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児童の「生きる力」を引き出せる教師の育成を目指して : 初等音楽科教育法の在り方をめぐって

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(1)Title. 児童の「生きる力」を引き出せる教師の育成を目指して : 初等音楽科教 育法の在り方をめぐって. Author(s). 尾藤, 弥生. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 51(2): 137-148. Issue Date. 2001-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/221. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 北海道教育大学紀要 (教育科学編) 第5 1巻 第2号. 平成 13 年 2 月 Februa 1y, 2001. Jouma lofHok氷aidoUnivers i tyof Educat i i l on (Educat on) Vo . 51, No .2. 児童の 「生きる力」 を引き出せる教師の育成を目指して 初等音楽科教育法の在り方をめぐって. 尾. 藤. 弥. 生. 北海道教育大学函館校 音楽研究室. Abstract. igate how to br Th i ing out chi ldren’ i l i in elementa ta s paper aimstoinvest sv. icc lasses in mus ra ‐Tot. ’ thati i student ing outchi s ldren i l s i夢, i veteachers ta ti tthey havethe sv snecessa ly tha , ,prospect ,who can br ience o findependentlearning andthinking Thereforethe prospect exper i iedtoimprovein veteacherst r . ,. independentlearning andthin亙i i idered how t ng throughthree 亙i ndsofpract ce o appl s ythi ,andthey cons iencein c lass expel. l. Smdyofmater ia l ingingands imula I I Inonl scoI tedpract i ot eachs y usedt cet eaching ,. ” 2‐Prachcalexper i i i ]dng” t enceof Crea ve M[ us cn4a T 3‐ Aprac i lact t i i whi ingsoutchi ldren ca v ingofthe Koto chbr s汎tmiwthroughpl ay ‐ The research theme was chosen f ortwo reasons:itis spec近ed in a renewal course ofs tudy (December. l998 ideredthateducat ti ion to br ing outchi ldren’ ) l andi scons i relatesc ta losely wi i i t svi th pos veand , lunta i lac観汎拶. vo ly mus ca. 1, は じめ に. 本論においてこのテーマを取りあげたのは, まず, 「新学習指導要領」(平成1 0年1 2月) の指針に取り上げ られているからである. 次に, 「生きる力」 を引き出す教育は 音楽活動の能動的 主体的な活動と深く結 , , び付くと考えたからである. すべての音楽活動は本来受け身的な活動ではなく 自分から積極的に働きかけ能動的 主体的に活動する , , べきものである. 従って, 活発な音楽の授業を展開する上にも 児童の 「生きる力」 を引き出す上にも こ , , の 二つ を結 び付 けて授 業 を行う こ と ば有 効 である と 考 えた か ら である .. 平成1 0年1 2月に告示された小学校の 「新学習指導要領」 では 「生きる力」 の育成を基本としている その . 基 と なる平 成 8年 7月 の 中 央教 育 審議 会の 第一次 答 申( 参1 )で は ,. ①教育内容の厳選と基礎・基本の徹底を図る , ②一人一人の個性を生かすための教育を推進する , ③豊かな人間性とたくましい体をはぐくむための教育を改善する , ④横断的・総合的な指導を推進するため 「総合的な学習の時間」 を設ける ,. ⑤完全学校週5日制を導入する, 以上5項目の提言がなされた. )では そ して, 平成10年 7月 の 最終 答 申 は2 , 137.

(3) . 尾 藤 弥 生. ①豊かな人間性や社会性, 国際社会に生きる日本人としての自覚の育成を重視する, ②多くの知識を一方的に教え込む教育を転換し子供達が, 自ら学び, 自ら考える力を育成する, ③ゆとりのある教育活動を展開する中で,基礎・基本の確実な定着を図り,個性を生かす教育を充実する, ④各学校が創意工夫を生かし特色ある教育, 特色ある学校づくりを進める, 以上4点について改訂方針が示された. 本論はこれらの考え方を踏まえて, 初等音楽科教育法の在り方を探求するものである. 2, 音楽科と 「生きる力」 の関わり 2-1 児童の生きる力の育成と音楽科の目標との関係 平成10年7月の教育課程審議会の答申の教育課程の基準の改善のねらいの二つ目の 「自ら学び, 自ら考え る力を育成すること」 で具体的にその必要性が述べられている. それは, 「変化の激しいこれからの社会を 考えたとき, (1) エで述べたように, 多くの知識を教え込むことになりがちであった教育の基調を転換し, 学習者である幼児児童生徒の立場に立って, 幼児児童生徒に自ら学び自ら考える力を育成することを重視し た教育を行うことは極めて重要なことである. そのためには, 幼児児童生徒の発達の状況に応じて, 知的好 奇心‐探求心をもって, 自ら学ぶ意欲や主体的に学ぶ力を身につけるとともに, 試行錯誤をしながら, 自ら の力で論理的に考え判断する力, 自分の考えや思いを的確に表現する力, 問題を発見し解決する能力を育成 し, 創造性の基礎を培い, 社会の変化に主体的に対応し行動できるようにすることを重視した教育活動を積 極的に展開 していく必要がある‐ また, 知識と生活との結び付き, 知の総合化の視点を重視し, 各教科等で 得た知識‐技能等が生活において生かされ, 総合的に働く ようにすることに留意した指導も重要であると考 ) と述 べ ら れて いる こ れ はま さに 「生きる 力」 の育 成 に ほかな らな い‐ 以上の こと を念 える. ~略~」 徳2 .. 頭におきつつ音楽科の 「新学習指導要領」 ㈱)の目標を調べると 「表現及び鑑賞の活動を通して, 音楽を愛 好するノひ情と音楽に対する感性を育てるとともに, 音楽活動の基礎的な能力を培い, 豊かな情操を養う.」 となっている. 多様な音楽活動の中では児童本人の興味, 関心, 意欲が高い方が学習効果は上がる. そのた めには, 今回打ち出されている 上記の学びの在り方を取り入れた方が効果的である. 次に, このことを考慮 した音楽学習の在り方を図にまとめてみた.. 音楽の表現や鑑賞の幅広い活動を通して. L自ら学び、 自ら考え、 活動できる児童の育成] 試行錯誤して、 1 1. 自分の考えや思いを音により的確に表 現 する力の育 成 」. (いままでは、 指示された活動をする受け身の姿勢が多かった) 一層 心情、 感性が育ち、 能力を培える. ー. 138. 1創造性を培う」. 情操もより豊かになる. L.

(4) . 児童の 「生きる力」 を引き出せる教師の育成を目指して 初等音楽科教育法の在り方をめぐって. 2-2. 実践 でき る 教師 をいか に育てる か. 児童の 「生きる力」 を引き出せる教師を育成するためには, まず, 将来教師になる学生自身が自ら学ぶ力 と考える力などの 「自己教育力」 を音楽の活動を通して身につけることが必要である‐ 学生のそのような 「生きる力」 を育成するためには, 体験的な音楽活動が不可欠である. これらの活動を通して学生は, 児童 が考 える であ ろう こ とや悩 み を予 測 し, また, そ の 活動の 楽 しさ, 大変 さ な どを味 わ い, 児童 の 気持 ち を理. 解しやすくなり児童理解が深まり, 実態に即した指導が可能になる‐ さらに, 学生はこの活動を体験しなが ら, 児童 に 指導 す る 時, どの よう な 支援, ア ドバ イ ス, き っ か けの 発 問, 参考 資料の 提 示, 等 を行 っ た ら よ. いかを学ぶことができ, 教育現場における実践が可能になる. つまり, 児童に学び考えさせるための方法を さ ぐる こと ができる.. 3, 初等音楽科教育法における学生の学ぶ力, 考える力の育成の実際と考察 3 -1. 授 業形 態 につ いて. 本学・函館校では, 「初等音楽科教育法」 は, 3年次生 (・学校課程と小学校教諭免許取得希望者も含め て) を対象として半期2単位で行われている. 従って, 受講予定の学生数はおよそ 250名 な の で, 平成12年 度は, 一人の担当者で前期, 後期, 各2講座ずつ開講した. 平均的に学生が受講すれば1講座60~7 0名程度 の予 定 であ っ た が, 前 期1 講 座 は63名 であ っ た が, もう 1 講座 は93名 と 予 想 以上 に学生 数 が多 か っ た. しか. し, 講義形式の授業に偏る事なく, できる限り学生全員がアクティ ブに授業に参加する方向を目指したいと 考 えた. そ の ため, 学生 に5名 程度 の活 動 グル ー プを作 らせ, その グル ー プ で研 究や 発表 を行 わせる こと と した. さ ら に, 座 席 につ いて も グル ー プ ごと に場 所 を指定 して, 授 業 の 中 で課題 に 応 じて す ぐ活動 できる よ う 配慮 し, ま た, 出欠確 認 も行 いや す い よう に した. そ して, 93名 の 講座 で は20グル ー プと な っ た.. 3-2. 歌唱共通教材を通しての活動の実際と考察. 歌唱共通教材は, 必ず現場の授業で取り上げなければならない楽曲である. だが, 多くの学生が日頃親し んで いる 音 楽と は, 詩 の 内容 に も リ ズム感 に も へ だた り がある と 思 わ れる. そ こ で 学 習 に先 立 っ て歌 唱 共 ,. 通教材24曲についての意識調査を, 前期の受講学生に行った所, 次のような結果となった. ☆ 知 っ て いる, ま た は覚 えて いる 曲. 068 2% .. ☆ 知 ら ない, ま た は覚 え がな い 曲. 031 7% .. ま た, 各楽 曲の 好 み につ いて 調 査 した 結果 は , ☆好きな曲. ☆ 普 通, 特 に好 き でも嫌 い でも ない 曲 ☆ あまり 好 き で はな い, ま た は嫌 い な 曲. 9% 43 . 048 6% . 7 5% .. 好き でな い理 由 に は, 「暗 い」 「もの 悲 しい」 「さ み しい」 「テ ン ポが 遅 い」 「ね むく なる」 「メ ロ ディ ー が嫌. い」「曲調が嫌い」「よさがわからない」「少ししか知らない」「自分のリズムにあわない」「昔, うまく歌え な か っ た」 な ど があ っ た. この 理 由の 原 因 は主 に ① 学 生 が日頃 楽 曲 と して 親 しん でいる 曲とイ メ ー ジが違 , う た め, ② そ の 楽 曲の表 現 しよう と して いる 内容 や そ の 曲 を十 分理 解 して い な い ため に よる と 思 わ れる , ‐ こ れらの 多く は学 習 によ り 改善 さ れ, 各 曲の 良 さ が わ か っ てく る と思 わ れる . さ ら に, 歌 唱 共 通教材 に は, 日本 に 自 然 があ ふ れて いた 時代 の 様 子 を美 しい旋 律 に歌 いこ ん だ 曲 が多 いの. で, 是非, 好きになって指導して欲しいと筆者は考える. なぜならば 教師が教育現場で児童に歌唱共通教 , 材を指導するとき, その教師がその楽曲が好きで, その曲の良さを十分理解して教える場合と 好きではな , いけれど教科書にあるからと, 義務的に教える場合とでは, 児童に与える影響が大きく異なり, その楽曲の 139.

(5) . 尾 藤 弥 生. 良さをも大きく左右してしまうからである. そ こ で, 学 生 自 らに歌 唱 共 通教 材 曲の良 さ を実 感 を持 っ て 理 解 して もらう ため, グル ー プ ごとに歌 唱共 通. 教材の楽曲研究と指導法の研究を行い,10~1 5分程度で授業ポイントを説明し, その楽曲の指導案の一部分 を模擬授業するという実践を行った. さらに, 発表のまとめとして, 学習指導案を含むレポート (①指導目 標②教材観・教材研究③授業展開案④関連教材の提示⑤評価⑥発表の感想と反省) を作成させた. このこと に より, 学生 はそ の 楽 曲の 良 さ を理 解 し, 一 層そ の 楽 曲 に対 する 理解 を深め る こ と が でき, さ らに, 次 の 4. 項目の指導の留意点や在り方に気づくことができた. ① 手作り楽器の利用との組み合わせで, 学習に広がりをもたせる指導法 ・私 が小 学校 の とき に 「虫の 声」 の 曲 を習 っ た とき は, 擬 声 音 部分 を歌う の がな ん だか お か しく, 恥 ずか し. く感じ, この曲で声を出して歌うのが嫌だった. 自分の声を出して表現することにとらわれず, 自分で楽 器 を作 っ て表 現 する と いう 選択 肢 もあ れ ば, 私 にと っ て, も っ と この 曲のイ メ ー ジ が良 か っ た の で はない かと思 っ た‐ 今 回, 楽器 を作 っ て み て, 簡単 な もの でも 楽 しいと 感 じた. 難 しい立 派 なもの を作る 必 要 は こ こ で はな いと思う. この よう な 音 楽の 表 現の しかたも ある と いう こと を, 子 供 に楽 しく 教 え て あ げる こ と ができ れ ばい いな と 感 じ た. ま た, この よう に自 分 で 「表 現 する」 と いう 活動の機 会 は, 他 教科 に お い て も あまり な い と思 わ れる. 日本 人 はどち らか と いう と, 苦手 な 分野 だ と思う の で, 小 さ い頃か らこ の よ う な機 会 が 多 けれ ば, 苦 手 意識も 少 なく なる の で はな いか とも思 っ た.. ② 主体的に児童を参加させる指導法 ・学校2年生にとって, 音楽は勉学としてではなく, 楽しむ時間として位置づけた方がより興味・関心を. ・. 高められると思う. また, 「やらされる授業」 から,「自分から参加する授業」 へ改善するためにも, 楽器 を選んだり, 楽器を作る活動を増やしてみた. ③ 歌詞の十分な理解で, 楽曲への理解を深め, 関心を高める指導法 ・ 今ま で, 何 げなく 歌 っ て いた もの を歌詞 を熟読 して, 初 め て情景 を思 い 浮か べる こ と ができ た. 指導 の際, 曲に入り 込 むこと の 大切 さ を改めて 知 っ た.. ・低学年の歌う唱歌にも古い表現や言葉が使われていて, 自分は歌詞の意味もわからず歌っている歌もあっ た. 歌詞の意味を考える大切さを学んだ. 今まで音を聞いてただ歌うだけという授業を受けて来た. しか し. そ れ で は, そ の 歌の もつ 魅 力 に 気 づ か ない し, そ の心 も わ か ら ないの で, も っ と歌詞 を読 む学 習 を取 り 入 れるべ き だと感 じた. ・音 楽の授 業 は, た だ模 造 紙 に歌詞 を書 い て, ピ アノの 伴 奏 を練 習 して, 児童 に歌 わせ れ ばい いと いう 考 え が どこ かに あ っ た. しか し, この よう な機 会 を与 え ら れて, 歌 に 関連 する 絵 を描 いたり, 歌詞 の意 味 を調 べたり, いろ いろ と準備 が大 変な んだな あ と感 じた. た だ歌 を歌 わせる の で はなく, 歌詞 の 内容 を理 解さ せ, どの よう な楽 曲 なの かと いう こ と を 明確 に児童 に伝 える こと が大 切 なの だと いう こ と が わか っ た.. ④. 児童の意欲を引き出すための指導の工夫についての発見. ・子 供の 学 年 を考 えて 授業 を組 み立 てる こ と は, 結構 難 しいもの だと思 いま した. でも, 音楽の 授業 はみ ん な参 加 しや す い教科 だと思う の で, 一 人一 人の 自 由なイ メ ー ジを大切 に して, そ れ ぞれに楽 しめ る授 業 展 開 が でき れ ば い いなと 思 いま す. その ため に は, 教 師の 教 材 選 びや 導 入, 取 り 組 みも 工夫 する こ と が大 事 だ と思 いま した.. ・教師が授業の流れを明確にしておくことは重要であり. ねらいを定めて授業を行うことが大切だと痛感し た.. ・発表してみて, 授業の補助教具の有効性を改めて感じた. ・た っ た10分の 模 擬授 業 を する た め に, 必要 と さ れた教材 研 究の 時間 は, そ の10倍 以上 も かか っ て しま っ た. 140.

(6) 児 童 の 「 生 き る 力 」 を 引 き 出 せ る 教 師 の 育 成 を 目 指 し て 初 等 音 楽 科 教 育 法 の 在 り 方 を め ぐ っ て. (歌 唱 共 通 教 材 ・ 学 生 発 表 資 料 よ り). と ん び →. ・. 彰 ノ. ー. 2 避. .. ・M. ′ハ、・◆ -. 一▲ - .. -. i1”}{. ′ .,. I. お ぼ ろ 月 夜 十 ← ▼. 駆 之 は ー ば 〉 j v <、 たし な. … な の. ブ に. 湾火. > v. し り ひ う す;れ. > v <. > V. 〉 〉 V く く. 〉 〉 V. : け わ た す や ま の は. か す み J、 が し. : は る か ぞ そ ふ. そ ら を み れt. 縄チ く. 〈. > v. … P <. <. >. ビ ン ヨ ーロ ビ . 壷 品ービ 翻 す. . ペ ﹈ ヒん ん ぴ 音. を 夏 参 る 妻 妾 誓 鞄圏 圃 ン ラ ロ ー. . . に . 圏. ◎ ◎. を 隣 静 職. . - ち\ , 総 勢 .謙 遜落. 141. を.

(7) . 尾 藤 弥 生. も し25分の授 業 をする と した ら教 材 研究 だ け で, どれだ けの 時 間がか かる の だろう と思 い呆 然と しま した. また, この 活動 に よる プ ラス 方 向の 副次 的 効果 と して, 次 の 2点 が上 げら れる‐ ① グル ー プで考 える こと に より一 人 で は気 づ か ないこ と, でき ないこと が実現 する‐ ②他の グル ー プの 発表 を聞く こと で, 自分達 が気づ かな か っ た様々 な こ と を発 見 して 学 び, 自 分 達の 研究 や. 発表に生かすことができる. たとえば, 児童にわかりやすく提示するために歌詞を模造紙に書いたり (2 種類の書き方がある), 歌詞の内容をイメージさせやすくするために絵を描いたり, 写真を用意したり, 児童に語りかけるような模擬授業に刺激を受けたりする‐ 各班の発表の後, 再度歌唱共通教材について意識調査したところ, その楽曲の内容を深く知ることによっ て, 多く はその 良 さが理 解 さ れた. しか し, 音 楽 はそ の 人の 感 覚や 好み に 左右 さ れる 面 が強 い もの な の で, わ ず かに生理 的 にリ ズム や 曲の 暗さや テ ン ポにな じめ ず嫌 いで ある という 答え が残 っ た.. 3-3 個性を生かすことは 「生きる力」 を引き出すこと まず, このことを音楽の学習から考えてみる. 音楽には既成の楽曲を再創造する 「演奏・表現活動」 とオ リジナルな楽曲を創作・創造する 「創造・表現活動」 の二つが存在する. 個性を生かすことは, どちらの活 動でも可能ではあるが, 既成の楽曲の再創造の場合, 楽譜の音をなぞって満足してしまったり, 先生に指示 されたとおり演奏して満足してしまう場合も多く,個性を生かす所まで至らない場合が多い. それに対して, 創 造活 動の 場 合, す べ て が世 界 に ただ 一つ の 曲 である. 従 っ て, 児童 は個 性 を充 分発揮 する こと が でき, - 人一 人のオ リ ジナ リ テ ィ ー を生 かすこ と も できる. この よう に新 しい 曲 を創 造 する とき, 児童 はどん な音や リ ズム に しよう か, どん な音色 や構成 が良 いか な ど, 自 ら真剣 に考 える. さら に, 自 分の 創 作の 参 考 と して.. ヒントになりそうな曲を積極的に聴いて学ぼうとする‐ この学習では, 自分で探求し, 自分で目標を決め開 拓しようとする意欲が働き, 自分で考え決定して作り上げようとする. つまり, 「自己教育力」 が働き 「生 きる 力」 につ な がる. 3-4. 「つくって表現する」 活動の実際と考察. 「つくって表現する」 活動は, 小学校の学習指導要領で1年生の段階から, 「A 表現 (4) 音楽をつく *3 〕と記 さ れ こ の 活動 が求め ら れて いる この 活動 は個 性 を生 か し 「生 き っ て 表 現 でき る よう にす る.」( . , ,. る力」 を引きだすことのできる活動である. 従って, この活動を指導しなけれ ばならない学生は, 自ら体験 しその学習の意義や実践方法, 支援方法などを, 充分理解し身につけることが必要である. まず活動に先立 って, 受講学生の 「つく って表現する活動」 と 「創作」 の経験について調査したところ, 「少し経験あり」 の学生を含めても21%と予想以上に少なかった. 学生自身,経験のない内容を実感をもって指導することは, 大変難しいので, 是非学習体験が必要であると強く感じた. (1) 学習の意義 この活動は音楽表現の原点であり, 音により自己表現することの基本となる. 音楽における表現は, すべ て音を素材とし, それを自分の表現したい内容やイメージ, 気持ち等にあわせて, 様々な形で構成し, それ らの演奏表現を工夫して人に伝えることである. このような活動は多様な形で繰り返し行うことにより, よ り自由に, 表現力豊かに自分の表現ができるようになるので, 積み重ねが大切である. (2) 今回の実践方法 ① 創作に関する参考イメージが何もない所から自由に創作することは, 初心者にとっては, 以外に難しい こ となの で, 今 回 は歌 唱 共 通教材 を大 きく. 次 の 6つ の風 景のイ メ ー ジに 分 け, そ れ を参考 に 創作 する こ と を提案 した.. 《歌唱共通教材の分類》 ・春 142. 0・ 春 が来 た・春 の ・川 ・ お ぼろ 月 夜・越 天 楽 今様 ・ さく らさく ら.

(8) . 児童の 「生きる力」 を引き出せる教師の育成を目指して 初等音楽科教育法の在り方をめぐって ・海. ・う み・ わ れ は海の 子. ・夏. 0・ まき ばの 朝. ・秋. 0・虫 の 声・ も み じ・う さ ぎ. ・夕方0夕焼けこやけ・おぼろ月夜 ・冬. 0・冬 げしき ・ス キー の 歌. 作品 の 記 譜の 参 考 と してス コ ア も配布 し, グラフ ィ ッ ク・ス コ ア での 記 譜 を提案 した.. ②. ③ 参考曲として, 以前の生徒作品や今回の創作に参考になる作曲家の作品を何曲か鑑賞. ☆言葉による表現作品の参考曲 参4 ) ・ 生 徒作 品 (夏 の嵐, 木 の 葉の 落ちる こ ろ (ヒラ ヒラ), 他)( 参5 ) )( ・作 曲 家作 品 (しず かさ や~芭蕉 の俳 句 に よる~ホセ ・マ セ ダ作 曲1992. ☆楽器や音具による表現作品の参考曲 ・生徒作品 (夏 !夏 ! 夏 1, 嵐, 不快 の 中 の調 和 ㈱), リコ ー ダーの マ ウス ピ ース の 為の 鳥の 曲 惨め) ・作 曲家作 品 (オ ー タム. ) ジ ョ ン・ ペイ ンタ ー作 曲1972 ) @5. ④ 今回の 「つく って表現する」 具体的な方法の説明 次 の A, B, どち ら かの 方 法 で班 ごと に作 品 をつく っ て 表現 する. A. オノ マ トペ ・コ ンポ ジ ショ ン. 今回は歌唱共通教材からイメー ジを広げられる, ひとつの音風景をオノマトペ (擬音) を中心に声で表 現しよう. (セリフ的に言葉が多少入っても良い.) 以前, 音探しで見つけた音を擬音化してみると, 文字で は同じ表現でも口で表現するときには, 微妙なニュアンスの違いにより, 多様な表情を作り出せることに気 がつく と思 いま す. 発 表 に 当 た っ て は, そ の あたり を十 分工 夫 し, イ メ ー ジにふ さ わ しい表 現 を しま し ょ う.. 漫画の中には, 多様な擬音の表現があり参考になります. B. 楽器 の 音 や 音具 な ど による 標 題 的コ ンポ ジ シ ョ ン. 今回は歌唱共通教材から, イメージを広げられる, ひとつの音風景を楽器の音や音具を使って表現して み よう. 楽 器 の 音 と い っ て も 必 ずメ ロ ディ ー ライ ン があ る と は限 り ま せ ん‐ メ ロ ディ ー ライ ン の な い 効 果. 音的な使い方, 現代音楽的な使い方, 幾つかの音の組み合わせで何かのイメージを表現するなどの多様な 方法があります. 参考曲のような音の使い方もあることを考慮して創作してみましょう. ⑤ 創作の手順 ・どのような場面や状況を表現するのか決める。 ・使用する単語や言葉, 使用する楽器を決める. 必要な音具を作る. ・ 曲の 構成 を決 め, ス コ ア を作 成 する. (次 の創 作の ポイ ン ト参照). ・演奏分担を決め, 演奏練習する. ・ 発表, 録音 で は, 音 に なりき っ て表 現 する. ・ レポー トを作成 する. ⑥. 創 作 の ポイ ン ト ・表 現 しよう と して いる 内容 の 気 持ち に なり き っ て表 現 する. ・ 声の 高 さ, 長 さ, 強 さ, 抑 揚 を工 夫 する.. ・言葉と言葉の間 (ま) の取り方を工夫する. (休符を効果的に使う) ・作品の盛り上がりや一番訴えたいところ, 緊張感を与えたいところに, 効果的な沈黙を入れる. ・まとまりのある構成になるよう工夫する. (起承転結を考え, 曲の盛り上がりを作る. 曲の形式は, A B Aの形 式 な ど を利 用 して 曲に統 一 感 を持た せる‐) 143.

(9) . 尾 藤 弥 生. ・音の重ね方で部分的な盛り上がりも作れる. ・ 曲の 長さ は1 分 を 目標 にする。. ・楽譜は, 参考曲のような図形楽譜にすると良い. A, B, ど ち ら の 方 法 を選 択 す る に して も 「間 の 工 夫」 「音 色 の 工 夫」 「微 妙 な 表 現 ニ ュ ア ンス の 工 , ,. )の表 夫」 「曲の構成の工夫」 など音の七要素 (リ ズム, 旋律, 重なり, 速さ, 音色, 大きさ, 形式)は7 現方法の工夫が大切である. 発表 の ポイ ン ト. ⑦. ・ 自 分達の 音 をよく 聴 き, 自 分達 の表 現 した いイ メ ー ジ が伝 わる か確 認 する. ・ その場 面の 表情 になり き っ てオ ーバ ー に表 現 する.. ・前の音の表情に反応して, 次の音を出すタイミングと表情を十分工夫する. ⑧ 日程 1回目. 課題 の 説 明と 参 考 曲の 鑑賞,. グループ創作. (使う言葉と作品の場面の決定) ( 45分). 2回目. グル ー プ 創作. (場 面 に沿 っ たス コ ア作り と演 奏分 担) ( 45分). 3回目. グループ創作. (発表練習と中間発表) ( 45分). 4回 目. グルー プ創 作. (本 発表, お互 いの 作 品の 鑑賞) ( 45分). (3) 実践を通して学生が気づいた指導の留意点と支援の在り方について ①音の多様さに対する気づき ・ リ コ ー ダー はリコ ー ダー の 音, ピ アノ は ピ アノ の 音 と いう 固定 観 念に と ら わ れ な い で, 見 方 を変 え て, 音 を感 じて もら える よう に指導 した い. ・ この よう な活動 の機 会 に, さま ざま な 音が 日常生 活の 中 に存 在 し, 私 達 はそ の 中 で 日々 生 活 して いる の だと いう こと にも気 づ かせ た い.. ②導入段階での支援の在り方について ・この よう に声 で表 現 する機 会 が少 な いため, 恥 ず か しがる 児童 も いる と 思 わ れる の で, 導 入 と して教 師. の側から 「00の音を声で表現すると…」 というように見本を提示してあげるようにしたいと思う. ・ ある風 景 や場 面 につ いて, ス コ ア を決め る 前 に, でき れ ば その 風 景の場 所 に行 っ て 音 を注意 して聞く こ. とから始め, どんな音があるか全てを挙げさせ, それからどれを使えばより効果的に表現できるか考え さ せ た い.. ・児童にとって最も参加したと実感しやすい活動だと思う. しかし, 創作活動の得意な児童と不得意な児 童 がいる と 思 わ れる の で, そ れ ぞれの 児童 にあ っ た 課題 を用 意 する 必要 がある だろう. ・使 える もの はできる だけ提示 し, 使 い方 は児 童 に考 え させる と, 自分 で考 える 力 がつ き, 作 品も よ いも の ができる と思う‐ 多様 な 可能 性 の ある 楽器の方 が良 いと 思う. ・導 入段 階 で児 童 に 関心 を持 た せ る た め, 児童 が作 っ た お も しろ い作 品 を 聞 かせ, 「自 分も こう いう お も しろ い作 品 をつく っ て みよう」 と思 わせた い.. ③創作過程での支援の在り方について ・ 作 品の でき より も, 楽 しんで, 悩 ん で, 班 員 と とも に協 力 して 作 り上 げる 力 を養 い, 完 成 させ た 時の 達 成 感も 味 わ わせ た い. ま た, 特別 活動 で経験 を生 かせる よう に したい.. ・子供が自分で最大限に表現できる環境を作りたい. ・ どの よう なも の を どの よう に した ら ど んな音 が出せる か を, 発見 させ る こと に 楽 しみ を感 じさ せる よう に した い. また, 音の表 現 の強 弱 な どにも 重点 をおいて, よりリ アル になる よう に指 導 した い. 144.

(10) . 児童の 「生きる力」 を引き出せる教師の育成を目指して 初等音楽科教育法の在り方をめぐって. ・ 音 に成 り きる 事 を重点 的に教 えた い. 音 に集 中 し, 意 識 する こ と により 目指 す 音 に 近 づ ける と思 う‐ 何 回も 録音 して 聞かせて, 目指 す 音 に近づ ける よう 指導 した い. ・ 児童 の アイ ディ ア の す ばら しさ に 共 感 でき る 教師 になり た い.. ④作品発表の時の支援の在り方について ・ 作品 を発表 する 時 に は, どの 点 を工 夫 した か, どこ に注 目 して聞 いて 欲 しい か を説 明 させ, 他 の生 徒 に 意識 して 聞 かせ た い. さら に, 作 品 につ いて の 意 見 交 換 を して, 他 人の創 造性 を認 める こ と ができる よ う な心 を育 てた い. (4) オノ マ ト ペ ・コ ンポ ジシ ョ ンの 学生 作 品の 創作 レポー トより. ◆作品の題名. 虫の声. ① 自分 たちの 作品 の セー ルス ・ ポイ ン トと工 夫 した点 ・ た だ虫 の 声 を表 現 する だ けで はなく, 人間の 声 を入 れる こ と で, 聞 い た 人 が どの よう な情 景 で, 虫の 声 が聞こ える の か, イ メ ー ジを膨 らま せる こ と が できる よう に工 夫 した. ・声 の調 子, 大き さ に変化 をつ ける こと で, 虫 が沢 山 い て ざわめ いて いる 感 じ, 夕方 から夜 に かけて段々 静 か にな っ てく る 感 じをう まく 表 現 しよう と した.. ②作品の創作に当たって苦労した点 ・人 間の 声 を虫 の声 に聞こ える よう にす る こ と. 虫 の 声 はず っ と 続 いて いる が 人 間 は呼 吸 しな いと息 が , 続 か な いの で, どこ で 間を とる か が難 しか っ た. ・虫 の声 が いく つ か重 なり, 人 の声 が入る 所 は, タイ ミ ン グが難 しか っ た.. ③創作を終えての反省と感想 ・最 初 は, 自分 の 声 を出 して 虫 の 声 を表 現 する の は, 恥 ずか しいと 思 い抵 抗 があ っ た. しか し 実際 グル , ー プ の仲 間 全員 で虫 の 声 をや っ て みて, どう す れ ば, 虫 の 声の よう に なる の か話 し合 い 工夫 して や っ , て み た らお も しろ か っ た. 楽 器 でやる の と は一味 違 い, 人 間の 声 が楽器 と なる 楽 しさ を知る こ と ができ た.. ◆作 品 の題名. タイ タ ニ ッ ク. ① 自 分た ち の作 品の セ ールス ・ ポイ ン トと 工夫 した点 ・作 品の 中の いく つ かの盛 り上 がりの場 面の 作 り 方 を工 夫 した.. ・物が崩れたりする音や水の音など, できるだけ多種類の表現をするよう心掛けた. ・ 沈黙 を利 用 して作 品 にメ リハ リ をつ けた. ・盛 り 上 がり か ら次 の サ ウ ン ドへ のつ な がり がス ム ー ズに いく よう 工夫 した . ・指 揮者 を設 けて, 合 わせる 所 や 入り 方, 流 れ がス ムー ズに行 く よう 工 夫 した .. ②作品の創作に当たって苦労した点 ・ 波の 音な どマ ンネ リ化 したも の で なく, 個 性 が出る も の を考 える 点 に苦労 した . ・ 遠く か ら聞こ える 感 じ を出 すの に, 苦 労 した.. ・場面の移り変わりをわかりやすく示すのに苦労した. ③創作を終えての反省と感想 ・ タイ タ ニ ッ ク は映 画 でか なり有名 なの で その 具 体 的なイ メ ー ジが 既 に定着 して いる その ため 今 回 , . , ペ オ ノ マ ト でタイ タ ニ ッ ク を表 現 する に あた り い かにそ のイ メ ー ジ にひ っ ぱ ら れ ず 自分た ちの 独創 , , 的 な も の を作 る か と いう 点 に最 も 苦 労 した. しか し 全 体 的にメ ンバ ー 全員 が 満足 して いる そ して , . , 楽 しんで創 作 できた こ と もま た, よ い点 だ っ たと 思う.. この学習の実践の結果学生は, 創作する過程での試行錯誤を通して, 作る喜びと苦労を体験し 自分達の , 145.

(11) . . . . 尾 藤 弥 生. 《. オ ノ マ ト ペ ・ コ ン ポ ジ シ ョ ン の. A. 学 生 作 品 の ス コ ア》. 、 竜 @◎⑬ ー 霊 善 つ の瀞 ◎ こ 認 ( レー・しデゼメこ. . . 至上 号. キ ソ. り Dが コ. . ◎. A r. ゾー ン. リ /ノ. も. “. ソ′ フ. ソ/ ン. 打. ′. ボ. ソー ン. 、 \. 〈 ギー 「 棚 声. .. . . ; 紬 墓 嫌 膿 認 群 矩 ‐ .地 ,. 山望も. は 豆砲様 嚢. ・ ▲. サザンジン. 鶴 畔′㈲\. . 、. お. . う. ーL ン ソノ ン. リー ン. フ. リー ン. . . ロ ,行間 封↑ メンバ /ん 安田。ぽβ.嵩袷燃え,大キ夏 ◆ 函がネ , 音楽. ノ. 宅. ,. リ キソキ-〆 ンノ ク. ソー. ソ 一 つ. ン/ フ. 誌器 も. / 、 ‐ ・ . ・ ラメ ′- く コネゴー 罰、 さ珊 r{ ′ ‐\・ \ ご. . . ・. … ふ た 黒 も 争議 岡彰 . . . 、. 146. . . 一 1 や ,. , 争シ “ご. . 1 ・. . .. ,. .. . //. ’. . .. 1 5. ・. ・. 、. ー. ・ L’. .,. 、 γF / ( ″ 会い”ムリケ) @g.

(12) . 児童の 「生きる力」 を引き出せる教師の育成を目指して 初等音楽科教育法の在り方をめぐって. 表 現 した いこ と を込 め た作 品 を発表 した とき の, 充 実感 と満足 感 を味 わ っ た. さ ら に 上 記 でま とめ たよう ,. に, 教えられるのではなく, 自分達が経験することを通して, 主体的に様々な指導の留意点や支援の在り方 に 気 づ く こ と が できた. 3-5. 和 楽器 からの ア プ ロー チの 実際 と考察. この和 楽 器の 学 習 で, ・学校の 「新学習指導要領」 で求められている自国の文化の理解を 音楽を通して , 深 め ら れる と考 えた. さ ら に, 和 楽器 を通 して, 自 ら考 え 学 ぶ 力も育成 できる と 考 えた. こ こ で は 和 楽 器 ,. 参8 )を取り上げた なぜ 「事」 を取り の中で, 誰でもすぐ日本的な音を出して演奏することができる 「事」( . 上げたのかというと, 上述の理由と共に, 小学校の 「新学習指導要領」 の 「第3 指導計画の作成と各学年 にわたる内容の取り扱い」 の2の (3) のエで 「第5学年及び第6学年で取り上げる旋律楽器は, 既習の楽 参 3 ) 器を含めて, 電子楽器, 我が国や諸外国に伝わる楽器などの中から児童の実態に応じて選択すること.」( と 記述 さ れて いる こ と にもよ る.. 一般的に 「峯」 を取り上げて授業を行うとき,「このように準備して, このように弾きます.」 と教えてし まうことが多い. しかし, ここでは, ある程度の 「峯に関する資料」 と 「事」 と 「事柱」 を班ごとに渡し , 次の活動を, 自分たちで試行錯誤しながら, 様々なことを発見しながら行わせたいと考えた. ①自分達で考えて, 音が出せるようにする. ② 「さくらさくら」 の楽曲が演奏できるようにする. ③ 「峯調 べ学 習」 と して, 次 の こと につ いて, 音 を出 しな が ら調 べる . ・ 峯 につ い て わ か っ た こ と をま と める.. ・日本的な音の演奏法を事で探す. ・他 の 楽器 と 比 較 しての 事の利 点 と不 便な点 につ い て調 べる.. この学習の実践の結果学生は, 初めて事の本物にふれ, とまどいながらも興味深く 試行錯誤しながら体 , 験 する こ と によ っ て, 事 に関 する様 々 なこ と を新 鮮な 感 動 と とも に発 見 し味 わ っ て い た さら に 自 分達 が . ,. 峯を経験することを通して, 解説書や映像から学ぶのとは違う実感のこもった体験をすることができた さ . らに, 次のような児童に指導する時の様々な留意点や支援の在り方にも気づくことができた . ①事は初めて取り組む楽器であったが, 自分達で考えながら取り組むことは 教えられるより身につくと思 , っ た の で, 児童 の指 導 にも 取 り 入 れた い.. ②音楽などの教科は食わず嫌いになりやすいので, 経験することを重視して 取り組ませ 楽しさを伝えた , . ③ ク ラス 全員 が触 れら れる よう 気 をつ け た い そ して でき れ ば二 人 に 一面の 肇 を確 保 した い ま た 経験 , , . , と して は本物 を使 っ た授 業 を行 いた い .. ④自分自身が今回事に初めて触れてみて, まずそれだけで感動が大きかったので 子供達にも事に触れさせ , て, そ の 特性 を知 っ て も ら い た い ~ 中 略~ こ れか らの 国際理 解教育 の 中 で 自文化 の理 解と して 峯 を取 り , 上 げて みた い.. ⑤音楽の授業に限らず 「総合的な学習」 の時間においても積極的に生かしたい . ⑥楽器の歴史についても学と せ, 日本 の文 化 に触 れる機 会 と して, 授 業 に生 か した い ‐ 等 であ っ た.. この学習を通して学生 は, 体験的に学ぶことの効果を感じとり実践に生かそうと考えた .. 147.

(13) . 尾 藤 弥 生. 4, まとめと今後の展望 本研究を通して, 音楽学習のさまざまな活動に, 自ら学び考える力を育成することを取り入れることによ り, 教科としての指導目標が, より一層効果的に達成された. 今後, 学生の自ら学ぶ力と考える力を育てら れる効果的な指導法とこの学習における児童への効果的な支援の方法などについて, 更に研究を進めたいと 考 えて いる.. 参考文献 (1 ) 1996 中央教育審議会第一次 答申 『21世紀を展望 した我 が国の教育の在り方につ いて』 ( 2) 1998 教育課程審議会答申. 文部省 pp .810. ( ) 1998 学習指導要領 3. 文部省 P 64 ‐. ( ) 1992 教育音楽別冊 4. 『創 造的な音づく りの 実践 ”つく っ て表現 しよう”』. 文部省. 音楽之友社 ( ) 1993 坪能由紀子監修 5. 『音楽をつくる』 CD コロン ビア COCCIO99各11000. ) 1982 尾藤弥生 ( 6. 『現代音楽の鑑賞をめ ぐっ て~創作指導からのア プローチ~』. 昭和5 7年度東京都高等学校芸術教育研究協議会研究紀要 ( )1 7 9 8 5 松本恒敏, 山本文茂. 7 7 6 『創造的音楽学習の試み』 音楽之友社p 6 ‐ p .. ( ) 1999 尾藤弥生 8. 『教育楽器と しての峯の可能性へのア プローチ』. 3 4 平成1 ‐ 0年度東京都高等学校芸術教育研究協議会研究紀要 p p .. (本学助教授 函館校). 148.

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