• 検索結果がありません。

表 1-1 オランダの家庭から発生する WEEE の内訳 リサイクル都市への再利用小売 WEEE 廃棄システム漏洩 + 再設置または不明 ( 合計 ) 1a 大型家電製品 b 家庭用冷却装置 a IT 電気通信

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "表 1-1 オランダの家庭から発生する WEEE の内訳 リサイクル都市への再利用小売 WEEE 廃棄システム漏洩 + 再設置または不明 ( 合計 ) 1a 大型家電製品 b 家庭用冷却装置 a IT 電気通信"

Copied!
19
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

●ドイツにおける廃棄物処理政策の現状(その1)

2010 年 10 月 4~5 日にドイツ・ケルン市内で開催された Abfallwirtschaft 2010(廃棄物経 済)の講演について報告する。内容としては、ドイツを中心とした廃棄物処理政策の現状を報 告するもので、主催は Euroforum 社である。

1.中古電子機器リサイクルにおける資源循環-現状と開発- Sven Grieger 氏、ENE GmbH 社(EcologyNet Europe)(ドイツ)

1.1 ENE(EcologyNet Europe GmbH)社の紹介 ENE(EcologyNet Europe GmbH)社は、パナソニック・ヨーロッパ社の 100%子会社であり、 主要業務としては EAR(Stiftung Elektro-Altgeräte-Register:廃電気電子機器登録財団)に よる引取や自主回収などのシステムを管理する会社である。 またリサイクル企業のネットワーク化、ENE と提携する全企業で毎年実施するプロセス評価、 資源循環およびプロセス最適化へのプロジェクト(特にフラットスクリーン型テレビからの CRT ガラスやプラスチックのリサイクル)、技術移転なども、同社の業務に含まれている。 1.2 欧州における中古電子機器リサイクルの現状と開発 (1)WEEE 指令の影響

WEEE とは Waste Electrical and Electronic Equipment、すなわち廃電気電子製品を指すが、 いわゆる WEEE 指令は 2003 年 2 月に発効されている。この指令によって、以下の経験を踏むこ とになった。 ・年間約 930 万トンの電気および電子機器が、EU27 ヶ国において流通し、消費されている。 ・年間約 900 万トンの WEEE が EU 内で発生している。これは 1 人当たり 24kg/年に相当する 量である。 ・2020 年には、1,230 万トンの WEEE が発生すると予測されている。 (2)実際の WEEE(廃電気電子製品)資源循環の状況

実際の WEEE 資源循環の状況を示す。オランダの家庭から発生する WEEE の実例を表 1-1 に、WEEE フォーラムに参加する国における WEEE 回収量を図 1-1 に、EU における家庭から排出される廃電 気電子製品の流れを図 1-2 に、その流れの詳細 4 パターンを図 1-3~1-6 に、それぞれ示す。

(2)

表 1-1 オランダの家庭から発生する WEEE の内訳 リサイクル システム 都市への 漏洩 再利用 +再設置 廃棄 小売 または不明 WEEE (合計) 1a 大型家電製品 0.82 1.25 3.3 - 2.64 8.0 1b 家庭用冷却装置 1.55 - - - 0.28 1.8 3a IT、電気通信機器 3b に含む - - - - 3b パソコン 1.25 0.95 - 0.30 0.19 2.7 5 照明(エネルギー 節約型ランプ) 0.02 - - 0.07 - 2 小型家電製品 4 に含む - - - 4 消費財製品 1.73 0.30 0.3 1.11 1.58 5.1 6 電気器具類 0.35 - - 0.37 - 0.7 7 電気玩具 0.02 - - 0.18 - 0.2 合計 5.7 2.5 3.6 2.0 4.7 18.5 (単位:kg/[人・年]) 出典:Witteveen+Bos, Onderzoek naar complementaire afvalstromen voor e-waste in Nederland,

10 April 2008

出典:2008 Key Figures, WEEE Forum 2009 図 1-1 WEEE フォーラムに参加する国の WEEE 回収量 kg / [人・ 年] スウェ ー デ ン ノル ウェ ー スイス デン マーク ベルギ ー アイル ラ ン ド スペイン オラ ン ダ ギリシャ フラ ン ス チェ コ ハン ガリー ポル トガ ル スロ ヴァキア オー スト リ ア スロ ヴェニ ア エスト ニ ア イタリア ポー ラ ン ド WEEE 指令による回収目標 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0

(3)

出典:欧州委員会 2009 年

図 1-2 EU における家庭からの廃棄物の流れ

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Sven Grieger 氏、ENE GmbH 社 図 1-3 廃家電製品の流れ(1) ドイツ連邦環境庁 (UBA) EcologyNet Europe (ENE) リサイクル業者 注文管理 輸送 国への登録(EAR) 製造企業 公共の処理施設 家庭 小売業者 引取指示 「全容報告」 バラバラのルート (例:スクラップ業者、自動車シュレッダー、 「再利用」のための輸出など) 地方自治体による回収 /取引業者/「中古利用」 埋立

(4)

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Sven Grieger 氏、ENE GmbH 社 図 1-4 廃家電製品の流れ(2)

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Sven Grieger 氏、ENE GmbH 社 図 1-5 廃家電製品の流れ(3) ドイツ連邦環境庁 (UBA) EcologyNet Europe (ENE) リサイクル業者 注文管理 輸送 国への登録(EAR) 製造企業 公共の処理施設 家庭 小売業者 引取指示 「全容報告」 EAR による引取調整 公共の処理施設に所属する 約 1,500 の回収場所 ドイツ連邦環境庁 (UBA) EcologyNet Europe (ENE) リサイクル業者 注文管理 輸送 国への登録(EAR) 製造企業 家庭 小売業者 引取指示 自由意思による引取 ➢リサイクル工場 ➢小売業者 ➢零細企業 ➢公共の施設 ➢新製品用材料としての引取 ➢その他

(5)

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Sven Grieger 氏、ENE GmbH 社 図 1-6 廃家電製品の流れ(4)

(3)具体的なリサイクルプロセス

現在の廃電気電子製品の回収およびリサイクルプロセスは、図 1-7 のようにまとめることが できる。

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Sven Grieger 氏、ENE GmbH 社 図 1-7 廃棄物回収体系 ドイツ連邦環境庁 (UBA) EcologyNet Europe (ENE) リサイクル業者 注文管理 輸送 国への登録(EAR) 製造企業 引取指示 B2B(企業間取引)ツールを 用いた回収 収集 一次処 理 処理 リサイクル 再利用 家庭用 大型ごみ 冷却用装置 (冷蔵庫、エア コンなど) IT 等の通信技術 関連廃棄物 テレビの ディスプレー 小型装置 家庭用小型ごみ (小型機械、 道具、薬品等) ガス 放電灯 フロンガス 有害物質除去 解体処理 破砕、選別 CRT ガラス分離 冷却用装置 リサイクル 鉄 銅 プラスチック CRT ガラス エネルギー 回収 その他 特殊な解体処理またはプロセス 金属精錬所、ガラスやプラスチックの製造企業など

(6)

次に廃棄物回収の状況で、期待される状況を図 1-8 に、現状を図 1-9 にそれぞれ示す。

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Sven Grieger 氏、ENE GmbH 社 図 1-8 期待される廃棄物回収の状況

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Sven Grieger 氏、ENE GmbH 社 図 1-9 実際の廃棄物回収の状況

(7)

次にブラウン管(CRT)テレビの一次処理および解体の流れを図 1-10 に、ディスプレー(LCD) 型テレビの一次処理および解体の写真を図 1-11 に、冷蔵庫やエアコン等の冷却装置の一次処理 流れを図 1-12 に、それぞれ示す。

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Sven Grieger 氏、ENE GmbH 社 図 1-10 ブラウン管(CRT)テレビの一次処理および解体の流れ

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Sven Grieger 氏、ENE GmbH 社 図 1-11 液晶ディスプレー(LCD)型テレビの一次処理および解体の状況 廃棄テレビ CRT バンド除去 パネル/ ファンネル分離 パネルガラス洗浄 パネルガラス リサイクル ファンネルガラス リサイクル ファンネルガラス洗浄 鉄リサイクル 解体 その他 DY ワイヤリサイクル DGC、ワイヤ 銅リサイクル 電子銃 レアメタルリサイクル シャシー PWB プラスチック 破砕、減容 キャビネット 後キャビネット 材料判別 精錬所 プラスチック リサイクル 管理型埋立地 その他

(8)

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Sven Grieger 氏、ENE GmbH 社 図 1-12 冷却装置の一次処理の流れ (4)再資源化の基準および品質保証に対する取組 ①EU レベル EU レベルでは、品質保証に対する要求がなく、取扱に対する最低限の基準のみ存在する。 具体的には、リサイクル率、除去される部品/材料に対する項目である。 ②国家指令 ドイツでは、「循環型社会および廃棄物に関する法律(KrW/AbfG)」により認証を受けた専 門の廃棄物処理工場が存在し、法律には下記項目の基準が明記されている。 -組織、立地、任務 -操業管理、従業員 -制御と認証 ③国家ガイドライン ドイツでは、LAGA(Länderarbeitsgesellschaft Abfall:国家廃棄物共同事業体)の取扱 説明書における通知第 31 号で、廃家電製品に関する下記項目の基準を記載している。 -回収と輸送に関する要求 -取扱に関する要求 -製品および特殊部品に対するリサイクルプロセス ④産業団体 EERA(欧州電子機器リサイクル業者協会)が取扱ガイドラインを、ICER(電子機器リサイクル に関する産業評議会)がイギリスのリサイクル業者に対する認可様式をそれぞれ発行している。 廃家電製品の引渡 分類前 フロンガス/ペンタン 冷媒と油分抽出 冷媒と油分の分離 フロンガス/ブタン リサイクル リサイクル フロンガス/ペンタン液化 冷却装置の分解 圧縮装置 金属リサイクル 破砕機 磁選機+アルミ選別機による 有価物の自動選別 発泡ポリウレタン 粉砕機 ポリウレタンパウダー 鉄、鋼 非鉄金属 プラスチック 販売 販売 販売 製品化 製品化 粒化 油・化学品用の 吸着剤(製品) 販売 油分

(9)

⑤製造企業によるイニシアチブ パナソニック/ENE による品質保証システムを立ち上げ、リサイクル率や有害物質除去に 関する調査を行う「パイロットテスト」などを実施している。 (5)廃電気電子製品リサイクルへのコストの影響 欧州各国の廃電気電子製品回収システムにおける、32 型液晶ディスプレー型テレビのリサイ クル手数料の比較を図 1-13 に示す。

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Sven Grieger 氏、ENE GmbH 社 図 1-13 欧州各国の 32 型液晶ディスプレー型テレビのリサイクル手数料 コスト影響として、以下 5 項目を考慮する必要がある。すなわち、 ①輸送 燃料費、道路通行料金、運転手への賃金 ②解体/有害物質除去 作業者への賃金 ③再利用 施設への投資費用、エネルギー消費 ④処理費用 法的基準や市場状況に依存 ⑤資源の売上 技術や市場状況に依存 平均値

(10)

次に資源販売によるコスト影響を調べる。傾向として、中古金属販売による収益下落が、リ サイクルコストの上昇をもたらす結果となっている。その状況を図 1-14 に示す。

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Sven Grieger 氏、ENE GmbH 社 図 1-14 鉄、銅のスクラップ価格推移 販売ルートでのコスト影響を調べると、以下のような結果が得られる。 ①テレビモニタのディスプレーガラスの価値 ファンネルとフロントガラスの分離、洗浄、CRT ガラス製造企業での再資源化で、45 ユーロ/ トンの収益が期待できた。これが CRT ガラスの需要落ち込みで、ガラス分離、洗浄、その他の廃 棄物の処分で、反対に 45 ユーロ/トンの赤字に転落する可能性がある。 ②テレビモニタのプラスチック類の価値 国際的な市場価格として、20 ユーロ/トンが相場であるが、臭素含有プラスチックに対する 輸出制限によって、埋立または廃棄物焼却が必要となり、22 ユーロ/トンの赤字が発生する可 能性がある。 鉄スクラップ販売価格(ユーロ/トン) 銅スクラップ販売価格(ユーロ/100kg) 2008 年 5 月~11 月 2008 年 5 月~11 月 鉄: テレビモニタ 1 トン当たりの資源価値は、 11 ユーロにまで下がっている。 銅: テレビモニタ 1 トン当たりの資源価値は、 69 ユーロにまで下がっている。

(11)

1.3 リサイクルおよび再資源化率

WEEE 指令による再利用、リサイクル、再資源化の設定比率を、図 1-15 に示す。

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Sven Grieger 氏、ENE GmbH 社 図 1-15 WEEE 指令によるリサイクルおよび再資源化率

次に CRT テレビやモニタの回収状況の推移予測を図 1-16 に示す。

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Sven Grieger 氏、ENE GmbH 社 図 1-16 ドイツにおける CRT 装置の回収状況の推移予測 大型家電製品 自動出力装置 IT、 通信関連機器 小型家電製品 電気器具、玩具 監視・制御装置 ガス放電灯 販売市場における障壁 -スクリーンガラス(CRT) -防火用プラスチック -LCD ディスプレーガラス 再利用およびリサイクル 再資源化 廃棄 CRT 装置合計 廃棄 CRT テレビ 廃棄 CRT モニタ CRT 装 置 台数 (× 100 万 台 )

(12)

続いて CRT テレビ中の重要な物質の構成要素を図 1-17 に、LCD ディスプレーの場合を同様に 図 1-18 に、さらに LCD の詳細について図 1-19 に、それぞれ示す。

出典:Interne Untersuchung

図 1-17 テレビ(CRT)における重要な物質の構成比率

出典:Centre of Waste Management, University of Central Lancashire 図 1-18 LCD テレビディスプレーにおける重要な物質の構成比率 ケーブル 1.0% 木材 2.0% 回転装置 3.1% 鉄/粉砕前物質 8.8% その他の物質 0.1% スクリーンガラス 58.6% プラスチック (防火仕様のものも含む) 16.4% シャシー、基板 10.1% 37 インチ LCD テレビ 脚部以外で、20.5kg ケーブル:0.3kg 電子部品:1.5kg プラスチック (キャビネット) 3.0kg 鉄:5.0kg LCD パネル その他 (スピーカー、フェライト等) 0.3kg 鉄枠:6.2kg LCD:3.6kg 10.4kg 液晶バックライト (冷陰極管):0.2kg ケーブル等接続部品 0.4kg LCD パネル(重量比約 50%)

(13)

出典:Merck 図 1-19 LCD の構成物質詳細 1.4 WEEE 改正による課題 WEEE 指令の改正案は 2008 年 12 月に欧州委員会から示されているが、現状の規制と改正案お よび議論の現状の比較を、表 2-2 にまとめる。 表 2-2 WEEE 指令改正による課題 観点 従来の規制 EU の改正提案/議論の現状 回収量および回収率 年間 1 人当たり 4kg、加盟国が 責任を持つ すべての廃棄装置に対して 85%の回収率(2016 年から) 住宅地近接地での 回収への資金援助 責任の分担:自治体は委任状態 となるまで、回収に対して資金援 助を行う。 加盟国は資金調達に向けて、 製造企業を育成することが 可能となる。 リサイクルと再利用率 再資源化率/リサイクル率 a% 再利用率 b% 再利用率 x% リサイクル y% 再資源化に向けた前処理 5% 出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Sven Grieger 氏、ENE GmbH 社

(参考資料)

・Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Sven Grieger 氏、ENE GmbH 社 LCD:3.6kg 偏光用およびその他の膜 液晶(LC) 偏光用およびその他の膜 ガラス層 約 0.7mm ガラス層 ~0.1% 液晶 ~85% ガラス ~15% プラスチック ~0.01% ITO(酸化インジウム)中の インジウム分(約 70nm)

(14)

2.ドイツ・バッテリー法による電池リサイクルの現状

Imke Schneider 氏、Stiftung GRS Batterien(バッテリー共同回収システム協会)(ドイツ)

2.1 Stiftung GRS Batterien(バッテリー共同回収システム協会)の紹介 (1)GRS Batterien の簡単な紹介

GRS Batterien とは Gemeinsames Rücknahmesystem Batterien、すなわちバッテリー共同回 収システムを意味する。GRS Batterien とは、ドイツ・バッテリー法第 6 条に基づく装置電池 に対する最大となる引取システムであり、17 万ヶ所以上の回収場所がこのシステムに所属して いることになる。 本システムでのバッテリー回収量は年間 14,000 トン以上、バッテリー回収と再利用に 12 年の 経験を持っている。また GRS は最新のオンラインシステムを導入しており、インターネットを通 じた引取委託やトラックアンドトレース(貨物の監視と後追跡)などの業務遂行が可能となって いる。さらには EN ISO9001/14001 による品質および環境管理システムの認証も受けている。 他の業務としては、道路での危険物の国際輸送に関する欧州協定(ADR)と廃棄物法に対応 可能な人材の教育や、すべてのシステムパートナーの定期的な評価なども実施している。また GRS の全体システムの中での異議申立割合を 1%未満とする目標を掲げ、すべての設置容器が ADR に従う形でのバッテリー輸送に向けた要求、およびすべての危険物法および廃棄物法関連 項目に適合するよう取り組んでいる。 なお本協会 Stiftung GRS Batterien(バッテリー共同回収システム協会)は、上記システム を運営する非利益組織(NPO)である。 ここで GRS に基づく電池の回収流れを図 2-1 に、GRS オンラインにおける引取依頼書を図 2-2 に、それぞれ示す。

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Imke Schneider 氏、Stiftung GRS Batterien 図 2-1 GRS による電池回収の流れ GRS Batterien に参加 しない顧客は、引取業者 に連絡 GRS が準備した 回収容器 電話、FAX、E-Mail 等で 連絡し、その後は引取 業者による回収 引取と、認定中間処理業者 への輸送 完了と、廃棄物の法的 データの報告 工場への搬送 分別/再資源化

(15)

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Imke Schneider 氏、Stiftung GRS Batterien 図 2-2 GRS のオンラインによる引取依頼書

(2)GRS Batterien のシステム内部管理状況(バッテリー法第 15 条)

GRS(バッテリー共同回収システム)内で製造または輸入されるバッテリーの合計数の推移 を図 2-3 に示す。

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Imke Schneider 氏、Stiftung GRS Batterien 図 2-3 GRS 内で取り扱われるバッテリー数の推移

(×1,000 個)

(年)

GRS に参加する顧客数は 2,000 を超える勢いである。

(16)

次に 2009 年のドイツ各州における人口 1 人当たりのバッテリー回収量を図 2-4 に示す。

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Imke Schneider 氏、Stiftung GRS Batterien 図 2-4 ドイツ各州の人口 1 人当たりのバッテリー返却数(2009 年)

さらに使用済みバッテリーの流通割合を図 2-5 に、回収バッテリーの由来別比率を図 2-6 に、 それぞれ示す。

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Imke Schneider 氏、Stiftung GRS Batterien 図 2-5 ドイツにおける使用済みバッテリーの流通割合 2009 年の使用済みバッテリー類の回収量は 14,404 トンであり、 ドイツ国民 1 人当たり平均で 175g/年となる。 * 人口は 2008 年 10 月現在のものとする。 196g 以上の州 166~195g の州 100~135g の州 136~165g の州 80% 一次電池 20% 二次電池

(17)

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Imke Schneider 氏、Stiftung GRS Batterien 図 2-6 ドイツにおける使用済み回収バッテリーの由来別比率

バッテリー類が再資源化された割合を、2000 年と 2009 年の比較で図 2-7 に示す。

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Imke Schneider 氏、Stiftung GRS Batterien 図 2-7 ドイツにおける使用済みバッテリーの再資源化率(2000 年と 2009 年の比較) 自治体 商業 産業 2009 年も、商業施設が使用済みバッテリー類の回収場所として最適で あったことを示している。 2009 年の使用済みバッテリー類再資源化率は 99.96%にまで上昇した。 したがって、鉄、マンガン、亜鉛、ニッケルのような金属類が回収され、重要な資源の節約に貢献した。 * 0.04%は様々なリチウム一次電池として利用されているものであるが、 今のところ、環境的にも経済的にも意味のある再資源化の可能性は存在していない。

(18)

2.2 バッテリー法を通じての新たな要求 ドイツバッテリー法は 2009 年 6 月に発効された法律であるが、以下に示す内容 (1)家庭用バッテリーに対する重要な変更点 ①市場参加の届出(電子媒体経由)を、環境省へ提出(2009 年 12 月 1 日より) ②ニッケル-カドミウム電池の完全製造禁止 ③電気電子機器法の改正 電気電子装置からのバッテリーを問題なく取り外せることを確実にすること ④表示の義務 「大型ごみ容器への投棄禁止」のシンボル表示 ⑤取扱説明の義務 製造者は、利用者にバッテリーから環境や人体への影響の可能性、および分別収集の重要 性を示す義務がある。 ⑥商業者には、回収と取扱説明の義務 ⑦回収割合と効率に関する項目 (2)回収目標(バッテリー法第 16 条) バッテリー法第 16 条による回収目標では、2012 年 9 月 26 日までに 35%、2016 年 9 月 26 日 までに 45%を達成するよう記載されている。ところが GRS(バッテリー共同回収システム)内 部ではすでに 44%の回収率を達成しており、2016 年までには 45%を超える回収率を目指して いる。 2.3 バッテリー法の課題 (1)環境目標の比較 バッテリー法第 6 条では GRS(共同回収システム)について、またバッテリー法第 7 条では 製造者自主回収システムに関する項目が、それぞれ示されている。両システムの環境に対する 姿勢の中身を以下に示す。 ①GRS(バッテリー法第 6 条) ・欧州の中で、最大でかつ最も効率のよいシステムである。 ・ドイツ全土で、17 万ヶ所の回収場所を持つ。 ・回収率は 44%である。 ・回収目標達成の持続化、およびコスト削減効果のあるシステムである。 ・様々なデータを公表する義務がある。 ②製造者自主回収システム(バッテリー法第 7 条) ・適用範囲は決まっていない。 ・それ以外にも、最低効率についての定義もない。 ・望ましい物(リサイクルし易い物)だけ選ぶことも可能である。 ・2012 年までの回収率目標は存在しない? ・こうした背景として、製造者側は激しい価格競争に対応する必要がある。

(19)

(2)家庭用バッテリーと産業用バッテリーの境界線(バッテリー法第 2 条) では家庭用バッテリーと産業用バッテリーの境界線はどこになるのか?バッテリー法第 2 条 の疑問点と解決策を以下に示す。 ①疑問点 ・個人のエンドユーザーに渡った産業用バッテリーはどちらか? ・家庭用と産業用のバッテリーの性質や廃棄方法は異なるのか? ②解決策 ・新しい概念の採用→「両用」に対するコンセプトを追加? ・バッテリー法第 6 条(GRS:共同回収システムに関する条項)に基づく、産業用バッ テリー製造者の自由意思による参加 ・バッテリーの等級化による選択の可能性 ・GRS(共同回収システム)による解決策案 →種類 A:家庭用バッテリー回収システムで、産業用バッテリーも共通回収 →種類 B:GRS(共同回収システム)を通じての「個別の」引取 -モジュール 1:持参システム(郵送) -モジュール 2:持参システム(配送) -モジュール 3:引取システム(回収場所での引取) (3)飛躍するリチウム電池 リチウム電池は短絡による火災発生の恐れがあり、危険物法の規則に定められているもので ある。その中でリチウム電池の使用比率は増加傾向にあり、また自動車用などでリチウム電池 のサイズが大型化している。さらに道路での危険物の国際輸送に関する欧州協定(ADR)も、リ チウム電池に関する多くの疑問点が解決されないままとなっているのが現状である。 GRS Batterien(バッテリー共同回収システム)は、将来の廃棄と再資源化業務の解決策に おいて、国際レベルで機能するものである。 2.4 まとめ バッテリー法第 6 条の GRS Batterien(バッテリー共同回収システム)と、第 7 条の製造者 自主回収システムに対する統一基準が有効となり、チェック機能を持ったときに初めて、競争 の中での高い環境目標を達成できるのである。 (参考資料)

・Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Imke Schneider 氏、Stiftung GRS Batterien ・ドイツバッテリー法原文

(http://www.grs-batterien.de/fileadmin/user_upload/Download/Recht/BattG_2009/ Batteriegesetz_2009-06-25.pdf)

表 1-1  オランダの家庭から発生する WEEE の内訳  リサイクル  システム  都市への 漏洩  再利用  +再設置  廃棄  小売  または不明  WEEE  (合計)  1a 大型家電製品  0.82  1.25  3.3  -  2.64  8.0  1b 家庭用冷却装置  1.55  -  -  -  0.28  1.8  3a IT、電気通信機器  3b に含む  -  -  -  -  3b パソコン  1.25  0.95  -  0.30  0.19  2.7  5 照明(エネルギー
図 1-2  EU における家庭からの廃棄物の流れ
図 1-17  テレビ(CRT)における重要な物質の構成比率

参照

関連したドキュメント

発電機構成部品 より発生する熱の 冷却媒体として用 いる水素ガスや起 動・停止時の置換 用等で用いられる

( (再輸出貨物の用途外使用等の届出) )の規定による届出又は同令第 38 条( (再輸 出免税貨物の亡失又は滅却の場合の準用規定)

電気設備保守グループ 設備電源グループ 所内電源グループ 配電・電路グループ 冷却・監視設備計装グループ 水処理・滞留水計装グループ

電気設備保守グループ 設備電源グループ 所内電源グループ 配電・電路グループ 冷却・監視設備計装グループ 水処理・滞留水計装グループ

さらに、1 号機、2 号機及び 3

循環注水冷却システムを構成するセシウ ム吸着装置/第二セシウム吸着装置でセ

・ごみの焼却により発生する熱は、ボイラ設備 により回収し、発電に利用するとともに、場

手動投入 その他の非常用負荷 その他の非常用負荷 非常用ガス処理装置 蓄電池用充電器 原子炉補機冷却海水ポンプ