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.はじめに
論文を投稿する際には,投稿先の学術雑誌が定める投 稿規程と執筆要領を遵守しなければなりません.日本人 間工学会誌(以下,本誌)も投稿規程と執筆要領を提示 し,著者にはそれらを遵守した原稿の提出をお願いして います. 投稿規程はその雑誌のスコープや投稿する際のルール を示し,学術雑誌によって異なります.投稿規程を読む と,その学術雑誌の特色や方針が見えてきます.他方, 執筆要領は原稿を作成する際に遵守すべき事項を示して います.それは表記や体裁を統一することにより,読者 に読みやすくするためにあります.また,編集委員会に おいても,投稿受付から印刷までのプロセスにおいて, 複数のチェックポイントを設け,投稿規程と執筆要領に 沿っているかの確認を行っています.さらに本誌では, 執筆要領を原稿テンプレートに記載することによって, 投稿者の目に触れやすくするなど色々な工夫を凝らして います.しかし,投稿規程や執筆要領に記載された指 示事項が守られないケースは少なくありません(この場 合,原稿を受け付けない場合があります). 本エディトリアルを通して,投稿規程と執筆要領が守 られるためにはどうすべきか,著者側の立場と編集委員 会側の立場から考えてみたいと思います.2
.投稿区分(カテゴリー)の確認
本誌の大きな特徴は人間工学という学問に相応しい投 稿区分(カテゴリー)を設けていることです.投稿規程 に記載されているように,「原著論文」「総説」「リサーチ・ イシュー」「短報」「実践報告」「技術報告」「オープンデー タ」の7つのカテゴリーがあります.投稿される論文は 著者が選択したカテゴリーの査読基準に基づいて審査さ れます.しかし,投稿された論文がそのカテゴリーに適 当ではないとの理由にて不採択判定になるケースが少な くありません.この場合,適当なカテゴリーへの変更を 勧告し,査読も一から始めることになります.著者側に とっても掲載に至るまでの期間が長くなり,査読者・編 集委員側にとっても労力や時間を費やします.双方とも 残念な結果になります. 投稿の際には必ず投稿規程に目を通して頂き,どのカ テゴリーが適当であるかを十分に検討して下さい.編集 委員会もミスマッチが起こらないよう,エディトリアル や大会企画などを通して各カテゴリーの狙いや査読基準 を積極的に発信していきます.直近では56巻6号のエディ トリアルにおいて,各カテゴリーの査読方針を解説して います.投稿前にこちらもご覧下さい.5月の日本人間 工学会第62回大会では編集委員会企画講座「人間工学 誌に投稿しよう!-論文投稿から掲載までのポイント解 説-」も開催予定です.また,編集委員会では相談窓口 を設けています.どのカテゴリーが適当なのか等の判断 に迷った場合,ご遠慮なく問い合わせて下さい.3
.執筆要領チェックリストの活用
執筆要領は細かい指示が多いため,見落としが起こり やすいです.また学術雑誌によってその指示事項は異な ることから,勘違いも起きやすいです.執筆要領を確認 することが多い編集委員でも見落としや勘違いは起こり ます.編集委員会ではそのようなことが起こらないよう, 執筆要領を適宜更新しています.直近では,本エディト リアルが発刊される直前(2021年4月1日)に更新してい ます.尚,執筆要領は下記のWebサイトにて公開してい ます. ■執筆要領が掲載されているWebサイト https://www.ergonomics.jp/journal/journal_post/rules.html 他方,執筆要領においてよく見落とされるところが あり,執筆要領上での説明では限界があると感じてい ます.そこでこれまで編集委員会が投稿者に頻繁に修 正依頼した点を参考に,チェックリストを作成しまし た(次々頁に記載しています).特に見落とされる点に<EditorialEditorial>Must Check! Instruction for Authors and Manuscript Style Guide --We Made a Checklist-, by Satoshi -, by Satoshi MURAKI & Seiji SAITO.
MURAKI & Seiji SAITO.
要確認! 投稿規程と執筆要領
-執筆要領チェックリストを作成しました-
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エディトリアル:要確認! 投稿規程と執筆要領
は,正しい例と誤った例を紹介しています.投稿前に, 執筆要領に従っているかの確認にお役立て頂ければ幸い です.
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.推敲,校正は読者の視点で
投稿原稿と執筆要領に長年向かい合って気づくこと は,執筆要領に従っていないことを指摘される原稿は, 誤字・脱字,図表の不備に加え,文章構成・表現までも 指摘されることが多いということです.あくまで私見で すが,このような原稿には,それぞれの不備に派生する 根源が潜んでいると思われます. 上記の問題を防ぐためには,つまり原稿の完成度を高 めるためには「推敲」と「校正」が欠かせません.「推敲」 とは文章を良くしようと何度も考え,作り直すことで す.「校正」は誤字・脱字がないか見直す作業です.原稿 が執筆要領に従っているかの確認は校正に当たるでしょ う.推敲と校正は別の作業ですが,いずれも読者の視点 で行うことが大事です.読者にとってわかりやすいか, 読者の信頼を得られるかなどです.このような意識を強 くもつことによって,執筆要領の見落としもなくなり, ひいては質の高い論文につながると思います.5
.おわりに
誤字・脱字が残っている,執筆要領に従わないなどの 原稿の不備は著者責任であり,編集委員会は介入せず, 著者の原稿をそのまま掲載すれば良いという考えもあり ます.しかし不備のない原稿は,研究内容自体さらには 著者自身に対する信頼を高め,またそのような原稿が多 い学術雑誌は,学界における信頼も高まります.編集委 員会は会員・投稿者の皆様と共に信頼される機関誌を目 指していきたく,引き続きご協力頂ければ幸いです. 村木 里志(むらき さとし) 機関誌「人間工学」副編集委員長 九州大学大学院芸術工学研究院 連絡先:[email protected] 齋藤 誠二(さいとう せいじ) 機関誌「人間工学」編集委員 岡山県立大学情報工学部 連絡先:[email protected] 60 人間工学 Vol.57, No.2(’21)<参考>投稿前の執筆要領チェックリスト
タイトル (和文) □ 末尾に上付きで脚注番号“1”を記載している. (英文) □ キャピタライゼーションルールに従っている. 著者名 (和文) □ 著者それぞれに所属No.を上付きで記載している. □ 所属No.は2から始まっている. □ 所属が同じ著者の場合は同じNo.を付している. (英文) □ 姓(Family name)のみ大文字で記載している. ○ Satoshi MURAKI × SATOSHI MURAKI × Satoshi Muraki □ 著者が複数の場合は下記のように記載している. 1人の場合 A. 2人の場合 A & B. 3人以上の場合 A, B & C. ※最後にピリオドをつけて下さい. 著者の所属 (和文,英文共通) □ 2階層目までになっている. ○ A大学B学部 × A大学B学部C学科 (英文) □ 下位階層から記載している.○Faculty of Ergonomics, Sadoku University ×Sadoku University, Faculty of Ergonomics
□ 単語の先頭は大文字になっている(前置詞等は除く). 英文抄録(Abstract) □ 和文抄録の内容と一致している. □ およそ200ワード以内になっている. □ ネイティブチェックを受けている. 和文抄録 □ 要点(目的・方法・結果・考察)を簡潔に400字程度 でまとめている. 日本語キーワード □ タイトルに含まれる語となるべく重ならないように 選んでいる. □ 関連する類語でも検索されやすくするように,シソー ラス用語(MeSHなど)が利用可能なら,定義されて いるキーワードを入れる. 図表 □ 図題および本文内の図表番号は,それぞれ図1,図2 (英文の場合はFig. 1,Fig. 2),表1,表2(英文の場 合はTable 1,Table 2)の形式になっている. □ 図題・表題は和文と英文それぞれの言語にて記載し ている. □ 図題・表題に用いる英語は冒頭のみ大文字,以降は 原則として小文字を使用している. □ 図表の解像度およびフォントサイズは印刷後に明瞭 に読めるものになっている. □ 表の罫線は最小限の横線のみを引き,縦の罫線は引 かない.また,外枠も付けない. □ 図表内で略記を用いるときには,脚注で説明する(本 文を読まなくても図表を見ただけで意味が理解でき るように). □ モノクロで判別できるように図は作成されている. □ 図表の単位が明示されている. □ (本学会以外の学協会等に著作権がある図表を使用する 場合)必要な転載許可を取り,その旨を明記している. □ 個人が特定される写真は肖像権の承諾を得ている旨 を記載する. 倫理的配慮に関する記述 □ (倫理審査を受けて承認されている場合)審査機関と 承認番号を記載している. □ (所属機関に審査機関がなく受審していない場合)倫 理的配慮をどのように実施したかを記載している. 単位・数字の表記 □ 数字と単位記号の間には半角スペースを入れている (%など一部除く). □ 本文および図表で示す数字は適切な有効桁数にて示 している. 本文 □ 読点と句点はそれぞれコンマ(,)とピリオド(.)に なっている. 61 エディトリアル:要確認! 投稿規程と執筆要領
<執筆要領には明示していませんが,査読にて指摘が 多い事項> □ 本文中の略記は初出のところで定義されている. □ 略記の使用は必要最小限にとどめている. □ 主語と述語の関係が整合している. □ 一文は長すぎず,理解しやすい文構造になっている. □ IMRAD形式(背景,方法,結果,考察)に従い論文 を適切に構造化している(結果の中に考察を書かな い,結果で示すデータや解析方法は方法の章に明示 しておく,考察で論じるデータは結果で示しておく). □ 研究の限界を考察の最後のパラグラフに設けて論じ ている. □ 得られた結果について,先行研究を引用し多面的か つ論理的に考察を展開している. □ 目的に対応する結論を簡潔に述べている(今後の課 題などは結論の前(考察の後半部)に示すこと). 文献 (共通) □ 引用個所の右肩に文献の番号を記載している. □ 出現順にナンバリングしている. (著者表記) □ 著者が3名以上の場合は,2名まで記載し,他(和文), et al.(英文)表記にしている(表1参照). □ 著者名を表記する際の記号(コンマ,ピリオド,セ ミコロン)は表1のようになっている. □ (英文)著者はファミリーネームを記載し,ファースト およびミドルネームはイニシャルのみとなっている (表1参照). □ (英文)ミドルネームとファーストネームの略記の間 は半角スペースを入れている(表1参照). 表1 文献リストの著者の記載の仕方 (和文) 1名の場合 榎原毅. 2名の場合 榎原毅, 村木里志. 3名の場合 榎原毅, 村木里志, 他. (英文) 1名の場合Smith, H. F. 2名の場合Smith, H. F.; Yamada, K. C. 3名の場合Smith, H. F.; Yamada, K. C.; et al. (タイトル)
□ 英文のタイトルは冒頭のみ大文字,以降は原則とし
て小文字を使用している(ただし,書籍名のみキャ ピタライゼーションルールを適用).
○ What factors are involved in the levels of ... × What Factors Are Involved in the Levels of ... □ タイトルの後はピリオドになっている. □ Proceedingsや書籍の章の見出しは“ ”にて囲っている. (雑誌名) □ 雑誌名は略記ではなく正式名称を記載している(略 称を用いていない). □ 雑誌名の各単語の最初は大文字になっている(前置 詞等は除く).
○ Japanese Journal of Ergonomics × Japanese journal of ergonomics □ 雑誌名の後はピリオドになっている. □ 年,巻・号,ページの順になっている. □ 巻・号は略記になっている. ○ 26(2) × Vol.26 No.2 □ ページ番号は略さない ○ p.342-348 × p.342-8 (その他) □ 最後にピリオドがついている. 著者情報 □ 日本人間工学会の会員の著者には,著者の後の括弧 内に会員種別(正会員,準会員)を記載している. □ 連絡著者は正会員である(正会員以外は連絡著者に はなれない). □ 連絡著者の連絡先(メールアドレス)を記載して いる. その他 □ 最新の執筆要領を確認し,最新のテンプレートを使 用している. □ 利益相反がある場合は,見出しを設けて内容を記載 している. □ 謝辞がある場合は,見出しを設けて内容を記載して いる. □ 既発表の原稿等に新規性を加えるなど拡充して本誌 に投稿する場合や,学術集会等にてその一部を発表 している場合には,「付記」の項を設けてその旨を記 載している. 62 人間工学 Vol.57, No.2(’21)