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再生可能エネルギー地産地消型エネルギーマネジメントシステム

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Academic year: 2021

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1. 緒    言 地球温暖化の原因と考えられている CO2などの温室効 果 ガ ス の 排 出 量 削 減 の た め に,太 陽 光 発 電 ( PV: Photovoltaics ) や風力発電などの再生可能エネルギー( 以 下,再エネ )が国内外で急速に導入されている.しかし, PVや風力発電は変動性再生可能エネルギーとも呼ばれ, 天候や時間による変動が大きいという弱点を抱えている. これら変動性再生可能エネルギーの大量導入は,既存の電 力系統システムにおいて電圧や周波数といった電力の品質 に悪影響を及ぼすことが懸念されている ( 1 ).国内で導入 されている再エネの 40%程度 ( 2 ) は変動性再生可能エネ ルギーが占め,そのほとんどが PV である.PV の日中の 変動分は,出力調整が可能な火力発電などで電力の需給バ ランスを調整しているが,調整能力を超える PV 余剰電 力が生じた場合には,最終的に PV を抑制することにな る.第 1 図 ( 1 )に電力需給のイメージを示す.再エネ拡 大のためには,この行き場のない余剰電力の取扱いが課題 であり,既存の電力系統システムに支障をきたすことな く,かつ再エネの余剰電力を最大限に有効活用できること が望ましい. 株式会社 IHI はこのような課題に対する解決策の一つ として,地域で作った再エネ電力を地域内で完全に活用す る,地産地消型エネルギーマネジメントシステム( EMS: Energy Management System,以下,地産地消型 EMS )を 開発した.現在,地産地消型 EMS は,福島県相馬市に開 設した,そうま IHI グリーンエネルギーセンター ( 3 ) ( SIGC:

再生可能エネルギー地産地消型エネルギーマネジメントシステム

Energy Management System for Local Consumption for Local Product Control 稲 村 彰 信 技術開発本部プロジェクトセンター CO2 フリープロジェクトグループ 主査 高 井 紀 浩 ソリューション・新事業統括本部ソリューションエンジニアリング部 主査 技術士( 機械部門 ) 矢 野 美沙子 技術開発本部プロジェクトセンター CO2 フリープロジェクトグループ 濱 口 謙 一 技術開発本部プロジェクトセンター CO2 フリープロジェクトグループ 高 見   彰 資源・エネルギー・環境事業領域事業開発部 温室効果ガスの排出量削減のために,太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーが急速に導入されている. しかし,天候や時間による変動が大きい再生可能エネルギーの大量導入は,既存の電力系統システムに悪影響を及 ぼす可能性がある.2018 年 4 月に開所した,そうま IHI グリーンエネルギーセンターでは,地産地消型のエネルギー マネジメントシステム( 地産地消型 EMS )によって,既存の送配電系統に逆潮流できない制約条件のもとで,太 陽光発電電力を最大限有効活用している.本稿は地産地消型 EMS の概要およびその制御の特長について記載する.

There has been a rapid deployment of renewable energy systems such as photovoltaic generation systems and wind farms in order to reduce greenhouse gas emissions. However there is a high risk that many deployments of renewable energy systems may have a negative impact on the existing commercial power grid system due to large fluctuations caused by weather and time of day. The Soma IHI Green Energy Center ( SIGC ), launched on 2018 April, is equipped with the Energy Management System for Local Consumption for Local Product Control, in which the power generated by photovoltaic generation systems are consumed as far as possible in the center due to restrictions that prohibit back feeding to the commercial grid. This paper outlines and describes the features of the control implemented by the Energy Management System for Local Consumption for Local Product Control. 太陽光 発電 火力発電の 焚き増し 電気の需要 火力発電の制御 太陽光が需要以上に発電して 電力が余っているため抑制 発電出力 火力発電の焚き増し 火力発電( LNG・石油など ) 朝       昼       夜 ベースロード電源( 原子力発電・水力発電など ) 第 1 図 電力需給のイメージ Fig. 1 Graph of demand and supply of electricity

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Soma IHI Green Energy Center ) で運用している.SIGC の 周辺地域では既設の高圧配電系統の空き容量がゼロのた め,センター内で発電した PV 電力を既設系統に逆潮流 できないという制約がある.この厳しい制約のもと,地産 地消型 EMS は,PV 余剰電力を蓄電池や水素,蒸気など の別のエネルギー媒体へ転換・貯蔵することで再エネの地 産地消を実現している. 本稿では SIGC の取組み,地産地消型 EMS の概念お よび機能,制御システムを説明し,実運用の成果を述べ る. 2. SIGC の取組み 2. 1 SIGC のコンセプト ( 4 ) SIGCは,福島県相馬市と共同で相馬市の中核工業団地 の一画に,2018 年 4 月に開所したスマートコミュニティ 関連事業および実証の推進拠点である.第 2 図に SIGC の概要を示す. SIGCの基本コンセプトは,再エネ導入による地域での 温暖化ガス削減と街の防災機能の強化や地域活性化を目指 した,「 水素を活用した CO2フリーの循環型社会の構 築 」 ( 5 )である.また,相馬市復興計画と連携した新しい 街づくりの一助となるべく,将来の水素社会を見据えつ つ,エネルギーの脱炭素化を狙ったものである.この基本 コンセプトに基づき,地域でつくった再エネ電力を地域内 で完全消費する「 再エネの地産地消 」を実現するために, 変動する再エネに応じて余剰電力を蓄電池や別のエネル ギー媒体に転換・貯蔵し有効利用することを目指した.第 3 図にスマートコミュニティのコンセプトを示す. 次に設備やシステムの構築条件を示す. ( 1 ) 相馬市の立地・気象条件から再エネには PV を採 用する. ( 2 ) PV電力は既設系統に逆潮流が認められないため, 専用の自営線で下水処理場や SIGC 内設備に供給す る. ( 3 ) PV余剰電力は蓄電池に充電し,夕方や夜間に放 電することによってピークシフト対応する. ( 4 ) 余剰電力の一部は電気ボイラで蒸気に転換した 後,水電解装置で水素に転換し有効利用する. ( 5 ) 発電および余剰電力の蓄電池充放電や蒸気・水素 への転換を統括制御する. 2. 2 設備概要 SIGCの設備概要を第 1 表に示す.PV はパワーコン :太陽光電力 :燃料電池電力 下水汚泥乾燥設備 バイオ燃料製造実用化開発 水素製造研究設備 地域エネルギーマネジメント 管理棟 先進型太陽光発電設備 大容量 蓄電池 送配電設備 ( 6.6 kV 自営線 ) 下水処理場へ電力供給 災害対応事業 復興交流支援センターへ専用回線で電気供給 水素研究施設 ( 建設中 ) そうま IHI グリーンエネルギーセンター  相馬市光陽 2 丁目  相馬中核工業団地( 東地区 )  広さ:約 54 000 m2 相馬市下水処理場 災害時の 燃料電池発電 ( BCP ) 特定送配電事業 ( 小売供給含む )

( 注 ) BCP:Business Continuity Plan,事業継続計画

第 2 図 そうま IHI グリーンエネルギーセンター Fig. 2 Soma IHI Green Energy Center ( SIGC )

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ディショナー ( PCS:Power Conditioning System ) の出力 で 1 250 kW,標準的な世帯の約 500 世帯分を発電でき る.PCS には,小出力タイプを複数台組み合わせた分散 型を採用し,発電状況や需要側の変動に合わせて PV 出 力を制御できる. PV電力は,既設系統とは独立した専用の 6.6 kV 自営 線( こう長約 1 200 m )を介して,下水処理場や SIGC 内の各設備に供給している.なお,PV や蓄電池の電力が 不足する場合は,既設系統から電力を供給できるように なっている. PV余剰電力は蓄電池または蒸気,水素に転換され蓄え られる.蓄電設備はリチウムイオン二次電池( 容量 2 500 kW·h,PCS 出力 500 kW )を採用し,日中は余剰 電力を充電し夕方から夜間の需要に対し放電する運用を行 うほか,PV 電力の急激な変動にも追従して充放電を行い, 供給電力の安定化を図っている.蒸気は,電気ボイラで電 気から転換され,下水処理場で発生する汚泥の乾燥に利用 し,下水汚泥の減容化やその処理費用の削減に貢献してい る.また,水素は複数の水電解装置によって転換・貯蔵さ れ,停電などの非常時には燃料電池発電設備と専用配電線 によって非常用電源を供給できるようになっており,地域 の防災機能の強化に貢献している.貯蔵水素は,そのほ か,来る水素社会に向けた水素関連の研究に利用してい る. 余剰電力地産地消 下水汚泥乾燥 バイオ燃料製造 災害時の 燃料電池発電 燃料電池車 水素 水電解・貯蔵 熱 蒸気化・貯蔵 ほかの エネルギーキャリア に転換・貯蔵 相馬エリアの系統 空き容量ゼロ 一般送配電系統へ 逆潮流ゼロ 地域の需要家 ( 下水処理場など ) 太陽光発電 地域の エネルギー マネジメント 蓄電池 再エネ電力供給 水素供給 熱供給 第 3 図 スマートコミュニティのコンセプト Fig. 3 Concept of SIGC Smart Community

第 1 表 主要設備一覧

Table 1 Specification of major facilities in SIGC

設 備 区 分 設 備 ・ 機 器 名 称 仕        様 発 電 設 備 太陽光発電 ( PV ) 発電出力 1 600 kW,PCS*1群( 計 38 台 )出力 1 250 kW 蓄 電 設 備 リチウムイオン二次電池 容量 2 500 kW·h,PCS*1 500 kW 熱 転 換 設 備 電気ボイラ 最大出力 400 kW 水 素 転 換 設 備 災害対応設備 PEM*2型水電解装置 水素製造能力 15 Nm3/h 水素貯蔵タンク 水素貯蔵容積 150 Nm3 ( 0.85 MPa ) PEFC*3型燃料電池 最大出力 25 kW 水素製造研究設備 PEM *2型水電解装置 水素製造能力 30 Nm3/h アルカリ型水電解装置 水素製造能力 25 Nm3/h 配 電 設 備 高圧配電設備( 自営線 ),系統連系受電設備 6.6 kV こう長約 1 200 m 既設系統連系点にて逆潮流防止機能付 非常用低圧配電設備 200 V/400 V こう長約 600 m 制 御 監 視 設 備 ( 地産地消型 EMS ) CEMS( 地域エネルギーマネジメントシステム ) 見える化,発電および需要予測,状態監視,計画 LLC( 地産地消制御システム ) 逆潮流防止制御,発電監視,充放電監視,余剰電力配分制御,既設系統からの購入電力監視

( 注 ) *1:Power Conditioning System

*2:Polymer Electrolyte Membrane,固体高分子膜 *3:Polymer Electrolyte Fuel Cell,固体高分子形燃料電池

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これらの発電,蓄電,需要設備は,地産地消型 EMS に よって統括監視・制御され,安定した PV 電力の供給お よび既設系統への逆潮流防止のためのさまざまな制御が行 われている. 3. 地産地消型 EMS の概要 SIGCおよび周辺地域は,既設系統の空き容量がゼロ で,新規の再エネ電力は発電しても既設系統には供給 ( 逆潮流 )できない.そこで SIGC では,地産地消型 EMSの構築にあたり,PV の発電量および需要の予測・ 監視・計画を行う地域エネルギーマネジメントシステム ( CEMS:Community Energy Management System ) に加 え,PV 余剰電力の既設系統への逆潮流防止と自営線内で 蓄電および蒸気・水素に転換し,再エネを最大活用するた めの各設備・装置を統括制御する地産地消制御システム ( LLC:Local consumption for Local product Control ) を構 築した.すなわち,地産地消型 EMS は,CEMS と LLC の二つによって構成される.以下,地産地消型 EMS の中 核となる LLC の制御内容について解説する. 4. LLC の制御 LLCは下水処理場などで消費しきれない PV 余剰電力 が生じた場合や自営線内需要が低負荷時において,次の機 能を担っている. ( 1 ) 蓄電池充放電監視および時間帯別制御による余剰 電力タイムシフトと変動平滑化 ( 2 ) 自営線系統内の低負荷時における PV-PCS 運転 台数制御 ( 3 ) 既設系統からの購入電力上下限の逸脱防止制御 ( 4 ) PV余剰電力の蒸気・水素への変換量制御 冒頭で述べたように,変動性再生可能エネルギーである PVは,時間帯や天候などの周囲環境によって発電電力が 増減する.LLC は,上記四つの制御によって,コミュニ ティ内での需給状況を統括して制御することで,既設系統 に逆潮流することなく,発電電力と負荷電力とのバランス を維持している. LLCのフィードバック・ループの模式図を第 4 図に示 す.以下,第 4 図を参考にしながら,これらの機能につ いて説明する. 4. 1 蓄電池充放電監視および時間帯別制御による余剰     電力タイムシフトと変動平滑化 LLCは,PV 余剰電力の一部を昼間に蓄電し,夜間に 使用するタイムシフトを行う.この余剰電力の活用は,あ らかじめ設定された蓄電池の充放電タイムスケジュールに 従って時間帯別に制御されており,充電された余剰電力は 主に下水処理場の夜間負荷に使用され,夜間購入電力の削 減に寄与している. また PV の発電量は雲の陰りによる影響で,1 秒間で定 日射計 日射量 PV推定部発電量 PV発電能力指標 設備負荷 目標値 負荷指令値 負荷指令値 電気ボイラ 需要家推定値 消費電力( 推定値 ) 負荷 計算部 分配部負荷 系統連結点 購入電力 購入電力 購入電力 時 刻 購入電力 充放電電力 水電解装置 蓄電池充放電制御部 PV-PCS台数制御部 PV実発電電力 PV実発電電力 充放電指令値 充放電電力 PCS運転台数指令 蓄電池 PV発電設備 消費電力 消費電力 消費電力 需要家 4. 4*1 4. 1*1 4. 3*1 4. 2*1 ( 注 ) *1:本文内のそれぞれの節を参照. 第 4 図 地産地消制御システム ( LLC ) のブロック線図

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格の 50%以上変動し得る.LLC はこの変動量を蓄電池に よる充放電電力で PV 実発電電力を平滑化し,PV 出力変 動を緩和して,自営線系統内の電力需給バランスの安定性 を高めている.具体的には,PV 実発電電力値と移動平均 値から求めた値の差分を充放電指令値とし,PV 実発電電 力の変動を平滑化している. 4. 2 自営線系統内の低負荷時における PV-PCS 運転     台数制御 逆潮流防止のためには,常に 0 kW 以上の購入電力が 自営線系統内に流れている状態を維持しなければならな い.そのため LLC では,逆潮流防止制御も行っている. 第 5 図に逆潮流防止制御のレベル設定を示す.購入電力 の低下( 自営線系統内負荷に比べて PV 実発電電力が大 きいとき )に応じて五つの動作モードを備えている.レ ベル 0 は購入電力が 110 kW を下回った場合の蓄電池に よる充電バイアス制御であり,詳細は 4. 3 節で述べる. レベル 1 は,購入電力が 65 kW を下回ったときのモード であり,このレベルでは購入電力が設定されたしきい値を 低下するごとに,1 台の PCS を停止させる.レベル 2 で はさらに購入電力が 51 kW を下回った場合であり,この レベルの状態が続く限り,ある演算周期ごとに 4 台ずつ PCSを連続停止させる.レベル 3 は PCS 一斉停止,レ ベル 4 は逆電力リレーのトリップで逆潮流を防止するが, これらは基本的に異常時の対応で,通常運転ではレベル 0 からレベル 2 による制御で逆潮流を防止する. 4. 3 既設系統からの購入電力上下限の逸脱防止制御 SIGCでは電力系統への逆潮流および購入電力の超過を 防ぐため,4. 2 節の PCS 台数制御に加え,購入電力に応 じた充放電バイアス制御を行っている.第 6 図に充放電 バイアス基本波形を示す.具体的には,PV 余剰電力増加 などで購入電力量が下限設定値( 第 5 図のレベル 0 )を 下 回 る と, 一 定 時 間, 蓄 電 池 の 充 電 量 に バ イアスをかけ,購入電力を一時的に増加させる( 第 6 図 - ( a ) ).なお,バイアスをかけた状態で再び購入電力 下限値を下回る場合は新たなバイアス波形を印加し,先に 印加したバイアス波形を加算する. 逆に購入電力量が上限設定値を上回ると,蓄電池の放電 量にバイアスをかけ,購入電力を一時的に減少させ,購入 電力の上限逸脱を防止する( 第 6 図 - ( b ) ).こちらもバ イアスをかけた状態で再び上限値を上回る場合,充電時と 同様に新たなバイアス波形を印加し,先のバイアス波形と 加算する. 4. 4 PV 余剰電力の蒸気・水素への変換量制御 4. 2 節では PV-PCS の段階制御による PV 出力抑制に ついて説明した.しかしながら,PV-PCS を停止させた状 態を長時間継続することは,PV で本来得られたはずの電 力を破棄していることになるため,エネルギーマネジメン トの観点からは好ましくない.LLC は,PV 電力が過剰 110 kW 65 kW 51 kW 36 kW −36 kW 購入電力 レベル 1 PCS 段階停止 レベル 2 PCS 連続停止 レベル 3 PCS 一斉停止 レベル 4 逆電力リレーのトリップ レベル 0 充電バイアス付与( 蓄電池 ) 第 5 図 逆潮流防止制御 レベル設定 Fig. 5 Settings to prevent back feeding

( a ) 充電時 ( b ) 放電時 購入電力下限制限 作動設定値 ( x kW ) を下回った TMch VMch Mch ( 注 ) :充電バイアス基本波形 Mch :充電バイアスの大きさ TMch :充電バイアス基本波形を Mch で維持する時間 VMch :Mch からゼロへ向かう変化率 時 間 購入電力上限制限 作動設定値 ( y kW ) を上回った TMdch VMdch Mdch ( 注 ) :放電バイアス基本波形 Mdch :放電バイアスの大きさ TMdch :放電バイアス基本波形を Mdch で維持する時間 VMdch :Mdch からゼロへ向かう変化率 時 間 第 6 図 充放電バイアス基本波形

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な場合,グリッド内の設備負荷( 水電解装置・電気ボイ ラの消費電力 )を自動的に増加させ,積極的に PV 電力 を別のエネルギー媒体( 水素・熱 )に変換・蓄積してい る. SIGC内の設備( 水電解装置・電気ボイラ )負荷は, 第 4 図の負荷計算部によって計算される.系統内部での 電力バランスを考えると,以下の ( 1 ) 式が成り立つ.

Pbuy+ Ppv= Pload+ Pd+ Pbat ... ( 1 )

Pbuy :購入電力 Ppv :PV 実発電電力 Pload:設備負荷電力 Pd :需要家消費電力 Pbat :蓄電池充放電電力( 充電:正,放電: 負 ) この ( 1 ) 式を基にして,負荷計算部では,以下のよう に設備負荷目標値 Ploadref を決定している.

Ploadref = Pbuy+ Ppv-index- Pd- Pbat ... ( 2 )

ここで,Ppv-indexは日射量から算出される PV が出力可 能な最大電力( PV 発電能力指標 )であり,実際の PV 電力ではないことに注意されたい.Ppvは PV-PCS による 台数制御の影響を受けるため,Ppvそのものから PV で抑 制されている余剰電力を推定できない.そのため,LLC では,Ppvではなく,Ppv-indexを基に,設備負荷を決定して いる.なお,SIGC における主な需要家は下水処理場であ り,Pdは Ppvに比べ安定しているため,負荷計算部の Pd には固定値を設定している. 負荷計算部の出力である設備負荷目標値は,電気ボイ ラ・水電解装置の定格消費電力の比や,水素需要・熱需要 などをもとに,負荷分配され,各指令値がそれぞれの装置 の制御器に伝達される.このように,LLC は購入電力量 をもとに,PV 余剰電力を蓄電池のみならず,蒸気・水素 といったエネルギー媒体に変換・貯蔵できる. 5. 実際の設備負荷制御の動き 実際の SIGC における LLC 制御の結果を紹介する.第 7 図は 2019 年 2 月 7 日の SIGC における 1 日の電力需 給バランスの推移を 1 時間単位で示したものである.電 力需要側を下部に,電力供給側を上部に並べて表示してい る.また,図中の設備合計消費電力とは,電気ボイラ,水 電解装置の消費電力の合算値である. 第 7 図の充放電電力に注目すると,日中の PV の余剰 分を蓄電し,日没後に放電することで,エネルギーシフト を行っていることが分かる.また,PV 実発電電力の増加 に伴い,設備合計消費電力を増大させて,系統内の電力需 給バランスを維持していることも分かる.さらに,購入電 力は安定して約 100 kW 以上を維持しており,既存系統 への逆潮流が発生していないことが分かる. 第 8 図は,同日の PV 実発電電力と PV-PCS 稼働台数 ( 最大 38 台 )を 1 分単位で示したものである.日中,一 部の時間帯に PV-PCS が数台停止しているが,すぐに稼 24 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 時 刻 ( h ) 11 10 9 8 7 6 5 500 −500 −1 000 −1 500 1 000 1 500 4 3 2 1 0 0 電力需要 ( − ) /電力供給 ( + ) ( kW·h ) :購入電力 :PV 実発電電力 :充放電電力 :設備合計消費電力 :需要家消費電力 ( 計算値 ) ( 注 ) 2019 年 2 月 7 日の SIGC における 1 日の電力需給バランスの推移 第 7 図 電力需給バランス Fig. 7 Power supply/demand balance at SIGC

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働台数を回復させており,PV 抑制を最小限に収めている ことが分かる. 以上のデータから,LLC は,マイクログリッド内で発 生した余剰な PV 電力を,蓄電池や電気ボイラ・水電解 装置を統合制御することで有効活用し,再エネの地産地消 を実現していることが明らかである. 6. 結    言 本稿で紹介した地産地消型 EMS の中核である LLC に よって太陽光発電,蓄電池,余剰電力やその他負荷を統括 制御することで,SIGC では再エネの地産地消を完全に実 現している.今後,大量の再エネ,特に変動性再生可能エ ネルギーが増加すると,系統の容量の問題などによる導入 量の制限や,想定以上に出力制限がかかるケースなどが想 定できる.そのような場合でも本 EMS を展開することで 既設系統に影響を与えることなく再エネの拡大を実現でき る.よって筆者らは,本 EMS が今後の再エネ拡大の問題 に対する一つの解決策になると考えている. ― 謝  辞 ― 本稿は,経済産業省「 スマートコミュニティ導入促進 事業 」および福島県「 地域復興実用化開発等促進事業 」 の支援を受け構築し,得られた成果の一部をまとめたもの です.相馬市をはじめとする関係各位のご厚こ う ぎ誼に対し,こ こに記し深く感謝の意を表します. 参 考 文 献 ( 1 ) 経済産業省資源エネルギー庁:再エネの大量導入 に向けて ~ 「 系統制約 」問題と対策,2017-10-05, https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/ saiene/keitouseiyaku.html,( 参照 2019. 9. 26 ) ( 2 ) 認定 NPO 法人環境エネルギー政策研究所: 2018 年( 暦年 )の国内の自然エネルギー電力の割合 ( 速報 ),2019 年 4 月,https://www.isep.or.jp/archives/ library/11784,( 参照 2019. 9. 26 ) ( 3 ) 株式会社 IHI:地産地消システムによるエネル ギー循環型社会の幕開け,IHI 技報,Vol. 58,No. 2, 2018年 6 月,pp. 4 - 7 ( 4 ) 高井紀浩:相馬市で展開する再エネ地産地消型ス マートコミュニティの概要,配管技術,2019 年 4 月 号 ( 5 ) 福島県相馬市:相馬市マスタープラン 2017,第 3編 第 6 章 第 1 節「 環境保全体制の整備と低炭素 社会の推進 」,2017 年 12 月 24:00 21:00 18:00 時 刻*1 ( h:min ) 15:00 400 0 −200 1 000 1 200 9:00 12:00 6:00 3:00 0:00 200 600 800 20 10 5 0 35 40 15 25 30 PV 実発電電力 ( kW ) PCS 台数 *2 ( 台 ) :PV 発電中 PCS 台数 :PV 実発電電力 ( 注 ) *1:2019 年 2 月 7 日,SIGC にて *2:最大 38 台 第 8 図 PV 実発電電力と PCS 稼働台数 Fig. 8 Actual PV power generation and PCS operation number

Fig. 2 Soma IHI Green Energy Center ( SIGC )
Table 1 Specification of major facilities in SIGC
Fig. 4 Block diagram of Energy Management System for Local Consumption for Local Product Control
Fig. 6 Basic waveform for charging/discharging bias – under charging
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