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災害拠点病院 災害拠点病院は 病院などの後方医療機関として 地域の医療機関を支援する機能を有する病院で 重症 重篤な傷病者を受入れるなど 災害時の医療救護活動において中心的な役割を担う病院として位置づけられています 厚生労働省の基準では 地域の災害拠点病院については 原則として 二次保健医療圏ごとに

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Academic year: 2021

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(1)

平成 28 年 4 月 14 日 21 時 26 分、熊本県益城町で震度 7 を観測する地震が発生しまし た。4 月 16 日にも熊本県益城町及び西原村で震度 7 が観測されたほか、熊本県熊本地 方では 5 月 31 日までに震度 3 以上が 369 回観測されるなど、断続的に地震が続いてい ます。この一連の地震活動は、気象庁によって「平成 28 年(2016 年)熊本地震」と名 づけられました。 熊本地震発生時には各所管からの要請を受け、本学医師、看護師、職員が熊本に派遣 されました。

Part 1. 本学救急医学教室および 2 病院の取り組み

災害時の医療体制と

横浜市立大学の取り組み

救急医療における本学 2 病院の位置づけ

本学 2 病院は、担当である横浜市南部保健医療圏 100 万人を守る上で、それぞれ 重要な役割を担っています。このように救急医療において異なる機能を持つ二つの 附属病院を擁する大学はまれです。

【附属病院】

二次救急病院

救急車で搬送される中等症の患者 さんの救急診療にあたるとともに、 独歩来院の救急患者さんの初期救急 診療にも取り組んでいます。

【附属市民総合医療センター】

三次救急病院

地域救急医療の「最後の砦」と して、緊急性の高い患者さんや重症 患者さんの救急診療を 24 時間体制で 行っています。 また、本学 2 病院はともに「

災害拠点病院

」及び「

神奈川 DMAT 指定病院

」 に指定されており、災害時の医療活動の中心的役割を担っています。 日本救急医学会 ER 検討委員会 HP より転載 (http://www.jaam.jp/er/er/er_faq.html) <日本の救急システム> 平成 28 年度医学情報センター特別展示

(2)

災害拠点病院は、病院などの後方医療機関として、地域の医療機関を支援す る機能を有する病院で、重症・重篤な傷病者を受入れるなど、災害時の医療救 護活動において中心的な役割を担う病院として位置づけられています。 厚生労働省の基準では、地域の災害拠点病院については、原則として、二次 保健医療圏ごとに1か所となっていますが、神奈川県の場合、人口や地域性な どを考慮し、複数の病院を確保することにしており、平成 23 年 4 月 30 日現在、 33 か所の病院(許可病床数計 17,613 床)が指定されています。 【機能】 1.救命医療を行うための高度診療機能 2.被災地からの重症傷病者の受入れ機能 3.傷病者の広域後方搬送への対応機能 4.医療救護班の派遣機能 5.地域医療機関への応急用医療資機材の貸出し機能

災害拠点病院

DMAT(Disaster Medical Assistance Team)とは、災害の急性期(災害発生から 48 時 間以内)に活動できる機動性を持ち厚生労働省が実施する「日本 DMAT 隊員養成 研修」を受講した救急治療を行うための専門的な訓練を受けた医療チームのこ とで、概ね、医師、看護師、調整員の 5 人で編成します。神奈川県では、33 の 災害拠点病院を「神奈川 DMAT 指定病院」に指定し、災害時における迅速な医療 体制の充実強化を図っています。 【派遣基準】 県内で震度 6 弱以上の地震又は、傷病者が 20 人異常発生若しくは発生が見 込まれる災害の場合、次の基準により派遣します。 ・ 被災市町村長から神奈川 DMAT の派遣要請があり、神奈川 DMAT を派遣 することが適切と知事が判断した場合 ・ 発生した災害に対し、神奈川 DMAT を派遣することが適切であると知事 が判断した場合 他の都道府県への派遣にあっては、被災都道府県知事等からの派遣要請が あり、かつ神奈川 DMAT を派遣することが適切であると知事が判断した場合と なります。 【活動内容】 1. 現場活動:消防機関と連携したトリアージ(※)及び緊急治療 2. 域内搬送:被災地内での患者搬送及び搬送中の治療 3. 病院支援:被災地内の災害医療拠点病院での患者の治療 4. 広域医療搬送:被災地内では対応困難な重症患者の被災地外への搬送 ※トリアージ…災害時にできるだけ多くの負傷者を救うため、負傷者の緊急度に応じて治療や 搬送の優先順位を決定する行為。

神奈川 DMAT 指定病院

※神奈川県ホームページより引用 (災害拠点病院)http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f7304/p26912.html (神奈川 DMAT 指定病院)http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f7304/p26903.html

(3)

熊本地震に関する本学からの派遣実績

・4 月 18 日(月)から 4 月 21 日(木) 附属市民総合医療センターから、神奈川 DMAT の派遣 (厚生労働省からの要請に基づく派遣) ・4 月 21 日(木)から4月 25 日(月) 附属病院及び済生会横浜市南部病院により構成される医療救護班(※1)の派遣 (全国知事会からの要請に基づく派遣) ・4 月 23 日(土)から4月 29 日(金) 附属市民総合医療センターから、日本 DMAT(ロジスティックチーム)(※2)の 派遣(厚生労働省からの要請に基づく派遣) ・5 月 6 日(金)から 5 月 12 日(木) 附属市民総合医療センターから、かながわ DPAT の派遣 (熊本県からの要請に基づく派遣) ※1 医療救護班 被災地において、急性期(災害発生から 72 時間程度)を過ぎた後の医療救護活動を行うため のチーム。DMAT と入れ替わる形で、救護所や避難所での診療等を行う。 ※2 DPAT 大規模災害発生後、被災地域に入り、精神科医療及び精神保健活動の支援を行う専門チーム。 ※3 DMAT ロジスティックチーム 主に病院支援や情報収集等のロジスティクスを専門とした活動を行うチーム。

本学医学部救急医学教室の取り組み

救急医療は市民にとっての最後の砦です。また時間や場所を問わぬ傷病の発生 に対応するためには、地域全体において高い水準の救急医療の提供が求められ ます。つまり、どこで急に倒れても、等しく高い水準の救急医療が受けられる ようにならなければなりません。 本学医学部救急医学教室は、地域救急医療全体の診療の質の向上を図るため に、質の高い教育・研究を通して病院前救護体制・救急医療・災害医療に指導的 立場を発揮する人材を育成し、地域救急医療関連施設に輩出することを目標に 掲げ活動をしています。 森村尚登主任教授は、「

横浜市災害医療アドバイザー

」 「

神奈川県災害医療コーディネーター

」として、地域の災害時 医療救護体制にも専門的な助言、あるいは救護班の受入・派遣調整等 を行っています。熊本地震発生後の初動においては、DMAT 並びに医療 救護班派遣調整業務に従事しました。

(4)

附属市民総合医療センター 高度救命救急センター

加藤 真 先生

<活動スケジュール>

4 月 17 日 18:30 派遣決定 資機材の確認・補充、航空券の手配 4 月 18 日 11:00 出発 4 月 18 日 20:00 熊本赤十字病院到着 DMAT 本部に到着報告、業務内容確認 4 月 19 日 20:00 業務(1 日目)開始 業務内容:ER 業務支援 4 月 20 日 08:00 業務(1 日目)終了 4 月 20 日 20:00 業務(2 日目)開始 業務内容:ER 業務支援 4 月 21 日 08:00 業務(2 日目)終了 4 月 21 日 21:00 帰着

<活動から学べること>

・DMAT の活動は

「自己完結」

が原則 → 食料や宿泊地、現地での移動手段は自分たちで調達する必要があります。 ・地震発生から時間が経過しているため、救急搬送されてくる患者の多くは

内科的疾患

→ 1 日目に搬送されてきた患者数は 24 人。熊本赤十字病院の通常の 受入数の 2.5 倍でした。 ・Walk-in 患者(救急外来を自力受診した患者)の多くは

車中泊

→ 車中泊の患者の特徴的な訴えは、「足が痛くなったのでエコノミー症候群が 心配だ」というものでした。なお、2 度目の震度 7 が観測された 4 月 16 日に 熊本赤十字病院の救急外来を受診した Walk-in 患者数は 500 人超。現場の 混乱がうかがえます。 ・食事よりも

睡眠

→ 12 時間の当直業務中、休憩を取れたのは 1 時間弱。慣れない場所での 業務ということもあり、疲労度はかなりのものでした。

神奈川 DMAT

(平成 28 年 4 月 18 日~21 日)

Part 2. 熊本地震被災地活動報告

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

(5)

かながわ DPAT

(平成 28 年 5 月 6 日~12 日)

附属市民総合医療センター 精神医療センター

六本木 知秀 先生

<活動内容>

〇現地調査

・ 避難所訪問、状況・現状把握 ・ 医療介入の緊急度調査 ・ 統合失調症患者の状況把握 ・ 医療従事者が不在の避難所にて、精神疾患が ある人の情報収集

〇診察

・ 避難所から自宅に戻ったのち情緒的に混乱した子どもの診察 ・ 震災発生時自宅に閉じ込められたことにより、 自宅で息苦しさや不安の増強を訴える人の診察 ・ 避難所でひとりごとや徘徊を繰り返す 80 歳代 夫婦の診察

〇その他

・ パニックを起こす人の避難所移動に関する 説得への同席

<活動にあたっての課題>

調整本部・拠点本部

の運用を洗練していく必要性 ・かながわ DPAT の

活動マニュアル

の必要性 ・附属市民総合医療センターの

DPAT のあり方

についての検討 ・

各部署の連絡調整

の必要性

→ DPAT の体制整備は DMAT よりも遅れています。かながわ DPAT は平成 27 年に 体制整備が進められ、平成 28 年 3 月 18 日(震災の 1 か月前)に隊員登録が 行われたばかりでした。 現地での活動にあたっては、運営の部分でさまざまな課題が浮き彫りに なりました。今後の活動に向けて、体制強化が急がれます。 ※「Part 2. 活動報告」は、平成 28 年 6 月 20 日に附属市民総合医療センターにて行われた「平成 28 年 熊本地震における派遣活動報告会」での報告をもとに構成しました。

(6)

日本 DMAT(ロジスティックチーム)

(平成 28 年 4 月 23 日~29 日)

附属市民総合医療センター 高度救命救急センター

春成 伸之 先生

<DMAT ロジスティックチームの役割>

災害時の各本部では、関係機関・団体等との連携・調整が必要。 ↓

本部機能の支援要員

として活動するのが、

DMAT ロジスティックチーム

<活動内容>

・ 医療救護班の派遣 ・ 医療ニーズの把握 ・ 地域医療機関の復旧状況の調査 ・ 夜間の医療ニーズへの対応 ・ インフルエンザ、ノロウイルス等の感染対策 ・ 深部静脈血栓症予防のための弾性ストッキングの支給

<活動から学べること>

〇医療ニーズ

地域の医療機関の外来診療は、派遣期間中には 全施設で復旧していました。そのため、

医療

よりも介護に対するニーズが多い

状況でした。

〇被災の状況と支援の方法

壊滅的被害であった東日本大震災とは異なり、 熊本地震では、被災者が避難所から仕事に行くという状況が多く見られました。 このため、日中不在の被災者が多く、

支援の方法も変更する必要

がありました。

〇物資の供給と適用方法

弾性ストッキングや感染対策の次亜塩素酸スプレー等、物資の供給はあり ましたが、

避難所に適用するまでの方法に問題

がありました。例えば弾性 ストッキングは、車中泊の被災者に配布しようとしましたが日中は不在にしている 場合が多く、早朝に配布する等の工夫が必要になりました。また、次亜塩素酸 スプレーはただ配布すればよいということではなく使用の仕方について説明が 必要であり、供給者側と現場との意識のずれが浮き彫りになりました。

参照

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