第66回 月例発表会(2004年04月) 知的システムデザイン研究室
次世代
Windows
・その他の次世代
OS
∼次世代 Windows,その名は Longhorn∼
河本 敏孝,斉藤 宏樹
Toshitaka Kawamoto,Hiroki Saito
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はじめに
我々が一番よく知る OS といえば Microsoft 社の Win-dowsがあげられる.1992 年に発売された Windows3.1 が PC/AT 互換機用の標準 OS として普及し,その後 95, 98,Me,NT,2000 とバージョンアップしていった.最 新のバージョンは WinowsXP と呼ばれる OS であり,こ こではその XP の後継となるであろう OS,コードネー ム「Longhorn」について述べる.2
Longhorn
Longhornとは,XP の後継であり,Fig. 1 に Windows の歴史と Longhorn の位置づけを示す. Windows1.0 OS/2 Longhorn Windows3.0 Windows3.1 Windows95 Windows98 Windows Me Windows XP HomeEdition Windows NT 3.1 Windows NT 4.0 Windows 2000 Windows XP Professinal 1985ᐕ 1990ᐕ 1995ᐕ 2000ᐕ 2005ᐕ
Fig. 1 Windowsの歴史と Longhorn
高機能な情報検索「WinFS」というファイル管理シ ステム,Windows アプリケーションに Web 機能を融合 する「Avalon」,Windows のコミュニケーション関係 を一括し,基本的には Web サービスとのコミュニケー ションを行う「Indigo」という 3 つの大きな機能を備え た OS である.その概要を Fig. 2 に示す. Longhorn は 2006 年前半を発売時期として目標にし ており,推奨スペックはβ版で CPU 1.6GHz 以上,メモ リ 1GB,グラフィックボードは最低でも DirectX 7,推 奨は DirectX 9 対応で,VRAM 64MB 以上である.実 勢価格は WindowsXP と変わらないようである.
Avalon WinFS Indigo
Presentation Data Communication WinFX
Base Operating System Service
Fundamentals ASP NET Windows Forms
ADO NET Collaboration
Fig. 2 Longhornのアーキテクチャ概要 2.1 Avalon グラフィック機能を向上させる API で,特別なアプリ ケーションを使用しなくても,デスクトップ上に 3D グ ラフィックスやビデオを表示できるようになる. これまで Windows はビットマップ形式で描画データ を管理していたのに対し,Avalon ではベクトル形式で管 理することになり,描画データをスケーラブルに拡大/ 縮小したりウィンドウの半透明化や重ね合わせなどの処 理が容易になる.
2.2 WinFS(Windows Future Storage)
SQLデータベースをエンジン部分にファイルシステ ムとして利用していることにより,Longhorn に保存さ れているデータを横断的に検索できる. パソコン上のどこにあるのかわからない情報をイン ターネットの検索エンジンが情報を分類・整理している ようにパソコン上のある情報を勝手に分類・整理するよ うになり,ファイルの分類を気にする必要がなくなる. 全フォルダは,種類や題名,カテゴリ,コメントなどさ まざまな基準で分類することが可能である.自分でファ イル名などをつけなくともコンピュータが勝手に分類す る機能である. 従来の Win32 API でもファイル形態の情報は出し入 れできるが,WinFS API はファイルと非ファイルいず れの情報も出し入れできる.格納された情報を自動で 「グラフ」構造に組織化し,情報を見つけ出しやくする こともできる.WinFS の構造については Fig. 3 に示す. また,実際の検索画面を Fig. 4 に示す.ファイルの種 類やサイズ,どの場所を検索するか,など細かに設定す 1
ることが可能で,検索したいファイルについて何か情報 があれば検索できるようになっている.
WinFS Win32 API WinFS API ޓ↹߿ᢥᦠ 㔚ሶࡔ࡞߿ࠕ࠼ࠬ ࠺࠲ߩᩰ⚊ሽ ࠺࠲ߩᩰ⚊ሽ ᩰ⚊ߐࠇߚ࠺࠲ߩ ᩰ⚊ߐࠇߚ࠺࠲ߩ ⚵❱ൻ㑐ଥᕈᜬ ⚵❱ൻ㑐ଥᕈᜬ ᄖㇱࠬ࠻ࠫߣߩᄖㇱࠬ࠻ࠫߣߩ࠺࠲หᦼ࠺࠲หᦼ jpeg࠺࠲ doc࠺࠲ ppt࠺࠲ Fig. 3 WinFSの構造 Fig. 4 WinFSの検索画面 2.3 Indigo
Webサービスは従来の.NET Framework でも特徴的
な機能だったが HTTP 経由でメッセージをやり取りす るだけの基本的な機能しかなかった.実システムでは, メッセージを確実に送り届ける機能や,メッセージの暗 号化,トランザクション処理などが求められるが,.NET Frameworkでは開発者が作りこむ必要があった. Web サービスでこれらの機能を実現する技術は発展 途上にあった.Microsoft も.NET Framework のリリー ス後,最新技術に対応するためにアドオン・モジュール 「Web Service Enhancement(WSE)」を使って,開発
者が楽に Web サービスを使えるように努めてきた. Microsoft によれば,.NET Framework で実用的な
Webサービスを開発するには 5 万行程度のコードを必 要としたという.WSE によってある程度削減したがそ れでも 2 万 8000 行必要だった.これに対して Indigo で はそれぞれ 1 行程度の宣言でこれらの機能が有効にな る.Table 1 にその比較を示す.
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セキュリティ
現在の Windows は,非常に多くのセキュリティ上の脅 威にさらされている.Longhorn では「Next-Generation Table 1 実用的 Web サービス構築に必要なコード桁数Visual Studio WSE Indigo
セキュリティの確保 20379 10 1
信頼性の確保 5988 1804 1
トランザクション 25507 25507 1
(米 Microsoft の資料より引用)
Secure Computing Base(NGSCB)」という基盤にも とづいてセキュリティを高めている.NGSCB の特徴は ハードウェアと対になってセキュリティを強化する点で キーボードやマウス,グラフィックボードなどの周辺機 器にもセキュリティ効果が盛り込まれる. NGSCB に対応した新しいプロセッサには,「nexus(ネ クサス)」という新しい動作モードが追加され,nexus モードのみで稼動する新しい OS カーネル「nexus コン ピューティング・エージェント(NCA)」が追加される. NCAは従来の Windows カーネルと並列であり,プロ セッサの nexus モードと通常モードを切り替えること で,従来の Windows カーネル/プログラムもこれまで通 り利用できる.nexus モードが予約したメモリ空間では, データはハッシュ化して記録されている.このため通常 モードの環境からは,許可がない限り nexus モードの データは読み出せない.また通常モードからは,nexus モード用のメモリー空間には一切書き込めない.