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三好病院の目指す医療と人材育成

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Academic year: 2021

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徳島県西部圏域における医療の最大の問題は人的不足 と言われる。公的病院は3施設,診療所は6施設で,旧 郡内での支援システムはあるが,十分とは言えない。山 間部の診療所は自治医大学卒業生により,どうにか診療 が継続されている現状である。 平成20年度に徳島県立三好病院,つるぎ町立半田病院, 三好市立三野病院の間で,「徳島県西部医療圏における 適正な医療を確保するための協定書」が締結され,医療 の相互応援を行うと共に,「徳島県にし阿波3病院連携 後期臨床研修医募集事業」が創設されて研修医の獲得と 教育を目指しているが,まだまだ道険しいと言わざるを 得ない。 西部圏域における人的不足は確かに深刻である。しか し,現在の三好病院を顧みれば,医療の問題は単に医療 者の不足だけではないと思われる。そこには地域の歴史 に基づく地場産業の問題,人口流出に伴う被医療者流出, 続発的な医療者の減少,そして incentive の低下に伴う 信頼関係の低下など,circurus vitiosus 自体が複合的に もたらされた結果と言える。そこには提供したい医療と, 必要とされる医療とのミスマッチはなかったか。病気・ 病態を診て,人や地域を診るといった全人的医療はどう であったか。病院側としても検討すべき点は多い。いま, 人としてのやさしさや個人の尊厳など,臨床倫理的諸問 題については強く求められているところである。 また,連携の未成熟の問題もある。急性期医療におい て地域完結型の医療は自明の理であるが,そのために は地域の生活や環境の理解は大変重要である。転院は MSW だけの仕事として行われるべきものではないだろ う。若い世代の県外への流出,老々介護が常態化してい る中,一病院完結を希望する住民との対話や啓発も必要 である。そして,地域としてのケアプランを策定にも病 院が関わり,総ての医療者が地域の包括ケアの方向性を 知る必要があると考えている。 一方,医療者の環境からみれば,居住や病児保育,託 児所の問題もある。女性医師が増加する中,子育て環境 の整備,病院内の女性医師の居住環境整備も重要仮題で ある。 働く者が満足できなければ良い医療は生まれない。そ の地に生まれ,育まれ,老い,そして人生を終え行く地 域住民に寄り添い,守る。そして病院の医療方針に賛同 してもらえる医療者を募り,地域の中で育てる。メディ カルゾーンからの支援への感謝はもちろんであるが,地 域を支えようとする,そうした病院の熱意こそが,いま 最も必要とされていると思っている。 集:徳島県の医療と教育:その現在と未来

三好病院の目指す医療と人材育成

徳島県立三好病院院長 四国医誌 71巻1,2号 4 APRIL25,2015(平27) 4

参照

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