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<多発性骨髄腫の診断と治療指針>

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(1)

横浜市立大学血液グループ

<多発性骨髄腫の診断と治療指針>

Version 4.2

2008/03/15 ver1 Rika Sakai

2011/11/05 ver2 Yukako Hattori, Katsumichi Fujimaki 2014/12/1 ver3 Etsuko Yamazaki

(2)

2

目次:

P3

登録可能な臨床試験

P4-5

初診/診断時検査

P6-9

治療指針―移植適応群

P10-11

治療指針―移植非適応群

P12

治療指針―再発難治

P13-14

治療上の注意―全身状態による用量調節

P15-17

背景の患者因子による注意事項および支持療法

P18

MM に関連した病態

P18

治療効果判定基準

P19

付表 1 Revised IMWG 診断基準(2014ver) : 骨髄腫

P20-21 付表 2 Revised IMWG 診断基準(2014ver): MGUS と 形質細胞

類縁疾患

P22

付表 3 2003 年版 IMWG 診断基準

P23 付表 4、5 病期 付表 6 染色体リスク分類

P24 付表 7 IMWG 治療効果判定基準

P25

付表 8 IMWG 再発定義

P25 付表 9 腎機能障害時の薬剤用量調節

(3)

3

登録可能な臨床試験

横浜市立大学血液グループの臨床試験

1. MM1401:新規移植適応症候性多発性骨髄腫に対する移植後療法 VRD/R の有効性に関する 前向き臨床研究 ASCT 施行後治療効果 CR 未満の症例を対象とした VRD による地固め、Len による維持療 法を施行する臨床試験 症例登録機関:2014 年 4 月 ~ 2018 年 3 月

(4)

4

初診/診断時検査

●診断基準;骨髄腫の国際診断基準 (付表 1) ●診断時行うべき検査/評価すべき項目 □身体所見、身長/体重、PS □血液検査 □末梢血検査(目視も)

□一般生化学 ALP, LDH, BUN, Cr, eGFR [日本腎臓学会推算式], Ca, 電解質 □蛋白および血清免疫検査 TP, 蛋白分画, alb [蛋白分画と同日算定不可], CRP, IgG, IgA, IgM, IEP,→陰性の場合 IgD, IgE, IFE 追加を考慮, B2MG, FLC(κ/λ, 比) □感染症 梅毒、HBsAg、HBcAb、HBsAb、HCVAb、HIVAb

・HB-Ag or Ab 陽性の場合は HBV-DNA を測定し、Ag/DNA 陽性の場合は消化器内科受診し、 抗ウイルス薬治療を開始。Ab のみ陽性, DNA 陰性の場合は月1回 DNA モニタリング(厚労省ガイド ラインを参照) ・HCV-Ab 陽性の場合、HCV-RNA を測定。消化器内科受診 ・臨床経過中に origin 不明な感染症を発症した場合には抗酸菌検査(T-SPOT、抗酸菌培養)も 必ず実施すること。 □尿検査 定性, 沈渣, 蛋白分画, IEP, 24hrCcr, 蛋白定量,BjP □骨髄穿刺/生検 □骨髄スメア □染色体検査(G-banding 法)

□フローサイトメトリー CD38 gating Cytometry B Clin Cytom. 2016; 90: 61 ・測定すべき抗原 CD19:異常形質細胞ではほとんど陰性(95%)、陽性は予後不良と関連 CD56:異常形質細胞では強陽性(75%)、発現低下は予後不良と関連 ・測定が望ましい抗原 CD117:異常形質細胞では陽性(30%)、発現は予後良好と関連 CD20:異常形質細胞では陽性(30%) CD28:異常形質細胞では強陽性(15-45%) CD27:異常形質細胞では弱陽性または陰性(40-50%) ・測定を考慮する抗原:CD81/CD200 ※参考:SRL 社 “多発性骨髄腫解析検査 CD38 マルチ解析” 解析項目 CD7/CD19/CD20/CD33/CD45/CD49e/CD54/CD56/CD138/MPC-1/cyκ-chain/cyλ-chain

(5)

5 □間期核 FISH 以下の項目の検索を推奨する ① t(4;14)(p16;q32) ; FGFR3 and/or IgH/MMSET、 del 17p; TP53 t(14:16)(q32;23); c-MAF, WWOX ・各施設の事情で同時提出が困難な時には、検査月を変更して診断時骨髄で提出 (カルノア固定液に追加可能、外注検査会社と相談) □染色体異常に基づいたリスク分類(付表 4) □画像検査 骨単純 X 線は必須。施設の状況に応じ、PET-CT, CT, MRI なども考慮 □PET-CT Blood 2011;118: 5989 ・髄外腫瘤、骨病変共に高感度で検出可能。治療前施行を推奨。

□MRI(可能であれば全身、少なくとも脊椎および骨盤) J Clin Oncol 2015;33:657 ・MM における骨髄浸潤の同定、疼痛部位や脊髄圧迫の評価、軟部組織への進展/髄外病変の

検索、SMM における巣状病変のフォローアップを目的として推奨される→努力目標。 □病期分類;ISS/R-ISS(付表 2), Durie & Salmon (付表 3)→併記が望ましい □CGI Geriatric assesment:FITNESS の評価

 age  Charson comorbidity score  ADL   IADL 

<75 → 0 1≦ → 0 4> → 0 5> → 0

75-80 → 1 2≧ → 1 4≦ → 1 5≦ → 1

>80 → 2

Fit Unfit Frail

Additive total score = 0 Additive total score = 1 Additive total score 2-5

入浴 更衣 トイレ移動 移乗 排泄 食事

自立 1 1 1 1 1 1

要介助 0 0 0 0 0 0

ADL: Katz index

電話 買い物 食事準備 家事 洗濯 移送形式 服薬管理 財産管理能力

1 使う 自分で すべて自分で 少しでも行う 簡単なものを行う 付き添いと公的輸送機関使用 自分で 小銭管理可

0 使わない 要付き添い 要助け(食材の準備等) 全くせず 全くせず 付き添いとタクシー/自家用車 準備されていれば 金銭扱えず IADL (insrumental activities of daily living): Lawton & Brody

weight

1 心筋梗塞 慢性心不全 脳血管障害 認知症 COPD 消化管潰瘍 膠原病 肝障害(軽症) 糖尿病

2 片麻痺 腎障害 臓器障害のあるDM 固形がん 白血病 悪性リンパ腫

3 肝障害(中等症以上)

6 転移性固形がん AIDS

Charison comobidity score conditions

(6)

6 VGPR 以上 ち VGPR 未満 で き れ ば VGPR 以上

治療指針

●基本方針

□治療は MM に対して行う。(くすぶり型骨髄腫:SMM は経過観察)

□年齢別・リスク別に治療方針を立てる。

●MM 初発例

□65 歳以下:自家末梢血幹細胞移植 (ASCT) 併用大量化学療法

・UNFIT/FRAIL の場合は ASCT の適応を慎重に検討する

□66-70 歳,FIT:自家末梢血幹細胞移植 (ASCT) 併用大量化学療法を考慮

<移植適応群>

初回治療

□推奨される治療方針のシェーマ □推奨レジメン;VRd 療法 3-4 サイクル →VGPR 以上を最低目標とする。 ①full VRd 療法 3W 毎

Richardson PG, et al. Blood. 2010;116:679-686

1 2 ・ 4 5 ・ 8 9 ・ 11 12 ・ 14 ・・ 21 Bortezomib 1.3 mg/m2 S.C Lenalidmide 25 mg/body DEX 20 mg/ body ● ● ● ● ● ● ● ● 未治療移植適応 MM VRD 療法 3-4コース 末梢血幹細胞採取 末梢血幹細胞移植 KRD 療法1-2コースなど

(7)

7 ②weeklyVRd-25mg 4W 毎

⓷weeklyVRd-15mg 4W 毎(RVD lite 変法《4W 目の Bor を抜いて4W 毎にしている》)

RVD lite http://www.myelomabeacon.com/resources/mtgs/ash2015/abs/4217/ ・別紙 VRdレジメンの指針を参考に治療を行い、前向きにグループの症例を集積する。 ・同レジメンに関し国内のエビデンスが報告された場合はそれに準じレジメンを修正する。 ・登録可能な臨床試験がある場合は試験治療も許容する。 ・Bisphosphonate などの支持療法は初診時(寛解導入療法開始時)から導入する。 ・治療効果が PR 以下にとどまる場合は KRd(後述)など他レジメンへの切り替えを考慮する。 □休薬・減量基準 1 コース目  1 コースは①を行う  1 コース目途中でも減量、休薬を考慮する場合  PN  疼痛を伴う Grade1(知覚異常、脱力または反射障害) や grade2(中等度の症状:日 常生活に支障をきたさない程度の機能障害):Bor1.3 ㎎/㎡→1.0 ㎎/㎡へ減量  疼痛を伴う Grade2、または Grade3(高度の症状:日常生活に支障をきたす機能障害) の症状:改善するまで Bor 治療は中断。改善したら Bor 0.7 ㎎で開始。週 1 回に。  骨髄抑制 薬剤 血小板数/好中球数 減量、休薬の目安 血小板減少 Bortezomib 30000/μl 未満 休薬。5 万以上に回復後再開。週 2 回投与 で 3 回以上の休薬、週 1 回投与で 2 回以 上の休薬で、1 段階減量。 1 2 ・ 8 9 ・ 15 16 ・ 21 ・ 28 Bortezomib 1.3 mg/m2 S.C Lenalidmide 25 mg/body DEX 20 mg/ body ● ● ● ● ● ● 1 2 ・ 8 9 ・ 15 16 ・ 21 ・ 28 Bortezomib 1.3 mg/m2 S.C Lenalidmide 15 mg/body DEX 20 mg/ body ● ● ● ● ● ●

(8)

8 Lenalidomide 25000/μl 未満 休薬。5 万以上に回復後 5 ㎎減量して再開 好中球減少 Bortezomib 750/μl 未満または FN 休薬。1000 以上に回復後再開。週 2 回 投与で 3 回以上の休薬、週 1 回投与で 2 回以上の休薬で、1 段階減量。 Lenalidomide 500/μl 未満または FN 休薬。1000 以上に回復後 5 ㎎減量して 再開 2 コース目  できれば①を行う。1 コース目で減量が必要であった場合はそれに準じて継続して行 う。  1 コース目で何らかの理由(G2 以上の AE がある、しびれが強い、患者希望など) があり、bor weekly が望まれる場合は②を行う。さらに減量が必要な場合は③を検 討。  2 コース目以降の休薬・減量についても、基本的に 1 コース目に準じる。 3 コース目以降 2コース目に準じる。

幹細胞採取

□推奨レジメン;G-CSF 単独または CY 大量療法 ・目標 CD34 陽性細胞数4×106/kg 以上(1 回の移植あたりの投与細胞数2×106/kg 以上) ただし、極力 2 回分を確保することとし、3×106/kg 以上採取できた場合は半分を使用し、残りを保存す ることを考慮する(1回あたり 1.5×106/kg 以上)。 ・1 回の移植あたりの細胞数が 1×106/kg 未満の場合は etoposide を用いた幹細胞採取などを考慮 ・2017 年より Plerixafor(Mozobil)が上市。採取困難例では併用を考慮する。 Day 1 2 3 ・・・・・ 14 15 16 17 18 19 20 CY 2 g/m2 Mesna 800 mg/m2 x3 (CY 投与後, 4, 8hr 後) G-CSF Harvest (↓) ↓ (↓) (↓)

(9)

9

ASCT

□推奨レジメン;MEL200(melphalan 100mg/m2×2days) □66-70 歳、FIT 症例では 50mg/m2/day へ減量する。 □自家移植中に ST 合剤の必要性に関してはエビデンスに乏しい(今後 FN ガイドライン変更予定あり)。

ASCT 後療法

□予定でのタンデム ASCT は原則行わない □1 回目の移植後 18 か月以上の PRS が得られた症例は、再燃時に 2ndASCT を考慮 □ASCT 後の治療効果判定(100 日を目安に行う) で CR 以上に到達しない症例は、地固め療法や 維持療法を考慮するが、施行する場合には臨床試験として行うことが望ましい →MM1401(VRD/R)臨床試験が Ongoing □放射線療法については、必要があれば幹細胞採取後に時期を見て行う (幹細胞採取前の放射線照射は極力避ける。) ●ASCT 適応群の初期治療について(参考資料:NCCN ガイドライン Ver.1 2017) Preferred Regimens

Bortezomib / cyclophosphamide / DEX

Bortezomib / doxorubicin / DEX (category 1) Bortezomib / lenalidemide / DEX (category 1)

Other Regimens

Bortezomib / DEX (category 1)

Carfizomib / lenalidomide / DEX : 本邦においては保険適応外 Ixazomib / lenalidomide / DEX : 本邦未承認薬含む Lenalidomide / DEX (category 1) : 骨髄腫学会は推奨

day -7 ・・・ -2 -1 0 1 2 3 4 5 ・・・

Melphalan 100 mg/m2

PBSCT

G-CSF (生着まで)

Acyclovir 200 mg p.o day35 まで

(10)

10

<移植非適応群>

初回治療

□推奨レジメン;VMP (MPB) 療法 9 サイクル day 1 2 3 4 8 15 22 35 bortezomib 1.3 mg/m2 s.c ↓ melphalan 9 mg/m2 p.o ↓ ↓ ↓ ↓ PSL 60 mg/m2 p.o ↓ ↓ ↓ ↓ □代替レジメン; Rd 療法、Bd 療法 ●ASCT 非適応群の初期治療について(参考資料:NCCN ガイドライン Ver.1 2017) Preferred Regimens

Bortezomib / cyclophosphamide / DEX Bortezomib / lenalidomide / DEX (category 1) Lenalidomide / low-dose DEX (category 1)

Other Regimens

Bortezomib / DEX

Carfizomib / lenalidomide / DEX (category 2B) : 本邦においては保険適応外 Ixazomib / lenalidomide / DEX : 本邦未承認薬含む

(11)

11

(参考資料:既報の臨床研究治療スケジュール<初発>)

Regimen Schedule

MPT*

Melphalan: 0.25 mg/kg on day1-4 every 6 wks for 12 cycles Prednisolone: 2mg/kg on days1-4 every 6 wks for 12 cycles Thalidomide: 100mg/day until progression

VMP

Bortezomib: 1.3mg/m on days1, 8, 15, and 22 every 6 wks for 9 cycles Melphalan: 9mg/m on days 1-4 every 6 wks for 9 cycles

Prednisolone: 60mg/m on days 1-4 every 6 wks for 9 cycles

CTD*

Cyclophospamide: 500mg/wk for 6 to 9 cycles every 3 wks

Thalidomide: 100mg/day increased to 200mg/day for 6 to 9 cycles every 3 wks Dexamethasone: 20mg on day1-4 and 15-18 for 6 to 9 cycles every 3 wks

VRd

Bortezomib: 1.3mg/m on days1, 4, 8, 11 every 3 wks for 8 cycles Lenalidomide: 25mg on days 1-14 every 3 wks for 8 cycles

Dexamethasone: 20mg on day1,2,4,5,8,9,11, and 12 every 3 wks for 8 cycles Rd Lenalidomide: 25mg on days 1-21 every 4 wks for 4 cycles

Dexamethasone: 40mg on days 1, 8, 15, and 22 every 4 wks for 4 cycles

MPR

Melphalan: 0.18 mg/kg on days 1-4 every 4 wks for 9 cycles Prednisolone: 2mg/kg on days 1-4 every 4 wks for 9 cycles Lenalidomide: 10mg on days 1-21 every 4 wks for 9 cycles

*本邦では初発症例に保険適応外

Regimen Pts CR (%) PFS/EFS/TTP OS Ref

MPT ND Eld 16 20.3 Mo 39.3 Mo Fayers PM, Blood 2011;118:1239 VMP ND Eld 24-30 22-27Mo 85-87@2Y Mateos MV, Lancet Oncol 2010;11:934 CTD ND Eld 13 13Mo 33Mo Morgan GJ, Blood 2011;118:1231 VRd ND 37 75%@18Mo 97%@18Mo Richardson PG, Blood 2010;116:679

Rd ND 4 25Mo 87%@2Y Rajkumar SV, Lancet Oncol 2010;11:29

MPR-R ND Eld 3 14Mo Not reached Palumbo A, N Engl J Med 2012;366:1759

(12)

12

再発・難治症例

□付表 8 の再発定義を満たした症例を治療対象とし、患者要因(年齢、PS、合併症)、疾患要因、お よび前治療を考慮し治療レジメンを選択する。初期治療の最終投与から 6 ヶ月以上経過していれば、初回 導入レジメンの再投与を試みてもよい。 □移植適応となる 65 歳以下の患者で前回の移植から 18 ヶ月以上経過していれば、2nd ASCT も考慮す る。

(参考資料:既報の臨床研究治療スケジュール<再発難治>)

Regimen Schedule VTD

Bortezomib iv: 1.3mg/m2 on days 1,4,8,11 Thalidomide: 200mg/day

Dexamethasone: 40mg weekly

PanBD

Panobinostat: 20mg/day on days 1,3,5,8,10,11 Bortezomib iv: 1.3mg/m on days 1,4,8,11

Dexamethasone: 20mg/day on days 1,2,4,5,8,9,11,12

KRd

Carfilzomib: 27mg/m2 on days 1,2,8,9,15,16 (c1 のみ day1,2 は 20mg/m2) Lenalidmide: 25mg/day on days 1-21

Dexamethasone: 40mg weekly

VRd

Bortezomib: 1.3mg/m on days1, 4, 8, 11 every 3 wks for 8 cycles Lenalidomide: 25mg on days 1-14 every 3 wks for 8 cycles

Dexamethasone: 20mg on day1,2,4,5,8,9,11, and 12 every 3 wks for 8 cycles

EloRd

Elotuzumab: 10mg/kg on days 1,8,15,22 (c1-2), day 1,15 (c3-) Lenalidomide: 25mg on days 1-21 every 4 wks

Dexamethasone: 40mg weekly (8mg iv+28mg po on Elo administration day)

Regimen Study CR (%) PFS/EFS/TTP OS Ref VTD MMVAR/IFM

2005-04 28 18.3 Mo 71%@2Y Garderet L, J Clin Oncol 2012;30:2475

PanBD PANORAMA-1 11 12.0 Mo 33.6 Mo San-Miguel MF, Lancet Oncol 2014;15:1195

KRd ASPIRE 31.8 26.3 Mo 73.3%@2Y Stewart AK, N Engl J Med 2015;372:141

(13)

13

治療上の注意

全身状態による用量調節

□Geriatric assesment:FITNESS の評価

下記に示す ADL/IADL/Charison comobidity score をもとに次ページに示す減量が推奨されている。

Patient status assessment

 age  Charison comobidity score  ADL   IADL 

<75 → 0 1≦ → 0 4> → 0 5> → 0

75-80 → 1 2≧ → 1 4≦ → 1 5≦ → 1

>80 → 2

Fit Unfit Frail

Additive total score = 0 Additive total score = 1 Additive total score 2-5

入浴 更衣 トイレ移動 移乗 排泄 食事

自立 1 1 1 1 1 1

要介助 0 0 0 0 0 0

ADL: Katz index

電話 買い物 食事準備 家事 洗濯 移送形式 服薬管理 財産管理能力

1 使う 自分で すべて自分で 少しでも行う 簡単なものを行う 付き添いと公的輸送機関使用 自分で 小銭管理可

0 使わない 要付き添い 要助け(食材の準備等) 全くせず 全くせず 付き添いとタクシー/自家用車 準備されていれば 金銭扱えず

IADL (insrumental activities of daily living): Lawton & Brody weight

1 心筋梗塞 慢性心不全 脳血管障害 認知症 COPD 消化管潰瘍 膠原病 肝障害(軽症) 糖尿病

2 片麻痺 腎障害 臓器障害のあるDM 固形がん 白血病 悪性リンパ腫

3 肝障害(中等症以上)

6 転移性固形がん AIDS

Charison comobidity score conditions

(14)

14

□Geriatric risk stratification The Oncologist, 2014:19;829

Fit Unfit Frail

Additive total score = 0 Additive total score = 1 Additive total score 2-5

Go-Go Moderate-Go Slow-Go

Full-dose regimens Reduced-dose regimens Further reduced-dose

Dose level 0 Dose level 1 Dose level 2

Lenalidomide 25 mg/day 15 mg/day 10 mg/day

Bortezomib 1.3 mg/m2 per week 1.0 mg/m2 per week 1.3 mg/m2 every other week

Dexamethasone 40 mg/week 20 mg/week 10 mg/week

Cyclophosphamide 300 mg/m2 days 1.8.15 50 mg/day 50 mg/every other day

(参考資料)

variable HR (CI 95%) P Score

Age

< 75 years 1 0

75-80 years 1.37 (0.93-2.03) 0.114 1

> 80years 2.75 (1.81-4.18) <0.001 2

ADL score ADL > 4 1 0

ADL ≤ 4 1.76 (1.14-2.71) 0.01 1

IADL score IADL > 5 1 0

IADL ≤ 5 1.53 (1.03-2.27) 0.036 1

Charison comobidity index

Charison ≤ 1 1 0

(15)

15

背景の患者因子による注意事項および支持療法

J Clin Oncol 2014:32;587

□骨病変

・鎮痛薬を適切に使い、疼痛マネジメントを行う。必要に応じ整形外科へコンサルトし、疼痛の強い椎体 破壊がある場合には椎体形成術を考慮する

・疼痛コントロール不良の場合、低線量の限定領域 IF-RT (8Gy, single fraction) も検討する ・ベースラインの骨病変の有無にかかわらず、SREs の予防および治療としてビスフォスフォネート製剤を投 与が推奨される。骨関連事象を減らすこと以外に OS の延長も報告されている(MRC Myeloma IX ) Lancet Oncol 2011; 12 743, Lancet 2010; 376: 1989, Clin Cancer Res. 2013; 19:6030

・無症候性 MM に対する十分なエビデンスはない。

●Zoledronate 4mg (ゾメタ点滴静注 4mg/100ml) / 15 分 / 月 1 回

※Z-MARK 試験の結果から、2 年を超えての ZOL 継続投与の意義があることが示唆されており、その場 合 3 か月ごとに間隔を広げることが許容される。 Clin Cancer Res. 2016 Mar 15;22(6):1378

※治療開始前に歯科の check を行うこと →BP 剤の使用中に顎骨壊死を発症すること(BRONJ)が知られており、侵襲的な処置との関連には議論 があるが、使用を開始する際、侵襲的な歯科処置が必要な際は、歯科口腔外科医と相談し、必要に応じ て休薬すること(抜歯前後 2 ヶ月休薬など)。参考資料:顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー 2016 www.jsoms.or.jp/medical/wp-content/uploads/2015/08/position_paper2016.pdf ※腎機能によって用量調節を行うこと ●ゾメタの用量調節 (添付文書より) クレアチニンクリアランス (mL/分) > 60 50 - 60 40 - 49 30 - 39 推奨用量 4mg 3.5mg 3.3mg 3.0mg □腎機能障害 J Clin Oncol. 2016; 34:1544 ・腎機能障害は、FLC に関連した円柱腎症(CN)が主な原因であり、迅速に FLC を減らし得る有効 な MM 治療を可能な限り早期に始めることが腎機能を改善させる近道である。

・導入療法として大量 DEX (40mg/day for 4days) も考慮し、大量補液を行う。 ・急性腎障害や透析中の患者の場合でも、Bor は用量調節不要で安全に使用可能である。 ・慢性腎不全の場合も、Thal や Len は使用可能である。Len は適切な用量調節が必要である。 ・腎障害時の用量調節については付表 9 を参考にする。

・高 Ca 血症、脱水、感染、腎障害性薬剤、造影剤など腎障害の悪化要因を避ける。

・基礎疾患、FLC 量、尿蛋白分画を考慮し、CN 以外の原因が疑われる場合は腎生検も考慮し腎臓 内科医と連携をとる。

(16)

16 □血液毒性 ・G-CSF は年齢、病歴、疾患背景などによる高リスクの患者、あるいは化学療法で骨髄抑制をきたす可 能性の高い患者において発熱性好中球減少を予防するために使用を推奨される。 ・化学療法中に grade3-4 の骨髄抑制が出現したときは、G-CSF 使用を考慮すること。好中球が 1000/μl 以上に回復した場合には化学療法の減量は不要である。好中球が 1000/μl まで回復しない ときには好中球が回復するまで化学療法を延期するか、減量を行うこと。 ・腎機能障害を有し化学療法で Hb<10g/dl の貧血が生じた患者にはエリスロポイエチン使用を考慮し てもよい(本邦では透析中ないし透析を前提とした腎障害患者に保険承認)。4 週間後までに Hb が 1g/dl 以上増加したら終了。不飽和トランスフェリンが多い場合には鉄剤の使用を考慮すること。 ・Grade 4 の血小板減少が生じたときには治療は延期すること。Grade2 まで改善すれば治療再開を 検討してもよい。 □血栓症 ・MM は深部静脈血栓症(VTE)の高リスクである。高齢、VTE 既往、肥満、合併症、CV 挿入中、PS 低下、手術などがリスクをより高くする。 ・治療開始 4-6 か月は患者の持つリスクファクターに応じて適切な血栓予防対策を行う。

・IMWG では Thal や Len 治療中は、低リスクの患者 0 にはアスピリン投与を、高リスクの患者には低分 子ヘパリン(本邦で[術後]予防投与に用いることが可能なのはエノキサバリンとフォンダパリヌクス) やワーフ ァリンを 4-6 か月使用したのちにアスピリン投与を行うことを推奨している。 ・低分子ヘパリンの用量は、腎機能によって調整する。 ・VTE を発症した患者では、MM に対する治療は一旦中断し、抗凝固治療を行う。安定した抗凝固効 果が得られてから MM に対する治療を再開する。 ・NOAC については MM に関する VTE 予防の十分なエビデンスがないが、用量調節不要の利便性もある ことから、VTE ハイリスクまたは再発予防の目的で考慮してもよい □感染 ・MM 自体による免疫低下、大量 DEX や Bor、骨髄抑制を伴う薬剤によってより易感染状態である。 ・化学療法開始 3 か月あるいはステロイド使用中は pneumocystis pneumonia を予防する。PCP の 既往がある場合にはステロイドを用いていなくても必須である。 ●推奨;ST 合剤 1 錠/日 連日投与 ※ただし副作用が問題となる場合は 2 錠/日、週 2 回投与への減量も許容される。 ※アレルギー、腎機能障害等で ST 合剤の使用が困難な場合、薬剤の特性、副作用プロファイルを 考慮し、以下の薬剤から代替薬を選択する。 ●代替①;Pentamidine 吸入 300mg q4w (○副作用少 △気道刺激、催奇形性) ●代替②;Atovaquone 1500mg/日(○副作用少 △有効性低め、高価) ・Acyclovir (200mg/day)による抗ウイルス予防を、Bor 使用中および終了後 2 か月まで行うこと。

(17)

17 (ASCT 後は 6-12 か月の長期予防を考慮) ・インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン接種は推奨される。 ・低γ-グロブリン血症の場合には、γ-グロブリン投与を検討する(M 蛋白高値の場合は禁忌) □末梢神経障害 (Peripheral neuropathy: PN) ・PN は、MM そのものによっても、あるいは Thal や Bor によっても起こる。

・Bor や Thal を使用中の患者はこまめにモニターする必要がある。疼痛を伴う Grade1(知覚異常、脱力 または反射障害) や grade2(日常生活に支障をきたさない程度の機能障害)以上の PN がある場合に は症状が改善するまで MM 治療は中断。再開時には少量から始めること。 ・適切な Thal 減量 (50-100mg/day) は非可逆性障害を防ぐために大事である。 ・Bor 使用中の PN 発症例では、1.3mg/m2 x 1 回/w の Bor は、1.0 mg/m2 x 1 回/w へ、そし て 0.7 mg/m2 x 1 回/w へ減量すること。 ●Bortezomib 投与時の PN 対策 痺れ→プレガバリン(リリカ)、ガバペンチン、トリプタノール、テグレトール、リボトリール等 疼痛→ピリナジン、セレコックス、オキシコドン等

(18)

18

MM に関連した病態

骨の孤立性形質細胞腫や髄外形質細胞腫

(付表 2)

Ann Hematol 2012; 91: 1785, Br J Haematol. 2004; 124: 1300, 臨床血液 2007;48:91 病変部位に対して 40-55Gy の局所放射線照射を行い、経過観察。症候性多発性に移行した時点で全 身化学療法を考慮する。

MGUS, Smoldering Myeloma

(付表 2)

(日本骨髄腫学会編、多発性骨髄腫の診療指針 第 4 版、pp11 文光堂) MGUS から MM への進展のリスクは 1%/year、累積進展率は 10 年で 12%、20 年で 25%、25 年で 30%であるため、MGUS と診断した場合、3-6 カ月毎の検査(臓器障害の有無、血清・尿中 M 蛋白量 測定、必要に応じ骨髄検査や骨 X-p)を行う。Asymptomatic myeloma も最低 3 カ月に 1 回の検 査が必要。MM への進展がない段階での治療介入は推奨されない。

Monoclonal Gammopathy of Renal Significance (MGRS)

Kidney Int. 2015; 87:698, Blood 2013; 122: 3583 MGUS 合併の腎障害のうち、M 蛋白が関与する腎障害の総称であり、クローン性 B 細胞が分泌した M 蛋 白 またはその一部により惹起される。Myeloma-defining events とはならないが、腎予後は不良である ため、クローン性 B 細胞を標的とする治療介入を検討すべきとする意見もある。また、組織所見は多彩であ り、腎臓内科医と連携のうえ、疑う場合には腎生検も積極的に考慮する。

治療効果判定基準

□IMWG criteria(付表 5)を使用 Leukemia. 2006;20:1467

□血清 FLC: MM の効果判定基準に組み入れられ、M 蛋白の評価が困難な症例において有用な指 標。臨床経過との相関関係があり、1 回/3 か月程度の follow up に用いることが推奨される。SRL で 検査可能。 □免疫固定法 IF (Helena 社のキットを使用したもの):三菱化学では免疫血清電気泳動として IF を 保険適応で施行。(SRL は保険適応外)

(19)

19

付表 1 Revised IMWG 診断基準 (2014ver) : 骨髄腫 Lancet Oncol

2014;15:e538ko

multiple myeloma

骨髄中クローン性形質細胞 ≥ 10% or 骨/髄外形質細胞腫生検での確認 および以下に定義 する事象のうち 1 つ以上を満たす

 骨髄腫診断事象 (myeloma-definig event; MDE)  形質細胞増殖異常に起因する臓器障害  高カルシウム血症: 血清 Ca が正常上限より > 1 mg/dL (> 0.25mmol/L) or >11mg/dL (2.75mmol/L)  腎機能障害:クレアチニンクリアランス < 40mL/min or 血清 Cr > 2mg (>177μmol/L)  貧血:Hb 値が正常より 2g/dl 以上低いか、10 g/dl 以下  骨病変:骨 Xray、CT、PET-CT で 1 つ以上の溶骨性病変  以下にあげるバイオマーカーの 1 つ以上を認める  骨髄中クローン性形質細胞 ≥ 60%  血清 FLC 比 ≥ 100 かつ腫瘍性 FLC ≥100mg/L  MRI で一つ以上の巣状病変 Smoldering multiple myeloma 以下にあげる 2 つともを満たす

 血清 M 蛋白(IgG or IgA) > 3g/dL 以上 or 尿中 M 蛋白 ≥ 500mg/24h and/or 骨 髄中クローン性形質細胞 10-60%

 Multiple myeloma に規定され MDE やアミロイドーシスを認めない

クローン性とは FCM、組織免疫染色、免疫蛍光分析で軽鎖 κ/λ 比の偏りを証明できるもの

骨髄中形質細胞は骨髄生検組織から計測することが望ましい。穿刺と生検で差がある場合には高いほうをとる。 MRI での骨病変は 5 ㎜以上のサイズがあるものとする

(20)

20

付表 2 Revised IMWG 診断基準(2014ver): MGUS と 形質細胞類縁疾患

Lancet Oncol 2014;15:e538 Difinision

Non-IgM MGUS 血清 M 蛋白(IgM 以外) < 3g/dL

骨髄中のクローン性形質細胞 < 10%* 形質細胞異常に起因する高 Ca 血症、腎機能障害、貧血、骨病変、(CRAB) やアミロイドーシスといった臓器障害がない IgM MGUS 血小板増多/多血症 骨髄中リンパ形質細胞浸潤 < 10% リンパ球増殖に起因する 貧血、持続する症状、過粘調、リンパ節腫大、肝脾腫、その他の臓器障害がない Light-chain MGUS 異常 FLC 比(<0·26 or >1·65) 異常軽鎖の増加 (κ FLC が比 で>1·65 ないしλ FLC が比で <0·26) 免疫固定法で重鎖発現を認めない 形質細胞増殖異常に起因する高 Ca 血症、腎機能障害、貧血、骨病変 (CRAB) やアミロイドーシスといった臓器障害がない クローン性骨髄形質細胞 < 10% 尿中 M 蛋白 < 500mg/24h Solitary 生検で骨ないし軟部組織の孤発病変からクローン性形質細胞が証明されている Plasmacytoma 骨髄中にクローン性形質細胞を認めない正常骨髄 骨 X 線、椎骨および骨盤の MRI (あるいは CT)が正常 (原発の孤発性病変を除く) リンパ形質細胞増殖に起因する高 Ca 血症、腎機能障害、貧血、骨病変 (CRAB) やアミロイドーシスといった臓器障害がない Solitary 生検で骨ないし軟部組織の孤発病変からクローン性形質細胞が証明されている plasmacytoma クローン性骨髄形質細胞 < 10%

with minimal marrow 骨 X 線、椎骨および骨盤の MRI (あるいは CT)が正常 (原発の孤発性病変を除く)

involvement† リンパ形質細胞増殖に起因する高 Ca 血症、腎機能障害、貧血、骨病変 (CRAB) やアミロイドーシスといった臓器障害がない

POEMS syndrome‡ 多発神経障害 (Polyneuropathy)

単クローン性(Monoclonal)形質細胞増殖異常 (殆どがλ) 以下の 3 つの major criteria のうち 1 つ以上をもつ

硬化性骨病変、 Castleman’s disease、 VEGFA の増加§ 以下の 6 つの minor criteria のうち 1 つ以上をもつ

臓器腫大(Organomegaly : 脾腫、肝腫大、リンパ節腫大) 血管外溢水(浮腫、胸水、腹水)

内分泌異常 (Endocrinopathy: 副腎、甲状腺、下垂体、性腺、副甲状腺、膵臓)¶

皮膚変化 (色素沈着、多毛症、 glomeruloid haemangiomata, plethora acrocyanosis, 顔面紅潮、爪白化 乳頭浮腫

(21)

21

AL=immunoglobulin light-chain amyloidosis. AHL=immunoglobulin heavy and light-chain amyloidosis. AH=immunoglobulin heavy chain amyloidosis. *Bone marrow can be deferred in patients with low-risk MGUS (IgG type, monoclonal protein <15 g/L, normal free light-chain ratio) in whom there are no clinical features concerning for myeloma. †Solitary plasmacytoma with 10% or more clonal plasma cells is regarded as multiple myeloma. ‡Not every patient meeting these criteria will have POEMS syndrome; the features should have a temporal association with each other and no other attributable cause. Anaemia or thrombocytopenia are distinctively unusual in this syndrome unless Castleman’s disease is present. §The source data do not define an optimal cutoff value for considering elevated VEGFA level as a major criterion. We suggest that VEGFA measured in the serum or plasma should be at least three to four times higher than the normal reference range for the laboratory that is doing the testing to be regarded as a major criterion. ¶To regard endocrinopathy as a minor criterion, an endocrine disorder other than diabetes of hypothyroidism is required because these two disorders are common in the general population. ||Patients with AL amyloidosis who also meet criteria for multiple myeloma are considered to have both diseases.**About 2–3% of patients with AL amyloidosis will not meet the requirement for evidence of a monoclonal plasma cell disorder listed; the diagnosis of AL amyloidosis must be made with caution in these patients. ††All presented criteria must be met for the disease to be diagnosed.

Progression rate Primary progression events Non-IgM MGUS 1% per year Multiple myeloma, solitary

plasmacytoma, immunoglobulinrelated amyloidosis (AL, AHL, AH)

IgM MGUS 1·5% per year Waldenström macroglobulinaemia, immunoglobulin-related amyloidosis (AL, AHL, AH) Light-chain MGUS 0·3% per year Light chain multiple myeloma,

immunoglobulin light-chain amyloidosis

Solitary plasmacytoma About 10% within Multiple myeloma 3 years

Solitary plasmacytoma 60% (bone) or 20% Multiple myeloma with minimal marrow (soft tissue) within

involvement† 3 years

POEMS syndrome‡ NA NA

Systemic AL NA Some patients might develop

amyloidosis||** multiple myeloma

Systemic AL アミロイド関連の全身症候 (腎、肝、心、消化管、末梢神経など)がある

amyloidosis||** 脂肪吸引、骨髄、臓器生検などの組織でコンゴレッドで染色されるアミロイドを認める

アミロイドが質的分析に基づくプロテオミクス解析で、あるいは免疫電子顕微鏡で軽鎖由来であることが明らかである

(22)

22

付表 3 2003 年版 IMWG 診断基準 Br J Haematol 2003;121:749 Monoclonal Gammopathy of Undetermined Significance: MGUS

 血清 M 蛋白<3g/dl

 骨髄におけるクローナル形質細胞<10%  他の B 細胞増殖性疾患が否定されること

 臓器障害*がないこと

Asymptomatic Myeloma (Smoldering Multiple Myeloma) 付表 1-2 も参照  血清 M 蛋白 3g/dl 以上

 骨髄におけるクローナル形質細胞 10%以上

 臓器障害*がないこと

Multiple Myeloma (Symptomatic) 付表 1-2 も参照  血清 and/or 尿中 M 蛋白を検出  骨髄におけるクローナル形質細胞の増加あるいは形質細胞腫  臓器障害*の存在 Nonsecretory Myeloma  血清 and/or 尿中 M 蛋白を(免疫固定法により)検出しない  骨髄におけるクローナル形質細胞 10%以上または形質細胞腫  臓器障害*の存在

Solitary Plasmacytoma of Bone

 血清 and/or 尿中 M 蛋白を検出しない (少量はあり得る)  クローナル形質細胞の増加によるただ1箇所の骨破壊  正常骨髄  病変部位以外は正常な全身骨所見(X 線写真および MRI)  臓器障害*がないこと Extramedullary Plasmacytoma  血清 and/or 尿中 M 蛋白を検出しない (少量はあり得る)  クローナル形質細胞の増加による髄外腫瘤  正常骨髄  正常な全身骨所見  臓器障害*がないこと

臓器障害: related organ or tissue impairment (end organ damage):CRABO 1. Hyper Calcemia:血清 Ca>11mg/dl または基準より 1mg/dl を超える上昇

2. Renal insufficiency:血清 Cr>2g/dl

3. Anemia:Hb 値が基準値より 2g/dl 以上低下または 10g/dl 未満 4. Bone lesions:溶骨病変または圧迫骨折を伴う骨そしょう症(MRI, CT) 5. Others:過粘調度症候群、アミロイドーシス、年2回を超える細菌感染

(23)

23

付表 4 International Staging System (ISS) および Revised-ISS (R-ISS)

ハイリスク CA; iFISH で del(17p), t(4;14), t(14;16)

付表 5 Durie & Salmon Staging System

A: 血清クレアチニン 2mg/dl 未満, B: 血清クレアチニン 2mg/dl 以上 付表 6 染色体リスク分類 Blood 2016; 16: 2955 高リスク 標準リスク 染色体分析 ま たは FISH 間期核 FISH t(4;14), t(14;16), t(14;20), del(17/17p), gain(1q) FISH: t(11;14), t(6;14)を含むその他すべ ての異常 染色体分析 Nonhyperdiploid 核型 Del(13)

GEP High-risk signature

Stage Criteria Median Survival Time ISS

I serum β2MG < 3.5mg/L & serum Alb ≧3.5g/dl 62 months II not stage I or II 44 months III serum β2MG ≧ 5.5mg/L 29 months R-ISS

I ISS stage I and no high risk CA, normal serum LDH NR II not stage I or II 83 months III ISS stage III with high risk CA or elevated serum LDH 43 months

Stage Criteria I 次のすべてを満たす

1. Hb >10g/dl 2. Ca 12mg/dl 以下

3. 骨 Xp 正常または孤立性形質細胞腫

4. IgG< 5g/dl, or IgA< 3g/dl, or uBJP <4g/24hr II not stage I or II III 次の一つ以上を満たす

1. Hb < 8.5g/dl 2. Ca >12mg/dl 3. 進行した骨破壊像

(24)

24

付表 7 IMWG 治療効果判定基準:治療効果分類および腎奏功基準 Leukemia 2006;20:1467, Blood 2011;117:4691, J Clin Oncol 2016;34:1544

CR 免疫固定法で血清および尿中 M 蛋白消失 骨髄中形質細胞 5%以下 軟部組織の形質細胞の消失 連続した 2 回の評価を必要 sCR CR 基準を満す stringent FLC 比が正常 免疫組織化学検査又は 2-4 カラーFCM でクローン性形質細胞が消失 iCR CR 基準を満す immunophenotype 4 カラー以上の FCM で 106個中の形質細胞にクローン性細胞がないこと mCR CR 基準を満す

molecular ASO-PCR (allele-specific oligonucleotide PCR; 感度 10-5)で陰性

VGPR 以下のどちらかを満たすこと 血清または尿中 M 蛋白が免疫固定法では検出されるが蛋白電気泳動法では消失。 血清 M 蛋白 90%以上の減少および 24 時間尿中 M 蛋白 0.1g 未満 PR 血清 M 蛋白 50%以上減少および 24 時間尿中 M 蛋白 90%以上の減少または 0.2g 未満の減少 <血清/尿中 M 蛋白が測定できない場合> κ/λ型 FLC 差が 50%以上の減少 <血清 FLC 検査もできない場合> 治療前骨髄形質細胞比率が 30%以上の症例:形質細胞 50%以上の減少 治療前軟部組織に形質細胞腫がある症例:上記基準に加え形質細胞腫 50%以上の縮小 SD CR,VGPR,PR,PD のいずれの基準も満たさない PD 以下の 1 つ以上を満たすこと: 臨床試験で TTP, PFS の算定に用いられる 血清 M 蛋白 25-%以上の増加かつ絶対量で 0.5g/dl 以上増加 24 時間尿中 M 蛋白 25%以上の増加かつ 200mg 以上の増加 血清 FLC 検査もできない場合:κ/λ型 FLC 差 10mg/dl 超の増加(絶対値) 既存の骨病変あるいは軟部組織の形質細胞の明らかな増大 新たな骨病変あるいは軟部組織の形質細胞の出現 骨髄中の形質細胞数 絶対値で 10%以上の増加 形質細胞の増殖による高 Ca 血症 (補正血清 Ca 値≥11.5mg/dl)

Renal CR Baseline eGFR <50 [ml/min/1.73m2]→Best response ≧60 Renal PR <15→30-59

(25)

25

付表 8 IMWG 再発定義 Leukemia 2006;20:1467, Blood 2011;117:4691 Relapse from CR 以下を 1 つ以上満たすこと [エンドポイントが DFS の場合 のみ使用] 臨床試験のエンドポイントが DFS の場合のみ使用 血清/尿中 M 蛋白が免疫電気泳動法または免疫固定法で陽転 骨髄中の形質細胞 5-%以上 “進行”を示す症状の出現(骨病変や形質細胞の新たな出現、高 Ca 血症など) Clinical Relapse 以下の 1 つ以上を満たすこと [臨床的再発:TTP/PFS 評 価には用いない] 骨病変あるいは軟部組織の形質細胞が新たに出現 既存の骨病変あるいは軟部組織の形質細胞 50%以上(少なくとも 1cm 以上)の増大 高カルシウム血症 (血清カルシウム値 11.5g/dl 超) ヘモグロビン:2g/dl 以上の減少 血清クレアチニン:2gmg/dl 以上の上昇 Paraprotein Relapse 以下のどちらかを満たすこと [M 蛋白再発] 2 か月以内に 2 回連続して測定した M 蛋白値が 2 倍に増加 2 か月以内に 2 回連続して測定した値のうち、以下のいずれかに該当する 血清 M 蛋白が 1g/dl 以上増加 尿中 M 蛋白が 500mg/24 時間以上増加 iFLC が 20mg/dl 以上増加かつ FLC 比の異常あり 付表 9 腎機能障害時の薬剤用量調節 J Clin Oncol 2016;34:1544 Drug CrCl > 60 mL/min 30-59 15-29 <15 Dialysis

Dexamethasone 20-40mg 不要 不要 不要 不要 Melphalan p.o.) 0.15-0.25mg/kg/d HD-MEL) 200mg/m2 75% 140 mg/m2 75% → 50% → 50% → Bortezomib 1.3mg/m2 不要 不要 不要 不要 Thalidomide 50-200mg/d 不要 不要 不要 不要 Lenalidomide 25mg/d 10mg/d (15 mg/d まで 増量可) 15mg 隔日 (10 mg/d まで 増量可) 5mg/d → Carfilzomib 20-27mg/m2 不要 不要 不要 不要 Doxorubicin レジメンによる 不要 不要 不要 不要 Pomalidomide 4mg/d ≧45 では不要 不明 不明 不明

参照

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