に交流の日程の調整がうまく行かなかったにもかかわらず、掲示されている生徒の「旅行 パンフレット」を写メールで送ることで、それが逆に相互理解を深めるきっかけとなった ことなど、連絡調整の失敗や不手際は常につきものだが、こうした交流を通じて生徒たち が外国語に興味を持つようになり、さらには異文化理解が進むのだと筆者は考える。 何よりも “forever optimistic” であることが、楽しく継続できる秘訣なのではないだろ うか。
技 術 英 語 教 育 に お け る
e-Learning システムの活用方法と
学 習 効 果
Practical Use and Results of e-Learning System in
Technical English Education
小 松
信義 田中 茂雄
Komatsu, Nobuyoshi Tanaka, Shigeo
Abstract
In this report, we introduce a successful example of usage of an English e-Learning system, i.e., ALC NetAcademy2, in an English class of ‘Technical English Exercise’ (which is offered for third-year students in School of Mechanical Engineering, Collage of Science and Engineering, Kanazawa University). We evaluated the effectiveness of combination of e-Learning systems and English classes, using TOEIC equivalent scores obtained from the e-Learning system. In 2010, ninety-seven students participated in this class in the first or second semester. The average score was approximately 400 points at the beginning of this class. However, at the end of the class, the score was approximately improved up to 500 points. Although e-Learning systems are generally designed and developed for self study, the effectiveness is likely further enhanced by an appropriate instruction, e.g., a schedule management by teachers. We conclude that the combination of e-Learning systems and English classes can effectively improve student’s English skills.
1.はじめに 企 業 活 動 がグローバル化 した現 在 においてコミュニケーションツールとしての英 語 の役 割 は非 常 に 大 きい も のと なっ てい る。特 に ,グローバル企 業 で 活 躍 する技 術 者 にとって英 語 でのコミュニケーションを 通 じての技 術 的 課 題 の解 決 能 力 は必 要 不 可 欠 となってい る。同 時 に,新 入 社 員 に対 し ,ある一 定 の英 語 能 力 を 求 める要 望 も 強 まっており,採 用 条 件 として TOEIC 点 数 の下 限 を提 示 する企 業 も少 なくない。さら には,英 語 の社 内 公 用 語 化 といった先 進 的 な試 みを 行 う 企 業 も 現 れ ている。グロー バル競 争 のさらなる激 化 が予 想 される今 日 においては,社 員 に対 し高 い英 語 能 力 を 求 める企 業 側 の姿 勢 は恒 常 化 しつつある。このような状 況 を踏 まえ,大 学 における英 語 教 育 のあり方 が問 われている。特 に理 系 学 生 に対 する効 果 的 な技 術 英 語 教 育 方 法 の確 立 とその実 践 はものづくり大 国 日 本 の将 来 を左 右 する重 要 な課 題 と言 える。
金 沢 大 学 は平 成 20 年 度 から,従 来 の学 部 制 度 を廃 止 し,学 域 と呼 ばれる制 度 を導 入 した。著 者 らが所 属 していた工 学 部 の機 械 系 の学 科 も,理 工 学 域 機 械 工 学 類 と名 を改 めて出 発 した。これまで,センター試 験 から2 年 以 上 経 過 し,英 語 能 力 の 低 下 が危 惧 される学 部 3 年 生 を対 象 に「機 械 技 術 英 語 」を開 講し,英 語 力 の維 持 と 科 学 技 術 に関 する話 題 を英 語 で表 現 できる能 力 の育 成 を目 指 してきた。さらに,前 述 の社 会 的 要 請 を 考 慮 して新 たに「技 術 英 語 演 習 」を同 学 年 生 対 象 に開 講 するこ ととなった。「技 術 英 語 演 習 」では,e-Learning システムを活 用 した効 率 的 且 つ計 画 的 な英 語 学 習 方 法 を学 び,これにより技 術 者 または研 究 者 としての英 語 力 (技 術 英 語 に関 する基 礎 的 な構 文 や語 彙 など)を 高 めることを目 的 としてい る。さらに副 次 的 な効 果 として TOEIC 点 数 の向 上 が期 待 でき,本 授 業 では TOEIC 換 算 で「100 点 UP 且つ TOEIC500 点 以 上 」を目 標 としている。本 報 告 では,「技 術 英 語 演 習 」 における英 語 e-Learning システムの活 用 方 法 の詳 細 を報 告 する。さらに,平 成 22 年 度 の実 践 結 果 から受 講 者 の学 習 効 果 を評 価 するとともに,e-Learning システム を利 用 した英 語 学 習 の有 効 性 や今 後 のあり方 について検 討 した。 2.e-Learning システムの概 要 と授 業 への利 用 方 法 本 章 で は 「 技 術 英 語 演 習 」 に 利 用 し た 「e-Learning シ ス テ ム ( ALC Netacademy2)」および金 沢 大 学 のネットワークシステムについて,以 下 に簡 単 に紹 介 する。
2-1. e-Learning システム(ALC Netacademy2)
金 沢 大 学 で は , 外 国 語 教 育 用 の e-Learning シ ス テ ム と し て , ALC Netacademy2 を導 入 している1,2)。本 学 の学 生 は,入 学 時 に配 布 されるID,パスワ ードを用 いて,インターネットのネットワーク上 から,ALC Netacademy2 システムにロ グインすることができる。本 学 に導 入 された ALC Netacademy2 システムのコース一 覧 を図 1 に示 す。 本 学 のALC Netacademy2 システムでは,英 語 などの語 学 学 習 を行 う上で様々 なコースが自 由 に選 択 可 能 である。以 下 に英 語 に関 する主 な4 コース 1)をまとめる。 1) スーパースタンダードコース 日 常 会 話 から演 説 まで幅 広 い内 容 をカバー。音 読 やディクテーションなど,さまざ まな学 習 形 態 を用 意 。 2) 初 中 級 コース プラス TOEIC 300~600 点 程 度 を対 象としたコース。題 材 がややビジネス寄 りだが,語 彙 も文 法 も平 易 。 3) スタンダードコース TOEIC 800 点 程 度 までをカバーするコース。初 中 級 コースの 4 倍と量 が多 く,内 容 がバラエティに富 む。 4) ライティング<基 礎 >コース 文 をいきなり書 くのではなく,意 味 のかたまり(chunk)を繋 ぎあわせて文 を作 る「チ ャンクライティング」という手 法 を用 いた教 材 。e-mail を題 材 として,メールの返 事 を 書 きながらライティングの学 習 を行 う。 本 授 業 では,TOEIC の学 習 に重 点 を置 き,TOEIC 300 点~600 点 程 度 の学 習 者 を 対 象 と し た 「 初 中 級 コ ー ス プ ラ ス 」を 利 用 し た(3 章 で後 述 )。「初 中 級 コース プラス」のコース構 成 とユニット構 成 を図 2 に示 す。「初 中 級 コース プラス」は,「リス ニング」,「リーディング」,「TOEIC(R)テスト演 習 」,「TOEIC(R)パート別 テスト演 習 」,「中 間 /修 了 テスト」のサブコースで構 成 されている。「リスニング」と「リーディン グ 」 は 各 20 ユ ニ ッ ト あ り , バ ラ ン ス よ く 学 習 で き る よ う に 工 夫 さ れ て い る 。 ま た , 「TOEIC(R)パート別テスト演 習 」(7 ユニット),「TOEIC(R)テスト演 習 」(10 ユニッ ト)を学 習 の進 捗 状 況 に合 わせて実 施 することで,効 率 良 く TOEIC 対 策 が行える。 さらに,ユニッ ト学 習 の途 中 に中 間 テスト,ユニ ット学 習 の最 後 に修 了 テストがあるの で,学 生 は学 習 開 始 時 からのレベルアップを実 感 しながら学 習 することができる。
金 沢 大 学 は平 成 20 年 度 から,従 来 の学 部 制 度 を廃 止 し,学 域 と呼 ばれる制 度 を導 入 した。著 者 らが所 属 していた工 学 部 の機 械 系 の学 科 も,理 工 学 域 機 械 工 学 類 と名 を改 めて出 発 した。これまで,センター試 験 から2 年 以 上 経 過 し,英 語 能 力 の 低 下 が危 惧 される学 部 3 年 生 を対 象 に「機 械 技 術 英 語 」を開 講し,英 語 力 の維 持 と 科 学 技 術 に関 する話 題 を英 語 で表 現 できる能 力 の育 成 を目 指 してきた。さらに,前 述 の社 会 的 要 請 を 考 慮 して新 たに「技 術 英 語 演 習 」を同 学 年 生 対 象 に開 講 するこ ととなった。「技 術 英 語 演 習 」では,e-Learning システムを活 用 した効 率 的 且 つ計 画 的 な英 語 学 習 方 法 を学 び,これにより技 術 者 または研 究 者 としての英 語 力 (技 術 英 語 に関 する基 礎 的 な構 文 や語 彙 など)を 高 めることを目 的 としてい る。さらに副 次 的 な効 果 として TOEIC 点 数 の向 上 が期 待 でき,本 授 業 では TOEIC 換 算 で「100 点 UP 且つ TOEIC500 点 以 上 」を目 標 としている。本 報 告 では,「技 術 英 語 演 習 」 における英 語 e-Learning システムの活 用 方 法 の詳 細 を報 告 する。さらに,平 成 22 年 度 の実 践 結 果 から受 講 者 の学 習 効 果 を評 価 するとともに,e-Learning システム を利 用 した英 語 学 習 の有 効 性 や今 後 のあり方 について検 討 した。 2.e-Learning システムの概 要 と授 業 への利 用 方 法 本 章 で は 「 技 術 英 語 演 習 」 に 利 用 し た 「e-Learning シ ス テ ム ( ALC Netacademy2)」および金 沢 大 学 のネットワークシステムについて,以 下 に簡 単 に紹 介 する。
2-1. e-Learning システム(ALC Netacademy2)
金 沢 大 学 で は , 外 国 語 教 育 用 の e-Learning シ ス テ ム と し て , ALC Netacademy2 を導 入 している1,2)。本 学 の学 生 は,入 学 時 に配 布 されるID,パスワ ードを用 いて,インターネットのネットワーク上 から,ALC Netacademy2 システムにロ グインすることができる。本 学 に導 入 された ALC Netacademy2 システムのコース一 覧 を図 1 に示 す。 本 学 のALC Netacademy2 システムでは,英 語 などの語 学 学 習 を行 う上で様々 なコースが自 由 に選 択 可 能 である。以 下 に英 語 に関 する主 な4 コース 1)をまとめる。 1) スーパースタンダードコース 日 常 会 話 から演 説 まで幅 広 い内 容 をカバー。音 読 やディクテーションなど,さまざ まな学 習 形 態 を用 意 。 2) 初 中 級 コース プラス TOEIC 300~600 点 程 度 を対 象としたコース。題 材 がややビジネス寄 りだが,語 彙 も文 法 も平 易 。 3) スタンダードコース TOEIC 800 点 程 度 までをカバーするコース。初 中 級 コースの 4 倍と量 が多 く,内 容 がバラエティに富 む。 4) ライティング<基 礎 >コース 文 をいきなり書 くのではなく,意 味 のかたまり(chunk)を繋 ぎあわせて文 を作 る「チ ャンクライティング」という手 法 を用 いた教 材 。e-mail を題 材 として,メールの返 事 を 書 きながらライティングの学 習 を行 う。 本 授 業 では,TOEIC の学 習 に重 点 を置 き,TOEIC 300 点~600 点 程 度 の学 習 者 を 対 象 と し た 「 初 中 級 コ ー ス プ ラ ス 」を 利 用 し た(3 章 で後 述 )。「初 中 級 コース プラス」のコース構 成 とユニット構 成 を図 2 に示 す。「初 中 級 コース プラス」は,「リス ニング」,「リーディング」,「TOEIC(R)テスト演 習 」,「TOEIC(R)パート別 テスト演 習 」,「中 間 /修 了 テスト」のサブコースで構 成 されている。「リスニング」と「リーディン グ 」 は 各 20 ユ ニ ッ ト あ り , バ ラ ン ス よ く 学 習 で き る よ う に 工 夫 さ れ て い る 。 ま た , 「TOEIC(R)パート別テスト演 習 」(7 ユニット),「TOEIC(R)テスト演 習 」(10 ユニッ ト)を学 習 の進 捗 状 況 に合 わせて実 施 することで,効 率 良 く TOEIC 対 策 が行える。 さらに,ユニッ ト学 習 の途 中 に中 間 テスト,ユニ ット学 習 の最 後 に修 了 テストがあるの で,学 生 は学 習 開 始 時 からのレベルアップを実 感 しながら学 習 することができる。
図 1 金 沢 大 学 の ALC Netacademy2 シ ス テ ム の コ ー ス 一 覧 2) 図 2 「 初 中 級 コ ー ス プ ラ ス 」 の コ ー ス 構 成 と ユ ニ ッ ト 構 成 2) 2-2. 金 沢 大 学 の ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム 金 沢 大 学 に は ,「 ア カ ン サ ス ポ ー タ ル 」 と 呼 ば れ る 情 報 発 信 ・ 取 得 シ ス テ ム が あ り , 学 習 ・ 教 育 ・ 研 究 ・ 業 務 な ど に 広 く 利 用 さ れ て い る ( 図 3)。 こ の ア カ ン サ ス ポ ー タ ル を 利 用 す る こ と で ,学 内 の お 知 ら せ ,講 義 情 報 な ど の 様 々 な 情 報 を 取 得 す る だ け で な く ,講 義 レ ポ ー ト・ア ン ケ ー ト の ア ッ プ ロ ー ド な ど の 情 報 を 発 信 す る こ と も で き ,教 員・学 生 間 の 双 方 向 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 可 能 で あ る 。本 講 義 で は ,学 生 に 継 続 的 な 学 習 を 促 す た め ,教 員 側 か ら ア カ ン サ ス ポ ー タ ル 上 で 定 期 的 な お 知 ら せ を 発 信 す る だ け で な く ,学 生 が 毎 週 の 進 捗 報 告 を 行 う よ う に 義 務 付 け て い る (3 章 で 後 述 )。 図 3 金 沢 大 学 ア カ ン サ ス ポ ー タ ル の ロ グ イ ン 画 面 3)
図 1 金 沢 大 学 の ALC Netacademy2 シ ス テ ム の コ ー ス 一 覧 2) 図 2 「 初 中 級 コ ー ス プ ラ ス 」 の コ ー ス 構 成 と ユ ニ ッ ト 構 成 2) 2-2. 金 沢 大 学 の ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム 金 沢 大 学 に は ,「 ア カ ン サ ス ポ ー タ ル 」 と 呼 ば れ る 情 報 発 信 ・ 取 得 シ ス テ ム が あ り , 学 習 ・ 教 育 ・ 研 究 ・ 業 務 な ど に 広 く 利 用 さ れ て い る ( 図 3)。 こ の ア カ ン サ ス ポ ー タ ル を 利 用 す る こ と で ,学 内 の お 知 ら せ ,講 義 情 報 な ど の 様 々 な 情 報 を 取 得 す る だ け で な く ,講 義 レ ポ ー ト・ア ン ケ ー ト の ア ッ プ ロ ー ド な ど の 情 報 を 発 信 す る こ と も で き ,教 員・学 生 間 の 双 方 向 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 可 能 で あ る 。本 講 義 で は ,学 生 に 継 続 的 な 学 習 を 促 す た め ,教 員 側 か ら ア カ ン サ ス ポ ー タ ル 上 で 定 期 的 な お 知 ら せ を 発 信 す る だ け で な く ,学 生 が 毎 週 の 進 捗 報 告 を 行 う よ う に 義 務 付 け て い る (3 章 で 後 述 )。 図 3 金 沢 大 学 ア カ ン サ ス ポ ー タ ル の ロ グ イ ン 画 面 3)
3. e-Learning シ ス テ ム ( ALC Netacademy2) の 授 業 へ の 活 用 方 法 3.1 授 業 の 背 景 と 目 的 現 在 ,大 学 で は ,英 語 に よ る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を 有 し た 人 材 の 育 成 が 求 め ら れ て お り ,こ の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を 評 価 す る た め ,世 界 共 通 の テ ス ト で あ るTOEIC が 広 く 用 い ら れ て い る 。ま た ,英 語 学 習 を e-Learning シ ス テ ム を 活 用 し て 行 う 場 合 ,学 習 意 欲 を 保 ち な が ら ,継 続 的 に 学 習 す る こ と も 重 要 と 考 え ら れ る 。従 っ て ,本 授 業 で は ,e-Learning を 活 用 し た TOEIC 学 習 な ど の 英 語 学 習 方 法 を 学 び な が ら ,技 術 英 語 の ス キ ル を 向 上 さ せ る こ と を 目 的 と し た 。 ま た , 学 生 の 学 習 目 標 を 以 下 の よ う に 設 定 し た 。 ・e-Learning を 活 用 し た 英 語 学 習 方 法 を 学 ぶ 。 ・ 現 在 の 自 分 の 英 語 力 を 認 識 し ,e-Learning を 活 用 し た 学 習 計 画 を 実 施 す る 。 ・ 技 術 英 語 に 関 す る 基 礎 的 な 英 語 力 ( 構 文 , 語 彙 な ど ) を 向 上 さ せ る 。 ・TOEIC 換 算 で 「 100 点 ア ッ プ , TOEIC 500 点 以 上 」 を 目 指 す 。 次 節 で 詳 述 す る が ,本 授 業 で は ,英 語 が あ ま り 得 意 で な い 学 生(TOEIC 500 点 未 満 ) を 対 象 に す る 。 従 っ て ,TOEIC 300 点 ~ 600 点 の 学 習 者 向 け の コ ー ス が 適 し て い る と 考 え ら れ る こ と か ら ,前 述 の ALC Netacademy2 の「 初 中 級 コ ー ス プ ラ ス 」 を 利 用 し た 。 3.2 対 象 学 生 本 授 業 「 技 術 英 語 演 習 」 は , 機 械 工 学 類 3 年 生 ( 約 150 名 ) を 対 象 と し た 選 択 科 目 で あ る 。 4 年 生 に な る と , 卒 業 研 究 な ど で 英 語 に 接 す る 機 会 が 増 え る だ け で な く , 就 職 活 動 で も TOEIC な ど の 成 績 を 提 示 す る 必 要 が で て く る 。 従 っ て , 3 年 生 の 間 に ,英 語 が あ ま り 得 意 で な い 学 生 の 英 語 レ ベ ル の 底 上 げ を 図 る こ と が 望 ま し い 。 こ の た め , 本 授 業 で は ,TOEIC 500 点 未 満 程 度 の レ ベ ル の 学 生 を 対 象 学 生 と し た 。尚 ,シ ラ バ ス お よ び 開 講 時 に ,「TOEIC 600 点 以 上 の 学 生 は ,本 授 業 の 履 修 の 必 要 は あ り ま せ ん 」と 強 調 し ,英 語 が 得 意 な 学 生 に は 別 コ ー ス の 受 講 を 勧 め て い る 。 3.3 授 業 方 法 本 授 業 の 概 要 を 表 1 に ま と め る 。第 1 回 目 の ガ イ ダ ン ス で は ,e-Learning シ ス テ ム (ALC NetAcademy2), 学 習 計 画 表 , 進 捗 報 告 な ど の 概 要 説 明 を 行 い , 受 講 後 , 各 自 で ALC NetAcademy2 へ の 接 続 を 確 認 し て も ら う 。 ま た ,は じ め に ,現 在 の 英 語 レ ベ ル を 把 握 し て も ら う た め ,レ ベ ル 診 断 テ ス ト と し て ,「TOEIC テ ス ト 演 習 」 の ユ ニ ッ ト 01 を 受 験 し , 前 述 の ア カ ン サ ス ポ ー タ ル を 通 し て , テ ス ト 演 習 の 結 果 を 報 告 す る よ う 義 務 付 け て い る 。 尚 , ア カ ン サ ス ポ ー タ ル 上 の 報 告 結 果 と ALC NetAcademy2 の デ ー タ を 教 員 が チ ェ ッ ク し て い る 。 本 授 業 で は ,学 生 に 継 続 的 で 計 画 的 な 学 習 を 強 く 促 す た め ,教 員 が 図 4 の 学 習 計 画 表 を 作 成 し ,こ の 学 習 計 画 表 に 沿 っ て 学 習 す る よ う 学 生 に 指 導 し た 。 従 っ て ,2 回 目 以 後 は ,学 習 計 画 表 に 沿 っ て ,『 初 中 級 コ ー ス プ ラ ス 』の ユ ニ ッ ト の 学 習 を 各 自 が 行 う こ と に な る 。 表 1 授 業 の 概 要 1 回 目 ガ イ ダ ン ス 登 録 方 法 レ ベ ル 診 断 と し て 「TOEIC テ ス ト 演 習 ユ ニ ッ ト 01」 を 受 験 2 回 目 ~ リ ス ニ ン グ ( ユ ニ ッ ト 01-10) リ ー デ ィ ン グ ( ユ ニ ッ ト 01-10) TOEIC( R) テ ス ト ( No.1-5) な ど 8 回 目 中 間 テ ス ト 9 回 目 ~ リ ス ニ ン グ ( ユ ニ ッ ト 11-20) リ ー デ ィ ン グ ( ユ ニ ッ ト 11-20) TOEIC( R) テ ス ト ( No. 6-10) な ど 15 回 目 修 了 テ ス ト
3. e-Learning シ ス テ ム ( ALC Netacademy2) の 授 業 へ の 活 用 方 法 3.1 授 業 の 背 景 と 目 的 現 在 ,大 学 で は ,英 語 に よ る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を 有 し た 人 材 の 育 成 が 求 め ら れ て お り ,こ の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を 評 価 す る た め ,世 界 共 通 の テ ス ト で あ るTOEIC が 広 く 用 い ら れ て い る 。ま た ,英 語 学 習 を e-Learning シ ス テ ム を 活 用 し て 行 う 場 合 ,学 習 意 欲 を 保 ち な が ら ,継 続 的 に 学 習 す る こ と も 重 要 と 考 え ら れ る 。従 っ て ,本 授 業 で は ,e-Learning を 活 用 し た TOEIC 学 習 な ど の 英 語 学 習 方 法 を 学 び な が ら ,技 術 英 語 の ス キ ル を 向 上 さ せ る こ と を 目 的 と し た 。 ま た , 学 生 の 学 習 目 標 を 以 下 の よ う に 設 定 し た 。 ・e-Learning を 活 用 し た 英 語 学 習 方 法 を 学 ぶ 。 ・ 現 在 の 自 分 の 英 語 力 を 認 識 し ,e-Learning を 活 用 し た 学 習 計 画 を 実 施 す る 。 ・ 技 術 英 語 に 関 す る 基 礎 的 な 英 語 力 ( 構 文 , 語 彙 な ど ) を 向 上 さ せ る 。 ・TOEIC 換 算 で 「 100 点 ア ッ プ , TOEIC 500 点 以 上 」 を 目 指 す 。 次 節 で 詳 述 す る が ,本 授 業 で は ,英 語 が あ ま り 得 意 で な い 学 生(TOEIC 500 点 未 満 ) を 対 象 に す る 。 従 っ て ,TOEIC 300 点 ~ 600 点 の 学 習 者 向 け の コ ー ス が 適 し て い る と 考 え ら れ る こ と か ら ,前 述 の ALC Netacademy2 の「 初 中 級 コ ー ス プ ラ ス 」 を 利 用 し た 。 3.2 対 象 学 生 本 授 業 「 技 術 英 語 演 習 」 は , 機 械 工 学 類 3 年 生 ( 約 150 名 ) を 対 象 と し た 選 択 科 目 で あ る 。 4 年 生 に な る と , 卒 業 研 究 な ど で 英 語 に 接 す る 機 会 が 増 え る だ け で な く , 就 職 活 動 で も TOEIC な ど の 成 績 を 提 示 す る 必 要 が で て く る 。 従 っ て , 3 年 生 の 間 に ,英 語 が あ ま り 得 意 で な い 学 生 の 英 語 レ ベ ル の 底 上 げ を 図 る こ と が 望 ま し い 。 こ の た め , 本 授 業 で は ,TOEIC 500 点 未 満 程 度 の レ ベ ル の 学 生 を 対 象 学 生 と し た 。尚 ,シ ラ バ ス お よ び 開 講 時 に ,「TOEIC 600 点 以 上 の 学 生 は ,本 授 業 の 履 修 の 必 要 は あ り ま せ ん 」と 強 調 し ,英 語 が 得 意 な 学 生 に は 別 コ ー ス の 受 講 を 勧 め て い る 。 3.3 授 業 方 法 本 授 業 の 概 要 を 表 1 に ま と め る 。第 1 回 目 の ガ イ ダ ン ス で は ,e-Learning シ ス テ ム (ALC NetAcademy2), 学 習 計 画 表 , 進 捗 報 告 な ど の 概 要 説 明 を 行 い , 受 講 後 , 各 自 で ALC NetAcademy2 へ の 接 続 を 確 認 し て も ら う 。 ま た ,は じ め に ,現 在 の 英 語 レ ベ ル を 把 握 し て も ら う た め ,レ ベ ル 診 断 テ ス ト と し て ,「TOEIC テ ス ト 演 習 」 の ユ ニ ッ ト 01 を 受 験 し , 前 述 の ア カ ン サ ス ポ ー タ ル を 通 し て , テ ス ト 演 習 の 結 果 を 報 告 す る よ う 義 務 付 け て い る 。 尚 , ア カ ン サ ス ポ ー タ ル 上 の 報 告 結 果 と ALC NetAcademy2 の デ ー タ を 教 員 が チ ェ ッ ク し て い る 。 本 授 業 で は ,学 生 に 継 続 的 で 計 画 的 な 学 習 を 強 く 促 す た め ,教 員 が 図 4 の 学 習 計 画 表 を 作 成 し ,こ の 学 習 計 画 表 に 沿 っ て 学 習 す る よ う 学 生 に 指 導 し た 。 従 っ て ,2 回 目 以 後 は ,学 習 計 画 表 に 沿 っ て ,『 初 中 級 コ ー ス プ ラ ス 』の ユ ニ ッ ト の 学 習 を 各 自 が 行 う こ と に な る 。 表 1 授 業 の 概 要 1 回 目 ガ イ ダ ン ス 登 録 方 法 レ ベ ル 診 断 と し て 「TOEIC テ ス ト 演 習 ユ ニ ッ ト 01」 を 受 験 2 回 目 ~ リ ス ニ ン グ ( ユ ニ ッ ト 01-10) リ ー デ ィ ン グ ( ユ ニ ッ ト 01-10) TOEIC( R) テ ス ト ( No.1-5) な ど 8 回 目 中 間 テ ス ト 9 回 目 ~ リ ス ニ ン グ ( ユ ニ ッ ト 11-20) リ ー デ ィ ン グ ( ユ ニ ッ ト 11-20) TOEIC( R) テ ス ト ( No. 6-10) な ど 15 回 目 修 了 テ ス ト
リスニング リーディング TOEICパー ト別テスト TOEIC テスト演習 ユニット 01-20 ユニット 01-20 ユニット 01-07 ユニット 01-10 技術英語 フレーズ の登録 1 1 *01 ○ 2 2 1 3 3 4 4 5 5 6 2 2 6 7 3 3 7 8 8 4 9 9 10 4 5 10 8 6月10日 ○ 8 6月17日 中間テスト 11 11 5 12 12 13 13 6 6 14 15 14 7 7 15 16 16 8 17 17 18 18 9 19 19 20 10 20 15 7月29日 ○ 15 8月5日 修了テスト 4月15日 日付 5月20日 5月13日 5月6日 4月22日 6月3日 5月27日 回 1 2 3 4 5 6 7 9 10 11 12 13 14 6月17日 6月24日 7月1日 7月8日 7月15日 7月22日 5月13日 5月20日 5月27日 6月3日 6月10日 有 有 有 学習計画 *レベル診断のため、 TOEICテスト演習のユ ニット01を実施する。 報告期限 (1限まで) 4月22日 5月6日 有 有 中間 テスト 修了 テスト 7月22日 7月29日 毎週の報告について 備考 6月24日 7月1日 7月8日 7月15日 テスト *1 2 3 進捗報告 レベル診 断テスト 4 5 6 10 有 7 有 9 有 13 有 14 有 有 11 有 12 有 図 4 ス ケ ジ ュ ー ル 表 の 例 ( 平 成 22 年 度 前 期 ) さ ら に , 継 続 的 で 計 画 的 な 学 習 を 促 す た め , 以 下 の 点 を 学 生 に 指 導 し た 。 z 毎 回 の 学 習 時 に ,「 技 術 英 語 」の 観 点 か ら 英 文 を 抽 出 し ,応 用 例 文 を 単 語 帳 に 登 録 す る 。 毎 週 ,3 フ レ ー ズ 以 上 の 「 技 術 英 語 フ レ ー ズ 」 を 登 録 す る 。 こ の た め , ガ イ ダ ン ス 時 に 技 術 英 語 の シ チ ュ エ ー シ ョ ン 例 な ど を 紹 介 し て い る 。(「 初 中 級 コ ー ス プ ラ ス 」の 学 習 過 程 で ,単 語 帳 へ の「 技 術 英 語 フ レ ー ズ 」 の 登 録 が 可 能 ) z 毎 週 ,「 進 捗 状 況 」を 報 告 す る 。進 捗 報 告 は ,ア カ ン サ ス ポ ー タ ル を 用 い て 指 定 時 刻 ま で に 行 う 。 特 に , テ ス ト に 関 す る 進 捗 報 告 は 未 報 告 1 回 で 不 可 ,通 常 の 進 捗 報 告 は 未 報 告 3 回 で 不 可 と す る な ど の ル ー ル を 設 け た 。 3.4 学 習 効 果 の 評 価 方 法 本 授 業 の 学 習 効 果 を 検 討 す る た め , 平 成 22 年 度 に 開 講 し た 前 期 1 ク ラ ス (56 名 ),後 期 1 ク ラ ス( 41 名 )の 受 講 者 97 名 の デ ー タ を 使 用 し た 。評 価 対 象 は ,第 1 回 目 に 実 施 し た レ ベ ル 診 断 テ ス ト(「 TOEIC テ ス ト 演 習 」の ユ ニ ッ ト 01), 第 8 回 目 の 中 間 テ ス ト お よ び 第 15 回 目 の 修 了 テ ス ト の 3 つ の テ ス ト を 使 用 し , 以 下 の 検 討 で は 各 テ ス ト の TOEIC 換 算 点 を 評 価 し た 。 4. 学 習 効 果 4.1 各 テ ス ト の 結 果 各 テ ス ト の 平 均 点 ,点 数 分 布 を 表 2,図 5 に 示 す 。レ ベ ル 診 断 時 に 400 点 程 度 で あ っ た TOEIC 換 算 点 が 修 了 時 に は 500 点 程 度 ま で 向 上 し , e-Learning シ ス テ ム を 利 用 し た 学 習 の 効 果 が 確 認 で き る ( 表 2)。 特 に , レ ベ ル 診 断 時 に 多 か っ た400 点 未 満 の 学 生 が 減 少 し て い る こ と が 分 か る( 図 5)。 表 2 各 テ ス ト の 平 均 点
710
200
508.2
修了テスト
700
260
522.1
中間テスト
680
240
393.7
レベル診断
Max.
Min.
Ave.
710
200
508.2
修了テスト
700
260
522.1
中間テスト
680
240
393.7
レベル診断
Max.
Min.
Ave.
0
10
20
30
40
50
0
100 200 300 400 500 600 700 800 900
点数
人数
レベル診断
中間テスト
修了テスト
図 5 成 績 分 布リスニング リーディング TOEICパー ト別テスト TOEIC テスト演習 ユニット 01-20 ユニット 01-20 ユニット 01-07 ユニット 01-10 技術英語 フレーズ の登録 1 1 *01 ○ 2 2 1 3 3 4 4 5 5 6 2 2 6 7 3 3 7 8 8 4 9 9 10 4 5 10 8 6月10日 ○ 8 6月17日 中間テスト 11 11 5 12 12 13 13 6 6 14 15 14 7 7 15 16 16 8 17 17 18 18 9 19 19 20 10 20 15 7月29日 ○ 15 8月5日 修了テスト 4月15日 日付 5月20日 5月13日 5月6日 4月22日 6月3日 5月27日 回 1 2 3 4 5 6 7 9 10 11 12 13 14 6月17日 6月24日 7月1日 7月8日 7月15日 7月22日 5月13日 5月20日 5月27日 6月3日 6月10日 有 有 有 学習計画 *レベル診断のため、 TOEICテスト演習のユ ニット01を実施する。 報告期限 (1限まで) 4月22日 5月6日 有 有 中間 テスト 修了 テスト 7月22日 7月29日 毎週の報告について 備考 6月24日 7月1日 7月8日 7月15日 テスト *1 2 3 進捗報告 レベル診 断テスト 4 5 6 10 有 7 有 9 有 13 有 14 有 有 11 有 12 有 図 4 ス ケ ジ ュ ー ル 表 の 例 ( 平 成 22 年 度 前 期 ) さ ら に , 継 続 的 で 計 画 的 な 学 習 を 促 す た め , 以 下 の 点 を 学 生 に 指 導 し た 。 z 毎 回 の 学 習 時 に ,「 技 術 英 語 」の 観 点 か ら 英 文 を 抽 出 し ,応 用 例 文 を 単 語 帳 に 登 録 す る 。 毎 週 ,3 フ レ ー ズ 以 上 の 「 技 術 英 語 フ レ ー ズ 」 を 登 録 す る 。 こ の た め , ガ イ ダ ン ス 時 に 技 術 英 語 の シ チ ュ エ ー シ ョ ン 例 な ど を 紹 介 し て い る 。(「 初 中 級 コ ー ス プ ラ ス 」の 学 習 過 程 で ,単 語 帳 へ の「 技 術 英 語 フ レ ー ズ 」 の 登 録 が 可 能 ) z 毎 週 ,「 進 捗 状 況 」を 報 告 す る 。進 捗 報 告 は ,ア カ ン サ ス ポ ー タ ル を 用 い て 指 定 時 刻 ま で に 行 う 。 特 に , テ ス ト に 関 す る 進 捗 報 告 は 未 報 告 1 回 で 不 可 ,通 常 の 進 捗 報 告 は 未 報 告 3 回 で 不 可 と す る な ど の ル ー ル を 設 け た 。 3.4 学 習 効 果 の 評 価 方 法 本 授 業 の 学 習 効 果 を 検 討 す る た め , 平 成 22 年 度 に 開 講 し た 前 期 1 ク ラ ス (56 名 ),後 期 1 ク ラ ス( 41 名 )の 受 講 者 97 名 の デ ー タ を 使 用 し た 。評 価 対 象 は ,第 1 回 目 に 実 施 し た レ ベ ル 診 断 テ ス ト(「 TOEIC テ ス ト 演 習 」の ユ ニ ッ ト 01), 第 8 回 目 の 中 間 テ ス ト お よ び 第 15 回 目 の 修 了 テ ス ト の 3 つ の テ ス ト を 使 用 し , 以 下 の 検 討 で は 各 テ ス ト の TOEIC 換 算 点 を 評 価 し た 。 4. 学 習 効 果 4.1 各 テ ス ト の 結 果 各 テ ス ト の 平 均 点 ,点 数 分 布 を 表 2,図 5 に 示 す 。レ ベ ル 診 断 時 に 400 点 程 度 で あ っ た TOEIC 換 算 点 が 修 了 時 に は 500 点 程 度 ま で 向 上 し , e-Learning シ ス テ ム を 利 用 し た 学 習 の 効 果 が 確 認 で き る ( 表 2)。 特 に , レ ベ ル 診 断 時 に 多 か っ た400 点 未 満 の 学 生 が 減 少 し て い る こ と が 分 か る( 図 5)。 表 2 各 テ ス ト の 平 均 点
710
200
508.2
修了テスト
700
260
522.1
中間テスト
680
240
393.7
レベル診断
Max.
Min.
Ave.
710
200
508.2
修了テスト
700
260
522.1
中間テスト
680
240
393.7
レベル診断
Max.
Min.
Ave.
0
10
20
30
40
50
0
100 200 300 400 500 600 700 800 900
点数
人数
レベル診断
中間テスト
修了テスト
図 5 成 績 分 布各 学 生 の 得 点 分 布 が ど の よ う に 変 化 し た か を 検 討 す る た め ,レ ベ ル 診 断 時 の 得 点 に 対 す る 中 間 テ ス ト・修 了 テ ス ト の 得 点 分 布 の 変 化 を 図 6 に 示 す 。大 部 分 の 学 生 が ,図 の 対 角 線 上 よ り も 上 側 に い る こ と か ら ,レ ベ ル 診 断 時 に 比 べ て 得 点 が 向 上 し て い る こ と が 確 認 で き る 。尚 ,修 了 テ ス ト を 未 受 験 の 学 生 デ ー タ も 含 め て 図 示 し て い る 。 200 300 400 500 600 700 800 200 400 600 800
レベル診断
中
間
、
修了
テ
ス
ト
中間テスト
修了テスト
図 6 得 点 分 布 の 変 化 4.2 学 習 効 果 の 考 察 前 節 で 示 し た よ う に ,授 業 開 始 時 の レ ベ ル 診 断 テ ス ト と 比 較 す る と ,修 了 テ ス ト で は ,TOEIC 換 算 平 均 点 が 向 上 し た こ と が 確 認 で き た 。 勿 論 , こ れ は TOEIC の 試 験 形 式 に 慣 れ た 部 分 も あ る た め ,実 質 的 な 英 語 力 の 向 上 は 割 り 引 い て 考 え る べ き で あ ろ う 。 し か し ,e-Learning シ ス テ ム を 利 用 し た 継 続 的 な 学 習 は ,英 語 力 向 上 に 一 定 の 効 果 が あ る こ と も 確 認 で き た 。同 様 の 学 習 効 果 は , 平 成 24 年 度 前 期 の 授 業 で も 確 認 し て い る 。 ま た ,レ ベ ル 診 断 時 に 多 か っ た 400 点 未 満 の 学 生 が 減 少 し て い る 。こ れ は , セ ン タ ー 試 験 後 か ら 低 下 し て い た 英 語 力 が ,当 時 の レ ベ ル に 戻 っ た と も 解 釈 で き る ( 大 学 入 学 時 に TOEIC 試 験 は 行 っ て い な い た め ,あ く ま で も 推 測 で あ る )。 但 し , レ ベ ル 診 断 時 に 400 点 未 満 の 学 生 の 中 に は , レ ベ ル 診 断 テ ス ト を 真 面 目 に 受 験 し な か っ た 学 生 も い る こ と が 考 え ら れ る 。従 っ て ,開 講 時 の ガ イ ダ ン ス で ,レ ベ ル 診 断 テ ス ト も 重 要 で あ る こ と を 強 調 す る な ど の 対 策 が 必 要 で あ る 。 本 授 業 で は , 教 員 が 学 習 計 画 を 指 示 す る こ と で ,e-Learning シ ス テ ム に よ る 自 己 学 習 を 継 続 的 に 行 う よ う に 工 夫 し た 。 そ の 結 果 , こ の よ う な e-Learning シ ス テ ム を 活 用 し た 英 語 学 習 が , 英 語 力 向 上 に 一 定 の 効 果 が あ る こ と が 確 認 で き た 。し か し ,講 義 修 了 後 も 引 き 続 き 英 語 学 習 を 継 続 さ せ る こ と が 重 要 で あ る 。 今 後 , 講 義 修 了 後 の 英 語 学 習 を 促 す た め ,e-Learning シ ス テ ム の 他 コ ー ス( ス ー パ ー ス タ ン ダ ー ド コ ー ス 等 )の 併 用・活 用 方 法 を 学 生 に 提 示 し , 積 極 的 に 勧 め て い く 予 定 で あ る 。 5. ま と め 本 報 告 で は ,金 沢 大 学 理 工 学 域 機 械 工 学 類 3 年 生 を 対 象 に 開 講 し た「 技 術 英 語 演 習 」 の e-Learning シ ス テ ム ( ALC NetAcademy2) の 活 用 方 法 を 紹 介 し た 。ま た ,本 授 業 の 学 習 効 果 を TOEIC 換 算 点 に よ り 評 価 し ,e-Learning シ ス テ ム を 利 用 し た 英 語 学 習 の 有 効 性 に つ い て 検 討 し た 。そ の 結 果 ,授 業 開 始 時 の 平 均 点 は 授 業 修 了 時 に 約 100 点 上 昇 し た こ と か ら , e-Learning シ ス テ ム を 導 入 し た 授 業 は 英 語 力 向 上 に 一 定 の 学 習 効 果 が あ る こ と が 分 か っ た 。 元 々 , 自 己 学 習 を 想 定 し た e-Learning シ ス テ ム は , 自 己 学 習 が 苦 手 な 学 生 に は 向 い て い な い 。 し か し ,e-Learning シ ス テ ム を 授 業 の 学 習 ツ ー ル と し て 活 用 し ,教 員 が 学 習 計 画 を 提 示 す る こ と で ,自 己 学 習 が 苦 手 な 学 生 に も 学 習 の 継 続 を 促 す こ と が で き た の で は な い か と 考 え て い る 。今 後 ,講 義 修 了 後 の 指 導 方 法 を 工 夫 し ,継 続 し た 英 語 教 育 を 実 現 す る こ と で ,さ ら な る 学 生 の 英 語 力 向 上 を 図 り た い 。 謝 辞 ALC Netacademy2 を 使 用 し た 本 授 業 を 実 践 す る に あ た り ,金 沢 大 学 外 国 語 教 育 研 究 セ ン タ ー の 西 嶋 愉 一 先 生 か ら 多 く の ア ド バ イ ス を 頂 い た 。こ こ に 感 謝 の 意 を 表 す る 。本 報 告 は ,平 成 23 年 11 月 22 日 に 開 催 さ れ た 第 1 回 金 沢 大 学 理 工 学 域 機 械 工 学 類 FD 研 修 会 の 発 表 「 機 械 工 学 類 に お け る ALC NetAcademy2 の 授 業 活 用( 技 術 英 語 演 習 )」と 質 疑 応 答 を も と に 作 成 さ れ た 。 参 考 文 献 1) 金 沢 大 学 外 国 語 教 育 研 究 セ ン タ ー http://fliwww.ge.kanazawa-u.ac.jp/index.php?c=3-7 2) ALC NetAcademy2 http://fliwww2.ge.kanazawa-u.ac.jp/el/kid.asp 3) 金 沢 大 学 ア カ ン サ ス ポ ー タ ル https://acanthus.cis.kanazawa-u.ac.jp/Portal/各 学 生 の 得 点 分 布 が ど の よ う に 変 化 し た か を 検 討 す る た め ,レ ベ ル 診 断 時 の 得 点 に 対 す る 中 間 テ ス ト・修 了 テ ス ト の 得 点 分 布 の 変 化 を 図 6 に 示 す 。大 部 分 の 学 生 が ,図 の 対 角 線 上 よ り も 上 側 に い る こ と か ら ,レ ベ ル 診 断 時 に 比 べ て 得 点 が 向 上 し て い る こ と が 確 認 で き る 。尚 ,修 了 テ ス ト を 未 受 験 の 学 生 デ ー タ も 含 め て 図 示 し て い る 。 200 300 400 500 600 700 800 200 400 600 800