第5巻第2号（1953ト 159
ホットキヤップの被覆材斜について〔Ⅰ〕
念 田 久 男
on也eoilp左如randv払yl云lothforhbt・占ap11Se．〔1〕
By Hisao X．1TRATA
（Laboご・atOryOf Vegetable S￠ience）
（Received Sept．30，1953）
1・緒
音温暖地に於ける歳菜，特に果菜栽培の早熟化傾向ほ急速軋進歩して早春に於ける定植軍の繰止帆
定植苗の保護の為にホットキヤップの利用が増加し，産地でほ既に油紙又ほビニールなどの使用が一
般化tノている涼床簡許に用いる保湿障子材料として硝子，油紙，ピ＝−ルなど紅ついては既に多くの記録（l）＼（！〉
（S）、4）（6）（9）があるが，低温時の育苗と異り相当温度が上昇しゼから，然も広面轍粧蔓って使用するホ
アーキヤ㌢プ使用紅ほ自ら異る見地から考えることが必要である・これ等キャップ内の微気象については既に上夙磯崎両氏（7）の報曽があるが，更に栽培応用的見地から考究する必要がある，更常
最近米国プロテクシ十≡しンプロタックス会社製のストーミークエダーNoユの塗油が通気性を害することなく紙質を強靭するものと輸入されたので，キャップ油紙の塗満席痢としての夷用性について検定
オる為併せて若干の調査を行った，一ケ年の成績で不備な点もあるが大要目的を達したので概要を報
告する．■ 尚，実験材料を授供されたストーミーウェザT輸入元，四国ドック株牟会社貿易部並に英験を進め
る忙当づて御指導を戴いた卒研究宴渡辺正・▲先生，調査降協力された贋顛究衆研究室磯崎義弊氏，本
研究草前野耕一氏に深甚なる謝意を表す孝次第である・2・実 像 材 料
3月21日市販の湿床障子用日本紙及びロール紙を用いて夫々次の各区の塗油を行った．
尚，ストナミー ウ土ザーーは前記四国ドック株式会社掟供のもの，裸油は市販の温床障子用石油混
合油を用いた．A 畠 ストーミークエザ− Nol塗油
B 区 スヤーミ・− ウェザー Nol及び巷油等屈混合塗油
C 区 荏 油 塗 油
やゝ、区 無 塗 油 婆溶融享． っを加熱して噴務し辛折して区毎に盈ね，油の惨透するよう軋板で押え畢石を置き3日後から暢乾し た． 更に比較のため市販梨地ビニー・ル（E区）を加え調査した， 塗油紙の薬害調査は塗油翌日，引火性は塗油4時間後に行い，．3月26日から普通育苗中の・ト音卜臣 （新造事卜本葉4枚）胡瓜苗く育大節成，本葉1枚）学園場に定植し耳各材料牢キャップ式に被覆し で発育を比戦し◆た，■調査ほ各区発育中庸なもの5本を用いた，その他機を見て日射透過豊，蒸発豊香川県立康和犬学学術報昏 160 通気性，紙質の強度を調査tンた．
3．実 験 緒 暴
1．キャップ内栽培成績 各区の千マ†，胡瓜を調査ふた結果ほ乳1表の通り′軍あみ、目茶紙は3月2と将の降雪により破損し たので調査から除外した． 第1表 キャップ被覆生育調査 1 4 月 14 日 ル油紙の各区ほ・一般にB区が最も優れてお 爪i卜 − 卜「」 鵬 C ロnノ 胡 瓜！ト 9 一議㌫6・‖““ マ 、．∨ 次 †A でD区の順である，ビニールは初め 盈螢gl鍬：f 奉呈壌好セ怠るが4月下旬柁〉トマトでほ劣って い篭汗∴む月外温が相当上昇し日射も強くなって から聖二津ヤップ内は日ヰ必賽以上に温度が上昇 することが屡々で通気性のないビニ巾ルほその 221 005 5′○′〇一b一よ 05055 78′0′0／0 1 1 1 1 3 l l l 1 2 腐り 1 受 第 を の 害− 丁 発光が欝変している与とが認められた 能動ま開花を始めていたがどょメレ区 ︻月 ・ 、4 、 瀾 、 本 ′ ハ 5 こノ 蕊 ほ F L 盈巧︵、 旬 下 な の 外ゎ こ ヽ・‖‖l＼ ， 花 A 、丁仇 ．L〃l ， で、ハC ⋮偽い＼＼nノ ・．1† 慢 や、■ ト⋮ 観 き B 除∵て︵被′を し 因
∵で ∵か 区 ￠順 あった ∴リ︼ 疲療材料調壷成疲∴： tあ で ︸ヘノ よ そ晴天二の革年頃河蜜し／た箪果産卵表の癖2衰 日射透過盛
日 射透過量 ゴルチンヌキ・−あ日射釘を凱 る．ピニー中埠紙質名区に比して優れモいるが，油紙各区を比威す
ると日本紙，ら−）レ舐共にC，．寧A，Dの順でスF−ミニウェザー
氏 B ＿＿＿＿＿＿ 杢 ロ −− ル 平 ノ発仁 隻L∠頭生空色 0・や5や 0ニ2839 平 均 C年1，／min・ 3：喜喜含l…写て芸 よ∵の㌔で 油′そい紙 荏へ、＼と▼−ル がパる∵二 るノノ∵サ ロ い、ぶロ′と て．J混紙 れ．，本 優＼り日 は無塗油よ り15−Y30％劣 中間である． 第1回は4月22日、第21可ほ4月27日 ほ塗油酪の差は大きくないが塗油 Eを去．二・ル 額1由ぬ5ラる 第2回84露平均1・205eal／ふ王1ム∴ム品2 による透過盈の増加傾向ほロ−ル紙が大きい． （句 紙質の儀鼠享木箪畢賽硬琴軍手を即、硝子嘩の甲些緊張して張った蘭料の中穴な∵圧して韓が 破摸する噂示す寧g数字を表わし隋㌧塗沖直後，革郡叩甲硬度計を剛、て調べ嘩果ほ欝3泰の ようで日本紙，ロ−・−ル紙共にA区が優れているがB，C由一ほ無塗油より却って劣っている・．之咋 第3表 徴布値㈲こ於ける強度調査（kg）牒4家 織布即0日経た紙？
（ノ）ほ平均膚径2．L7cm当り、自′一−−ル紙r、′ （）は平均，督穣0い8露増り′乾燥不良によるものである．然し塗油後10Elを経て直径2・7、cmの王冠を硬度計に冠せて調査する
と第4襲のように艶翻犬態のロ−・ル紙では塗油各痙は兼塗油陀優り特産女十⊥ミ・−−ウ土ザ㌫・単軸ミ巌も秀れ，薇油ーとゐ濾融ま中間婆あ如吏重油単用紅近い・瓶を永払渡消し七置く、取出むそ同
様調査したもゐ萎は緬塗泡紙は藩しく弱くなるか塗油各区疫余う変化が認められない・尚キャップの栽培鍋庭中3舶8白異例の降雪があり，1各被密共浸潤と圧力とを直接同時た受けた
第S巻欝2替（1958） 紬1 この場合一般にロール紙が日本紙より強く，B，Cは健全に保ったのに放しA，Dほ小一大破し た（別図） 滞1図 降雪による被啓状涙（3月28日） ＼ D、区 C 区 A 区 B 区 （日 本 紙）
靭通風払外径3．Oem，内径2・8cm？長さ20去m，1￠m毎に目盛を軋た硝子管の上端蛸料を糊 ヽ＼ヽ
付し更にゴムバンドで堅く押えたものを深さ18cmの水槽中に立てて永庄によって管内紅上昇す る永億の速度を保って襲わすと第5表のようである・ A，卑，与、，、・・D考革隼ロール紙で奉るが，A，∴q、さp草 間には殆ど差が碍申をれないのに・対し曜鱒トキ考区牢ミ 極めて週計性串ミ優姓，他区に比し糾・5倍一軍串ろ・ ビニールが道男性り無いちとは今まで多く記琴ざれ， 経験㌧ているこ・与と同様である・ 陸）′蒸発畳，⊥直径9c叫深さ6cmのシヤ一打ナ牲水号ネ 勢L5表 適、気性調査 第6衷 蒸発・盈調査 れ上面 を各被 単位ほ秒，（）ほ上昇測定水位二土
＿＿＿
蒜極ノ蒜1呵合計 種紙で被って電熱恒渾器内（声ヂC）′認び室掛モ 放置 性と同一一傾向である・ （串 油に依る被害調査，塗油翌日巾6e勒長さ・．15cm 隼切つ声材料を第7衷に示す雷及環境下の温坪 内で茄，Uマナ，胡瓜に・若干柴に接し乍らトγネ ル状に被って障害発生を調査しキ，処理は2叩 午前10噂から翌日午前10時迄行：つた結果ほぃマ h胡瓜は各区共何等異状を革めなかった・然 し茄ではストーミ−ウ1エザ−Nol単用塗油した （7′ナユ0竺C）g 707 1 010 0A B C E
ビニ・−ル “第7′衷品種卜突撃
硝子障子 覆日中適 25◇C⊥300C l170C．｝300C 200C⊥300C区に於せ油紙と接した苗菜の周辺が若干黄変する隕が認められたが生育には外観的な革鱒、現わ
れなかった，B，C区は異状がなかった・（6）引火及び乾燥性塗油4時間後のロー・ル紙各区を巾2cm，長さ10cmに切断して電気コソロの上に
置いてみると第8表のよ．うな変化が見られた，即 ち引卑生について柊各区に選考ミ翠め難いが，声わ ー・− ことが認められるふ虜火の、上に恩．いた場合も周様彿8栄 乾燥引火成絞
162 香川県発展野太学祭術報告
ヰ・、考 ＿
凛曖地に於て3月下旬から，普通ほ4月に入って温度が相当上昇してから用いるキャップ栽培では， ■
（、し 過度の冷却と風害を防ぐ目的で周囲を主七押えそ風め入るのを防いでいるが，温暖な日中は内部が作
物の生育を害ずる程に上昇することが屡々である（5）（8）（7）その為に日射透過藍の少ないものでは件物 の生理を害しまた定植当時の冷凍な地温を上昇するに到らないから適当でないので，日朗透過の多い＼ ものを用いて気張上昇監伴レ、周囲を隙し又ほ油紙などでは頂部を破いて通風を封るのであるが，風害
及び朝の寒冷，不慮の降霜などを直接費ゆ易いために望ましい方法でほない．湿床場の如く1日数回
管理する処と異り広面積に亘る本圃のキャップ栽培ではその作物を健全に発育させる困雉は 地で認められる処である． 本調査に於で透過光急がJ約15鬼 る紅拘はらず混用塗油区の生育良好であった理由 が1・媚症増加していた事軋依るものと思われ卑・この程皮の光恵の減少は胡瓜の彗琶及び花里発乳結実に支障ほない（S）と認められるが，トマトで 1‘◆ノ叫ご＼ゝ は作物あ生長，結実共に光の巌に瀧例紡や減尭の慈影響を受け易い（3）（ヰ）（8）嘉、ら歳莱の種類近応じて
一 日射麺適意，通風 日中湿度の濃適条件が異づて来る．
従ってストミーウェブーーNo博独使用ほ紙質を強靭拉する以外何等効果を認め難いが，葎油と混′ヽ 用サること紀伊って日那透過を向上し，、通気性を増加して極端な寒冷期以外はホ射キヤ・ツプ栽培
用に好適しているものと認められるご 日本紙と洋紙の比較粧ついては志茂山，高宮両氏（9）ほ洋紙が使用前ほ強いが後期ほ油ゐ脱線が多 く自本紙より弱くなると鞭貸し宅いる畠；，本調査に潤いたものでほbニル紙うこ強靭臥透過光竃も多 く，経済的にもキャップ用として適していると認められる；然しそれは同好沙㌧）等及び八鍬民（1（りが報 ＼＼ 督しでいる磯律供試材料寓よらて羞かおるので長い紙を選ぶことが大切である．5・掛∵
瑠卜
1・昭和28年3∼ル4月，日本紙及びロール紙な用い，市販油障子用荏油と米国プロテクシ′三上シ ブロタ ックネ螢社製ストミ・一 夕エーゲーⅣ01簸び両者の等量混合油を塗油した油紙，並に市販敷地ビ ごニールを供試してトマト胡瓜のキャップ覿培及び紙の諸性質を実用的見地から調査した． 2・油紙とピエールの日射透通屈，通風性などは今までの報嘗と同様であったが，ストーミーク土ザとか恵められた．紙質の放さほ僅がに廃如した
ーNolと裸油混用区が通風性を約1．5倍に高めると が日射透過巌は荏油紙よサロ−ル紙で15％裡掛った，、そ・の他栽培用不利な点ほなかったがストー・ミ ：ユ串ザ⊥No蝉野を纏を強くする以外優れてしこ 3∴寒温如上熟す苧牒申はキャップ内鱒度が必箪以上に上昇することが屡々恵められる、，をの為に通乳性に革む混鱒油塗油離享†マ、ト，胡瓜の恕育を澱も盛転した，せニ−ルは通知掘いため後期の
障奮が明瞭であっ尭． 4．以上から4月のホシ11・キャップ栽培でほ、被榎南料ゐ日射透過靂と共に通う引如；’作物生育虹影響 することが大きいことが認められる． 引 用 文 献 （l）恵 口 櫛㌧應：茂米菓培の基礎彗ち蔑及臥11（3）921−・928（1り36） （勿 藤 井 健ノ雄：茂葵園芸学給論，｛果菜葬祭堂（1950） （3）藤 井 俊 雄：果菜類落花に関する研究，、発京河出容顔（1948） （4）藤井健雄、倉田久男：†マ千の発売に及ぼす光の膨執昭和28年春匪芸学会発賽（1953〉溺藩奄登 （5）本 好∴∵卑： （6）近藤頼己、木戸三夫 （円 上原勝廟こノ磯崎童政 （8）PoRrER，A．M… ： 163 威菜の應ヅLIキャ争ケ敷歓療及臥，2、7（3）一昨）坤ヰ擁、．A6．6∼468′、J（1952） ；保温折衷苗代用ビニール温床紙の効果、農及園28（わ199∼200（1952） ：ホ、示、
Effect Qflightintensity on the photosynthetic effect of tomato plants・Plant phy8i
12（2）225′｝2S2（1937） （9）志茂山東ニ、高官実 ：保温紙及ビニ−ル布の育苗効果に関する研究（罪1、2報）岡山大学農学部学術報告 NO2 57′−9ユ（1953） 個 八 緻 利 勝：温冷床及び保温折衷苗代用漸翫摘射の透過、農及園26（5）539∼540（1952） R畠sum量
L Someinve畠tigationswere甲rriedoutOnthe．・follovi笹笹aterialsforhot・rCapuSe・
A・SaturatedpaperwithStor禦yW6at桓No・1・（申poriedfrcmProtectionProduxCo・・
Michigan，U．S・A．t，y Sikoku DockCo．，Kobe，Japan）
B．SaturatedpaperwithmiⅩed
C． アapeI・Sat11工ated wi血common oilfo‡fェame． 、p・Contて01（nosatu呵edpape‡）
E． Vinyl，ClotIl
2．A didnotsurpass B and C with the exception ofincreaslng papeIintensity．The solar
謂diation、Of B was85％of that of C，but pape‡Ventilation wasincreasedtol・5times・
3・‡n Ap再1，atteTlticns may be paidon the ventilation for】軍eping o‡fobstIuCtions by
√ み短h旭nperatu工ein bot caps．F工Gm al〕0Ve pOints of view迅caps＄u叩aSS Ot‡ler5in the
Clミ1tlユre Of the tomato and cucumber；vinylcaps we工e gOOd at first，but they were
