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別表3の1 一般法人文書

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メキシコシティー駐在員事務所

2011 年 7 月

2011 年メキシコ州知事選挙結果について

2011 年 7 月 3 日、当地メキシコ州、ナヤリ州、コアウイラ州の 3 州で州知事選挙等1が行われ、 3 州とも野党の制度的革命党(以下PRI)が勝利した。中でも大きな選挙人口を抱えるメキシコ州 の州知事選挙の結果は、来年 7 月に予定されている大統領選挙の動向を知るために重要と考えら れているところ、以下の通りメキシコ州知事選挙結果を纏めた。 1. 政治背景 メキシコでは中道左派のPRI、中道右派の国民行動党(以下PAN)、左派の民主革命党(以下PRD) の3 大政党制が確立されており、PANは 2000 年以降政権与党となっている。政権与党はPAN、 連邦議会では上院と下院においてそれぞれPANとPRIが優勢勢力となっており2、議会のねじれ現 象が発生している。地方においては 1989 年まで全ての州がPRIの支配下にあったが、現在では 32 地方首長3のうち、PRIが 18 州4、PANが 5 州、PRDが 5 州、PANとPRDの連立が 4 州と政権

政党の多様化が進んでいる。 近年の選挙傾向としては、PRIが支持基盤を回復してきており、各種報道及び世論調査では 12 年ぶりに政権を奪回する可能性が高いといわれており、PRI候補者のなかでもペーニャ現メキシ コ州知事が最も有力な大統領候補とされている。メキシコ州は全国の13%にあたる 1 千万人を超 える有権者を抱えており票の獲得には戦略的に重要な州である5こと、またPRIが勝利した場合に はペーニャ現メキシコ州知事が大統領となる可能性が高くなると見られていることから、今回の 地方3 州における州知事選挙においてメキシコ州への注目が最も高い。 メキシコ州は首都に隣接しているため、都市化の進展により発展し現在では国内最大の人口を 抱えている6。メキシコ州知事はこれまで全てPRIから選出されており、州政治の特徴は、いわゆ るアトラコムルコ派と呼ばれる少数の政治家集団の存在で、州知事選挙を始めとして州内政治に 多大な影響を持っていると指摘される。同集団は1940 年代以降、アトラコムルコ村周辺の出身者 1 メキシコ州では州知事のみの改選。ナヤリ州とコアウイラ州では州知事に加え、州議会議員及び自治体長の改選 選挙が行われた。また、イダルゴ州では自治体長選挙のみ行われた。 2 上院(任期 6 年):128 議席中 PRI 党 33、PAN 党 50、PRD 党 25、緑の党 6、コンベルヘンシア党 6、労働党 5、無所属 3 議席。

下院(任期3 年):500 議席中 PRI 党 233、PAN 党 146、PRD 党 72、緑の党 22、労働党 13、PANAL 党 9、コ

ンベルヘンシア党5 議席。

3 31 州と連邦自治区(メキシコ市)を指す。

4 緑の党、PANAL 党との連立を含む。

5 全国の有権者数の 13%に当たる。

6 メキシコ州の人口(1,500 万人)は首都の人口(880 万人)を大きく凌ぐ。全国の人口は 1 億 1,200 万人。国土

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あるいはアトラコムルコ周辺で政治経験を積んだ政治家の多くが州知事に選出されたことを受け、 主に報道で使用されるようになり定着した呼び名である7。これまで8 人の州知事がアトラコムル コ派から誕生しており、1989 年以降の直近 5 代の州知事は全てアトラコムルコ派であるといわれ ている8。今回の州知事選挙においてもアトラコムルコ派の州知事候補が誕生する可能性があった が、結果的にPRIは非アトラコムルコ派の候補者を選出し、これまでのPRI政治のネガティブなイ メージを払拭する有効な戦略をとったと言える。この候補者選出プロセスがどのようなものであ ったか、次に各党の候補者の選出について纏める。 2. 選挙 (1) 各党の候補者選出 PRIメキシコ州支部は 2011 年 4 月 7 日に党内選挙を実施し、エルビエル・アビラ氏(現メキシ コ州エカテペック市長)を党候補として選出した。それまで立候補の意思を表明していたネメル 氏(現連邦下院議員)及びビデガライ氏(現PRIメキシコ州支部長)、デルマソ氏(現メキシコ州 ウイスキルーカン市長)のうち、ネメル氏とデルマソ氏はアトラコムルコ派に属しているといわ れ、特にデルマソ氏は父・祖父をメキシコ州知事に持ち現州知事の従兄弟であることから、最も 有力と見られていた9。しかしペーニャ現メキシコ州知事及びPRIメキシコ州支部は、4 度の当選 実績があり、非富裕層出身で市民の支持率が高いアビラ氏を後押しし、その他の3 候補者は 3 月 末に辞退表明した。その結果、4 月 7 日の形式的な党内選挙では唯一の立候補者であるアビラ氏 が選出された。 近年、PANとPRDは地方選挙において反PRI連立候補を擁立する選挙戦略をとり、結果を出し ている10。今回の知事選挙においても、両党は連立の可能性を模索したものの、結果的に実現に は至らなかった。2010 年 9 月、PANのラミレス氏(上院議員)が州知事への立候補の意思を表明 した際、PRDとの連立を示唆した。これを受け両党の党首会談がもたれ、10 月にはPANとPRD は他党との連立を承認する党内決定をした。しかしながら、左派最大の政治力を有する労働党の ロペス・オブラドール氏11が、「PRD党が左派 2 党(労働党及びコンベルヘンシア党)の協力を必 要とするのであれば、PANとの連立は許さない」と猛烈に反対の立場を表明し、11 月に立候補の 意思を表明していたPRDのポレンスキー氏(現上院議員)を支持した。他方で、PRDのエブラー ル氏(現メキシコ市長)は「PRIに勝つためには連立は必須」とし連立に賛成の立場を表明した ことから、PRDの方針決定に混乱が見られた。結果的には、PRDは 4 月 10 日に連立の可能性を 棄却し、エンシーナス氏(現下院議員)を独立候補として選出した。 PANの候補者選出はPRDと比較してシンプルなものであった。PANメキシコ州支部長は 1 月に、 7 アトラコムルコ派(Grupo Atlacomulco)は確立した団体ではなく、メンバーとされる政治家たちはその存在を 否定している。

8 CNN Mexico, “El PRI rompe la línea de sucesión del llamado Grupo Atlacomulco en

Edomex”http://mexico.cnn.com/nacional/2011/04/01/el-pri-rompe-la-linea-de-sucesion-del-llamado-grupo-atla comulco-en-edomex 9 ネメル氏はアトラコムルコ地域出身。デルマソ氏は父・祖父ともにメキシコ州知事であり有力政治家一族出身。 ビデガライ氏は立候補の辞退表明後、アビラ氏の選挙参謀に加わる。 10 昨年 7 月の 14 州における州知事選挙では、PAN と PRD が連立候補を立てた 3 州(シナロア州、プエブラ州、 オアハカ州)全ての候補者が勝利したが、それぞれ独立候補を立てた州では PRI が勝利する結果となった。 11 2006 年の PRD 党大統領候補で現在は労働党に属する。

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可能性のある候補者はラミレス氏、バスケス氏(現上院議員)、ブラボ氏(大統領補佐官)の3 人 に絞る発言をしていた。しかし、バスケス氏は2012 年の大統領選挙への立候補を意識していると 考えられており12、ブラボ氏については 1 月に大統領補佐官に就任した当時からメキシコ州知事 選挙候補とするカルデロン大統領の意向が報道されていたことから、ラミレス議員が 3 月に立候 補辞退を表明したことで、4 月 15 日の党内選挙は事実上ブラボ氏のみの候補となり正式に選出さ れた。 以上の通りPRI、PRD、PAN は 4 月末までに、それぞれアビラ氏、エンシーナス氏、ブラボ氏 を州知事選挙候補者として決定した。 (2) 世論調査 当地大手新聞3 紙13が今年 2 月から 6 月までに行った各政党候補者の世論調査の推移(図 1) によると、一貫してPRIが 5 割を超える高い支持率を維持したことがわかる。注目されるのは、 調査が始まった2 月から各党が候補者を決定した 4 月に向けPRIの支持率は 4 割から 6 割に急増 し、PRDとPANの支持率が 20%台以下に減少したことである。この主な要因として、4 月にはPRD とPANの連立の可能性が完全に消滅したことにより、有権者はPRIを実質的な選択肢として認識 するようになったこと14、さらにPRI候補者の中でも市民から人気があり非アトラコムルコ派のア ビラ氏15が選出されたことがPRIの支持を高めたと考えられる。 図1 世論調査の推移16 PRI 連立候補 PRD 連立候補 PAN 候補 12 バスケス議員は、2011 年 5 月に大統領選挙の党内有力候補者を集めた PAN の党内討論会に参加。7 月には大 統領選挙出馬への意欲を表明している。 13 ウニベルサル紙、レフォルマ紙、ミレニオ紙(図中では GCE と表記) 14 2 月時点の世論調査では PRD と PAN が連立をした場合の両党の合計支持率は約 58%で、PRI の支持率(約 42%)を上回っていたが、4 月時点には PRD と PAN の支持率をあわせても(約 40%)、PRI の支持率(60%) を下回った。 15 アビラ氏はメキシコで最も人口が多い自治体のメキシコ州エカテペック市の出身。現在同市の市長を務めてい る。選挙経験はエカテペック市長に2 度、メキシコ州議会議員に 2 度選出されている。メキシコ国立自治大学 (UNAM)法学博士。選挙キャンペーンでは、若年層への機会の提供、女性支援、持続可能な農村開発、教育支 援、貧困削減、雇用創出と投資促進、税金削減、インフラ強化、高齢者支援、治安向上の10 の公約を掲げた。ま た、インフラ強化の具体的なプロジェクトとしては、メキシコ州都トルーカ市とメキシコ市を結ぶ鉄道建設、首 都圏近郊地下鉄(東部及び北部)建設を挙げている。 http://eruviel.com/sobre-mi/

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(3) 選挙結果 選挙結果は、PRIアビラ氏が有効票数の 62.5%に当たる 286 万 102 票を獲得し、州内 45 選挙 区全てにおいて他の2 党を凌ぐ圧勝となった(表 1)。アビラ氏の 200 万を越す得票数はこれまで のメキシコ州知事選挙で最大17で、2 位のPRDと最下位のPANの獲得得票の合計票よりも大きく 上回った。 PRIの大勢が確実となった選挙翌日には、ブラボ氏は、資金を使って票を買う旧態依然のPRI の選挙方法を批判し敗北宣言を行った。しかしエンシーナス氏はこれまで(7 月 7 日時点)のと ころ敗北宣言を行っておらず、PRD内外から選挙結果を不服としてデモ行進や公共道路の占拠等 の反対行動を起こすとも言われている18 また投票率は43.4%と低く有権者の半数以上が投票所に出向かなかった。これは選挙当日の悪 天候が影響していること、また一般的にメキシコ州の有権者は地方選挙よりも連邦選挙への関心 が高いことが理由として報道された19 表1 各候補者の得票結果 政党 候補者 得票数 得票率 PRI 連立 エルビエル・アビラ・ビジ ェガス 2,862,102 62.5% PRD 連立 アレハンドロ・エンシーナ ス・ロドリゲス 966,627 21.1% PAN フェリペ・ブラボ・メナ 570,185 12.5% 出典:メキシコ州選挙管理委員会(2011 年 7 月 4 日 18 時 93%開票時点の結果速報20 17 獲得票数は、チュアイフェット氏の約 194 万票(1993 年)、モンティエル氏の約 137 万票(1999 年)、ペニャ 氏の約180 万票(2005 年)と 200 万票を超えたことはない。 18 ラジオインタビュー(Formula Financiera)。PRD のサンチェス氏(メキシコ州議会議員)の発言及びそれを 牽制するPRI のビデガライ氏(アビラ氏選挙参謀)の発言があった(7 月 7 日)。 19 レフォルマ紙は、選挙当日が雨天であり、また数日前から続く降雨により浸水被害が発生していたため、投票 所に出向かなかったと報道(2011 年 7 月 4 日)。ラ・ホルナーダ紙は、大統領選挙と州知事選挙の投票率を比較し、 過去2 回の大統領選挙では全国平均を上回る 6 割以上の投票率があったのに対し、州知事選挙では過去 3 回にお いて4 割程度の投票率であると指摘している(2011 年 7 月 5 日)。 20 メキシコ州選挙管理委員会は、8 月 14 日までに正式な最終結果を公表しなければならない。

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3. 州知事選挙後の反応 メキシコ州知事選挙でのPRI の圧倒的な勝利、及びナヤリ州、コアウイラ州知事選挙でも PRI が勝利したことをうけ、全国におけるPRI の支持基盤は広く強化されている(図 2)。 PRI のモレイラ党首は、「今回の結果は 大統領選挙の行方を示す決定的要因であ る。PRI 党内は結束して大統領選挙を行う 準備が整っている。今年 11 月のミチョア カン州知事選挙の結果を考慮に入れ、12 月か来年1 月には大統領候補の党内選出が 終わるだろう」と述べている。国外からの 反応としてスペインのエル・パイス紙は 「メキシコでは来年の大統領選挙のリト マス試験となるメキシコ州知事選挙が行 われ、PRI が圧勝したことから、来年の選 挙においてPRI の政権奪回が予測される。 PRI 候補者のなかでも、今回の大勝によりペーニャ現州知事が大統領候補となる可能性が高まっ た」としている。 図2 全国 32 地方の政党区分 (出典:Reforma 紙 2011 年 7 月 4 日) PANのマデーロ党首は、「PRDとの連立の可能性はあるが、その条件はPANあるいは無所属の候 補者を擁立することだ。(現在左派の候補者として名前が挙がっている)オブラドール氏あるいは エブラール氏を候補とするPRDとの連立はない」と明言した21 またPRD 党内の少なくとも 8 つの派閥に強い影響力を持つオブラドール氏は、州知事選挙にお いてPAN との連立を阻止したが、選挙の敗北は選挙戦略の失敗ではなく、PRI の選挙不正による ものと主張しており、PAN との連立反対の姿勢を変えていない。また選挙から 3 日後の 7 月 7 日 に大統領選挙への出馬を表明したPRD のエブラール氏は、「PAN との連立は非常に難しいだろう。 PRI の再帰を阻止するという意味では連帯感が生まれるだろうが、現実的に左派候補者が連立候 補となる可能性がなければ意味がない。いずれにせよ、左派政党は11 月に党内選挙を実施し、候 補者を決定する」と述べており、PAN 党首との発言とは全く相容れない形となっている。 今後の動向としては、年内には各党の候補者が非公式には決定される予定で、連邦選挙委員会 (IFE)に対する大統領選挙候補者登録の締め切りとなる来年 2 月 18 日までには、PAN と PRD の連立を含め大勢が判明するだろう。

以 上

21 2011 年 7 月 7 日ラジオインタビュー(http://www.radioformula.com.mx/notas.asp?Idn=183660) 本稿は情報提供を目的に作成しており、何らかの勧誘を目的としたものではありません。また、本稿は信頼できると判断した各種報道・データに 基づき作成しておりますが、その正確性・確実性を保証するものではありません。本稿に記載した内容は、予告無しに変更されることがあります。

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