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2013 年の平均銅価は 3.32US$/lb と 2012 年の 3.61US$/lb に比べ 7.9% 下落 この銅価格下落など の要因により国営鉱山会社 (CODELCO 及び ENAMI) 及び大手民間鉱山会社 10 社からの税収は前年比 29.6% 減の 58.3 億 US$ となり 全国

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チリ

主要データ 国名〔英名〕 チリ共和国〔Republic of Chile〕 面積(km2) 756,102 海岸線延長(km) 6,435 人口(百万人) 17.4 人口密度(人/km2) 23.0 GDP(十億 US$) 276.98 一人当り GDP(US$) 15,775.93 主要鉱産物:鉱石 銅、モリブデン、金、銀 主要鉱産物:地金 銅、炭酸リチウム 鉱業管轄官庁 鉱業省(Ministerio de Minería) 鉱業関連政府機関 チリ銅委員会(COCHILCO)、チリ地質鉱業局(SERNAGEOMIN) 鉱業法 鉱業法 ロイヤルティ 鉱業特別税法(法律第 20026 号)、鉱業ロイヤルティ改正法(法律 第 20469 号) 外資法 外資法(法律第 600 号) 環境規制法(環境影響調査制度、 環境・排出基準の有無等) 環境基本法、鉱山保安規則、閉山法 鉱業公社 チリ銅公社(CODELCO)、チリ鉱業公社(ENAMI)

鉱業活動中の民間企業 BHP Billiton 、 Rio Tinto 、 Glencore 、 Anglo American 、 Freeport-McMoRan、Antofagasta、Teck Resources 等 近年の鉱業関連問題(資源ナショ ナリズム、労働争議、環境問題等) ・鉱業用水・電力・技術者の不足 ・投資及び操業コスト増 ・労働生産性 ・法廷闘争化 2013 年のトピックス ・Pascua Lama プロジェクトの環境問題と開発無期限延期 ・環境影響評価システムに関する新規則令の公布・施行 ・税制改革を掲げる Bachelet 前大統領の大統領選勝利 1.鉱業一般概況 チリは首都サンティアゴより北の国土の半分が世界有数の斑岩銅鉱床帯であり、また第Ⅲ州を中心 に酸化鉄・銅・金(IOCG)鉱床も多数賦存する。この地質鉱床学的な銅資源ポテンシャルの大きさと、 1990 年代より整備されてきた鉱業投資環境により、世界で最大の銅鉱石の埋蔵量と生産量を維持して いる。 2013 年の銅生産量は前年比 6.3%増の 577.6 万 t で過去最高を記録し、世界の銅生産量(鉱山生 産)1,832.2 万 t の 31.5%を占めた(シェア第 1 位)。2013 年の銅輸出量は 559.0 万 t で前年から 6.8% 増加した一方、銅輸出額は 397.4 億 US$で同 4.9%縮小した。銅輸出額は、チリの 2013 年鉱産物輸出 額合計 455.8 億 US$の 87.2%を占める。 銅の副産物として生産されるモリブデンの 2013 年生産量は、前年比 10.3%増の 38,715t で、世界の モリブデン生産量 267,500t の 14.5%を占めた(シェア第 3 位)。2013 年のモリブデン輸出額は前年比 29.5%減の 11.8 億 US$であった。

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2013 年の平均銅価は 3.32US$/lb と、2012 年の 3.61US$/lb に比べ 7.9%下落、この銅価格下落など の要因により国営鉱山会社(CODELCO 及び ENAMI)及び大手民間鉱山会社 10 社からの税収は前年比 29.6%減の 58.3 億 US$となり、全国家収入における割合は 10.1%と前年から 4.0 ポイント減少した。

2.鉱業政策の主な動き

(1) 環境影響評価システムに関する規則令(Reglamento del Sistema de Evaluación de Impacto Ambiental、大統領令第 40 号) 環境影響評価システムに関する新しい規則令が、2013 年 8 月 12 日に公布され、同年 12 月 24 日に施 行された。新規則令は次の 8 章で構成される。第Ⅰ章:一般規定、第Ⅱ章:環境影響調査書提出の必 要性を決定づける事項、第Ⅲ章:環境影響調査書及び環境影響宣言書の内容、第Ⅳ章:環境影響評価 の手続き、第Ⅴ章:環境影響評価システムへの地域社会の参加、第Ⅵ章:環境対策・監視・監査計画、 第Ⅶ章:分野別環境許可及び宣告、最終章。 この規則令の施行後、環境影響評価プロセス申請却下のケースが大幅に増加していると報道された。 2014 年 Q1 に提出された 118 件の環境影響評価(EIA)・環境影響宣言(DIA)のうち、36.4%(43 件)が却 下された。この割合は 2013 年に比べ 3 倍に及んだ。新規則施行後に環境影響評価に対する要求が厳し くなっており、環境評価局は、提出プロセスに必要な手続きが不十分なケースがあるとした。 新規則施行前の駆け込みで多数の会社が環境影響評価プロセスを申請したことから、プロセス申請 数自体も減少、2013 年 Q1 の 276 件に対し、2014 年 Q1 は半減以下となった。

(2) 銅製錬所及び砒素排出源に対する排出基準(Norma de Emisión para Fundiciones de Cobre y Fuentes Emisoras de Arsénico、政令第 28 号)

銅製錬所及び砒素排出源に対する排出基準が、2013 年 12 月 12 日に公布・施行された。規準は、次 の 4 編で構成される。第 I 編:目的、適用範囲及び定義、第 II 編:大気への上限排出量及び達成期間、 第 III 編:達成検査のための査察及び方法、第 IV 編:排出管理のための運用法。

本排出基準は、人の健康及びチリ全土の環境保護を目的としており、粒子状物質、二酸化硫黄、砒 素、水銀の上限排出量が定められている。

(3) 鉱業投資促進法案(Proyecto de Ley Pro Inversión Minera、法案番号 9169-08)

2013 年 11 月、鉱業省は鉱業投資促進法案を下院鉱業・エネルギー委員会へ提出した。同法案はチリ 政府の投資促進・競争力強化プランの一環。法案に含まれる主な内容には以下があった。 ・水利総局と地質鉱業局の権能が重複している廃滓ダムや鉱業関連パイプラインに関する審査・承 認を地質鉱業局に一本化 ・地質鉱業局の業務合理化の 1 つとして、鉱業鉱区台帳更新効率化を目的とする鉱業省官報での鉱 業権公表を同局に認める ・研究活動または初期ステージ探鉱を実施する会社等に、その活動で得られた情報の提出を要求す る権限を地質鉱業局に与える 2014 年 6 月、本法案は取り下げられた。

(4) 先住民との協議規則(Reglamento que regula el procedimiento de consulta índigena、政令第 66 号)

2014 年 3 月、ILO 第 169 号条約に準ずる先住民との協議手続きを規定する規則(政令第 66 号)が施行 された。同規則は 3 編(第Ⅰ編 一般規定、第Ⅱ編 協議の原則、第Ⅲ編 協議の手順)、全 19 条で構

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3 成される。協議の手順には、a) 協議プロセスの企画、b) 情報提供及び協議プロセスの周知、c) 先住 民族内部での審議、d) 対話、e) 協議プロセスの体系化、結果の通告及び終了の 5 段階が定められて おり、立法措置の場合には前述の各段階に最大 25 営業日、行政措置の場合には最大 20 営業日の期間 が与えられている。 (5) 税制改革(Reforma Tributaria、法案番号 9290-05) 2014 年 3 月、4 年ぶりに政権の座へ返り咲いた Michelle Bachelet 大統領は、選挙公約であった教 育改革などの財源を確保する税制改革法案を 2014 年 4 月に国会(下院)へ提出した。GDP の 3%に当た る税収増を狙った改革案の骨子は以下のとおり。 1. 法人税率(現行 20%)の段階的引き上げ(2014 年:21%、2015 年:22.5%、2016 年:24%、2017 年:25%) 2. 非課税再投資基金(FUT)の 4 年以内の廃止 3. 個人所得税最高税率の引き下げ(現行 40%→35%) 4. 外資法(DL600)を 2016 年 1 月 1 日をもって廃止

5. 2,000UF(約 86,000 US$)~4,500UF(約 193,000US$)の住宅について付加価値税税額控除の廃止 6. 印紙税率の引き上げ(現行 0.4%→0.8%)

7. アルコール飲料、砂糖を用いたソフトドリンクへの付加価値税の課税

8. 環境促進税(Impuesto Pro-Medio Ambiente)の導入:出力 50MW 以上の火力発電所への排出税の課 税、ディーゼル車の輸入に対する付加価値税の課税

この税制改革法案に対し、チリの鉱業企業団体である SONAMI(中小鉱業事業者団体)及び鉱業審議会 (Consejo Minero、大規模鉱山企業で構成する団体)の会長は、国会の公聴会で次のような懸念を明ら かにした。

Alberto Salas SONAMI 会長:外資法の廃止は、チリの競争力を損ない、同国への投資の魅力を削ぐこ とになる。改革法案が財源確保を目的としたものならば、投資を魅力あるものにしていた措置の廃 止は矛盾ではないか。

Joaquín Villarino 鉱業審議会長:法人税が 20%から 25%に上がり、さらに、FUT が廃止されるので、 税制改革が鉱業に影響を及ぼさないとする説は間違いである。さらに、生産コストやエネルギーコ ストの上昇、鉱石品位の低下、金属価格の下落によりチリ鉱業への投資条件が悪化していることを 考えると、税制改革はそれに追い打ちをかけるものになる。

(6) 鉱業権関連規則見直しの動き

2014 年 4 月、Michelle Bachelet 大統領、Aurora Williams 鉱業大臣が鉱業権関連規則の見直しに相 次いで言及した。Bachelet 大統領は、「我々は鉱業権が自由度を欠いていることを認識しており、参入 障壁になりうる制度や規制の排除のため、現在のシステムをどのように補っていけばよいか調査中で ある」と語った。 探査の行われていない鉱業権の所有者に対するペナルティ適用が検討されていると地元紙は報道し た。 (7) CODELCO 資金供給法案

2014 年 6 月、Aurora Williams 鉱業大臣は、2014 年 H2 中の国会提出を政府が予定している CODELCO 資金供給法案には複数年度の枠組みが取り入れられると発言したことが報じられた。CODELCO への資金 供給法案の国会への提出は、2014 年 5 月の Michelle Bachelet 大統領教書演説で発表されていた。

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4 国営企業である CODELCO は利益全てを政府へ納めており、毎年 6 月末までに納めた利益のうちいく らが返還されるかが決定される。同社は中核プロジェクトの開発のため、約 50 億 US$/年の大規模投資 を実施中で、Óscar Landrretche 役員会会長は、プロジェクトを前進させるために必要な資金を確保で きなければ、政府が計画する多様な社会政策の原資を納められなくなる危険性があると述べた。 (8) 氷河保護法案 チリ政府が氷河保護法案を 2014 年 8 月に国会へ提出することが Pablo Badenier 環境大臣の下院環 境委員会での発言で明らかにされた。Badenier 環境大臣は、「多くの議員動議がこれまでにあり、これ らを評価し有益なところは取り入れることも検討しながら、政府の法案を提出したい。しかし、分析 や対話が必要な複雑な問題もあることから、よりよい形での規制を検討するため、科学者や大学教員、 業界関係者と意見交換を行っている」と述べた。政府は氷河保護と両立可能な経済活動の実現を目指 しているという。さらに同大臣は、氷河保護は氷河保護法によって扱われるのに加え、先頃国会に提 出された生物多様性及び野生生物地域保護局設立法案にも付加的な氷河の保護が含まれると述べた。 (9) リチウム技術委員会 2014 年 6 月、Michelle Bachelet 大統領はリチウム技術委員会設置のための政令に署名した。この 委員会では、今後のチリにおけるリチウム採掘に関する評価が行われる。リチウム探鉱及び採掘を促 進し、新規プレイヤーに対する参入障壁を引き下げるため、現在の鉱業権システム改善政策を準備す ることが目標で、2014 年末までに案を作成する。

20 名からなる委員会メンバーには、Aurora Williams 鉱業大臣、Ignacio Moreno 鉱業次官、Luis Felipe Céspeded 経済大臣のほか、エコノミスト、地質技師、天然資源の専門家などが含まれる。 (10) 電力供給システム相互接続法 2014 年 1 月 30 日、北部供給システム(SING)と中央供給システム(SIC)の相互接続を可能にする電力 供給システム相互接続法(法律第 20726 号)が公布された。SING-SIC 相互接続のための投資額は 8 億 5,000 万 US$と言われ、社会的反対を受け発電所建設が容易に進まないチリ中央部への電力供給を目的 とした石炭火力発電所の建設が北部で推進されることが見込まれるとともに、3~6 億 US$のコスト削 減効果も期待されている。 (11) エネルギー政策 2014 年 5 月、Michelle Bachelet 大統領は、電気料金の引き下げや非在来型再生可能エネルギー導 入促進などを柱とする 2014~2018 年のエネルギー政策を発表した。 政策の中で、Bachelet 政権の任期が終わる 2018 年までに中央供給システム内の電力マージナルコス トの 30%引き下げが掲げられ、家庭用電気料金も今後 10 年間で 25%の引き下げを目指すとした。 また、非在来型再生可能エネルギー開発・導入の障壁撤廃を掲げ、2025 年までに発電量の 20%を再 生可能エネルギー由来にすると義務付ける電力法遵守のため、2014~2025 年に導入される発電容量の 45%を再生可能エネルギーとするとした。 さらに、エネルギー利用の効率化を促進、2025 年までに 20,000GWh/年のエネルギーを節約し、エネ ルギー価格の変動から消費者を保護する燃料価格安定化制度の設計を行うとした。 これら政策の推進のため、政府は 4 年間に 2.5 億 US$を投入、さらに、エネルギー安全保障に積極的 な役割を果たせるよう国営石油企業 ENAP に 4 億 US$の資金供給を行うとした。

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5 3.主要鉱産物の生産・輸入・消費・輸出動向 (1)主要金属鉱石生産量 表 3-1.金属鉱石生産量(純分ベース) 鉱種 2011 年 2012 年 2013 年 対前年増 減比(%) 世界シェア (%) ランク 銅(鉱山生産合計)(千 t) 5,262.8 5,433.9 5,776.0 6.3 31.5 1 銅(精鉱)(千 t) 3,238.0 3,405.1 3,843.1 12.9 銅(SxEw)(千 t) 2,024.8 2,028.8 1,932.9 -4.7 51.4 1 モリブデン(千 t) 40.9 35.1 38.7 10.3 14.5 3 金(t) 45.1 49.9 51.3 2.7 1.9 16 銀(t) 1,291.3 1,194.5 1,173.8 -1.7 4.5 8 鉛(t) 841.0 410.0 1,829.0 346.1 0.03 35 亜鉛(千 t) 36.6 26.8 29.8 11.2 0.2 30 炭酸リチウム(千 t) 59.9 62.0 52.4 -15.6 塩化リチウム(千 t) 3.9 4.2 4.1 -1.3 水酸化リチウム(千 t) 5.8 5.4 4.2 -22.9 鉄鉱石(千 t) 12,624.6 17,330.1 17,108.9 -1.3 0.5 14

(出典:Cochilco Yearbook: Copper and other Mineral Statistics 1994-2013) (2)主要金属地金生産量 表 3-2.金属地金生産量 鉱種 2011 年 2012 年 2013 年 対前年増 減比(%) 世界シェア (%) ランク 銅地金(SxEw)(千 t) 2,024.8 2,028.8 1,932.9 -4.7 51.4 1 銅地金(その他)(千 t) 1,067.6 873.2 822.0 -5.9 銅地金(合計)(千 t) 3,092.4 2,902.0 2,754.9 -5.1 12.9 2

(出典:Cochilco Yearbook: Copper and other Mineral Statistics 1994-2013) (3)主要金属消費量 表 3-3.金属地金消費量 鉱種 2011 年 2012 年 2013 年 対前年増 減比(%) 世界シェア (%) ランク 銅地金(千 t) 96.2 95.6 94.9 -0.7 0.5 24

(出典:Cochilco Yearbook: Copper and other Mineral Statistics 1994-2013) (4)主要金属輸出量 表 3-4.精鉱・地金輸出量(マテリアル量) 鉱種 2011 年 2012 年 2013 年 対前年増 減比(%) 主な輸出相手国 銅(合計)(千 t)* 5,069.5 5,233.3 5,590.1 6.8 中国、日本、米国 銅(精鉱)(千 t)* 1,699.2 2,092.3 2,533.3 21.1 中国、日本、インド 銅(ブリスター)(千 t)* 392.9 407.8 469.8 15.2 中国、豪州、カナダ 銅(電気銅)(千 t)* 2,976.5 2,732.1 2,586.0 -5.3 中国、米国、ブラジル 銅(スクラップ)(千 t)* 1.0 1.1 1.0 -9.1 モリブデン(精鉱)(千 t) 6.2 10.2 8.3 -19.0 韓国、ベルギー、オランダ 三酸化モリブデン(千 t) 4.6 4.5 4.6 0.7 - 酸化モリブデン(千 t) 36.1 32.8 29.3 -10.6 - フェロモリブデン(千 t) 17.2 15.5 13.1 -15.5 米国、ブラジル、オランダ 金(t) 30.8 31.7 34.6 8.9 カナダ、スイス、米国 銀(t) 584.8 536.2 372.5 -30.5 スイス、カナダ、米国 鉛(t) 783 1,256 2,425 93.1 中国

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亜鉛(精鉱)(千 t) 63.5 63.2 59.8 -5.4 韓国、ベルギー、中国

炭酸リチウム(千 t) 48.2 55.9 47.6 -14.9 韓国、中国、ベルギー

(出典:Cochilco Yearbook: Copper and other Mineral Statistics 1994-2013、Servicio Nacional de Aduanas website) *純分ベース (5)主要金属輸入量 表 3-5.精鉱中含量・地金輸入量 鉱種 2011 年 2012 年 2013 年 対前年増減比(%) 銅鉱石(千 t) 184.0 151.5 162.9 7.5 モリブデン(精鉱)(千 t) 42.6 37.9 25.2 -33.5 アルミニウム鉱石(千 t) 1.9 1.0 0.2 -75.7 クロム鉱石(千 t) 5.6 6.7 7.9 18.4

(出典:Cochilco Yearbook: Copper and other Mineral Statistics 1994-2013)

4.鉱山・製錬所状況 表 4-1.鉱山一覧 鉱山名 権益所有企業(権益:%) 鉱種 2013 年生産量 *(千 t) 備考 Chuquicamata CODELCO(100) 銅 モリブデン 339.0 6.9

Radomiro Tomic CODELCO(100) 銅

モリブデン

379.6 1.1

Ministro Hales CODELCO(100) 銅 33.5

Salvador CODELCO(100) 銅 モリブデン 54.3 0.9 Andina CODELCO(100) 銅 モリブデン 236.7 7.2 El Teniente CODELCO(100) 銅 モリブデン 450.4 6.9 Gaby CODELCO(100) 銅 128.2

Los Pelambres Antofagasta(60) 日系企業 5 社(40) 銅 モリブデン 419.2 9.0 El Tesoro Antofagasta(70),丸紅(30) 銅 102.6 Esperanza Antofagasta(70),丸紅(30) 銅 金(t) 177.1 7.4 Michilla Antofagasta(74.2), 地元権者(25.8) 銅 38.3 Escondida BHP Billiton(57.5) Rio Tinto(30) 日系企業 3 社(12.5) 銅 金(t) 銀(t) 1,193.7 2.2 92.1

Cerro Colorado BHP Billiton(100) 銅 73.6

Spence BHP Billiton(100) 銅 151.6

Collahuasi Glencore(44),Anglo American(44) 日系企業 3 社(12) 銅 モリブデン 444.5 3.0 Los Bronces Anglo American(50.1) CODELCO(24.5) 日系企業 2 社(25.4) 銅 416.3 El Soldado Anglo American(50.1) CODELCO(24.5) 日系企業 2 社(25.4) 銅 51.5

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Mantoverde Anglo American(100) 銅 56.8

Lomas Bayas Glencore(100) 銅 74.2

El Abra Freeport MacMoRan(51)

CODELCO(49) 銅 155.6

Candelaria Freeport MacMoRan(80)

日系企業 2 社(20) 銅 168.0

Quebrada Blanca Teck(76.5), Inversiones Mineras

SA (13.5), ENAMI(10) 銅 56.2

Carmen de

Andacollo Teck(90), ENAMI(10)

銅 金(t) 76.8 2.1

Zaldívar Barrick Gold(100) 銅 126.5

El Toqui Nyrstar (100) 亜鉛 金(t) 銀(t) 23.0 1.3 4.4

(出典: Cochilco Yearbook: Copper and other Mineral Statistics 1994-2013,Anglo American Annual Report 等) *生産量は全て金属純分。 表 4-2. 製錬・精錬所生産状況 製錬所名 操業者 生産物 2013 年生産 量(千 t) 備考 国営企業操業 5 製錬所* CODELCO 及び ENAMI 銅アノード 銅カソード 904.1 822.0 Altonorte Glencore 銅アノード 309.0

Chagres Anglo American 銅アノード 145.2

(出典:Cochilco Yearbook: Copper and other Mineral Statistics 1994-2013、Anglo American Annual Report 2013、Glencore Xstrata Annual Report 2012)

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9 5.探鉱状況 (1)概況 世界的な探鉱投資の縮小の影響を受け、2013 年のチリへの非鉄探鉱投資予算額は、前年比 12%減の 9 億 900 万 US$となった。探鉱投資予算額の規模は世界第 5 位と前年の順位を維持する一方、全体に占 める割合(6.6%)は、1.6 ポイント上昇した。 (2)2013 年の主要な探鉱状況 ① 鉱業権 地質鉱業局のデータによると、チリの 2013 年採掘権面積は 1,427 万 ha となり、前年比で 4.0%増加 した。探鉱権の面積は 1,692 万 ha で同 5.6%減少した。

鉱業権者別で見ると採掘権では Soquimich(286 万 ha)、CODELCO(84.0 万 ha)、Minera Escondida(36.4 万 ha)が、探鉱権では BHP Chile(191.7 万 ha)、Minera Los Andes(84.1 万 ha)、Minera del Pacífico(67.8 万 ha)が上位を占めた。

② SQM

2013 年 2 月、世界有数の肥料会社で、チリ最大の採掘権を有する SQM が豪州の探鉱ジュニア企業 Estrella Resources 社(以下、Estrella)と探鉱オプション契約を締結したと発表した。対象は第Ⅱ州 Antofagasta の北側、Tocopilla から Mejillones にかけての内陸側で面積は 2,560 ㎢。5 年間のオプシ ョン契約ですべての金属鉱床発見について、Estrella に 100%の鉱業権益を取得する権利が認められ ている。一方で SQM には 49%の権益買い戻しまたは、ロイヤルティ支払いの選択権があるとされた。 契約対象となった Altair プロジェクトには、Atacama 断層帯沿いの酸化鉄・銅・金鉱床の胚胎が期待 されている。

2013 年 8 月、加 Capstone Mining 社は、SQM と同社が第Ⅱ州の 3,500 ㎢を対象とした探鉱オプショ ン契約を締結したと発表した。契約対象地域は Taltal の東 50km、Capstone Mining 社の Santo Domingo プロジェクト(第Ⅲ州)と Anglo American の Mantos Blancos 鉱山(第Ⅱ州)の中間に位置する。Capstone Mining 社は契約締結時に 100 万 US$を支払っており、直ちに高精度の空中磁気・放射能探査を実施す る。同社が探鉱オペレータとなり、探鉱費及び鉱業権維持費を 7 年半負担することで鉱業権益の 70% を取得できる。契約対象面積は契約年数の経過とともに減じられ、ジョイントベンチャーが形成され た場合には 500 ㎢が最大となる。Capstone Mining 社によれば、契約対象地域には酸化鉄・銅・金鉱床、 斑岩銅鉱床、マント型鉱床など、多様なタイプの銅鉱床胚胎が期待される。 ③ Collahuasi 鉱山 2013 年 2 月、Collahuasi 銅-モリブデン鉱山(第Ⅰ州)は、鉱物資源量(精測、概測、予測含む)が 2011 年 12 月発表時より 19%増加し、90.2 億 t(平均銅品位 0.81%、平均モリブデン品位 0.02%)になった と発表した。銅金属量は 23%増の約 7,300 万 t となる。本資源・埋蔵量の見直しは、新規ボーリング 結果、地質モデルのアップデート、採掘設計最適化及び想定金属価格の調整をもとに行われた。 ④ Teck

2013 年 2 月、加 Coro Mining 社(以下、Coro Mining)は、同社が第Ⅲ州に保有する Chacay 鉱区を加 Teck Resources(以下、Teck)の子会社 Compania Minera Relincho SA に売却したと発表した。Chacay 鉱区は Teck が FS 実施中の Relincho プロジェクトの南東 12km に位置する。Coro Mining 社は 2010 年 から 2011 年にかけて同鉱区内でボーリング探鉱を実施、溶脱帯下位の輝銅鉱を主とする二次富化ゾー ンの存在を確認している。Teck の購入条件は 250 万 US$の現金払いに加え、NSR1.5%である。 ⑤ CODELCO

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CODELCO は、2014 年 4 月のニュースリリースで、2013 年の探鉱活動により、El Teniente 鉱床から 約 3 km 離れた場所で La Huifa 鉱床を発見したと発表した。

同社の 2013 年探鉱資金(6,000 万 US$)の 70%をチリ国内のブラウンフィールド探鉱に投資、El Teniente 鉱山で現在採掘している場所から 3km の場所で La Huifa 鉱床を発見、550 m 区間で平均銅品 位 1%、平均モリブデン品位 550 ppm の鉱化が確認されたという。期待される資源量は 2 億 t を上回る とされ、これまでにボーリング探鉱 18,500m が実施された。

Gabriera Mistral 鉱床、Chuquicamata 鉱床、Radmiro Tomic 鉱床、Salvador 鉱床周辺でも既存施設 延命のための酸化鉱確保に絞った探鉱を実施中であることが明らかにされた。

⑥ BHP Billiton

2013 年 8 月、BHP Billiton が 2012 年 4 月の合意に基づき進めていた加 Polar Star Mining 社の保 有鉱区・5 地区 172,800 ha(第Ⅱ州~第Ⅲ州)の予察評価を終え、4 地区 130,900 ha についてファーム イン探鉱開始を決定したと Polar Star Mining 社が発表した。2012 年 4 月 13 日に BHP Billiton と Polar Star Mining 社の間で締結された合意では、合意締結時の 25 万 US$の現金払い及び 2013 年 7 月 13 日 までに 5 地区のうちからファームイン探鉱に進む地区を選定する予察評価探鉱への 100 万 US$の投資が、 BHP Billiton に義務付けられていた。ファームイン探鉱開始後は、BHP Billiton が各地区に 350 万 US$の 探鉱投資を行うことでプロジェクト権益の 51%を獲得する。投資期限は、ファームイン探鉱地区の決 定から 30 ヶ月以内となっている。さらに、BHP Billiton は 51%の権益獲得後 54 ヶ月以内に 2,000 万 US$/地区の追加探鉱投資を行うことによりプロジェクト権益の 75%を取得することが可能であるが、 これを選択しなかった場合には権益見合いでの探鉱資金負担を行う。

契約対象となっている Polar Star Mining 社の鉱区は、同社の Montezuma 探鉱プロジェクトの南か ら、Chiquicamata 鉱床や Escondida 鉱床も関連する Domeyco 断層系上に約 360km にわたり点在してお り、予察評価で実施された試錐 1 孔で、斑岩質の貫入岩が捕捉されていた。

⑦ PanAust

豪 PanAust 社は CODELCO との JV である Inca de Oro 銅-金プロジェクト(第Ⅲ州)について、2014 年 中頃までに投資の決定が可能との見込みと報道された。2012 年に完成した FS では、銅価格を 3US$/lb とすると生産開始後 5 年以降は十分な利益が出ないとされていた。この利益性の低さと安価な電力確 保が困難な状況のため、2012 年 9 月、PanAust 社は Inca de Oro プロジェクトの開発延期を決定した。 しかし、FS 完成時には応札者のなかった電力購入の再入札に応札者があり電力確保に目処がつく可能 性が出てきたこと、また、Inca de Oro 鉱床近傍の Carmen 鉱床や Artemisa 鉱床と言った衛星鉱床の開 発を組み込むことにより当初 5 年以降の経済性も改善する見込みが出てきているという。PanAust 社の Gary Stafford 最高経営責任者は、チリの電力事情は緩和されてきていると思われるとコメントした。 6.我が国との関係 (1)日本への輸出 表 6-1.日本への精鉱及び地金輸出量(純分ベース) 鉱種 2011 年 2012 年 2013 年 対前年増減比(%) 銅(合計)(千 t) 696.0 698.7 720.8 3.2 銅(精鉱)(千 t) 593.5 644.3 703.4 9.2 銅(ブリスター)(千 t) 0 - 0.2 - 銅(電気銅)(千 t) 102.6 54.3 17.2 -68.3 モリブデン(焙焼)(千 t)* 21.7 20.5 18.8 -8.2 炭酸リチウム(千 t)* 11.0 9.6 7.2 -25.5

(出典:Cochilco Yearbook: Copper and other Mineral Statistics 1994-2013、財務省貿易統計 、*:マテリアル量)

(11)

11 (2)日本企業による投資状況等 我が国民間企業は、1970 年代からチリ銅鉱業に対して投資を行ってきている。現在の日本企業のチ リ銅鉱山への出資状況及び日本企業が参画する主な鉱業プロジェクトは、それぞれ表 6-2 及び表 6-3 のとおりである。日本企業が関係する 2013 年以降の主なトピックスは以下のとおり。 ① Caserones 銅-モリブデン鉱山 2013 年 3 月、パンパシフィック・カッパーは、Caserones 銅-モリブデン鉱山(第Ⅲ州)において SxEw による最初の電気銅が採取されたと発表した。 2014 年 4 月には、磨鉱・浮遊選鉱設備等の鉱石処理負荷試験運転の開始が、同年 6 月には 5 月 31 日よりランプアップに移行し、銅精鉱の生産が開始されたことが発表された。 2014 年 7 月 30 日には、サンティアゴにおいて安倍晋三首相、Michelle Bachelet 大統領臨席のもと 開山式が執り行われた。 ② Sierra Gorda 銅鉱山 2013 年 3 月、住友金属鉱山及び住友商事は、Sierra Gorda 銅鉱山開発プロジェクト(第Ⅱ州)の工事 計画について見直しを行った結果、当初開発投資額が予定の約 29 億 US$から約 39 億 US$に増加する見 込みとなったと発表した。

2014 年 7 月 31 日、KGHM International は Sierra Gorda 鉱山において処理プラントへの鉱石の供給 を開始したと発表した。

③ Antucoya 銅鉱山

2013 年 11 月、丸紅は、同社が Antofagasta と共同出資する Minera Antucoya 社が開発中の Antucoya 銅鉱山開発費用に関し、総額 6.5 億 US$のプロジェクト・ファイナンス契約に調印したと発表した。 ④ Sol Naciente 銅鉱山 2013 年 11 月、日鉄鉱業は Sol Naciente 銅鉱山の開発工事に着手することを取締役会において決議 したと発表した。2008 年よりの「Sol Naciente 鉱区群」における探鉱の結果、約 200 万 t(可採鉱量約 130 万 t)、Cu 1.03%の埋蔵鉱量が確認された。 ⑤ Minera Centinela 社設立

2014 年 7 月、丸紅は Antofagasta と共同で事業運営する Minera Esperanza 社及び Minera El Tesoro 社を統合し、Minera Centinela 社を設立することを Minera Esperanza 社及び Minera El Tesoro 社の 取締役会にて決議したと発表した。この統合により隣接する両鉱山の生産性向上を図り、経営の合理 化を行うことでコスト競争力を高める体制が整うとした。 表 6-2.日本企業によるチリ銅鉱山への出資比率一覧 鉱山名 操業 開始年 2013 年銅 生産量(千t) 日本側 出資比率 日本企業 外国企業 Escondida 1990 1,193.7 12.5% 三菱商事 JX 日鉱日石金属 三菱マテリアル 8.25% 3.00% 1.25% BHP-Billiton Rio Tinto 57.5% 30.0% Candelaria 1995 168.0 20.0% 住友金属鉱山 住友商事 16% 4% Freeport 80%

Ojos del Salado 2004 - 20.0% 住友金属鉱山

住友商事

16% 4%

Freeport 80%

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12 Collahuasi 1999 444.5 12.0% 三井物産 JX 日鉱日石金属 三井金属 7.43% 3.60% 0.97% Xstrata Anglo American 44% 44% Los Pelambres 2000 416.3 40.0% JX 日鉱金属 三菱マテリアル 丸紅 三菱商事 三井物産 15.00% 10.00% 8.75% 5.00% 1.25% Antofagasta 60%

Atacama Kozan 2003 - 60.0% 日鉄鉱業 60% Inversiones

Errazuriz 40% El Tesoro 2001 102.6 30.0% 丸紅 30% Antofagasta 70% Esperanza 2010 177.1 30.0% 丸紅 30% Antofagasta 70% Anglo American Sur - 467.3 29.9% 三菱商事 三井物産 20.4% 9.5% Anglo American CODELCO 50.1% 20.0% Caserones 2014 - 100% パンパシフィッ ク・カッパー 三井物産 75% 25% - - Sierra Gorda 2014 - 45% 住友金属鉱山 住友商事 31.5% 13.5% KGMH International 55%

(出典:Cochilco Year Book: Copper and Other Mineral Statistics 1994-2013 他) 表 6-3.日本企業が参画する主要鉱業投資プロジェクト プロジェクト名 権益所有企業(権益:%) 概要 投資額 (百万 US$) 操業開始 予定年 Antucoya Antofagasta(70), 丸紅(30) 計画銅生産量 8.5 万 t/年。 ヒ ー プ リ ー チ ン グ 及 び SxEw。 1,900 2015 Escondida Organic growth project 1(OGP1)

BHP Billiton(57.5), Rio Tinto(30), 三菱商事(8.25), 三菱マテリアル(1.25), JX 日鉱日石金属(3) 粗鉱処理能力 15.2 万 t/日 の選鉱設備への更新と既存 施設下位の高品位鉱石への アクセス確保。 3,800 2015 Planta de desalinización de agua de mar

BHP Billiton(57.5), Rio Tinto(30), 三菱商事(8.25), 三菱マテリアル(1.25), JX 日鉱日石金属(3) 2,500l/秒の能力を有する 海 水 淡 水 化 プ ラ ン ト の 建 設。Escondida 鉱山操業維 持向け。 3,430 2017 Actualización Esperanza Antofagasta(70), 丸紅(30) Esperanza 鉱山の粗鉱処理 能力を 10.5 万 t/日まで引 き上げ。 500 2015

Encuentro Óxidos Antofagasta(70), 丸紅(30) El Tesoro 鉱山操業継続の

ためのプロジェクト。 760 2016 Candelaria 2030 Freeport(80), 住友金属鉱山(16), 住友商事(4) Candelaria 鉱山のマインラ イフを 2030 年以降まで延 長。 400 2016 Crecimiento Marginal MLP Antofagasta(60), JX 日鉱日石金属 (15), 三菱マテリアル(10), 丸紅 (8.75), 三菱商事(5), 三井物産 (1.25) Los Pelambres 鉱山の粗鉱 処理量を 20.5 万 t/日まで 引き上げ可能とする。 1,190 2019 Sol Naciente 日鉄鉱業(100) 粗鉱生産量約 25 万 t/年で 操業期間約 6 年を計画。粗 鉱を Atakama Kozan へ供給。 7.6 2015

(出典:Consejo Minero HP [Catastro del Consejo Minero, Proyectos de inversi:on de empresas socias, Mayo de 2014]等)

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13 7.その他トピックス (1) Michelle Bachelet 新政権 チリ大統領選挙の決選投票が 2013 年 12 月 15 日に行われ、前大統領で左派の Michelle Bachelet 氏 が 62%の得票を獲得、右派の対立候補 Evelyn Matthei 氏に圧勝し、大統領への返り咲きを決めた。 2014 年 1 月、同年 3 月からスタートする新政権の閣僚が発表され、鉱業大臣に Antofagasta 国際タ ーミナル管理・財務部長の Aurora Williams 女史が指名された。女性鉱業大臣は、Karen Poniachik 元鉱業大臣以来、2 人目。急進民主社会党(PRSD)の Williams 女史は 51 歳、Católica del Norte 大学 でコマーシャルエンジニアリング・経営工学を専攻。Bachelet 前政権時代の 2006 年から 2010 年には 第Ⅱ州地方公共事業局長を務めた経歴を持つ。地元新聞のインタビュー等で、同氏はチリ銅委員会、 ENAMI、地質鉱業局の強化が取り組むべき優先課題となるとの考えを示した。

鉱業次官には Ignacio Moreno 氏が任命されることが 2014 年 1 月に発表された。Moreno 氏は、Bachelet 前政権時代に ENAMI の開発副部長を務め、その他にも、COCHILCO の戦略評価部長、CIMM の理事を歴任 した。

(2) CODELCO 役員人事と Thomas Keller 総裁の解任

2014 年 5 月 12 日、CODELCO は、Óscar Laderretche 氏、Laura Albornoz 氏、Dante Contreras 氏の 3 名を同社の新役員として Michelle Bachelet 大統領が任命したと発表した。任期は 2018 年 5 月 11 日までの 4 年間。同時に Laderretche 氏は、役員会会長に任命された。

2014 年 6 月 5 日に開催された CODELCO の臨時役員会議で Thomas Keller 総裁の解任が決議された。 CODELCO 役員 9 名のうち、解任賛成は 5 名、反対 3 名、棄権 1 名であった。Landerretche 役員会会長 は、「Thomas Keller 氏に辞任を申し入れることを決定した。新たな挑戦を伴う新ステージへ向けて CODELCO が歩むには、新たなリーダーが必要だ」と述べた。

(3) 環境問題

① Pascua Lama 金-銀プロジェクト

2013 年 2 月、第Ⅲ州環境評価委員会(Comisión de Evaluación Ambiental de Atacama)は水の衛生管 理及び氷河のモニタリング計画に違反があったとして、Pascua Lama 金-銀プロジェクト(第Ⅲ州・アル ゼンチン San Juan 州)に対し 3,000UTM(約 25 万 US$)の罰金を適用した。公共事業省水利総局は氷河表 面に同プロジェクト由来の粉塵が堆積していることを監査で確認した後、罰則の適用を申請していた。 同プロジェクトの開発を行う Barrick Gold は、今後の取り組みを検討するため裁定内容を精査する、 何らかの過失があったならば責任を取るとコメントした。

2013 年 3 月、環境監督庁は 2006 年の環境認可で定められた条件・基準を履行していないとして Pascua Lama プロジェクトを実施する Minera Nevada 社(Barrick Gold 子会社)に対する告訴手続きを行い、同 庁は 5 項目にわたる不履行について起訴した。2013 年 1 月末、Minera Nevada 社は水管理システムの 問題を自主的に届け出ていたが、環境監督庁は適切な情報提供がなされていないとして届け出を却下 していた。

Barrick Gold は、2013 年 4 月 10 日付けプレスリリースでチリ当局から求められる環境及びその他 規則の要求事項への対策を行う間、チリ側の建設作業を中断すると発表した。

2013 年 4 月 18 日、Pascua Lama プロジェクトへの Copiapó 上訴裁判所からのプロジェクト停止命令 に対し、Minera Nevada 社がその取り消しを要求したが却下された。上訴裁判所からの停止命令は環境 規則違反の申し立てを受けて下されたものであるが、環境監督庁のみが環境問題を理由として停止を 命令できる唯一の機関であり、裁判所と同じデータを保有する同庁からは停止を求められていないと 同社は主張していた。また、同社は初期剥土とその他特定の活動は地質鉱業局からの命令により中断 しており、裁判所からの停止命令は不要であるとしていた。

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2013 年 5 月 8 日、Barrick Gold は、環境監督庁による 23 件の告訴のうち 22 件について受け入れた と報じられた。Minera Nevada 社が、水管理システムに関する認可違反受け入れの意向を示した文書を 環境監督庁へ提出したもの。

2013 年 5 月 24 日、環境監督庁は Minera Nevada 社に 16,000UTA(約 1,580 万 US$)の罰金の支払いを 命じた。また、承認済みの環境認可に同プロジェクトの水管理システムが適合するまでの間、建設作 業を中断するよう命じた。不足しているインフラを補う一部の作業については、厳密な管理の下で許 可される。同日に Barrick Gold は裁定を精査中であると発表、裁定の中で指摘された事項を遵守し、 最高レベルの環境基準をベースに作業を実施することに努めるとコメントした。 2013 年 6 月 6 日、環境監督庁は同プロジェクトの環境認可違反のために Minera Nevada 社に科して いた罰金を 25%減免し、12,000UTA(約 1,160 万 US$)としたと報じられた。本減免措置は、罰金措置の 決定から 5 日以内に同社が罰金を支払ったことによるもの。Barrick Gold は環境監督庁への報告書の 中で、水管理システム関連の建設作業のため、2,900 万 US$が必要と明らかにした。

2013 年 6 月 20 日、環境裁判所は環境監督庁に対し、Minera Nevada 社に科した 16,000UTA の罰金の 正当性を示すよう求めたと報じられた。この環境裁判所の措置は、Minera Nevada 社に適用された罰金 の決定に不正があるとの先住民族グループからの不服申し立てを受けて行われたもの。環境監督庁は、 Minera Nevada 社に対し 23 件の環境認可違反を告発していたが、先住民グループは違反 1 件ずつに対 して上限 10,000UTA(約 962 万 US$)の罰金措置が科されるべきであり、まとめて扱われるべきものでな いとし、さらに、環境監督庁が指摘していない違反も存在すると主張した。 2013 年 7 月 4 日、環境裁判所は、Pascua Lama プロジェクトが周辺氷河に悪影響を与えているとし た訴訟の再審理に同意した。この訴訟は、Huasco 渓谷地域の農業者グループが Minera Nevada 社を相 手取り起こしたもので、同プロジェクトが氷河そのものにダメージを与えているだけでなく、周氷河 地域にも影響が及び農業用水源に悪影響が出ていると訴えた。

2013 年 7 月 19 日、Copiapó 上訴裁判所は、Minera Nevada 社に対する差し止め請求を認め、Pascua Lama プロジェクトの一時中断を承認した。差し止め請求は、水の汚染及び氷河損傷への懸念から先住民族 Diaguita 族のグループが起こしたもの。上訴裁判所は同プロジェクトの環境認可で要求されている事 項を満足するまで中断を続けるよう命じた。環境認可の要求には、水汚染を防ぐための緩和作業や近 傍 3 氷河の常設モニタリングが含まれていた。

2013 年 8 月、Huasco 渓谷の先住民族である Diaguita 族コミュニティが、Pascua Lama プロジェクト の環境認可の取り消しと環境影響調査のやり直しを求めて最高裁判所に上訴した。先住民族側は従来 の環境影響調査に考慮されていなかった事項についての新たな調査を求めた。

2013 年 9 月、最高裁判所は、Copiapó 上訴裁判所が Minera Nevada 社に対し建設作業の停止を命じ た同年 4 月の判決を支持したものの、制裁強化については棄却した。また、先住民族の憲法上の権利 を保護するための追加措置を求めた先住民グループの申し立てを全会一致で退け、上訴裁判所の裁定 は権利保護にあたって十分であるとした。最高裁判所は、水管理システムを建設再開前に完成させる よう命じた 2013 年 7 月の上訴裁判決についても支持した。

2013 年 10 月 11 日、Pascua Lama プロジェクトに関し、Antofagasta 上訴裁判所が新たな環境訴訟の 審査を行うことに合意した。訴訟は、環境被害の可能性と地域住民の生活の質の悪化に対する懸念か ら起こされた。

Barrick Gold は 2013 年 10 月 31 日に発表した 2013 年 Q3 決算報告の中で、環境保護及び法令遵守の ために求められている作業を除き、Pascua Lama 金-銀プロジェクトの建設作業を一時的に中断するこ とを決定したと発表した。この建設中断により、Barrick Gold の 2014 年資本コストは最大 10 億 US$減 ることになるとされた。この決定に関し、Jaime Sokalsky CEO は「プロジェクトの中断が最も堅実な 方法であると我々は判断したが、現在の課題が解消されれば建設を再開・完了するオプションは当然 維持していく」と述べた。

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15 万 US$に上る罰金措置を無効にする判決を下した。一方、同庁による建設工事の中断命令については維 持した。判決は、個別に制裁措置を適用すべきところ、違法行為のグループ分けを行った決定とその 他の 3 つを加重要素とした背景が理解できないとし、これだけで裁定を無効とする十分な理由となる と述べた。 2014 年 3 月 20 日、環境監督庁は環境裁判所が裁定した Minera Nevada 社に対する罰金措置の取り消 しについて、最高裁判所への上訴を見送ることを決定したと報じられた。最高裁判所への上訴見送り について、Cristián Franz 局長は「裁定を順守し、技術的にも法的にも確固たる論拠のある結論を出 す」と述べた。Barrick Gold は、同日、判決破棄を求め、最高裁判所へ訴えた。

2014 年 5 月、Barrik Gold は Pascua Lama プロジェクト建設に反対する Diaguita 族先住民グループ と暫定合意に達したと報道された。Huasco 渓谷に居住する 18 の Diaguita 族コミュニティのうちの 15 コミュニティと覚書を取り交わした。この暫定合意に関し、Diaguita 族コミュニティ代表の Lorenzo Soto 弁護士は、「チリにおいて初めて締結される性質の合意であり、今後は先住民族コミュニティが類 似プロジェクトの開発に対し意見を述べる権利を持つことになる」とコメントした。暫定合意の有効 期間は 6 ヶ月で、Barrick Gold はプロジェクトに関する情報を先住民と共有することに合意、それら の情報は独立した専門家によって裏付けをとることができるとされ、その費用は同社が負担する。こ のステージが成功と判断されれば、両者は最長 2 年間の対話ステージを開始する。このステージには、 国際監視員が参加、先住民族ロイヤルティの支払いが検討される。建設は、このステージが完了する まで開始されない。先住民族ロイヤルティに関し Soto 弁護士は、類似ロイヤルティに関するアイデア はこれまで存在しないが、創設されうるものであり、創設への障害はないと述べた。Aurora Williamas 鉱業大臣は、Barrick Gold と先住民族コミュニティ間の合意を歓迎したが、鉱業に普遍的に適用され る先住民族ロイヤルティ導入の短期的な可能性については否定した。 ② Quebrada Blanca 銅鉱山 2013 年 2 月 13 日、環境監督庁は、Quebrada Blanca 銅鉱山(第Ⅰ州)で発生した燃料油漏出事故に関 し訴追手続きをとったと発表した。同年 1 月 7 日、Quebrada Blanca 鉱山は燃料油流出について自己申 告をしていたが、必要条件を満たしていないとして環境監督庁に却下されていた。環境監督庁は、水 利総局、農牧庁及び地質鉱業局と共同で査察を行い、流出燃料油は廃水処理プラントから漏出してい ると結論づけた。油の流出は 37km 下流まで広がり、環境被害が生じていることも確認された。 2014 年 4 月、環境監督庁は、Quebrada Blanca 鉱山で発生した燃料油流出事故の浄化計画を承認し たと発表した。同鉱山のオペレータである Teck は 6 ヶ月以内に同計画を実施しなければならない。浄 化計画実施期限まで罰則適用手続きは中断されるが、計画実施が不十分と判定された場合には、当初 適用されるはずであった罰則が 2 倍になる可能性があるとされた。 2014 年 2 月、環境監督庁は、Quebrada Blanca 鉱山で発生した燃料油漏出事故の浄化計画が十分に 実施されたと発表した。Teck はこの浄化計画に 300 万 US$を支出したといわれる。 ③ Maricunga 金鉱山

2014 年 2 月 12 日、環境監督庁は加 Kinross Gold が操業する Maricunga 金鉱山 Refugio プロジェク ト(第Ⅲ州)に対し、環境認可違反による 5,122UTA(約 450 万 US$)の罰金を決定したと報道された。指 摘された環境認可違反は、ベルトコンベアの覆いの未整備、救急用地へのズリ及び廃棄物の集積、磨 鉱プラントからの粒子状物質拡散防止インフラの未整備など。なお、この罰金適用による鉱山の操業 停止はないとされた。Kinross Gold はこの措置に関し、「指摘された事項は自社内調査結果の一部とし て当局に報告しており、また、環境への何らのダメージを与えていないことを考えると罰金額は過大 である」とコメントし、措置の正当性について環境裁判所で争う意向を示した。 2014 年 2 月 25 日、環境裁判所は環境監督庁が決定した罰金措置に対する Kinross Gold の訴えを認 め、新たな情報が提供されるまで罰金の支払いを保留することを命じた。

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16 2014 年 6 月、環境裁判所は、環境監督庁の Maricunga 鉱山に対する罰金裁定の再作成を命じた。新 たな裁定には、Kinross Gold が 2013 年 11 月に開始していたが、期限後に提出されたとして環境監督 庁が不受理とした修復プロセスを考慮するよう求められた。さらに裁判所は、問題に対処するための 同鉱山のアクションプランを却下する際、環境監督庁に不法な振る舞いがあったことも認めた。 ④ その他

2013 年 2 月、Santiago 市 La Barnechea 区長が CODELCO の Andina 事業所拡張計画(第Ⅴ州)に反対し ていると報道された。Santiago 市の水源となっている氷河への影響懸念により、Felipe Guevera 区長 は、プロジェクトそのものに反対しているのではなく、自然及び環境保護への十分な配慮を強く求め るとコメントした。CODELCO 側はプロジェクトが及ぼす影響は第Ⅴ州にある氷河に限定されており、Lo Barnechea 区には及ばず、また、粒子状物質による大気汚染もわずかで補償は検討していないとした。 (4)先住民族関係

① El Morro 金-銅プロジェクト

2013 年 8 月、加 Goldcorp は、El Morro 金-銅プロジェクト(第Ⅲ州)に関し追加で実施している環境 影響調査の中で、先住民族農家に対して新たな補償策を提案したと報じられた。同社は、追加で実施 している環境影響評価の一部として提出した報告書の中で、プロジェクト地域に地表権を有する地域 コミュニティへの補償策を示し、その中には複数の水系における農業用地の供与が含まれていた。 2013 年 10 月、El Morro プロジェクトの環境認可が再承認されたと 2013 年 Q3 決算報告書の中で Goldcorp が明らかにした。10 月 22 日、第Ⅲ州環境評価委員会は環境省環境評価局から提出されたレ ポートを審査、全会一致で El Morro プロジェクトの環境認可再承認を決定した。Goldcorp はコミュニ ティとの話し合い、プロジェクトの経済性の最適化、電力の長期確保手段の検討を継続するとした。

2013 年 11 月、Huasco の 15 の先住民コミュニティは、Copiapó 上訴裁判所対し El Morro プロジェク トの差し止め訴訟を起こすとともに、閣僚委員会へは不服申し立て(Recurso de Reclamación)を行っ たと報道された。先住民コミュニティ代表の Lorenzo Soto 弁護士によると、環境認可の再評価時に環 境評価局が先住民との協議を怠っていたことが差し止め訴訟を起こした理由と述べた。同弁護士は、 先住民との協議は農業共同体 Huascoaltinos としか行われておらず、原告となった 15 の先住民コミュ ニティのことは考慮されなかったとした。閣僚委員会への不服申し立ては、水資源の汚染、先住民族 が生活しているのと同じ水系に建設される廃滓ダム・ズリ堆積場・オープンピットに関係するもの。 Soto 弁護士は、差し止め訴訟及び不服申し立ては、プロジェクトの停止と環境認可の取り消しを狙っ たものと述べた。 2014 年 5 月、Copiapó 上訴裁判所は先住民及び農業団体コミュニティによる El Morro プロジェクト への 3 件の差し止め請求を全会一致で退けたと報じられた。上訴裁判所は訴訟の却下理由について、 同プロジェクトが先住民の権利を侵害する可能性があることを協議期間中に当局に連絡していないこ とから、環境認可の承認に関して違法性は認められないとした。この判決を受け、先住民コミュニテ ィ側は最高裁判所へ上訴した。 ② その他

2013 年 5 月、Copiapó 上訴裁判所は先住民の Colla 共同体及び Lautaro Carmona 下院議員による Cerro Casale 金-銅プロジェクト(第Ⅲ州)の開発停止請求を全会一致で退けたと報じられた。同裁判所は、環 境評価局の認可は専断的なものではなく ILO 第 169 号条約にも沿ったものであることを認めた。先住 民側も同プロジェクトの環境影響調査の間に必要とされる協議が行われたことは認めていた。

2013 年 8 月、CODELCO による Radomiro Tomic 硫化鉱プロジェクトの環境影響調査で、ILO 第 169 号 条約に準じた協議プロセスを経る必要があるとの決議が下されたと環境評価局の HP で公表された。協 議の条件・方法・メカニズム・手続きなどについては、プロジェクトにより影響を受ける可能性のあ

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17 る先住民族コミュニティ及び CODELCO の双方が合意することとした。決議は、先住民族法によって保 護されている Talabre 廃滓ダム近傍の住民が、同プロジェクトのために重大な影響を受ける可能性が あるとしている。さらに、プロジェクト施設のいくつかは考古学的に重要な場所にあり、これらへの 悪影響の恐れもあるとされた。 2013 年 12 月、Arica 上訴裁判所は、先住民・環境団体・市民団体グループが差し止めを求めていた 豪 Southern Hemisphere Mining 社の Los Pumas マンガンプロジェクト(第 XV 州)の環境認可に対し、 請求を認める裁定を下したと報道された。同プロジェクトの環境認可は、2013 年 8 月に承認されたば かりであった。裁定は、承認された環境認可が廃滓ダムと Lauca 国立公園との距離に関する部分で現 行基準に違反していることを認めた。また、ILO 第 169 号条約で要求される事前の先住民との協議が行 われていないことも認定した。 2014 年 5 月、最高裁判所が、SQM の塩化カリウム生産拡張プロジェクト環境認可承認に対する先住 民族コミュニティからの訴えを退けた。2013 年 6 月になされた環境影響宣言書の認可承認で、先住民 族に対する環境評価局の独断的な行動はなかったと全会一致で裁定した。先住民開発公社が評価手続 き中に同プロジェクトを承認していることも確認された。さらに、先住民コニュニティは先祖伝来の 土地がプロジェクトから影響を受ける可能性があることを立証できておらず、コニュニティ側が訴え ているような地域の土地と水源への影響は、これまで生じていないとされた。 (5) 電力関係 ① 鉱山企業の発電プロジェクトへの参入

2013 年 1 月、CODELCO はエネルギーコスト削減のため、Ministro Hales、Radomiro Tomic、Gabriera Mistral、Chuquicamata 各事業所に電力を供給する天然ガス発電所を、Mejillones(第Ⅱ州)に建設する ことを発表した。Luz Minera と呼ばれるこのプロジェクトは投資額が 7 億 5,800 万 US$で、合計発電 能力 780MW の天然ガス発電所 3 基の新設とともに海水淡水化プラントが併設される。この発電所で発 電された電力の一部はスポット市場で販売することが検討されている。CODELCO が石炭火力発電所でな く天然ガス火力発電所を選択した理由として、温室効果ガス排出量が少ないことや冷却水の使用量が 抑えられることの他、現在 Mejillones 市が進める産業発展のための Mejillones 湾岸地域マスタープ ランが変更になった場合、同湾岸地域には天然ガスコンビナート以外の建設認可が得られなくなる可 能性があるためとされた。

2013 年 2 月、CODELCO は Luz Minera 火力発電所プロジェクトの環境影響評価手続きを開始したと同 社 HP 上で発表した。

2013 年 4 月、CODELCO は LNG 再ガス化ターミナルを操業する GNL Mijillones 社(GDF SUEZ 社 63%、 CODELCO 37%)と、ターミナル使用契約を締結したと発表した。契約期間は 2045 年まで延長が可能。 これにより Luz Minera 天然ガス発電所プロジェクトを進める基盤が整った。

2013 年 7 月、Antofagasta Minerals は、Alto Maipo 水力発電プロジェクトを手がける Proyecto Alto Maipo SpA の 40%の権益を、発電事業者 AES Gener から取得したと発表した。メディア報道によれば、 取得額は 5,020 万 US$。Proyecto Alto Maipo は、水力発電所 2 基(合計発電能力 531MW)の建設及び操 業のために設立された。合意の中で、Antofagasta Minerals は Los Pelambres 鉱山への電力供給に寄 与する 20 年間、合計 160MW の電力購入契約 2 件にも合意した。最初の契約は 2015 年から有効となる。 Los Pelambres 鉱山では 2012 年末の旧契約失効後、スポット価格での電力供給を受けていた。 Antofagasta Minerals は、Alto Maipo 水力発電プロジェクトに約 3 億 US$を投資するとされた。 ② エネルギー消費

2014 年 4 月 25 日付けの COCHILCO の発表によると、2013 年にチリ鉱業が消費したエネルギー量は前 年比 4.6%増の 146.9 TJ であった。このエネルギー消費の増加の主な原因は、産銅量が前年に比べ 6.3% 増加したことによると説明された。エネルギータイプ別に見ると、燃料エネルギー消費量が 67.5TJ で

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18 前年比 4.5%増、電気エネルギー消費量が 79.4TJ で前年比 4.6%増であった。エネルギー消費量が多 い工程は、採掘、選鉱、LxSxEw で、それぞれ全体の 39%、28%、17%を占める。 同発表によると、鉱山企業のエネルギーコストは、オペレーションコストの約 25%まで増加してい るとされた。 ③ 電力料金 2013 年 9 月、北部供給システム内の大規模鉱山会社が契約した電気料金の平均が、アルゼンチンか らの天然ガス供給がストップした 2007 年以降で最も低いレベルまで下がっていると報道された。2013 年上半期の平均契約電気料金は 112US$/MWh で、2012 年の 120US$/MWh から 7%、最も高かった 2009 年 の 136US$/MWh からは 18%下がった。この電気料金の下落は、発電量に占める石炭火力発電の割合が 82%まで増加したことに起因する。鉱業審議会は、電気料金の下落に歓迎の意を示しながらも、他の 鉱業国に対しチリが競争力を保つためには現在の料金レベルは未だ高いと指摘した。 (6) 鉱業用水関係

Teck Resources の Carmen de Andacollo 銅-金鉱山(第Ⅳ州)は、2013 年 1 月、水道事業を手掛ける Aguas del Valle と共同でローカルコミュニティ廃水の同鉱山での利用可能性評価を行うと発表した。 ローカルコミュニティ廃水の再利用は鉱山の位置する流域の水需要削減を狙ったもの。 Carmen de Andacollo 鉱山長の Hugo Herrera 氏は、「現在海に廃棄されている水の地域産業への再利用を目標とし て、今回の調査ではプロジェクト及び下水処理水回収の実行可能性評価を行う」と述べた。

2013 年 7 月、BHP Billiton 及び Rio Tinto は、Escondida 鉱山の操業維持のため、2,500l/秒の能力 を有する海水淡水化プラント新規建設への投資 19.72 億 US$及び 10.3 億 US$(各社権益分、プロジェク トへの全投資額は 34.3 億 US$)をそれぞれ承認したと発表した。プラントは、2017 年中の稼働開始が 見込まれている。BHP Billiton 銅部門プレジデント Peter Beaven 氏は「Atacama 砂漠における水の持 続的供給確保はチリの全ての銅生産事業者にとって重要な優先課題であり、Escondida 水供給プロジェ クトの承認は我々のビジネスにとって大事なマイルストーンである」とコメントした。 COCHILCO が 2013 年 12 月に公表したレポートによると、チリ銅鉱業の地下水需要は、計画中の海水 淡水化及び海水直接利用のプロジェクトが全て実施された場合でも、2021 年には 2013 年(13 ㎥/秒)比 38%増の 18 ㎥/秒に達すると予想された。海水を利用するプロジェクトが全く実施されなかった場合、 この数字は 27.7 ㎥/秒まで増加すると予測された。 (7) 労働生産性 COCHILCO が 2014 年 5 月 5 日に公表した報告書によると、チリ鉱業の労働生産性は 2003 年から 2012 年の 10 年間で 46%低下した。鉱石品位の低下及びエネルギーコストを始めとしたコストの上昇が主要 な要因。産業分野別に見れば、鉱業セクターの生産性は継続して上位を保っているものの、2012 年に はエネルギー、ガス、水のセクターに上回られた。 銅価格が高騰していた時期、鉱山会社の懸念事項はコストではなく生産量にあり、それが労働力や 消費財の過剰需要を生み出し、その反動として労働生産性が低下したと COCHILCO の María Cristina Betancour 調査課長(当時)はコメント、さらに、地質要因を考えると、鉱山が操業年数を重ねるととも に、鉱石運搬距離の増加、鉱石品位の低下、鉱石の硬化などは避けられないことから、1t の銅を抽出 するために必要なコストは増えざるを得ず、生産性は低下すると説明した。 (8) 労使関係 ① CODELCO 2013 年 1 月、CODELCO は経費削減と経営立て直しを目的としたリストラの一環として、本社社員の 約 6 分の 1 にあたる 109 名への解雇通知を行った。この措置を受け、CODELCO 銅組合連合(FTC)の

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Raimundo Espinosa 会長は CODELCO 保有鉱山での人員整理に対する懸念を表明、CODELCO は退職プラン のある鉱山での人員整理は考えていないとした。

2013 年 4 月 9 日、FTC に所属する労働者が 24 時間ストライキを実施、CODELCO の銅生産が一時スト ップした。このストライキにより CODELCO では 5,000t 程度の銅生産損失が予想された。民間鉱山会社 が操業する Escondida 鉱山や Los Bronces 鉱山などでも同じ日にストライキが行われたが、数時間程 度で終了し、生産への影響はなかった。ストライキの目的は、年金の改善、銅及びリチウムの再国有 化、下請への過剰なアウトソーシング取り止めなどの問題提起であった。

2013 年 5 月、銅産業労働者総同盟(CTC)は鉱業関係請負会社協会(AGEMA)との包括協定に合意したと 報じられた。CODELCO は労使交渉のまとめ役として合意への支援を行った。公表された協定内容の一部 は次のとおり。住宅手当て(25UF(1,190US$)/年)、ボーナス(100 万 Peso(2,080US$)/四半期)、労使合 意後 10 日以内の妥結金(150 万 Peso(3,120 US$))。請負労働者は CODELCO 従業員と同等以上の報酬を 求めていた。CTC、AGEMA、CODELCO の話し合いは 4 月下旬に始まったが、5 月上旬には請負会社及び CODELCO からの提案を不服として、CTC は全国ストの実施を警告していた。CTC には民間鉱山会社及び 国営鉱山会社の下請労働者 40,000 名が加入している。2013 年 5 月 14 日早朝、CODELCO の Andina 事業 所では、プラントの保守管理を請け負う Siemens の労働者約 800 名が抗議デモを実施し、鉱山へのア クセス道を封鎖した。CODELCO は、安全面から労働者の鉱山への移動を止め、操業が中断したものの生 産には影響は出なかったとした。

2013 年 7 月、CODELCO は、請負労働者の暴動のため、建設中の Ministro Hales プロジェクト(第Ⅱ 州)の建設作業を中断したと発表した。Ministro Hales プロジェクト請負労働者約 300 名による暴動が 発生し、CODELCO は労働者の安全と同社の資産を守るため作業を中断することを決定した。請負労働者 による抗議運動は、現在締結されている合意を上回る経済的要求が原因とされた。CODELCO は不可抗力 条項発動を宣言し、5,000 名の労働者・人員及び資産保護のため建設作業を停止し、全請負労働者の動 員解除を行わざるを得ない状況となった。 CODELCO の Salvador 事業所(第Ⅲ州)で、2013 年 9 月 5 日から労働組合加入労働者 1,100 名以上によ る無期限ストライキが開始された。会社側との労働協約交渉決裂によるもので、労働組合側によると、 ボーナス、El Salvador 市外の学校へ通う労働者子弟への奨学金、2009 年以降に採用された労働者へ の健康手当てに関し合意に達していないとされた。プレスリリースの中で CODELCO は、Salvador 事業 所の 2013 年 H1 収支は 5,000 万 US$の赤字であり、ストライキは正当化されるものではなく、更なる問 題を生じさせると非難した。FTC はストライキへの連帯を表明、CODELCO 全事業所の労働者に対し、 Salvador 事業所労働者への支持の声を上げるよう呼びかけた。 Salvador 事業所で発生した無期限ストライキは、労働組合が 3%の賃上げなど会社側からの提案を 受け入れたことで 9 月 18 日に終結した。妥結した労働協約の中には、3%の賃上げの他、900 万 Peso(約 18,000US$)の妥結ボーナス及び既存労働者に認められている手当てを新規労働者へも認めることなど が含まれていた。労働組合代表の Waldo Gómez 氏は「協約内容は我々が期待したものではなかったが、 よい条件で会社側との交渉を終えた」と述べた。労働協約には、労働者側にストライキ期間中に失わ れた労働時間の回復への期待の意が盛り込まれ、その労働に対して CODELCO は超過勤務として賃金を 支払うことを合意した。CODELCO が証券保険監督局に提出した届け出によると、このストライキに 1,200 万 US$が費やされ、ストップした銅の生産量は約 3,450t。Thomas Keller CODELCO 総裁(当時)は、「2013 年の残り期間でストライキの影響を減じるためのあらゆる努力を行う」とコメントした。 2013 年 12 月 3 日、CODELCO は労働者によるストライキのために Chuquicamata 製錬所(第Ⅱ州)の操 業が停止していると発表した。当初の報道では、労働者側は特別ボーナスの支払いを要求していると されていたが、後の報道では、ボーナス支払いではなく、同製錬所の操業管理や退職プランを巡る問 題、誤った投資による損失、請負労働者問題などの解決を求めているとされた。会社側はこのストラ イキを違法とし、ストライキに関与する 845 名の労働者に戒告状を送付した。Thomas Keller 総裁(当 時)は「Chuquicamata 製錬所の労働者 1 人当たりの月給は 200 万 Peso 以上で、1,600 万 Peso のボーナ

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20 スが支払われてから 1 年も経っておらず、労働組合の要求は理解しがたい。労働者が Chuquicamata 事 業所の置かれている厳しい状況を理解していないことを懸念する」と述べた。 2013 年 12 月 21 日、17 日間にわたった Chuquimacata 製錬所での労働者ストライキが終結した。会 社からのベースアップ及び労働者の追加雇用に関する提案の受け入れ是非を問う組合員投票の結果、 賛成 287、反対 140 で受け入れが承認された。このストライキにより、2 万 t 以上の銅精鉱の製錬がス トップしたが、Chuquicamata 事業所の他部門への影響はなかったと言われる。

2013 年 12 月 19 日、CODELCO は、Radmiro Tomic 事業所(第Ⅱ州)労働者との事前労働協約交渉に妥結 したと報じられた。妥結された金利なしのソフトローン及びボーナス額は合計で 1,710 万 Peso(約 32,200US$)となり、CODELCO が妥結したボーナス額としては、2012 年 12 月の Chuquicamata 事業所に おける 1,910 万 Peso に次ぐ数字となった。ボーナスがこのように高額になったことは、契約期間の拡 大や操業効率化を続ける過程での労働者への影響(労働時間の変更及び勤務シフトの減る労働者が出 ること)を考慮したものであるとされた。 2014 年 2 月 7 日、El Teniente 事業所(第Ⅵ州)で労働協約交渉が前倒しで開始されたと報じられた。 CODELCO からの提案には、1,330 万 Peso(約 23,600 US$)の交渉終結ボーナス、350 万 Peso(約 6,200US$) のソフトローンが含まれ、さらに、生産性向上を狙った 420 万 Peso(約 7,500US$)のインセンティブが 盛り込まれていたとされる。しかし、2014 年 2 月 13 日に行われた提案の可否を決める労働組合の投票 で反対が全体の 51.2%を占め、CODELCO からの提案を労働者側が拒否した。CODELCO は、「組合側のこ の決定をもって、自発的に実施した前倒しの労働協約交渉を終わらせる。法に従い、従来の労働契約 交渉を現行労働協約の期限が切れる 2014 年 10 月 31 日の 45 日前から開始する」と発表した。一方、 CODELCO は組合幹部との対話を今後も続けていく意向を示した。交渉の中で問題となった会社からの提 案の 1 つに、週末休暇を 3 日間とする代わりに月曜から木曜日までの労働時間を 1 日 8 時間から 12 時 間に増やすことがあり、若年世代の労働者は受け入れの意向を示していたが、熟年世代が断固反対し たとされた。

2014 年 2 月 24 日、El Teniente 事業所の 5 組合からなる労働組合連合のうち、3 組合(Caletones、 No.5、El Teniente)が会社との交渉再開を決定した。提案の受入可否を決める投票結果が僅差であっ たことや休暇で投票を行っていない組合員もいたことから、再投票を求める署名が集められたもの。 CODELCO は、2014 年 2 月 28 日付け同社プレスリリースで El Teniente 事業所の新労働協約を労働組 合と合意したと発表した。労働組合側は、2 月 13 日の組合員投票により拒否を決めたのと同じ提案を 受け入れた。新労働協約の対象となる労働者は 4,200 名で、有効期間は 4 年間、次の労働協約交渉は 2017 年 H2 に実施される。 ② Escondida 鉱山 2013 年 1 月、Escondida 鉱山(第Ⅱ州)の労働組合は経営側から提示されていた新労働協約案を承認 した。新労働協約案には 5%の賃上げ、ボーナス 1,930 万 Peso(約 41,000US$)、ソフトローン 370 万 Peso(約 7,900US$)、生産ボーナス及びインセンティブボーナス 25%増、独立記念日ボーナス 30 万 Peso(約 640US$)、7 勤 7 休の勤務シフトが含まれていた。協約期間は 48 ヶ月。 ③ Anglo American

2013 年 6 月、Anglo American が操業する Mantoverde 鉱山(第Ⅲ州)及び Mantos Blancos 鉱山(第Ⅱ 州)では、前倒しで新労働協約の合意に至った。新協約の期間は 48 ヶ月で、Mantos Blancos 鉱山の 2 労組及び Mantoverde 鉱山の 3 労組に所属する 750 名の労働者が対象。当時の協約は 2013 年 11 月まで 有効であったが、労使交渉は 4 月に開始された。新聞で報じられた Mantos Blancos 鉱山の主要合意条 件は次のとおり。①労働者 1 人当たり約 1,000 万 Peso(19,800 US$)のボーナスを 12 ヶ月分割支給、② 250 万 Peso(4,950 US$)までのソフトローン提供、③半期当たり約 100 万 Peso(1,980 US$)の労働者能 力開発助成金、④生産ボーナス等の増額、⑤祝日出勤手当増額(通常勤務時に対し 200%増)。Montoverde

図 1.主要鉱山、探鉱開発プロジェクト、製錬所位置図
表 6-3.日本企業が参画する主要鉱業投資プロジェクト  プロジェクト名  権益所有企業(権益:%)  概要  投資額  (百万 US$)  操業開始予定年  Antucoya  Antofagasta(70), 丸紅(30)  計画銅生産量 8.5 万 t/年。 ヒ ー プ リ ー チ ン グ 及 び SxEw。  1,900   2015  Escondida  Organic growth  project 1(OGP1)

参照

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