守っていきたい島根の農村
中山間地域等直接支払制度
協定事例集13
平成26年3月
口羽地区 宇山集落 奥湯谷集落 表紙及びこの頁の写真は「しまねの農村フォトコンテスト」入賞作品です 片田集落 上今明集落 市山地区 中村集落 三原地区 飯谷集落 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
守っていきたい島根の農村 13
目次
1 各協定の活動事例
(1)集団的かつ持続可能な支援体制の構築に積極的に取り組む事例 ・将来を見据えた集落の体制づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・奥出雲町 奥湯谷集落 P1 (2)他集落との連携、高齢農家等への支援に取り組む事例 ・法人が中心となって地域の農地を守る・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 邑南町 片田集落 P3 ・隣接する5集落を統合し制度に取り組む(離島平坦地) ・・・ 隠岐の島町 中村集落 P5 (3)農業生産法人、集落営農組織の育成に取り組む事例 ・みんなで守ろう故郷の農地・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大田市 飯谷集落 P7 (4)地場産農産物の加工・販売に取り組む事例 ・農福連携による地場農産物の加工・販売・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飯南町 宇山集落 P9 (5)その他取り組みに特徴のある事例 ・元気と笑顔を合い言葉に農地を守って地域おこし・・・・・・・・・・・・・ 浜田市 上今明集落 P11 ・景勝地と調和した公共牧野の整備・・・・・・・・・・・・・・・・西ノ島町 隠岐どうぜん農業組合 P132 中山間地域等パートナーシップ確立支援モデル事業の活動事例
─ 1 ─ <集団的かつ持続可能な支援体制の構築に積極的に取り組む事例>
○将来を見据えた集落の体制づくり
1.集落協定の概要 市町村・協定名 島根県仁多郡に た ぐ ん奥おく出雲町いずもちょう 奥おく湯谷ゆ だ に 協定面積 36.0ha 田(100%) 畑 草地 採草放牧地 水稲 交付金額 780万円 個人配分 40% 共同取組活動 (60%) 営農組合への農作業委託費 26% 堆肥助成費用 12% 共同防除費用 11% 水路補修資材代 7% 役員手当 2% 農作業機械購入積立金 1% 会議費・事務費 1% 協定参加者 農業者 35人、農業生産法人(構成員31人) 開始:平成17年度 人・農地プランの作成状況 集落全域で作成済 2.取組に至る経緯 奥湯谷集落は、2つの自治会からなっており、第1期対策は自治会単位で集落協定を 締結していた。第2期対策からは、将来の法人化へ向けての組織体制づくりの第一歩と して、協定を統合して制度に取り組んだ。集落内では農業者の高齢化や後継者不足など の問題に直面していたため、それまで集落内の営農組合で行っていた機械共同利用に加 え、平成21年度よりオペレーターを設置し、作業受託も担うこととなり、作業の効率 化を図るとともに、集落内の農地保全を担っている。第3期対策より営農組合をサポー ト組織に位置づけ、C要件に取り組んでいる。 3.取組の内容 現在、耕起、代かき、田植えなどの春作業や草刈り・水管理などの随時作業は自己管 理で行い、共同取組活動としては、稲刈りなどの秋作業の営農組合への作業委託や、ヘ リによる共同防除としており、交付金の一部を営農組合への委託費、共同防除の費用に 使用している。また平成25年3月に営農組合の組合員を中心に法人化し、今では、1 7ha を法人に集積している。法人の運営にあたっては、理事に若手や女性を起用し、 後継者の農業に対する意識を深めている。 【法人化に向けての話し合い】 【集落ビジョンを考えたワークショップ】[集落の将来像] ○ 集落ぐるみの農業生産活動等体制整備 [将来像を実現するための活動目標] ○ 機械・農作業の共同化等営農組織の育成 色彩選別機利用70% 4.今後の課題等 今後の課題として、法人化したことにより、個々の農業者の農業に対する意識の希薄 化のおそれがある。そのため、女性や高齢者が活躍できる場を設けていき、集落全員が 農業への意識を高く持ち続けるようにしていきたい。 [第2期対策の主な成果] ○ 協定を一本化(第1期対策は下と上の2協定)した事で、法人化に向けての組織体制が出来た。 ○ 集落内の耕作放棄地ゼロ 農地の耕作・管理(田 36.0ha) 個別対応 周辺林地の下草刈り (約 0.8ha、年 2~3 回) 個別対応 機械農作業の共同化 (色彩選別機の共同利用を実 施 100%、目標 70%) 共同取組活動 水路・作業道の管理 ・水路 5.0km、年2回清掃、 草刈り 共同取組活動 農業生産条件の強化 (水路の補修 100m 実施。目標 100m) 共同取組活動 小規模・高齢化集落支援加算 共同取組活動 農業生産活動等 多面的機能増進活動 農業生産活動の体制整備 農業生産活動の体制整備 防護柵の点検・補修(年1回) 共同取組活動
─ 3 ─ <他集落との連携、高齢農家等への支援に取り組む事例>
○法人が中心となって地域の農地を守る
1.集落協定の概要 市町村・協定名 島根県邑智郡邑南町おおちぐんおおなんちょう井原い ば ら 片田か た た 協定面積 30.0447ha 田(100%) 畑 草地 採草放牧地 水稲 交付金額 605万円 個人配分 10% 共同取組活動 (90%) 営農組合への農作業委託費 36% 鳥獣防止対策費 2% 作業賃金 2% 役員手当 4% 農作業機械購入積立金 46% 協定参加者 農業者 37人、農業生産法人(構成員35人) 開始:平成12年度 人・農地プランの作成状況 地区単位で作成済 2.取組に至る経緯 片田の集落協定は高齢化による担い手不足を補うために、共同機械利用からスタート しました。2期対策では片田の農業者全員での法人化を実現しました。また隣接3集落 (樋口谷、片田、上茅場)が共同で防護柵を設置しました。(延長3㎞) 現在、片田集落 協定と(農)遊邑片田は地域の担い手、牽引力として活動しています。 第2期に直払を実施していた隣の樋口谷協定は、協定維持が困難となり第3期への移 行を見送りました。しかし、樋口谷には引き続き直払に参加を希望する農業者もおり、 片田集落協定として連絡調整、会計等の事務支援を図り、高齢で耕作が出来なくなった 圃場を(農)遊邑片田が預かることで地域の共同活動などが継続されています。 3.取組の内容 片田集落においては法人による水稲生産が全ての圃場でおこなわれており、隣接の樋 口谷集落においても現在3割程度が法人に集積されています。この割合は年々増加して います。法人が水稲生産を行い、集落協定は農道・水路の維持、防護柵の管理、育苗を はじめとする施設整備など法人や個人の営農の下支えを共同取組として行っています。 今後も地域の担い手としての法人の役割が非常に重要です。 (集落協定参加農地 30ha 法人 19ha 個人 11ha) 【農事組合法人遊邑ゆうゆう片田か た た定期総会】 【人農地プラン関係者会議】[集落の将来像] ○ 安全・安心・美味しい・楽しい集落形成 [将来像を実現するための活動目標] ○ 育む人、育む土を創る。 ○ 法人経営等整備事業を支援する。 4.今後の課題等 法人への農地の集積がこれからも増えていくのは間違いありません。米価低迷のなか 農政転換を迎え省力化(機械化、肥料などの自家製造等)、販売戦略(農産品の差別化、 販売ルートの確保)が課題となります。そして、それ以上に人の協力が必要です。イベ ントなどを通して構成員の自らが参加している意識(協同の心)を深め、定年帰農と生活 基盤に故郷を選んだ若者、経験豊富な女性に期待するところです。 [第3期対策の主な成果] ○ため池整備(斜樋、底樋改修) ○小規模圃場整備(基盤入れ替え10a) ○共同施設建設 (格納庫、もみ殻貯留施設) ○発酵籾殻堆肥試験製造、試験施肥(食味向上を確認) ○育苗及びトロ箱栽培他で女性の生産事業への参加が増加している。 農地の耕作・管理(田 30ha) 個別対応 景観作物の栽培 (菜の花 1ha) 景 共同取組活動 法人への農地集積 (協定農地 30ha の内 22ha を集積済) 共同取組活動 水路・作業道の管理 ・水路・道路 年 1 回清掃、 草刈り(地域の住民全戸参加) 共同取組活動 農業生産条件の強化 (水路の補修 30m 実施。目標 100m) (ため池改修 2 箇所実施。目標 5 箇所) 共同取組活動 小規模・高齢化集落支援加算 (隣接集落:樋口谷 11ha) 共同取組活動 農業生産活動等 多面的機能増進活動 農業生産活動の体制整備 農業生産活動の体制整備 防護柵の点検・補修(年 3 回) (延長 2km 竹等の伐採、除草剤散布、 補修) 共同取組活動 堆きゅう肥の施肥 (発酵牛糞 16ha 700t 隔年) (発酵籾殻 1ha) 共同取組活動 水源涵養機能の維持 (林道及び水路整備年 1 回) 共同取組活動
─ 5 ─ <他集落との連携、高齢農家等への支援に取り組む事例>
○隣接する5集落を統合し制度に取り組む(離島平坦地)
1.集落協定の概要 市町村・協定名 島根県隠岐郡隠岐お きののしまちょう島 町 中 村なかむら 協定面積 31.0ha 田(100%) 畑 草地 採草放牧地 水稲 交付金額 248万円 個人配分 80% 共同取組活動 (20%) 役員報酬 2% 会議費 1% 農道・水路管理費 9% 農用地の維持・管理 8% 協定参加者 農業者 39人 開始:平成23年度 人・農地プランの作成状況 作成していない(作成中) 2.取組に至る経緯 平成 23 年度から、隠岐島においては、離島平坦地の条件不利性が認められ、平坦 農用地であっても中山間地域等直接支払交付金の交付の対象となった。それを受け て、各集落において制度への参加について協議を重ねてきた。その結果、制度参加に 当たっては、隣接する5つの集落(上、浜田、郡、下元屋、森)をひとまとめにし、 活動を実施していくことになった。 3.取組の内容 高齢化の進行、後継者の確保が危ぶまれる中、C 要件(集団的サポート)に集落内 の認定農業者や新規就農者で取り組み、農業生産活動等の継続が困難な農用地が発生 した場合の支援体制について構築を行った。 高齢化が進み、農業委員や農地・水保全管理関係の役員など農業関係をはじめ、自 治会役員や民生委員等地域の様々な役を掛け持ちする者が多くなって、直払協定も役 員の確保の困難が予想された。そのため、5つの集落にそれぞれ代表を置いて取組む よりも、中村集落として代表を1名置き、一つにまとまった方が役員人選もスムーズ に進み、かつ、事業も取組みやすいことから、統合することになった。 また、集落内に、平成 23 年 3 月より親から経営を継承した新規就農者がいたため、 サポート体制が構築できた。 中村集落の協定農用地① 中村集落の協定農用地②[集落の将来像] ○ 地域の実情に即した持続的な農業生産活動等の体制整備 [将来像を実現するための活動目標] ○ 農業の継続が困難な農用地が発生した場合は、集落内の認定農業者や新規就農者などが引き受け農業 生産活動等の維持を図る 4.今後の課題等 集落の高齢化が深刻する中ではあるが、認定農業者や新規就農者のサポートがあるた め高齢者や後継者がいない農家でも安心して農業生産活動を行うことができる。 今後ますます高齢化が進み耕作放棄地が発生するおそれがあるが、認定農業者や新規 就農者を中心に、耕作放棄地の防止や集落協定内外との交流を通じて更なる取り組みを 行っていきたい。 農地の耕作・管理(田 31ha) 個別対応 堆きゅう肥の施肥 共同取組活動 集団的かつ持続可能な体制整 備 担い手型 農業の継続が困難な農用地が 発生した場合は、認定農業者 が引き受け、農業生産活動等 の維持を図る 共同取組活動 水路・作業道の管理 ・水路 10km、年 2 回清掃、草 刈り ・道路3km、年1回草刈り 共同取組活動 農地法面の定期的な点検 (年1回及び随時) 共同取組活動 農業生産活動等 多面的機能増進活動 農業生産活動の体制整備
─ 7 ─ <農業生産法人、集落営農組織の育成に取り組む事例>
○みんなで守ろう故郷の農地
1.集落協定の概要 市町村・協定名 島根県大田市 飯谷いいだに 協定面積 14.9ha 田(100%) 畑 草地 採草放牧地 水稲、そば 交付金額 296万円 個人配分 0 % 共同取組活動 (100%) 協同利用機械更新費 51% 法人活動助成費 22% 基盤整備(維持・管理費) 17% 多面的機能維持管理費 2% 事務費(役員手当) 8% 協定参加者 農業者 34人、特定農業法人(構成員32人) 開始:平成12年度 人・農地プランの作成状況 集落全体で作成済み。 2.取組に至る経緯 集落の大多数は農家世帯であり、農業者の高齢化がすすんでいた。そのため、農 地維持が難しい状況になっており、耕作放棄地の拡大による地域環境の悪化が懸念 されていた。 一方、地域内には農業生産活動に意欲的な農業者がおり、以前から減農薬・減化 学肥料による特別栽培米の生産や、地域内農産物を使用した豆腐やそば等の加工品 の生産販売にも積極的に取組んでいた。 また、地域農業の担い手として集落営農組織を立ち上げ、共同機械利用による作 業受託をすすめ、生産コストの削減による収益の向上や、労働時間の短縮に結び付 けようとする動きがあった。 3.取組の内容 本事業の実施にあたり、機械共同利用や作業受託等の共同取組み等を通じて営農 組織設立の機運が高まった。本事業の共同取組活動による営農組織設立経費の積立 てや、検討委員会での話し合いを経て、平成19年1月には地域内農家の協業経営 を目的に、農事組合法人「やまべ」を設立した。 現在、大豆、そばの生産による耕作放棄地の拡大防止や、共同作業による電気柵 の設置、集落内外の産直市への出荷等の活動にも取組んでいる。 また、高齢化の著しい隣接集落の農地 4.8ha も協定に取り込んで実施しており、 草刈り等の管理作業を支援し、農地の保全に努めている。 【集落の風景】 【収穫祭】[集落の将来像] ○ 高齢化による耕作放棄の拡大が予想されるため、農事組合法人が地域内の機械作業を一括して受託し て、生産費の低減と特に高齢者の労働時間の短縮を図り、集落農業の維持・継続を目指す。 また、エコロジー米の協同生産や大豆、そば等の有機栽培や他の地域内農産物の加工に取組み、産 直市等での販売を拡充する。 [将来像を実現するための活動目標] ○ 法人の健全経営を継続するための研修会に組合員が参加したことを契機として、後継者不足の解消 のために、地元出身者等の関係者の収穫祭(反省会)への参加を働きかけや、春秋の農作業体験や稲刈 り体験、及び泥おとし等のイベントを企画した。それらの活動を通じて、地域農業に関心を持ってい ただき、様々な活動の協力者を増やす活動に取組んでいる。また、情報誌の発行やホームページによ り情報発信にも努めている。 集落外との連携 ○ 地域内外関係者と、収穫祭や農作業体験活動、稲刈り活動等のイベントを通じて、交 流活動を実施 4.今後の課題等 法人の設立により地域の農地保全が図られているが、法人設立から6年が経過 し、農家が法人に生産・管理を全面委託することで、地域全体で農地を守る意識が 希薄になってきている。また、若者が地域外へ流出し担い手の不足や地域の活力が 低下している。一方、特定の役員に農作業や事務が集中するといった状況が起きて おり、法人の継続のための地域としての支援、協力等、法人と地域との連携を更に 図る必要がある。 [第2期対策の主な成果] ○ 平成19年1月に農事組合法人「やまべ」の設立(組合員32名) ○ 担い手(法人)への利用集積(H21-8.8ha、H25-9.2ha) ○ 法人との連携による地域内外関係者との交流事業の実施(農作業体験事業、泥おとし、収穫祭) 農地の耕作・管理(田 9.5ha) 個別対応 景観作物作付け (景観作物として、そばを約 0.3ha 作付けた。) 共同取組活動 機械農作業の共同化(法人) (水稲の共同利用を 9.5ha (85%)実施、目標 11.2ha) 共同取組活動 水路・作業道の管理 ・主要水路 4.5km 他、年2回 清掃、草刈り ・主要農道 1.6km 他、年2回 草刈り 共同取組活動 担い手への農作業の委託 (集落の認定農業者に収穫作 業を 0.6ha 委託。 目標 0.6ha) 共同取組活動 農地法面の定期的な点検 (年1回及び随時) 共同取組活動 小規模・高齢化集落支援加算 共同取組活動 農業生産活動等 多面的機能増進活動 農業生産活動の体制整備 農業生産活動の体制整備
─ 9 ─ <地場産農産物の加工・販売に取り組む事例>
○農福連携による地場農産物の加工・販売
1.集落協定の概要 市町村・協定名 島根県飯石郡い い し ぐ ん 飯 南 町 いいなんちょう 宇山う や ま 協 定 面 積 16.7ha 田(100%) 畑 草地 採草放牧地 水稲・サツマイモ 交 付 金 額 257万円 個人配分分 0.0 % 共同取組活動分 (100%) 水路、農道、環境整備費 18.7 % 役員手当 8.2 % その他 73.1 % 協 定 参 加 者 農業者 16人、生産組織 1 2.取組に至る経緯 当集落は、宇山振興組合に全戸(16戸)が加入し、営農・生活・交流活動を行ってい る集落である。平成19年に転作で始めた「サツマイモ」の栽培で高糖度(45~49度) のイモを生産し、「生」や「冷やし焼き芋」、「生干し芋」として販売し消費者から好評 を得ている。こうした状況の中、平成26年に法人化を目指すに当たり、「サツマイモ」 を当集落の核と位置付け、6次産業化を進めながら、雇用の場を確保し、UIターン者や 地元の若者が定着できる体制づくりを整備することとなった。 3.取組の内容 農業や地域活性化のため、サツマイモの栽培面積の拡大を図り新商品の開発を進めるた め、平成24年度に加工施設の整備を行った。また、サツマイモの加工については、近く の障がい者施設の利用者と連携して取り組み、地域の活性化も図っている。販売について は、集落と交流をしている都市住民に販売するほか、産直市でも販売している。 サツマイモの栽培 農福連携による加工作業[集落の将来像] 加工施設整備に伴い、現在の栽培面積を150aまで拡大し、新商品の開発及び約25年前から行ってい る都市交流をさらに進めていく。 また、宇山振興組合の農業法人化により、農林水産省が定める6次産業化認定に向けた取り組みを行って いく。 4.取組による変化と今後の課題等 全戸加入による振興組合での活動により、加工施設整備による6次産業化の推進、農 事組合法人の設立となった。 今後は、サツマイモの推進の他、水稲作業においても新規オペレーターの育成を図り ながら組織の存続、集落活性化を図っていきたい。 [平成22年度までの主な効果] ○機械共同利用 H22実績・・・水稲全面積 ○都市住民との交流による地域の活性化 農地の耕作・管理(田 16.7ha) (今後、利用権設定を行う) 個別対応 景観作物の作付け 景観作物としてスイセンを約 60a 作付け 共同活動 都市住民への地場産品の販売 共同活動 機械農作業の共同化 (全面積共同利用であり、現 状を維持していく) 共同取組活動 水路・作業道の管理 ・水路 2km を年1回清掃、草 刈り ・道路 1km を年 1 回草刈り 共同取組活動 農業生産条件の強化 (用水路の改修を行い、水漏 れを無くし、安定的な水量確 保を図る 共同取組活動 農業生産活動等 多面的機能増進活動 農業生産活動の体制整備 集団的かつ持続可能な体 制整備 組織対応型 共同取組活動 農地法面の定期的な点検 (年1回及び随時) 共同取組活動
─ 11 ─ <その他取り組みに特徴のある事例>
○元気と笑顔を合言葉に農地を守って地域おこし
1.集落協定の概要 市町村・協定名 島根県浜田市三隅町 上今明集落協定 協定面積 23.6ha 田(90%) 畑(10%) 草地 採草放牧地 水稲 野菜 交付金額 456万円 個人配分 70 % 共同取組活動 (30%) 役員報酬 4% 体制整備に向けた活動費 6% 水路・農道等の維持管理費 2% 鳥獣防止対策 11% その他事務費等 7% 協定参加者 農業者 32人、(有)三隅町農業支援センターみらい(構成員24人) 、非農業者 17人 開始:平成12年度 人・農地プランの作成状況 作成していない(作成中) 2.取組に至る経緯 上今明集落協定では、集落内の高齢化や担い手不足が問題となる中、集落で支え合う 持続可能な体制を整備し、集団農業への効果を期待するとともに、各個人が安心できる 農業を目指して、中山間地域等直接支払制度への取り組みを開始した。平成 17 年には 協定農用地内の田んぼを会場に、自治会、実行委員会とともに、集落協定の活動として 『どろんこ祭り』を開催した。集落を取りまとめるリーダーを中心に、“できる人がで きる作業をする”、元気と笑顔を合言葉に家族で取り組む姿勢が特徴的な集落といえる。 3.取組の内容 農地を守りながら、地域が元気になる取り組みとして、多面的機能を増進する活動に 力をいれている。平成 17 年から継続して行っている『どろんこ祭り』は、会場となる 協定農用地内の田んぼの中で『田ばやし』を披露するなど、一部の遊休農地をいつでも 耕作可能な状態に維持した活動といえる。町外からの多くの来場者には、地域の現状を 伝え、集落の絆が地域の農地を守る原動力となった協定である。農業生産法人みらいと も連携を保ちながら集落で支え合う農業に日々取り組んでいる。 【どろんこ祭り(上今明田ばやし保存会)】 【共同草刈前準備】[集落の将来像] ○地域の実情に即した持続的な農業生産活動等の体制整備を行う。 ○伝統芸能である『田ばやし』を継承する上で、後継者を育成し、『上今明田ばやし保存会』と周辺地 域との交流を行うことで地域の活性化を図る。 ○『どろんこ祭り』を継続することは集落外との交流を図るとともに、上今明の豊かな自然を守り続け る地域の原動力になる。増えていく遊休農地を解消する地域の励みとなる活動を目指す。 [将来像を実現するための活動目標] ○ 農業の継続が困難となった農地が生じた場合に備え、集落や組織でのサポート体制を充実させる。 ○『どろんこ祭り』を継続する。 ○『上今明田ばやし保存会』による『田ばやし』の継承と、後継者を育成する。 4.今後の課題等 上今明集落協定のこれまでの取り組みが、集落の連帯感と協調性を高めてきた。老 若男女、そして家族が事業に参画しながら、“地域を守ることが農地を守り、農地を 守ることが地域を守る”という集落の特性が今後も継続してほしい。 これからさらに、担い手となる農家の減少により、個人での営農活動は困難になる ことが予想される。この地域の特性を生かした、集落ぐるみの農業活動等の体制整備 を充実させることが“農地と地域を守る”ことに繋がると思われる。 [第2期対策の主な成果] ○ 水路の補修:1箇所 ○ 鳥獣防護柵設置:4,270m ○ 共同防除:97,201㎡ ○ 『どろんこ祭り』を開催(H17年開始)し地域の活性化を図る ○ 『上今明田ばやし保存会』の活動による地域の活性化と伝統芸能の継承 農地の耕作・管理(田 21ha) 個別対応 周辺林地の下草刈り 年 1 回 個別対応 機械農作業の共同化 畦塗りの共同作業を実施 共同取組活動 水路・作業道の管理 水路清掃 年 1 回 農道草刈 年 3 回 道路草刈 年 1 回 共同取組活動 景観作物作付け 景観作物としてコスモスを約 0.02ha 作付けした。 共同取組活動 共同で支え合う集団かつ持続 可能な体制整備 共同取組活動 農地法面の定期的な点検 年 1 回及び随時 共同取組活動 農業生産活動等 多面的機能増進活動 農業生産活動の体制整備 『どろんこ祭り』の開催 ・会場作り、草刈など ・『上今明田ばやし保存会』の 『田ばやし』の発表ほか 年 1 回 共同取組活動
─ 13 ─ <その他取り組みに特徴のある事例>
○景勝地と調和した公共牧野の整備
1.個別協定の概要 市町村・協定名 島根県隠岐郡お き ぐ ん西ノ島町にしのしまちょう・隠岐お きどうぜん 農 業のうぎょうきょうどう協 同組合くみあい 協定面積 ha 田 畑 草地 採草放牧地(100%) 放牧 交付金額 316万円 個人配分 100% 内訳 牧柵の設置・管理 70% 雑灌木除去 30% 個別協定であるが、交付金は全て牧柵設置・管理及び雑灌木除去作 業経費で活用 協定参加者 1法人 開始:平成12年度 人・農地プランの作成状況 集落全域で作成済 2.取組に至る経緯 西ノ島町では、景勝地で知られる国賀海岸やその周辺地域を牧野とした放牧による 畜産経営が行われている。農家戸数の減少及び高齢化等により、旧来からの畜産農家 による牧野の維持・管理が難しくなり、隠岐どうぜん農業協同組合に維持管理を委託 している。農用地の保全及び景観の維持等の多面的機能の確保を図るため、同農協が 個別協定により、交付金を活用して一層の牧場整備を行っていくこととなり、第1期 対策から制度を実施している。 なお、国賀海岸を背景に牛馬が草を食む放牧風景は、西ノ島町の代表的な観光資源 となっている。 3.取組の内容 当町は、約 2,300ha の公共牧野を有しており、これらの牧道・牧柵等の整備を積極 的に行い、生産性の高い畜産経営の育成と低コストかつ安定的な畜産物供給体制の確 立を目指している。 直接支払交付金を活用することによって、従来から使用されていて老朽化した牧柵 の補修及び新規牧柵の設置作業、雑灌木や牛馬の食べない雑草の除去などを積極的に 行い、効率的な牧野管理が可能となった。 雑灌木除去作業中① 景勝地を維持する牛馬の放牧②4.今後の課題等 協定締結により、牧野の計画的な整備が可能となり、牧野の荒廃の防止が図られている。また 協定地周辺は観光地となっており、景観の維持にも寄与している。 [第2期対策の主な成果] ○採草放牧地の維持管理 ○国土の保全、景観形成等の多面的機能の確保
─ 17 ─ 中山間地域等パートナーシップ確立支援モデル事業 1.事業実施の背景(集落協定の現状と対策) 中山間地域等直接支払交付金は、平成12年度から始まり、5年を1期と定め、中山 間地域などの農業生産条件が不利な地域に対して交付金を交付する制度であり、現在、 第3期対策(平成22年~26年)に取り組んでいる。 島根県では、第2期から第3期に移行する際、1,452協定のうち、143の集落 協定が第3期への移行を見送り、そのうちの82%が県の平均面積より小さ協定であっ た。県では、第3期対策に移行を見送った協定を対象にアンケートを実施したところ、 移行を見送った理由として「高齢化により5年間の協定維持が困難」「役員のなり手が いない」「事務手続きが煩雑」などの回答が多かった。 一方、第3期に移行した協定の中には、集落間での話し合いにより46協定が近隣協 定集落との統合を行い、32集落が高齢化集落等の対象農用地を含めて協定を締結して、 新たに創設された「小規模・高齢化集落支援加算」に取り組むなど、地域で支え合う仕 組みをつくる動きがあった。 そのため、島根県は市町村と連携して、集落協定の統合や集落間の連携に関する意向 調査や協定間の話し合いによる統合・連携を進めてきた。さらに、平成24年度から2 5年度の2カ年間、集落協定を地域で支える仕組みのモデル事例をつくるため、公民館 区を単位に活動する組織等に対して、農用地の有効活用や高齢者への農作業・事務支援 等の活動に対して支援をする、中山間地域等パートナーシップ確立支援モデル事業を実 施することとした。 中山間地域直接支払制度に取り組む集落協定の統合推進 集落協定の現状と対策 1 協定数の減少 2期から3期対策に移行する際、1,452協定 のうち143協定が取りやめ。 2 取りやめた協定の規模 協定規模の県平均以下が82%を占めるなど、 小規模協定を中心に取りやめ。 3 協定が減少した主な理由 ・高齢化により5年間の協定維持が困難。 ・役員のなり手がいない。 ・事務手続きが煩雑。 ■中山間地域の耕作放棄地の拡大懸念 (交付対象面積867ha減少) ■交付金額の減少 (交付金額119,300千円減少) ■46協定が近隣協定集落と統合 ■32集落が小規模・高齢化加算 ■772組織がC要件(集落間連携型等) →近隣集落等が営農・事務サポート (協定連携・統合) 自治会(公民館区)や各種団体による支援 対策 新たな対策の検討 既存対策の推進 目指すべき方向 新たなコミュニティーを単位とした集落協定の連携・統合(地域で支え合う仕組みづくり) 集落営農組織等によるサポート 中山間地域等パートナーシップ 確立支援モデル事業(H24~H25)
2.モデル地区の選定等 <参考> ■実証!「地域力」醸成プログラム “人づくり”の拠点である公民館が培った「地域力」醸成のノウハウ(=地域の課題を 掘り下げ、その解決に向けた学習・実践活動に地域住民を巻き込んでいく仕組み)を、モ デル公民館の具体的活動を通じて実証することにより、「地域力」の重要性について世論喚 起することを目的とする。 ■しまね流安心生活創造プロジェクト推進事業(~H24) 高齢化や少子化が進む中、地域が支え合っていくための多くの活動・団体等を活用して、 現在の地域課題に取り組むことによって、地域の支え合う力を(再)構築・結集・認識さ せることを目的とする。 公民館区型 企業・NPO・社会福祉法人型 自治会区型 協働推進機関 : 社会教育課・しまね暮らし推進課・地域福祉課・農業経営課 公民館が持つ、地域課題の解決に向けて住民を巻き込み実践活動に結びつけていくソフトを活用。 【具体的手法】 「実証!地域力醸成プログラム」の選定モデルに「中山間農業枠」を設け、公民館活動を通じ て耕作放棄地を発生させない取組みを実践する公民館を選定し、その取組みを支援。 協働推進機関 : 地域福祉課・しまね暮らし推進課・農業経営課 地域の自治会や地域の各種団体などが、長年にわたって行ってきた地域を維持し地域が支え 合っていくための活動・団体・しくみを活用。 【具体的手法】 しまね流安心生活創造プロジェクト推進事業等を活用して、高齢者対策として農業活動支援を 行う自治会等を選定し、地域内にある集落協定の課題解決に向けた活動を支援。 協働推進機関 : 環境生活総務課・地域福祉課・しまね暮らし推進課・農業経営課 企業・NPO・社会福祉法人がもつ事務・経理や各種業務(機械作業等)遂行能力を活用。 【具体的手法】 市町村からの推薦により、地域の集落協定を支援できる企業・NPO・社会福祉法人等を選定 し、協定間の連携が期待できる事務や農作業等の共同取り組みに係る活動を支援。
─ 19 ─ 【モデル1:公民館による集落協定の支援】 1 事業者 :市山公民館 2 関係地区:江津市桜江町市山地区 3 関係集落協定と H24 実施状況 協定名 交付対象 面積(ha) 交付金額 (万円) 地目 交付単価 協定参加者数 糸谷 2.1 14 田 基礎単価 9 人 本谷 4.1 26 田 基礎単価 14 人 小一山 2.9 48 田 基礎単価 11 人 4 地域の概況 江津市桜江町市山地区は、面積21.19 ㎢、世帯数 315 戸、人口 797 人、高齢化率 32.75% となっている。また、長年6自治会体制で活動してきたが、23 年度に1自治会が統合 され、5自治会体制となった。地区の小学校は12年前統合され、その施設を、市山公 民館、市山生涯学習センターとして利用し、地域の拠点となっている。 5 取り組み内容 (1)目 標 ①公民館活動への参加による各集落協定参加者の交流促進(連携の仕組みづくり) ②農地の有効活用による耕作放棄地の発生防止体制の強化(5年間の農地保全) ③公民館活動を発展させた農作業支援の体制づくり(C要件の取り組み検討) (2)活動内容 ■野菜直売所の運営(①の活動) 公民館運営委員を中心とした有志で団体「まごころ市山」を設立し、「ふりき ゅうクラブ」の農業体験の支援と特産野菜の販売を実施。 また、地域の特産物であるゴボウを使ったゴボウ茶の商品化。 ■子どもたちの体験活動「ふりきゅうクラブ」(①②の活動) 学校の振替休日を利用して各種体験活動を行う「ふりきゅうクラブ」において、 遊休農地を活用した農業体験や、そこで収穫された野菜等を利用した調理実習、 サンピコ江津における販売体験を実施した。 ■農作業支援ネットワーク組織の立ち上げ(③の活動) 高齢化による農地保全、維持管理が困難な農地において、農作業の支援を行う 「お助け隊」のメンバーを募集し、平成 26 年度以降の活動開始のための準備を 実施した。 ■協定の支援体制の構築に向けての協議(③の活動) 市山地区の3協定は、いずれも交付単価区分は基礎単価(8割単価)であるが、 「お助け隊」の組織化が決定したことから、平成 26 年度以降各協定とも体制整 備単価への移行が予定されている。
(3)今後の課題
協定参加者の間では、集落内の農地は集落の者で守るという意識もあり、協定間 の更なる交流により、別協定の参加者による農作業支援を受け入れる機運の醸成が 必要である。
─ 21 ─ 【モデル2:地区社会福祉協議会による集落協定の支援(連合自治会型)】 1 事業者 :口羽地区社会福祉協議会 口羽をてごぉする特別委員会 2 関係地区:邑智郡邑南町口羽地区 3 関係集落協定と H24 実施状況 協定名 交付対象 面積(ha) 交付金額 (万円) 地目 交付単価 協 定 参加者数 川角 5.6 101 田(83%) 畑(17%) 体制整備 20 人 神谷 7.1 111 田(93%) 畑(7%) 基礎単価 14 人 原田 7.4 51 田(97%) 畑(3%) 基礎単価 11 人 土居 7.2 60 田(100%) 体制整備 21 人 坪木釜谷・根布 7.5 112 田(100%) 体制整備 20 人 菖蒲 6.9 94 田(77%) 畑(23%) 基礎単価 11 人 上田 11.7 182 田(69%) 畑(31%) 体制整備 21 人 平佐 7.2 118 田(73%) 畑(27%) 体制整備 12 人 上田認定 2.9 10 畑(100%) 体制整備 3 人 五城(長田) 7.7 147 田(100%) 体制整備 5 人 江平坂谷 3.0 74 田(100%) 体制整備 10 人 4 地域の概況 邑南町口羽地区は、人口827人で世帯数は357戸、集落数は20、そのうち小規 模高齢化集落は14、口羽地区全体の高齢率は52%に達している。 地区には、上口羽自治会、口羽町自治会、下口羽自治会、上田自治会の4自治会があ る。 事業主体の「口羽をてごぉする特別委員会」は、口羽地区社会福祉協議会の中に設け られた住民組織で、高齢者の生活支援や集落活動の支援を目的とした組織である。 口羽地区の基幹作物は、水稲であるが、農家1戸あたりの経営面積が小さく、ほ場整 備が実施されていない農地も多い。また、集落営農組織も未結成であることから、高齢 により農業の継続が困難となった農家への農作業支援や各種事業に取り組むための事 務支援が課題となっていた。 5 取り組みの内容 (1)目 標 ①高齢者等への農作業支援の仕組みづくり(C要件の取り組み) ②事務支援の検討(協定の維持) (2)活動内容 ■農地情報の把握(①の活動) 地域内の担い手が、高齢農家等が維持できなくなった農地の引受や農作業支援 を効率的に行うため、平成24 年度に農地等の情報を管理する農地管理システム を構築し、平成25年度では、個々の農地情報をデータベース化した。
■農作業支援の仕組みづくり(①の活動) 平成24年度、「口羽をてごぉする特別委員会」内に農作業支援事業部を設置 して、高齢等の農家を対象にした農作業の支援体制を構築した。地域内でサポー ト者を募集したところ、9人から応募があり、全ての者をオペレーターとして登 録している。 ■農作業支援事業部の利用と体制整備単価への誘導(①の活動) 「口羽をてごぉする特別委員会」は、口羽地区の11の集落協定の代表者と話 し合いを行い、神谷、原田、菖蒲集落と農作業支援組織とサポート協定を結んだ。 神谷集落は、これまで基礎単価であったが、農業の継続が困難な農用地が発生 した場合でも、農業生産活動等の維持が可能となり基礎単価から体制整備単価に 移行することとなった。 ■事務支援(②の活動) 第3期対策の途中であり、直ちに事務処理が困難となっている協定がないこと から、事務支援は1 協定にとどまったが、協定との話し合いにおいては、第4期 に移行する際に、事務支援が必要との意見もあった。 なお、農地・水保全管理支払交付金は、地区で1 つの組織となっていることも あり、既に事務支援を行っている。 (3)今後の課題 「口羽をてごぉする会」がモデル事業を活用して、各協定の事務受託について、 集落協定と話し合いを進めたが、中山間地域等直接支払交付金は、共同取組活動経 費だけではなく、交付金の個人配分もあることから、配分額や銀行口座番号等の個 人情報を提示することに対する抵抗感があった。
─ 23 ─ 【モデル3:企業による集落協定の支援】 1 事業者 :平成建設有限会社 2 関係地区:邑智郡川本町三原地区 3 関係集落協定と H24 実施状況 協定名 交付対象 面積(ha) 交付金額 (万円) 地目 交付単価 協 定 参加者数 古屋口 21.9 271 田 体制整備 30 人 あさひ 25.6 436 田 体制整備 29 人 北佐木 20.5 192 田 体制整備 26 人 中 石 20.6 329 田 体制整備 18 人 上 石 13.5 231 田 体制整備 6 人 三原1 4.3 110 田 体制整備 7 人 三原2 6.5 149 田 体制整備 4 人 三原3 8.7 215 田 体制整備 10 人 下佐木 6.1 104 田 体制整備 7 人 4 地域の概況 川本町三原地区は、川本町の中でも農地がまとまって存在する農業地帯である。農家 世帯数は139 戸、農家の高齢化が進んでおり、11 集落中 7 集落が小規模高齢化集落と なっている。 地域の農地は、谷間集落の農地を除き概ねほ場整備はされているが、事業実施年度が 古く、ため池・水路の老朽化が進み、作業道の未設置、狭小なほ場の区画や排水不良な ど条件不利の農地も多くあり、担い手の規模拡大が進まない要因となっている。 地区には、3つの集落営農法人が設立されているが、農繁期におけるオペレーターが 不足しており、組織内での新たなオペレーターの確保育成が急務となっている。 5 取り組みの内容 (1)目 標 ①建設業者への農作業委託による集落協定間の連携推進(連携の仕組みづくり) ②集落協定の連携による農作業支援体制の検討(連携の仕組みづくり) (2)活動内容 ■建設業者へ委託する共同作業の検討(①の活動) 地域内にある平成建設有限会社が、地域内にある協定集落の農作業を一部代行 する仕組みをつくることにより、高齢農家等への農作業支援と農作業の共同取り 組みにより協定集落の連携を進めた。 協定間の話し合いにより、共同作業としては、建設会社作業員のオペレーター 機能と排水不良の改善が見込まれる溝切り作業とした。 ■共同作業の実施(➀の活動) 平成建設のオペレーター確保の時期と作業実施可能期間から、溝切り作業面積
は、平成24年度は3.6haと算定し、南佐木地域にあるあさひ協定と古屋口協 定の水田から作業を実施した。 ■集落協定連携の検討(②の活動) 古屋口協定、あさひ協定、中石協定は、それぞれ地区内に集落営農法人を設立 しているが、オペレーター不足等により、協定対象農地をカバーできていない。 この3協定の参加者18 名は、平成 26 年 2 月 20 日に出雲市佐田町の法人組織の 連携や飯南町の加工施設の先進地視察を行い、法人間連携も視野にいれた集落協 定の連携を検討した。 平成24年度モデル事業の実施により、協定集落の連携について検討を行い平 成25年度も引き続き検討を重ねてきたが、10月からは県農業再生協議会(担 い手部会)が実施する「集落ビジョン実践塾」への参加を決め、三原地区3法人 連携により地域全体の農地や農業の目標を定めることとした。 (3)今後の課題 平成建設の事務所と経理担当者により、各集落協定で負担となっている各種申請 事務や会計処理等の協定事務を引き受けることができないかも検討したが、特定の 時期に集中する事務処理に対応ができないという理由で断念した。