospital cooling)は、新生児に特化した安定した持続温度 管理ができる環境下でなければ、薦められない Ⅱ 冷却機器と冷却基準 ①冷却機器 冷却に際しては「電子温度制御方式の冷却機器」を使用する 氷沈や湿らせたオムツなどによる冷却は、温度が安定しないため薦められない 冷却中は必ず直腸か食道で持続温度モニターを行う ②「直腸温」の利点と注意点 プローブの挿入は早く、簡単 外れるリスクが高い 2cm 未満の挿入では低く評価してしまう 肛門から 3〜5cm の深さに挿入し、しっかり固定し、挿入部に印をつける ③「食道温」の利点と注意点

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深部体温を早く、正確に反映 胸部レントゲンで深さを確認する必要がある(ただし、下記挿入方法で比較的正確な深部 体温が得られるため、冷却はレントゲンを待たずに開始すべき) 比較的清潔な挿入操作が要求される 初回挿入長の目安~鼻腔から胸骨下縁までの距離を 測定し、その値から 2cm 引いた深さに挿入・仮固定する。

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Ⅲ 低体温療法エントリー基準フローチャート(日本版ガイドラインより)

基準 A・B を満たす症例には低体温療法の利益が認められるため、参考基準 C の aEEG は 現在必須ではないと考えられている。ただし、施設の事情で、より重症の児を選別して低 体温を行うためには有用である可能性がある。

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Ⅳ 冷却開始 ①冷却開始時の一般的注意事項 ・適応基準の確認(前ページフローチャート参照) A: 在胎 36 週以上で出生し、少なくとも以下のうちひとつを満たすもの -生後 10 分のアプガースコアが 5 以下 -10 分以上の持続的な新生児蘇生(気管挿管、バッグ換気など)が必要 -生後 60 分以内の血液ガス(臍帯血、動脈、静脈、末梢毛細管)で pH が 7 未満

-生後 60 分以内の血液ガス(臍帯血、動脈、静脈、末梢毛細管)で Base deficit が 16mmol/l 以上 適応基準 A を満たしたものは、B の神経学的診察の異常の有無について評価する。 B: 中等症から重症の脳症(Sarnat 分類 2 度以上に相当)、すなわち意識障害(傾眠、鈍麻、 昏睡)および少なくとも以下のうちひとつを認めるもの(新生児脳症に詳しい新生児科医も しくは小児神経科医が診察することが望ましい) 筋緊張低下 “人形の目”反射の消失、もしくは瞳孔反射異常を含む異常反射 吸啜の低下もしくは消失 臨床的けいれん 適応基準 A と B をともに満たしたものは、可能であればさらに a EEG によって評価する ことが望ましい。 C: 少なくとも 30 分間の aEEG の記録で、基礎律動の中等度以上の異常(#)もしくは発作 波*を認めるもの。この際、古典的脳波計による評価は基準としては採用しない。

#: 中等度異常 = upper margin >10μV かつ lower margin < 5μV もしくは高度異常 = upper margin <10μV *:突発的な電位の増加と振幅の狭小化、それに引き続いて起こる短い burst-suppression も含む ・除外基準の確認 冷却開始の時点で、生後 6 時間を超えている場合 在胎週数 36 週未満のもの 出生体重が 1800 未満のもの

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大きな奇形を認めるもの 現場の医師が、全身状態や合併症から、低体温療法によって利益を得られない、あるいは 低体温療法によるリスクが利益を上回ると判断した場合 必要な環境がそろえられない場合 導入時の注意点: ・体重の重い児や体動の多い児は冷えにくい ・体重の軽い児や体動のない児は過冷却注意 ・できるだけ早く目標温度に到達 ・冷却開始時の「過冷却」に注意 ② 冷却開始時の注意 ・目標体温は全身低体温で33-34℃ ・選択的頭部冷却で34-35℃ ⇒どちらも35℃を意識しよう . ・はじめての施設では全身冷却が簡単・安心 ・体温は直腸か食道で持続モニター ・鼻咽頭は目標には使えない 機械による自動冷却調節の注意点: ・全身冷却では有用(ただし、復温後半には使えない~復温の項参照) ・選択的頭部冷却では決して使ってはいけない! ~深部体温を維持するために、キャップの温度が上がったり下がったりする (=大脳皮質を中心に、脳温が乱高下し、何のための冷却なのかわからなくなる)

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Ⅴ 全身冷却開始時の注意 ・開放式でも閉鎖式でも可(加温はすべて off) ・20℃のマットレスで急速導入 ・体温 35℃になったらマットレスを 25℃程度まで上げる ・28-30℃のマットレスで管理できることが多い ・全身低体温の導入例 35℃を意識しよ う! ・全身冷却ではヒーターは極力使いたくない

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Ⅵ 頭部冷却開始時の注意 ・必ずラジアントウォーマーで ・目標体温は34-35℃ ・冷却開始時の頭部パッドは 8-12℃に設定 ・35℃に近づいたら、ラジアントウォーマーで体幹を温める ・手動温度調節の機器では、各回の温度調節幅は 0.5~1.0℃ ・選択的頭部冷却の導入例 ・ヒーターOff・キャップを 8-12℃に設定 ・体温が 35℃を切ったらヒーターOn ・Max 近い加温・できるだけ低い水温(10-20℃) ・キャップ温度のサーボコントロールは絶対ダメ! ・選択的頭部冷却の導入例

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・選択的冷却ではウォーマー使用が前提 ・目標上限の 35℃まで一気→ウォーマーで調節 ・冷却抵抗性因子を意識しよう!! 熱産生が大きい - 体重・体動・交感神経亢進 - けいれん・代謝亢進 冷却は雪だるまころがし~35℃を意識 転がり始めるまでは強い力 転がり始めたら止めることを考える

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Ⅶ 冷却中の一般事項 ① 「ミニマルハンドリング」を心がける ⇒baby の管理の基本はミニマルハンドリングであり、仮死での神経学的ストレス、組織障 害を助長させないためにも必要以上の侵襲をかけないよう努める必要がある。 低体温導入 後に、ひとたび冷却装置の温度設定が定まると、比較的安定した管理が可能となる。呼吸・ 循環に障害を抱える児の多くも、生後 6-12 時間程度で血圧や酸素化が安定し、スタビラ イズされることが多い。一見超急性期を脱したかに見えるこの時期に、脳内では再灌流に よる組織傷害が着々と進行しており、遅発性エネルギー障害やけいれん発作が認められる ようになることがあるため注意が必要である。 ② 1 日に数回は冷却機器と接触皮膚面の確認 ⇒選択的頭部冷却では、全身冷却よりもはるかに低い冷却水でクーリングを行うことに注 意し、冷却による頭皮への影響を確認するため、冷却中は、8 時間おきにキャップを外して 頭皮を確認する。全身低体温においても、接触面での脂肪壊死の報告もあり、定期的な観 察が必要である。 ③ 感染、出血兆候の確認 ⇒低体温療法施行中は易感染性に注意し、血小板減少や凝固異常などの合併症に留意する 必要がある。血球算定や血液像、CRP などの炎症反応は定期的にチェックする。頭部エコ ーでの頭蓋内出血の有無、脳動脈血流波形の経時的変化も随時フォローする。 ④ けいれん発作に注意 脳波の持続モニタリングを行う(aEEG、できれば長時間ビデオ脳波が理想) ⑤ 軽度の鎮静をかける ⇒新生児では筋弛緩剤などの深い鎮静なしでも低体温を導入できるが、適度な鎮静を施さ ないと興奮性の脳傷害を助長し、脳保護効果を減じる可能性がある。意識レベルを下げる ことよりも、不快な刺激によるストレスを和らげることが目的なので、塩酸モルヒネやフ ェンタニルのような麻薬系の薬剤が適していると言われている。 ⑦ 日齢 2-3 で顔面浮腫が悪化することがあるが、無理にこじ開けて眼球をみようとしな いこと

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⇒冷却開始後 1-2 日は顔面の浮腫が進み、診察しようとしても眼瞼を手で開くことができ ないほどに強い浮腫をきたすことがよくある。この場合には、数日待つことで徐々に浮腫 が改善してくることが多い。心不全などがなく、顔面のむくみだけであれば利尿剤などは 使わず、また、無用な外傷を防ぐため、診察のために無理に眼瞼をこじ開けたりしようと はしないこと。 ⑧ 原則筋弛緩薬は不要 ⇒大泉門と骨縫合の状態・覚醒状態・筋緊張・姿勢・原始反射やけいれん様発作の有無を 定期的に観察し、少なくとも 8 時間に 1 回は記録をする。Thompson が Sarnat の脳症 分類を元に作成した低酸素性虚血性脳症スコアが簡便で有用である。神経学的異常所見を マスクしないように筋弛緩剤の使用は避ける。可能な限り aEEG を持続モニタリングし、 適宜標準脳波も施行する。どちらもビデオ記録を併用することで、臨床的発作、電気生理 学的発作と両者が同期した狭義のけいれん発作を区別することが可能である。

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Ⅷ 脳波検査 ・低体温療法適応可否の判断は、標準脳波計ではなく、aEEG を用いて定量的に行う ・電極は、原則として両側頭頂部に貼り付ける ・aEEG の判読の際には、インピーダンスが十分に低いことを確認する ・ノイズやアーチファクトに注意する ・圧縮波形だけでなく、生波形(raw tracing)で確認する ・予後予測の観点からも、脳波背景活動の回復が重要 低体温療法における脳波検査の意義は、ひとつは、①低体温療法適応基準における客観的 指標、もうひとつは②低体温療法中の脳機能モニターである。 ①については、aEEG を用いることが推奨される。この理由としては、aEEG が設定や測 定開始が簡易でありすぐに測定できること、また、定量化された圧縮波形は客観性に優れ ることである。aEEG の欠点としては、環境ノイズに気づきにくいことが挙げられる。 ②については、必須ではないものの、低体温療法中のけいれんの検出や、背景活動の回復 度合いによる予後評価の観点から、可能であれば標準脳波計による長時間が望ましい。 aEEG 標準脳波計 短所 環境ノイズに弱い けいれんの検出感度が低い 空間分解能が低い 判読に経験を要する 設定が複雑 定量性がない 長所 装着・記録開始が簡単 定量性がある 長時間記録が可能 環境ノイズに強い けいれんの検出感度に優れる 空間分解能が高い ・低体温療法中、後の脳波背景活動の回復の度合いは予後評価の観点から重要である。

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・一般に、脳波の背景活動回復が遅いほど神経学的予後が不良である。

・低体温療法を行うことで脳波の背景活動や睡眠・覚醒周期(Sleep-Wake Cycle)の回 復は大幅に遅れることが知られており、低体温療法を行わない場合とは、ことなる基準で 判断する必要がある。

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Ⅸ 冷却中の内科的管理 ・呼吸・循環・温度管理と感染対策が重要 .・有効な併用薬物療法は未だに確立されていない ・けいれんを認めた場合には抗てんかん薬を投与 ・抗てんかん薬の予防的投与が予後を改善するという根拠は不十分 ①冷却中の内科管理 ・大原則として、低体温療法は全身状態が安定している前提で成り立つ治療である。従っ て呼吸・循環・温度管理や感染対策を十分に行い、細やかなモニタリングをすることが必 須である。 ・現在エリスロポエチンやキセノンガスなどさまざまな低体温療法との併用療法が臨床研 究としてテストされているが、十分なエビデンスを持って報告・施行されているものはな い。これらは今後我が国でも臨床研究のもと、プロトコールとして確立されていくべきも のである。 ②冷却中の内科管理 ・低体温療法中のけいれん発作は興奮性傷害を助長する可能性があることに加えて、深部 体温を急激に上昇させることから、状況に応じて抗けいれん薬による治療を検討すべきで ある。 ・抗けいれん剤の選択は,フェノバルビタール・フェニトインを第一選択とし、これらが 無効な場合,ジアゼパム・ミダゾラム・リドカイン(フェニトインの後のリドカインの使 用は中毒症状をきたしやすいために、極力避ける)などを考慮する。フェノバルビタール・ ジアゼパム・ミダゾラムなどの GABA 作動薬は、けいれんを誘発・増強する可能性も指摘 されているため、注意深く観察するとともに、同効薬ばかり重ならないよう配慮する。

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Ⅹ 呼吸循環管理 ・冷却により心拍や血圧が少し低下するが、組織循環が保たれていれば許容する .・必要に応じて輸液や昇圧剤の使用を検討 .・血液ガスは、患者の体温補正値で評価 (37℃で測定値を使用する場合、CO2 が 10%ほど飛びやすくなることに注意) ①循環変量 ・血圧は軽度低下・不変・上昇のいずれもあり .・90/分程度の除脈は正常 .・110/分以上の心拍数はむしろけいれん発作やストレスサインの可能性 .・末梢循環や尿量・血液 Lactate などを参考に,ある程度の除脈は許容 . ②筋弛緩剤は極力使わないで! ・冷却刺激に対する交感神経刺激は有害なので,適切な鎮静は必要 .・メカニズムからは,麻薬系の鎮静が最適 .・筋弛緩剤は有害事象が多くなる ⇒自律調節能を奪う ・ 無気肺を作りやすい ・ むくみ ・ 血管内水分調節不良 皮膚トラブル ・ ストレスサインやけいれん発作に気づきにくい ③呼吸管理 ・低炭酸ガスに注意 - 代謝低下と血液ガス値の温度変化で,二重に低炭酸ガスに陥りやすい

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- 血液を 37℃測定する場合(α-stat),10%程度高めのガス値を見ていることを意識 し,低炭酸ガスを避けよう .・加湿トラブルに注意 - 正常体温設定で高性能加温加湿器を使うと,過剰加湿になる - 低体温設定が可能な加温加湿器は限られている - 非加熱部分が長い回路を使うと,低加湿に陥る - 温度・湿度を測定するか,臨床所見を参考に調節する必要

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ⅩⅠ 復温 ・冷却開始後 72 時間で復温を開始 ・72 時間以上の冷却の有効性は、現時点では確立していない ・1時間に 0.5 度を超えない速度で 4 時間以上かけて(通常半日程度で)、37 度に復温。 ・復温完了後に、高体温となることがあるので、少なくとも半日程度は体温を観察 復温の実際…全身低体温編 マットレスはすでに 32-34℃程度 冷やしていると言うよりは,熱流を制御しているに過ぎないことに注意! マットレス温度を 1 回に 1-2℃ずつ上げ,ゆっくり復温 マットレスの温度は,37℃を上限にする 必要ならラジアントウォーマーで復温する マットレスが決して 37℃以上にならないようにしよう サーボコントロール復温では体温 37℃に到達しにくい

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復温の実際…選択的頭部冷却編 ウォーマーの設定は変えずにキャップを 25-30℃に上げる 体温が 35℃を超えたらキャップを外し,1 時間待つ ゆっくりラジアントウォーマーで復温する キャップ温のサーボコントロールは絶対ダメ! 復温時もキャップ温設定を 30℃以上にはしないで!

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ⅩⅡ 画像検査 ・退院までに少なくとも 1 度は頭部 MRI を撮影することが望ましい ・頭部超音波検査や頭部 CT 検査による低酸素虚血病変の検出感度は MRI には及ばない ・MRI はシーケンスによって、感度特異度が高い撮像時期が異なる - DWI 日齢 2~5 - T1・T2 強調画像 日齢 5~14 - 1H MRS 日齢 1~30 ・頭部 MRI による低酸素虚血障害の評価が予後の観点から重要である ・低酸素虚血による脳障害の程度を客観的に評価する画像検査としては、頭部 MRI 検査が 一番有用である ・可能であれば、拡散強調画像、MRS といった撮像法も組み合わせる ・低体温治療開始前や低体温治療中に頭部 MRI を撮る必要はない ・拡散強調画像の異常信号は受傷から 1 週間程度で消失する。低酸素虚血病変は日齢 1-5 では拡散強調画像で高輝度を呈し、ADC マップでは低輝度(ADC 低値)となり、その後、 T1・T2 強調画像で異常が観察されるようになる ・全身低体温療法により、この時間経過がわずかに後ろへずれることが示唆されている (Bednarek et al. Neurology 2012)

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ⅩⅢ フォローアップ 退院前からの家族の支援体制の構築を (地域の保健師やかかりつけ医との連携が重要) 担当医だけではなく、看護師、心理士、リハビリスタッフ、ケースワーカーなどを加えた multidisciplinary approach が望ましい (医師はチームのオーガナイザーとしての役割を果たす事が重要) 後遺症は、軽度発達障害から重度四肢麻痺で人工呼吸管理を要するものまで幅広く、きめ 細かい対応が必要 (小児神経の専門医、小児精神発達の専門医と適宜連携する。また地域における療育施設 や訪問診療との連携も視野に入れる。日頃からの関係作りが重要) 参考となるサイト;乳幼児の在宅医療を支援するサイト <日本小児在宅医療支援研究会> (http://www.happy-at-home.org/5.cfm)

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実践低体温療法 ~事前の準備から出生・治療・退院まで~ 出生から搬送入院まで~送る側・受ける側の準備は? 医療法人社団 愛育会 福田病院 新生児科 徳久 琢也 * 鹿児島県の新生児医療の現状 * 鹿児島県における低体温療法施行例の検討 * 新生児搬送体制(送る側、受ける側) 本日の内容 鹿児島県の出生数の年次推移 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 昭25 35 40 45 50 55 60 平2 7 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 (出生数:人) 平成20年度鹿児島県の母子保健(第40号) 0 2 4 6 8 10 12 14 16 昭25 30 35 40 45 50 55 60 平2 7 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 鹿児島県 全国 早期新生児死亡率の年次推移 出生千対 出生後1週間以内の死亡例 出生千対 出水総合医療センター 3床 鹿屋医療センター 5床 済生会川内病院 4床 県立北薩病院 1床 県立大島病院 5床 今給黎総合病院 19床(NICU 9床) 地域周産期母子医療センター 鹿児島市立病院 80床(NICU 36床) 総合周産期母子医療センター 鹿児島大学病院 15床(NICU 9床) 地域周産期母子医療センター 鹿児島県の主な新生児医療8施設 NICUを有する施設:3 (三次救急) NICUを有さない施設:5 (二次救急) NICUベッド総数 54床 3.5床/1000人出生 8施設の死亡症例46例の詳細 (平成19ー21年度) 症例 出生体重 出生週数 疾患 施設 症例 出生体重 出生週数 疾患 施設 1 368 23 IUGR 市立 24 1891 35 致死性四肢短縮症 市立 2 382 23 TTTS 市立 25 1962 40 18トリソミー 市立 3 400 26 IUGR 市立 26 2030 39 新生児仮死 市立 4 496 30 IUGR 市立 27 2070 33 骨髄異形成症候群 市立 5 527 22 出血後水頭症 市立 28 2126 37 先天性横隔膜ヘルニア 市立 6 547 22 敗血症 市立 29 2340 40 新生児仮死 市立 7 561 23 敗血症 市立 30 2541 34 筋緊張性ジストロフィー 市立 8 570 23 敗血症 市立 31 2604 33 胎児水腫 市立 9 590 23 TTTS 市立 32 2744 38 新生児仮死 市立 10 605 26 羊膜索症候群 市立 33 2906 35 先天性横隔膜ヘルニア 市立 11 622 23 敗血症 市立 34 3000 40 新生児仮死 市立 12 636 24 敗血症 市立 35 3300 41 新生児仮死 市立 13 705 24 壊死性腸炎 市立 36 4044 40 新生児仮死 市立 14 732 26 TTTS 市立 37 1310 37 neonatal hemochromatosis 大学 15 784 24 筋疾患 市立 38 1396 35 新生児仮死, 十二指腸閉鎖 大学 16 838 26 胃破裂 市立 39 1448 32 新生児仮死 大学 17 844 25 肺低形成 市立 40 1238 29 RDS 大島 18 884 30 TTTS 市立 41 1644 30 RDS 大島 19 968 27 出血後水頭症 市立 42 1884 38 18trisomy 大島 20 1026 27 IUGR、新生児仮死 市立 43 1954 34 新生児仮死 大島 21 1126 38 先天性奇形症候群 市立 44 2690 35 重症感染症、腎不全 大島 22 1388 29 敗血症 市立 45 2744 38 新生児仮死 大島 23 1478 32 胎児胸水、胎児水腫 市立 46 2050 36 新生児仮死 鹿屋 8施設外出生 10例(21.2%) 8施設内出生、母体搬送例 36例(78.8%)

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(平成19ー21年度) 症例 出生体重 出生週数 疾患 施設 症例 出生体重 出生週数 疾患 施設 1 368 23 IUGR 市立 24 1891 35 致死性四肢短縮症 市立 2 382 23 TTTS 市立 25 1962 40 18トリソミー 市立 3 400 26 IUGR 市立 26 2030 39 新生児仮死 市立 4 496 30 IUGR 市立 27 2070 33 骨髄異形成症候群 市立 5 527 22 出血後水頭症 市立 28 2126 37 先天性横隔膜ヘルニア 市立 6 547 22 敗血症 市立 29 2340 40 新生児仮死 市立 7 561 23 敗血症 市立 30 2541 34 筋緊張性ジストロフィー 市立 8 570 23 敗血症 市立 31 2604 33 胎児水腫 市立 9 590 23 TTTS 市立 32 2744 38 新生児仮死 市立 10 605 26 羊膜索症候群 市立 33 2906 35 先天性横隔膜ヘルニア 市立 11 622 23 敗血症 市立 34 3000 40 新生児仮死 市立 12 636 24 敗血症 市立 35 3300 41 新生児仮死 市立 13 705 24 壊死性腸炎 市立 36 4044 40 新生児仮死 市立 14 732 26 TTTS 市立 37 1310 37 neonatal hemochromatosis 大学 15 784 24 筋疾患 市立 38 1396 35 新生児仮死, 十二指腸閉鎖 大学 16 838 26 胃破裂 市立 39 1448 32 新生児仮死 大学 17 844 25 肺低形成 市立 40 1238 29 RDS 大島 18 884 30 TTTS 市立 41 1644 30 RDS 大島 19 968 27 出血後水頭症 市立 42 1884 38 18trisomy 大島 20 1026 27 IUGR、新生児仮死 市立 43 1954 34 新生児仮死 大島 21 1126 38 先天性奇形症候群 市立 44 2690 35 重症感染症、腎不全 大島 22 1388 29 敗血症 市立 45 2744 38 新生児仮死 大島 23 1478 32 胎児胸水、胎児水腫 市立 46 2050 36 新生児仮死 鹿屋 死亡原因: 新生児仮死が最多 (46例中9例、19.6%) 8施設の死亡症例46例の詳細 8施設以外での出生 9例中8例(88.9%) ・新生児仮死が死亡原因の最多をしめていた 対策の検討が必要 ・新生児搬送 ・治療 ・低体温療法 鹿児島県における新生児死亡原因 * 鹿児島県の新生児医療の現状 * 鹿児島県における低体温療法施行例の検討 * 新生児搬送体制(送る側、受ける側) 本日の内容 1.神経学的評価 2.分娩時背景因子 3.FHR monitoring と神経学的評価 鹿児島県における低体温療法施行例の検討 BHT施行症例 BHT施行62例(0.79%) BHT施行後18ヶ月以内の死亡4例 生後18ヶ月以上44例 生存58例 生後18ヶ月未満14例

Follow up脱落3例 Follow up継続41例 入院総数 7807例 2000年12月~2011年9月 BHT非施行7745例 院内出生: 9例 院外出生:53例 BHT施行症例の神経学的評価(n=45) 予後良好群 (n=19) 42.2% ボーダー群 (n=3) 6.7% 予後不良群 (n=23) 51.1%

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胎盤早期剥離15例 35.7% 分娩時NRFS14例 31.7% 来院時NRFS 7例 16.7% 臍帯脱出 4例 9.5% 麻酔後徐脈2例 4.8% 分娩時背景因子 (n=42、除ボーダー群)

NRFS : non reassuring of fetal status

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 予後良好群 (n=19) 予後不良群 (n=23) 8 7 6 8 3 4 1 3 1 1 胎盤早期剥離 分娩時NRFS 入院時NRFS 臍帯脱出 麻酔後徐脈 神経学的予後と分娩時背景因子 (n=42、除ボーダー群) (30.4%) (34.8%) (17.4%) (42.1%) (31.6%) (5.3%) (5.3%) (13.0%) (4.3%) (15.8%)

NRFS : non reassuring of fetal status

1.FHRパターンと心拍数

a)遅発一過性徐脈 (Late deceleration; LD) b)変動一過性徐脈 (Variable deceleration; VD) c)遷延性一過性徐脈 (Prolonged deceleration; PD) d)徐脈 (Bradycardia; BC) 2.基線細変動の評価(細変動消失 (Loss of Variability; LOV)の有無) 3.急速遂娩の適応から娩出までの時間 FHR monitoring と神経学的評価 ・FHR Monitoring評価項目 ・神経学的評価(n=37) 1.予後良好群 : DQ>=80 19例 2.予後不良群 : 70<DQ 、重症心身障害児、生後18ヶ月以内の死亡例 18例 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 予後良好群 (n=19) 予後不良群 (n=18) 10 12 1 0 2 4 6 2

bradycardia prolonged deceleration variable deceleration late deceleration

FHRパターンと神経学的評価(n=37) FHR monitoringと神経学的評価 (66.7%) (22.2%) (11.1%) (52.6%) (5.3%) (10.5%) (31.6%) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 予後良好群 (n=19) 予後不良群 (n=18) 1 8 18 10 LOV(+) LOV(-) FHR monitoring と神経学的評価 LOVの有無と神経学的評価 LOVを認めた場合、有意(p=0.007)に予後不良 (44.4%) (55.6%) (5.3%) (94.7%) 0 20 40 60 80 100 120 140 160 10 30 50 70 90 110 130 150 娩出時間 FHR FHR と娩出時間(n=37) 予後不良群 n=18 予後良好群 n=19

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0 20 40 60 80 100 120 140 160 10 30 50 70 90 110 130 150 娩出時間 FHR FHR と娩出時間(n=37) 予後不良群 n=18 予後良好群 n=19 0 20 40 60 80 100 120 140 160 10 30 50 70 90 110 130 150 娩出時間 FHR FHR と娩出時間(n=37) 予後不良群 n=18 予後良好群 n=19 FHR monitoring ・基準心拍数70以下の徐脈 ・30分以上持続する徐脈 ・Loss of Variability 分娩時の評価 * 鹿児島県の新生児医療の現状 * 鹿児島県における低体温療法施行例の検討 * 新生児搬送体制(送る側、受ける側) 本日の内容

こうのとり号

初代 こうのとり号 (平成13年3月~平成22年2月) 新 こうのとり号 (平成22年3月~) 新 こうのとり号 車内 保育器:こうのとり号専用1台 ヘリコプター搬送用1台 (小児、成人搬送用に変更可能) 人工呼吸器:2台 患者監視装置:2台 除細動器:1台 血液ガス分析器:1台 患者情報管理用PC:1台 (インターネット接続可能)

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こうのとり号搬送症例(1125例) (平成13年3月 – 平成22年2月) 一過性多呼吸 RDS 新生児仮死 (11.7%) 低出生体重児 先天性心疾患 無呼吸発作 感染症 気胸 けいれん 低血糖 消化管閉鎖 染色体異常 気管支軟化症 先天性横隔膜ヘルニア 食道閉鎖 分娩外傷 重症黄疸 母児間輸血症候群 PDA 胃破裂、消化管穿孔 不整脈 メレナ 鎖肛 髄膜瘤 胎児水腫 312例 159例 132例 81例 74例 42例 35例 31例 14例 11例 10例 9例 8例 8例 8例 7例 7例 6例 5例 4例 4例 3例 3例 3例 3例 鹿児島市立病院におけるBHT施行症例 BHT施行 62例(0.79%) 院外出生:53例 院内出生: 9例 NRFSによる緊急母体搬送にて出生 双胎第一子娩出後横位による緊急帝切 糖尿病合併妊娠、妊健未受診、母体搬送 もやもや病合併妊娠、帝切麻酔後徐脈 妊婦健診時のNRSF による緊急帝切 分娩停止 3例 2例 1例 1例 1例 1例 2000年12月~2011年9月 入院総数 7807例 ドクターカー、ドクターヘリによる新生児搬送 Prehospital cooling 直腸温35℃ 0 0.5 1 1.5 2 2.5 平成9~12年 平成13~19年 鹿児島 南薩 川内・伊集院 北薩 姶良 大隅 種子島・屋久島 奄美 鹿児島県 全国 こうのとり号導入前後の地区別早期新生児死亡率の変化 平成13年:こうのとり号導入 全国平均 鹿児島県 平均 地区別早期新生児死亡率(平成13年~平成19年) 平成13年: こうのとり号導入 全国平均:1.1 鹿児島県:0.9 1.1 1.2 1.4 1.5 0.7 0.1 0.8 0.6 こうのとり号出動要請から到着までの時間 30分以内 約1時間 約2時間 鹿児島市立病院 他県への搬送2時間以上 ヘリコプター搬送 2009年10月~ 県防災ヘリコプター 2011年12月~ ドクターヘリ(鹿児島市立病院)導入

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ドクターヘリによる新生児搬送 フライトドクター(救命科) フライトナース (救命科) 新生児科ドクター 2名 計4名 〜20Km 7min 〜40Km 14min 〜60Km 21min 〜80Km 28min 初期治療開始時間の短縮 搬送体制 ・胎児の評価 ・娩出方法 ・NCPR(新生児蘇生法) 送る側 受ける側 ・初期治療開始時間の短縮 ・安全な搬送方法 ・Prehospital cooling ・赤ちゃんの障害なき生存

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未熟児新生児・新生児看護学会 サテライト企画

Baby Cooling Japan 低体温療法実践講習会

導入基準と判定の実際

神奈川県立こども医療センター 新生児科 柴崎淳

在胎37週6日 体重3222g 男児

《主訴》 新生児仮死 《出生歴》 Apgar 1点(1分)/3点(5分)/4点(10分) 分娩誘発中に胎児心拍低下。 33分後に緊急帝王切開。子宮破裂だった。 自発呼吸なし。徐脈。 直ちに気管内挿管し、心拍回復。 生後20分より自発運動を認めた。 《血液ガス》 児静脈血 pH 6.98 BE -23 mmol/L

入院時(生後2時間)のaEEG

入院時 10 5

適応基準

在胎36週以上 + 低酸素虚血の証左 • 10min. Apgar ≤ 5 • 蘇生時間 ≥ 10min. • pH<7 • BD ≥ 16 中等度以上の脳症の存在(≧Sarnat 2°) • 傾眠、筋緊張低下、吸啜低下、痙攣発作 • 人形の目反射の消失 or 瞳孔反射異常 (もし可能ならば)aEEG • 中等度から重度の異常 • けいれん APS 低値 BE低値 pH 低値 脳症の 存在 羊水混濁 胎児心拍異常 けいれん

HIEの診断には「組合せ」が重要

田村正徳、新生児低体温療法実践マニュアル, 2011

適応基準の根拠は?

質の高い科学的根拠による裏付け

中等症から重症の低酸素性虚血性脳症に

低体温療法が有効

(死亡or障害のリスク 0.81)

ILCOR consensus 2010で

標準的治療に

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除外基準について

• 在胎36週未満、出生体重1800g未満 • 冷却開始の時点で生後6時間を超えている • 大きな奇形を認めるもの • 低体温療法のリスクが高い(高度の頭蓋内 出血など) • 必要な体制がそろえられないとき

なぜ6時間以内か?

遅発性エネルギー障害

脳内ATPは受傷後6〜20時間で再枯渇 Iwata O et al. Brain Res 2007.

0 0.1 0.2 0.3 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 Time (min) A TP 潜伏期間 遅発性エネルギー障害 低酸素 虚血

低体温療法開始までの時間

週数・体重 基準A(仮死の証左)

在胎36週以上、出生体重1800g以上

以下のどれか一つを満たす

10分のApgar Scoreが5点以下

10分以上の持続的な新生児蘇生が必要

生後60分以内の血液ガスでpH7未満

生後60分以内の血液ガスでBEが−16以下

※除外基準 冷却開始の時点で生後6時間を超えている場合 大きな奇形を認めるもの 低体温療法のリスクが高い(高度の頭蓋内出血など)

HIEの重症度 予後との関連

• 軽症: 100% 正常発達

• 中等症: 10% 死亡, 30% 重度の運動発

達障害と精神発達障害

• 重症: 50% 死亡, 95-100%重度の運動

発達障害と精神発達障害

Sarnat classification of HIE grading

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基準B HIEの重症度

• 意識障害

and 以下のうち1つ

• 緊張低下 • “人形の目”反射の消失or瞳孔反射異常 • 吸啜低下/消失 • 臨床的けいれん

脳症の重症度診断は難しい

意識障害をどう判断するか?

正常、過敏、傾眠、混迷、昏睡 • 刺激への反応で判定(傾眠、混迷、昏睡)。 • 刺激がない状態での観察も重要。 • 過敏 傾眠 どっち? Sarnat 1 or 2? • すごく過敏と思っていたら、急に眠ってしまう症 例に注意。(意識状態の急な変化に注意)

Recoilの評価

上肢Recoilの評価

肘を完全に5秒屈曲。 肘を伸展させた後、gentlyに離す。 上肢が完全に屈曲するかどうか?

下肢Recoilの評価

両足首をつかみ、完全に下肢を5秒屈曲。 下肢を完全に2秒伸展させ、足首を離す。 下肢が完全に屈曲するかどうか?

Physical Diagnosis in Neonatology. Fletcher A.M.

より客観的な判定のために

Thompsonのスコア

10点以上で中等度,12-15点以上は重症!

Thompson et al. 1997 Acta Paediatr.

電位での分類 活動パターンの分類 正 常 記 録 正常 Upper margin>10uV Lower margin>5uV 持続正常電位 パターン Continuous Normal Voltage (CNV) 正 記 録 異 常 記 録 中等度抑制 Upper margin>10uV Lower margin<5uV 非連続正常電位 パターン Discontinuous Normal Voltage(DNV) バースト・サプレッ ションパターン Burst Suppression(BS) 異 常 記 録 高度抑制 Upper margin<10uV Lower margin <5uV 持続低電位パターン Continuous Low Voltage (CLV) 平坦活動パターン Flat Trace (FT)

aEEG背景活動の評価

10 5 10 5

《aEEG》 正常:upper margin >10uV, かつlower margin >5uV

中等度異常:upper margin >10uV, lower margin <5uV

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aEEGは導入に必須か?

NICHD Cool Cap TOBY Control

予後不良 62% 66% 53%

Hypothemia

予後不良 49% 55% 45% Thoresen M. J Pediatr 2011;158:e45-9より.

必須ではないが有用。

アーチファクトにより判定が困難な場合がある。 aEEG正常でも予後不良?

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未熟児新生児・新生児看護学会サテライト企画

Baby Cooling Japan

低体温療法実践講習会

想定外をなくす!

~冷却開始までに準備しておくこと~

淀川キリスト教病院 向井丈雄 院内出生 蘇生 蘇生 低体温療法開始 院外出生 HIEの重症度判断 搬送連絡・出向 NICUへ連絡 搬送 NICUへ連絡

連絡を受けたら・・・

「HIE」の診断で、低体温の適応あるいは、その 可能性があると連絡を受けたら・・

低体温療法の導入を可能な限り早く!!

➡準備が非常に大切!!

(特に院内出生ではバタバタ・・)

(院外出生では、出生から搬送連絡まで

大分時間が経っているときも・・・)

準備するもの

• (開放式)保育器 • 低体温デバイス • aEEG • 深部体温持続(食道か直腸) • パルスオキシメーター • 心拍・呼吸モニター • 人工呼吸器 • CO2モニター(呼気か経皮) • 中心静脈ライン • Aライン • エコー • レントゲン

準備するもの

• (開放式)保育器 • 低体温デバイス • aEEG • 深部体温持続(食道か直腸) • パルスオキシメーター • 心拍・呼吸モニター • 人工呼吸器 • CO2モニター(呼気か経皮) • 中心静脈ライン • Aライン • エコー • レントゲン

保育器

冷却場所(患児をどこに入床させるか)の選択も大事。

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低体温デバイス

低体温デバイス

準備するもの

• (開放式)保育器 • 低体温デバイス 冷却マットもしくはMedicool • aEEG • 深部体温持続(食道か直腸) • パルスオキシメーター • 心拍・呼吸モニター • 人工呼吸器 • CO2モニター(呼気か経皮) • 中心静脈ライン • Aライン • エコー • レントゲン

搬送+ライン類

6時間以内の

開始を念頭に!

NICU入院までの搬送時間と

低体温療法開始までの時間

淀川キリスト教病院 n=18 倉敷中央病院 n=24 出生からNICU までの搬送時間 (①) (分) 院外 170 (64~363) 174 (35~352) 院内 34 (25 ~50) 18 (4 ~67) NICU入院から BHT開始までの 時間(②) (分) 院外 125 (20~227) 132 (12~300) 院内 178(110~227) 182 (15~390) 出生からBHT 開始までの時間 (①+②) (分) 院外 295 (164~458) 305 (130~462) 院内 212(160~331) 200 (34~408) p=0.02 P<0.001 院内出生 蘇生 蘇生 低体温療法開始 院外出生 HIEの重症度判断 搬送連絡・出向 NICUへ連絡 搬送 NICUへ連絡 ※除外基準 先天奇形・脳出血・PPHN etc

Take Home Message

• 低体温療法を必要とする仮死児では、できるだけ 早く(6時間以内は必要条件)低体温療法を開始する 必要がある。 • 特に院外出生で搬送までに時間がかかることが多い ため、低体温療法の適応を判断する間にも、冷却装置の プライミングやモニタリング機器の準備など可能な限り 済ませておく。 • 搬送後の診断で、低体温療法の適応外となることも 十分あり得る。

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KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 冷却の実際 ~早く安全に冷やすコツと 脳温を乱高下させない知識 久留米大学小児科 総合周産母子センター 高次脳疾患研究所 岩田欧介

新生児の低体温療法

• 冷却の実際 – 体は冷やすとどう冷える? – 冷却導入は時間との闘い – 呼吸循環管理…呼吸器回路の加温加湿と血液ガス – 先送りにした問題と対峙する復温期 – 原理を理解するとわかる!低体温療法NG集 2 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 低温 高温 34.5℃ 選択的頭部冷却法 全身冷却法 33.5℃ キャップ:10-20℃ 脳表:25-35℃ マットレス:25-32° 脳表:~33℃ 新生児では選択的頭部冷却と全身冷却 3 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 冷やし方の前に~体温の考え方 • 熱喪失が増えると熱産生を増やして対応 • でも小児・成人のようには… 4 熱産生量 熱喪失量 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE マットレス:本来室温だが 熱伝導悪く,保温効果大! 熱喪失は何で決まる? 環境との温度差・熱伝導・接触面積が重要 全身冷却の場合,大きな熱の出し入れが必要なのは 導入時のみ 5 冷却マットレス:32℃ 熱伝導すこぶる良好! 体温37℃ 室温:25℃ 体温33.5℃ 室温:25℃ KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE マットレス:本来室温だが 熱伝導悪く,保温効果大! マットレス:本来室温だが 熱伝導悪く,保温効果大! 選択的頭部冷却は大違い 常に体の中を熱の大河が流れている! 頭部を強力に冷やし,全身を強力に温める! 6 体温37℃ 室温:25℃ 体温34.5℃ 室温:25℃

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KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE もう一つ,体の中にも温度のむらがある! • 血流で熱はまんべんなくならされるが… • 頭部や体幹では大きな熱勾配が生じる • 末梢では血流次第で中心部の温度も低下 7 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 温度勾配を極めよう • 脳深部>食道>直腸>脳表層 • 脳は最も温かく,冷たい? • 温度差は~1℃程度 • 直腸温の解釈は慎重に 8

Okken & Koch

a b c d e a 直腸 b 食道 c 脳深部 d 脳表 e 頭皮 温度 平熱時 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 全身冷却 選択的頭部冷却 a 直腸 b 食道 c 脳深部 d 脳表 e 頭皮 温度 平温時 温度 a 直腸 b 食道 c 脳深部 d 脳表 e 頭皮 平温時 a b c d e キャップ温 10-20℃程度 a b c d e マットレス温 28-34℃程度

新生児の低体温療法

• 冷却の実際 – 体は冷やすとどう冷える? – どの冷却法が良い? – 冷却導入は時間との闘い – 呼吸循環管理…呼吸器回路の加温加湿と血液ガス – 先送りにした問題と対峙する復温期 – 原理を理解するとわかる!低体温療法NG集 10 冷却の実際 11 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 体温37℃ マットレス 20℃ 体温35℃ マットレス 25℃ 体温33.5℃ マットレス 28℃ 全身冷却…導入の実際 • 開放式でも閉鎖式でも可(加温はすべてoff) • 20℃のマットレスで急速導入 • 体温が35℃になったらマットレスを25℃まで上げる • 28-30℃のマットレスで管理できることが多い 12

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KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 32 34 36 38 ①冷却開始 核温(℃) 0 60 120 時間(分) 目標温度域 ②35℃通過 33 35 37 ③34℃通過(目標達成) • 言葉にすると簡単だけど… 13 全身冷却ではヒーターは極力使いたくない 35℃を意識しよう! KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 選択的頭部冷却はお勧めしませんが • ヒーターOff・キャップを8-12℃に設定 • 体温が35℃を切ったらヒーターOn • Max近い加温・できるだけ低い水温(10-20℃) キャップ温度でサーボコントロールは絶対ダメ! 14 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 冷却抵抗性因子を意識しよう! • 熱産生が大きい – 体重・体動・交感神経亢進 – けいれん・代謝亢進 • 急な温度変動でもチェックを! 冷却は雪だるまころがし~35℃を意識 • 転がり始めるまでは強い力 • 転がり始めたら止めることを考える 16 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE ①冷却開始 0 60 120 時間(分) 32 34 36 38 核温(℃) 33 35 37 目標温度域 ②35℃通過 ③34℃通過 よくある導入期のトラブル 1.目標達成に1時間半以上かかった 17 マットレスの接触面積は十分? 断熱材ははさまれてない? 体動やけいれんは?裏と表は? KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE ①冷却開始 0 60 120 時間(分) 32 34 36 38 核温(℃) 33 35 37 目標温度域 ②35℃通過 ③34℃通過 よくある導入期のトラブル 2.過冷却になってしまった症例 18 • 導入時には文字通り“張り付き管理”が必要 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE ①冷却開始(マットレス 20℃) 0 60 120 時間(分) 30 32 34 36 核温(℃) 31 33 35 ②35℃通過(25℃) よくあるトラブル…おまけ 3.温度降下が止まらない! 19 • 温度プローブの抜去に注意(特に直腸)! ③34℃通過(28℃) 30℃ 34℃ おかしいぞ…?

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新生児の低体温療法

• 冷却の実際 – 体は冷やすとどう冷える? – 冷却導入は時間との闘い – 呼吸循環管理…呼吸器回路の加温加湿と血液ガス – 先送りにした問題と対峙する復温期 – 原理を理解するとわかる!低体温療法NG集 20 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 時間がないので今回は箇条書きで • 90台程度の除脈は許容 – 組織循環が保たれているか考えよう • 筋弛緩剤は苦労多くして利益少ない – 完全に征服するより,自律調節能を生かして管理 • 呼吸管理でチューブトラブル多し – 現時点で黄金律なし~臨床所見を大切に • 炭酸ガスが二重に飛びやすい! – 導入時と同じ設定ではだめ – ガスの読み方に注意 21

新生児の低体温療法

• 冷却の実際 – 体は冷やすとどう冷える? – 冷却導入は時間との闘い – 呼吸循環管理…呼吸器回路の加温加湿と血液ガス – 先送りにした問題と対峙する復温期 – 原理を理解するとわかる!低体温療法NG集 22 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 復温の実際…全身低体温編 マットレスは冷たくないことに注意! • マットレス温度を1回に1-2℃ずつ上げ,ゆっくり復温 • マットレスの温度は,37℃を上限にする. • 必要ならラジアントウォーマーで復温する • 4-6時間程度 だめ,ゼッタイ! サーボ・37℃以上のマットレス 23 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE マットレス:本来室温だが 熱伝導悪く,保温効果大! なぜサーボで復温ができない? 正常体温でも,もともとマット面の熱喪失は少ない ~37℃にしたからと言って,今さら… 24 冷却マットレス:37℃ 熱伝導すこぶる良好! 体温37℃ 室温:25℃ 体温35.5℃ 室温:25℃ KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 復温の実際…選択的頭部冷却編 25 • ウォーマーの設定は変えずにキャップを25-30℃に上げる • 体温が35℃を超えたらキャップを外し,1時間待つ • ゆっくりラジアントウォーマーで復温する • 4-6時間程度の行程 だめ,ゼッタイ! サーボ・30℃以上のキャップ

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新生児の低体温療法

• 冷却の実際 – 体は冷やすとどう冷える? – 冷却導入は時間との闘い – 呼吸循環管理…呼吸器回路の加温加湿と血液ガス – 先送りにした問題と対峙する復温期 – 原理を理解するとわかる!低体温療法NG集 26 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 低体温NG集:“冷えない”相談件数第1位 1.マットレスの接触面積が不十分 ・頻用されている腹巻タイプで頻発 - 導入や急な体温変化に対応できない - もちろん体幹に巻きつけるのもNG! 27 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 低体温NG集: “冷えない”相談件数第2位 2.ブランケットの裏表に注意! ・ブランケットの裏と表は天国と地獄! - 患者面は冷たく - 外気面は熱遮断 28 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 低体温NG集:冷却法で温度は大違い 3.ぬるま湯キャップは危険! a b c d e 温度 標準的頭部冷却 標準的 全身冷却 頭部・全身併用 平温時 ・旧日本方式? ・一挙両得方式? ・脳正常温方式? ウォーマー不要の選択冷却は何かが変! KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 30 低体温NG集:4.鼻咽腔温を指標に選択的頭部冷却 a 直腸 b 食道 c 脳深部 d 脳表 e 頭皮 温度 平温時 a b c d e キャップ温 10-20℃程度 選択的冷却では巨大温度 勾配ができる ⇒ 鼻咽腔温を深部体 温として使うと危険! KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 低体温NG集:5.選択的頭部冷却での自動温度調節 温度 a b c d e キャップ温 10-20℃程度 脳温の制御が目的なのに, 体温制御のために脳温が 乱高下する! On Off On Off Off クーラー設定 脳表温 直腸温

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KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 残念ながら • 重大な落とし穴の多くは選択的頭部冷却にあり • 効果は現時点で同等 ⇒ まずは全身低体温をマスターしよう! 32 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 臨床診断の重み ~アウトカムを意識した治療を実践するために 久留米大学小児科 総合周産母子センター 高次脳疾患研究所 岩田欧介 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 予後を予測できると何が良い? • FX? • 台風 Usagi? 34 ギアチェンジ~目標をたて,達成期限を決める • 超急性期には不確かな所見も活用 • 時間がたつほどに予測は正確になる • その都度見直しを! 死亡 重度 中等度 軽度 正常 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 大事なのは • チームがおよその予後レンジを意識しながら診療 • チームが抱いている期待・不安を共有 • 少なくともお互いにかい離しない それでは~ 症例をもとに,およその予後を推定してみよう! 36 症例編~搬送依頼です! • 37w4d,6時間前からの腹痛・出血で受診 • 早剥あり緊急帝王切開(胎児心拍は > 120) • Apgar 2 - 4 - 不明(1-5-10分)マスク換気で心拍回復 • 臍帯血 pH 7.13・BE -9mEq 生後1時間で対診~ • 口元100%酸素5L,自発呼吸で心拍150,Apgar 7点相当 • SpO2 上肢85%,下肢70%,気管内挿管し搬送 • 入院後は16/5 × 30回でFiO2は速やかにRoomに! 37 0 0.1 0.2 0.3 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 A T P 急げ!治療可能域は約6時間!

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生後1時間で対診! • よかった,自発呼吸で心拍安定 • Apgar 7点相当 • 口元100%酸素5LでSpO2は – 上肢85% – 下肢70% • 念のため気管内挿管し搬送 • 入院後は16/5 × 30回でFiO2は速やかにRoomに! 38 Key 8:脳症の診断は3段階で!RCT導入基準 36週以上で低酸素虚血のエビデンス • 10min. Apgar ≤ 5 • Resuscitation ≥ 10min. • 生後1時間の血ガスでpH<7 • 生後1時間の血ガスでBD ≥ 16 中等度(Sarnat 2度)以上の脳症の存在 • Hypotonia, weak suck ,Sz, etc.

(可能なら) aEEG • 基礎律動中等度以上の異常 • けいれん かつ このうち 最低ひとつ かつ 39

A

B

C

全身・客観 神経・主観 神経・客観 詳しく聞いてみました • 生後何分ぐらいでチアノーゼが取れましたか? – 10分ぐらいです • 体動が出始めたのはいつごろでしたか? – Apgar 5分をつけた直後からです • バギングを止められたのはいつごろですか? – 生後20分ぐらいで呼吸がしっかりしてきました 推定Apgar 10分値は…6点ぐらいありそう! 40 心拍 皮膚色 呼吸 反射 筋緊張 1 1 2 1 1 1 詳しく聞いてみました • 生後何分ぐらいでチアノーゼが取れましたか? – 10分ぐらいです • 体動が出始めたのはいつごろでしたか? – Apgar 5分をつけた直後からです • バギングを止められたのはいつごろですか? – 生後20分ぐらいで呼吸がしっかりしてきました 推定10分値は7点ぐらい~ただし蘇生10分以上! 41 心拍 皮膚色 呼吸 反射 筋緊張 1分 1 0 1 0 0 5分 2 0 1 1 0 10分 ? ? ? ? ? さあ,現時点で予想される予後は? 臍帯血 pH 7.13って? 臍帯血液ガス • 死亡率の予測は困難 • 予後不良の予測は可能 – ただし予測幅は広い! 42 Malin BMJ 2010 KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE オッズ比ではピンとこない? ~臨床現場で必要な検査の知識は? 感度特異度が有名だけど… • 感度 = a/(a + c) 特異度 = d/(b + d) 現場では断然こっち! • 陽性的中率 PPV = a/(a + b) • 陰性的中率 NPV = d/(c + d) 43 検査で予後悪そう 検査で予後良さそう 予後不良 a c 予後良好 b d

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Apgar 10分値7点が意味するものは? • バギングを止められたのはいつごろですか? – 生後20分ぐらいで呼吸がしっかりしてきました 44 2 1 1 Nelson 1981 Pediatrics NPV 84.3 94.4 Thompsonのスコアをつけてみよう! • 10点以上で中等度,12-15点以上は重症! 所見 0 1 2 3 筋緊張 正常 亢進 低下 弛緩 意識状態 正常 興奮・開眼 嗜眠 昏睡 けいれん発作 なし 1日3回未満 1日3回以上 姿勢 正常 ペダルこぎ・握 りこぶし 遠位部屈曲 除脳硬直 モロー反射 正常 部分的 なし 把握反射 正常 減弱 なし 吸啜反射 正常 減弱 なし 呼吸 正常 過呼吸 間欠的無呼吸 自発呼吸なし 大泉門 正常 膨隆 緊満 合計

Thompson et al. 1997 Acta Paediatr.

v v v v v v v v v

脳血流は? RI = 0.62 > 0.55 Elstad et al. 2011 Acta Paediatr

・生後24-62時間の最重症予測は比較的良好 ・低体温では診断価値落ちる ・MRI・EEGにおいても,所見回復が遅れる傾向 aEEG:パターン認識でも使えますが… 経時的にチェックするのは… • 発作の有無・抑制の程度・睡眠周期の回復 • 冷却すると,予後に比して回復は遅くなる! 正常 中等度抑制 高度抑制 けいれんパターン 100 25 50 5 10 upper margin 10μVが分水嶺) lower margin (5μVが分水嶺) 睡眠覚醒サイクルも重要! 円:Sarnat II, 四角:III 中抜き:予後 良好,黒:不 良 Takenouchi et al. 脳波所見は? Hellstroem-Westas 1995 ADC 日齢7のMRI 正常 患児 参考 参考 PPV: 75% NPV: 92% PPV: 76 (cooled) & 74% NPV: 91 (cooled) & 92%

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誰が本当のことを言っているのか? Key 10:迷った時・矛盾が生じた時は… 良好 中等 重症 • 血液ガス • Apgar 10分 • Sarnat • Thompson • aEEG(入院) • EEG (退院) • 脳血流 • MRI 一つでもたくさんのツールを持って,重みづけを! それぞれの数字が与えてくれる意味を吟味しよう!

マップが使えるのはレール上だけ

“命がけのギャンブル”に異議あり! 51 冬休みの旅行,どれで行く? ・自分一人なら? ・大切な人を連れてなら? 神経学におけるEBMとは… ・あらゆる情報を生かしてFunctioningを予測 ・ゴールを少しでも改善するための知恵を与える! KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE そして 予測可能 ≒ 将来治療可能 !? • もっと正確な予測を可能にするためには,全国的 な症例の蓄積が必要! • 今後は高次脳機能の予測が重要に! 52

標準冷却法によるネットワーク完成

• 空白県の消失,そして意味ある“不施行”の増加 • わが国が今後国際的なエビデンス蓄積に貢献す る姿勢を世界にアピールする好機に! 0% 50% 100% 2013 2010 藤村班基準 or RCT その他 低体温導入基準 空白県の消失! 東日本の,世界のこども達とともに

Always with You!

九州から

NEWrology

NEOnatology

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症例

立ち会い依頼までの経過

症例~在胎36週1日 体重2660g 男児 《出生歴》 • 1月X日深夜0時、前日からの胎動減弱・消失 を主訴に産婦人科を受診 • NSTで基線変動なく flat • 緊急帝王切開による娩出決定 • 当院小児科に立ち合い依頼

対診記録

00:50 搬送小児科医到着 01:19 児娩出 • 出生時全身蒼白で筋緊張なし。心拍なし。 • 生後1分で気管挿管し、バギング開始。 • 生後3分で心拍確認。

– HR 100bpm。SpO2 87-91% (post ductal)

• Apgar 0点(1分)/1点(5分)/4点(10分) • ルート確保困難。 – 血液ガス(踵)pH 6.84、BE -17.2

搬送中の経過

01:34 NICUに低体温の準備を依頼し前医出発 • 搬送中下肢のみSpO2低下(60~89%) – PHが疑われた • 直腸温持続観察開始 – 保育器電源offし、36℃台の直腸温を目標に管理

入院後の経過

2:20 NICU到着 • 直腸温 35.9℃ • XpでCDHなし、気胸なし • 超音波検査施行 – trivial TR、動脈管 左→右優位、PFO両方向 • SpO2 95/91% (FiO2 0.5) • aEEG 中等度抑制

(upper margin >10μVかつlower margin < 5μV)

参照

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