日本基準トピックス
会計制度委員会報告第7号「連結財務諸表における
資本連結手続に関する実務指針」等の改正について
■主旨
2014年3月3日 第247号 2014年2月24日、日本公認会計士協会(JICPA)は、会計制度委員会報告第7号「連結財 務諸表における資本連結手続に関する実務指針」等の改正を公表しました。 本改正は、企業会計基準委員会(ASBJ)により2013年9月に改正された企業会計基準 第21号「企業結合に関する会計基準」および企業会計基準第22号「連結財務諸表に関 する会計基準」等に対応するため、JICPAの関連する実務指針等の改正を行うものです。 ・ 原文については、JICPAのウェブサイトをご覧ください。 http://www.hp.jicpa.or.jp/index.html1.改正対象とされた実務指針等
本改正は、企業会計基準委員会(ASBJ)により 2013 年 9 月に改正された企業会計基準第 21 号 「企業結合に関する会計基準」および企業会計基準第 22 号「連結財務諸表に関する会計基準」 等に対応するため、JICPA の関連する実務指針等の改正を行うものです。 本改正で改正対象とされた実務指針等は次の通りです。 (1)会計制度委員会報告第 4 号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」 (2)会計制度委員会報告第 6 号「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」 (3)会計制度委員会報告第 7 号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」 (4)会計制度委員会報告第 7 号(追補)「株式の間接所有に係る資本連結手続に関する実務指針」 (5)会計制度委員会報告第 8 号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に 関する実務指針」 (6)会計制度委員会報告第 9 号「持分法会計に関する実務指針」 (7)土地再評価差額金の会計処理に関するQ&A (8)金融商品会計に関するQ&A2.主な改正内容
(1) 支配継続時の子会社に対する親会社の持分変動による差額の会計処理 企業会計基準第 22 号「連結財務諸表に関する会計基準」では、従来の取扱いでは子会社株式 の追加取得により生じた差額はのれん、一部売却(支配は継続)により生じた差額は損益として 処理することとされていましたが、2013 年 9 月の改正により、いずれの差額も資本剰余金として 処理することとされました。 本実務指針等の改正では、上記の会計処理の変更に伴う連結手続の修正に加えて、次の処理 が示されています。 項目 内容 ① 親会社の持分変動に よる差額(資本剰余金)に 関連する法人税等の処理 (連結税効果実務指針 39 項、57-2 項) 子会社株式の一部売却(支配は継続)において、関連する法人税 等(子会社への投資に係る税効果の調整を含む)は資本剰余金 から控除する(連結会計基準(注 9)(2))。相手勘定は、法人税、住 民税及び事業税とする。 この場合に資本剰余金から控除する法人税等相当額は、売却元 の課税所得や税金支払額にかかわらず、原則として、親会社の持 分変動による差額(売却により生じた親会社の持分の減少額と売 却価額との差額)に法定実効税率を乗じて算定する。 ② 追加取得や子会社の 時価発行増資等により生 じた資本剰余金に係る一 時差異と会計処理 (連結税効果実務指針 40 項、40-2 項) 子会社株式の追加取得により生じた差額や、子会社の時価発行 増資等に伴い親会社の持分比率が増加または減少したことにより 生じた差額は、一時差異に該当する。 これらの一時差異に係る繰延税金資産または繰延税金負債を計 上する場合、相手勘定を資本剰余金として計上する。 ③ 支配獲得後に追加取 得や一部売却等が行わ れた後に、子会社株式を 一部売却し、持分法適用 関連会社となった場合に おけるのれんの取扱い (資本連結実務指針 45-2 項、66-6 項) 次のような状況においては、関連会社として残存する持分比率に 相当するのれんの未償却額の算定は、支配獲得後の持分比率の 推移等を勘案し、適切な方法に基づき行う。 支配獲得後に追加取得が行われ、その後子会社株式を一部 売却し関連会社になった場合(例えば、持分比率が 60%→ 80%→30%と推移した場合) 支配獲得後に子会社株式を一部売却し(支配は継続)、その 後さらに子会社株式を一部売却し関連会社になった場合 (例えば、持分比率が 80%→60%→30%と推移した場合) 適切な方法としてはいくつかの考え方があり得るが、例えば以下 の方法などの中から適切な方法を用いる。 支配獲得後の持分比率の推移等を勘案し、のれんの未償却 額のうち、支配獲得時の持分比率に占める関連会社として残 存する持分比率に相当する額を算定する方法 支配喪失時の持分比率に占める関連会社として残存する持 分比率に相当する額を算定する方法④ 子会社株式を売却し 連結範囲から除外する場 合の過去に計上した資本 剰余金の処理 (資本連結実務指針 49-2 項、68-2 項) 過去の子会社株式の追加取得および一部売却(支配は継続)によっ て生じた資本剰余金は、支配を喪失して連結範囲から除外する場合 でも、引き続き、連結財務諸表上、資本剰余金として計上する。 資本剰余金が負の値となり、当該負の値を利益剰余金から減額す る処理(連結会計基準 30-2 項)を行っていた場合には、連結範囲 から除外された後も当該処理は、連結財務諸表上、引き継がれる。 ⑤ 子会社株式の一部売 却(支配は継続)に伴う為 替換算調整勘定の処理 (外貨建取引等実務指針 42-3 項、76 項) 子会社株式の一部売却(支配は継続)を行った場合、為替換算調 整勘定のうち親会社の持分比率の減少割合相当額は資本剰余金 に含めて計上する。 (2) 取得関連費用の会計処理 企業会計基準第 21 号「企業結合に関する会計基準」では、従来の取扱いでは取得の対価性 が認められる外部のアドバイザー等に支払った特定の報酬・手数料等は取得原価に含めること とされていましたが、2013 年 9 月の改正により、当該取得関連費用は発生した事業年度の費用 として処理することとされました。 本実務指針等の改正では、上記の会計処理の変更に伴い次の処理が示されています。 項目 内容 ① 子会社株式を売却し 持分法適用関連会社とな った場合における付随費 用の処理 (資本連結実務指針 46-2 項) 子会社株式の売却により、支配を喪失して子会社から関連会社と なり、持分法を適用することとなった場合には、連結財務諸表上、 関連会社株式の投資原価には支配喪失以前に費用処理した支 配獲得時の付随費用を含めない。 ② 子会社株式を売却し その他有価証券となった 場合における付随費用の 処理 (資本連結実務指針 46-2 項) 子会社株式の一部を売却し、子会社が連結子会社及び関連会社 のいずれにも該当しなくなった場合、連結財務諸表上、残存する 当該被投資会社に対する投資は、個別貸借対照表上の帳簿価額 をもって評価する(連結会計基準 29 項)。 この場合において、個別財務諸表上の売却簿価に含まれている 付随費用のうち引き続き保有する部分に対応する額については、 連結株主資本等変動計算書上の利益剰余金の区分に連結除外 に伴う利益剰余金減少高(又は増加高)等その内容を示す適当な 名称をもって計上する。 ③ 持分法適用非連結子 会社の会計処理 (持分法実務指針 2-2 項、3-2 項) 持分法適用非連結子会社は、連結の範囲から除いても連結財務 諸表へ与える影響が乏しいために持分法を適用しているものであ る点を踏まえると、以下の 2 つの会計処理については、連結子会 社の会計処理に準じた取扱いまたは関連会社と同様の取扱いの いずれもが認められる。
(ア) 取得関連費用および付随費用の会計処理 連結財務諸表上、取得関連費用は発生した事業年度の費 用として処理する(連結子会社の会計処理に準じた取扱い) 連結財務諸表上、個別財務諸表上で株式の取得原価に含 まれた付随費用は投資原価に含まれる(持分法適用関連会 社と同様の取扱い) (イ) 子会社株式の追加取得や一部売却等の会計処理 子会社株式の追加取得や一部売却等(支配は継続)の際に 生じる差額は資本剰余金として処理する(連結子会社の会計 処理に準じた取扱い) 追加取得により生じた差額はのれん、一部売却(支配は継続) により生じた差額は損益として処理する(持分法適用関連会 社と同様の取扱い) (3) その他の改正 項目 内容 ① 複数の取引が一つの 企業結合等を構成してい る場合の取扱い (資本連結実務指針 7-3 項、7-4 項、66-4 項) 子会社株式を段階的に取得する場合や売却する場合において、 複数の取引が一つの企業結合等を構成しているものとして一体と して取り扱われるかどうかは、事前に契約等により複数の取引が一 つの企業結合等を構成しているかどうかなどを踏まえ、取引の実 態や状況に応じて判断するものと考えられる。 子会社株式を段階的に取得する取引(例えば、第 1 四半期に 60%の株式を取得して支配を獲得、第 3 四半期に 20%の株式を 追加取得)が存在し、これらの取引が一体として取り扱われる場 合、追加取得した取引においても、資本剰余金ではなく、のれん を計上する。当該のれんについては、支配獲得時に計上されてい たものとして、追加取得時までののれんの償却相当額を追加取得 時に一括して費用として計上する。 ② 連結範囲の変動を伴 わない子会社株式の追加 取得又は一部売却に関す るキャッシュ・フローの区分 (連結キャッシュ・フロー実 務指針 9-2 項) 連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得または売却に係 るキャッシュ・フローについては、当該変動に関連するキャッシュ・ フロー(関連する法人税等に関するキャッシュ・フローを除く)を、 非支配株主との取引として「財務活動によるキャッシュ・フロー」の 区分に記載する。 なお、上記に関連して生じた費用に係るキャッシュ・フローは、 「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する。
3.適用時期等
本実務指針等の改正は 2013 年 9 月に改正された「企業結合に関する会計基準」および「連結 財務諸表に関する会計基準」と同時に適用することとされています(原則として 2015 年 4 月 1 日 以後開始する事業年度および連結会計年度の期首から適用)。 なお、「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」52-11 項では、改正「連結財務 諸表に関する会計基準」の適用時点におけるのれんの未償却残高について、一定の経過措置 も設けられています。 注 「企業結合に関する会計基準」および「連結財務諸表に関する会計基準」等の改正については、以下 をご参照ください。 http://www.pwc.com/jp/ja/assurance/research-insights/accounting/japan-topics/2013/standards-busin ess-combinations130919.jhtml 本資料は概略的な内容を紹介する目的で作成されたもので、プロフェッショナルとしてのアドバイスは含まれていません。個別にプロフェッショナル からのアドバイスを受けることなく、本資料の情報を基に判断し行動されないようお願いします。本資料に含まれる情報は正確性または完全性を、 (明示的にも暗示的にも)表明あるいは保証するものではありません。また、本資料に含まれる情報に基づき、意思決定し何らかの行動を起こされ たり、起こされなかったことによって発生した結果について、あらた監査法人、およびメンバーファーム、職員、代理人は、法律によって認められる範 囲においていかなる賠償責任、責任、義務も負いません。© 2014 PricewaterhouseCoopers Aarata. All rights reserved.
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