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JAWS2012 

JAWS2012

ユーザからのフィードバックを考慮した

献立表推薦システムの試作

Implementation of a Menu-List Recommendation System Providing Feedback

from User

西川 智佳

Nishikawa Chika

名古屋工業大学工学部情報工学科

Department of Computer Science and Engineering, Nagoya Institute of Technology nishikawa.chika@itolab.nitech.ac.jp

永井 明彦

Nagai Akihiko

名古屋工業大学大学院 情報工学専攻 名工大グリーン・コンピューティング研究所 Nagoya Institute of Technology Graduate School of Engineering Department of Computer Science and Engineering, Center for GREEN COMPUTING nagai.akihiko@nitech.ac.jp

伊藤 孝行

Ito Takayuki

名工大グリーン・コンピューティング研究所,名古屋工業大学大学院 産業戦略工学専攻 Center for GREEN COMPUTING,School of Techno-Business Administration, Graduate School of Engineering, Nagoya Institute of Technology ito.takayuki@nitech.ac.jp, http://www.itolab.nitech.ac.jp/˜ito/

keywords:SQL, PHP, cook, database, optimization

Summary

Recently, recipe web sites where users collectively join have become popular. For example, ’cookpad.co.jp’ is the most popular recipe site in Japan with over a million recipes. But these recipe sites have a problem in that they do not provide detailed nutrition information. So users cannot obtain this information easily. Recipe sites where professional nutritionists join are few and have only a limited number of recipes. Therefore, it is difficult that users plan daily meals considering allergies of users and nutrient balance ,because users have to check each nutrient quantity and calculate it by themselves. Hence, we construct a Menu-List Recommendation system providing feedback from users considering allergies and lifestyles of users. First of all, users input food and health information. By using it, this system automatically creates a menu list for one week on the web. And users can give a meal he/she actually ate as a feedback to the system. Therefore, system can support general users that does not know the expert knowledge of the nutrient. It is difficult to calculate the nutrient quantities for them. But this system uses automatic nutrient calculation method. Our current implementation has several good features for novice users.

1.

は じ め に

近年,インターネットの普及とITリテラシーの向上に より,料理を計画するときにインターネットを利用する ユーザが増加している.主婦を対象としたレシピサイト利 用調査[mmd 11]では,回答者のうち,44.4%の主婦から日 常的にレシピサイトを利用していると回答が得られてお り,今後もレシピサイトを活用するユーザが増加していく ものと考えられる.モバイル端末を手元に置きながら料理 サイトを参照するユーザも多く,これら機器の普及もレシ ピサイトを利用するユーザの増加の一因となっている.料 理に関連する事象として健康に着目すると,健康日本21 全国大会[ken 00]が各地で開かれており,健康増進を政 府が推奨している.健康を増進することは,国の財政の面 からも重要である.高血圧や糖尿病などの生活習慣病は, 死亡原因の6割,医療費の3割を占めており,医療費を抑 制するためには,健康診断の定期的な受診や日ごろの健康 づくりが重要である[sei 07]. 以上のような昨今の健康志向を背景に,健康を意識した レシピを提供するWEBサイトも存在する.例として,ボ ブ&アンジー[bob 12]では料理に含まれるタンパク質や 脂質などの栄養素の量を表示し,利用者の献立の決定をサ ポートしている.しかし,疲労回復や生活改善に向けた健 康を目的とする献立を決めるには栄養素に関する専門的 な知識が必要であり,目的の栄養素を多く含んだ料理を検 索するユーザにとって負担が大きい.例えば,肌荒れが気 になるユーザが肌荒れに効く栄養素を検索し,その効果の ある栄養素を多く含んだ料理を検索するには大変な手間 が必要である.また,調査[mmd 11]によると64%のユー ザが「レシピの豊富さ」を重要視しており,健康を意識し たレシピを提供するWEBサイトでは栄養士が作成でき る料理の数に限界があるという問題もある.  そこで,本稿では,ユーザの料理検索における負担を 軽減し,栄養バランスを考慮して適切な食事を摂取できる ことを目的として,バランスを考慮した献立を主菜・副菜 の組み合わせで推薦し,それらで構成される献立表を生成

(2)

するシステムを提案する.ユーザは予めアレルギー等の食 事に関する情報や,基礎代謝量を求めるために身長や体重 などの健康情報を入力しておけば,適切な複数の献立を選 択して1食分とした推薦情報を入手することができる.こ れを1週間分の献立表として出力する.また,ユーザが推 薦された食品を実際に摂取しない場合,システムはフィー ドバックをすることができる.ユーザは何を摂取したかと いう情報を入力すれば,システムが全体の栄養バランス を再検討して,前後の献立を調整し,新たに献立を推薦す る.本システムを利用することで,管理栄養士は手動で料 理レシピを作る必要がなくなる.またユーザにとっても, 栄養に関する高度な知識がなくても健康を改善するレシ ピを選択でき,全体のバランスが考慮された食事を毎日摂 取することが可能となる.

2.

2·1 連 研 究 本稿に関連する研究として栄養情報検索システム,栄養 情報を活用した目的志向料理推薦システム,調理加工法に よる栄養素の変化を考慮した料理レシピの栄養素自動計 算システム,そして食べ合わせ情報に基づいた献立作成シ ステムを紹介する.尚,§2以降は同研究室で行った研究 である. § 1 栄養情報検索システム 健康・栄養情報基盤データベースは,独立行政法人国 立健康・栄養研究所と科学技術振興事業団との共同研究 で開発された国民栄養調査に関するデータ検索サービス である.電子化されている昭和48年以降の国民栄養調査 データをデータベース化し,栄養行政や栄養の研究に役 立つことを目的とする.登録されている料理データベー スは食や料理に関する情報の整理に活用することができ る. [dat] § 2 栄養情報を活用した目的志向料理推薦システム WEBページ上の栄養に関する情報を活用し,栄養に関 する専門的な知識を持たない一般利用者であっても,目的 に応じて適切な料理レシピが検索できるシステムである. 例えば,利用者が「関節痛が気になる」などの目的を自然 な文章で入力する.推薦システムは入力された文章を形態 素解析して特徴的な単語を取り出し,取り出した単語と 関連度の高い栄養素を,栄養素に関する単語の共起辞書 から検索する.そして,関連度の高い,栄養素を多く含ん だ料理を検索し,ユーザに推薦する.このシステムにより, ユーザは栄養に関する高度な知識を必要とせずに生活改 善のための料理レシピを検索することが可能となる. [岩 上11] [塩澤07] [多田02] [Hoggle L.B. 06] § 3 調理加工法による栄養素の変化を考慮した料理レシ ピの栄養素自動計算システム WEBページ上から料理情報を収集し,各食材の栄養素 を計算することで料理の栄養素を計算するシステムであ る.作成された栄養素に関するデータベースの大きさは各 レシピ・栄養素合わせて870万件以上ある.また,調理手 順を解析し,「焼く」「煮る」等の調理加工方法が記載さ れている場合には,調理加工法を反映して食材の栄養素を 計算している.計算を行う時に,グラムに単位を変換して 計算を行う.このグラム変換辞書のデータは160万件以 上ある.このシステムにより,更に精密な栄養素計算を行 うことが可能となる. [植田11] [見並07] [小林07] [苅米 09] [苅米10] § 4 食べ合わせ情報に基づいた献立作成システム WEBサイト上から収集したデータに対し,レシピの栄 養素(ナトリウムやビタミンなど)を自動的に計算した データベースから食べ合わせを含めた料理を推薦するシ ステムである.食べ合わせの料理とは,ある食材に対して, 本来,身体が吸収できる栄養素量を高め,栄養素の効果を 持続させるといった効果を持つ食材を含んだ料理を指す. 本システムにより,ユーザは栄養情報から料理を検索する ことができ,同時に摂取することが好ましい料理を知るこ とができる。[高橋12] [長谷06] [野間08] § 5 関連研究に対する本稿の位置付け 本稿の位置付けを示す.本稿では,栄養素自動計算シス テムと献立作成システムを応用している.推薦に関して は,複数のおかずで構成される食事を1食の献立として1 週間分を献立表にして推薦する点と,ユーザからのフィー ドバックを推薦結果に反映させるという点が既有研究で あるシステムと本システムは異なる. 2·2 システムの流れ 図1はシステムの流れを表したものである.(1)ではア レルギーや生活習慣等のユーザ食事情報を入力する.(2) では,レシピデータベースとユーザ情報データとのマッチ ングを行い,栄養量を計算することでユーザの条件に合う レシピを選択する.(3)では,1食分だけではなく全体のエ ネルギーバランスが考慮されるように調整が行われ,複数 の献立を選択しWeb上で1週間分の献立表として推薦 結果を出力する.そして(4)では,推薦された献立をユー ザが実際に摂取しなかった場合,実際に食べる,又は食べ た食品を入力する.入力された情報と食品データベースか ら,ユーザが実際に食べた食品のおおよそのエネルギー 量がわかる.それを基にフィードバックを行い,全体のバ ランスを献立の前後で再調整する.最後に献立表を出力 する. 2·3 システムの構成 図2は本システムの構成を表したものである.本シス テムはレシピ・食材データベース及び食品データベース で構成されている.インタフェースであるWebページは PHPとHTMLを用いて作成する.ユーザがHTML形式 のWebページによって入力したユーザ食事情報を受け 取ったWebサーバーはデータベースから条件に適する

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図 1 システムの流れ 料理に関する情報をHTML形式に加工して出力する.尚, ユーザが入力したユーザ食事情報は,複数のユーザが使用 できるようにデータベースに格納される.ユーザ食事情報 とデータベースとのマッチングは献立推薦エンジンにて 行う.ここで,レシピの栄養量計算や1食・1週間分に適 する献立を選択し,その結果をWEBページが表示する. また,ユーザがWEBページ上でフィードバック情報を入 力すれば,その情報とデータベースとのマッチングや調整 を行うことで新たな献立表の生成が実現できる. 図 2 システムの構成 § 1 食材・レシピデータベース 食材・レシピデータベースは,食材データベースとレシ ピデータベースを統合したものである.統合することに よって各レシピの栄養素が分かる.本システムでは,各レ シピの栄養素を調べたり,選択したレシピにおいてどのよ うな食材が含まれているかを調べる時に食材・レシピデー タベースを用いる.データベースには,表1のように各栄 養素の栄養量情報や,表2のようにレシピがcookpad [coo 12]によって分類されたカテゴリ情報等が入っている.こ のような栄養量情報を用いることで,ユーザが求めたカロ リー条件を満たしているかどうか判別を行うことができ る.またカテゴリ情報を用いる理由として,そのレシピが 朝昼夜の3食のうち適するものを選択できる・献立にお ける主食を決定できる・献立の選択を行う際に活用する ことができるという3つの利点が考えられる.尚,データ ベースにはデータ数として,各レシピ・栄養素ごとに870 万件以上あり,レシピにおけるカテゴリや1人分のカロ リー情報は3万件程データが格納されている. 表 1 栄養量情報 (レシピ・食材データベース) レシピ ID レシピ名 エネルギー量 ナトリウム量 ... 85727 きのこご飯 224 29.75 85738 おからハンバーグ 229 28.75 85742 ほうれん草の胡麻和え 85 285 ... 85790 手軽なビスコッティ 36 16.17 85807 共立てスポンジ 59 16.11 85838 *キムチ炒飯* 179 608 85860 カレー風味のきんぴら 347 1475.5 85869 しいたけ焼き 251 111 85887 なすの含め煮 136 853 85918 全粒粉バンズ 307 492 表 2 カテゴリ情報 (レシピデータベース) レシピ ID カテゴリ番号 カテゴリー名 85790 0 お菓子 85790 1 クッキー 85790 2 ビスコッティ 85968 0 今日の献立 85968 1 たまご・大豆加工品 85968 2 たまご 85968 3 茶碗蒸し § 2 食品データベース 食品データベースには,表3のようにハンバーグやお 好み焼きといった加工食品のおおよそのエネルギー量が 格納されている.尚,食品データベースはイーケンコーコ ム[eke 12]による献立別の平均カロリー情報を基に作成 した.食品データベースはユーザからのフィードバックを 受けた時に用いる.ユーザが実際に食べた食品のエネル ギー量をデータベースから検索する.そこで得たエネル ギー量情報から推薦表が新たに反映される.データ数は 3000件程保有している. 表 3 食品エネルギー量情報 (食品データベース) 食品名 エネルギー量 エビマカロニグラタン 641 オムライス 971 カルボナーラ 892 コーンポタージュ 195 たけのこご飯 350 牛丼 599 親子丼 634 カツ丼 891 きつねうどん 368 味噌煮込みうどん 430

3.

実 装 と 実 行 例

3·1 ユーザログイン 本システムを利用するときにユーザはログインする必 要がある.本システムは各ユーザの食事情報に基づいて推 薦を行うため,ユーザ情報を特定する必要がある.図3は ユーザログイン時に表示される画面である.フォーム部分 所定のユーザIDとパスワードを入力することでログイ ンを行うことができる.

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図 3 ユーザログイン画面 3·2 ユーザ情報入力 ユーザはログインした後,自身の食事情報を入力する. その情報を基に,摂取上限エネルギー量やアレルギー食材 などが決定される.図4はユーザ情報入力画面である.入 力された情報はデータベースに格納され,一度入力してお けば情報は保持される.次のセクションでは,ユーザが入 力した情報の用途について説明する. 図 4 ユーザ食事情報入力画面 § 1 エネルギー量 推薦される献立の1日のエネルギー量は,基礎代謝量 と上限エネルギー量を基に条件が決定する.尚,上限エネ ルギー量の入力は任意である.基礎代謝量[die]とは仕事 や運動等をしていない安静状態でも生命維持に必要な最 小のエネルギー量のことで,人間が生きていくために最低 限必要なエネルギー量である.基礎代謝量の算出方法は, ハリス・ベネディクト方程式[die]を用いる.ハリス・ベ ネディクト方程式とは基礎代謝量を求めるための数式で ある.欧米人と比べ比較的に骨格が小さい日本人用のハ リス・ベネディクト方程式による算出式を用いる.男女に よって算出式が違い,それぞれ式(1)と式(2)となる. 男性: 66.47+13.75×体重[kg]+ 5.0×身長[cm]− 6.76 ×年齢 (1) 女性: 665.1+9.56×体重[kg]+ 1.85×身長[cm]− 4.68 ×年齢 (2) また,ユーザが基礎代謝量を求めるために,性別・年齢・ 身長・体重は必須項目として入力する.これによって,推 薦される1日分の献立は必ず基礎代謝量以上という条件 が定まる.また,上限エネルギー量はユーザが任意で入力 するようにした.もし入力があれば,式(3)を満たす. 基礎代謝量< 1日分の献立<上限エネルギー量 (3) 基礎代謝量は1日の総消費エネルギーの約7割を占め ているとの日本健康運動研究所[nih 12]のデータに基づ いて1日に必要な摂取カロリーは式(4)で求めることが できる.よって,入力がない場合は式(5)を用いて1日分 の献立条件を定めることにした. 基礎代謝量×10 7 (4) 基礎代謝量< 1日分の献立<基礎代謝量×10 7 (5) § 2 アレルギー食材 ユーザ情報入力フォームではアレルギー食材を入力す る.ユーザはアレルギー食材を入力することで,推薦され る献立全てにおいてアレルギー食材が含まれないように 考慮される.次にシステムの動作を説明する.本システム では,レシピ・食材データベースによってアレルギー食材 の有無が確認し,アレルギー食材が入っていないレシピか ら献立を推薦する. 3·3 献 立 表 生 成 1週間分の献立表を生成する流れについて説明する.ま ず,ユーザ食事情報が格納されているデータベースによ り,ユーザのエネルギー量の上限・下限や,アレルギー食 材がわかる.データベースから得た情報は,献立表を生成 するにあたり重要な条件となる.本システムでは,ユーザ 食事情報の他に栄養量を考慮して,献立表が生成される. § 1 各栄養素の条件 本システムでは,エネルギー量・コレステロール量・ナ トリウム量の3つの栄養量を考慮している.その理由を 以下に示す.healthクリニック[hea 12]によれば,エネル ギー量は,摂取された食物中の熱量源となる栄養素の酸 化分解によって体内で発生するエネルギーの大きさを示 す.人間が生きるために必要な元気な源であり,ダイエッ トといった肥満を防止する際に注目するエネルギーであ るため,エネルギー量を献立生成で考慮する栄養量とし て決定した.次に,コレステロール[cho 12]とは細胞膜の 成分として生命維持に重要な役割を果たしている栄養量 である.しかしコレステロールは適切量を摂取しないと, コレステロールバランスが崩れてしまい生活習慣病を発 症させるケースがある.狭心症や心筋梗塞や脳卒中といっ た病気の原因となってしまうため,コレステロール値を正 しくコントロールする必要がある.またグリコ[gli 11]に よると,ナトリウムとは体内の水分量をいつも適切な状態 に調節したり,神経や筋肉を正常に動かすために働いたり する重要な役割を果たしている.食塩と塩素からできる食 塩を摂取しすぎると,高血圧や胃がん等の様々な生活習慣

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病を招くおそれがある.コレステロール・ナトリウムのど ちらもが生活習慣病に大きく密接する栄養量であること から献立生成で考慮する栄養量として決定した. 尚,各栄養量には1日分の摂取量における目安量が定 まっている.エネルギー量は,基礎代謝量から定まる条件 を基に目安量が決定する.healthクリニック[hea 12]によ れば,コレステロールの適正量は500∼600mgが目安量 となっている.また,ビタミネ[vit 03]によれば,ナトリウ ムは1日の摂取上限量とし9g以下となっている.従って, 本システムでは栄養素の上限量として,コレステロール量 は600g以下,ナトリウム量は9g以下と決定した. § 2 献立の決定 まず献立を決定する要素である1食分の決定方法につ いて説明する.尚,「食」とは複数のおかずから構成され る食事のことで,一般的に朝・昼・夜に摂取するものとす る.また,1食分におけるエネルギー量条件はユーザが,朝 食・昼食・夕食の3食において,栄養摂取の割合を予め決 定する.例えば,ユーザの基礎代謝量が1000kcal,エネル ギー上限量が1500kcalとする.その時に,食事の摂取割合 を朝食が全体の2割,昼食が全体の3割,夕食が全体の5 割とユーザが決めておけば,朝食は200kcal以上300kcal 以内,朝食は300kcal以上450kcal以内,夕食は500kcal

以上750kcalのように各食事におけるエネルギー量条件 が決定する.他の栄養量も同様にして,摂取量条件が定め られる.1食の条件は1品以上3品以下で構成される食事 としている.これは,Garbagenews.com [gar 09]の調査か ら夕食の平均的なおかず品目が2品が50.7%,3品以上が 44.4%という結果を基に定めた.この時,ユーザのアレル ギー条件が入力されていれば,それを満たしているものが 選択される.まず1食分を決定する際に,メイン料理とサ ブ料理に分けて献立を選択する.メイン料理は選択が必須 であるが,サブ料理は条件に適する献立がない場合や栄養 量条件に満たさない場合は選択されない.メイン料理を選 択した後に,栄養量条件を満たすようにサブ料理が選択さ れる.このように複数の献立において条件を確認しながら 献立が決定する.生成される1日の献立の総エネルギー 量は,必ず基礎代謝量より多く,上限量未満を満たすよう に構成される. また,朝時間.jp [mor 12]のレシピからも推測できるよ うに,朝食は昼食や夕食と異なり,手早く作ることができ, 胃に負担をかけない食事であることが多い.そこで,朝食 に適したレシピが選択されるように,予めWEBクロー ラーによってレシピページに”朝”,”モーニング”といった キーワードを記載されているページのレシピIDをレシ ピ・食材データベースに格納することで,朝ごはんに適し たレシピが選択されるようになっている.また,昼食や夕 食におけるメイン料理では,体をつくるエネルギー源であ る”肉料理”または”魚料理”から選択されるようになって いる.これは,料理・レシピデータベースに格納されてい るカテゴリ情報を用いることで,献立に適したレシピが選 択されるようになっている.尚,サブ料理に関しては”今日 の献立”というカテゴリに属している献立から選択される ため,肉や魚だけでなく野菜が入っている献立などから食 事が構成される. 1食を朝・昼・夜の3食分決定することで,1日分の献 立が生成される.全体の摂取割合から条件を決定して1食 分を決定していることから,全体の栄養量の条件が満たさ れる.残りの日にちも同様にして献立を選択し条件と照合 して決定する.また,本システムでは献立が重複しないよ うに考慮している. § 3 実行例 システムの実行例を図5にて示す.今回,ユーザ情報と して,年齢20歳,身長160cm,体重50kgの女性とする. 尚,式(2)のハリスベネディクト方程式の算出式を用いる と,基礎代謝量は1345kcalであることが分かる.エネル ギー上限量は式(4)を用いると,1802kcalであることがわ かる.また3食の摂取割合として先程と同様,朝食が全体 の2割,昼食が全体の3割,夕食が全体の5割とする.生 成された献立表にはメイン料理とサブ料理のレシピ名と サムネイルが表示されている.また,レシピ表示部分が灰 色表示している部分は,食事が終わっていると考えられる 時間帯である. 3·4 フィードバック フィードバックを入力する例を図6にて説明する.ま ず,献立表が生成された画面でフィードバックしたい日に ちのテーブル上にある”FeedBack”ボタンをクリックする と,モーダルボックスが表れる.ここでは,クリックした 日付における献立のレシピ名とサムネイルが表示されて おり,レシピ名をクリックすることでcookpadの詳細な レシピが書いてあるページに遷移する.モーダルボック スの下部にあるフォーム部分でフィードバックを行う.本 フォームは,入力補完機能が搭載されており,データベー スとの情報を照合させ,ユーザは本フォームからフィード バックする食材を選択する. フィードバック食品が入力された後,食品データベース によりユーザが大体摂取したエネルギー量が分かる.そ のエネルギー量を基に本システムでは献立が調整される. この時,フィードバックする場合において,式(6),式(7) および式(8)という3通りの状態を考えられる.それぞれ について次のセクションで説明を行う. 基礎代謝量< 1日のエネルギー量<上限量 (6) 1日のエネルギー量<基礎代謝量 (7) 上限量< 1日のエネルギー量 (8)

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図 5 献立表生成画面 図 6 フィードバック入力画面 § 1 エネルギー条件を満たす時 式(6)のように,1日の総エネルギー量が基礎代謝量よ り多く上限量未満の状態を指す.(図5)を初期状態として フィードバック反映の動作例を示す.例えば,ユーザが「チ キンカレー」を9月5日の夕食としてフィードバックを したとする.この時,チキンカレーをフィードバック食品 としても1日の総エネルギー量は条件を満たしている. よって,(図7)のようにチキンカレー部分のみ変更して,献 立表を更新する. 図 7 フィードバック反映結果画面 § 2 エネルギー条件が不適切な時(エネルギー量過少) 式(7)のように,1日の総エネルギー量が基礎代謝量未 満の状態を指す.この時,エネルギー量条件を満たすため にフィードバックを受けた箇所以外に献立を変更する必 要がある.(図5)を初期状態としてフィードバック反映の 動作例を示す.例えば,ユーザがエネルギー量がとても少 ない「焼きおにぎり」を9月2日の朝食としてフィード バックをしたとする.この時,フィードバック食品を反映 するだけでなく,フィードバックを受けた日の他の食事を 変更することで,エネルギー量条件を満たすように動作す る.よって,(図8)のように献立表を更新する. 図 8 フィードバック反映結果画面 § 3 エネルギー条件が不適切な時(エネルギー量過多) 式(8)のように,1日の総エネルギー量が上限量より高 い状態を指す.この時,エネルギー量条件を満たすために フィードバックを受けた箇所以外に献立を変更する必要 がある.(図9)を初期状態としてフィードバック反映の動 作例を示す.まず,本システムはフィードバックを受けた 日のサブ料理を削除することでエネルギー量条件を満た そうと動作する.例えば,ユーザがエネルギー量がとても 多い「豚の角煮」を9月3日の昼食としてフィードバッ クしたとする.この時,(図10)のように献立表を更新する. サブ料理が削除してエネルギー量条件をみたすことが

(7)

できない時やサブ料理が推薦されていない場合について 説明する.この時,本システムは推薦された1週間分の献 立において,最もエネルギー量が高い日のサブ料理を削除 することで,全体のエネルギーバランスを整うように動作 する.例えば,ユーザがエネルギー量がとても多い「ビー フシチュー」を9月2日の昼食としてフィードバックを したとする.この時,削除するサブ料理がないため,(図11) のように最もエネルギー量が高い8月30日のサブ料理 を削除して献立表を更新する. 最後に,他の日のサブ料理を削除してもエネルギー量条 件を満たすことができない時や,他の日もサブ料理が推 薦されていない場合について説明する.この時,本システ ムはフィードバックを受けた日の他の食事を変更するこ とで,エネルギー量条件を満たすように動作する.つまり, ”エネルギー条件が不適切な時(エネルギー量過少)”と同 じ動作を行う.例えば,ユーザがエネルギー量がとても多 い「ビーフカツカレー」を9月1日の夕食としてフィー ドバックしたとする.この時,フィードバックを受けた日 の他の食事を変更することで,エネルギー量条件を満た すように動作する.よって,(図12)のように献立表を更新 する. 3·5 本システムの特徴として,予め食べる食材が決まってい る場合フィードバックができることである.フィードバッ クを受けた時の総エネルギー量により推薦されていた他 の献立も反映される.これは,フィードバックされた食材 のエネルギー量が少なすぎて全体のバランスが崩れてし まう場合と,エネルギー量が多すぎて全体のバランスを 崩れてしまう場合の2通りで反映方法が異なる.前者で は,フィードバックを受けた日の,フィードバックを受け ていない2食において改めて新しく複数の献立を推薦す ることで,全体のバランスを調整した.また,後者の場合 ではフィードバックを受けた日のサブ料理を削除するこ とで全体のバランスを調整する.その調整が不可能な場 合,エネルギーを最も多く摂取する日に注目し,その日の サブ料理を削除することで調整を行う.また,サブ料理が なかったりサブ料理を削除しても調整が不可能な場合に, フィードバックを受けた日において改めて新しく複数の 献立を推薦する.これは,ユーザが推薦された献立表を参 考にして,前もって食材を購入すると推測する.全て新し く推薦してしまう動作だと,購入した食材と全く違う食材 を用いる献立が推薦されることが考えられユーザの負担 となってしまう.よって,サブ料理を追加や削除してバラ ンスを調整することで,ユーザにとっても負担が少ない献 立推薦結果が得られると考えた. 図 9 初期状態 図 10 フィードバック反映結果画面 図 11 フィードバック反映結果画面 図 12 フィードバック反映結果画面

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4.

本論文では,ユーザが入力したユーザ情報や食事情報を 基に複数のおかずから構成される献立を推薦し,それを1 週間の献立表として生成するシステムを実装した.また, 本システムは,ユーザは出力された推薦献立に対して実際 に食べた食事情報を入力するフィードバック機能を備え ており,そのフィードバック情報を考慮して全体のバラン スがよくなるように献立を調整し,新たに1週間分の献 立表として生成するという特徴がある.尚,システムイン ターフェースに関しては,誰でもが簡単に操作でき,視覚 的にも分かりやすいことからWEB上で動くシステムと なっている. 本稿の有用性として,専門知識のないユーザでも自身に 適した献立を選択できるという点がある.各ユーザの身体 情報や食事情報を基に推薦する献立は決定するため,ユー ザが希望している食事スタイルに類似する推薦を行うこ とができると考えられる.複数のおかずの献立計算を行 い,全体のバランスを考慮して献立表を作成するというの は専門知識が乏しいユーザにとって大きな負担となって しまう.また,多く存在するレシピから自分が食べたいと 思う献立を見つけることは困難だと考えられる.よって, ユーザ情報を入力しておくことで条件に適したレシピを 推薦する本システムは有用性があるといえる.また,ユー ザのフィードバックを反映できることから,実際に食べた 食事を基にエネルギーバランスが調整されるため,実生活 でも有益だと考えられる.ただシステムが条件に適した献 立を推薦するのではなく,システムとユーザが双方向に食 事情報を入力・出力することで,ユーザのライフスタイル に沿ったシステムの動作が期待できる.ユーザの実生活に 近い範囲で献立を推薦できるという有用性がある.次に, 管理栄養士が手動で料理レシピを考える必要がなくなる という点もある.本稿で用いるデータは全てWEB上から 収集し,収集したデータに対して栄養情報を自動で計算し たものを用いる.従って,豊富な料理レシピの中から健康 的な料理を選択することができる.実際,レシピサイト利 用者を対象にしたレシピサイトを選ぶ際に重視している ポイントの調査では,「レシピの豊富さ」を重視している ユーザが64.0%と最も多く,様々な献立の中から献立を 推薦できることは,ユーザにメリットをもたらすと考えら れる. 今後の課題として,ユーザの過去入力に対するフィード バックを行えるようにシステムを再構築する必要がある. ユーザが予め食べるものを入力するのではなく,食べた後 に過去の情報として入力し,それらに対してフィードバッ クを反映する献立表を推薦できるようにシステムを改善 する必要がある.そして,献立表を過去の推薦献立結果を 閲覧することができたり拡張させることで,よりユーザ が健康状態を考えてシステムを操作することができると 考えられる.また,フィードバックする食品に対して複数 の入力を可能にし,食品データベースの情報を増やす必 要もある.1食分に対して1品の食品しかフィードバック することができないため,動作として複数の食品をフィー ドバック入力を可能にして,1週間分の献立を反映できる ようにシステムを改善する必要がある.また,食品データ ベースに入っていない食品情報もユーザが自由に追加で きるように実装することで,よりユーザにとって使いやす いシステムになると考えられる. 本研究の一部は,内閣府の先端研究助成基金助成金(最 先端・次世代研究開発プログラム)により助成を受けて いる.

考 文 献

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図 1 システムの流れ 料理に関する情報を HTML 形式に加工して出力する . 尚 , ユーザが入力したユーザ食事情報は , 複数のユーザが使用 できるようにデータベースに格納される
図 3 ユーザログイン画面 3 · 2 ユーザ情報入力 ユーザはログインした後 , 自身の食事情報を入力する . その情報を基に , 摂取上限エネルギー量やアレルギー食材 などが決定される
図 5 献立表生成画面 図 6 フィードバック入力画面 § 1 エネルギー条件を満たす時 式 (6) のように ,1 日の総エネルギー量が基礎代謝量よ り多く上限量未満の状態を指す .( 図 5) を初期状態として フィードバック反映の動作例を示す

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