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や水産生物の栽培を含むかたちで生物育成領域が新設され C 生物育成に関する技術 が必修化さ れた これは社会の基礎として存在する生物育成の技術について すべての生徒が体験し その重要 性を理解する必要性があるからである しかし 中学校技術 家庭科 ( 技術分野 ) における栽培技 術は長い間必修領域

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Academic year: 2021

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目的や条件に応じた栽培ができる生徒を育てる教材の開発

-MDシートの制作と活用を通して- 産業・情報教育部情報教育班 長期派遣研修員(川崎町立川崎中学校 教諭) 藤木 俊介 1 研究主題についての説明 (1) 主題の意味 ア 主題について 「目的」とは、作物の品質や収穫量のことであり、「条件」とは、光、温度、水、土など作物の成 長に影響する環境要因のことである。 「目的や条件に応じた栽培ができる」とは、作物の品質や収穫量と作物の成長に影響がある環境要 因に合った栽培技術を考え、栽培計画を立て、作物を育てることである。 本研究での栽培技術とは、種まきや間引きなどの作物の管理技術と土づくりやかん水などの育成環 境の管理技術のこととする。 そこで、本研究で目指す生徒の姿を以下のように設定した。 ○ 作物の育成に適した環境要因や栽培技術があることに気付くことができる生徒 ○ 栽培計画を立て、観察を基に必要な情報を収集し、栽培計画の見直しができる生徒 ○ 様々な制約の中で最適な栽培技術を適切に評価することができる生徒 「目的や条件に応じた栽培ができる生徒を育てる教材」とは、生徒が作物の品質や収穫量と作物の 成長に影響がある環境要因に合った栽培技術を考え、栽培計画を立て、作物を育てることができるよ う支援するディジタルコンテンツ、教師用指導手引書のことである。 イ 副題について 「MDシート」とは、「Media Drawerシート」の略であり、目的や条件に応じた栽培ができるように栽培 計画を立てるための情報や観察した記録の情報を蓄積でき、必要に応じて情報の検索、保存及び編集が できるディジタルコンテンツのことである。 「MDシートの活用」とは、教師用指導手引書を基に、教師がMDシートの機能を十分に生かして効果的 に利用することで、生徒が目的や条件に応じた栽培ができる力を身に付けることができるようにするこ とである。

このMDシートの制作には、Microsoft社のMicrosoft Office OneNote 2010とExcel 2010を使用する。 OneNoteは、Excelのグラフを挿入したり、Internet Explorerと連携したり、他のソフトウェアとリン クしたりできる機能があり、情報を一元化することができる。また、記録をディジタル化することで、 容易にデータの集約や視覚化ができ、他者と栽培技術の相違点などの交流が行いやすくなる。そこで、 OneNoteやExcelの特徴を取り入れたMDシートを活用することで、次のようなメリットがあると考える。 ○ 生徒自らが問題意識をもって知識や技術を習得していく問題解決的な学習によって、生徒の 主体的な学習の展開が可能となる。 ○ ICT機器を効果的に活用することができ、作物の成長を即時的に、しかも視覚的にとらえられ るので、栽培への関心を高めることができる。 ○ 情報の収集や蓄積が容易であり、栽培計画の立案、修正あるいは観察記録など他者に分かり やすく自分の考えを説明できる。 (2) 主題設定の理由 中学校技術・家庭科(技術分野)における栽培教育については、昭和33年の学習指導要領の改訂 に伴い職業・家庭科を母体とし技術・家庭科が新設された当初から選択的内容と位置付けられてき た。中学校学習指導要領の改訂(文部科学省2008)により、従来の作物の栽培以外に、小動物の飼育

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や水産生物の栽培を含むかたちで生物育成領域が新設され、「C生物育成に関する技術」が必修化さ れた。これは社会の基礎として存在する生物育成の技術について、すべての生徒が体験し、その重要 性を理解する必要性があるからである。しかし、中学校技術・家庭科(技術分野)における栽培技 術は長い間必修領域でなかったために、栽培を行うための農地確保、育成に失敗した場合にやり直 しが難しい等の諸問題も考えられるため、教師も他の必修領域のように積極的に取り組むことが少 なかった。また、教材・教具の開発、実践例の積み上げも十分ではないことも課題としてあげられ ている。このような状況において、本研究は学習指導要領及び同解説書で求められている配慮事項 に即した学習効果を高める「指導モデル」の作成となり、教材開発ともなるので意義深いと考え、 本主題を設定した。 2 研究の目標 中学校技術・家庭科(技術分野)の栽培学習において、生徒が目的や条件に応じた栽培ができるよ う支援する教材(MDシート、教師用指導手引書)の開発を行う。 3 研究の内容 (1) 開発教材について ア 教材の概要 開発した教材は、MDシートと教師用指導手引書の 二つである(図1)。 MDシートは、個人のデータをまとめた個人シート と班や学級の人とデータを共有したり、比較したり することができる共有シートの二つである。 教師用指導手引書は、MDシートの環境設定と情報 の入出力の仕方等を説明したものである。 イ MDシートについて MDシートは、生徒が栽培計画を立てるための情報や観察した記録の情報を蓄積でき、必要に応じて情 報の検索、保存や編集ができるようにするために次のような機能を有する。 ・ICT機器の特性である視覚化、双方向性及び即時性を生かした「機能性」 ・生徒が情報の入出力が容易にできるようにする「操作性」 ・蓄積した多様なデータの振り返りや比較などを容易にする「実用性」 (ア) 個人シートについて 個人シート(図2)には、各自が育てる作物の観察記録の情報を入力し、蓄積していく。作物の観察 記録の情報から栽培計画を基に情報を整理し、必要な情報を収集して自分の栽培計画の見直しを行うこ とができる。そのことから目的や条件に応じた栽培技術であるのか検討することもできる。 個人シート 共有シート MDシート 教師用指導手引書 題材指導計画 観察記録の 入出力方法 画面構成 環境設定 図1 開発教材の概要 図2 個人シート

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(イ) 共有シートについて 共有シート(図3)には、個人シートに記入された 班員全員の目的や、条件に応じた栽培ができるための 栽培技術と考察の内容が記録される。共有シートは、 班員だけでなく、学級全員とも情報を共有したり、 比較したりすることができる。作物育成において同 じ問題をもった生徒同士や異なった問題をもった生 徒同士で情報のやり取りができるようにすることで、 成長の違いに気付き、原因を追究することができる。 栽培技術に関する考えを意見交流の場で出し合い、お 互いの栽培技術を相互評価することで、栽培技術のよ さを評価する力がはぐくまれると考える。 ウ 教師用指導手引書について 教師用指導手引書は、MDシートの画面構成、環境設 定、観察記録の入出力方法と題材指導計画の四つの内 容で構成した。 (ア) MDシートの画面構成 MDシートは、入力した作物の成長の様子や葉のデー タ、生徒の観察内容、写真は個人シートにデータとし て蓄積されていく。また、共有シートともリンクし、 お互いの情報のやり取り等ができるようにしている。 そこで、MDシートの画面構成の内容としては、MDシー ト画面の各部の名称とそのはたらきの解説を記載して いる(図4)。 (イ) MDシートの環境設定 MDシートの環境設定の内容は、MDシート内で栽培計 画や観察記録、収集した情報を蓄積し、その情報のや り取りや相互評価することができるように個人シー ト、共有シートのリンクを行うまでの手順等を記載し ている(図5)。 (ウ) 観察記録の入出力方法 観察記録の入出力方法の内容は、栽培計画から成 長レポートに至るまでの観察記録の情報を入力の仕方 から表示のさせ方までの手順を記載している(図6)。 (エ) 題材指導計画について 題材指導計画は、設定した題材において、どのよ うな内容を取り上げ、どう支援しながら、12時間の 授業で指導していくかを具体的に示すものである。 また、題材指導計画とともに一単位時間ごとの学習 指導案を作成し、授業の内容や手順及びMDシートの 活用について具体的に示し、生徒の学習活動と、指 導者の指導の双方が具体的にイメージできるように する。 このMDシートは、OneNoteとExcelを用いるため基本的な操作方法や活用方法を指導する必要がある。「生 物育成に関する技術」の学習内容に、このような操作方法をすべて取り込むことは授業時数から考える 図3 共有シート 図4 MDシートの画面構成 図5 MDシートの環境設定 図6 観察記録の入出力方法

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と難しい。そこで、学習内容で栽培に関 する内容は、「生物育成に関する技術」 で実施し、コンピュータを使って情報を 入力したり、収集したりする内容を「情 報に関する技術」で実施する。 (2) 開発教材の活用構想 本研究において、目的や条件に応じ た栽培ができる生徒を育てるために、学 習過程を「つかむ」、「さぐる」、「ふか める」の三つの段階に分け、各段階で のねらいに応じてMDシートを活用する (図7)。 ア 「つかむ」段階 (ア) 学習活動・内容 「つかむ」段階(資料1)では、作 物の育成に適した環境要因や栽培技術 があることに気付くことをねらいとす る。はじめに、種の量を変えたり、日 射量を変えて育てた実物のスプラウトを 提示し、成長の違いが出た原因を考えさ せ、意見交流する場を設定する。その後、 成長の様子の記録映像を提示し、作物が 育つために環境要因が影響していること をつかむことができるようにする。 次に、作物が育つために必要な環境や 育てるためにどんな技術を必要とするの か項目ごと(土づくり、かん水、施肥等) で挙げ、説明を加えながらワークシート にまとめていく。 (イ) MDシートの役割 この段階でのMDシートの役割は下記 の二つである。 ・光、温度、水、土など作物の成長 に影響する環境要因に適した栽培技 術について、前時で行った内容をMD シートに転記し、他に必要な情報を 収集し、情報を記録し、保存する。 ・出典の明記や調べた情報をそのま まコピーすることの禁止など著作権 に関わることなどの事項について事 前に指導を行う。 イ 「さぐる」段階 (ア) 学習活動・内容 「さぐる」段階(資料2)では、栽培計画を立て、観察を基に必要な情報を収集し、栽培計画の見 直しができるように「品質や収穫量」の目的と栽培環境要因から適した栽培技術を調べ、栽培計画を 図7 MDシートの活用構想図

目的や条件に応じた栽培ができる生徒

○ 作物の育成に適した環境要因や栽培技術があることに気付くことができる生徒 ○ 栽培計画を立て、観察を基に必要な情報を収集し、栽培計画の見直しができる生徒 ○ 様々な制約の中で最適な栽培技術を適切に評価することができる生徒 つ か む 段 階 さ ぐ る 段 階 ふ か め る 段 階 学習活動 MDシート 栽培結果や収集した情報を比較したり、 考察したりすることで栽培技術を適切 に評価することができたか判断する。 適した栽培技術をまとめ、成長レポー トを作成する。 目的や条件に応じた栽培計画を立てる ために、必要な情報を収集する。観察 記録から栽培技術を考え、栽培計画の 見直しを行う。 栽培したスプラウトから育成環境が 及ぼす影響を知る。栽培の流れを知 り、栽培技術の基本を学ぶ。 ・観察記録や生徒自身の考察の振り返り ・目的や条件に応じた栽培技術を評価 ・他の生徒との共有 ・成長レポート作成 ・自己評価 ・相互評価 ・栽培計画の立案 ・観察記録の蓄積 ・インターネットで収集した情報の蓄積 ・他の生徒との共有 ・栽培計画の見直し ・栽培技術に関する情報の収集 ・栽培に必要な情報の蓄積 資料1 題材指導計画 「つかむ」段階 資料2 題材指導計画 「さぐる」段階

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立て、その計画に基づいて栽培を行う。育成場所や栽培期間、栽培のしやすさ等の制約条件から栽培 する作物をダイコンとする。 (イ) MDシートの役割 この段階でのMDシートの役割は下記の二つである。 ・個人シートに観察記録の情報を蓄積し、曜日ごとにまとめたり、成長の変化が大きい日でまとめた り、成長の様子を視覚的に表示する。 ・栽培の目的や条件に必要な情報を収集し、栽培計画を立て、共有シートで他者の考えを交流するこ とで、栽培技術についての付加・修正を行う。 ウ 「ふかめる」段階 (ア) 学習活動・内容 「ふかめる」段階(資料3)で は、様々な制約の中で最適な栽培 技術を適切に評価することができ るように、観察記録から自分の考 えを成長レポートにまとめる。ま た、成長レポートの発表会を行う。 (イ) MDシートの役割 この段階でのMDシートの役割は下記の二つである。 ・これまでの観察記録を基に成長レポートの作成を行う。 ・お互いの技術のよさを評価し合い、目的や条件に合った栽培技術についてまとめる。 4 開発教材の検証 (1) 検証の実施について ○ 調査期日 平成25年11月12日、13日 ○ 調査対象 A郡内中学校技術・家庭科(技術分野)担当教師4名 ○ 検証方法 開発した教材(MDシート、教師用指導手引書)が目的や条件に応じた栽培ができる生徒の育成を支援 するものとなっているか、学習活動・内容の適正とMDシート活用の効果の2点から教材評価アンケート 及び聞き取り調査を行った。 (2) 各段階の考察 ア 「つかむ」段階 先生方にMDシートの各部の名称と基本操作を説明し、教師用指導手引書を基につかむ段階の学習内容 に沿って操作をしていただいた。そこで、本段階のねらいである「作物の育成に適した環境要因や栽培 技術があることに気付くことができる」ことを達成するために適した教材と判断できるものになって いるか検証する。 導入での種の量や日射量を変えて育てた実物のスプラウトを提示し、成長の違いから原因を考える 学習は生徒の意欲を引き出すのに大変有効であるというご意見を全員からいただいた。また、作物を 育てるだけではなく、様々な制約の中でどのように育てるのかを追究するための問題解決的な学習の導 入になっているとのご意見もいただいた。 MDシートの活用については、必要な情報を収集し、蓄積しておくことは、その後の学習に役立ち、 学習後の情報活用にもつながり、先生方全員から有効であると答えていただいた。また、ディジタル データとして蓄積しておくことは生徒の情報活用能力の育成にもつながるとの意見もいただいた。 「作物の育成に適した環境要因や栽培技術があることに気付くことができる教材となっているか」 については、全員の先生方が「なっている」との回答をいただいた。 イ 「さぐる」段階 本段階では、「栽培計画を立て、観察を基に必要な情報を収集し、栽培計画の見直しができる」こ 資料3 題材指導計画 「ふかめる」段階

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とを達成するために適した教材と判断できるものになっているか検証する。 自分の目的や条件に応じた栽培技術を考え栽培計画を立てるために、MDシートに情報を収集し、立 てた計画を基に意見交流を行うことは「生徒の思考が広がり、主体的な学習につながる」あるいは「生 徒同士の意見交流の内容が深まり、言語活動の充実にもつながる」というご意見をいただいた。また、 観察記録を蓄積できたり、その情報を視覚化できたりすることは生徒の意欲を持続させるのに有効であ るとのご意見をいただいた。個人シートの内容が共有シートにも転記され、生徒同士の比較も容易であ ると好評であった。 「栽培計画を立て、観察を基に必要な情報を収集し、栽培計画の見直しができる教材となっている か」については、全員の先生方が「なっている」、「ほぼなっている」との回答をいただいた。 しかし、グラフの添付のようにOneNoteとExcelのリンクをしなくても入力した情報を視覚的に表示する 方法はないかという意見が出された。 ウ 「ふかめる」段階 本段階では、「様々な制約の中で最適な栽培技術を適切に評価することができる」ことを達成する ために適した教材と判断できるものになっているか検証する。 MDシートを活用することで、作物を育て、収穫した観察記録からレポートが作成できることは、レ ポート作成の時間が短くなり、交流の時間やまとめの時間が確保できることから大変有効であるとい うご意見をいただいた。また、MDシートでお互いの情報のやり取りができ、その栽培技術のよさを評 価することにも大いに役立つという意見をいただいた。 「様々な制約の中で最適な栽培技術を適切に評価することができる教材になっているか」について は、全員の先生がなっているとの回答をいただいた。 (3) 全体考察 教材評価アンケート及び聞き取り調査からMDシートに「機能性」、「操作性」及び「実用性」の三つの 機能をもたせたことは、生徒が観察した情報の入出力を容易にし、視覚化することで生徒の学習への 意欲を引き出し、蓄積した多様なデータの振り返りや比較などから栽培技術のよさを評価することに 有効であると考えられる。 教師用指導手引書についても「生物育成に関する技術」と「情報に関する技術」で関連のある内容 を横断的学習として行える題材指導計画と一単位時間の学習指導案があることで学習の流れがつかみ やすいとの評価をいただいた。 以上のことから開発した教材が目的や条件に応じた栽培ができる生徒を育てる教材となっている といえる。 5 研究の成果と今後の課題 (1) 研究の成果 ○ 中学校技術・家庭科(技術分野)の栽培において、生徒が目的や条件に応じた栽培ができるよ う支援する教材の開発を行うことができた。 ○ 本教材の指導において、「生物育成に関する技術」と「情報に関する技術」で関連のある内容 を横断的学習として行える指導計画を提案することができた。 (2) 今後の課題 ○ MDシートについて、個人シート及び共有シートの作成はできているが、操作性を高めるために、 メニュー画面をつくる必要がある。 ○ 教師用指導手引書に加え、生徒の実態や学習の展開に応じて生徒用解説書をつくる必要がある。 <使用ソフトウェア>

・「Microsoft Office OneNote 2010」 Microsoft社 ・「Microsoft Office Excel 2010」 Microsoft社 <参考文献>

・福岡県教育センター(平24) 『今日からできるICT機器を活用した授業づくり』

参照

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