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北九州市文化振興計画

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Academic year: 2021

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「元気発進!北九州」プランと文化振興計画の関係

北九州市文化振興計画は、「元気発進!北九州」プランの分野別計画であ り、本市の文化振興施策を具体的・計画的に行っていくための方向性を示 すものです。 したがって、この計画では、「元気発進!北九州」プランにおけるまちづ くりの取組みの柱の一つである「暮らしを彩る」の中の大項目「生活に根 づき、誇れる文化・スポーツの振興」のうち、「地域文化の保存・継承」と 「芸術・文化の振興」の中にある7つの主要施策に基づき、今後の方向性 を示していきます。 Ⅶ 芸術・文化に よるまちづくり Ⅰ 市民の芸術・文化活動の促進 Ⅱ 市民が芸術・文化に接する機会の拡大 Ⅲ 発信力の高い芸術・文化の振興 Ⅳ 芸術・文化の担い手の育成 Ⅴ 地域における伝統文化の発掘・継承 Ⅵ 近代化遺産などの文化財の保存・継承

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Ⅰ 市民の芸術・文化活動の促進

1 基本的な考え方

市民が主体となった芸術・文化活動においては、当然ながら市民がプレ ーヤーであり、鑑賞者(観客)であり、また、活動を支える存在でもあり ます。 そして行政は、企業とも連携しながら、市民が活動しやすいように、ハ ード・ソフト両面での環境づくりを行う役割を担っています。 今後も、年齢、性別、障害の有無、国籍等にかかわらず幅広い層の市民 が参加する、生活に根ざした文化の振興について、市民や企業と協力しな がら支援を行っていきます。 (現在の取り組み) ■市民が活動しやすいハード・ソフト等の環境整備 <ハード・ソフト> 劇場(市民ギャラリーを含む。)、音楽堂、市民会館、美術館、博物 館、文学館、史料館など文化施設の運営及び改修・修繕 <ソフト> 文化振興基金の活用、後援・共催、市長賞の授与、社会教育関係団 体の認定、文化団体等が行う文化事業へ助成 ■市民文化表彰 北九州市民文化賞及び市民文化奨励賞の実施

2 今後の取り組み方針

(1)市民が行う芸術・文化活動への支援・協働

近年では、芸術・文化活動を行う団体等のメンバーが高齢化したこと により、活動上の事務処理などに支障をきたすようなケースもあり、団 体等の活動を支援する仕組みが必要とされています。 このような場合に限らず、市民が行う芸術・文化活動を側面から支援 する機能として、たとえば、事業運営についてサポートやアドバイスす るプロデューサーやコーディネーター、ボランティア、講師等の育成な どが必要となります。そうした支援機能を担うと同時に、芸術・文化に 係る施設や人の交流を促す仕組みづくりを進めます。

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あわせて、本市で活動する北九州文化連盟、各区文化連盟や北九州音 楽協会などの文化団体、その他NPO法人ならびに企業との協働を、今 後とも積極的に推進します。 また、市及び教育委員会が行う後援や共催、市長賞の授与、プログラ ムへの挨拶文掲載などは、市民自らが行う芸術・文化活動の信用度を増 し、集客力を強める効果があることから、有効な支援策のひとつとなっ ています。後援・共催等については、公平性の観点から、事業の目的・ 内容や規模などを総合的に十分吟味した上で、今後も継続して行います。 <取り組み例> ・市民、民間団体が実施する音楽事業へのアドバイスの実施(響ホール) ・貸館事業へのアドバイスなど、地元演劇のレベルアップに向けた貢献 (北九州芸術劇場) など

(2)市民文化表彰

本市では、芸術・文化の各領域において功績が大きい個人・団体に市 民文化賞を、将来が期待される個人・団体に市民文化奨励賞を授与して います。市民文化表彰は、受賞者の名誉となることはもちろんですが、 受賞者の経歴に明記されることで、北九州市の市名を宣伝する効果、ま た、本市が芸術・文化に力を入れていることを広くPRする効果もあり ます。 ただ一方で、受賞者が市内外にその業績や功績が知られる個人や団体 に限られるため、長年、草の根的な活動により地域文化の振興に貢献し てきた個人・団体についても顕彰する制度が必要だという声も聞かれま す。そのため、市制50周年などに合わせ、地域文化に長年功労した方 を表彰するような部門を設けたいと考えています。 <取り組み例> ・地域文化功労賞の創設(文化振興課)

(3)市民が行う芸術・文化活動の場の提供

市民利用に供している市の文化施設は、一部を除いて指定管理者によ って運営されています。指定管理者による運営については、現在のとこ ろ利用者から、おおむね良好な評価を得ています。 今後とも、市民にとって利用しやすい文化施設をめざしていくため、 市と指定管理者の意思疎通を十分に図るなど、利用する市民にとっての 利便性向上を図っていきます。 また、多くの文化施設で行っている利用者アンケートの有効活用に努 めます。アンケートの結果に基づき、改善できるところはすみやかに改

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善します。また、改善が困難な場合や利用者側に誤解があると思われる 場合にも、きちんと説明を行うことで利用者の信頼を得るよう努めます。 <取り組み例> ・アンケート結果の施設運営への反映(各施設) など

(4)文化施設の維持管理と今後のあり方

本市では、安全性の確保や機能の維持のため、文化施設の改修・修繕 などを行っています。しかしながら、これらの管理運営には多大な市民 負担を要することから、既存施設の維持管理についてはコストの縮減に 向けた取組みが不可欠であり、「選択と集中」の観点に基づく文化施設の 適正配置も検討すべき状況となっています。 今後は、老朽化が進む施設について「悪くなってから直す」という対 処療法的な維持管理から「悪くなる前に計画的に直す」という新しい管 理方式に転換するなど、アセットマネジメントの考え方を導入すること で、施設の長寿命化と経費の節減を図ります。 また、本市が運営する文化施設については、市民会館等、老朽化が進 んだ施設も多く、必要とされる改修、修繕、あるいは耐震診断等の調査 を行うことで安全性の確保と施設の延命化を図ります。 なお、本市の文化施設の多くが、市民が行う芸術・文化活動の拠点と なっていることから、そうした活動を行う団体等からの聞き取りも必要 と考えています。 <取り組み例> ・施設の耐震診断の実施や改修計画の策定(各施設、文化振興課) など

(5)補助金等のあり方

市民が行う芸術・文化活動の中でも特に本市の文化振興にとって大き な役割を果たしている事業に対し、市補助金の支出などの助成を行って います。このような事業に対しては、今後も必要に応じて助成を続けて いきますが、将来的には、補助金に頼らない自立した事業運営が行われ ることが理想です。 補助金等のあり方については、「公平性」や「選択と集中」の観点から 十分に議論する必要があります。 <取り組み例> ・補助金等のあり方についての検討(文化振興課) など

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Ⅱ 市民が芸術・文化に接する機会の拡大

1 基本的な考え方

市民による芸術・文化に関する活動が活発に行われる一方で、行政も市 民が芸術・文化に接する機会の提供を目的として多様な取組みを行ってい ます。平成21年度には、往年の映画資料を展示する松永文庫を開設した ところですが、さらに今後、新たな芸術・文化の拠点施設として、アルモ ニーサンク(旧厚生年金会館)北九州ソレイユホールや黒崎文化ホール、(仮 称)北九州市漫画ミュージアムが整備されることになっています。 また、北九州芸術劇場、響ホール、美術館、自然史・歴史博物館など既存 の文化施設においても、市民が日常生活の中で多様な芸術・文化に接する 機会や交流の場を提供していきます。 また、図書館については、文字、活字文化振興の拠点として、地域文化 の発展を支える知的基盤として、資料やサービスの充実を図ります。 (現在の取り組み) ■芸術・文化を提供する事業の実施・支援 <北九州芸術劇場、響ホール、北九州ソレイユホール、ウェル戸畑 ほか>:北九州国際音楽祭、北九州演劇フェスティバル、「能楽」公 演、人形浄瑠璃「文楽」公演、ファミリー劇場、パイプオルガン・ コンサート、北九州市少年少女合唱祭、レディースコーラス・フェ スティバル など <美術館、自然史・歴史博物館、松本清張記念館、文学館、火野葦平 資料館、長崎街道木屋瀬宿記念館、松永文庫ほか>:常設展・企画 展・特別展等 など <各市民会館>:市民会館まつり <九州交響楽団、北九州交響楽団等の活動支援>:定期演奏会、第 九の夕べ、ニューイヤー・コンサート、合唱組曲「北九州」公演 ■広報 チラシやポスターの設置・掲示、広報誌等の発行(かるかる、ステ ージ通信Q、ひろば北九州、図録、その他刊行物)、ホームページで の広報、市政だよりやマスメディアでの広報、ダイレクトメールの 発送 など ■リピーターやファン等の獲得 チケットクラブ(北九州芸術劇場)、ひびき音楽友の会(響ホール)、 友の会(美術館、自然史・歴史博物館、松本清張記念館) など ■県や周辺自治体との連携

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2 今後の取り組み方針

(1)芸術・文化を提供する事業の実施・支援

市民に優れた芸術・文化に接する機会を提供することを目的として、 各文化施設では、音楽や演劇、舞踊、伝統芸能等の舞台芸術の公演、文 学や美術等の常設展・企画展など、さまざまな事業を行っています。 今後、市の事業(市が助成する事業、市が委託する事業を含む。)につ いては、子ども、高齢者、障害者など、誰もが芸術・文化に接する機会 を享受できるように、目的、対象者、実施時期、採算性などの観点から 実施事業を厳選し、良質な芸術・文化の提供を行っていきます。 <取り組み例> ・さまざまなテーマ設定による魅力ある企画展の開催(美術館) ・レベルの高い自主公演の誘致(北九州芸術劇場) ・市民を対象とする芸術講座の拡大(門司港アート村) など

(2)広報のあり方、リピーターやファン等の獲得

観客数や入場者数の増加を図るために、施設情報の周知や事業に関し て、市政だよりへの掲載、マスコミの活用、各種広報誌の発行やチラシ やポスターの設置及び掲示、ホームページへの掲載など従来の手法に加 えて、より効果的な広報を行っていきます。特に、広報誌やポスター、 チラシについては、最大効果が得られるような配布先や設置場所などを 工夫します。また、情報を広く公平に周知することも必要ですが、ター ゲットを絞って確実に情報を届けるような手法も導入します。 さらに、より多くの市民に文化施設に足を運んでもらうために、チケ ットクラブや友の会、会員特典の付与などの取り組みに加え、ホスピタ リティ(おもてなしの心)の点でも施設利用者に満足いただけるよう、 リピーターやファンの獲得に向けた取り組みを広げていきます。 <取り組み例> ・市民、民間団体が実施する音楽事業へのアドバイスの実施(響ホール) ・貸館事業へのアドバイスなど、地元演劇のレベルアップに向けた貢献 (北九州芸術劇場) など

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(3)県や近隣自治体との連携

県庁所在地である福岡市には、県立美術館やアクロス福岡など県立の 文化施設が複数立地しており、結果的に福岡県と福岡市が協働で文化振 興施策を実施している形になっています。一方、本市が県と協働で実施 するものはほとんどありません。 今後、県との連携を強化し、県主催の文化事業を本市で実施するなど の働きかけを行います。 また、下関市など近隣自治体とも芸術・文化を通じた連携を強めてい きます。 <取り組み例> ・福岡県、福岡市との文化振興会議の開催(文化振興課) ・下関市との共同企画展の開催(文化振興課) など

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Ⅲ 発信力の高い芸術・文化の振興

1 基本的な考え方

「芸術・文化の取組みが評価され、市内外の注目を浴び、人が訪れる。」 そのような状況を作り出すことで、まちの発信力、文化力が高まります。 「芸術・文化の街」としてのイメージを構築することが、本市が文化振 興施策を進める上での課題となっています。そのためには、発信力、訴求 力の高いイベント等が多くあるといった直接的な魅力だけでなく、高い市 民意識に支えられた文化的なまちづくりが行われなければなりません。 もっとも難しい問題ですが、一つの理念のもとに市民、企業、行政が一 体となって取り組むことで実現は可能と考えます。 (現在の取り組み) ■演劇 北九州芸術劇場の運営、北九州芸術劇場の創造事業・公演事業・学 芸事業および北九州演劇フェスティバル(旧北九州演劇祭)の実施 など ■音楽 響ホールの運営、響ホール企画事業および北九州国際音楽祭の実施、 パイプオルガンの活用 など ■美術 美術館および現代美術センター・CCA北九州の運営、「知の融合」 による文化創造都市づくり(CCA−LAB)の実施、門司港アー ト村の支援 など ■文学 松本清張記念館、文学館、図書館の運営、自分史文学賞、子どもノ ンフィクション文学賞、日中韓東アジア文学フォーラムin北九州、 火野葦平没後50年記念事業の実施 など ■歴史 自然史・歴史博物館および長崎街道木屋瀬宿記念館の運営 など ■新たな分野 松永文庫の運営、漫画ミュージアムの開設準備 など

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2 今後の取り組み方針

(1)劇場文化の創造

北九州芸術劇場は、北九州における「劇場文化の創造」をめざし、こ れまでも、さまざまな事業に精力的に取り組んできました。この結果、 芸術劇場は、本市における舞台芸術の振興にとどまらず、地域づくり、 さらには大きな経済波及効果や新たな雇用創出にも寄与する存在となり ました。引き続き、「劇場文化の創造」を標榜する本市の文化振興施策の 大きな柱としての役割が期待されます。 今後も、劇場が担う役割の重要性を十分に認識し、平成25年度の指定 管理者選考時までに次期事業計画を策定し、平成26年度より実行に移 します。 <取り組み例> ・劇場活動の拡大による雇用や賑わいの創出(北九州芸術劇場) など ※参考:劇場文化の創造 劇場を核とし、舞台芸術の「広がり」と「高み」をめざす事業を行うと ともに、演劇等をツールとした「劇場外活動」を通じて地域社会への貢献 を行うことで、劇場文化を創造する。

(2)発信力の高い文化施設等の運営・支援

本市には、本市ゆかりの作家や文芸作品等を紹介する「文学館」と「松 本清張記念館」、文字・活字文化振興の拠点である「図書館」、美術作品 の収集・保存、調査研究や教育普及等を行う「美術館」、現代美術の研究・ 学習機関で、世界的評価の高い「現代美術センター・CCA北九州」、『い のちのたび』をコンセプトとする「自然史・歴史博物館」、地域の歴史や 伝統文化を継承する「長崎街道木屋瀬宿記念館」、優れた音響を持つ音楽 専用の「響ホール」、アーティストの創作活動の場であり、廃校を活用し た「門司港アート村」、往年の映画資料を展示する「松永文庫」、西日本 では珍しい大型のパイプオルガンなど、特色ある文化施設等が多数あり、 市内外に芸術・文化の発信を行っています。 今後は、これまでの取組みをもう一度見つめ直し、単なる「ハコモノ」 に留まることのないよう、本市からの文化芸術の発信力を強化していき ます。 また、各施設等の個性を最大限に活かした戦略づくり(たとえば、舞 台技術や舞台制作などの成果を産業化して他都市に売り込む。ホールの

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すぐれた音響等を活かして録音施設として売り出すなど)について研究 し、可能なものから実行に移していきます。 <取り組み例> ・著名アーティストによるホールでの録音(響ホール) ・美術作品の調査研究や各種美術館事業の成果に関する情報の発信(美 術館) など

(3)発信力の高い文化事業の実施・支援

市では、自分史文学賞、子どもノンフィクション文学賞、北九州国際 音楽祭、北九州演劇フェスティバル(旧北九州演劇祭)などの独自の芸 術・文化事業を積極的に実施しています。また、現代美術センター・C CA北九州では、「知の融合」による文化創造都市づくり(CCA-LA B)や各種企画展など、海外も視野に入れた情報発信を行っているとこ ろです。 これらの事業は、それぞれに十分な成果を上げており、メディアや専 門家などからも高く評価されていることから、今後も継続して実施すべ き事業と考えています。 ただ、共通する課題として、事業浸透度や知名度の点でシティプロモ ーションへの貢献が不十分であることがあげられます。 事業それぞれに目的が異なり、すべてに高い知名度が求められるわけ ではありませんが、市民理解を得て今後も事業を存続していくためには、 さらなる事業PRと市民参加を促進する事業展開が必要です。 加えて、これまで積み上げてきた業績を国内外に発信することで、北 九州市の文化事業を広く知らしめるよう努めていきます。 <取り組み例> ・オリジナル企画の展開、他ホールへの公演売り込み(響ホール) ・「CCAキュレーター・ミーティング」の開催(CCA北九州) ・北九州独自の完成度の高い作品の制作(北九州芸術劇場) など

(4)先人・偉人の顕彰

平成21年度の「松本清張生誕100年記念事業」に続き、平成22 年度は、芥川賞作家である火野葦平の文学や人間像に触れる火野葦平没 後50年を記念した事業を実施します。 今後も、本市の芸術・文化の振興に功績のあった林芙美子や杉田久女 など本市ゆかりの偉人・先人について研究を進め、地域の魅力を掘り起 こし、発信する事業へとつなげます。

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<取り組みの例示> ・本市ゆかりの文学者などの企画展の充実(文学館) ・多様で新しい切り口の企画展の開催(松本清張記念館) など

(5)新たな分野での施策の推進

文化芸術振興基本法においては、文学、音楽、美術などの芸術に加え、 漫画やアニメーションなどのメディア芸術の振興を図ることが求められ ています。 本市におけるメディア芸術振興の大きな柱が、漫画の魅力を幅広い世 代に伝える漫画文化の拠点、(仮称)北九州市漫画ミュージアムです。広 く国内外に漫画文化を発信するとともに、まちの魅力づくりに大きく寄 与する施設としてコンテンツの充実を図ります。 また、多くの映画ロケを誘致し、映画業界から高い評価を得ている「北 九州フィルム・コミッション」の実績を背景に、映画文化の発信地とな るための取組みに努めます。ロケ地としての利便性・機能をさらに充実 させるとともに、映画関連イベントの誘致なども検討し、国内外に「映 画の街北九州」をアピールします。 その他のメディア芸術についても、北九州芸術劇場、現代美術センタ ー・CCA北九州、松永文庫などと連携することで、人材育成、地元業 界の底上げ、産業化などの可能性を探ります。 特にデザインについては、たとえば、市が発行する印刷物に地元デザ イナーを積極的に登用するなど、市内商・工業デザイナーの仕事機会を 増やすことで、地元業界の振興とレベルアップにつなげるような戦略を 展開します。 <取り組みの例示> ・工芸作家と地場産業の連携による観光資源としての活用(門司港アー ト村) など ※参考:メディア芸術とは 文化芸術振興基本法では、「映画、漫画、アニメーション及びコンピュー タその他の電子機器等を利用した芸術」をメディア芸術と定義。

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Ⅳ 芸術・文化の担い手の育成

1 基本的な考え方

将来の芸術・文化を担う子どもの豊かな心や感性・創造性を育むため、 子どもたちが身近に伝統文化や芸術・文化にふれる機会を充実させます。 芸術家やコーディネーターの育成、あるいは芸術・文化の鑑賞者としての 素養を高めるなど、幅広い芸術・文化の担い手を育成します。 (現在の取り組み) ■人材育成に係る事業の実施 学芸事業(北九州芸術劇場)、音楽アウトリーチ(響ホール)、わく わくアートミュージアム事業、講座、講演会(以上、美術館)、中高 生読書感想文コンクール、研究奨励事業(以上、松本清張記念館)、 講演会、文学講座(以上、文学館)、市民美術大学美術講座(現代美 術センター・CCA北九州)、子どもノンフィクション文学賞、子ど もの芸術文化体験事業、インターナショナル・ミュージック・アカ デミー、ジュニアオーケストラ及び少年少女合唱団の育成 など ■芸術・文化の専門家をめざす人材の育成 学芸事業(北九州芸術劇場)、リサーチ・プログラム事業(現代美術 センター・CCA北九州)、門司港アート村への支援 など ■ボランティアの育成 美術ボランティア、美術ジュニアボランティア、自然史・歴史博物館 シーダー など ■練習施設の整備 大手町練習場の運営、黒崎文化ホール内の練習施設の整備 など

2 今後の取り組み方針

(1)人材育成に係る事業の実施

「元気発進!北九州」プランのまちづくりの目標でも、「人と文化を育 み」とあるように、この計画においても人材育成は最重要の課題です。

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本市では、体験、鑑賞、学習を通じて将来の芸術・文化を担う幅広い 人材を育成する目的で、「アウトリーチ」や「ワークショップ」を行って います。子どもの好奇心や感受性の強い時期に、生の芸術・文化に触れ ることは、子どもの将来の成長にとって大変意義深いことです。 アウトリーチやワークショップについては、場所やジャンルの偏りな く実施されるべきであり、また、受け入れ側の体制づくりが十分に行わ れる必要があります。これらの課題を受け、問題点の見直しと併せて、 市全体、地域ぐるみで人材育成を図っていくような仕組みづくり(たと えば、アウトリーチやワークショップを行っている文化団体、NPO等 を登録し、行政と役割分担する。)を進めていきます。 <取り組み例> ・アウトリーチ事業に係るコーディネーター、ホールサポーターの育成 (響ホール、北九州芸術劇場) など ※ 参考: 「アウトリーチ」とは 英語で「手を伸ばすこと」。ここでは、芸術・文化の裾野を広げるために、 アーティストを学校や施設に派遣することや、劇場・ホール内での鑑賞、 体験サポートなどの活動を指す 「ワークショップ」とは 一般的に参加者体験型講座の意味で用いられる。参加者が主体的に活動を しながら問題意識を高め、多くの人々と積極に交流することによって、自 分自身の中に新しい「気づき」を得るための場 「アウトリーチやワークショップの効果、意義」 ・すべての人に開かれた公立文化施設の実現 ・文化施設の利用者の拡大、サービスの向上 ・文化施設の受益者の拡大、支持者(サイレントパトロン)の形成 ・非日常的な体験による自己や他者の再発見、日常生活の変化 ・教育や福祉における人々の見方や価値観の変化 ・子どもたちのコミュニケーション能力等の育成 ・感動を他者と分かち合える学習機会の提供 など

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(2)芸術・文化の専門家をめざす人材の育成

せっかく地元で育った人材が、市内に活動の場がないために、結局は 東京などに流出してしまうというケースが多くあります。 今後は、各文化施設が人材育成に取り組むとともに、本市で育った人 材が地元で活動する場づくり、一旦は市外に出たとしてもUターンでき るような環境づくり、逆に優秀な人材を本市に取り込む環境づくりに努 めます。 さらに、本市がより質の高い芸術・文化の振興及び情報発信、人材育 成などをめざす上で、現在、本市にはない芸術系大学や芸術系学部、研 究機関の設置、あるいは既存の大学の活用が望まれており、その可能性 について大学等に働きかけを行います。 <取り組み例> ・国内外から集まった若手アーティストを指導育成するリサーチ・プロ グラム事業の実施(CCA北九州) ・舞台芸術を担う人材の発掘・育成、次世代のための演劇企画の開催、 演劇講座の常設(北九州芸術劇場) ・美術・工芸家などの育成に向けた研究機関の強化(門司港アート村) など

(3)ボランティアの育成

文化施設がボランティア制度を積極的に導入することにより、施設の 取組みがより多彩で魅力的になるだけでなく、ボランティア自身の芸 術・文化に対する興味や関心が高まる効果も期待できます。 また、「元気発進!北九州」プランでは、健康な高齢者が社会参加活動 できる環境づくりが求められており、この点でも文化施設におけるボラ ンティア制度の導入が寄与できるものと考えます。 本市では美術館が、わが国初の美術ボランティアを導入しており、市 民は、ボランティア活動を通じて自己実現を図るとともに美術館運営に も参画しています。 ボランティア制度によって施設の利便性や魅力が増すと判断される文 化施設については、制度の導入に向けた具体的検討を行っていきます。 <取り組み例> ・読書ボランティア、図書館ボランティアの育成・活用(図書館) ・美術ボランティアの養成・支援や美術館運営サポーターの新設(美術 館) ・博物館ボランティアの育成・連携(自然史・歴史博物館) など

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(4)練習施設の整備

本市には、音楽や演劇など舞台芸術の練習室を備えた文化施設が複数 ありますが、中でも大手町練習場の利用率は高く、特に中練習室ではほ ぼ100%の利用率となっています。 新たな練習施設のニーズの高まりを受け、今後、黒崎文化ホールの中 に練習施設(大練習室1、中練習室1、小練習室3、リハーサル室1) を整備するとともに、市内の歴史的建造物や空き施設などについて、練 習施設として活用できないかを調査します。 <取り組み例> ・黒崎副都心地区に、練習室を備えた文化ホールを整備(文化振興課) など

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Ⅴ 地域における伝統文化の発掘・継承

1 基本的な考え方

本市には、戸畑祇園大山笠行事、小倉祇園太鼓、黒崎祇園行事、沼楽、 大積神楽、前田の盆踊など、固有の伝統文化が受け継がれています。また、 小倉織や企救焼などの伝統工芸も、市民の宝として大切にされています。 地域に根ざした固有の祭り、伝統芸能などの伝統文化を発掘し、次代に 継承します。 (現在の取り組み) ■伝統文化の保存 無形民俗文化財(民俗芸能、風俗慣習、年中行事等)の調査、無形 民俗文化財の指定、伝統文化の記録保存 など ■伝統文化の継承 文化財継承者及び保存団体への活動支援、伝統文化の継承者の育成 と支援、伝統文化継承事業に対する各種助成制度の活用、伝統文化 保存に必要な用具修理に対する支援 など ■伝統文化の公開 市のホームページによる伝統文化の紹介、伝統文化に関する情報発 信、博物館等での伝統文化の展示とビデオ放映、伝統芸能等に使用 する用具(山車、衣装、太鼓等)の展示 など

2 今後の取り組み方針

(1)伝統文化の保存

地域に根づく伝統工芸や伝統芸能などは、地域文化の土台ともいうべ きものであり、これらに関する情報把握に努めるとともに、特に保存の 措置を講じる必要があるものについては、文化財に指定するほか、記録 作成にも取り組んでいきます。 また、市内の主な伝統文化について、広報誌やホームページなどを通 じて情報提供を行うなど、市民に広く周知します。 <取り組み例> ・伝統文化に関する市民への情報発信の充実(文化財課)

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(2)伝統文化の継承

伝統文化は、人々の営みの中で大切に受け継がれてきたものであり、 これを未来へと継承するため、それを守り伝える人材の育成が重要な課 題となります。そのためには、団体の活動内容や継承者の有無などを把 握することも必要です。伝統的な技や芸能の習得を通じて、地域の伝統 文化を市民の「たから」として保存・継承できるよう取り組んでいきま す。 <取り組み例> ・伝統文化保存・継承団体等への活動支援(文化財課)

(3)伝統文化の公開

市民が伝統文化の魅力に触れることで、伝統文化に対する意識が高ま るほか、伝統文化を支え、後世に伝えようと取り組んでいる人々の励み にもなります。祭りなどの伝統芸能は、地域住民のきずなを深めるとと もに、文化的で魅力ある生活空間を創出するものであり、観光資源とし ても、まちづくりに大きく寄与します。 伝統芸能や伝統工芸の公開を含め、市民が伝統文化に触れる機会の充 実について取り組んでいきます。 <取り組み例> ・伝統文化の公開等に関する情報発信の充実(文化財課)

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Ⅵ 近代化遺産などの文化財の保存・継承

1 基本的な考え方

文化財は、我が国の歴史と風土の中で培われてきた貴重な財産であり、 文化の向上発展の基礎をなすものであって、その保護、保存、活用を適切 に行うために、きめ細かな施策が必要です。 このため、郷土の歴史と文化に対する理解を深め、郷土愛をはぐくむた めに地域文化を保存・継承していくことを目的に事業を実施していきます。 また、近代化遺産などの有形の文化財を市民共通の財産として、市民、 企業、行政などが連携して保存・継承します。 (現在の取り組み) ■文化財の保護、適切な管理 文化財指定及び文化財登録の推進、未発見の文化財を保護するため の調査、文化財パトロール、文化財公開施設及び史跡の維持管理、 埋蔵文化財包蔵地の周知、平尾台の公有地化、文化財防火デーの実 施、保存修理への支援 など ■文化財の積極的な情報発信・活用 ガイドブック等の作成、説明板等の整備、インターネットによる文 化財の紹介、埋蔵文化財調査報告書の発行、文化財の公開、文化財 体験学習、民間団体やNPO法人などとの連携 など ■世界遺産登録の取組み 関係6県・10市で構成する「九州・山口の近代化産業遺産群」世 界遺産登録推進協議会との連携、世界遺産の構成資産の保護、シン ポジウムなどの開催、文化財保存団体等との連携 など

2 今後の取組み方針

(1)文化財の保護、適切な管理

これまで所有者や地域で大切に受け継がれ、守られてきた文化財を保 存するため、文化財に関する調査を実施するとともに、学術的に価値が 高いものなどについては、市の文化財に指定するほか、特に重要なもの については、国や県の文化財指定を働きかけていきます。

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近代化遺産などについては、所有者の自主的な保護のもと活用しなが ら保存を図る観点から、国の登録文化財制度の利用を働きかけていきま す。 文化財を将来にわたり良好な状態で保存していくため、所有者が正し い保存の知識を持つよう助言などを行うとともに、必要に応じて行政が 技術的・経済的な支援を行うことにより、「まちのたから」として適切な 保存管理を行っていきます。また、文化財行政の体制整備にも努めてい きます。 <取り組み例> ・国登録文化財制度の活用(文化財課) ・文化財保存修理への支援(文化財課)

(2)文化財の積極的な情報発信・活用

文化財は、地域の豊かな歴史の中で生まれ、育てられ、守られてきた 市民共有の大切な「たから」であり、確実に将来に伝えていくためには、 その魅力を広く市民に紹介・公開し、実物に触れる機会を設けることな どにより、文化財を大切にする意識を高めていく必要があります。 同時に、市民に対し、わかりやすい形で情報発信をしていくことも必 要です。 そこで、所有者による文化財の公開のほか、博物館等での展示や発掘 調査の現地説明会、文化財を活用した学校での体験学習などを通じて、 実物に触れる機会の一層の提供に努めます。 また、広報誌や印刷物のほか、インターネット等での文化財の紹介、 地域イベントを活用したPR、講演会の開催など、積極的な情報発信を 行います。 <取り組み例> ・文化財に関する情報発信の充実(文化財課) ・現地説明会や学校での体験学習などの開催(文化財課、自然史・歴史 博物館)

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(3)近代化遺産等の調査

本市には、門司港駅や旧松本家住宅など、我が国の近代化を担ってき た、まちの誇りとも言うべき近代化遺産が多数残されています。門司港 レトロ地区や若松南海岸通りでは、近代化遺産を活用したまちづくりが 進んでおり、多くの人を集めていますが、一方で、まだ私たちの知らな い建物が解体されているという現状があります。 こうした近代化遺産を後世に伝えていくため、優れた建造物の調査を 行い、適切な保存を検討していきます。 <取り組み例> ・近代化遺産の調査の実施(文化財課、世界遺産登録準備室)

(4)世界遺産登録の取組み

明治時代以降の、日本の近代化が進展する中、九州・山口には、現在 の経済発展の原点ともいうべき、日本の近代工業化の歴史を物語る遺産 が存在し、これらの遺産を世界遺産に登録する取組みが進んでいます。 本市からは、八幡製鐵所の旧本事務所や創業時の工場が世界遺産の構成 資産としての評価を受けており、「ものづくりの街」として歴史を重ねて きた本市の都市ブランドの構築の弾みとなります。 世界遺産登録を目指した取組みを、市民、企業、行政の協力のもと推 進するとともに、本市に人を呼び込む戦略という視点からの検討を行い ます。 <取り組み例> ・「九州・山口の近代化産業遺産群」世界遺産登録推進協議会と連携した 世界遺産登録の推進、PR(世界遺産登録準備室、文化財課)

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Ⅶ 芸術・文化によるまちづくり

これまで、「元気発進!北九州」プランに位置づけた6つの主要施策に沿っ て、本市の芸術・文化施策の方向性を示してきましたが、市では、これらの 施策目標ごとの取り組みを通じて、芸術・文化によるまちづくりにつなげて いきたいと考えています。 芸術・文化を都市の「資源」と考えれば、本市には、長い年月を経て市民 が芸術・文化に親しむ土壌が培われているという「資源」がすでに蓄えられ ています。それにもかかわらず、「芸術・文化の街」という都市イメージにつ なげられないでいる状況が問題となっています。 総論の部分で「創造都市」という考え方に触れましたが、この創造都市の 成功例として世界的に知られているのが、フランスのナント市とスペインの ビルバオ市です。両都市とも、基幹産業であった造船業や鉄鋼業などの重工 業が衰退したことで街が疲弊し、失業率や犯罪率が増大するという悲惨な状 況に陥りました。しかし、都市計画の柱に文化を据え、市民参加型の特色あ る取組みを積極的に推進したところ、まちに新たな魅力が生まれ、多くの人 が集まり、都市の再生が促されたのです。 同じように、かつて重工業を基幹産業として栄えた本市にも、芸術・文化 の分野で新たな価値を創造・発信することは可能なはずです。 文化振興計画が目指すのは、北九州芸術劇場、現代美術センター・CCA 北九州、門司港アート村といった芸術・文化施設、さらには図書館、美術館 などの社会教育施設が、従来の枠組みを超えて連携することで、「芸術・文化」 に係わる多くの人が交流・融合できる環境づくりです。 そうした環境を実現するために、施設同士が日常的に交流する場、あるい は機能として、たとえばサロンのような仕組みが必要と考えます。 この『文化サロン』は、「多分野の芸術・文化の人材が連携したイベント等 の提案」や「芸術・文化を支える人材等の育成や組織化」などの面で機能す ると想定しています。今後の芸術・文化を通じた街づくりに重要な役割を担 うものとして、関係団体、企業、そして個人に、サロンの整備に向けた協力 を呼びかけていきます。 また、芸術・文化施設の活動や施設の役割、業績を正当に評価することで、 より高次で活発な活動につなげることを目的として、企業、マスコミ、市民 団体、文化施設管理者などで構成する「アーツカウンシル」の設立に向けた 検討を開始します。 「元気発進!北九州プラン」では、「文化や産業などの分野で新たな価値を 創造し、発信するため、最新技術や基盤技術を持つ人材、社会科学やデザイ

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ン、芸術・文化、環境、アジアなどの専門人材、時代を読みながら多様な分 野をつなぐ人材などの幅広い人材が育ち、国内外から集まり、活躍できる環 境づくりに取り組む。」としています。このような環境を現実のものとするた めの、各分野からのアプローチの一つが文化振興計画なのです。 『芸術・文化にかかわる優れた人材が自由に交流しながら、お互いの存在を 高めていくことができる環境を整え、そこから生み出された新しい価値を広 く発信することで、北九州市の街の魅力づくりや地域経済の発展につなげ る。』たとえ遠回りのように見えても、文化振興計画で示す方向性は、北九州 市が「魅力ある街」となるための道筋になり得ると考えています。 ※参考:一つの芸術・文化施設がもたらす効用∼北九州芸術劇場の事例 平成15年にオープンした北九州芸術劇場は、再開発事業として建設さ れた複合商業施設「リバーウォーク北九州」の中にある舞台芸術の拠点施 設です。大・中・小のホールを持ち、そのうち中・小ホールは演劇専用の 仕様となっています。貸館も行いますが、目玉は『創る』『育つ』『観る』 をコンセプトとした自主事業の実施です。10年計画に基づき、劇場が「賑 わいの拠点」、「地域文化の拠点」、「文化創造の拠点」となることを目指し た事業展開を行っています。 利用者数は、年間28万人前後で推移しており、平成20年度末までの 累計は165万人に達しています。利用者の多くが「リバーウォーク北九 州」で食事や買い物をするなど、劇場の経済波及効果は、28~29億円 と試算されています。 また、劇場関係の直接的な雇用効果に加え、舞台芸術の専門家のUター ン、Iターンも生じています。人材の流出という地方都市に共通の悩みを よそに、この劇場では、高いレベルの人材とノウハウが持ち込まれ、それ が地元の演劇関係者などに伝授され、良質な公演につながっています。ワ ークショップやアウトリーチなども通じて、地域文化の振興はもとより、 芸術・文化以外の教育や福祉といった分野にも大きく貢献しています。 これからも劇場を中心とした芸術・文化の振興はもとより、まちづくり という観点からのさらなる効果が期待されるところです。 ☆ なお、北九州芸術劇場は、「『創る』『育つ』『観る』をコンセプトに、オ リジナル作品のプロデュース、地域文化リーダーとなる若手演劇人の育 成、小中学校での表現教育プログラム、多彩な鑑賞事業など、総合的なプ ログラムを展開し、地域に立脚した公立劇場のあり方を提示した」ことに より、平成20年度JAFRAアワード(総務大臣賞)を受賞しました。 現在では、この劇場で公演することが、劇団にとってのステータスにま でなっています。

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(補足)文化サロンとアーツカウンシルの機能イメージ

文化サロン (概要) 芸術・文化施設、文化団体、企業などが従来の枠組みを超えて連携し、「芸術・文化」 に係わる多くの人が交流・融合する場あるいは機能としての「文化サロン」の創設を各 方面に働きかける。 (文化サロンの役割、機能) □多分野の芸術・文化の人材が連携した、まちづくり手法(イベント等)の提案 □本市の芸術・文化を支える人材等の育成及び組織化 アートプロデューサーやコーディネーター育成プログラムの作成 芸術・文化に係る催事等のボランティア組織を構築 □芸術・文化を通じた教育プログラムの作成と実施に向けた各種調整 □市内の芸術・文化に関する総合的な情報誌の発行 ※ カウンシル【council】協議会、評議会 (北九州版)アーツカウンシル (概要) 芸術・文化施設の活動について精査し、その機能、業績を正当に評価することで、よ り高次で活発な活動につなげる「(仮称)北九州アーツカウンシル」の設立を目指す。 アーツカウンシルは、企業、マスコミ、まちづくり関連のNPO、文化団体、文化施 設など幅広い分野からの参画を募ることで、単に芸術・文化の振興の面だけでなく、魅 力あるまちづくりに寄与する存在として機能する。 (北九州アーツカウンシルの役割、機能) □市内における芸術・文化活動及び施設の業績(施設機能、活動実績)評価 □芸術・文化を通じ、まちの活性化に寄与する実証実験の実施 □施設の運営体制、方針への提言

参照

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