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上動産証券化に係る参考雛形付き手引書(案)

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Academic year: 2021

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地方都市における開発・長期保有型不動産証券化に係る参考雛形付き手引書イメージ(未定稿) 【構成(案)】 1.はじめに (1)目的、検討の方向性 (2)地方中心商店街再生の資金調達 ①基本的考え方 1)開発型 2)小規模 3)商業施設 4)長期保有 (3)資金調達の考え方 ①金融機関・投資家からのノンリコースローン等確保のための条件 1)民間金融機関(ノンリコースローン、特定社債等) 2)投資家(匿名組合出資、優先出資証券、私募社債等) ②地域関係者(地権者、行政、市民)の参画確保のための仕組みと条件整理 1)地域関係者の属性 2)地域関係者の参画確保のための仕組み 3)地域関係者の参画確保のための条件整理 2.ファイナンススキームの特徴と留意点 (1)プライベートエクイティファンド(投資事業有限責任組合) ①進め方 ②留意点 (2)TMK(現物譲渡方式) (3)GK-TK 3.資金調達の進め方 (1)初動段階 (2)計画策定段階 (3)不動産利用権集約化・施設設備の実施段階 (4)運営管理段階 4.まとめと今後の課題 <参考資料>地方都市における開発・長期保有型事例

資料2

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1.はじめに (1)目的、検討の方向性 ・地方中心商店街再生に向けて、不動産証券化等を活用した事業スキームについて関係 者の理解を得ていくための手引き書とする。 ・国土交通省による地方における不動産証券化推進への取り組みを踏まえつつ、地方中 心商店街再生への適用を想定し、「開発型、小規模、商業施設、長期保有」のケースを 対象にした検討を行い、参考雛形付き手引き書としてまとめる (2)地方中心商店街再生の資金調達 ①基本的考え方 地方中心商店街再生における資金調達の基本的考え方は「開発型、小規模、商業施設、 長期保有」をおさえることが重要 1)開発型 初期段階から将来建設される建物の収益や売却代金を返済原資として資金調達を 行うのが原則であるが以下が課題となる。 <キーワード> ・リスクの明確化やリスク・シェアマネジメント ・開発段階におけるリスクの特定 ・リスク評価のために開示すべきデータの標準化やリスクを細分化 ・それぞれのリスクをプレーヤーがシェアし適正にマネジメント ・公的主体のリスクの補完 ・政策的意義のある開発事業は公的主体等による出資 ・債務保証等でリスクを補完 ・インフラの整備や事例の積み重ね ・プロジェクトマネジャー等の人材の育成 ・リスク評価に資する情報開示の推進などのインフラを整備 ・実現可能性のある開発事業はフィージビリティスタディ等を行ったうえで モデル事業を推進し、事例の積み重ねを行う ・特有のファイナンスリスク ・土壌汚染、コストオーバーラン、工事遅延、テナント確保、災害などのリ スクは金融機関ではとりきれないので補完できるゼネコン等の協議が必要 ・請け負うゼネコンの破綻リスク 2)小規模 地域の中心商店街によっては地権者との交渉次第で大規模な再開発が不可能な場 合が想定されるために小規模な主体で様々なファイナンスコストを吸収できるかが

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重要になる <キーワード> ・有力なテナントの誘致 ・テナントからの収益と運営維持費とのバランス ・証券化によってプレーヤーが増えることによる様々なコスト増 ・金商法等、法的規制をクリアするためのコストバランス 3)商業施設 地域の中心商店街の再生を考えると開発主体は商業施設となることが想定され、 商業施設の様々なリスクを検討していくことが重要 <キーワード> ・同一需給圏内における競合店の進出 ・地域消費購買力の低下 ・テナントの退店などのマーケットリスク ・キーテナントの撤退 ・テナントリーシングリスク ・シネコンやスポーツ施設などの特殊施設の場合におけるテナント入替えリスク ・大店立地法などの法的手続き 4)長期保有 開発主体となるまちづくり会社は3~5年程度で出口売却、という一般的な証券 化スキームとは一線を画し、最低でも20~50 年という長期スパンでの運用を想定す ることが必要 <キーワード> ・金融機関の融資姿勢 ・リファイナンス ・スポンサーの保証 ・長期安定させるための仕掛け ・減価償却の考え方 ・出口のシナリオ (3)資金調達の考え方 ①金融機関・投資家からのノンリコースローン等確保のための条件 1)民間金融機関(ノンリコースローン、特定社債等) ・ノンリコースローンへの対応状況の確認 ・地域再生に長期的に取り組み可能な金融機関の選別(地銀、第二地銀)

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⇒地場金融機関としての地域再生への貢献(リレーションシップバンキングと しての存在意義) ・返済期限到来時(リファイナンス)の対応方針 ⇒長期運用の視点から、リファイナンスは大前提 ・特定社債の引受可否(TMK の場合) ・事業収支計画表、スキーム図、物件概要書等の必要資料を提出 ・ローン諸条件の確認 (LTV、金利、融資手数料、期間、テール期間、アモチ、積立金・留保金、ウォー ターフォール、表明・保証、コベナンツ、DSCR 等) ・関係者の選定や条件交渉(レンダー、信託銀行、弁護士、会計士等)に関して、 ファイナンス・アレンジメント業者への業務委託も検討。 2)投資家(匿名組合出資、優先出資証券、私募社債等) ・キャピタルゲインを狙わず、インカム収入に着目した長期スパンでの運用とする ことから、地元関係者(地権者、自治体、地場企業等)を中心に資金調達。 ・公的制度の利用(都市再生ファンド等) ・配当利回りの目線(シミュレーション表の作成) ・募集方法(地権者の取りまとめや証券会社の選定等) ②地域関係者(地権者、行政、市民)の参画確保のための仕組みと条件整理 1)地域関係者の属性 ・地域関係者として想定される主体を整理。市民、企業、地方公共団体、生協、商 工会議所もしくは商工会、商店会、自治会等の既存の主体はもとより、新たな主 体としてTMO(まちづくりをマネジメントする組織)、中心市街地整備推進機構、 まちづくりにとりくむNPO組織、タウンマネジャー等 ・地域関係者住民の参加を取り込みや、公的機関による支援など幅広い関係者から の協力確保の検討 2)地域関係者の参画確保のための仕組み ・仕組みを検討するうえで既に実現している地域密着金融手法を洗い出し、地域関 係者からの資金調達に応用できるか検討(例:まちづくりファンド(民間都市開 発推進機構)、街なか居住再生ファンド((社)全国市街地再開発協会)、中小機構、 コミュニティクレジット(日本政策投資銀行)、ミニ公募債、地域共生ファイナン ス(中央労働金庫)、市民バンク、マイクロファイナンス、コミュニティファンド (NPO)、社会投資ファンド、ショア銀行、未来バンク事業組合など)。また、 地域関係者の受け皿として、相互扶助・非営利という特性を有する協同組織金融

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機関やNPO機関等の検討。 ・リスク管理体制、収益管理体制、債権回収体制、ガバナンス・コンプライアンス 整備、検査・監督体制など地域関係者側におけるマネジメント体制の構築 ・地域の特性に応じたリターン手法(配当+付加価値サービス、社会貢献)を構築 した地産地消の取り組み ・地域関係者の目線に合わせた資料の整備や説明会の実施により参画意識を向上 ・地域関係者と取引のある地域金融機関・証券会社等との連携 ・本件は単なる純投資ではなく、中心商店街の再生に必要な投資であるというビジ ョン・価値観などを共有 3)地域関係者の参画確保のための条件整理 ・地域関係者の参画による各々のメリット・デメリットを整理 ・地域特性を定量的に把握すること ・投資リターンの透明性確保 ・地域関係者を呼び込むための呼び水的役割を果たす補助金・助成金の整理 ・法的問題や相続問題等、不測の事態が発生した場合の対応策の整理 ・スキーム構築、収益モデル、トランザクションコスト、維持コスト等の検討 ・中心商店街の運営主体(SPC等)と投資家たる地域関係者を束ねる主体は別個 にマネジメントすべきか等、個別問題の整理

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2.ファイナンススキームの特徴と留意点 (1)プライベートエクイティファンド(投資事業有限責任組合) ・以下、脚注に記載された関係法令の解釈等は、通説的なものであるが、研究会の検討をまとめたものであり、実際に行うときは 個別に確認することが必要である。 ※1 金融商品取引法により、適格投資家1人以上であり、一般投資家が49人以内でない場合、第二種金融商品取引業及び 投資運用業の登録、有価証券報告書の届出が必要となる(なお、本ケースでは投資事業有限責任組合が適格投資家となる)。 また、組合設立・出資募集に6ヶ月以上あける等必要あり。投資運用業については、登録投資運用業者に運用権限の全部を 委託することにより登録不要とされている(以下同じ)。 ※2 保証期間、担保及び個人保証の見直しが必要(以下同じ)。 ※3 特定の事業者間の匿名組合契約であり、不動産特定共同事業法に該当しないものと考えられる。 ①進め方 ⅰ)地権者及び地域関係者が出資してまちづくり会社を設立する。 ⅱ)まちづくり会社は、地方銀行その他の金融機関につなぎ融資の打診。 ⅲ)つなぎ融資の実行。このつなぎ融資には行政などの公的機関からの債務保証を受け ることも検討。 ⅳ)まちづくり会社は、不動産所有者(オリジネーター)から土地等の利用権を集める (定期借地、信託等) ⅴ)民間金融機関、公的機関及び不動産所有者その他の地域関係者の出資により中心商 店街再生ファンド(投資事業有限責任組合)を設立する。 ⅵ)まちづくり会社は投資事業有限責任組合と匿名組合契約を締結、資金調達を行う。 ⅶ)調達した資金により、建物の建設、改築等を行う。 ②留意点 ・機動的な運営が可能となる ・金商法上の対応を検討 ・投資事業有限責任組合については、倒産隔離等について留意 ・長期の場合、リファイナンスの必要あり

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(2)TMK(現物譲渡方式) ※1 租税特別措置による譲渡益の減税あり。 ※2 パススルー課税とするための取扱いに注意が必要。 ①進め方 ⅰ)地権者及び地域関係者が出資してまちづくり会社を設立する。 ⅱ)まちづくり会社は、地方銀行その他の金融機関につなぎ融資の打診。 ⅲ)つなぎ融資の実行。このつなぎ融資には行政などの公的機関からの債務保証を受け ることも検討。 ⅳ)まちづくり会社は地権者などの不動産所有者(オリジネーター)から土地等の利用 権の譲渡をうける。(定期借地、信託等) ⅴ)まちづくり会社(委託者)から建設請負を受けたゼネコンが定期借地した土地に建 物を建設する。 ⅵ)地権者及び地域関係者は基金を拠出し、特定目的会社(TMK)への特定出資を目 的とした有限責任中間法人を設立する。社員は法律事務所、会計事務所から選任する。 ⅶ)有限責任中間法人は特定出資を行い、TMKを設立する。取締役は法律事務所、会 計事務所から選任する。 ⅷ)建物が完工する。 ⅸ)TMKはまちづくり会社と建物売買契約を締結。 ⅹ)TMKはまちづくり会社と特定資産管理処分委託契約を締結。 ⅺ)資産流動化法に基づき、資産流動化計画を作成し、業務開始届出書に添付して財務 局への届出とともに資産家等に情報を開示し、取得予定資産から得られるキャッシュ フロー・資産価値を裏づけとして、地方銀行その他の金融機関から特定目的借り入れ を行う。 ⅻ)民間金融機関、公的機関及び不動産所有者その他の地域関係者の出資により中心商

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店街再生ファンド(投資事業有限責任組合)を設立する。 ○TMKが特定社債を投資事業有限責任組合及びその他の地域関係者等に発行する場 合自己募集であれば証券会社は不要、ただし社債管理会社を設置する必要があるので 金融機関との調整が必要。 ○TMKが優先出資証券を投資事業有限責任組合及びその他の地域関係者等に発行す る場合、50人以上に対して勧誘・募集する場合には公募となり、有価証券届出書の 作成を証券会社に依頼することが必要。 13)上記で資金調達を実施したTMKはまちづくり会社(オリジネーター)から建物 を購入し、まちづくり会社はその対価でつなぎ融資を返済する。 14)TMKは専門プロパティマネジメント会社に建物管理業務を委託する。建物から の賃料収入等で、投資家に配当・償還する。 ②留意点 ・小規模という点でコスト的にはGKTK よりも現実的な手法 ・追加資産の取得は対応しづらい ・長期の場合、リファイナンスの必要あり ・TMKの要件(次に掲げる全ての要件を満たすこと) (1)資産流動化法に規定する特定目的会社名簿に登載されているものであること。 (2)次のいずれかに該当するものであること。 ⅰ)その発行した特定社債の発行価額の総額が1 億円以上であるもの ⅱ)その発行した特定社債が適格機関投資家のみによって引き受けられたもの ⅲ)その発行した優先出資が50 人以上の者によって引き受けられたもの Ⅳ)その発行した優先出資が適格機関投資家のみによって引き受けられたもの (3)発行する特定社債又は優先出資の発行価額の総額のうち、国内において募集され るものの割合がそれぞれ50%を超える旨の記載又は記録があること。 (4)TMKの会計期間が 1 年を超えないものであること。 ・事業年度の要件(次に掲げる全ての要件を満たすこと) (1)当該事業年度終了の時において一定の同族会社に該当するものでないこと。 (2)当該事業年度に係る利益の配当の支払額が当該事業年度の配当可能所得の金額 の90%相当額を超えていること。 (3)TMKが特定目的借入を行っている場合には、その借入が適格機関投資家からの ものであり、かつ、当該TMKに対して特定出資した者からでないこと。 ・特定資産管理処分委託契約をまちづくり会社が請け負った場合の許認可関係の確認

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(3)GK-TK ※1 金融商品取引法上、投資運用業の登録をしたアセットマネージャーに資産運用管理を委託することが必要と される。 ※2 受益権の譲渡所得への課税について要検討。 ①進め方 ⅰ)地権者及び地域関係者が出資してまちづくり会社を設立する。 ⅱ)まちづくり会社は、地方銀行その他の金融機関につなぎ融資の打診。 ⅲ)つなぎ融資の実行。このつなぎ融資には行政などの公的機関からの債務保証を受 けることも検討。 ⅳ)不動産所有者(委託者)が信託会社(受託者)に土地を信託し、信託受益権を得 る。 ⅴ)信託会社(貸主)はまちづくり会社(借主)に信託された土地の定期借地契約を 締結する。 ⅵ)まちづくり会社(委託者)が、民間金融機関からのつなぎ融資により、定期借地 した土地に建物を建設する。 ⅶ)まちづくり会社が、信託会社(受託者)に当該建物を信託して信託受益権を得る。 その後、マスターリース契約を締結する。 ⅷ)地権者及び地域関係者は基金を拠出し、合同会社(SPC)への資本出資を目的 とした有限責任中間法人を設立する。社員は法律事務所、会計事務所から選任する。 ⅸ)有限責任中間法人は資本出資を行い、SPCを設立する。取締役は法律事務所、 会計事務所から選任する。 ⅹ)SPCは金融商品取引法上、対応可能なプレイヤーと関連契約を締結する。 ⅺ)民間金融機関、公的機関及び不動産所有者その他の地域関係者の出資により中心 商店街再生ファンド(投資事業有限責任組合)を設立する。

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ⅻ)SPCは投資事業有限責任組合及びその他の地域関係者等から匿名組合出資によ り資金調達を行う。 13)SPCは民間金融機関、公的機関等からノンリコースローンにより資金調達を行 い、まちづくり会社(オリジネーター)から信託受益権を取得する。 14)まちづくり会社は譲渡対価で、つなぎ融資を返済する。 15)SPCは建物の管理をまちづくり会社又は専門プロパティマネジメント会社に委 託する。当該不動産信託受益権からの配当で、投資家に配当・償還する。 ②留意点 ・小規模という観点からはコスト問題で検討が必要 ・長期の場合、リファイナンスの必要あり ・信託に係るコストや地方におけるプレーヤーが不足 ・金商法上の問題 「自己運用」・・・投資運用業の登録業者へのAM 業務の委託が必要 「自己募集」・・・私募の取扱について、証券会社による媒介が必要

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3.資金調達の進め方 (1)初動段階 ●事業アイディアの形成 1)開発関連プレーヤーとの情報の共有化 2)ファイナンススキーム案の計画 3)簡易な事業収支による採算性のチェック ●資金調達に関する情報収集 1)公的支援(各種補助金、交付金)活用の検討と関係省庁、地方自治体等からの 情報収集 2)ファイナンススキーム案の作成 3)エクイティ(投資家・地域関係者等)の選定準備 4)デット(金融機関)の選定準備 (2)計画策定段階 ①基本構想策定 ●事業推進の可否の判断 1)資金計画の検討、事業採算価値の判断 2)事業推進上のリスク判断 ●資金調達に関する情報収集 1)金融機関等へ資金調達に関する情報収集、意見交換 2)補助金等交付申請の事前相談・調整と基本計画の修正 3)スキームに関する法律面・会計面・税務面チェック 4)物理的調査の実施(土壌汚染調査レポート他) 5)経済的調査の実施(マーケットレポート、不動産鑑定評価書、格付けレポート) 6)法的調査の実施(他プレイヤーが実施していれば資料の入手) ②基本計画策定 ●事業内容の決定 1)資金調達に関わるプレーヤーの確定 2)SPCの設立(中間法人等を含む) ●資金調達の方法(ファイナンススキーム)の検討と評価、事前相談、採択等 1)金融機関との事前相談と基本計画の修正 2)補助金等採択申請、採択決定 3)公的支援を受けるための計画認定等申請・取得

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(3)不動産利用権集約化・施設設備の実施段階 ①実施計画策定 ●資金調達の方法の決定と金融機関等からの内定取り付け 1)ファイナンススキーム決定 2)最終的な資金計画・事業収益計画に基づき金融機関の事前審査・内定取り付け 3)補助金等交付申請・交付決定 ②不動産利用権集約化・一元化 ●不動産利用権集約化に要する費用の支払い等 1)補償費、権利金、保証金、信託手数料等の資金調達と支払い ③施設整備・資金調達実行 ●資金調達の実施、支払い 1)金融機関の本審査・決定 2)建築確認申請・取得 3)ゼネコンと請負契約・完工保証契約締結 4)補助金等交付受け入れ 5)SPCへ資金調達の実施 6)工事完工 7)建築工事費の最終支払い、施設の買取代金支払い 8)SPCへの建物又はその信託受益権の譲渡 (4)運営管理段階 ●資産価値・収益最大化・投資回収 1)PM会社からのレポーティング 2)定期的なメンテナンス、テナント管理 3)投資家への配当・元利返済 ●資金管理 1)資金管理(償還、弁済、リファイナンス等) ・リファイナンスにより金融機関へ返済、残余財産で出資金を償還

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4.まとめと今後の課題 ・「開発型、小規模、商業施設、長期保有」のポイントを整理 ・各々の地域におけるファイナンスのリスク・リターンを明確に提示 ・税務上の問題を運営主体と地域出資者で各々論点整理 ・ファイナンスとコミュニティが相関関係にあることを整理 ・各業務フローをパターン化・パッケージ化し、地域参加者の理解を促す ・地域参加者の目線までもう一段階掘り下げる努力も必要 ・地域関係者から資金調達を集う手法をパッケージ化 ・地域金融機関が資金調達を行いやすいような定型契約書など ・地域で専門家(特に会計・法律)のネットワーク構築 ・行政からの補助金の一覧整備 ・地域市民ファンドやマザーファンドなどの実績の積み上げ

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■用語説明 【ノンリコースローン】 Non-Recourse Loan 非遡及ローン。 将来ローンの借り手がデフォルト(債務不履行)を起こし、ローンの返済ができなくなっ た場合でも、融資金の償還請求権が担保にとった不動産だけにしか及ばないローンのこ と。 【特定社債】 特定目的会社が、不動産等の資産の収益力を裏付けに発行する社債。金額が1億円未満 の特定社債の募集をする場合には、特定社債管理者を定め、特定社債の購入者(特定社 債権者)のために、弁済の受領、債権の保全その他の特定社債の管理を委託しなければ ならない。 【LTV】 Loan To Value 不動産の価値に占める借入金や社債の割合。担保掛目のこと。 格付の際の重要なポイントとなり、LTVが大きいほど借入リスクが高くなるがレバレ ッジが効けば、投資効果が大きい。 【テール期間】 テール期間とは、プロジェクトファイナンス実行時などにおいて、工期の遅れなどに備 えるファイナンス延長期間のこと。 リファイナンスの実行や、プロジェクト等の収益実現までの猶予期間。 【アモチ】 Amortization 借入元本の割賦償還。レンダーにとっては“アモチ付”にしたほうが貸付の安全度が高 まるが、返済する側は手元に残るキャッシュフローが元本の割賦償還分だけ減少し、通 常は運用面で不利となる。 【ウォーターフォール】 Water Fall 対象不動産から発生する賃料収入や売却収入などのキャッシュフローを利払時、元本償 還時においてどのような順序により、経費、報酬等の支払に充当するかの取り決め。

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【表明・保証】Representations & Warranties 不動産証券化において、オリジネーター、ローンの借主は、対象不動産の物理的・法的 状態について陳述し、それが事実であることを保証したり、借主は合法的に設立され存 続する法人であること、会社として必要な手続き(取締役会決議など)はすべてとられたこ と等の事実を表明する。そのうえで自ら事実表明の正しいことを保証する。買い手は事 実と異なることがわかった場合は、通常契約違反として訴訟あるいは、ローン契約の解 除等の対抗手段を有するように取り決める。Representation は、現時点=契約締結時に おける一定事実の表明である。 【コベナンツ】 Covenant 将来に向けての誓約、契約のこと。単なる約束というよりおごそかなニュアンスがある。 法律的には一方の当事者(ローンの借主など)が他方の当事者(ローンレンダー)に対し一 定の行為を誓約するもの。コベナンツ条項は積極的に一定のことをするというものと、 逆に一定のことをしないものとに大別できる。そもそも無担保貸付が主流の欧米で債権 者の権利・地位を守るため重要な手段として利用される。

【DSCR】Debt Service Coverage Ratio

社債や借入金の金利・元本の年間支払額に対する準賃貸収益(NOI)の割合のこと。不動 産証券化の際に使用される数値の一つ。

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