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アジア科学技術コミュニティ形成戦略 実施予定期間 : 平成 18 年度 ~ 平成 22 年度総括責任者 : 独立行政法人日本学術振興会理事長小野元之 I. 概要アジアのファンディング機関長による アジア学術振興機関長会議 を開催 アジア科学技術コミュニティ形成の端緒を開き アジアの学術 科学技術活動

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アジア科学技術コミュニティ形成戦略

実 施 予 定 期 間:平成 18 年度~平成 22 年度 総 括 責 任 者:独立行政法人日本学術振興会 理事長 小野 元之

I.概要

アジアのファンディング機関長による『アジア学術振興機 関長会議』を開催。アジア科学技術コミュニティ形成の端緒 を開き、アジアの学術・科学技術活動を世界に発信する。 サミット等を契機として各国の政策ニーズや学術的ニーズ を把握。各界の有識者からなる運営委員会でアジアのコミュ ニティ形成戦略を立案し、ニーズを機動的に反映した各種の 国際交流、各セクターの交流の連携強化を行う。 実施に当たっては、本会が蓄積した研究ネットワークを最 大限に活用し、アジアのあらゆる地域において迅速かつ円滑 に交流を行う。 こうした活動により、アジア科学技術コミュニティの形成 を促し、その中で我が国が主導的地位を占めることを目指す。 1.機関の現状 1. 概要 a. 日本学術振興会は、世界 44 カ国 82 機関と学術国際交流を 行っている。うち、アジア諸国とは、11 カ国 19 機関と活発な 交流事業を展開している。また、バンコク、北京に海外事務所 を設置している。 b. 毎年、約 3,000 人の研究者をアジア諸国から我が国に招聘 し、約 2,000 人の日本人研究者をアジア諸国に派遣している。 これまで、約 30 年間にわたり、アジアの 30 カ国・地域、総 計 6 万人以上の研究者交流を支援した(アジア諸国からの受 入:3 万6 千人人以上、アジア諸国への派遣:2 万4 千人以上)。 c. 地域別に見ると、中国・韓国とは毎年 3 カ国のファンディ ング機関のトップ会談(A-HORCs:アジア学術振興機関長会議) を開催するなど、緊密な協力関係を築くとともに、東南アジ ア・南アジアとは、長期かつ広範囲にわたる研究交流、人材育 成事業を行っている。また、外国人特別研究員事業等により、 アジア全域から研究者を招聘している。 d. こうしたアジア諸国との交流実績と、その実績に裏付けら れた、アジア諸国の対応機関との深い信頼関係に基づく幅広い ネットワークを有していることは、他にはない本会の特徴であ る。また、全ての学問分野を対象に支援を実施しており、個別 分野の利害を超えた公平な判断を行えることも大きな特徴で ある。 e. さらに、こうしたネットワークを活用し、アジア諸国のニ ーズを敏感に反映した機動的な交流を行った実績も有する。 例えば、平成 16 年末のスマトラ島沖地震・津波に対応して、 平成 17 年 3 月にインド(ハイデラバード)、8 月にインドネ シア(スマトラ島・パダン)において、それぞれ現地の対応 機関と協力して日本人専門家が多数参加するセミナーを開催 した。また、同年 12 月には、東京大学地震研究所、防災科学 技術研究所等が主催した「2004 年インド洋巨大地震・津波国 際会議」に共催機関として加わるとともに、アジア諸国の対 応機関を通じて地震・津波関係の研究者を招へいした。 2. アジア諸国とのネットワークの現状 a. 本会は、アジア諸国に、2 カ所の海外事務所を設置すると ともに、11 カ国 18 機関の対応機関(共同で事業を実施する 機関)を有しており、これらを通じ、現地の政府機関、大学・ 研究機関、研究者との幅広く深いネットワークを構築してい る。 b. 海外事務所:<タイ>バンコク研究連絡センター <中国>北京研究連絡センター c. 海外対応機関(交流協定締結機関等): <中国>

・中国科学院(Chinese Academy of Sciences: CAS) ・中国社会科学院(Chinese Academy of Social Sciences: CASS)

・教育部(Ministry of Education: MOE)

・中国国家留学基金管理委員会(China Scholarship Council: CSC)

・中国医学科学院(Chinese Academy of Medical Sciences: CAMS)

・中国国家自然科学委員会(National Natural Science Foundation of China: NSFC)

・科学技術部(Ministry of Science and Technology: MOST) <韓国>

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・韓国科学財団(Korea Science and Engineering Foundation: KOSEF)

<モンゴル>

・教育文化科学省(Ministry of Education, Culture and Science: MECS)

<インドネシア>

・教育文化省高等教育総局(Directorate General of Higher Education, Department of National Education: DGHE) ・インドネシア科学院(Indonesian Institute of Sciences: LIPI)

<マレーシア>

・マレーシア国立大学長会議(Vice-Chancellors’ Council of National Universities in Malaysia: VCC)

<フィリピン>

・科学技術省(Department of Science and Technology: DOST) <シンガポール>

・国立シンガポール大学(National University of Singapore: NUS)

<タイ>

・タイ学術研究会議(National Research Council of Thailand: NRCT)

<ベトナム>

・ベトナム科学技術アカデミー(Vietnamese Academy of Science and Technology: VAST)

<インド>

・インド科学アカデミー(Indian National Science Academy: INSA)

・科学技術庁(Department of Science and Technology: DST) <バングラデシュ>

・大学助成委員会(University Grants Commission: UGC) 3. アジア諸国に関する主な事業 a. 本会では、会の中期目標として、「アジアを欧米と並ぶ世 界の 3 大研究センターの一つとする」ことを掲げ、我が国と アジア諸国の研究者ネットワークの充実を目指した各種事業 を展開している。本会のアジア関係事業は、大別して、アジ ア各国からの研究者受入事業と、相手国・分野を特定した研 究協力事業の 2 種がある。 b. 研究者受入事業 研究者受入事業は、若手から中堅の研究者を中心として、 アジア諸国の優秀な研究者が来日して研究を行う機会を広く 提供することにより、アジア諸国の研究人材の育成に貢献し、 将来アジア諸国において指導的立場となる研究者と我が国の 研究者の人的ネットワークを構築することを目指している。 外国人特別研究員事業【昭和 63 年度開始】 諸外国の若手研究者に対し、我が国の大学・研究機関にお いて日本側受入研究者の指導のもとに共同して研究に従事す る機会(1~2 年間)を提供する。採用者のおよそ 6 割がアジ ア諸国の若手研究者である。本事業により、これまで約 6,500 人の若手研究者をアジア諸国から受け入れている。 外国人招へい研究者事業【昭和 50 年度開始】 諸外国の中堅以上の研究者を我が国の大学・研究機関に招 へいし、我が国の研究者との討議、意見交換、講演、共同研 究等を行う機会を提供する。長期(2 ヶ月~10 ヶ月)と短期 (14 日~60 日)の 2 種類の制度がある。本事業により、過去 10 年間で約 1,200 人の研究者をアジア諸国から受け入れてい る。 論文博士号取得希望者に対する支援事業(論博事業)【昭和 53 年度開始】 アジア諸国の研究者が、日本の大学において学位論文の提 出によって博士号を取得するための支援を行う。論博研究者 が日本側研究指導者の下で研究を行うため来日・滞在する費 用と、日本側研究指導者が研究指導のため論博研究者の母国 を訪問する費用を支援する。本事業により、これまでアジア 10 カ国の 490 人が日本の大学の博士号を取得し、各地で活躍 している。 アジア学術セミナー【平成 4 年度開始】 アジア諸国の若手研究者を対象として、最新の学術成果に 関する短期集中型のセミナーを開催することにより、アジア の研究水準の向上と我が国とアジアの若手研究者のネットワ ークの構築を図る。 c. 研究協力事業 研究協力事業は、我が国とアジア諸国の研究パートナーシ ップの構築を目指し、我が国と相手国に拠点を形成し、交流 を行う。相手国の状況に応じ、世界トップレベルの拠点形成 から地域の課題解決まで、きめ細かいプログラムを実施して いる。 日中韓フォーサイト事業【平成 17 年度開始】 (現在 5 課題(15 拠点)、1 課題 1,000 万円/年) 日中韓 3 カ国がアジアの中核となり世界トップレベルを目 指すパートナーとして研究拠点を形成する。本会と韓国科学 財団(KOSEF)、中国国家自然科学基金委員会(NSFC)との協 定により、3 カ国による特定分野の共同研究を支援する。 アジア研究教育拠点事業【平成 17 年度開始】 (現在 11 課題(35 拠点)、1 課題 2,000 万円以下/年) アジアに世界的水準の研究と若手研究者の育成を行う拠点 を形成するため、我が国と相手国が対等なパートナーシップ

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に基づく共同研究を支援する。アジア諸国の中でも研究水準 の高い大学・研究機関が対象。 アジア・アフリカ学術基盤形成事業【平成 17 年度開始】 (現在 21 課題(84 拠点)、1 課題 1,000 万円以下/年) アジア・アフリカ地域における諸課題の解決に科学技術面 から貢献するため、我が国の研究機関が主導的役割を果たし、 中核的研究拠点の構築と若手研究者の育成を支援する。経済 状態や研究水準に鑑みて対等なパートナーシップの構築が現 時点では難しい国々が対象。 拠点大学交流事業【昭和 53 年度開始】 (現在 22 課題(50 拠点)、1 課題 1,000 万円~4,000 万円/年) 日本及びアジア諸国に拠点となる大学を定め、特定の分 野・テーマを対象とした大型共同研究を行う。25 年以上の実 績があり、これまでアジアの 8 カ国を対象として計 121 拠点 (日本:57 拠点、相手国:66 拠点)を設置した。アジア諸国 における研究人材育成、学会設立等に大きく貢献している。 d. その他の事業 大学国際戦略本部強化事業(文部科学省からの受託事業)【平 成 17 年度開始】 上記のような各種事業の実績を踏まえ、本会と社団法人科 学技術国際交流センターが文部科学省から受託。大学等によ る全学的・組織的な国際戦略の策定・推進を支援するととも に、他大学の参考となる国際展開戦略の優れたモデルを開発 する事業。国公私立の 20 大学を選定して実施中。 4.アジア諸国との交流実績 a. 累計交流人数(昭和 53 年~平成 16 年): 6 万人以上(受入:3 万 6 千人以上、派遣:2 万 4 千人以上) b. 最近 3 年間の交流人数: 平成 16 年度 4,905 人(受入 2,934 人、派遣 1,971 人) 平成 17 年度 4,942 人(受入 2,813 人、派遣 2,129 人) 平成 18 年度 6,352 人(受入 3,569 人、派遣 2,783 人) c. 最近 3 年間に交流を実施した国・地域 (28 カ国・地域) バングラデシュ、ブータン、カンボジア、中国、キプロス、 インド、インドネシア、イラン、イラク、イスラエル、ヨル ダン、韓国、レバノン、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、 ネパール、パキスタン、フィリピン、シンガポール、スリラ ンカ、シリア、タイ、トルコ、ベトナム、イエメン、台湾、 ラオス 2.科学技術協力推進の内容 1.アジア諸国との国際研究交流の基本理念 a. 戦略目標:アジア科学技術コミュニティを形成し、その中 で我が国が主導的地位を占める (1)アジアは、世界の人口の 6 割を抱え、現在、最もダイナ ミックに発展している地域であり、科学技術面でも急速に成 長しつつある。巨大な人口を基盤とする豊富な研究人材や、 経済発展に伴う科学技術への投資の増大などを考慮すると、 アジアは、将来的に欧米に並ぶ世界の研究センターに発展し、 世界の科学技術の主役の一つとなる潜在力を持っている。 (2)一方で我が国は、これまでの経済発展と科学技術への投 資の蓄積により、世界の科学技術の先端国家の一つとなった。 その結果、現状では、多くの領域で我が国と他のアジア諸国 の研究水準には大きな開きがある。しかし、アジア諸国の急 速な発展や我が国の人口減少などの要因を考慮すると、将来 的に我が国が単独で現在以上の競争力を確保することは容易 ではない。実際、一部の領域では、中国や韓国をはじめとす るアジア諸国の急速な追い上げを受けている。他方、我が国 は、科学技術のみならず、経済や文化など多くの面でアジア 諸国との相互依存や交流を強めている。 (3)こうした状況を踏まえると、我が国が将来にわたって世 界の科学技術の中心的な存在の一つであるためには、アジア の科学技術コミュニティを将来の世界の主役の一つとなるよ う育成し、その中で我が国が主導的地位を占めることを目標 とすべきである。その際、我が国が唯一の主導的国家となる ことは現実的でないため、中国、韓国、インドなど有力なパ ートナーとの協調が不可欠である。 b. 目標達成の手段:アジア学術振興機関長会議の開催(多層 的連携支援) 強力な運営委員会による戦略立案(機動的支援) (1)戦略目標の達成のため、各セクターで行われている交流 の相互連携を支援する「多層的連携支援」、強力な運営委員会 による各国のニーズを機動的に反映する「機動的支援」の 2 つの事業を実施する。 (2)交流活動の実施に当たっては、本会が有するアジア各国 の対応機関や研究者とのネットワークを活用し、アジアのあ らゆる地域において迅速・円滑に事業を実施する。

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b-1. アジア学術振興機関長会議を中心とする多層的連携支 援 (1)戦略目標を達成するため、アジア諸国のファンディング 機関等のトップが集まるアジア学術振興機関長会議を我が国 のイニシアティブにより創設する。サミットでは、本会の対 応機関を中心に、アジアの全領域からファンディング機関の トップが集結し、アジアの共通課題やグローバルな課題につ いて討議する。 (2)このアジア学術振興機関長会議を通じ、アジアのファン ディング機関間の連携を強化し、アジアの科学技術コミュニ ティ形成の端緒を開くとともに、アジアの学術・科学技術活 動を世界に発信・アピールする。 (3)また、アジア学術振興機関長会議に加え、国内の関係機 関間のネットワークや国内外の大学・研究機関間のネットワ ークの構築を目的とした事業を実施する。これにより、現在 行われている我が国とアジア諸国との研究交流を有機的に連 携させ、その効果を最大化するとともに、新たなネットワー ク形成により将来の研究交流・機関間交流の芽を生み出す。 b-2. 強力な運営委員会による機動的支援 (1)アジア学術振興機関長会議における議論や他の幅広い情 報を踏まえ、各界トップレベルの有識者からなる運営委員会 により各国の政策ニーズや学術的ニーズを的確に把握し、ニ ーズを踏まえた交流活動を機動的に支援する。 (2)具体的には、我が国や相手国の政策的要請、大学・研究 機関、学協会等の要請、将来の重要性、状況の変化により新 たに発生したニーズ等が認められる相手国・テーマを選定し、 機動的に研究者の派遣・受入や国際会議の開催等を機動的に 実施する。 (3)また、将来のアジア科学技術コミュニティの構築に資す るため戦略的に重要であるテーマについて、長期的観点から の研究者のネットワーク形成、人材育成等を目的としたシン ポジウム・セミナー等を実施する。 2. 我が国やアジア諸国の政策ニーズに関する情報収集体制 a. アジア学術振興機関長会議 アジア学術振興機関長会議において、各国のファンディン グ機関の長が集い、アジア諸国が直面する課題やグローバル な課題について議論を行う。この議論を通じ、アジア諸国の 政策ニーズを把握する。 b. その他の情報収集体制 本会の長年の蓄積により形成された全学問領域・アジア各 地域にわたる研究者・関係機関とのネットワークを最大限に 活用し、我が国とアジア諸国の政策ニーズに関する情報収集 を行う。 (1)文部科学省との緊密な連携 本会は文部科学省所管の独立行政法人であり、日常の業務 において常に文部科学省と密接に連絡を取り合っている。本 事業についても、常に文部科学省と緊密に連携を取りながら 実施することにより、我が国の政策ニーズを適時・適切に反 映させることができる。また、文部科学省職員は事業運営委 員会にも参画する。 (2)国際事業委員会 本会では、国際的な研究協力に関する実績や知見が豊富な 有識者等からなる国際事業委員会(委員長:鈴木基之・国際 連合大学特別学術顧問)を設置し、国際関係事業の運営を行 っている。この委員会において、我が国の政策ニーズ、アジ ア諸国の政策ニーズなど幅広い観点からのニーズ把握を行う。 (3)海外研究連絡センター ASEAN 及び中国に関しては、本会のバンコク研究連絡セン ター、北京研究連絡センターを活用して、各国の最新情勢や 科学技術に関する動向の情報収集・調査分析を行う。 (4)海外対応機関 本会はアジア地域 11 カ国の科学技術関連の公的機関と協 力関係を持っており、そのネットワークを活用して、各国の 政策ニーズを把握する。 (5)外部コーディネーター アジアの各地域の科学技術政策や地域事情に詳しい外部有 識者を外部コーディネーターとして委嘱し、各地域のニーズ を調査分析する。コーディネーターは、中国、韓国、ASEAN、 南アジア、中央アジア等の各地域や、産学官連携等の特定課 題について専門的な知見を持つ有識者を選定する。コーディ ネーターは、事業実施の際にも、各地域との連携協力事業の 取りまとめ役を担う。 3. 政策ニーズや学協会のニーズを調査分析・評価できる有識 者との協力体制 a. 政策ニーズ 2.で記述した体制により、ニーズの調査分析・評価を行う。 b. 学協会のニーズ 各学問領域の専門家からなる学術システム研究センターの 活用、幅広いアジア諸国との協力活動を行っている本会事業 実施者からの情報、国際開発協力サポートセンターとの連携 により、我が国の学協会、大学・研究機関、研究者のニーズ の調査分析・評価を行う。

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(1)学術システム研究センター 各分野の第一線の研究者を集めた本会の学術システム研究 センター(所長:戸塚洋二・東京大学特別栄誉教授)を活用 し、各分野におけるアジア諸国との協力のニーズを調査分析 する。学術システム研究センターは、総勢 113 名の研究者か らなり、各専門分野の特性に対応する 9 つの専門調査班を設 置している。 (2)本会事業の実施者 本会は、拠点大学交流事業、大学国際戦略本部事業などの 各種事業を運営することにより、アジア諸国への展開やアジ ア諸国との協力を行っている大学、研究機関、研究者との幅 広いネットワークを有している。こうしたネットワークは、 本事業の遂行に当たっても重要な情報源として活用すること ができる。 (3)国際開発協力サポートセンター (社)科学技術国際交流センターが文部科学省の委託を受 け政策研究大学院大学内に設置した「国際開発協力サポート センター」と協力し、国内の大学・研究者の国際協力に関す るニーズや活動状況を把握するとともに、JICA、JBIC、世界 銀行等の政府関係機関が大学に委託して行っている国際協力 プロジェクトの情報を調査・収集する。 (4)国際事業委員会 政策ニーズと同様、学協会のニーズに関しても、国際事業 委員会委員の知見を活用し、幅広い観点から把握・分析を行 う。 c. 事業運営委員会による実施戦略の決定 上記のような体制により収集・分析したニーズに機動的・戦 略的に対応するため、国際情勢に通じ、かつ大所高所に立っ た判断ができる各界トップレベルの有識者によって事業運営 委員会を設置する。事業委員会においては、各種のニーズや 研究交流の現状を総合的に判断し、実施すべき協力事業の種 類、対象地域、テーマを含む実施戦略を決定する。(事業運営 委員会の構成については後述) (2)事業委員会は、年に 1~2 回程度を定例的に開催する。 また、状況に応じて適宜開催することも可能とし、状況の変 化や緊急のニーズが生じた場合にも迅速に対応できるように する。 4. 国際研究交流を支援した実績、日本への元留学生などの知 日派人材、ノウハウの、機動的な支援、既存及び新規の研究 交流の相互連携強化への活用方法 a. 事業運営委員会は、各国のニーズを分析した上で、必要な 事業の種類、対象地域、テーマを含んだ実施戦略を策定する。 この実施戦略に基づいて、本会の持つ幅広い研究機関・研究 者とのネットワークを最大限に活用して、最適な実施者を選 定し、事業を実施する。 b. 国内の実施者の選定に当たっては、我が国最大のファンデ ィング機関である本会の特色を最大限に活用し、学術システ ム研究センター、本会事業の実施者・実施経験者等の幅広い ネットワークを活用して、全国の研究機関・研究者の中から 最適な実施者を選定する。 c. シンポジウム・セミナー等を開催する際には、地域別や産 学官連携担当の外部コーディネーター、本会事業の実施期 間・実施研究者、国際開発協力サポートセンター等の協力を 得る。 d. 事業実施に当たって不可欠である相手国のパートナー(相 手機関・研究者)の選定に当たっても、アジア各国に幅広く 浸透する本会のネットワークを活用できることが、本会の持 つ最大のメリットである。アジア各国の対応機関、海外研究 連絡センター、アジア 30 カ国・地域で幅広く活動する本会事 業の実施者・経験者とのネットワークを活用することにより、 アジアのあらゆる地域において迅速にパートナーを選定し、 円滑に事業を実施することができる。 3.課題の実施により期待される効果 アジア学術振興機関長会議を中心とする多層的連携支援、 運営委員会による機動的支援の実施により、アジア科学技術 コミュニティの形成を促し、その中で我が国が主導的な役割 を果たすという戦略目標の達成に向けた基盤を構築すること が期待される。 1.多層的連携支援 a. アジア学術振興機関長会議の開催により、アジア各国のフ ァンディング機関が相互にネットワークを形成し、アジアの 共通課題やグローバルな課題について共に取り組む体制を構 築することより、アジア科学技術コミュニティ形成の端緒を 開くとともに、世界におけるアジアの科学技術の存在感を高 める機会が得られる。 b. また、既存及び新規の研究交流の俯瞰的、多層的連携支援 により、各セクターにおいて行われている交流を相互に有機 的に連携させ、各交流の成果を高めるとともに、全体として の効果を最大化し、アジア科学技術コミュニティにおける我 が国の影響力を強化することが期待される。 2. 機動的支援

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a.アジア学術振興機関長会議における議論を始めとする幅広 い情報収集により、各国の政策ニーズや学術的ニーズが確認 されたテーマに関しては、我が国が主体となって機動的に研 究交流活動を行うことにより、アジア科学技術コミュニティ における我が国の主導的な立場を確保することができる。 b. 特に、時々の政策ニーズを機敏に反映した機動的支援によ り、アジアの研究水準の向上、アジアの研究人材の育成、関 係機関・関係者間のネットワークの構築に我が国が主体的に 取り組み、将来アジア諸国において指導的立場に立つ研究者 と我が国の研究者の人的ネットワークを構築するとともに、 将来の国際共同研究に発展するようなテーマでの交流の端緒 を開くことが期待される。 c. 相手国側からのコミットメントについては、本会の実施し ているアジア諸国との研究協力事業では、一般的に相手国か ら研究者、研究施設、セミナー会場、研究フィールドの提供 が行われており、本事業においてもそうした貢献を期待でき る。それに加えて、相手国のニーズを適切に反映した協力事 業である場合には、相手国からの資金面での貢献も期待でき る。 4.実施体制 (提案書様式 7-8・別紙 3①-2「参画者リスト」をもとに作成) 氏名 所属機関・職名 提案課題における役割 小野 元之 日本学術振興会 理事長 総括責任者 伊賀 健一 日本学術振興会 理事 責任有識者(事務取りまとめ) 木曽 功 日本学術振興会 理事 事業運営委員会委員との連絡等 戸塚 洋二 日本学術振興会 学術システム研究センター所長 学術動向の把握・分析 石井 紫郎 日本学術振興会 学術システム研究センター副所 長 学術動向の把握・分析 勝木 元也 日本学術振興会 学術システム研究センター副所 長 学術動向の把握・分析 松尾 浩道 日本学術振興会 国際事業部長 国際事業委員会の運営等 金子 忠利 日本学術振興会 研究協力第一課長 事務分担者(海外研究連絡センターとの連絡調整等) 五十嵐 久敬 日本学術振興会 バンコク研究連絡センター副セ ンター長 東南アジアにおけるニーズ把握、コーディネート活動の 実施 福西 浩 日本学術振興会 北京研究連絡センター長 中国におけるニーズ把握、コーディネート活動の実施 丹生 久美子 日本学術振興会 研究協力第二課長 事務分担者(外国調査) 加藤 久 日本学術振興会 人物交流課長 事務分担者(大学・研究機関のニーズ調査) 佐藤 人海 日本学術振興会 地域交流課長 事務連絡担当者(対外連絡調整等) 5.各年度の計画と実績 a. 平成 18 年度 ・計画 (1)運営委員会の開催 各界からハイレベルの有識者を集めた運営委員会を年 3 回 程度開催し、今後の事業運営の体制・基本方針を策定する。 (2)コーディネーター会議の開催 実務レベルの専門家からなるコーディネーター会議を月 1 回程度開催し、運営委員会で策定される事業運営の基本方針 を踏まえた具体的な事業計画を策定する。 (3)機動的支援 国内外の政策ニーズや各種の情報を調査分析し、それに対 応したアジア諸国との交流事業を機動的に実施する。具体的 には、日中韓の研究者によるシンポジウムの開催、共同研究、

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アジア諸国とのセミナー等の開催、研究者の派遣、受入を適 宜行う。 (4)多層的連携支援 次年度に開催予定の「アジア学術振興機関長会議」、「HOPE ミーティング」の準備を行うため、関係者を集めた連絡協議 会を開催する。また、来日経験者のデータベースを整備する ための準備作業を行うとともに、当事業のホームページを開 設する。 ・実績 (1)運営委員会の開催 第 1 回運営委員会を開催し、事業全体の運営方針について 助言を受けた。 (2)コーディネーター会議の開催 予備会合 2 回、本会合 2 回、計 4 回開催し、機動的支援の 実施予定課題について助言を受けるとともに、次年度開催予 定の「アジア学術振興機関長会議」、「HOPE ミーティング」の 具体的計画について助言を受けた。 (3)機動的支援 各種情報分析、コーディネーター会議や協力機関からの情 報提供、大学・研究機関等からの提案をもとにして、機動的 支援による実施予定課題のとりまとめを行い、コーディネー ター会議での検討を経て、実施課題を決定・実施した。平成 18 年度は、アジア地域の共通課題(環境・エネルギー、自然 災害・防災、人材育成、知的財産)や政策的要請に基づく二 国間・多国間の協力関係を戦略的に構築することにつながる 課題(戦略的重点国・地域)について、政府、大学・研究機 関、海外対応機関と共同で、14 件の国際交流事業(国際会議、 共同研究、研究者の派遣・受入れ等)を機動的に実施した。 (4)多層的連携支援 各種調査、情報分析、運営委員会およびコーディネーター 会議の助言に基づき、「アジア学術振興機関長会議」、「HOPE ミーティング」の開催に向けた準備を進めた。また、来日経 験研究者のデータベースの設計のためのヒアリングや調査を 実施するとともに、本事業のホームページを開設し、情報の 発信に努めた。 b. 平成 19 年度 ・計画 (1)運営委員会の開催 各界からハイレベルの有識者を集めた運営委員会を年 2 回 程度開催し、事業運営について助言を行うとともに、次年度 の事業運営方針を策定する。 (2)コーディネーター会議の開催 実務レベルの専門家からなるコーディネーター会議を月 1 回程度開催し、運営委員会で策定された事業運営方針を踏ま えた具体的な事業計画を策定する。 (3)機動的支援 国内外の政策ニーズや各種の情報を調査分析し、それに対 応したアジア諸国との交流事業を機動的に実施する。具体的 には、日中韓の研究者によるシンポジウムの開催、共同研究、 アジア諸国とのセミナー等の開催、研究者の派遣、受入を適 宜行う。 (4)多層的連携支援 「アジア学術振興機関長会議」、「HOPE ミーティング」を開 催する。また、来日研究者のデータベースを構築するととも に、各種情報の収集・提供を行う。 ・実績 c. 平成 20 年度 ・計画 (1)運営委員会の開催 各界からハイレベルの有識者を集めた運営委員会を年 32 回程度開催し、事業運営について助言を行うとともに、次年 度の事業運営方針を策定する。 (2)コーディネーター会議の開催 実務レベルの専門家からなるコーディネーター会議を月 1 回程度開催し、運営委員会で策定された事業運営方針を踏ま えた具体的な事業計画を策定する。 (3)機動的支援 国内外の政策ニーズや各種の情報を調査分析し、それに対 応したアジア諸国との交流事業を機動的に実施する。具体的 には、日中韓の研究者によるシンポジウムの開催、共同研究、 アジア諸国とのセミナー等の開催、研究者の派遣、受入を適 宜行う。 (4)多層的連携支援 19 年度の成果も踏まえ、引き続き「アジア学術振興機関長 会議」、「HOPE ミーティング」を開催する方向で検討する。ま た、来日経験者のデータベースの充実を図るとともに、引き 続き各種情報の収集・提供を行う。 ・実績 d. 平成 21 年度 ・計画 (1)運営委員会の開催 各界からハイレベルの有識者を集めた運営委員会を年 2 回 程度開催し、事業運営について助言を行うとともに、次年度 の事業運営方針を策定する。 (2)コーディネーター会議の開催 実務レベルの専門家からなるコーディネーター会議を月 1

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回程度開催し、運営委員会で策定された事業運営方針を踏ま えた具体的な事業計画を策定する。 (3)機動的支援 国内外の政策ニーズや各種の情報を調査分析し、それに対 応したアジア諸国との交流事業を機動的に実施する。具体的 には、日中韓の研究者によるシンポジウムの開催、共同研究、 アジア諸国とのセミナー等の開催、研究者の派遣、受入を適 宜行う。 (4)多層的連携支援 20 年度の成果も踏まえ、引き続き「アジア学術振興機関長 会議」、「HOPE ミーティング」を開催する方向で検討する。ま た、来日経験者のデータベースの充実を図るとともに、引き 続き各種情報の収集・提供を行う。 ・実績 e.平成 22 年度 ・計画 (1)運営委員会の開催 各界からハイレベルの有識者を集めた運営委員会を年 2 回 程度開催し、事業運営について助言を行うとともに、5 年間 の事業の成果について総括を行う。 (2)コーディネーター会議の開催 実務レベルの専門家からなるコーディネーター会議を月 1 回程度開催し、運営委員会で策定された事業運営方針を踏ま えた具体的な事業計画を策定する。 (3)機動的支援 国内外の政策ニーズや各種の情報を調査分析し、それに対 応したアジア諸国との交流事業を機動的に実施する。具体的 には、日中韓の研究者によるシンポジウムの開催、共同研究、 アジア諸国とのセミナー等の開催、研究者の派遣、受入を適 宜行う。 (4)多層的連携支援 21 年度の成果も踏まえ、引き続き「アジア学術振興機関長 会議」、「HOPE ミーティング」を開催する方向で検討する。ま た、来日経験者のデータベースの充実を図るとともに、引き 続き各種情報の収集・提供を行う。 ・実績

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6.年次計画 (提案書様式 7-6①「年次計画概要」をベースに積算、業務計画との整合を見つつ加工する。各項目の計画を矢印で示し、実施期 間中の年度毎の研究過程を記述する。) 実施項目 1 年度目 2 年度目 3 年度目 4 年度目 5 年度目 運営委員会の開催 各界からハイレベル の有識者を集めた運 営委員会を年 3 回程度 開催し、今後の事業運 営の体制・基本方針を 策定する。 各界からハイレベルの有識者を集めた運営委員会を年 2 回程度開催し、事業運営について助言を行うとともに、 次年度の事業運営方針を策定する。 各界からハイレ ベルの有識者を 集めた運営委員 会を年 2 回程度 開催し、事業運営 について助言を 行うとともに、5 年間の事業の成 果について総括 を行う。 コーディネーター会議の開 催 1 年度目 実務レベルの専門家 からなるコーディネ ーター会議を月 1 回程 度開催し、運営委員会 で策定される事業運 営の基本方針を踏ま えた具体的な事業計 画を策定する。 2 年度目 ~ 5 年度目 実務レベルの専門家からなるコーディネーター会議を月 1 回程度開催し、運 営委員会で策定された事業運営方針を踏まえた具体的な事業計画を策定す る。 機動的支援 1 年度目 ~ 5 年度目 国内外の政策ニーズや各種の情報を調査分析し、それに対応したアジア諸国との交流事業を機動的に実 施する。具体的には、日中韓の研究者によるシンポジウムの開催、共同研究、アジア諸国とのセミナー 等の開催、研究者の派遣、受入を適宜行う。 多層的連携支援 1 年度目 次年度に開催予定の「ア ジア学術振興機関長会 議」、「HOPE ミーティン グ」の準備を行うため、 関係者を集めた連絡協 議会を開催する。また、 来日経験者のデータベ ースを整備するための 準備作業を行うととも に、当事業のホームペー ジを開設する。 2 年度目 「アジア学術振 興機関長会議」、 「HOPEミーティ ング」を開催す る。また、来日 研究者のデータ ベースを構築す るとともに、各 種情報の収集・ 提供を行う。 3 年度目 ~ 5 年度目 前年度の成果も踏まえ、引き続き「アジア学術振興機関 長会議」、「HOPE ミーティング」を開催する方向で検討す る。また、来日経験者のデータベースの充実を図るとと もに、引き続き各種情報の収集・提供を行う。

参照

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