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■製品含有化学物質に関するトピックス(2016 年 2 月号)
発行 2016.2.25
◆RoHS指令関連情報
*RoHS 指令附属書 III の更新申請に対する検討状況
2016 年 7 月 21 日に有効期限切れとなる RoHS 指令附属書 III に収載された適用除外用途については、多くの電気 電子製品で活用されているものもあります。そのため、RoHS 指令の動向としては読者の関心が非常に高いものとな っています。 欧州委員会からの委託を受けて適用除外用途の追加や見直し等の調査を行っている Oeko-Institut は、2 月 2 日、 附属書 III に収載された 4 種の適用除外用途(パック 7)の調査結果を取りまとめた最終報告書を公表しました。 1.パック 7 調査報告書の勧告 本調査プロジェクトは 2014 年 12 月末に開始され、2015 年 9 月末に完了する予定となっていましたが、報告書の日 付は 1 月 21 日であり、2 月 2 日に公表されました。 本報告書では、2016 年 7 月 21 日に有効期限を迎える次の4 種の適用除外用途〔7(b)、9(b)、13(a)、13(b)〕につ いて、産業界から提出された更新申請に関する検討した結果、欧州委員会への勧告として次のような内容が示され ました。 7(b)については更新申請が撤回されたため延長は行われませんが、13(a)についての勧告は、現状の適用除外 用途の対象範囲を変更せず、有効期限を最大期間延長する内容となっています。 一方、9(b)、13(b)についての勧告は、有効期限の延長は認めつつも、更新申請内容を踏まえて現状の適用除外 用途の文言を変更し、適用除外用途の対象範囲を限定するよう変更されています。 また、これまで製品カテゴリー1~7 および製品カテゴリー10 については共通の適用除外用途でしたが、9(b)の勧 告では製品カテゴリー1(大型家庭用電気製品)のみに限定した上で、有効期限の延長を 3 年間のみ認める内容とな っています。 附属書 III No 勧告(英) 勧告 終了/見直し期限 7(b) 申請者による申請撤回9(b) Lead in bearing shells and bushes for refrigerant-containing
hermetic scroll compressors with a stated electrical power input equal or below 9kW for heating, ventilation, air conditioning and refrigeration (HVACR) applications 暖房・換気・空調・冷凍(HVACR) 用途における定格電力 9kW 以下 の冷媒含有密閉式スクロールコ ンプレッサのベアリングシェルお よびブッシュに含まれる鉛。 カテゴリー1:2019 年 7 月 21 日
13(a) Lead in White Glasses Used for Optical Applications 光学的用途に用いられる白色ガ ラス中の鉛。 カテゴリー1~7、同 10:2021 年 7 月 21 日 カテゴリー8、同 9:2021 年 7 月 21 日 カテゴリー8(体外診断用医療機 器):2023 年 7 月 21 日
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カテゴリー9(産業用監視および 制御機器):2024 年 7 月 21 日 13(b) Lead in ion coloured optical filter
glass types, or cadmium in striking optical filter glass types or lead and cadmium in glazes used for reflectance standards - excluding applications falling under Ex. point 39 of Annex III
イオンカラード光学フィルターガラ ス中の鉛、またはストライキング 光学フィルターガラス中のカドミ ウム、反射標準に用いられるガ ラス中の鉛とカドミウム。 ただし、附属書 III の 39 項目に該 当する用途は除く。 カテゴリー1~7、同 10:2021 年 7 月 21 日
Cadmium and lead in filter glasses and glasses used for reflectance standards フィルターガラスおよび反射標準 に用いられるガラス中の鉛とカド ミウム。 カテゴリー8、同 9:2021 年 7 月 21 日 カテゴリー8(体内診断機器): 2023 年 7 月 21 日 カテゴリー9(産業用監視および 制御機器):2024 年 7 月 21 日 2.2016 年 7 月 21 日有効期限の適用除外用途に関する今後のスケジュール 適用除外用途の更新については RoHS 指令第 5 条 5 項において、「欧州委員会は、正当な理由がない限り、既存 の適用除外用途の有効期限日の 6 カ月前までに更新申請の決定をしなければならない。欧州委員会による更新申 請の決定が行われるまで、既存の適用除外用途の有効性は継続する」と定められています。このため本来であれば 2016 年 1 月 21 日までに欧州委員会が更新申請の決定を行わなければなりませんでした。 しかしながら、2014 年 10 月から 2015 年 1 月 21 日までの間に上述のパック 7 に加え、29 種の適用除外用途(パッ ク 9)に対する 83 件の更新申請が寄せられたことを受けて、欧州委員会環境総局の Web ページでは、「多数の更新申 請が提出されていることから、更新申請の決定には、更新申請日から 18 カ月~24 カ月程度かかるものと見込んでい る」と記載されています。 このことから、最も早い更新申請日(2014 年 10 月 7 日)に提出された 9(b)について今回報告書が公表されました が、欧州委員会の決定自体は 2016 年 4 月~10 月頃にずれ込むことが想定されます。また、83 件の更新申請を対象 とするパック 9 については、調査プロジェクトが 2015 年 6 月に開始され、ステークホルダーからの意見募集を 2015 年 10 月まで実施し、2016 年 3 月に終了する予定となっているため 2)、欧州委員会の決定はさらにずれ込むことが想定 されます。 一方、RoHS 指令第 5 条 5 項では「欧州委員会による更新申請の決定が行われるまで、既存の適用除外用途の有 効性は継続する」ことが、さらに RoHS 指令第 5 条 6 項では「更新申請が認められない場合には、欧州委員会の決定 から 12~18 カ月後に当該適用除外用途は有効期限切れとなる」ことが定められています。つまり、更新申請が提出さ れている適用除外用途については、仮に欧州委員会が現時点(2016 年 2 月)に廃止決定されたとしても、猶予期間と して少なくとも 2017 年 2 月頃までは、当該適用除外用途は有効となります。 多くの電気電子製品で使用されている適用除外用途が対象となっているパック 9 の内容については、みなさまのご 関心が高いことと思います。プロジェクトの完了予定である 2016 年 3 月頃には新たな情報も公表されるものと思われ ますので、これらの動向に関する情報を入手しましたら、本コラムを通じて適宜ご提供していく予定です。 (2016/2/19 J-Net21“ここが知りたいRoHS指令”Q&Aより引用)
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◆REACH規則関連情報
*HBCDD の 2 用途の認可の官報公示
欧州委員会(以下、EC)は、2016 年 1 月 13 日に REACH 規則の認可対象物質(附属書 XIV 収載物質)であるヘキ サプロモシクロドデカン(以下、HBCCD。CAS 番号 3194-556、25637-99-4、13237-50-6、134237-51-7、 134237-528-2)の 2 つの用途について認可を付与する委員会決定を行い、その要約を官報公示しました。 HBCDD は、REACH 規則において、第 1 次認可物質として、附属書 XIV に収載されていました〔2011 年 2 月 18 日 委員会規則(EU)No 143/2011〕。 今回の官報公示によりますと、HBCDD の認可された 2 用途は以下です。 ・建材として使用するために、難燃添加剤として HBCCD を使用する非発泡ペレットによる難燃性ビーズ法ポリスチ レンフォーム(EPS)の形成 ・建材として使用する難燃性 EPS 製品の製造 認可の見直し期日は 1 年半後の 2017 年 8 月 21 日となっていて、「もし、認可を取下げる決定が REACH 規則の第 61 条(2)および(3)の適用より早期に採用されないならば、2016 年 2 月 21 日(認可期限の 18 カ月前)までに見直し 報告書(review report)を提出していない認可保有者の認可保有に関しては、2017 年 8 月 21 日に法的に停止される」 との記載がなされています。 また、上述の官報公示には、認可決定の理由として以下のように記載されています。 REACH 規則の第 60 条(4)に照らして、社会経済便益が物質の使用により生ずる環境に対するリスクに勝っており、 適切な代替品で十分な量を活用できるテクノロジーがない。
しかし、ポリマー難燃剤(a polymeric flame retardant)は、いったん試験(テスト)と証明が成功裡に完了すれば、技 術的に利用可能な代替品であり 2017 年までに見積もられる需要に適合するための十分な量の確保が期待されてい る。 認可保有者は、3 カ月ごとに上市されるポリマー難燃剤の利用可能量と HBCDD の代替に向けた進展レポートの提 出が要求されています。 なお、RoHS 指令(2011/65/EU)の前文(10)おいて HBCDD 等については、以下の記載があります。 (10)本指令において規定される措置は、既存の国際的なガイドラインと勧告を考慮し科学と技術の情報の評価に 基づいていなければならない。措置は予防原則を考慮し、共同体において措置が存在しない場合に創出されるリスク に配慮して人の健康と環境の保護の選択された水準を達成するために必要である。 措置は継続的に見直しされなければならない。そして必要であれば、利用可能な技術および科学情報を考慮する ために調整されなければならない。この指令の附属書は特に、REACH 規則〔Regulation(EC)No.1907/2006 of the European Parliament and the Council of 18 December 2006 concerning the Registration , Evaluation , Authorisation and Restriction of Chemicals(REACH)and establishment a European Chemicals Agency〕の附属書 XIV 及び XVII を 考慮し、定期的に見直しされなければならない。特に、ヘクサブロモシクロドデカン(HBCDD)、フタル酸ジエチルヘキ シル(DEHP)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)及びフタル酸ジブチル(DBP)の使用による人の健康と環境に対するリ スクに最優先の考慮が払われるべきである。更なる物質制限の観点から欧州委員会は、最初の見直しの一部として この指令に規定されている新しい基準に従い、以前の評価対象であつた物質を再調査すべきである。 RoHS 指令は、第 6 条(附属書 II の制限物質のレビューと修正)従い含有制限物質の見直しが行われ、2015 年 6 月に従来の 6 制限物質に上記前文のうち、HBCDD を除く、DEHP、BBP、DBP に DIBP(フタル酸ジシソブチル)を加え たフタル酸エステル 4 物質が追加され、同指令の附属書 II の収載物質が 10 物質となり、加盟国は 2016 年 12 月 31 日までに国内法の制定が求められています。4 種のフタル酸エステルは、HBCDD と同じく REACH 規則附属書 XIV に 収載されている認可対象物質となっています。 ちなみに、2013 年 4 月に開催された POPs 条約の第 6 回締約国会議において HBCDD の廃絶が決定されたことに
4 伴いわが国においては、2014 年 6 月に化審法で HBCDD が第一種特定化学物質に指定され、製造、輸入使用等が 禁止されています。 (2016/2/5 J-Net21“ここが知りたいREACH規則”コラムより引用)
*Q.467
REACH 規則の制限物質に関する附属書 XVII の改正は改正規則の施行日から効力を発揮するのでし
ょうか?
A.467
REACH 規則附属書 XVII には制限物質の追加、すでに対象だった物質の用途などの追加、表示方法などの修正が なされる場合があり、最新情報に注意を払う必要があります。REACH 規則の改正に関する最新の条文については、 欧州委員会環境総局のウェブサイトおよび EU 法データベース(EUR-Lex)から確認することができます。 REACH 規則附属書 XVII の改正の適用開始日については、個々の制限対象物質ごとに定められている「制限条件」 に記載されており、その適用開始日はさまざまです。例えば、COMMISSION REGULATION(EC) No552/2009 に記載されているシクロヘキサンでは、上市開始日を基 準に、制限の適用開始日が異なります。2010 年 6 月 27 日以降にシクロヘキサンを含有する特定の接着剤を EU 市場 に初めて上市することが禁止とされています。
一方、2010 年 6 月 26 日以前に上市が開始された同製品については、半年間の猶予期間が設けられ、2010 年 12 月 27 日から上市が禁止されています。
また、2016 年 2 月 5 日現在の最新の改正としては、2016 年 1 月 13 日に公表されたノニルフェノールエトキシレート (NPE)の制限があります。COMMISSION REGULATION(EU)2016/26 では、NPE を含有する特定の繊維製品の上市 が 2021 年 2 月 3 日から禁止することが定められています。 このように、附属書 XVII に収載された制限対象物質の改正の適用開始日についてはそれぞれの制限対象物質ご とに定められた「制限条件」を確認し、どのような条件で、いつから使用や上市が禁止されるかを確認することが必要 となります。 なお、附属書 XVII の改正は、以下の順序で制定手続きが行われ、ECHA のホームページにおいて適宜状況が公表 され、定められた段階で利害関係者に対する意見募集が行われますので、改正前の段階から検討状況を確認するこ とができます。
1.提案意向(Current Restriction intentions)
加盟国等によって、制限を提案する意向が ECHA に通知されます。 2.提案(Submitted Restriction proposals)
「1.」の意向通知から 12 カ月以内に意向通知を行った加盟国等によって制限の提案書類が作成され、ECHA に提出 されます。
3.提案書類に対する意見募集(Submitted restrictions under consideration) ECHA に提出された提案書類に対して、6 カ月間の意見募集が行われます。 4.ECHA 意見案の策定と意見募集(Submitted restrictions under consideration)
提案書類に対して寄せられた意見を踏まえ、リスク専門家評価委員会(RAC)で 9 カ月以内、社会経済分析専門委 員会(SEAC)で 12 カ月以内の検討が行われます。検討結果は ECHA ウェブサイトに掲載されるとともに、SEAC の意 見案に対しては 60 日間の意見募集が行われ、その意見を踏まえた最終意見としてまとめられます。
5.EC 法案(Adopted opinions on restriction proposals)
「4.」の検討結果が ECHA から欧州委員会に報告されてから 3 カ月間以内に、欧州委員会で附属書 XVII の改正案を 作成します。欧州議会、理事会の合意を得ることで可決されます。
5 6.官報公示
附属書 XVII の改正として、官報(Official Journal of the European Union)に公表されます。
(2016/2/12 J-Net21“ここが知りたいREACH規則”Q&Aより引用)