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HOKUGA: 北海学園─レスブリッジ大学教員交換プログラムV2(1) : 現状と課題

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タイトル

北海学園─レスブリッジ大学教員交換プログラム

V2(1) : 現状と課題

著者

上野, 之江; UENO, Yukie; 赤石, 篤紀; AKAISHI,

Atsunori

引用

北海学園大学学園論集(181): 123-165

発行日

2020-03-25

(2)

北海学園─レスブリッジ大学教員交換プログラム V2(1)

現状と課題

目次

⚑.はじめに

⚒.交流の概要

⚓.授業の概要

⚔.待遇について

⚕.交換プログラムの課題

⚖.教員交換プログラム参加者の感想

⚑.は じ め に

北海学園とカナダ,アルバータ州立レスブリッジ大学とは,1981 年以来およそ 40 年に渡り交

流を進めてきた。本稿の筆者⚒名のうち,上野は 2017 年度,赤石は 2018 年度の交換教授として

派遣されレスブリッジ大学の秋学期にそれぞれ教鞭をとった。赴任にあたり参考にできる資料

は,交流 20 周年の節目の 2003 年に書かれた⽛北海学園 ― レスブリッジ大学教員交換プログラ

ムの現状と課題⽜(二通,上野,岡崎,2003)であった。そこには,この教員交換プログラムの成

り立ち,当時の現状と課題が書かれていた。その内容はこの約 20 年間に改善されたものもあり

状況が変わった部分もあった。北海学園より今後派遣される交換教授のために筆者⚒名の経験を

元に 2003 年版をアップデートする必要を強く感じた。また,本学におけるレスブリッジ大学交

換教授の受け入れ態勢も変化してきているので,それについても記録することにした。

本篇は 2003 年版の Version 2(第⚒版)とし⚓篇からなる。その目的と内容は次のようにする。

第⚑編(1)は⽛現状と課題⽜としてこの教員交流プログラムの現時点での現状を概観し課題につい

て述べる。第⚒編(2)は,今後交換教授としてこのプログラムに参加する本学教員の参考となる

ように⽛レスブリッジ大学での講義⽜について記述する。具体的には,シラバス作成,現地での

講義内容,成績評価,支援体制などについて述べる。第⚓篇(3)では,渡航準備と現地での生活に

ついて具体的な情報を提供する。そこでは,渡航までのスケジュール,労働ビザの申請,家族同

伴の場合,レスブリッジでの生活,帰国準備などについて記載する。第⚑篇は主に上野が,第⚒

編と第⚓篇は上野と赤石が持つ情報を赤石が担当しまとめる。

(3)

第⚑篇となる本稿の第⚒章では,交流の概要について知らせる。教員交換プログラムとは,レ

スブリッジ市およびレスブリッジ大学の紹介,交流の現状を主に 2003 年以降について述べる。

第⚓章では,それぞれの大学において担当する授業の位置づけや授業内容について概観する。第

⚔章では,研究室や住居などの交換教授の待遇についてまとめる。第⚕章では,交換プログラム

の課題について述べる。

最後に第⚖章で,教員交換プログラム参加者の感想として 2019 年秋学期に教鞭をとられたレ

スブリッジ大学ディロンビジネススクール教授 Robert Boudreau(ロバート・ブードロー)先生

の感想文を載せる。ブードロー先生はこの教員交換プログラムが始まった 1988 年に一度赴任さ

れている。30 年前と現在との比較などを交えたコメントは,興味深いものである。

第⚖章の最後にゲストハウスの隣人でこの教員交流を 30 年以上にわたり支えてくれた清さん

について言及する。

大学教育におけるグローバル人材育成,国際交流の重要性が増す中,大学教員の国際経験を養

うよい機会となるこの教員交換プログラムが毎年円滑に進む一助になれば幸いである。両大学の

関係部署,職員,教員の努力により細々とではあるが約 40 年の長きにわたり続いたという実績は

素晴らしいことだと思う。日加交流の歴史の中でも最も古い交流として知られている本プログラ

ムのさらなる発展を祈念している。

⚒.交流の概要

2.1 教員交換プログラムとは

2.1.1 教員交換プログラムの内容

レスブリッジ大学との教員交流プログラムは,北海学園とレスブリッジ大学との協定に基づい

て毎年相互に教員を派遣し,その教員が派遣先の大学での講義を担当するというものである。現

在,レスブリッジ大学からは前期と後期に⚑名ずつの教員が北海学園大学に派遣され一般教育の

⽛カナダの自然と社会Ⅰ,Ⅱ⽜の授業を,北海学園からはレスブリッジ大学の秋学期(⚙月~12

月)に北海学園大学の教員⚑名が毎年,春学期(⚑月~⚔月)に北海商科大学の教員⚑名が⚓年

に一度派遣され,それぞれ⽛Japanese and Japanese Culture⽜の授業を担当している。2019 年 12

月現在で教員交換プログラムに参加した教員はレスブリッジ大学側が 75 名,北海学園側は北海

学園大学から 37 名(うち⚓名は⚒回派遣),北海学園北見大学及び北海商科大学から 19 名で,両

大学併せて 131 名に及んでいる。(末尾資料⚑)

2.1.2 交換教員の受け入れ態勢

教員の受入れや派遣に関する態勢については,北海学園側とレスブリッジ大学側でかなり異なる。

まず,北海学園では,この教員交換プログラムは法人の事業として遂行されており,北海学園

からの派遣やレスブリッジ大学からの教員の受入れは法人事務局を窓口として行われ,札幌に赴

(4)

任するレスブリッジ大学からの交換教授は,法人との雇用契約を結ぶ。交換教授の受入れまでの

手続き,入国監理局などとの対応,宿舎の提供などは法人の事務局が担当し,大学での担当の講

義に関わることは一般教育委員会の下にあるカナダコース小委員会の管轄となる。2003 年当時

はコーディネーターと呼ばれる通訳がつき逐次授業を日本語に通訳していたが,現在コーディ

ネーターはつかずすべての授業が英語で行われる。

一方,レスブリッジ大学においては,International Centre(以下,インターナショナルセンター)

の職員が主体となってこの交換プログラムを運営している。レスブリッジ大学に赴任する交換教授

は,大学との間に,短期の雇用契約を結び,雇用される形を取るため,就労ビザの取得が必須となる。

交換教授の大学での授業は,直前に札幌派遣から帰国した交換教授がメンター(相談相手,助

言者)となり補佐してくれる。銀行,ビザ関係や住居に関することなどの生活面のサポートはイ

ンターナショナルセンターのスタッフの担当となっている。インターナショナルセンターでは要

請に応じて授業通訳(非常勤)の手配もしてくれる。

2.1.3 交換教授の送り出し

北海学園大学内での交換教授送り出しについては,おおよそ以下のような態勢になっている。

まず,レスブリッジ大学へ派遣される本学交換教授の人選は,学長によりおよそ⚓年単位で公募

される。今のところ競争は少なく希望すればほぼ決まる。交換教授は協議会の承認を経て,学長

からの辞令によって派遣される。

レスブリッジ大学に派遣されている間の派遣教員の担当講義は非常勤でまかなわれる。しか

し,持ちコマの関係で⚑学期にある程度の講義数を担当する必要がある。派遣に係る事務手続き

(就労ビザの申請や航空券の手配,レスブリッジ大学との書類のやり取り)は派遣される交換教授

が事務方と連携しながら自ら行う。

2.2 レスブリッジ市

2.2.1 レスブリッジ市の地理

2003 年度版では,レスブリッジ市について以下のように紹介している。

レスブリッジ市は,アルバータ州の南の平原地帯に広がる商業都市である。市内から車で⚑時

間足らずでアメリカ合衆国の国境(モンタナ州)に達する。アルバータ州は牛肉の産地で,レス

ブリッジの郊外に出ると,地平線の彼方まで牧草地帯が広がり,のんびりと草を食む牛があちら

こちらに見える。気候は内陸型で雨が極端に少なく,冬も積雪はそれほど多くないが,寒暖の差

が大きく,夏は 35 度,冬はマイナス 30 度以下になることもある。(二通,上野,岡崎,2003)

西方向に車で⚒時間走るとロッキー山脈に入る。その後約 10 時間走り続けるとロッキー山脈

を越えバンクーバーに降りていく。2016 年頃から毎年夏にロッキー山脈で発生した山火事のた

め煙が街を覆っていることがある。

(5)

2.2.2 レスブリッジ市の起源

レスブリッジ市の起源は,1880 年代に建設された炭鉱町で,レスブリッジ大学の対岸にある

Galt Museum に当時の記録がある。1985 年,カナディアンパシフィック鉄道に結ばれ,石炭およ

び農産加工,農産物の集散地となった。1900 年に周辺地域の灌漑事業が始まり緑の街並みとな

り,その規模は 40 万 ha にわたりカナダでは最大級である。牧畜,穀物,野菜栽培が盛んで,近

年は石油,天然ガスの開発により,工業は多様化している。

2.2.3 レスブリッジ市の人口動向

2003 年版の記述では,市の人口は 68,000 人ほどで,市内や周辺地域に日系人が多く住んでお

り,市内には後に紹介するような日本庭園の他に,お寺や,日本食レストラン,日本の食料品の

店などがあるとある。

人口はその後も増加し,2019 年国勢調査によれば,101,482 人となっている(図表⚒)。2013

年~2018 年度の人口増加率は 10.0%を超え,特にレスブリッジ大学がある西地区の人口増加が

近年著しい。(図表⚓)

2.2.4 レスブリッジ市の変化

上野は 2001 年と 2017 年にレスブリッジ大学に赴任し当市でそれぞれ⚓ヶ月を過ごした。2017

年には,2001 年とは違う街の勢いを感じた。01 年の印象は郊外に農地や牧場が広がる町のイメー

ジが強かった。それほど整備されていない道路を走る車のほとんどは農家のトラックで錆がつき

図表 1 レスブリッジ市の位置

(6)

土埃にまみれていた。16 年後,2017 年で驚いたのは走っている車の種類である。アスファルト

で整備された道路を,アウディー,ベンツ,VW,ホンダ,レクサスなどがたくさん走っている。

たまにポルシェも見かけた。01 年には決してなかった風景である。市は企業を誘致し人口増加

が続いている。特に西地区ではタウンハウスや一戸建て住宅の建築が盛んに行われている。新し

い道路の造成も進んでいる。地元の住民でもしばらくぶりに行くと新しい道路ができて道に迷う

という話を聞いた。01 年の夕方,大学前の道路で起こるダウンタウンから西地区住宅地に帰る車

のラッシュアワーは⚑時間程度で終わっていた。ところが 17 年では車の列が延々と続いて午後

⚕時前から⚗時過ぎまで混雑は続いた。

図表 2 レスブリッジ市 2019 年国勢調査 人口

南地区

西地区

北地区

合計

増加率

2019

32,412

40,898

28,172

101,482

1.72%

2018

32,109

39,960

27,700

99,769

1.60%

2017

31,660

39,085

27,453

98,198

1.41%

2016

31,720

37,929

27,179

96,828

2.13%

2015

31,337

36,716

26,751

94,804

1.94%

2014

31,176

35,377

26,451

93,004

2.86%

2013

30,655

33,988

25,774

90,417

1.51%

2012

30,795

32,847

25,432

89,074

1.36%

2011

30,504

32,063

25,315

87,882

1.41%

2010

30,142

31,399

25,118

86,659

1.37%

https://www.lethbridge.ca/City-Government/Census/Pages/Census-Results-2014.aspx

図表 3 レスブリッジの人口の推移

https://chooselethbridge.ecdev.org/business-climate/274

(7)

レスブリッジ市は企業誘致を推進し情報と文化的産業が躍進している。アルバータ州ではハイ

テクの町として知られている。市内で従業員数の多い事業形態を見ると,病院,大学・学校,行

政機関が⚗位までを占めている(図表⚔)。11 位に研究センターが入っている。このような専門

職が働く企業を誘致することにより,高学歴の住民が増えその子弟が入学しレスブリッジ大学の

レベルも上昇していると思われる。レスブリッジ市民の平均年収は 80,000 カナダドル,可処分

所得は 16,875 カナダドルで家の購入価格はアルバータ州のどこよりも低価格であると市の HP

に記載されている。

2.3 レスブリッジ市における日系社会

2.3.1 レスブリッジ市における日系社会 2003 年

2003 年版では,日系人社会について以下のように述べている。

レスブリッジ市を含む南アルバータの日系人の多くは太平洋戦争の勃発後,カナダ連邦政府の

方針でカナダの太平洋沿岸地域から内陸部へ強制移動させられた人々やその子や孫たちである。

当時,多くの日系人が南アルバータでのシュガービートの農場での過酷な労働に従事しており,

最盛期には南アルバータだけで⚓万人もの日系人が住んでいたという(村井,1995)。

レスブリッジ市内には,Nikka Yuko Japanese Garden(⽛日加友好日本庭園⽜)という茶室付き

の日本家屋を擁する,本格的な日本庭園がある。この庭園は,1967 年に日本とカナダの友好のシ

ンボルとして日系人市民基金により建設された。(中略)2000 年に行われたレスブリッジ大学と

北海学園大学の交流プログラム延長の協定式もこの庭園内の建物で行われた。

戦後の移住者も含め,現在のレスブリッジや周辺地域の日系人人口は数千人に及ぶと言われて

いる。レスブリッジ大学の教職員の中にも,数代前に総長を務めた日系⚒世のロバート広中氏を

はじめ日系人が少なくない。(中略)北海学園とレスブリッジ大学との交流が発展してきた背景

図表 4 レスブリッジ市 トップ 10 雇用主

雇用主

事業種類

従業員数

1 Alberta Health Service

Health care and social assistance

3,358

2 University of Lethbridge

Educational Services

2,431

3 Lethbridge School District Number 51

Educational Services

1,500

4 City of Lethbridge

Public Administration

1,462

5 Lethbridge Collage

Educational Services

955

6 Alberta Government

Public Administration

900

7 Holly Spirit Catholic School Division #4

Educational Services

779

8 Sun Rise Poultry

Food Manufacturing

625

9 Covenant Health

Health care and social assistance

603

10 Palliser Regional Schools

Educational Services

519

11 Lethbridge Research Centre

Professional scientific and technical services

443

https://chooselethbridge.ecdev.org/business-climate/274

(8)

には,上述したようなレスブリッジの土地柄や日系人コミュニティの積極的な協力があると言え

る。(二通,上野,岡崎,2003)

2.3.2 縮小する日系社会

2003 年頃には数千人いたとされる,日系カナダ人の人口は縮小している。2016 年の国勢調査

では,日本語を話す人口は 1,310 名で全体の 1.4%となっている。第⚑世代,第⚒世代はすでに

80 歳,90 歳となっている。第⚓世代,第⚔世代の日系カナダ人の多くは英語で教育を受け,英語

で日常生活を送っている。話す日本語も世代が進むにともない挨拶や簡単な日常会話に限られて

いる。2003 年当時は⚕つか⚖つの仏教会があり年中行事などに多くの日系人が集まっていた。

日本から僧侶が定期的に赴任し布教や寺の活動を行っていた。2017 年に新しい仏教会の寺院が

できたという話を聞いた。その仏教会は近隣の仏教会を統合してできたそうだ。日系人の人口が

縮小しもう多くの寺が立ち行かなくなり統合したとのことだった。これはレスブリッジ市の日系

人社会が縮小している例ではないかと感じた。

2.3.3 日加友好日本庭園

2003 年版に記載があった Nikka Yuko Japanese Garden(⽛日加友好日本庭園⽜:図表⚕)は 2017

年に開園 50 周年を迎え記念行事が市の行事として行われた。この時に日本から高円宮絢子さま

が参加されている。その後,同じく 50 周年を迎えたレスブリッジ大学も見学されている。見学

の時にガイド役を務めたのが,その年に北海学園大学から派遣されていた人文学部英米文化⚔年

の岸本芙凛さんだった。このことは Lethbridge Now というニュースに記載されている。

(https: //lethbridgenewsnow.com/2017/06/26/japanese-imperial-family-member-joining-nikka-yuko-50th-anniver

sary-event/)

図表 5 レスブリッジ市の日加友好日本庭園(2017 年)

https://www.nikkayuko.com/detail.asp?ID=85&CatID=1

(9)

日加友好日本庭園は,今は春は桜,秋は紅葉,冬は雪の中のライトアップなどでレスブリッジ

市民の憩いの場となっている。

2.4 レスブリッジ大学

2.4.1 レスブリッジ大学の概要

レスブリッジ大学は,州立の大学で,レスブリッジ市内では唯一の総合大学である。大学のラ

ンクを掲載している雑誌,Macleanʼs によると,2002 年度の大学としての総合ランクはカナダで

⚘番目に位置していた。2019 年の Macleanʼs を見るとカナダの学部教育機関では⚕位となって

いる。(図表⚖)

学生数は約 8,700 名で留学生が 94ヵ国から 572 名ほど集まっている。理学部,教育学部,芸術

学部,保健学部,経営学部,大学院と,⚖学部・大学院で学士・修士・博士課程の教育が行なわ

れている。留学生は International Centre で EPA(English for Academic Purposes)のプログラ

ムで大学進学の準備として英語を学んでいる。(https://www.uleth.ca/facts)

図表⚗は大学の構内図,図表⚘は大学構内の写真である。

図表 6 Maclean カナダ大学ランキング(学部) by Macleanʼs Oct 3, 2019

Overall

Ranking

School

Last

year

Statisfaction

Student

Reputational

Survey

1

Mount Allison

1

1

1

2

UNBC

2

5

6

3

Trent

3

8

4

4

Acadia

4

4

3

5

Lethbridge

6

10

7

6

St Francis Xavier

4

7

2

6

Saint Maryʼs

7

15

8

8

Bishopʼs

12

2

10

8

Lakehead

8

17

12

10

Ontario Tech

9

14

5

11

UPEI

9

12

11

12

Laurentian

11

19

15

13

St. Thomas

14

6

17

14

Moncton

13

16

14

15

Winnipeg

15

13

9

16

Nipissing

16

3

19

17

Mount Saint Vincent

17

9

13

18

Cape Breton

19

11

16

18

Brandon

18

17

18

https: //www. macleans. ca/education/university-rankings-2020-canadas-top-pri

marily-undergraduate-schools/

(10)

図表 7 レスブリッジ大学構内図

(11)

2.4.2 レスブリッジ大学の学風の変化

2001 年に上野が教鞭を取った時の学生はレスブリッジ市内や近隣の農家から来たような雰囲

気の学生が多かった。男女ともにがっしりとした体格でガムやドーナッツを食べおしゃべりをし

ながらゆったりと学内を歩いていた。上野がレスブリッジ大学の後訪れたブリティッシュコロン

ビア州のビクトリア大学の学生とは違っていた。

ところが,2017 年に再度訪れると事情は異なっていた。物を食べながら学内を歩く学生は皆無

で皆次のクラスに向かって早足で歩き去っていく。学生の態度はビクトリア大学と同じレベルに

なっていたので驚いた。同僚のレスブリッジ大学教員に聞いたところ,大学のレベルが上がって

きたので,カルガリー方面から進学する学生が増えたとのことである。今までは,東部のトロン

トなどの大学に進学していた学生が,レスブリッジ大学に来るようになったそうだ。教育学部は

教員養成のレベルが高く,レスブリッジ大学で教員免許を取ったというと小,中,高の他の教員

から一目おかれるそうである。経営学部は演習ができる証券会社のトレーディングルームを持ち

(図表⚙),実践さながらの授業を行って企業にとって即戦力となる学生を多数輩出しているそう

である。

(12)

2.4.3 Science and Academic Building

2019 年に新しく Science and Academic Building がオープンした。この大きな建物は理学部の

実験棟をひとつに集約することから企画され,交換教授でもあった René Boeré(ルネ・ブーレ)

先生などの尽力で政府から巨額の補助金が認可され実現にこぎつけたものである。前面ガラス張

りの教室や廊下,実験室群,自然換気で冷房や暖房を使わないエコシステムを採用する近未来的

な建物である(図表 10)。

2.4.4 International Centre

所長の Paul Pan(ポール・パン)氏を中心に 94ヵ国から集まった 600 名あまりの留学生の指導,

サポートをしている。本学からの派遣学生もここのお世話になっている。

図表 10 Science and Academic Building

2017(建設中)

2018(完成)

(13)

2.5 交流の経過

交流の始まりについては,2003 年度版に詳しく記載されているのでそちらを参照されたい。そ

れによると,1981 年に森本理事長が再度レスブリッジ大学を訪問し,北海学園とレスブリッジ大

学との交流提携を結んだ。1981 年⚙月にはレスブリッジ大学から最初の交換教授が着任した。

その後 1983 年 12 月までは,⚑学期に⚑名の割合でレスブリッジ大学から教員が派遣されてきて

いる。1984 年に森本理事長とレスブリッジ大学の John Woods(ジョン・ウッズ)学長との間で

教員の交換に関する協定書が交わされ,この年に北海学園大学からの教員の派遣も始まった。

1984 年の協定書では教員の交換について次のような合意がなされている。

⚑.教員交流は相互的なモノで,レスブリッジ大学は北海学園大学に学期ごとに教員を派遣す

ること,北海学園大学はレスブリッジ大学に⚑つまたは⚒つの学期に教員を派遣すること

⚒.レスブリッジ大学と北海学園大学はお互いに担当者や職員の訪問を歓迎すること

⚓.1985 年からの学生交換の開始のために努力すること

⚔.レスブリッジ大学と北海学園大学は,共同研究の取り組みを将来に向けて計画すること

その後,1986 年⚘月に当時の北海学園大学の田中修学長とレスブッリジ大学の Gerald Kenyon

(ジェラルド・ケナン)学長代行との間で,学生交換及び教員交換プログラムについての覚書が交

わされている。(二通,上野,岡崎,2003)

覚書,協定書は⚕年ごとに更新され今日に至っている。2019 年 12 月に安酸敏眞学長がダブル

ディグリープログラム協定書調印のため同大学を訪問した。レスブリッジ大学からはさらに大学

院レベルの共同研究等の交流の申し出があった。本学としても高度な交流を目指し前向きに検討

する予定である。レスブリッジ大学は現在,学習院女子大学,早稲田大学,立教大学,東洋大学

等の国内 10 程度の大学と協定を締結しており,北海道大学とも協定締結が近いとのことである。

⚓.授業の概要

本節では,両校の交換教授の行う授業について,その位置づけ・支援体制・授業内容などを説

明する。

3.1 北海学園大学において(レスブリッジ大交換教授の授業)

3.1.1 科目としての位置付け,担当部局および支援体制

レスブリッジ大学交換教授は共通基礎科目⽛カナダの自然と社会Ⅰ,Ⅱ⽜を担当する。この授

業の主な目的はカナダの自然と社会(言語,歴史,文化,産業,政治,宗教など)についての基

礎的な知識を与えることである。講義は,⚑学期はカナダについての入門レベルのものだが,⚒

学期になると交換教授の専門領域の話も入る。2008 年以前はコーディネーターがつき通訳をし

(14)

ていたが,2008 年後期より通訳は廃止しすべて英語で授業を行うことなり現在に至る。

授業に関することがらの担当部局は教務センターであり,担当委員会は教務委員会の下部委員

会であるカナダコース小委員会である。授業の内容・試験の実施方法・成績評価の基準などにつ

いては,交換教授ごとにおおきなばらつきがでたりしないようにカナダコース小委員会によりガ

イドラインが定められている。(資料⚒参照)着任後すぐに小委員会が開催され,交換教授にガイ

ダンスを行う。その後 AV 機器の操作方法説明,PC 接続確認などのサポートをする。また小委

員会は,空港送迎,各種セレモニーヘの出席や市内・道内視察旅行への同行といったような,授

業とは直接関係のない業務も行っている。

交換教授のノルマは本学専任教員と同じ週⚔講である。⚑部⚒部合わせて同一の講義⚔つを担

当している。その中のひとつはゼミ形式で運営されている。

3.1.2 授業の概要

授業はすべて英語で行われる。講義形式で行われ,交換教授の話す内容は,毎回詳細な英文の

レジュメとして学生に配られる。学生は授業前にレジュメを読んでくることになっている。毎週

の講義についての宿題も出る。授業では講義の内容についてのディスカッションに積極的に参加

するように言われる。

図表 12 は,2019 年度の⽛カナダの自然と社会Ⅰ⽜の授業内容である。より詳細な講義概要は末

尾に資料として掲載した。

図表 12 2019 年度⽛カナダの自然と社会Ⅰ⽜の授業内容(担当者:ダイモンド アン)

(15)

3.1.3 試験と成績評価

試験はすべて英語で解答する。電子辞書や紙の辞書の持ち込みは認められている。試験問題は

多肢選択,英語一文で答える,英語数文で答える問題が出題される。

3.1.4 受講生の履修状況

図表 13 は,直近⚕年間の履修状況である。

3.1.5 授業アンケート

2018 年後期に授業を担当した Paul Hayes 先生が担当された⚔クラスで授業アンケートを実施

している。ここではそのアンケート結果について報告する。

履修者の属性

履修者のうち 33 名が回答した。所属学部は人文学部が一番多く,学年は⚒,⚓年生が多かった。

海外経験者も多く,旅行では,台湾,カンボジア,香港などアジア,アメリカ,カナダ,オース

トラリア,イタリア,イギリスと世界中に渡航していた。

図表 13 ⽛カナダの自然と社会 Ⅰ,Ⅱ⽜過去⚕年間の履修者数

学期

担当教員

人数

総人数

2019

アン ダイモンド

53

88

ロバート ブードロー

35

2018

ガーウィン エリザベス

52

111

ヘイズ ポール

59

2017

ロドリゲス オマル

97

97

ペダル デリック

0

2016

アーカート スティーブン

64

121

ワゼアック エドウィン

57

2015

オオエ ディアナ

35

83

リー ボニー

48

私事事情により赴任せず,閉講

図表 14 履修者について(単位:人数)

学年

⚑年生

2

⚒年生

10

⚓年生

14

⚔年生

6

在籍 4 年超

1

合計

33

海外経験

海外経験あり

18

旅行

7

短期の ESL 研修

17

その他

ワーキングホリデー(⚓週間~⚑年)

4

スクールセミナー(11ヵ月~⚑年)

2

海外経験なし

7

所属学部

経済

4

経営

2

2

人文

25

0

合計

33

(16)

次に,英語力を示す TOEIC スコアは最低 435,最高 860 であった。スコアの分布は,図表 15

に示すように,600 点台が多かった。TOEIC のスコアを持っていないものもいる。

講義に関するアンケート結果:履修目的,授業の理解度など

この授業を履修した目的,授業の理解度,授業内容に対する興味・関心の程度,⽛この科目をカ

ナダの交換教授が担当してよかったと思いますか?⽜に対する回答は,図表 16 のとおりであった。

アンケートからは,カナダの文化や社会を理解するという目的の他に,留学前の学生にとって

は英語力向上のため,ESL 留学で帰国した学生には帰国後の英語力保持のためにこのクラスは受

講する意味があるクラスとなっていることがわかる。

また,事前のレジメの配布,PPT スライドによる説明,画像,映像を駆使した授業や毎週の宿

題を提出することにより英語オンリーの授業でも支障なく勉学が進んでいる。その内容について

も,学生の多くが興味を持って聴講していたことが伺える。

図表 15 TOEIC スコア

図表 16 講義に関するアンケート結果

履修目的

カナダのことを知る

22

英語の上達

22

単位が必要

15

授業の理解度

80%以上理解できる

7

60%-79%理解できる

22

50%以下理解できる

4

全然わからない

0

授業内容に対する関心・興味の程度

80%以上の内容について関心,興味を持っている

18

60%- 79%内容について関心,興味を持っている

14

50%以下内容について関心,興味を持っている

1

全然感心,興味がない

0

カナダの交換教授が担当する意義

はい,そうすることにより,このクラスの内容が向上しました

16

はい,効果的でした

17

カナダの交換教授が担当するかどうかは関係ない

1

いいえ,日本人教師が担当した方がよいと思います

0

授業の理解度

授業内容に対する興味・関心の程度

(17)

自由記述

その他の自由記述を抜粋すると以下のようなものがあった。

⿟Thank you for this term! I enjoyed this class.

⿟Listening ability is necessary in this class. I lacked this ability, so I had a hard time.

⿟Listening ability is necessary in this class. I lacked this ability, so I had a hard time.

⿟Listening was hard, but when I got the meaning, I was happy. In that case, I wanted to hear

more.

⿟It was good that the person who had lived in Canada taught the class. I am glad to listen to real

stories.

⿟I wanted to respond and interact more.

⿟I took this course before and after going to Canada, which made me understand deeply Canada.

⿟Multiculturism. I thought Canadian multiculturism is famous and I got interested. I thought it is

going well but in this class I learned problems and solutions. I am glad I learned the historical

background on how Canadian people solve the problems.

⿟I am glad to learn not only Canadian geography and history but also modern Canadian arts and

peopleʼs life, and eventually I learned deeply about Canadian national characters. When I have a

chance to visit Canada, I will remember what I learned in this class.

⿟It was difficult for me to attend the English only class, but I feel my English ability, especially

listening, has improved. I am glad to learn Canadian history and culture.

どのコメントもポジティブな内容である。リスニングが難しいという意見が多くみられたが,

学期を通して困難を乗り越えたに違いない。カナダの今を知っている交換教授から,マルチリン

ガリズムについて学べてよかった,利点だけではなく実際の生活から出てくる問題点をどのよう

に解決しているのかを聞けてよかった,という感想もあり,授業の目的は達成されていると感じ

た。

3.1.5 ⽝Canadian Nature and Society Course Teaching Guidelines⽞

カナダコース小委員会がレスブリッジ大学交換教授のために作成し更新している⽝Canadian

Nature and Society Course Teaching Guidelines⽞を巻末の資料に掲載した。

(18)

3.2 レスブリッジ大学において(北海学園大学交換教授の授業)

3.2.1 科目としての位置付けおよび担当部局

北海学園の交換教授の担当科目は,全学共通の Interdisciplinary Studies(学際研究)の

Japanese and Japanese Culture⽜として設定されている。講義概要には科目の内容について⽛The

Japanese world view; history, culture and society of Japan and the Western world⽜と記されてい

る。北海学園の法人事務局からのプリントには,

⽛講義は,日本の文化・歴史・政治・経済等のテー

マの中から主要なテーマを決め行う⽜と書かれているが,具体的な内容は担当者に任されている。

レスブリッジ大学における授業については,直前に札幌派遣から帰国した交換教授がメンター

(相談相手,助言者)となり補佐してくれる。彼らは,札幌赴任中にシラバス作成の助言をしてく

れ,レスブリッジ大学でも初回授業での教員紹介や,授業運営・成績評価についての助言を行っ

てくれる。ただ,このサポートの程度は北海学園のように組織化されたものではなく,個々の教

員の自発的な活動に任されているようである。

また,交換教授の希望によって,講義に通訳をつけることができる。ここ数年は,トモコ・グ

リーンシールズ(Tomoko Greenshields)氏が担当している。

3.2.2 授業の概要

授業時間は基本的に週 150 分で,50 分講義を週⚓回,または 75 分授業を週⚒回のいずれかを

レスブリッジ大学側が事前に連絡することになっているが,近年は後者の 75 分週⚒回の形が主

体となっている。

図表 16 は,全 26 回(うち⚒回は Reading Week のため未実施)の授業スケジュールである。

授業内容の詳細は,第⚒編(2)で後述する。

講義開始時に配布したシラバスの変更は,基本的に認められていない。これはシラバスが学生

と大学との当該科目の内容に関する契約として解され,実際の講義内容とシラバスの記載内容に

食い違いが生じるとクレームの対象となるためである。そのため,スケジュールとトピックスに

ついては,滞りなく教授できるように,入念に計画しておく必要がある。

毎回の講義では,出席を取ることが求められ,講義開始時刻と終了時刻を厳守することが要求

される。そのため,教員は講義開始 10 分前には教室で授業準備を行う必要がある。学生の側も

講義開始時点にはほぼ着席している。

3.2.3 試験と成績評価

学生は総じて成績評価に敏感である。そのため,シラバスおよび初回のガイダンスにおいて,

成績評価や試験,プレゼンテーションなどの採点の基準,試験の方式などを事前に明確に示して

おくことが重要である。試験は授業の中,または定期試験期間に行う。2017 年度と 2018 年度に

おいては,全⚔回の試験を授業時間内に行っている。成績評価は,①試験,②日本語によるプレ

(19)

ゼンテーション(グループ発表ないし個人発表),③出席および宿題の提出状況,授業への参加に

よる総合評価としている。

最終的な成績評価は 12 月の第⚓週ごろまでに,Brigdge と呼ばれる所定の Web ツールを通じ

て,提出する。自分の成績について納得がいかない学生は,成績がわかった段階で,学内の調停

委員会に提訴することができる。

なお,学生はコース終了近くに,コース及び教師に対する評価やコメントを学内のコンピュー

図表 17 Japanese and Japanese Culture(2018)の授業スケジュール

(Thursday)

(Tuesday)

Session 1 (Sept 6)

Introduction

Session 2 (Sept 11)

Geography, Nature and Climate

Japanese greetings (1)

Session 3 (Sept 13)

Geography and History

Japanese greetings (2)

Session 4 (Sept 18)

History -Religion and

Ideology-Reading hiragana alphabets (1)

Session 5 (Sept 20)

History -Characters and

Words-Reading hiragana alphabets (2)

Session 6 (Sept 25)

First in class test

Reading katakana alphabets (1)

Session 7 (Sept 27)

Shrines and Temples

Reading katakana alphabets (2)

Session 8 (Oct 2)

Samurai warrior and Japanese castle

Writing katakana alphabets (1)

Session 9 (Oct 4)

Ninja

Making origami (1)

Session 10 (Oct 9)

Zen and Tea Ceremony

Writing katakana alphabets (2)

Session 11 (Oct 11)

Bushido (which means Samurai philosophy)

Writing hiragana alphabets (1)

Session 12 (Oct 16)

Second in class test

Writing hiragana alphabets (2)

Session 13 (Oct 18)

Japanese Performing Arts (1)-Kabuki and Noh

Writing name in Japanese

Session 14 (Oct 23)

Japanese Performing Arts (2) -Ukiyoe, Manga and

Animation

Kanji (Chinese characters) in Japanese (1)

Session 15 (Oct 25)

Japanese Performing Arts (3) -Statues, Figures and

craftsmanship

Making Origami (2)

Session 16 (Oct 30)

Japanese Traditional Food

Kanji (Chinese characters) in Japanese (2)

Session 17 (Nov 1)

How to give names to children in Japan

Writing your name in Kanji

Session 18 (Nov 6)

Sumo

This class will take place at the University Atrium as

part of the International Education Week. Attendance

is mandatory.

Session 19 (Nov 8)

Third in class test

Reading number in Japanese

Japanese greeting (3)

Session 20 (Nov 13) Reading Week

Session 21 (Nov 15) Reading Week

Session 22 (Nov 20)

Traditional Events and Songs in Japan

Phrase of self-introduction in Japanese

Session 23 (Nov 22)

Sports culture in Japan

Self-introduction in Japanese (1)

Session 24 (Nov 27)

Kids, Education in Japan

Self-introduction in Japanese (2)

Session 25 (Nov 29)

Housing in Japan and Manners

Self-introduction in Japanese (3)

Session 26 (Dec 4)

Fourth in class test

Japanese companies and work style

Self-introduction in Japanese (4)

(20)

タを使って学内の教育評価の担当部局に提出する。担当者には後日,その集計結果が渡される。

3.2.4 受講生の履修状況

2003 年度版では,学生の状況について以下のように紹介している。

2000 年の受講者は 42 名で,台湾,中国,香港,韓国,マレーシア,シンガポール,日本などに

ルーツを持つアジア系のカナダ人や留学生が多く,その他にアラブ系やロシア系の学生,ネイティ

ブ・カナディアンの学生,宗教の布教活動のため日本で⚒年間生活をしたことのあるカナダ人学

生など多彩なメンバーが含まれていた。日本人留学生も⚖名参加していた。まさに移民の国カナ

ダの現状が学生の顔ぶれにそのまま反映していた。

一方,2018 年秋学期の受講者は 38 名で,人種構成としては白人系カナダ人が過半数を占めて

おり,2000 年と比べると,随分と様変わりしているようである。履修の理由としては,異文化自

体に興味を持っているという理由のほか,漫画やアニメを通じて日本に関心を持ったためという

理由が間々みられた。

学年は⚑年生から⚔年生まで混在し,専攻分野もすべての学部にまたがっていた。日本語の科

目を履修している者も⚕,⚖人いたが,日本語での挨拶やごく簡単な会話ができる程度であった。

学生の中には卒業後に日本で英語指導助手として働くことを希望している者もいた。もちろん,

履修学生の多くは,総じて,日本に対して好意的である。

3.2.5 ⽝University of Lethbridge Guidebook⽞

レスブリッジ大学から送付される⽝University of Lethbridge Guidebook⽞を巻末の資料として

掲載した。内容は,講義運営などアカデミック関連の詳しい説明とインターナショナルセンター

管轄の生活面での対応が書かれている。付録としてレスブリッジ大学での授業シラバスの見本,

評価方法,教務日程なども記載されている。

(21)

⚔.待遇について

4.1 北海学園大学において

4.1.1 研究室

札幌での生活については歴代の交換教授が書き残したマニュアルが宿舎であるゲストハウスに

ある。北海学園大学の名前の由来から始まり,交流プログラムの目的,クラスの準備について,

所蔵資料リスト,大学の写真,学内地図,ゲストハウスの写真,電気系統について,電気機器の

操作方法,各公共交通機関の利用方法,観光ガイドなど細かな記載がある。VHS ビデオなど 30

年以上にわたる資料はもう利用できないものもある。2019 年度に⚒回目の赴任をされたブード

ロー先生が断捨離整理をした。研究室は利用されていない場所を利用するので移動する場合もあ

るが,当面は図書館棟⚕階の研究室が割り当てられている。

4.1.2 住居

レスブリッジ大学から札幌に着任する交換教授は大学のゲストハウスを宿舎としている。宿舎

は⚒階建てで,⚒階は以前レスブリッジ・コミュニティー・カレッジ(LCC)と北海高校と札幌商

業高校の交換プログラムで赴任している教員用となっていたが,現在は利用されていない。⚑階

部分を大学の交換教授が使用している。居間,キッチン,バスルーム,畳の部屋,⚒寝室からな

る。居間にはテレビ,ビデオがあり NHK 衛生放送を受信している。その他,洗濯機,乾燥機,電

子レンジオーブン,炊飯器などがある。宿舎にはインターネットに接続している。たいていの交

換教授はレスブリッジ大学のアドレスを続けて使用している。

4.1.3 金銭の支給

旅費として,本人に対して正規の航空運賃が支払われる。配偶者の旅費は⚓分の⚑が北海学園

大学負担となっている。子供の旅費は支給されない。そして,役職により月 29 万~37 万円の給

与が支払われる。在留カードを所持する。

札幌滞在期間中,⚑泊の視察旅行の予算もある。日本語が全くできない交換教授にはこの視察

旅行のための引率が必要となる。引率はカナダコース小委員会の委員が担当している。

4.1.4 歓送迎会

札幌で行われる大学での歓迎会は学長主催である。カナダコース小委員会委員長と交換教授レ

スブリッジ大学へ派遣予定の教員,派遣をおえて帰国した教員,国際交流委員長などが出席する。

送別会はカナダコース小委員会委員長が主催しカナダコース委員が出席する。

(22)

4.1.5 支援体制

北海学園では庶務課の中の国際交流係が到着からお世話をしている。子供の学校の手配もす

る。小学生は近くの旭小学校に通うことが多い。高校生は北海高校に通学できる。市内のイン

ターナショナルスクールに通学させる方法もある。

4.1.6 その他

レスブリッジ大学交換教授は,次年度レスブリッジ大学に派遣される北海学園大学交換教授と

数回のミーティングを行い,レスブリッジ大学の授業環境や成績評価について情報提供する。ま

たシラバス執筆時は内容について助言し校正などでサポートをする。レスブリッジ大学で授業が

開始されるとメンターとして助言,サポートを交換教授にする。

4.2 レスブリッジ大学において

4.2.1 研究室

交換教授の研究室は,University Hall という大学の中心的な建物にある。ただ,どの階層,ど

のブロックの研究室が割り当てられるかは,その時々の状況によって異なるようである。教室が

近接している場合もあるし,教室まで 10 分ほどかかるような場合もある。

研究室は,⚓畳から⚖畳程度の広さ(どの研究室が割り当たるかによって変わる)で,コンピュー

タ(Windows 10)が設置されており,個人の ID とパスワードでログインする(図表 18)。研究室

内にプリンターは用意されておらず,プリントアウトは,大学構内の各所に設置されているコピー

複合機に,このコンピュータからデータを送信する形で行う。また,電話が設置されており,学

内及び市内は無料で使用できる。

研究室の本棚には,歴代の交換教授が持ち込んだ本(歴史,地理,政治経済の教科書や資料集),

彼らの作成した配布資料等が残されている。

図表 19 レスブリッジ大学 研究室

(23)

4.2.2 住居

住居は,大学内のアパートメントの⚑室が割り当てられる

1

。ここ数年は,大学図書館から徒歩

⚑~⚒分の Siksika House の#3 である(図表 20)。⚑階部分が玄関で,階段を上がるとリビング

とキッチンがある。⚓階部分に⚒つの寝室とバスルームがある。寝室は,⚑つにキングサイズの

ベッドが,もう⚑つにシングルベットが⚒つ入っている。毛布,シーツ,タオル,石鹸,シャン

プーなど,生活に必要なものはすべて揃っている。

宿舎にある備品は,電子レンジ,フルオーブン,炊飯器,コーヒーメーカー,冷蔵庫,和洋食

器,掃除機,テレビ等である。しかし,パソコンは設置されておらず,アパートメントで各種の

作業をしたい場合には,パソコンを持参する必要がある

2

。なお,Wifi はフリーで接続できるもの

(Guest@UofL)と大学の ID とパスワードで接続するもの(UofL)の⚒種類を利用することがで

きる。

4.2.3 金銭の支給

当地での講義に当たり,レスブリッジ大学から,①渡航費と②生活費が支給される。

前者の渡航費は,本人に対して,正規の航空運賃が支払われ,配偶者を帯同する場合にはその

図表 20 Siksika House

1

学生用のアパートメントでもあり,隣室には学生が住んでいる。

2

2018 年 12 月末時点において,前任者が購入したインクジェットプリンターと 20 インチモニター,PC 用ス

ピーカーが残されている。

(24)

⚒分の⚑が支払われる。子供に対する渡航費の支給はない。家族を帯同した 2018 年度の赴任に

際しては,レスブリッジ大学到着後,8300 カナダドルが支給された

3

。ただし,渡航に要した金額

を,レスブリッジ大学の経理部門に対して経費として申請する必要があり,航空券購入費,宿泊

費,その他移動費の領収書ないし Invoice を,到着後速やかに提出する必要がある

4

後者の生活費は,⚑日につき 50 ドルが支給され,月末にカナダの銀行口座にまとめて振り込ま

れる。⚙月は 1350 ドル,10 月は 1550 カナダドル,11 月は 1500 ドル,12 月は 900 カナダドルで

あった。

また,北海学園大学からは,レスブリッジ大学への赴任に当たり,支度料として 10 万円と滞在

費として 372,290 円が支給された

5

4.2.4 歓送迎会

着任時に歓迎会が,離任時には送別会が開かれる。歓迎会は,学長をはじめ,これまで北海学

園大学に交換教授として赴任された教員やその家族が招待された大規模なものである。

送別会は,交換教授が招待者と場所をインターナショナルセンターのスタッフと相談しながら

決める。費用はインターナショナルが負担し,毎年 10~15 名程度で開催される。

4.2.5 支援体制

現地での生活,銀行,ビザ関係や住居に関することなどすべてはインターナショナルセンター

のスタッフの担当となっている。

4.2.6 その他

交換教員は,レスブリッジ大学の Visiting professor という身分が与えられる。そのため,図書

館やジムを中心とした大学施設を無料で利用することができる。

3

小切手で手渡されるので,カナダの銀行で入金する必要がある。カナダの銀行口座を保有していない場合は,

国際交流担当者帯同の下で,現地で開設する。この口座は,帰国前に閉鎖する(維持することも可能であるが,

口座維持手数料がかかる場合がある)。

4

可能な限り,英語での表記が望ましい。

5

正規業務での渡航・滞在として,レスブリッジ大学との契約期間+前後各⚗日までが認められ,滞在費の支給

対象となる。

国内移動:10,320 円×1 日

契約前の準備活動:41,280 円=10,320 円×2/3×6 日

レスブリッジ大学との契約期間中

234,940 円=(6,880 円-4,116 円)×85 日

41,610 円=(6,330 円-4,116 円)×19 日

契約期間後の活動:44,140 円=9,460 円×2/3×7 日

⚓か月までの滞在と⚓か月以上の滞在で,⚑日当たりの滞在費用が変わり,レスブリッジ大学支給分について

はその時々のレートで日本円に換算され,減算された形での支給となる。

(25)

⚕.交換プログラムの課題

5.1 北海学園大学カナダ・コース授業の課題

2003 年版で課題としてあげられていたのは,⚑)カナダ・コース小委員会内部での引継ぎ,⚒)

授業や業務についての文書化,⚓)コーディネータの負担の軽減,⚔)英語版の出席簿と採点表

の作成,⚕)授業の方式についてであったが,今日までにその大部分は解決され更新されている。

⚑)委員会の引継ぎと⚒)授業や業務については,⽝Canadian Nature and Society Course

Teaching Guidelines⽞(カナダコース小委員会作成)が完成し,委員会や委員の役割について記載

され毎年引き継がれている。⚓)コーディネータの負担の軽減については,2008 年後期よりコー

ディネーター(通訳)を配置するのをやめ授業をすべて英語で行うことにした。当初は,コーディ

ネーター無しで大丈夫かという懸念もあったが,第⚑週と第⚒週に同委員が授業に同席し,シラ

バスの内容,試験,成績評価などについて交換教授の説明の後日本語で確認するなどのサポート

を行った。その結果,そのような懸念もなくなり現在まで支障なく授業が行われている。受講人

数は一クラス最大 40 名前後となり,交換教授と受講学生とのコミュニケーションも密になって

いる。

⚔)出席簿の英語表記も実現した。成績評価はマークカード記入から Web 記入となった。し

かし課題もあり,LMS の成績記入サイトは英語版にすることは可能であるが,学生の氏名は日本

語表示となっている。そのため交換教授はカナダコース小委員会委員のサポートの元,成績記入

を行っている。⚕)授業方式については,2003 年度版では⚔コマすべてを同じ講義内容で行うの

は如何なものかと今後の課題としてあげられていたが,その後その中の一コマはゼミ形式に行う

ように変わり,この点についても改善されている。

レスブリッジ大学交換教授が受け持つ⽛カナダの自然と社会ⅠⅡ⽜は本学で数少ない英語オン

リーの授業である。人文学部英米文化学科や経営学部経営情報学科の学生が英語能力の向上やカ

ナダの授業方法に慣れるために,語学研修や留学の前に履修することも多い。また,帰国後に履

修し英語力の保持に努める学生もいて,授業や特にゼミでは活発な議論が行われている。オフィ

スアワーに毎週面談し,交換教授と授業外で交流している学生も毎年見られる。

5.2 レスブリッジ大学派遣交換教授の課題

以前は,⚑)事前に向こうでの授業をどのようにしたらいいかなどの情報がなかったこと,⚒)

ビザ取得や授業内容などに関する教員間の引継ぎがうまくいかないこともあった。今は

⽝University of Lethbridge Guidebook for Hokkai-Gakuen Visiting Professors⽞が完成しレスブリッ

ジ大学における授業や生活について毎年更新された一連の冊子が届くようになり,これらの点は

ほぼ解消されている。派遣交換教員間の引継ぎもおおよその流れができてきているので,大きな

課題もなくなってきている。

(26)

⚑)事前の授業の準備については,帰国した交換教授から次の派遣予定教員に授業の情報が電

子情報で引き継がれている。また,レスブリッジ大学の研究室には歴代の交換教授が残した印刷

資料,USB がファイルされ保管されている。レスブリッジ大学で利用している教育用ネットワー

クプラットフォームである Moodle に交換教授が保存したファイルを次の交換教授が利用できる

ように検討されている。

派遣前にレスブリッジ大学からの派遣教授とシラバス作成や Moodle の操作方法,学内事情な

ど面談を重ね事前に多くの情報を得る機会があるので課題は解消されつつある。

⚒)ビザの取得については,現在は派遣教員が国際交流課のサポートを受けつつペーパーワー

クのすべてを自分で行っている。就労ビザ取得のための作業はすべて自前で行わなければならな

い。前任者からの引継ぎファイルがあるのである程度作業量は軽減されたが,赴任前に毎日の授

業をこなしながら,これらの膨大な作業を一人で行うのはたいへんである。この他に,後期不在

中の授業を担当してもらう非常勤講師探し,時間割の調整などレスブリッジ赴任までにしなけれ

ばならないことは多い。公務である教員交換プログラムの充実と発展のため,今後のサポート体

制のさらなる充実が課題となっている。

⚖.教員交換プログラム参加者の感想

6.1 レスブリッジ大学交換教授(北海学園大学受け入れ)

Reflections by Bob and Suzan Boudreau

December 20 2019

Suzan and I first arrived in Sapporo on April 11 of 1988. A generation later on September 18 2019

we arrived again in Sapporo staying at the same Guesthouse.

Here is a sampler of our reflections on what has changed and what remains the same after 31

years.

The Guesthouse has been renovated with new furniture, TV, and artwork but the setup has

stayed pretty much the same with the tatami mat room, the beds in back bedroom, and the “safe”

in the closet.

The early morning and evening chants from the nearby field were also a familiar and welcome

reminder of how much the Japanese people love their baseball, both in 1988 and 2019.

Although some of the clothing and hairstyles have changed along with the addition of personal

masks, students remain the same with their keen interest and desire to learn English and learn

about all things Canada. And unlike 1988, I did notice and appreciate that no students were

sleeping in my lectures this time around.

Whether it is reconnecting with old friends or meeting new folks for the first time, what has not

changed is the kindness that all here in the Guesthouse neighborhood and the Hokkai-Gakuen

(27)

family share with visiting Canadians and their families.

Suzan and I were without baby Rylan on this visit and as a result we were freer to explore

Japanese culture, language, sporting events and surroundings. We visited hot springs and Otaru

both in 1988 and 2019, but this time without the friendship and guidance of Kiyoshi Wakai who

passed away earlier this year. There is a plaque in the back-garden area of the Guesthouse

acknowledging his contributions over the last 30 years. All of our U of L Hokkai-Gakuen alumni

miss Kiyoshi dearly.

Our most recent visit was in the fall semester whereas in 1988 we visited Japan in the spring. So,

this time, we did not get to enjoy the cherry blossoms and picking cherries in Shakotan. But we did

get to visit a variety of new places including Lake Toya, Hiroshima and Miyajima.

This fall we were able to take the subway right from campus to anywhere in the cosmopolitan city

of Sapporo.

The greatest difference, really a sea change in the time between our two visits, can be summed up

in one word: Technology. On this most recent trip we had access to iphones and all the relevant

“apps,” including FaceTime, WhatsApp, and Goggle Translate, WiFi, international TV, four

computers, two printers, email, and power point slides and notes for the classroom delivery. In

terms of teaching and living we stayed up-to-date and connected to the world. In 1988, we had

NONE of these. I came with a carousel or two of actual slides along with a few reference books and

VHS videos. There was also a limited selection of Canadiana references in the Hokkai-Gakuen

faculty office. And with the help of my two translators, Oue-sensei and Goto-sensei, I typed out

English summaries that the students of 1988 could then use to write their own Japanese

translations on each lecture worksheet.

Our generational experience and the friendships we have made through the Hokkai-Gakuen—U of

L exchange have been life changing and will forever be with us, a part of us!

DŌMO arigato gozaimashita.

Suzan and Bob Boudreau



感想

ロバート & スーザン ブードロー

2019 年 12 月 20 日

妻のスーザンと私は 1988 年⚔月 11 日に札幌に着いた。そして一世代後,2019 年⚙月 18 日にふ

たたび札幌を訪れ同じゲストハウスに滞在した。ここに 31 年の時を経て変わったこと,変わら

(28)

ず同じだったことを感想として述べたい。

ゲストハウスは改修され,家具,テレビ,ネットワークは更新されていた。ネットワーク接続状

況や畳の部屋,奥の寝室,戸棚の金庫は同じだった。早朝や夕方に隣の野球練習場から聞こえて

くる掛け声はなつかしく,我々を歓迎しているようだった。1988 年同様,日本の人々はなんと野

球が好きなのかということを思い起こさせてくれた。学生の服装のファッションやヘアスタイル

は変わっていた。それに今回は顔を覆うマスクが加わっていた。しかし学生の英語を向上させ

た,カナダについて学びたい,という強い関心と願望は変わっていない。1988 年と特に違ってい

たのは,私が見る限り今回は授業中居眠りをする学生を一人も見なかったことである。

30 年来の古い友人と再会しても新たな友人と出会った時も,変わらなかったのはゲストハウス近

隣の住民や北海学園ファミリーが示してくれたカナダ交換教授とその家族への親切である。

スーザンと私は 30 年前には赤ん坊の Rylan を同伴していた。今回赤ん坊はいないのでより自由

に日本文化,言語,スポーツ観戦,近隣散策などを楽しむことができた。温泉や小樽に 1988 年と

2019 年両方行った。しかし,今回は若井清氏のガイドや友情がなかった。若井氏は今年前半にご

逝去されていた。ゲストハウスの裏庭に記念の銘板が設置され 30 年以上に渡る清さんの貢献の

証を示していた。レスブリッジ大学交換教授件 OB,OG は全員清さんが居なくなったことをた

いへん残念に思っていることを伝えたい。

1988 年には我々は春学期に赴任した。今回は秋学期である。残念ながら今回はお花見や積丹で

さくらんぼ狩りはできなかった。その代わり,洞爺湖,広島,宮島など他のいろいろな場所を訪

れた。今回はキャンパスからすぐの地下鉄を利用して札幌という国際都市のどこにでも行くこと

ができた。

この⚒回の赴任で我々が経験した一番の違いは,テクノロジーという言葉で集約されるかもしれ

ない。今回は iPhone へのアクセスがあり FaceTime, WhatsApp, and Goggle Translate, WiFi,な

どの必要なアプリが利用できた。国際テレビ,⚔台の PC,⚒台のプリンター,E-メール,PPT

スライド,クラスで配布したレジメも利用できとてもよかった。授業と暮らしについてはすべて

が更新され世界とつながっていた。1988 年当時はこれらのひとつとして我々は持っていなかっ

た。私は前回⚒台のスライドトレーを参考文献や VHS ビデオとともに持参していた。北海学園

大学の研究室には,Canadiana の参考文献も数冊ある。当時の⚒名のコーディネーターである大

江先生と後藤先生の助けを借り私は英語版の授業要約をタイプし,1988 年度の学生はそれを講義

ノートとして講義中そこに日本語で内容を書き取っていたのである。

北海学園とレスブリッジ大学の交流におけるひと世代を超える経験と友情は人生を変えるような

インパクトがあった。そしてこれからも永遠に人生をかえるような出来事であることにまちがい

はないだろう。

どうもありがとうございました。

スーザン,ボブ ブードレー

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6.2 Kiyoshiʼs Tree

若井清さんはゲストハウスの隣人でした。北海学園大学とレスブリッジ大学との教員交換事業

になくてはならない人でした。この 30 年余り多くの交換教授とその家族と日々交流し素晴らし

い札幌の思い出を彼らに与えてくださいました。北海学園大学はその実践に対して感謝の気持ち

を伝えるとともに記念品をお渡ししたいお伝えしたところ,清さんは最初固辞されました。それ

でも無理にもらって頂きました。翌年 2019 年⚕月,清さんは突然旅立たれました。その知らせ

はすぐにレスブリッジ大学の交換教授に伝わり SNS に発信され,世界中にちらばっていた元交

換教授達から次々にお悔やみの言葉が寄せられました。告別式には歴代のレスブリッジ大学交換

教授とその家族から以下の弔電が寄せられました。

Plaque 銘板

Sugar Maple Tree 植樹 ブードロー教授夫妻(中央)

ヘイズ教授一家(中央)見送り 2018 年

若井清氏(左から⚒番目)

図表 6 Maclean カナダ大学ランキング(学部) by Macleanʼs Oct 3, 2019 Overall
図表 7 レスブリッジ大学構内図
図表 9 レスブリッジ大学写真 2 Dhillon Business School
図表 11 インターナショナルセンター 入口とロビー
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参照

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