• 検索結果がありません。

発達障害児の「登校しぶり」へのコンサルテーション:―子どもと母親の関係の再調整をめざして―

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "発達障害児の「登校しぶり」へのコンサルテーション:―子どもと母親の関係の再調整をめざして―"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)発達障害児の「登校しぶり」へのコンサルテーション   一子どもと母親の関係の再調整をめざして一 専 攻 特別支援教育学 コース 特別支援教育コーディネーター. M091141圓山勇雄        I 問題と目的. 配慮をおこなった。.  発達障害児がもつ二次的障害への対応が課題. (4)具体的手続き:「登校しぶり」に焦点を当て、. となっている。発達障害児が不登校になるきっ. r主体的に登校する」ことを支援目標とした。. かけの多くは、対人関係の問題が多いことが指. A児の行動を轄特性と照らして説明し適切な. 摘されている。これまでの発達障害児の不登校. 関わり方について母親にアドバイスした。A児. 支援に関する研究は、家庭における生活リズム. に、パワーカードストラテジー(以下,PCS). の調整や適切な対応、家族の人間関係の調整、. やトークンエコノミー法などを登校への動機づ. 登校への動機づけ、学校における環境調整や配. け支援としておこなった。学校に対しては,個. 慮、発達課題への具体的支援、学校と家庭の連. 別的配慮(A児の好きなことや得意なことの設. 携などの視点でなされている。しかし、対人関. 定、居場所づくりなど)をお願いした。. 係の問題に視点をおいた研究はまだ少ない。. (5)記録の整理方法:生活表の記入を睡眠時間、. そこで、本研究では、発瀞轄児の「登校し. 服薬時刻、登校の様子(5件法)、イライラ度(3. ぶり」へのコンサルテーションを母子闘系の再. 件法)について母親に記入してもらった。. 調整という視点を中心に進め、主体的に登校す.         皿 結果. るために必要な支援について検討した。. (1)生活の変化:生活表の記入から、服薬はほぼ.         n 方 法. 一定時刻になった。2学期は平均魑民時間が多. (1)対象児:小学校通常学級に在籍する6年女児. く、ばらつきも大きかったが、3学期になり平. (以下、A児)。5年生夏休みに家庭で暴れるよ. 均睡眠時間はやや少なくなり、ばらつきも小さ. うになってから、種動性・多動性が目立つよう. くなった。3学期の睡眠は安定していた。. になり、市民病院を受診。AD佃D,PDDと診. (2)登校への動機づけ:PCSや11月末のトーク. 断された。支援期間は、X年7月∼X+1年3月。. ンエコノミー法①については、効果は限局的で. (2)問題の所在:学校や家庭からの聞き取りの. あった。1月中句のトークンエコノミー法②に. 結果、嘲なかなか起きられず登校をしぶること」. より9日間の主体的な登校が見られた。. 「妹とトラブルを起こしてしまうこと」r睡眠時. (3)学校での配慮1運動会で頑張れそうな係にし. 間や服薬時刻が安定していないこと」「家庭内や. て励ました。筆者の提案した登校時の個別の声. 学校での人間関係が安定していないこと」など. がけを2学期間担任は続けた。10月終わりに学. の問題が見られた。. 級でのトラブルで欠席をした際、拙壬は学級で. (3)支援の全体像1母親へのコンサルテーション. 話し合い解決した。トラブルが起こる度に話し.  (以下、面接)を中心とした。A死への個別指. 合いをおこない解決した。3学期の不登校状態. 導と併せて,学校との話し合いを進め、個別的. の時に教頭先生と話し合い、空いている場所を. 一212一.

(2) A児の居場所として設定した。教室に復帰でき. の積極的な関わりや承認があった月と重なって. るまで、断続的に利用された。. いる。これらのことが睡眠時間にも影響を与え. (4)母親の変化17・8月は、A児の言動が醐翠. ていたと考えられる。. できず、適切な関わりが難しかった。9月にA. (2)母子関係:母親へのコンサルテーションでは、. 児の行動に変化が見られたことから、A死への. A児に対する適切な関わり方をアドバイスして. 関わりが変化し、自らの対応を振り返れるよう. いった。望ましい行動が見られるようになった. になった。12月には、A児の状態をありのまま. ことで、A児に対する見方が変わり、母子関係. 受け入れる言動が見られた。1月におこなわれ. が安定していった。母子関係の安定は、登校行. たマラソン大会にA児が参加できたことを「う. 動の土台になったと考えられる。. れしい」と表現し、プリクラを一緒に撮ろうと. (3)学校における友だち関係11月終わり頃から、. 誘いに来たA児を「かわいい」と感じた。A児. クラスメートからの積極的な関わりをA児は受. のイライラ度は、2・3月に「少ない」の比率. け入れるようになった。これはA児の行動が落. が高かった。. ち着いたことが翻系していると考えられる。ク. (5)A児の変化=夏休みに服薬の時刻を一定にし、. ラスの雰囲気がA児に対して受容的になったこ. 生活リズムを整えたことで、落ち着いた夏休み. とも登校への動機づけの要因と考えられる。. を送ることができた。9月は運動会に向けて得. (4)登校への動機づけ支援:PCSやトークンエ. 意な係を頑張り、先生方に認められたことで嫌. コノミー法の効果は限局的であった。PCSに関. がらずに登校できた。10月になり、再び登校し. しては、A死へのフィードバッターが難しいかっ. ぶりを示すようになった。10月終わり頃に学級. たことが考えられる。トークンエコノミー法①. でのトラブルで初めて欠席した。その後トラブ. は、報酬を受け取るまでに1週間が必要であっ. ルの度に数日間欠席をした。12月ごろから徐々. たため、AD皿Dの遅延嫌悪が考えられた。ま. にしぶらずに登校する姿が増えた。1月に不登. た報酬のチケットヘの固執が少なかったのは、. 校状態になったが、トークンエコノミー法②や. 同時におこなわれていた母親からの言説勺賞賛. 居場所づくりなどで再び登校するようになった。. が社会的強化につながったと考えられる。. 2月にクラスメートが迎えに来てくれるように. (5)学校での配慮、:A児の登校支援だけでなく、. なり、登校しぶりは減少していった。. 学級内の人間関係づくりや母親支援など多岐に. (6)登校の様子:しぶらずに登校した日は、7月. わたっている。筆者がおこなった学校の取り組. の35%から9月には75%に上昇した。10月に. みへのねぎらいと言語的賞賛は、取り組みの継. 30%以下に減ったが、次第に上昇していった。. 続を図る一助になったと捉えられる。. 2・3月は主体的に登校する姿が多く見られた。. (6)今後の課題:本研究を母子脚系の再調整とい.         1V考察. う視点で進めてきた。その結果、母親だけでな. (1)目部民時間:9・2・3月は平均魑民時間が比. く、教師や友だちなどの関係の再調整の重要性. 較的少なく、ばらつきも小さかった。これは、. も和菱された。今後は、家庭や学校での人間関. 運動会や卒業式といったA児にとって興味のあ. 係の再調整という視点に立ったコンサルテーシ. る行事があった月、友だちの粘り強い説得やク. ョンについて深めていきたい。. ラスメ』トの自主的な迎えといった他の人から. 主任指導教員 宇 野 宏 幸. 一213一.

(3)

参照

関連したドキュメント

り最:近欧米殊にアメリカを二心として発達した

教育・保育における合理的配慮

 母子保健・子育て支援の領域では現在、親子が生涯

在宅の病児や 自宅など病院・療育施設以 通年 病児や障 在宅の病児や 障害児に遊び 外で療養している病児や障 (月2回程度) 害児の自

自由報告(4) 発達障害児の母親の生活困難に関する考察 ―1 年間の調査に基づいて―

平成 支援法 へのき 制度改 ービス 児支援 供する 対する 環境整 設等が ービス また 及び市 類ごと 義務付 計画的 の見込 く障害 障害児 な量の るよう

イ小学校1~3年生 の兄・姉を有する ウ情緒障害児短期 治療施設通所部に 入所又は児童発達 支援若しくは医療型 児童発達支援を利

 プログラムの内容としては、①各センターからの報 告・組織のあり方 ②被害者支援の原点を考える ③事例 を通して ④最近の法律等 ⑤関係機関との連携