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IoT(Internet of Things)の最新技術動向とビジネスインパクト

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Academic year: 2021

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(1)

IoT(Internet of Things)の最新技術動向と

ビジネスインパクト

パナソニック株式会社

全社

CTO室

梶本 一夫

2015年10月21日

(2)
(3)

なぜクラウド化するのか?

1)クラウドコンピューティング(大量の計算パワー・ストレージ利用)

センサーネットワーク、ビッグデータ解析、高精度認識、

2)データセントリック(大規模データの共有)

地図データ利用、映像配信、ビジュアライゼーション

3)個人データ蓄積(個人データの時間集積)

ウェルネス情報・エネルギー情報の蓄積・見える化、

4)個人向け最適化

嗜好分析とカスタマイズ、選択的な広告提示・EC、…

5)ソーシャル化

コミュニケーション、協調、競争、共同知、

6)スケールアウト、リソース共用

固定サーバよりコストダウン、セキュリティ向上、 3

(4)

クラウドコンピューティング事例

出典: http://www.nttdocomo.co.jp/corporate/technology/rd/tech/main/mobile_spatial_statistics/how_to_produce/

携帯電話の基地局との通信履歴から、動的な地域別人口統計に変換

4

クラウドコンピューティングは音声認識、深層学習などへもインパクト

(凝ったアルゴリズムから、シンプルで腕⼒のアルゴリズムへ変化)

(5)

データセントリック事例

出典: https://maps.google.co.jp/maps?hl=ja&tab=wl

地図データを集約、一般利用を可能とする。

IoT応用での店舗情報検索サービス・カーナビとの連動も実現

(6)

個人データ蓄積事例

出典: http://panasonic.jp/taisosei/ew_fa43/recommend/

個人のヘルスケア情報をクラウドで管理

いつでも過去のデータを視覚化して引き出せ、変化を確認

・個⼈の⻑期間に渡るデータ集積が財産

・⾒える化を超える価値提供に知恵が必要

6

(7)

個人向け最適化事例

出典:http://www.amazon.co.jp/

個人の履歴から最適化

・個⼈の嗜好情報が財産。それに基づく意図推定に知恵が必要

・EC(電⼦商取引)は売上げと⾔う指標で価値が測りやすい

個人名 お勧め商品カテゴリ お勧め 商品群 7

(8)

ソーシャル化事例

出典: https://www.facebook.com/

人間関係のコミュニケーション、仲間意識醸成を支援

アプリ配布、広告配信などの場としても充実

・⼈間関係の情報、⾏動履歴、嗜好、発信している思想信条などが財産

8

(9)

スケールアウトとは?

サーバ稼動需要には、時間変動や季節変動がある

事例)一人暮らしや共働き世帯における、宅外からのエアコンリモートサービス - 利用季節は夏か冬、気候の良い春と秋では需要は少ない - 利用時間は帰宅前の17時から20時が多く、深夜や昼間は少ない

従来のオンプレミス型サーバ:

クラウド:

ワーストケース想定で夏・帰宅時間の 需要に合わせて実サーバを固定配備 無駄リソース(色付き)が多い 需要に合わせて仮想サーバを増減 無駄リソースが少ない ⇒安価で大量リソースを使える 実サーバ数 時刻 実需サーバ数の 時間変異 予想需要ピーク数 サーバ数の時間変異 (固定) 仮想サーバ数 時刻 実需サーバ数の 時間変異 予想需要ピーク数 サーバ数の時間変異 (変動) 9

(10)

パナソニックの

(11)

環境認識

11

環境認識

様々な⽣活シーンで、機械との接点が消費者に寄る

バックオフィス (データセンター)

家電の歴史=機械を、⼀般消費者に安⼼・安全・簡単・便利に提供する歴史

オフィス ハンディターミナル (ドライバーが決済可) 待受ロッカー(セキュリティ対応)も併⽤ (消費者が⾃分で好きな時間に受取り)

(事例)宅配便受取りの変遷

代引きでは別途振込の⼿間 ・過去: ・現在: ・今後: 消費者 代引きでもその場決済可能 ※写真は当社資料 ITベンダーが得意な領域 家電メーカが得意な領域 在宅の必要性 在宅の必要性

(12)

出典:http://panasonic.co.jp/ir/vision/pdf/20130328_vision_j.pdf

産業のパートナー様とともに歩む

2013年3月28日 中期運営方針発表会にて

家電から始まり、自動車、住宅、あらゆるB2Bに向けパートナー様と協働

(13)

5×3マトリクスでの事業戦略

13

BtoB

ソリューション

車 載

住 宅

家 電

デバイス

日本

(中南米含む)

欧・米

海外戦略地域

(アジア・中国・中東阿)

これまでのリソース割当の中心

強化

強化

強化

強化

強化

強化

2018年度 売上高目標

2.3

兆円

2.0

兆円

2.1

兆円

2.5

兆円

1.1

兆円

(14)

Wonder Life-Box (IoT化した未来の生活)

2014/5 東京・有明の弊社ショールームにて、クラウド時代の生活事例を常設展示 多くのビジネスパートナー様と、ともに楽しく快適なお客様の生活を想定・提案 未来の街⾓ショッピング ショーウィンドウのガラス⾯が⼈を検知しサイネージ化 情報を光通信でスマホに転送、その場で決済OK 地域とつながるエントランス 家がモノを認識、関連情報の提⽰で話題づくり ⽔素社会までシームレスな最適エネルギー制御 家との対話で楽しむキッチン&リビング 家がモノや⾔葉を認識、対話で料理を楽しむ スマホと個⼈に連動した⼤画⾯での映像体験 美と健康のプライベートスペース ARによるファッションシミュレーション ⾮接触センサーによる24時間健康管理

(15)

家・クルマ連携

出典:http://car.panasonic.jp/cloud_app/

ナビでエアコン制御

T-Connectはトヨタ自動車様の登録商標

(16)

HEMS

出典:http://www.daiwahouse.co.jp/release/20140403143258.html

ダイワハウス様の新型

HEMS “D-HEMS 3”に貢献

Echonet Liteで接続された機器群を、宅内モニタ、宅外スマートフォンで制御

(17)

17

(18)

Owner LGE Application Layer - PV Controller (Panasonic) - Remote Maintenance (Panasonic) - Remote Recording Management (Panasonic) - My Home Cloud (Panasonic) - Third party’s Apps (Third parties) - Refrigerator Energy Management (Panasonic) - Detergent based Washing control (Panasonic) - Remote Control (Panasonic) - Sleep Control (Panasonic) - Navigation Assistance (Toyota) - Home Control (Panasonic) Platform Layer PDSP (On Premise) Dimora PF (On Premise) Viera Connect (On Premise)

Gemini(On Premise) AP Server (On Premise)

T-Connect (Open Cloud) PCPF(Open Cloud)

Communication Wired WiFi NFC 802.15.4g/d 3G, LTE Photovoltaic BD Recorder Smart TV Refrigerator washing machine Air Conditioner Connected Car

Owner Samsung Application Layer - PV Controller (Panasonic) - Remote Maintenance (Panasonic) - Remote Recording Management (Panasonic) - My Home Cloud (Panasonic) - Third party’s Apps (Third parties) - Refrigerator Energy Management (Panasonic) - Detergent based Washing control (Panasonic) - Remote Control (Panasonic) - Sleep Control (Panasonic) - Navigation Assistance (Toyota) - Home Control (Panasonic) Platform Layer PDSP (On Premise) Dimora PF (On Premise) Viera Connect (On Premise)

Gemini(On Premise) AP Server (On Premise)

T-Connect (Open Cloud) PCPF(Open Cloud)

Communication Wired WiFi NFC 802.15.4g/d 3G, LTE Photovoltaic BD Recorder Smart TV Refrigerator washing machine Air Conditioner Connected Car

18

IoTの現状課題

サイロソリューションの現状

Owner Panasonic Toyota

Application Layer - PV Controller (Panasonic) - Remote Maintenance (Panasonic) - Remote Recording Management (Panasonic) - My Home Cloud (Panasonic) - Third party’s Apps (Third parties) - Refrigerator Energy Management (Panasonic) - Detergent based Washing control (Panasonic) - Remote Control (Panasonic) - Sleep Control (Panasonic) - Navigation Assistance (Toyota) - Home Control (Panasonic) Platform Layer PDSP (On Premise) Dimora PF (On Premise) Viera Connect (On Premise)

Gemini(On Premise) AP Server (On Premise)

T-Connect (Open Cloud) PCPF(Open Cloud)

Communication Wired WiFi NFC 802.15.4g/d 3G, LTE Device Photovoltaic BD Recorder Smart TV Refrigerator washing machine Air Conditioner Connected Car

Everyone Information Retrieval Web browse SNS Game etc.

Open API module family (HTML, HTTP, RDF, XML,

JASON,….)

AWS, Azure, GAE, …. 3G, LTE WiFi Smartphone PC IoTサービスのサイロ(クローズ)アーキの世界 オープンなWeb の世界 IoTでは機器固有の特徴に引きずられ、機器からサービスまで垂直統合型(サイロ型)の アーキテクチャで構成されやすい。(⾃社利⽤、B2Bであれば囲い込みで成⻑の機会あり) しかしB2C/B2B2Cでは、これを解消しないと、サードパーティのサービスは流通せず、 エコシステムが形成されない。 ここが、オープンなWebの世界でアプリ流通しているPCやスマートフォンとの⼤きな違い。

(19)

住宅分野での様々な

PF団体

19 19

団体 Type1

(UX-Cloud) (UX-Peripheral)Type2 (Cloud-GW)Type3 (Home NW)Type4 主要メンバー

✔✔✔ ✔ ✔(Open?) ✔ シーメンス, 富⼠通, パナソニック ✔✔✔ ✔✔ 東芝, パナソニック, 慶応⼤学 ✔✔✔ ✔✔ ボッシュ, シーメンス ✔✔✔ ✔✔ フィリップス, サムスン ✔✔✔ ✔✔ シグマデザイン ✔✔✔ ✔✔ Loweʼs ✔✔✔ ✔✔ フィリップス ✔✔✔ ✔✔ クァルコム, マイクロソフト, パナソニック,ソニー ✔✔✔ ✔✔ インテル, サムスン ✔✔✔ ✔✔ LG, 東芝 ✔✔✔ ✔✔✔(Close) ✔✔ グーグル, nest, サムスン ✔✔✔ ✔✔ アップル, LG ✔✔✔ ✔✔✔(Close) ✔✔ スマートシングス ✔✔✔ ✔✔ ボッシュ, シーメンス ✔✔✔ ✔✔✔(Close) ✔✔ iControl ✔✔✔ ✔✔ Control4 ✔✔ ✔✔ LG

(20)

20

人と機械の関わりの進化モデル

第1段階:つきっきり 第2段階:お任せ 第3段階:状況推定 第4段階:学習+意図推定 (Cognitive Computing) 機能:機械が肩代わり (熱する等) 制御:⼈間が実施 (⽕加減調整、ON/OFF) 洗って、しぼって、すすぐ ⼈間の⼿順を機械化し 内蔵 制御:予め決められたルールを指⽰された 通りに機械が実施 (⼀定時間でタイマーオフ等) 人間研究 夜は寝ていて、冷蔵庫の 開け閉めがないから、 冷やすのを緩めても温度 が下がらないという知⾒を 内蔵 制御:状況を認識し、それに 適応した制御を⾃律的 に実施 ルールは予め決めている (暗くなれば冷やす間隔を空ける等) 人間研究 ただいま! クラウド 帰宅者は家の住⼈と確認 気温が⾼いのでエアコン始動 室内の明かりをいつもの⾏動パ ターン通り⽞関、リビング、書斎 とつける… 制御:様々な状況を認識、学習を 繰り返し、何をして欲しいかを 類推し⾃律制御を実施

(21)

Cognitive Computingが進むと…

・機器があたかも自律的に意志を持つ世界観

- エアコンのつぶやき 購入時 「この⼈が⾃分の御主⼈様か」 「顔写真を検索すると、名前は「梶本⼀夫」って⼈だな」 「⾃分が設置された部屋は、家族が集っている時間が⻑いので居間に違いない」 1年経って 「お掃除ロボ任せはいいけど、たまにはフィルタ開けて掃除して欲しいなぁ」 「ご主⼈は暑がりやけど、奥さんは寒がりやから、ご主⼈が帰宅したら、ご主⼈にだけ スポットで冷⾵を強くあてんとあかんな」 「今⽇は息⼦さんの誕⽣⽇か。タバコ吸わないのにテーブルの上に⽕が検知できたから ケーキのローソクに⽕をつけたようやな。消さないように⾵を少し弱めないと」 8年経って 「お世話になったけど、そろそろ部品交換しても電気代下がらなくなってきたし、買い換えて もらうようにしよう。パナソニックの新製品情報をご主⼈のスマホに送ってもらおう。」 21

(22)

Siemensの動き(Industrie4.0)

22

Ambergの工場(製造機械制御装置の工場)で調達・製造・物流の

75%をIT化。特に部品につけたICタグと全製造機械のネットワーク

化で自動運転を実現。

+ドイツ政府と中国政府で協業政策。

https://www.siemens.com/press/en/tvservice/index.php?type=film メルケル首相訪問(2015/2)

2014年には1000種以上の品目、合計1,500万台

1989年比8倍)

を生産し

不良率

28ppm

(シックスシグマ値3.4ppmも射程内)

、雇用

1,200人を維持。

(23)

GEの動き(IIC)

23

最適運用・故障予兆・製造工程や設計工程フィードバックができる

ソフト

PredixをPivotalを通じて外販へ

(クラウドサービスとして提供) https://www.youtube.com/watch?v=cTKDDy8cHfg

Air Asia(マレーシア):$3000万/年の燃料節約

E.ON(ドイツ):⾵⼒発電量で+4000世帯分増産(設備投資なし)

既に

GEで$10億以上の売り上げ増に貢献

(24)

製造機器の

IoT化のねらい

24

1)開発効率向上・品質向上

2)

IoTのIoT (Internet of ThingsのInteroperability Testing)

3)トレーサビリティ

製造過程の様々なデータを取得、分析し、歩留まりを下げる要因を⾒つけてつぶすことで 開発効率の向上、品質向上を図る。

4)アプリマーケットの創出

各⼯程の製造機械の物理的フローのみならず、制御信号やデータやりとりのプロトコルの 統⼀を図り、複数メーカの機器同⼠が簡単に相互接続可能となるようにし、設備構成の ⾃由度を⾼めるとともに、コストダウン(設営コスト、調達コスト)を実施する。 遠隔地の⼯場の状況もリモートメンテでチェック可能。 どのPartsが、どのAssemblyに使⽤され、どのAssemblyがどの完成品に使⽤され、 どの完成品がどの流通チャネルを通り、誰に販売され、どのように現在稼働しているかを ひもづけて管理することで、市場不具合の原因究明を早めたり、リコールコストを下げる。 データ取得、制御、データ記法などを統⼀し公開することで、機器製造メーカ以外の アプリベンダーが上記1)2)3)のアプリを提供できるようにし、多くの知恵を結集する

(25)
(26)

20世紀のコトづくり:憧れの暮らし

26 欧⽶の先進的な暮らしへの憧れを喚起 (当社資料 1959) 電⼦レンジを使ったホームパーティーの提案 (当社資料 1970)

(27)

コト(価値)をお客様に届ける販売網

27

⽇本全国に、「ナショナルショップ」の販売網を整備し、お客様のニーズに即応

ご販売店様を⼀同に集めた会議 (当社資料 1964) ⾛るお客様相談室「いずみ号」 (当社資料 1970) ご家庭への出張サービス (当社資料 1963)

「販売の松下」が定着

この仕組みの上で、良いモノを作れば、お客様から⾒合った対価をいただけた

(28)

流通構造の変革

28

⼤型量販店経由での販売⽐率が増し、お客様との接点が⼤型量販店に移⾏

売場⾯積急増と会社数急減から⾒える、⼤型店舗の寡占化が進む国内電器販売業界 (住友信託銀⾏様作成の調査⽉報2009年2⽉号より引⽤)

(29)

製品の世代交代と旧世代のコモディティ化

29 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代 アナログ TV, VTR CD PC WP DVD DSC カーナビ ノートPC 携帯電話 HD-DTV 3G携帯 BDレコーダ スマートフォンタブレット

⾳声 デジタル 処理 PC 映像 デジタル 処理 モバイル技術 通信・放送 インターネット ユーザ エクスペリエンス オープンソース IoT クラウド ビッグデータ 技術トレンド 市場を牽引 す る 製品群

(30)

欧米メーカのビジネスモデル進化

30

欧⽶メーカの進化

スマートフォンなど、個客のニーズに合わせる環境の提供(顧客価値)と

ソフト・ハード開発者・消費者の「エコシステム」形成に欧⽶メーカは進化

+ AppStore iPhone

iPod Touch iPad iPod

2001年

2003年

2007年

2008年

2010年

(写真はApple様サイトより引⽤)

2011年

(31)

価値と対価のアンバランス化

31

「モノ」を超えた価値を提供しないと、お客様はふり向かず、対価もいただけない

「モノ」づくりの コスト お客様への提供価値 「モノ」づくりのコスト お客様への提供価値 利益 損失

新しい時代に、従来と異なる価値をどう提供していくかが課題

20世紀

21世紀初頭

コモディティ ⽇本の コスト 欧⽶の コスト ⽇本の コスト 新興国 コスト 「モノ」づくりの コスト お客様への提供価値 モノの 価値 新興国 コスト コトの 価値 利益 ⽇本企業 欧⽶企業

(32)

ICT×Thingsでのモノづくりの進化仮説

Before IoT:ハードを作り、ソフトをそれに合わせ込みハードの多品種展開

After IoT:ソフトPFにハードを合わせ込むことで、強みを⽣かしたサービス展開

32 市場 PFにあたるソフト ハードでの成功者・成功者候補 PC Windows Intel

スマートフォン iOS, Android Set: Apple, Samsung CPU: ARM

SoC: Qualcomm

監視カメラ ONVIF AXIS (パナソニック⾸位陥落) ⾃動⾞(安全部品) Autosar(Vector社実装) FreeScale (進⾏中)

産業機器 Industrie4.0, IIC Siemens, GE(仕込まれ中)

・ソフト開発に⼈⼿がかかる中、そのバリエーションを揃えニーズの多様性対応

・売り⼦となるSI業者が、そのハードを担ぎたくなる環境を提供

・「稼働実績時間=信頼性」を看破し、いち早く実⾞にリリース

(33)

33

オープンソース利用でのエコシステム戦略

・貢献中⼼タイプの会社は、「損して得取る」を実践 ・利⽤中⼼タイプはコスト削減の⾯で当初は有利。しかし、OSS側が進化するたびに後追いで 追従するコストが⼤きな負担になってくる トップランナー型 まき餌型 先行他社価値希釈型 開発費削減型 貢献中心タイプ 利用タイプ分類 事例 B2B相手先指定型 利用中心タイプ 従来:ハードアーキテクチャを規定→ソフトウェア開発効率を上げる、安く仕上げる(垂直型) 今後:ソフトアーキテクチャを規定→ハードウェアの画⼀化促進(⽔平型) 役割ごとに多数派ソフトが⽀配し、全体でアプリやハードの洗練を促しエコシステムを作る しかし、縦割り収支管理の日本の企業構造が、垂直統合型のIoTから水平分業型の IoTへの転換を阻害。これを克服できるかが鍵

(34)

色んな種類のソフト屋さん

(欧米との開発スタイルの違い) ソフトのKPI 開発者 プロセス リーダ 儲けの源泉 組込みソフト (⽇本) コストハード合せ込み ⾃社 ウォーターフォール 要件定義 デバイスが特徴の多品種ハードウェアの販売 組込みソフト (欧⽶) 価値づくりエコシステムづくり ⾃社 アジャイル プログラマ PFで場を作り、そこに合わせたハードや他ビジネス クラウド提供・運⽤ (欧⽶・標準品) 価値づくりエコシステムづくり ⾃社 アジャイル プログラマ PFで場を作り、その運⽤や他ビジネス 業務アプリ運⽤ (⽇本・ユーザ企業) コスト業務フロー 他社 ウォーターフォール 要求出し コストセンターとしての安価な開発・運⽤投資 ソリューション提供 (⽇本・ベンダー企業) コスト提案⼒・コネ ⾃社 ウォーターフォール 要件分析 多種多様件名請負 ソフトのKPIは、⽇本ではコスト(マイナスをいかに0に近づけるか)、欧⽶では価値づくり (プラスをいかに⼤きくするか)が主流 ⽇本では、毎回、細かなすり合わせでソフト屋の⼯数は消耗(フロー型ソフト開発) 欧⽶では、標準品にソフト資産が毎年蓄積し競争⼒が強化、盤⽯化(ストック型ソフト開発) IoTでグローバルに成功するには、欧⽶⾵の価値づくりに舵が切れるかが勝負

(35)

ソフトウェア技術・技術者の評価 (1)

35 国別のソフトウェア業界の見え方(梶本の経験からの主観) 国 特徴 アメリカ ソフト技術が国家のエンジン。⾃らプログラムを書き、世にサービスを仕掛ける⼈材が評価され、給与も⾼い。 アーキテクチャ構築でPh.Dも取得可能。 中国・インド オフショア開発でソフト開発会社に外資流⼊。他産業より給与が⾼く⼤学でも情報系は⼈気が⾼い。 マネージメント系の評価が⾼く、プロセス重視。若⼿も実開発よりマネージャ指向が強い。 ⽇本 プログラムを書くことへのリスペクトが少なく新3K(きつい、帰れない、給料が安い)と称され、情報系の⼤学の⼈気 は低迷。⼤学でも実装ではPh.Dの取得は難しく、⼀段低く⾒られる。 自然科学と情報学、受容における日米の差(仮説) ⾃然科学 情報学(特にソフトウェア) 研究⾏為 物質の物理特性に基づく事象・現象の発⾒ 事象・現象を説明する理論の構築と検証 ⼈⼯物としてのシステム構築による課題解決 評価視点 客観的に他⼈が追加検証できること 従来のものとの⽐較が可能であること 課題解決の有効性数学としての真理追求のジャンルもある ⽶国での評価 原理や物質の探索、説明理論構築、実⽤化研究な ど、R&Dのフェーズは幅広いジャンルにおいて、⽇⽶で の評価には⼤差なし 基本は他との⽐較・検証が可能である点で評価 技術体系の構築、アーキテクチャ・プロトコル・UXの設計・実 装を⼤きく評価 ⽇本での評価 過去事例との⽐較可能なもの(認識率の向上等)、経 緯が数値で出せるもの(統計学的なアプローチが有効な ジャンル)など結果が数値化・グラフ化されるものを評価の 傾向(⾃然科学同様の評価観)

(36)

ソフトウェア技術・技術者の評価 (2)

36

1989年 Tim Berners-Lee⽒がURI/HTML/HTTPによるWorld Wide Webを発案 1990年 NeXT上でHTTPサーバを実装(世界初のWWWサーバ) 1996年 University of Southamptonが名誉博⼠号授与 以降、欧⽶の⼤学が⽴て続けに名誉博⼠号授与 2004年 イギリス王室から勲章授与(Sirの名乗り) 2009年 アメリカ科学アカデミー会員 2002年 ⽇本国際賞授与 ソフトウェアの世界では⾮連続(⽐較不能)なアーキテクチャの設計・実装が社会⾰命を起こす。 しかし、「アーキテクチャ」や「実装」を研究活動としてリスペクトしにくい⾵⼟が、 (1)⼤学での研究価値と企業が期待する内容のギャップ (2)⼤学・企業内活動を問わず優秀なソフト技術者の正当な評価につながらない (ソフトは誰でも作れるという間違った価値観、⼯数⽀払の悪弊) と⾔う、⽇本の現在の状況を⽣み出しているのではないか(仮説) 2014/10/29 Web25周年記念講演を⾏うTim⽒ しかし、⽇本のアカデミアからの博⼠号授与は無し?

(37)

日本製造業が持つマネージメント課題

37 20世紀型⽇本製造業 新興企業・欧⽶企業 戦略案 検討 ・⽬に⾒えるモノ(ハード)起点・事前に市場での確実性を徹底調査 ・論理でわかる価値を追求 ボトムアップ的な積み上げ式検討 ・ソフト起点 ・市場の有効性/市場創造は検討 ・感性⾯でウケるかにも⼗分に価値を置く トップダウン的な仮説作成的検討 評価 視点 ・過去からの改善点・⽐較数値・短期的/直接的な投資と回収 ・まるごと囲い込みビジネスモデル ・⾰新性、提案性 ・⻑期的/間接的な投資と回収 ・オープンエコシステムビジネスモデル 意志 決定 トップに権限集中(打率10割) 「俺にわかる案を持って来んかい!」型 トップダウン的な意志決定 現場にエンパワーメント(トライに価値) 『おもろそうやな、やってみなはれ!』型 ボトムアップ的な意志決定

時代変化に現場は敏感。課題は現場から遠いトップの価値観をいかに変えるか

(38)

製造業の成長とビジネスモデルの変遷(仮説)

時間 市場規模

黎明期

乱⽴期

転換期

安定期

・⼀社がトライアルで 新規市場開発 ・市場の⽀持を集め ゆるやかに成⻑ ・デバイスで特徴づけ ・市場の成⻑を⾒て 他社が参⼊ ・互いに相互互換の ない垂直統合な 製品群で囲い込み 競争 ・デバイスが各社個別 に深さ⽅向に進化 ・やがて市場に飽和感 ・アプリ流通を意識した プラットフォーマの参⼊ など市場特性を知る プレーヤによるソフトPF の寡占化 ・アプリの広がりによる ⽔平⽅向の進化等 ・市場の指⽰を得て 市場全体は拡⼤ ・エコシステムが完成 ・オープンな世界でも 運⽤ノウハウやPFの 恣意的な進化など ⾒えない参⼊障壁 が構築されPFの 主導権を握る会社 は安定 38

(39)

IoT時代に攻めのIT戦略に変身するには

39

1) ことづくりファースト、ソフトウェアセカンド、ハードウェアラスト:(戦略)

ソフトウェアによる「ことづくり」とエコシステム作り起点の戦略を取れるか

2) オープンイノベーション:(プロセス)

エコシステムづくりのために、損して得取れの社内プロセスを実⾏できるか

3) ストック型ソフトウェア開発:(戦術)

エコシステムを強化するため、ソフトにノウハウ資産蓄積を継続できるか

4) コーディング重視・運用重視:(人事・技術)

コーディング、テストを⼯数単価で評価していないか

PF戦略、課題即応で優秀なコーディング経験者重⽤しているか

クラウドでは運⽤し、顧客対峙しながら新規機能開発が重要(DevOps)

5) 現場へのエンパワーメント:(意思決定)

旧来の価値観のトップマネージメントが居座っていないか

(40)

当社綱領に明記される「ことづくり」

40 (当社資料)

(41)

参照

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