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国際航空市場におけるアライアンスの展開と評価

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Academic year: 2021

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(1)商経学叢. 第57巻 第3号2011年3月. 国 際航 空 市 場 にお け る ア ライ ア ンス の展 開 と評 価. 塩 要旨. 見. 英. 治. 本 論 文 は,国 際 航 空 自 由化 の 展 開 と グ ロー バ ル ・ア ライ ア ンス の 経 過 との 相 互 関 係 に. つ い て 検 討 して い る。 次 い で,主 要 な 研 究 レ ビ ュー に も とづ き,グ ロー バ ル ア ライ ア ンス の 影 響 と評 価 につ いて,競 争 政 策 の 観 点 か ら考 察 して い る。 グ ロー バ ル ・ア ライ ア ンス は,概 して,航 空 会 社 と利 用 者 の 双 方 に,利 得 と便 益 を もた ら して い る と評 価 され る。 しか し,そ の 利 便 性 は,連 携 の ネ ッ トワ ー ク の 形 態 に依 存 す る。 消 費 者 の利 便 性 の 多 くは,補 完 的 な ネ ッ トワー クの 連 携 か ら生 じ る。 これ に対 して,ゲ ー トウ ェイ とゲ ー トウ ェイ 問 を 結 ぶ ネ ッ トワー ク,パ ラ レル な ネ ッ トワー クで の 連 携 につ い て は,競 争 制 限 の 可 能 性 が あ り,注 意 深 い精 査 が 求 め られ る。 しか し,こ れ まで の と こ ろ,実 態 的 には,ネ ガ テ ィ ブの 影 響 は少 な く, 密 度 の 経 済 性 の 発 揮 か ら,全 体 的 な 便 益 は向 上 して い る と評 価 され る。 将 来 的 に は,国 際 航 空 市 場 で は,ATIを. 伴 った 多 国 間 主 義 で の 自由化 の 浸 透 と と もに,グ ロー バ ル ・ア ライ ア ン. スは さ ら に収 敏 化 の コー ス を 辿 る。 この 下 で,反 競 争 的 行 動 に注 意 を 払 い,実 効 性 の あ る競 争 政 策 の 策 定 と適 用 に努 め な けれ ば な らな い 。. キ ー ワー ド. 航 空 自 由 化,グ. ロ ー バ ル ・ア ラ イ ア ン ス,競. オ ー プ ン ス カ イ,ATI. 争 政 策,. (独 占禁 止 法 適 用 除 外). 原稿受理 日. 2011年3月15日. Summary. This paper explores. and global alliances and evaluations. in international. between. airline markets.. process. have brought. for allied airlines,. about many benefits for consumers. networks. have brought. In contract,. networks. which links two gateways. striction. on competition.. overall benefits. ATI.. However,. will progress. and consider explores effective. airline. liberalization;. (anti-trust. and competitive. immunity). global. influence,. In the future,. of liberalization. on anti-competitive. competition. tend to cause some re-. are little negative. the negative. with penetration. We need to pay close inspection. Key words. Generally. about many benefits for consumers.. so far there. are judged to compensate. of global alliances. policy.. but these benefits depends on form of allied networks.. Most of complementary the parallel. of liberalization. Next, this reviews the impacts. of the global alliances from the views of competition. the global alliances advantages. the relationship. and. convergence. by open sky with. behaviors. by allied airlines. policy.. alliance;. competition. policy;. open sky;. ATI.

(2) 第57巻. 1.は. 第3号. じ. め. に. 1980年 代 以 降,各 国 国 内市 場 で の 規 制 緩 和 の 普 及,国 際 市 場 で の 自 由化 と グ ロー バ ル 化 が 進 展 し,こ の 下 で 市 場 競 争 が 多 面 的 な 様 相 を 帯 びて 熾 烈 化 し,航 空 企 業 は急 激 な 市 場 環 境 の 変 化 に対 応 し,戦 略 的 行 動 を 展 開 させ て い る。 航 空 企 業 の 戦 略 的 行 動 が 市 場 に与 え る 影 響 が 強 ま って い る。 この 競 争 的 市 場 環 境 に対 応 す る企 業 戦 略 の 代 表 格 の 一 つ が,ア. ライ. ア ンスで あ る。 航 空 の 国 際 市 場 で は,基 本 的 に,運 航 の 権 益 が 乗 り入 れ 相 互 国 の 二 国 間 で の フ レー ム ワ ー クで 取 り決 め られ る制 度 的 制 約 か ら,国 内市 場 と異 な り,規 制 緩 和 は逐 次 的,段 階 的 に進 行 せ ざ るを え な い。 規 制 緩 和 の 波 及 に は限 度 が あ り,国 際 市 場 で の 規 制 緩 和 は 自 由化 と称 され る こ とが 多 い。 経 営 戦 略 につ いて も,国 際 市 場 で は,国 籍 条 項 が シ カ ゴ条 約 な どで 定 め られ て い る た め に,他 の 製 造 業 の よ う に企 業 の 統 合 ・合 併 に よ る形 態 は と りに くい。EUな. ど一 部 の 地 域 市 場 を 除 き,基 本 的 に,国 籍 が 異 な る航 空 会 社 同士 が 合. 併 す る こ とが 実 質 的 に制 限 され て き た。 しか し,1990年 代 以 降 に は,EU域. 内で の 市 場 統 合 と ク ロ ス ボー ダー の 合 併,シ. カ ゴ条. 約 に抵 触 す る国 籍 条 項 の 緩 和 な ど,伝 統 的 な 国 際 航 空 レジー ム に変 容 が 生 じて い る。 変 容 面 は,航 空 交 渉 に関 して は,二 国 間 主 義 の 中で の 自 由化 の 拡 張 と,EUに. 代 表 され る域 内. で の 市 場 統 合 に よ る 自 由化 の 進 展 との 並 存,戦 略 に関 して は,域 内で の 市 場 統 合 の も とで の ク ロ ス ボ ー ダー に よ る大 型 合 併 の 進 展 と,グ ロー バ ル 規 模 で の ア ラ イ ア ン スの 展 開 との 併 存 な ど に示 され る。 この 自 由化 を 主 導 す るの が,米 国 の オ ー プ ン ス カ イ型 自 由化 とEU の 市 場 統 合 型 自 由化 で あ る。2000年 以 降 に は,EUと 結 され,オ. 米 国 の 間 で オ ー プ ン ス カ イ協 定 が 締. ー プ ン ス カ イの ア ジ ア市 場 へ の 拡 大 と一 部 地 域 で の 多 国 間 協 定 が 締 結 され るな. ど,自 由化 は進 展 しつ つ 重 層 的 様 相 を 帯 び る よ う にな って い る。 自 由化 の 進 展 に伴 い,従 来 のATI(独. 占禁 止 法 適 用 除外)は 解 除 も し くは緩 和 の 傾 向 を 辿 り,こ の 関連 で,グ ロー. バ ル ・ア ラ イ ア ン ス も,制 度 的 制 約 を 克 服 す る新 たな 展 開 の 局 面 に至 って い る。 本 論 文 は,国 際 航 空 自 由化 につ いて,推 進 す る2つ の タ イ プの 特 徴 と経 過 を 整 理 した 上 で,国 際航 空 自 由化 と グ ロー バ ル ・ア ラ イ ア ンスの 経 過 との相 互 関係 につ いて検 討 を行 う。 次 いで,主 要 な 研 究 レビ ュー に も とづ き,グ ロー バ ル ・ア ラ イ ア ン スの 影 響 の 評 価 と競 争 政 策 との 関 連 につ いて 検 討 を 行 い,最 後 に,グ ロー バ ル ・ラ イ ア ン ス との 関 連 で の 国 際 航 空 レジ ー ムの 課 題 と展 望 につ いて 言 及 す る こ とを 目的 と して い る。. 一128(618)一.

(3) 国 際 航 空 市 場 にお け るア ライ ア ン スの 展 開 と評 価(塩 見). 2.国. 際航空市場 における自由化 の進展一主導す る. オープ ンスカイ型 自由化 とEU市 (1)米. 場統合型 自由化. 国 主 導 の オ ー プ ン ス カ イ の 主 要 経 過 と 特 徴(1). 米 国 で は,国. 際 航 空 の 自 由 化 政 策 そ の も の に 着 手 さ れ た の は,1978年. カ ー タ ー 政 権 下 で 航 空 規 制 緩 和 法 の 制 定 に よ り,ド. で あ る 。1978年. は,. ラ ス テ ィ ック ス な 国 内規 制 緩 和 が ス. タ ー ト し た 年 で あ る 。 国 際 市 場 と 国 際 市 場 と の 間 で ネ ッ トワ ー ク の 連 携 が あ る と か ら,国 内規 制 緩 和 との 相 乗 的 な 効 果 が 意 図 され て い る。 即 ち,連. 邦 政 府 は,1978年. の 政 策 」(政 策 声 明)を 法)を. に 「国 際 航 空 輸 送 交 渉 に 関 す る 国 際 航 空 交 渉 に 関 す る 合 衆 国. 打 ち 出 し,そ. 成 立 さ せ て い る 。1978年. の2年. の 政 策 声 明 は,利. 目 標 達 成 の た め の 交 渉 項 目 と して,革 の 自 由 化,複. 数 企 業 指 定 な ど7項. 版 と も い う べ き も の で,市. 後 の1980年. 用 者 の 利 益 確 保 を 重 点 目 標 と して,そ. 新 的 か つ 競 争 的 な 運 賃 決 定 の 採 用,チ. 目 を 掲 げ て い る 。1980年. ,世. ャー ター 業 務 制緩和法の国際. 際 市 場 参 入 の 緩 和,運. 大 な 国 内 市 場 を 基 盤 に,国. 以 降,航. 賃認. 際 市 場 との. 空 交 渉 が 展 開 さ れ る。 米 国 国 務 省 は,. 1978年 の オ ラ ン ダ と の 交 渉 を 先 駆 け と して,1982年 ス ラ エ ル,西. の. 界 で 自 由化 を 先 導 的 に推 進 す る意 図 が 反 映 され て い る。. こ れ ら の 一 連 の 政 策 に 沿 っ て,1978年. 台 湾,イ. の 競 争 法 は,規. 場 開 放 政 策 の 法 制 化 を 目 的 と し,国. 可 の 緩 和 な ど を 定 め て い る 。 こ れ らの 政 策 に は,巨 一 体 的 な 連 動 に よ って. に は 「国 際 航 空 輸 送 競 争 法 」(競 争. 独(当. 時),シ. ま で の 間 に,ベ. ル ギ ー,フ. ィ ン ラ ン ド,. ン ガ ポ ー ル な ど を 含 む21ケ 国 と競 争 促 進 的 な 二 国 間. 協 定 を 相 次 い で 締 結 して い る 。 そ の 協 定 内 容 の 主 要 項 目 に は,指. 定 企 業 の 数 を 制 限 しな い. 原 則 に た つ 複 数 社 指 定(unlimitedmultipledesignation),運. 賃 に関 す る締 結 国 の 双 方. が 否 認 しな い 限 り 自 動 的 に 発 効 す る2重 締 結 国 の 双 方 と も,自. 否 認 可 方 式(doubledisapprovalrule)の. 国 発 の 運 賃 に つ い て の み 認 可 権 を 行 使 で き,相. 採 用,. 手国の運賃を認可す. る こ と も し く は 否 認 す る こ と が で き な い と す る 発 地 国 主 義(countryoforiginrule),輸 送 力 統 制(capacitycontrol)の の 具 体 的 な 交 渉 締 結 に は,次 業 の 数,運. 撤 廃,チ の よ う な2つ. ャー ター の 自 由化 な どが 含 まれ て い る。 この 間 の 特 徴 を 指 摘 で き る 。 第 一 は,輸. 賃 設 定 方 式 の 自 由 化 へ の 見 返 り と して の,締. (1)塩. 見 英 治(2006),pp.293-314を. 参 照 の こ と。 -129(619)一. 定企. 結 相 手 国 に 対 す る 乗 り入 れ ゲ ー ト. ウ ェ イ の 制 限 を 伴 っ た 米 国 市 場 へ の ア ク セ ス の 供 与 で あ る 。 第 二 は,段 自 由 化 陣 営 の 主 要 国 と 小 国 か ら相 次 い で 締 結 し,最. 送 力,指. 階 的 にそ の 周 辺 の. 終 的 に保 護 主 義 的 な 大 国 に対 し自 由化.

(4) 第57巻. 第3号. に 与 す る よ う 囲 い 込 み 圧 力 を か け る 足 掛 か り戦 略(BeachheadStrategy)の 次 い で,国. 際 航 空 の 自 由 化 政 策 は,DOTに. よ る1989年. 「シ テ ィ ・プ ロ グ ラ ム 」 に よ っ て 促 進 さ れ る 。 双 方 は,経. の. 展 開 で あ る。. 「自 由 化 協 定 案 」 と1990年. の. 済 規 制 面 で の 撤 廃 を は か りつ つ,. 相 手 国 に 対 し乗 り入 れ ゲ ー トウ ェ イ の 制 限 を 伴 わ な い 米 国 市 場 へ の ア ク セ ス の 供 与 を 行 う 自 由 化 の 促 進 に 特 徴 づ け られ る 。 こ れ は,足. 掛 り戦 略 に よ っ て も,取. に 発 揮 で き な か っ た イ ギ リ ス,フ. イ ツな ど に照 準 を 合 わ せ た 施 策 で あ った と い. ラ ン ス,ド. り込 み の 効 果 が 充 分. え る。 1990年 代 に 入 る と,自. 由 化 政 策 は,一. 策 へ と 転 じ る 。 即 ち,1992年. 層,深. に 米 国 政 府 は,国. 化 し,明. 確 にオ ー プ ン ス カ イを 標 榜 す る政. 際 市 場 に お け る更 な る 自 由化 を 促 進 す るた. め の 「オ ー プ ン ス カ イ 協 定 案 」 を 打 ち 出 し,新 政 策 と し て 明 文 化 し た 「国 際 航 空 輸 送 政 策 」 を 発 表 し た 。 こ れ らの 政 策 は,理. 念 と して,市. 場 原 理 が 働 く世 界 的 な 航 空 市 場 の 実 現,運. 賃 ・サ ー ビ ス に か か る 消 費 者 の 選 択 肢 の 増 加,航 航 空 市 場 の 確 保 な ど を 掲 げ て い る 。 さ ら に,企. 空 企 業 に と って 制 限 の な い機 会 と公 平 な 業 の コ ー ド ・シ ェ ア リ ン グ の 推 進 に 経 済 的. 合 理 性 が あ る こ と を 確 認 し ア ラ イ ア ン ス を 積 極 的 に 是 認 し支 持 して い る 。 米 国 は,そ て,ド. の 後,こ. イ ツ,イ. の 政 策 に 基 づ い た オ ー プ ン ス カ イ 協 定(1992年. 自 由,無. 制 限 の 参 入 企 業 数,輸. ー ケ ッ トア ク セ ス に つ い て の 無 制 限 の 運 輸 権 と. 送 力 と 便 数 の 自 由,運. リ ン グ の 自 由 が 含 ま れ て い る 。 オ ー プ ン ス カ イ 協 定 は,1990年 年2月. 時 点 で,101の. 過 で は,オ. よっ. ギ リ スな ど の主 要 国 を含 む 多 くの 国 との 間 で相 次 い で協 定 を 締 結 す る に. 至 っ て い る 。 そ の 協 定 の 主 要 内 容 に は,マ 第5の. 協 定 モ デ ル)に. 賃 の 自 由 設 定,コ. ー ドシ ェ ア. 代 後 半 以 降 に 拡 大 し,2010. 国 ・地 域 と の 間 で 締 結 さ れ る に 至 っ て い る(2)。こ の 間 の 協 定 締 結 の 経. ー プ ン ス カ イ 協 定 の 合 意 を 前 提 に,反. トラ ス ト法 の 適 用 除 外 の 付 与 に よ る ア ラ. イ ア ン ス の コ ー ドシ ェ ア リ ン グ の 拡 張 を 図 り,然. る に,他. の 国 と非 対 称 とな る大 きな 規 模. の 国 内 市 場 で の カ ボ タ ー ジ ュ を 保 留 し二 国 間 主 義 の な か で 可 級 的 な 自 由 化 を 追 求 して い る 傾 向 が 示 さ れ る 。 自 由 化 の 促 進 を 戦 略 的 目 的 の 達 成 に よ っ て カ ウ ン タ ー バ ラ ン ス を と り, 自 国 航 空 企 業 の 利 益 増 進 に 結 び つ く限 り,自 国 市 場 を 温 存 す る 形 で 自 由 化 を 推 進 し て い る 。. (2)EU主 EUで. 導 の 市 場 統 合 によ る 自由 化 の 経 過 と特 徴 は,欧 州 委 員 会 の 主 導 の も とで,経 済 ・市 場 統 合 の 流 れ の 一 環 と して,さ. 米 国 が 主 導 す る国 際 自 由化 の 影 響 を う けて,自. 由化 が 進 展 した。 米 国 の 二 国 間 型 の 自 由化. (2)US.DepartmentofState,OpenSkiesPartners,http://www,state,gov/e/eeb/tra/ata. -130(620)一. ら に,.

(5) 国際航空市場 にお けるア ライ アンスの展開 と評価(塩 見) の 流 れ と異 な り,1988年 発 効 の パ ッケー ジ1,1990年 最 終 的 に,1993年. 発 効 の パ ッケ ー ジIIの 実 施 を 経 て,. 発 効 の パ ッケ ー ジ 皿 に よ り単 一 航 空 市 場 統 合 型 の 自 由化 を1997年 に完 了. させ た。 域 内で の 限 定 は あ るが,運 賃 ・輸 送 力 を 含 む 全 面 的 自 由化 を はか る多 国 間 協 定, カボ タ ー ジ ュの解禁,加 盟 国の 国籍 条項 の撤廃,EU共 AirCarrier)の. 通 運 航免 許 に よ る企 業(Community. 概 念 の設 定 な どが含 ま れ て お り,自 由化 の達 成 内容 で は,米 国 以 上 の 完. 全 自 由化 に特 徴 づ け られ る。 域 外 国 の 航 空 交 渉 につ いて は,欧 州 委 員 会 は,パ が 従 来 の 国 籍 条 項 を 規 定 して お り,EU航. ッケー ジ 皿以 降 の オ ー プ ン ス カ イ協 定. 空 輸 送 企 業 の 国 籍 差 別 の 撤 廃 の 定 め に抵 触 して. い る こ とで,欧 州 司 法 裁 判 所 へ の 提 訴 を 行 っ た。2002年 に欧 州 委 員 会 員 会 は欧 州 委 員 会 の 訴 え を認 め る判 決 を 出 した。 これ を う け,そ の 翌 年,運 輸 閣 僚 理 事 会 は,現 行 の 二 国 間 協 定 に お いて,当 該 加 盟 国 の 航 空 会 社 とEU加. 盟 国 の 航 空 会 社 の 差 別 につ な が る国 籍 ル ー ル. を修 正 し,欧 州 委 員 会 に航 空 交 渉 の 権 限 を 付 与 す る決 定 を 下 した。. (3)新 た な 自由 化 の 胎 動 と重 層 化 21世 紀 にな って,自. 由化 は ア ジ ア市 場 を 含 む グル ー バ ル 規 模 へ と拡 大 し,オ ー プ ン ス カ. イ協 定 が,一 部 地 域 で 複 数 国 間 で の 締 結 の 形 で な され,市 場 統 合 を 実 現 したEUと. オー プ. ンス カ イ を主 導 す る米 国 との 間 で も締 結 され るな ど,重 層 的 な 構 造 を 帯 び る よ う にな って い る。2001年 の 米 国,ブ ル ネ イ,シ ン ガ ポー ル,ニ. ュー ジー ラ ン ド,チ リとの5力 国 間 で. の 締 結 は,オ ー プ ン ス カ イの 原 則 に基 礎 を お い た最 初 の 多 国 間 協 定 で あ り,議 定 書 の 取 り 組 め に お いて,米 国 が 当事 国 にな らな い2国 間 市 場 に お け る参 入 ・価 格 の 自 由化,第5の 自 由,外 資 制 限 の緩 和,カ ボ ター ジ ュの 解 禁 が 含 まれ て い る点 で 注 目 され る。わ が 国 で も, 2009年 に米 国 との 間 で,オ ー プ ン ス カ イ に よ る完 全 自 由化 につ いて 合 意 を 達 成 した(3)。 一 連 の オ ー プ ンス カ イ の 経 過 の 中 で,最 EUと. も画 期 的 な もの は,2008年3月. に 締 結 され た. 米 国 間 の オ ー プ ンス カ イの 協 定 で あ る。 この 締 結 に は,前 述 した 欧 州 裁 判 所 の 判 決. が 直 接 の 契 機 とな って い る。 多 層 型 の 協 定 内容 の 性 格 を 帯 びて お り,相 互 の 国 と地 域 内の 地 点 へ の 参 入 ア クセ ス は 自 由で あ り,第3国. を 含 む 広 範 囲 で の 影 響 を 与 え る可 能 性 を もつ. と いえ る④。 但 し,カ ボ タ ー ジ ュ と外 資 制 限 を意 味す る実 効 的 な所 有 と コ ン トロー ル の 緩 和 ・撤 廃 は第2ラ. ウ ン ドの 検 討 に委 ね られ て お り,今 後 の 行 方 が 注 目 され る。EUは,米. (3)US.DepartmentofTransportation(2000),theSecretaryofTransportation,Multilateral OpenSkiesAviationAgreement,Nov。15. (4)US.GeneralAccountingOffice(2004),pp.23-52.. -131(621)一.

(6) 第57巻 国 側 のEU市. 場 へ の ア ク セ ス の 高 い 自 由 度 の 現 状 に 照 ら し,こ. 3.自. (1)ア. 第3号 の 点 で の 要 求 は強 い。. 由 化 の 拡 大 と ア ライ ア ン スの 経 過. ライ ア ン スの 概 念. ア ラ イ ア ンス は,国 際 航 空 領 域 で は,自 由化 の 進 展 と と も に進 化 して きた と いえ る。 ア ラ イ ア ンス に関 して は,現 在 に至 る まで,さ. ま ざ まな 領 域 で 検 討 が な され て きて い る。 研. 究 領 域 で は,構 造 的 分 析 か ら本 質 的 側 面 の 考 察 を 含 む 幅 広 い取 り組 み が 行 わ れ て い る。 ア ラ イ ア ンスの 本 質 と性 格 につ いて は,今 日で は,研 究 系 列 の な か で も,不 完 全 市 場 の 代 替 的 取 引 形 態 や 所 有 に依 拠 しな い支 配 の 一 形 態 も し くは,投 資 の 新 形 態 と して 捉 え る 内部 化 理 論,市 場 で も統 合 で もな い 中間 取 引 形 態 や 長 期 的 取 引 関 係 と して 捉 え る 中間 組 織 論 な ど が 支 配 的 で あ る。 主 要 な 理 論 は,経 営 資 源 との 交 換 と補 完 の 活 用 に よ る価 値 の 最 大 な ど に 注 目す る資 源 べ 一 スの 理 論 と,限 定 合 理 性 と機 会 主 義 を 前 提 に市 場 にお け る取 引 コ ス トを 節 約 し,様 々な コ ン テ ン ジ ェ ン シー に備 え る こ と に注 目す る取 引 コ ス ト理 論 の 系 列 に示 さ れ る(5)。 一 般 的 に,ア ラ イ ア ン ス は,特 定 の 経 営 資 源 を 強 化 ・補 完 す るた め に,外 部 の 企 業 と リ ンケ ー ジ を行 う こ とを 意 味 す る と いえ るが,そ の 概 念 につ いて は,明 確 に確 定 して い るわ けで はな い。 筆 者 は,ア ラ イ ア ン スを 概 念 づ け る一 連 の 要 素 の な か で,長 期 的 な 戦 略 志 向 と戦 略 的 目的 の 共 有,情 報 や 利 害 の 共 有 を 含 む 相 互 対 等 関 係 の 構 築 と相 互 補 完 的 利 益 の 獲 得,と. い っ た要 素 が と くに重 要 な もの だ と考 え て い る。 ア ラ イ ア ン ス は外 部 経 営 資 源 の 相. 互 ・補 完 に よ って 競 争 優 位 を 獲 得 す る た めの 提 携 で あ り,市 場 環 境 の 変 化 が 激 し く,需 要 の 予 測 が 困 難 で も あ る こ とか ら,市 場 の 不 確 実 性 を ふ まえ て 単 独 で の 過 大 な 投 資 負 担 を 回 避 し,コ ス トレスで 収 益 性 の 確 保 を はか る,い わ ば リス ク共 有 策 と して 捉 え るの が 妥 当 と 考 え る。 ア ラ イ ア ンス は航 空 輸 送 に固 有 な もの で はな い。 しか し,航 空 輸 送 産 業 の ア ラ イ ア ンス に は他 産 業 の それ と は異 な る。 次 の よ うな 点 で 主 要 な 特 質 が 示 され る。 そ れ ら は, 制 度 の 制 約 と戦 略 優 位 の 固 有 の 要 素 に も とつ いて い る。 第1は,現. 行 の 国 際 航 空 制 度 下 で は,統 合 ・合 併 に よ る多 国 籍 企 業 化 で の 事 業 展 開,ク. ロ ス ボ ー ダ ーで の 単 一 企 業 で の グ ロー バ ル ・ネ ッ トワー クの 構 築 は,基 本 的 に妨 げ られ て. (5)他. に,Porter,M.E.(1998)に. 略 と み る 見 解(p.34,54参 識 の 連 結(knowledgelink)と. よ っ て 展 開 さ れ る 競 争 優 位(competitiveadvantages)の 照),Badaracco,J.L.(1991)な み る 見 解(p.109参 -132(622)一. ど に よ っ て 展 開 さ れ る 組 織 学 習,知 照)な. どが示 さ れ る。. 戦.

(7) 国際航空市場 にお けるア ライ アンスの展開 と評価(塩 見) お り,カ ボ タ ー ジ ュ権(国 と して,グ で は,ネ. 内輸 送 権)の 禁 止,外 資 制 限 な どの 壁 が あ る。 これ らの 克 服 策. ロ ーバ ル 規 模 で の 戦 略 的 ア ラ イ ア ンスが 求 め られ て い る点 で あ る。 供 給 サ イ ド ッ トワー クの リン ケー ジ に よ り,平 均 飛 行 区 間 距 離 の 増 加,運 航 便 数 の 増 加,機. 材 稼 働 率 の 向上,集. 中管 理 の 向 上 な どを 通 して 密 度 の 経 済 性 と範 囲 の 経 済 性 を 生 じ,競 争. の 優 位 性 が 発 揮 され る。 利 用 者 に と って は,世 界 の 多 くの 空 港 目的 地 へ の ア クセ スの 機 会 が 拡 大 し,オ ンラ イ ン ・サ ー ビス に よ る利 利 便 性 も拡 大 す る。 第2は,ネ. ッ トワー クを 軸 に経 営 資 源 の 相 互 補 完 が 行 わ れ るが,有 効 な 戦 略 手 段 と して. コ ー ドシ ェ ア リン グが 積 極 的 に活 用 され る点 で あ る。 それ と と も に,高 度 な 情 報 技 術 の 共 有,も. し くは共 同利 用 を 媒 体 に,大 きな マー ケ テ ィ ン グ効 果 が 発 揮 され る。 大 規 模 な ネ ッ. トワ ー ク構 築 の た め に は,ネ と くに重 視 され,ア. ッ トワー クを 含 め経 営 資 源 の 不 足 を 速 や か に補 完 す る こ とが. ラ イ ア ンス は,そ の 要 請 と合 理 性 にか な う と され る。 また,国 際 市 場. で は,不 確 実 性 が 増 して お り,こ の 点 で,ア. ラ イ ア ン ス は統 合 ・合 併 よ りも取 引 費 用 を 軽. 減 し,過 剰 な 投 資 も回 避 で き る可 能 性 が 高 い利 点 が 示 され る。 補 完 的 路 線 網 を 有 す るパ ー トナ ー と対 等 な 協 調 関 係 が 成 立 し,効 率 的 な 運 航 体 制 が 構 築 され る。 そ れ を 達 成 す る有 効 な 戦 略 手 段 の 核 を 形 成 す るの が,コ ー ド ・シ ェ ア リ ングで あ る。 コー ドシ ェ ア リン グ は, 提 携 の 企 業 間 で お互 いの 運 航 便 に相 手 方 の 便 名(Code)表. 示 を認 め,双 方 が 自社 便 と して. ネ ッ トワー クを 拡 大 し,効 率 的 運 営 と販 売 力 を 強化 しよ う とす る もので あ る。情 報 面 で は, GDSが. その 中枢 機 能 を 担 い,そ れ の 活 用 に よ って 便 数 調 整,運 賃 設 定,予 約 業 務,運 行. 業 務 管 理 の ほか 顧 客 情 報 管 理 を 含 む マー ケ テ ィ ン グ戦 略 が 展 開 され る。 マ ー ケ テ ィ ン グ戦 略 の な か で,GDSの. ペ ギ ー バ ック に よ って 機 能 発 揮 され るFFPは,消. 費 者 の ロー ヤ リ. テ ィ を高 め収 益 の 増 加 させ る戦 略 で と くに重 視 され る。 その ほか,混 雑 空 港 へ の ア クセ ス 獲 得 な ど も一 定 地 域 で は,重 要 な 戦 略 要 素 とな る。. (2)グ. ロ ー バ ル ・ア ラ イ ア ン ス の 形 成 と 展 開. 以 上 の 性 格 を 有 す る ア ラ イ ア ン ス は,自. 由 化 の 経 過 に 従 っ て 段 階 的 に 進 化 し,市. 支 配 力 を 拡 大 して い っ た 。 国 際 航 空 市 場 で の ア ラ イ ア ン ス に は,前 化 の 進 展 に 伴 っ て,進 第1期. は,国. 場での. 述 した 規 制 緩 和 と 自 由. 化 の 経 過 が み られ る 。. 内 規 制 緩 和 の 進 展 を 背 景 と して,主. と して,米. 国 国 内 に お い て,80年. 代の. 前 半 か ら後 半 に か け て の メ ジ ャ ー 航 空 会 社 と リ ジ ョ ナ ル 航 空 会 社 の 間 で の ア ラ イ ア ン ス の 進 展 で あ る(6)。ア ラ イ ア ン ス に よ っ て,メ. ジ ャ ー 航 空 会 社 は,リ. (6)ItoH.andD.Lee(2006),PP.141-161.塩. 見 英 治(2006),p.192-194.. -133(623)一. ジ ョナ ル な コ ミ ュ ー タ ー.

(8) 第57巻. 第3号. 航 空 会 社 が 就 航 す る 低 需 要 密 度 の 路 線 へ の サ ー ビ ス 提 供 が 可 能 と な り,リ ミ ュ ー タ ー 航 空 会 社 に と っ て は,メ と な っ た 。 こ れ に よ り,そ. 第2期. は,米. 対 象 に,ブ. ジ ャー 航 空 会 社 の 運 航 路 線 の へ の サ ー ビ ス補 完 が 可 能. れ ぞ れ の 航 空 会 社 は,機. よ っ て 率 性 を 向 上 さ せ,需. 材 の 就 航 路 線 の 需 要 規 模 へ の対 応 に. 要 を 培 養 効 果 に よ って 拡 大 させ る こ とが で きた 。. 国 で の 最 初 の 自 由 化 協 定 モ デ ル の 影 響 の も と に,国. ロ ッ ク ス ペ ー ス,も. 際市場での一定地域を. し く は 単 純 な コ ー ドシ ェ ア リ ン グ が 展 開 さ れ る1980年. 半 ば か ら1990年 代 初 め に か け て の 時 期 で あ る 。1986年 ア イ ラ ン ドの ア ラ イ ア ン ス は,国. 際 市 場 で と り結 ば れ た 最 初 の ア ラ イ ア ン ス と さ れ る 。. び て い た 。80年 代 の 後 半 以 降 に,国. 部,ブ. ロ ック スペ ー スの 性 格 を 帯. 際 市 場 で の ア ラ イ ア ン ス が 続 くの で あ る が,ア. ン航 空 と カ ン タ ス 航 空 と の ア ラ イ ア ン ス,デ. ル タ ・ス イ ス エ ア,シ. メ リカ. ンガ ポー ル の 間 で 複 数. 国 に ま た が る ア ラ イ ア ン ス な ど に 代 表 的 に 示 さ れ る(7)。い ず れ も,コ 者 は,包. 代の. の エ ア ・フ ロ リ ダ と ビ リ テ ィ シ ュ ・. コ ー ドシ ェ ア リ ン グ を 伴 っ て い た が シ ン プ ル で あ り,一. 伴 っ て お り,後. ジ ョナ ル な コ. ー ドシ ェ ア リ ン グ を. 括 す る ネ ッ トワ ー ク と して は 限 定 さ れ る が,今. 日の グ ロー バ ル ・. ア ラ イ ア ン ス の 原 型 と して 位 置 づ け られ る 。 第3期. は,米. 国 の オ ー プ ン ス カ イ の 本 格 的 展 開 とEUの. 自 由 化 の 進 展 を 背 景 に,主. 国 際 市 場 路 線 で 広 範 な コ ー ドシ ェ ア リ ン グ が 取 り交 わ さ れ,本. 要な. 格 的 な グ ロ ー バ ル ・ア ラ イ. ア ン ス が 展 開 す る1990年. 代 半 ば 以 降 の 時 期 で あ る 。1992年. と の ア ラ イ ア ン ス は,大. 西 洋 路 線 と い う主 要 国 際 路 線 に就 航 す る企 業 相 互 に よ る最 初 の 協. 定 で あ る 。 広 範 な コ ー ドシ ェ ア リ ン グ を 伴 っ て お り,そ 得 し,そ. れ に よ っ て,大. 西 洋 路 線 を 対 象 に,緊. 辿 っ て い る 。 こ の 協 定 は,大. のKLMと. の 翌 年 に は,DOTか. 密 な 運 航 調 整,収. 西 洋 路 線 の み な らず,相. ノ ー ス ウ エ ス ト航 空. らATIを. 取. 入 配 分 を 実 現 す る経 過 を. 互 に 欧 州 ・北 米 市 場 へ の 多 くの 便 数. で の 運 航 を 実 現 さ せ,そ. の 後 に 追 随 す る こ の 種 の ア ラ イ ア ン ス の ト レ ン ドセ ッ タ ー と な っ. て い る 。1997年. ナ イ テ ッ ド航 空,ル. に は,ユ. フ トハ ン ザ 航 空,SAS,エ. 際 航 空 に よ っ て ス タ ー ア ラ イ ン ス が 結 成 さ れ た 。 こ れ は,最 ラ イ ン ス さ れ る 。 次 い で,1998年 空,TAPエ. に,ス. イ ス 航 空,サ. イ国. 初 の 本 格 的 な グ ロ ー バ ル ・ア. ベ ナ 航 空,ト. ル コ 航 空,リ. ベ リア航. ア ・ポ ル トガ ル に よ っ て グ ロ ー バ ル ・ア ラ イ ア ン ス ・グ ル ー プ と して の ク ア. リ フ ァ イ ヤ ー が 誕 生 し た 。 こ れ に,同. 年,ア. メ リ カ ン航 空,BA,カ. シ フ ィ ッ ク か ら構 成 さ れ る ワ ン ワ ー ル ドの 結 成 が 続 く。 さ ら に,そ エ ア フ ラ ン ス,エ. (7)塩. ア カ ナ ダ,タ. ン タ ス,キ. ャ シ ー ・パ. の 翌 年 に は,デ. ア ロ ・メ キ シ コ か ら 構 成 さ れ る ス カ イ チ ー ム の 結 成 が な さ れ,こ. 見 英 治(1993),pp.391-405.. 一134(624)一. ル タ, れ に.

(9) 国 際 航 空 市 場 にお け るア ライ ア ン スの 展 開 と評 価(塩 見) よ っ て,1999年. ま で に,4大. ラ イ ア ン ス は,い. グ ロ ー バ ル ・ア ラ イ ン ス が 出 揃 う こ と と な っ た 。 こ れ ら の ア. ず れ の グ ル ー プ に あ っ て も,米. 国 と 欧 州 の 航 空 企 業 に よ っ て リー ドさ れ. て い る。 そ の 後,グ た め に,加. ロ ー バ ル ・ア ラ イ ン ス は,グ 盟 企 業 を 増 加 さ せ,グ. ワ ー ル ド,ス み る と,加 社,ワ. 盟 企 業 数 で は,ス. ル ー プ 再 編 の 経 過 を 経 て,ス. タ ー ア ラ イ ア ン ス,ワ. ン. グル ー プ に収 敏 され る に至 って い る。 各 グル ー プ につ いて タ ー ア ラ イ ア ン ス が26社 で 最 大 で,次. い で,ス. カ イ チ ー ム12. ン ワ ー ル ドス カ イ チ ー ム の11社 の 順 に な っ て い る 。 旅 客 収 入 べ 一 ス で の 市 場 シ ェ ア. (2008年)で ム20.6%の は,米. カ イ チ ー ム の3大. ロ ー バ ル ・ネ ッ トワ ー ク の 更 な る カ バ レー ジ の. は,ス. タ ー ア ラ イ ア ン ス が29.3%,次. い で,ワ. 順 に な っ て い る 。 各 グ ル ー プ の 地 域 別 の 輸 送 実 績 で は,ス. 国 の ユ ナ イ テ ッ ド航 空 と コ ン チ ネ ン タ ル 航 空,欧. 大 洋 州 の シ ン ガ ポ ー ル,中 デ ル タ 航 空,欧. 国 国 際 航 空,全. 州 の エ ー ル フ ラ ン ス,ア. ワ ー ル ドで は,米 州 で は,カ. ン ワ ー ル ド23.2%,ス. 国 の ア メ リ カ ン 航 空,欧. ン タ ス 航 空,キ. カ イ チー. ター ア ラ イ ア ン スで. 州 の ル フ トハ ン ザ 航 空,ア. 日 本 空 輸 が,ス. カ イ チ ー ム に つ い て は,米. ジ ア ・大 洋 州 の 大 韓 航 空,中. れ ぞ れ,主. 国の. 国 南 方 航 空 が,ワ. 州 の ビ リ チ ッ シ ュ ・エ ア ウ ェ イ ズ,ア. ャ セ イ パ シ フ ィ ッ ク 航 空 が,そ. ジア ・. ン. ジ ア大 洋. 導的な役割を果た し. て い る。 ア ラ イ ア ン ス は,従. 来 よ り も 安 定 性 を 増 して い る と は い え,恒. わ っ て い る わ け で は な く,米 一 部 に 生 じ て お り(8) ,今. 久 不 動 の 条 件 が 充 分 に備. 国 で の メ ジ ャー 企 業 の 合 併 統 合 に伴 う メ ンバ ー の 離 反 な ど も. 後 もグ ル ー プ の再 編 が続 くこ とが 予 想 され る。 さ ら に収 敏 化 方 向. を辿 る もの と思 わ れ る。. 4.ア. (1)ア. ラ イ ア ン ス の 影 響 と競 争 政 策 の 課 題. ライ ア ン スの 影 響 と評 価. コ ー ドシ ェ ア リ ン グ を 中 心 に と り結 ば れ た グ ロ ー バ ル ・ア ラ イ ア ン ス は,航 用 者 の 双 方 に,利. 得 と 便 益 を も た らす と 考 え られ る 。 航 空 会 社 の 観 点 で は,あ. 市 に 直 航 便 を 運 航 す る の に 利 益 が 計 上 で き な い と して も,連 し運 航 す る こ と が 可 能 で あ る 。 ネ ッ トワ ー ク の 連 携,ス. 空 会 社 と利 る一 定 の 都. 携 の 運 航 に よ って 利 益 を 計 上. ケ ジ ュ ー ル 調 整 な ど に よ っ て,航. (8)最 近 の 典 型 例 と して は,ノ ー ス ウエ ス ト航 空 が デ ル タ航 空 に吸 収 合 併 され る こ とが 決 定 した こ とを う けて,コ ンチ ネ ン タル 航 空 は 従 来 の ス カイ チ ー ム か ら離 脱 し,2009年 にス ター ア ライ ア ン ス に加 入 した こ とが あ げ られ る。 そ の 翌 年 に はユ ナ イ テ ッ ドと経 営 統 合 す る経 過 を 辿 って い る。 -135(625)一.

(10) 第57巻 空 企 業 に は,密. 第3号. 度 の 経 済 性 に よ る コ ス トの 低 下 と,需. に 他 な らな い 。 利 用 者 に は,運. 要 培 養 の 効 果 が もた ら され え るか ら. 航 便 の 選 択 オ プ シ ョ ンの 拡 大,乗. り継 ぎ の 利 便 性,コ. ス ト. 低 下 に 基 づ く運 賃 低 下 に よ る 便 益 が も た ら さ れ る 。 ほ か に,グ の 短 縮,チ. ル ー プ で の 同 一 タ ー ミ ナ ル 利 用 に よ る コ ー ドシ ェ ア リ ン グ の た め の 接 続 時 間 ェ ッ ク イ ン カ ウ ン タ ー と ゲ ー トお よ び ラ ウ ン ジ の 共 用 に よ る 費 用 節 減 な ど が あ. る 。 同 一 タ ー ミナ ル の 使 用 は,手. 荷 物 の 紛 失,遅. 延 な ど の 機 会 の 減 少 を も た ら す 。 加 え て,. ジ ェ ッ ト燃 料 や 機 材 の 共 同 購 入 に よ る 割 引 の 利 得 も あ る 。 さ ら に,広 用 で のFFAの. 範 な ネ ッ トワ ー ク 利. ポ イ ン ト加 算 の 機 会 の 拡 大 と い っ た 利 点 が あ げ ら れ る 。 しか しな が ら,そ. の 利 便 性 と 利 得 の 獲 得 に か な う ア ラ イ ア ン ス の 成 功 の た め に は,シ 確 保 と 共 通 のITプ. ー ム レスな サ ー ビ スの. ラ ッ トホ ー ム の 構 築 が 前 提 と な る 。. 消 費 者 の 便 益 は,概. し て 以 上 の よ う に な る が,ア. ラ イ ア ン ス に よ る 利 便 性 は,連. 携の. ネ ッ トワ ー ク の 形 態 に 依 存 す る(9)。ア ラ イ ア ン ス に よ る 消 費 者 の 利 便 性 の 多 く は,補. 完的. な ネ ッ トワ ー ク の 連 携 か ら生 じ る 。 補 完 的 な ネ ッ トワ ー ク は,旅. 客 に と っ て,提. 携 す る会. 社 の そ れ ぞ れ の ネ ッ トワ ー ク を 乗 り継 ぐか 連 結 して 利 用 す る 形 態 の ネ ッ トワ ー ク を 意 味 す る 。 旅 客 は,締. 結 す る 会 社 間 で の 運 航 調 整 に 基 づ い て,ゲ. ー トウ ェ イ ま た は ハ ブ 空 港 で の. 接 続 時 間 の 低 減 と い っ た便 益 を 享 受 す る こ とが で き る。 こ れ に 対 して,ゲ. ー トウ ェ イ と ゲ ー トウ エ イ の 間 を 結 ぶ ネ ッ トワ ー ク,パ. トワ ー ク で の 連 携 に つ い て は,注. 意 深 い 精 査 が 求 め ら れ る。 提 携 す る 会 社 の そ れ ぞ れ の. ゲ ー トウ ェ イ で の 市 場 支 配 力 が 高 い ケ ー ス で は,競 な 可 能 性 が 高 ま る か ら に 他 な ら な い ⑩。 ま し て や,当 用 除 外 の 対 象 と な り,こ れ に よ っ て,共 そ の 潜 在 可 能 性 は 高 ま る 。 しか し,こ 在 的 な 影 響 は,少 し て は,オ. な く,む. し ろ,全. 争 が 制 限 さ れ,運. 賃 が 高 くな る 潜 在 的. 該 の ア ライ ア ンス が 独 占禁 止 法 の 適. 同 で の 運 賃 と キ ャ パ シ テ ィ の 設 定 が 可 能 に な れ ば, れ ま で の と こ ろ,実. 態 的 に は,そ. の ネ ガ テ ィ ブの 顕. 体 の 便 益 は 向 上 し て い る と 評 価 さ れ る(1D。こ の 理 由 と. ー プ ン ス カ イ に よ る 効 果 と の 相 乗 性 は あ る が,一. ネ ッ トワ ー ク で の,相. 般 に,ゲ. ー トウ ェ イ 間 で の. 互 の 高 い 市 場 支 配 力 に よ る 潜 在 的 に 高 い 運 賃 も,相. す る ネ ッ トワ ー ク の 培 養 か らの 密 度 の 経 済 性 に よ っ て 相 殺 さ れ,結. (9)Park,J.H.(1997)は,ア. ラ レル な ネ ッ. 互 の ハ ブを 経 由. 果 と して,運. 賃 は高 く. ラ イ ア ン ス の 形 態 を 並 行 的 ア ラ イ ア ン ス(parallelalliance)と. 完 的 ア ラ イ ア ン ス(complementalalliance)と. 補. に 区 分 し競争 効 果 を 分 析 して い る。. ωPark,J.H.(1997)は,補 完 的 ア ラ イ ア ン ス で は 料 金 低 下 が 生 じて い る の に 対 し,ゲ ー ト ウ ェ イ 間 の 並 行 的 ア ラ イ ア ン ス で は 料 金 が 上 昇 す る こ と を 実 証 的 に 示 し て い る 。pp.181-194.Youseff andHansen(1994)は,市. 場 支 配 力 の 高 ま り を も と に,直. pp.415-431.Bruckner,J.K.andW.T.Whalen.(2000)は,僅 問 題 と な る 数 値 で は な い と し て い る 。pp.527-543. qDBruckner,J.K.(2003),pp.105-118. -136(626)一. 航 路 線 で の 運 賃 上 昇 を 指 摘 して い る。 か な が ら の 上 昇 が み ら れ る が,.

(11) 国 際 航 空 市 場 にお け るア ライ ア ン スの 展 開 と評 価(塩 見) な ら な い こ と が 考 え ら れ る ⑫。 政 策 的 に は,相 合 に は,ハ. ブ で の ス ロ ッ ト割 譲,ATIの. 制 限 な ど の 措 置 も が と ら れ て い る 。 米 国 で は,. オ ー プ ン ス カ イ に よ る 総 合 便 益 を 勘 案 し,オ に つ い て は,概 く,ケ. してATIを. 殺 効 果 を上 回 るマ イ ナ ス効 果 を もた らす 場. ー プ ン ス カ イの 締 結 の 当 事 国 の ア ラ イ ア ン ス. 容 認 す る 方 向 が 示 さ れ る が,こ. ー ス ・ケ ー ス の 裁 定 に よ っ て い る の は,以. グ ロ ー バ ル ・ア ラ イ ア ン ス は,参 点 が あ る が,大. 括 的 な 承 認 で はな. 上 の 理 由 か らで あ る 。. 加 企 業 サ イ ドか らみ る と,競. 手 企 業 レベ ル で は,参. の と 思 わ れ る 。 さ ら に,ア. れ と て,包. 争優位の獲得の点での利. 加 企 業 と非 参 加 企 業 との 競 争 力 の 格 差 を 促 進 す る も. ラ イ ア ン ス の 進 展 は,ITシ. 伴 う 。 ア ラ イ ア ン ス ・グ ル ー プ は,恒. ス テ ム の 共 用 ・連 携 の 共 有 の 深 化 を. 久 的 な 不 動 の 存 在 で な い 。 競 争 の 進 展 に 伴 い,グ. ル ー プ 再 編 を 生 じ る 。 グ ル ー プ 再 編 に 伴 い,ITシ. ス テ ム の 再 構 築 の た め の 大 き な コ ス ト負. 担 を 回 避 で き な い 問 題 が 付 き ま と う 。 い わ ば ス イ ッ チ ン グ ・コ ス トに あ た り,ア の 深 化 に 伴 い,こ. れ が 企 業 情 報 の 流 出 リ ス ク の 回 避 と と も に,大. ラインス. きな グル ー プ間 で の 企 業. の 移 動 を妨 げ る要 因 にな る と思 わ れ る。. (2)競 争 政 策 上 の 課 題 と 日米 の 対 応 わ が 国 で は,従 来 よ り,国 際 航 空 運 賃 に関 す る独 占禁 止 法 の 適 用 除 外 につ いて は,一 律 に,航 空 法 の 第110条 の 定 め る要 件 に従 って,所 の 決 定 の 主 要 な 形 態 に は,IATA運. 賃,キ. 轄 の大 臣 が承 認 して き た。 国 際航 空 運 賃. ャ リア運 賃,ア. ラ イ ア ンス運 賃 が あ る。 これ に. 関 し,公 正 取 引 委 員 会 は,市 場 環 境 の 変 化 な どか ら,現 行 の 適 用 除 外 を 維 持 す る合 理 的 な 理 由 を説 明 す る こ と は困 難 で あ る と して,こ れ を 定 め る航 空 法 の 改 正 を 行 う よ う国 土 交 通 省 に要 請 を行 っ た。 これ を う けて,委 員 会 の も とで,検 討 が な され る経 過 と辿 って い る。 この 背 景 に は,EU,ア. メ リカ,お よ び オ ー ス トラ リア に お い て,近 年,見. 直 しが 進 め ら. れ 適 用 除 制 度 の 対 象 が 縮 小 して きて い る事 情 が あ る。 規 制 緩 和 と 自 由化 の 潮 流 の 下 で は, IATA運. 賃 とキ ャ リア運 賃 につ い て は,実 体 経 済 に あ っ た 自 由 な運 賃 が 望 ま し く,原 則 的. に適 用 除 外 の 廃 止 が 合 理 性 にか な う と考 え られ る。 しか し,国 際 ア ラ イ ア ンス につ いて は,適 用 除 外 制 度 の 対 象 とす るか 否 か は,主 要 な 争 点 とな る。 他 の 産 業 に比 べ て 企 業 間 の 合 併 が 困 難 で あ り,国 際 的 な 事 業 展 開 上,そ の 解 決 策 と して 有 効 で あ る こ と,ア ラ イ ア ンス 内で の 提 携 関 係 の 深 化 が 競 争 時 代 の 世 界 的 潮 流 に な って い る こ と,米 国 で オ ー プ ン ス カ イ協 定 を 前 提 と して ア ラ イ ア ン スの 適 用 除 外 を 容 認. ⑫Dresner,M.(1996),p,175.. 一137(627)一.

(12) 第57巻. 第3号. しが ちで あ る こ とな どの 事 情 を 考 慮 しな けれ ばな らな い。 研 究 上 も,競 争 に与 え る影 響 に つ いて は一 概 に は判 断 しに くい。 しか し,ア ラ イ ア ンスの 競 争 が 適 格 に機 能 す るの で あれ ば,一 律 に適 用 除 外 制 度 の 対 象 にす る必 要 はな く,競 争 法 に よ って 他 の 産 業 と 同様 の 対 応 が 合 理 的 で あ る考 え 方 も あ る。 米 国 で は,ア ラ イ ア ン スつ いて,適 用 除 外 制 度 の 承 認 は,限 定 的 で あ る。 即 ち,価 格 維 持 等 の 問 題 を も た らす 以 外 の 協 定 関 係,即. ち,ス ケ ジ ュー ル 調 整,コ ー ドシ ェ ア リン グ に. 関 す る協 定 は,適 用 除 外 制 度 の 承 認 を 要 せ ず,他 の 産 業 と 同様 の 競 争 法 に抵 触 しな い範 囲 で の 対 応 が 可 能 で あ る。 然 る に,運 賃 の 共 同設 定,収 入 プー ル 等 に関 す る協 定 は,個 別 に 適 用 除 外 制 度 の 承 認 が 必 要 で あ り,そ の た め に,事 前 に 当該 航 空 会 社 は,DOTに. 対 して. 資 料 を提 出す る こ とが 求 め られ る。 その 場 合 も,一 律 に適 用 除 外 の 対 象 と して い るわ けで はな い。 当該 航 空 会 社 か らの 申請 と資 料 の 提 出後 は,DOTは,DOJと 連 携 を はか る(③ 。DOTは,制. 国務省への通知 ・. 度 上,最 終 の裁 定 権 限 を有 して お り,と りわ け,そ の 裁 定. は,① 協 定 に よ って,競 争 が 大 き く制 限 され るか 排 除 され な い こ と,②ATIが か な う こ と,③ 当事 者 がATIに. 公益性 に. 係 る取 引 に 着 手 す る こ と,を 基 準 に 行 わ れ る。. と りわ け,公 益 性 の 評 価 に際 して は,対 外 政 策 上 の 要 素 と運 輸 上 の 重 大 な 必 要 性 に照 ら して,判 断 され るが,い ず れ にせ よ,以 上 の 要 件 に該 当す るか につ いて,具 体 的 デ ー タ と 基 準 を も と に,判 断 が な され て い る。 一 方,通 知 を う け たDOJは,ク. レイ トン法 の7条. に基 づ いて,提 携 が 市 場 支 配 力 を 促 進 させ 競 争 制 約 の 問 題 を 引 き起 こ さな いか ど うか につ いて 検 討 し,そ の結 果 につ いて 公 式 の コ メ ン トをDOTに DOJは,概. して,DOTの. 提 出 す る プ ロセ ス を と って い る。. 広 範 囲 のATIに. つ いて カー ブ ア ウ トに よ って 制 限 す る勧 告 を. 提 出す る傾 向 に あ る。以 上 の よ うに,ATIに. つ い て は,個 別 の裁 定 に基 づ い て お り,一 括. 適 用 除 外 の 対 象 と は され て いな い。 この 点 で は,欧 州 委 員 会 も 同様 で あ る。 EUと. 米 国 との 間 の 主 要 路 線,EU域. 内の 主 要 路 線 な ど に お いて,適 用 除 外 が 承 認 され. て い る ア ラ イ ア ンスが 長 期 的 に反 競 争 的 影 響 を 持 ちつ つ あ る可 能 性 も指 摘 され て い る。 事 前 承 認 の み な らず,長 期 的 な 時 系 列 で の 競 争 阻 害 の 影 響 につ いて の 調 査,そ の 結 果 に よ っ て の 見 直 しにつ いて も,今 後,検 討 が 求 め られ る。 わ が 国 で は,国 土 交 通 省 が,公 正 取 引 委 員 会 か らの 要 請 を う け,国 際 航 空 に関 す る独 占 禁 止 法 の 適 用 除 外 制 度 の あ り方 につ いて 検 討 を 行 って き たが,見 直 しにつ いて は,全 体 に お いて 適 用 除 外 の 対 象 とす る協 定 の 範 囲 を 縮 小 した上 で,航 空 企 業 間 の ア ラ イ ア ン スの 深. q3)GAO(2001),pp.2-5.KeinerR.B.andal.(2009)p.5-21.. -138(628)一.

(13) 国際航空市場 にお けるア ライ アンスの展開 と評価(塩 見) 化 の 動 きな ど を踏 まえ,適 用 除 外 制 度 は維 持 す る結 論 に至 って い る。 ア ラ イ ア ン ス につ い て は,利 用 者 利 便 の増 進 を図 る観 点 か ら,制 度 を活 用 して 積 極 的 にて 促進 を 図 る こ と と し, 適 用 除 外 の 認 可 に あ た って は,個 々の 協 定 毎 に,利 用 者 利 便 の 増 進 に資 す る と と も に,競 争 が 実 質 的 に制 限 され る こ と に よ り利 用 者 の 利 益 が 不 当 に害 され る こ と にな らな いか ど う か につ いて 厳 格 な 審 査 に よ って,こ れ を 行 う こ と と して い る。 筆 者 が メ ンバ ー と して 参 加 の 国 土 交 通 省 の 委 員 会 で は,事 業 者 サ イ ドか ら,包 括 的 な 提 携 を その 対 象 にす る主 張 も示 され たが,最 終 的 に は,委 員 会 の 合 議 を 離 れ,新 政 権 の も と で,米 国 の 運 用 の 実 態,ネ. ッ トワー ク結 合 に よ る便 益 な ど利 用 者 の 具 体 的 利 便 性 と い う観. 点 か ら判 断 して い る実 情 を 勘 案 し,以 上 で み た よ う に,一 律 の 適 用 を 制 限 し,個 別 裁 定 に よ る制 度 変 更 が な され る結 論 を 得 て い る経 過 を 辿 って い る。 現 実,妥 当 な 結 論 と思 わ れ る が,裁 定 認 可 の プ ロセ スな ど,わ が 国 で は,今 後,検 討 を 重 ね るべ き課 が 残 され て い る。 適 用 除 外 申請 につ いて は,相 互 に関 係 を 結 ぶ 航 空 企 業2社. と も に,当 該 国 の 双 方 の 政 府 に. 申請 す る手 続 きを 要 す る。 今 回,日 米 オ ー プ ンス カ イの 締 結 に伴 い,関 係 す る 日米 の 航 空 会 社 は,米 国 か ら認 可 を 得 る経 過 とな ったqの 。 わ が 国 で は,こ の 面 で の 競 争 政 策 の 運 用 の 蓄 積 が 乏 し く,今 後 と も に,こ の 点 で の 効 果 分 析 と評 価 の 基 準 につ いて の 精 査 が 求 め られ る。. 5.お. わ. り. に. 90年 代 以 降 の ア ラ イ ア ン スの 急 速 な 拡 大 は,自 由化 の 促 進,グ. ロー バ ル 化 の 拡 大 な どを. 背 景 に して い る。 その 形 態 に は,航 空 企 業 の 固 有 の 性 格 を 反 映 し,コ ー ドシ ェ ア リン グ に み られ る極 めて 戦 略 的 な 特 徴 が 示 され る。 それ は,国 際 的 レジー ムの 制 約 の も とで,次 善 の 策 と して 展 開 され る過 渡 的 な 形 態 と も考 え られ る。 制 度 的 に市 場 統 合 の 道 を 辿 ったEU で は,エ ー ル フ ラ ン ス とKLMの る。 だが,EUで. 統 合 にみ られ る よ う に,国 境 を 越 え た 合 併 が 実 現 して い. さえ,一 方 で は,企 業 戦 略 と して の ア ラ イ ア ン スの 優 位 性 が 発 揮 され て. い る。 国 際 航 空 市 場 で は,将 来 的 に は,多 国 間 主 義 で の 自 由化 の 浸 透 と と も に,統 合 ・集 約 の 進 展 化 か,こ れ との ア ラ イ ア ン スの 収 敏 化 と い っ た並 行 的 な コー スを 辿 る もの 思 わ れ る。 この 集 約 と統 合 に影 響 を 与 え る主 要 な 要 素 に は,レ ジー ムの 変 化 を 伴 う 自 由化 の 大 幅. ω. 日米 オ ー プ ン スカ イ の 締 結 に伴 い,2009年12月 にANAが ユ ナ イ テ ッ ド航 空 と コ ンチ ネ ン タル 航 空 との 間 で,2010年 にJAが ア メ リカ ン航 空 との 間 で,そ れ ぞ れ 太 平 洋 路 線 の ア ライ ア ンス の ATI取 得 を米 国 運輸 省 に 申請 して い た が,い ず れ も2010年11月 にATIの 正 式 認 可 を受 け る に至 っ て い る。 -139(629)一.

(14) 第57巻. 第3号. な 進 展 と独 占禁 止 法 の 緩 和 が あ げ られ る。 将 来 の 方 向性 は,オ ー プ ンス カ イ協 定 の 浸 透 の 影 響 に よ る地 域 間 多 国 間 主 義 と ア ラ イ ア ンスの 集 約 化 と一 部 地 域 で の 統 合 化 の 進 展 の 途 で あ ろ う。 この 下 で,ハ. ブ空 港 間 で の 競 争. 阻 害 の リス クが 一 層 拡 大 す る もの と思 わ れ る。 この た め に は,実 効 性 の あ る国 際 競 争 政 策 の 策 定 と適 用 が 必 要 とな る。 な に よ りも,国 際 レベ ル,反 競 争 的 行 動 を 取 り締 ま るル ー ル の 標 準 化,ア. ジ アで 成 熟 しな い競 争 法 の 整 備 が 求 め られ る。 各 地 域 の 特 定 の 国 内法 の 影 響. を う け た り,ケ ー スバ イ ケー スの 裁 定 にな りが ちで あ るが,具 体 的 施 策 は と もか くも,一 貫 した共 通 したル ー ル の 策 定 が 求 め られ る。 さ らに,競 争 阻 害 の 事 例 の 分 析 とそ の 集 積 を す す め,そ れ に有 効 に対 処 す る措 置 を 明 確 に しな けれ ばな らな い。ATIの. 適用除外が認可. され た路 線 につ いて も,今 後 と も,モ ニ タ リン グ と経 過 観 察 を 要 す る。 一 方,過 度 な 介 入 施 策 は回 避 す べ きで あ り,何 よ りも,総 合 的 な便 益 効 果 を考 慮 に いれ た 施策 が 求 め られ る。. 参. ・塩 見 英 治(2002)「. 考. 文. 献. 国 際 航 空 産 業 にお け る ア ライ ア ン ス と企 業 統 合 」『海 運 経 済 研 究 」 第36号 ,pp.13. -22. . ・塩 見 英 治(2006)『. 米国航空政策の研究. ・塩 見 英 治(1993)「. 国 際 航 空 の 戦 略 的 提 携 と 自由 化 」 『経 済 学 論 纂(中 央 大 学)」 第34巻 第3/4合. 規 制 政 策 と規 制 緩 和 の 展 開. 』文眞堂 併. 号.. • Badaracco J . L. (1991), The Knowledge Link, Harvard Business School Press. • Bruckner , J. K., Whalen, T. (2000), "The Price Effects of International Airline", Journal of Law and Economics, 43(2), pp.503-545. • Bruckner , J. K. (2003), "International Airfares in the Age of Allinaces: The Effects of Codesharing and Antitrust Immunity", The Review of Economics and Statistics, Vol. 85(1), pp.105-118. • Chen , F. C.-Y. and Chen, C. (2003), "The Effects of Strategic Alliances and Risk Pooling on the Load Factors of International Airline Operations", Transportation Research, Part E., Vol. 39, pp.19-34. • Dresner , M. Windle, R. (1996), Alliance and Code-sharing in the International Airline Industry, Built Environment, 22(3), pp.201-211. • Dresner , M. Windle, R. (1996), "The economics of airline alliances", in Critical Issues in Air Transport Economics and Business, Routledge, pp.165-182. • Gayle , P. G. (2008), "An Empirical Analysis of the Competitive Effects of the Delta/ Continental/Northwest Code-Share Alliance", Journal of Law and Economics, Vol. 51, pp.743 —766. • Ito H . and D. Lee (2006), "The Impact of Domestic Codesharing Agreement on Market Airfares: Evidence from the U.S.'', in Competiton Policy and Antitrust, edited by Lee. D, Elsevier. • Keiner R . B. and al. (2009), Airline Alliances,Anti-trust Immunity and Mergers in the United States, www .Crowell.corn. • Park , J. H. (1997), The Effects of Airline Alliances on Markets and Economic Welfare, Transportation research, E. 33., pp.181-194..

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