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実船プロペラ性能の近似計算法について : 相当無限翼数プロペラ計算法の改良

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(1)

実船プロペラ性能の近似計算法について : 相当無

限翼数プロペラ計算法の改良

著者

上田 耕平, 中山 博

雑誌名

鹿児島大学水産学部紀要=Memoirs of Faculty of

Fisheries Kagoshima University

39

ページ

99-112

別言語のタイトル

On an Approximate Numerical Method for

Estimating the Performance of Actual Ship

Propeller : Improvement of a Numerical Method

for the Equivalent Infinitely-Bladed Propeller

URL

http://hdl.handle.net/10232/13392

(2)

Mem・Fac、Fish・KagoshimaUniv., Vol、39,pp、99∼112(1990)

実船プロペラ'性能の近似計算法について

− 相 当 無 限 翼 数 プ ロ ペ ラ 計 算 法 の 改 良 一

上 田 耕 平 , 中 山 博

OnanApproximateNumericalMethodforEstimating

thePerformanceofActualShipPropeller

-ImprovementofaNumericalMethodfortheEquivalentlnfinitely-BladedPropeller−

K

o

h

e

i

U

e

d

a

l

a

n

d

H

i

r

o

s

h

i

N

a

k

a

y

a

m

a

Kaywords:Performanceofpropeller,non-uniformflow,thrust,torque, propeller Abstract Thepropellerofashipgenerallyoperatesinawakebehindthehull・Thenthepropeller receivescomplicatedandmutualinterferencewithahullandarudder・Weusuallydivide theshipintothreepartsi.e・thehull,thepropellerandalsotherudder,whenweconsider theproblemoftheshippropulsiveperformance・Thepropelleroccupiesanimportantpart ofshippropulsioninthesensethatitaffectsthehullandtherudderlargely・Moreovera propelleroperatesinsuchanon-uniformflow,andthenwerequireanumericalmethod thatthecalculationofthepropellerperformanceiseasyandthecomputingtimeisshort・ Andsuchacomputationmethodshouldbeabletoestimatewelltheforcesandthemo− mentsactingonthepropellerandalsothevelocityfieldarounditfinely、 Forthispurpose,therearesomecomputationmethodsbasedon“equivalentinfinitely-bladedpropeller"・However,thevalueofasectiondragcoefficientofapropellerblade wastakengenerallytoolargeinthesemethods・Thereforethesemethodsareinappropri-atewhenthescaleeffectorthecharacteristicsofanactualshippropellerareestimated・ Inthispaper,inordertotakeintoaccounttheviscouseffect,theauthorsattemptto improvethenumericalmethodbasedontheUeda-Yamazaki,stheoryof“equivalentin-finitely-bladedpropeller"、Andthenresultsarecomparedwiththeexperimentalvalues・ Anapplicationtoanactualshippropellerisalsoexamined. 船のプロペラは,一般に船体の後方に位置し,その直後に舵が置かれている。従って,プ ロペラは船体の後方伴流の中で稼働しており,さらに船体および舵との複雑な相互干渉を受 けている。このような船の推進性能を考える場合,一般に船体,プロペラ,および舵の3つ *'鹿児島大学水産学部漁船運用学講座(LaboratoryofFishingVesselSeamanship,FacultyofFish‐ eries,KagoshimaUniverstity,50-20Shimoarata4,Kagoshima890,Japan)

(3)

lOO 鹿児島大学水産学部紀要第39巻(1990) の構成部分に分けて考えるが,その中でプロペラは船体,舵に大きく作用するという意味で

推進性能の中核的な部分を占める')。プロペラ性能の数値計算方法は,揚力面理論や境界要

素法2)を用いた多くの計算例が報告されており,さらに単独プロペラ性能に関しては,模型

プロペラと実船プロペラの尺度影響も明かにされてきた3)。しかしながら船の推進性能を考

える場合のように,不均一流中で稼働し,ざらに周囲の構成部分との相互干渉を考える場合 は,プロペラ自体の性能計算は簡単で計算時間が短く,さらに流体力や近傍の流場ができる だけ良好に推定できる計算法が必要である。このような考え方に基づいた多くの計算例が発

表されてきたが1,4-7),従来のこれらの近似計算においては流体力の計算でプロペラ翼の断

面抗力係数CDの値が確かなものが無いと言う事から,CDの値を推定または仮定しており,

例えば上田はCD=0.010を使用している。また森山1)は,多くのプロペラについて計算値と

実験値を比較してCDの推定式を導き,それを用いたプロペラ単独性能の計算値は実験値と

よく合うことを示している。しかしながらこれらのCDの値は上田の計算値3)やITTC78に

よる推定値8)に比べて大きすぎるために尺度影響や実船プロペラの性能を推定する上で不都

合を生じることが分かった[付録参照]。

これらのことから本論文では,前論文9)で述べた相当無限翼数プロペラの理論式を基に数

値計算方法の改良を行い,その適用例として数種のプロペラについてプロペラ単独性能を計 算し,得られた値を実験値と比較するとともに実船プロペラへの適用を検討する。 1 . − 般 論 本論文では船体や舵の影響を含めた不均一流の中で定常的に作動しているプロペラの性能 を取り扱う。

まずプロペラと共に平行移動する直交座標系0司りzをとる。これは

y=rcos8, j w = 灘 , z = γ s i n 8 (1) によって円筒座標系0−鱒,.βに変換できる。今座標系の原点0をプロペラの回転軸上の一点 に固定し,鱒軸をプロペラの回転軸に一致させる[Fig.1参照]。流れは非圧縮性,非粘性の 密度pの無限流体とし,その主流はvの速度で鰯軸の正の方向に流れており,プロペラは 鄭軸のまわりをβの負の向きに一定の角速度Qで回転しているとする。さらにプロペラのま y Z Fig.1.CoordinateSystemofPropeller

(4)

(4) 101 2γ〃K(γ) わりの流れには主流vの他に位置のみに関係し,時間tに無関係な不均一流れがあり,そ

の灘,y,z,γおよびβ方向の成分をそれぞれzノハ‘,zIy,zノ露,zノアおよびz'8とすると

叫=zlycos8+zノzsin8,U8=−zIysin8+zノzcos8(2)

の関係が成立し,また連続の条件すなわち 叫γ へ○ へ。 + 鴎灘 へ◎ へ。 aU8 弧一能 十

幽即

十 弧一郎

+旦竺+

γ (3)

"

'

(

γ

”1γ=0,”18=− I,(γ,β) ra8 が成立しなければならない。なお簡単化のためにzノ、,,z,『およびz'8によるvorticityは近似的 にZeroとして取扱う。 プロペラは翼数K,半径γ0,ボス半径功で,半径γにおける断面の翼弦長c(γ),有効ピッ チ2,rα(γ)とすると,推進′性能の立場から,近似的にrake,skewおよび翼厚を無視し,半径 方向の脆(γ)および2'rα(γ)の分布を保持するような無限翼数のプロペラすなわち相当無限翼 数プロペラで置換えることができる。このときプロペラ面(P)は た だ し 0 ≦ β ≦ 2 汀 γ,2+γ2-21.'γCOS(β'−8) 灘=0, 功≦γ≦γ0, 8=8, で表わされる。 きてプロペラを流体力学的に表わすために,(4)で表わされるプロペラ面(P)上に半径方 向に軸をもつboundvortexと,それから発出するfreevortex分布で置換える。このとき(P) 上のdm8内に含まれるboundvortexの強さをr,(γ,β)。、βとし,freevortexはその強さ を保持しながら一定なピッチ2,r〃の螺旋面となって無限後方まで伸びていると仮定する。 このときプロペラの速度ポテンシャル弁は

昨=かノ(2願Ⅲw縦)c,‘8((5)

た だ し 〆/〃 1|伽 G r,(γ,β) 上田,中山:実船プロペラ性能の近似計算法について 灘2+〆2+,、2−21.'γCOS(β'−8) rsin(β'−8)

(

'

0F

で表わされる。さらにプロペラ面(P)およびその後方の流れの場にはvorticityがあるため 非ポテンシャル流れがあり,その灘,γおよびβ方向の成分をそれぞれ”,x,”,γおよび”,βで 表わすと,翼数の影響を考慮して

/

扉冒

(6) +γ2-21.''・COS(β'−8)

(5)

a砿 102

(

γ

+

,

,

)

-

(

v

+

(

(7) onthedomainac=0,耐≦γ≦叩, I,(γ,β) ”,γ=0,”,8=− γ onthedomain灘>0,耐≦γ≦γ0, F(γ,β) ”1x=

+

J

(10) 〃 (8) た だ し

(

,

)

=

÷

c

o

s

-

1

e

x

p

l

-

K

l

1

-

(9) た だ し とおくことができる。 次にプロペラ面で満足きれなければならない境界条件は,近似的に

2黒=+鈴;

)

=

)

(

W

,

(

(11) 鹿児島大学水産学部紀要第39巻(1990) (14) 型γ (12)

(

,

)

=

魂=☆ハル,‘胴‘=制鯨〔"ル)肌

=0forγ=晩 a灘

1

1

.

0

7

-

1

.

0

5

c

(

'

9

e

)

/

0

.

3

7

5

(

c

(

,

)

/

)

2

(13) とおくことができる。ここで(10)式のがは速度ポテンシャルの式(6)においてF('・'’8')を F(γ’8)に置換えたものに等しい。またfreevortexのピッチ21rノ@は次式によって求めること ができる, た だ し

2γ

)

2随K

(

(,

.)

)

+

(

I

'

+

2

(6)

上田,中山:実船プロペラ性能の近似計算法について 103 さらに近似的には,

I

=

(

)

+

Q

γ

)

,

_

(15)

とおくことができる。ここで(10),(14)式の〔〕(p)は(4)式で表わきれたプロペラ面(P)上

における〔〕内の値を表わす。銘はプロペラの代表半径を表わし, 脇=0.7叩 (16) を採用する。 以上の条件からboundvortex分布r,(γ,β)が求められる。ここで尺度影響として粘性修正 係数KVが与えられると,得られたr,(碗β)にKvを掛けた値,すなわち I,*(髄β)=KvI,(γ’8) (17) を改めてr,(γ,β)の値として採用する。 I ,(γ’8)の値が確定すると,プロペラに働く力およびモーメントの各成分を求めることが

でき,鱒,yおよびz方向の力の成分をE‘,FyおよびF富とし,灘,yおよびz軸まわりのモーメ

ントをMr,M3,および雌とし,ざらにプロペラに働く推力およびトルクをTおよびQ,プ

ロペラ翼断面の抗力係数をCDで表わすとこれらの諸力およびモーメントは,次式によって 求められる,

T=−F』‘=−(恥十F態妙),F1ツー恥十恥,F冨=Fgp+Fzm,,

Q=M『=Mゅ+M噸”,M,=脇十M,,,,,脇=M道p+Mを似,(18)

ただし

=

-

)

v

P

'

)

=

-

P

(

W

,

J

(

"

F

(

)

v

)

s

i

n

,

=

,

,

:

(

)

)

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,

=

p

W

(

)

(

,

)

,

=

-

'

(

;

,

W

J

(

2

F

(

)

y

P

)

s

i

n

=

'

!

:

(

)

v

,

)

c

o

s

凡=告PJK総仙(肌雷干而vM,ルー0ハーq

M",=剥満仙叩雷干而v‘伽ルーQ脇=0,

(7)

104 鹿児島大学水産学部紀要第39巻(1990)

恥=夫ハルI‘'川‘=去伽’ル,‘',

y 8P r

Z Fig.2.LocalCoordinateSystemofBladeSection Fig..DiscretizationofPropellerDisk(P

'

=

v

+

(

+

調

,

=

Q

,

+

(

,

,

+

"

,

+

(

'

9

またCbおよびKvは翼断面揚力係数分布CZ(γ)をもとに推定することができる3)◎ここで揚

力係数CL(γ)は次式によって求められる, 4,rI,(γ)

c

L

(

'

.

)

K

(

γ

)

/

(20) なおプロペラの半径γにおける断面の有効ピッチ2,rα(,.)はその断面における翼型形状と baselineのピッチH=2,ra0(γ)が与えられると,次式によって近似的に求められる, た だ し

(

,

)

=

(

)

+

!

(

)

=

26(jt)=に62(え)+261(f))/2. 26(命)

/

-

5

(21) (22) (23)

なお(22),(23)式で用いている局所座標(0−鋤表示は前論文3)にしたがっている[Fig.2

参照]。

(8)

(26) 105 端=(γ',,‘+γ'祁十,)/2,β”=(8A+β+,)/2 とする。そうすると(5),(6)および(25)式から誘導速度の各成分は 2.数値計算法 プロペラ面(P)をγ方向に肌β方向にⅣ分割し,その分割線を γ恥=(、−1)血+山/4+耐for伽=1,2,.…,M,M+1, お よ び 8A=伽−1)〃−48/2for”=1,2,.…,jV,jV+1, た だ し (24) 4γ=(功一坊)/(M+1/2),48=2汀/Ⅳ で表わす[Fig.3参照]。そしてこれらの分割線で囲まれた小さな扇形(γ=γ',,‘,γ',"+1; β=8'",β'"+,)の中ではI ,(M)は一定値F秘"をとり, I,"”=I,(恥,β"), (25) た だ し 上田,中山:実船プロペラ性能の近似計算法について によって表わされ,境界条件やプロペラに働く力およびモーメントの計算に必要な誘導速度

成分はプロペラ面(P)上での値であり,近似的に次のようにおくことができる4),

伽=熱F耐似砺等",

M Ⅳ

'

(

P

)

=

,

1

F

,

,

P

(

'

)

M j V

!

"

P

'

(

P

)

=

,

1

F

,

,

,

'

(

γ

,

β

)

勢器

鞭砿

釧.鉢

猫噸

恥喝1

N三周Ⅳ三帳

脇蝿“岬

(27) た だ し (28)

'紬‘)=〃伽砿耀(等ル)〃

=│iL脚:更刺蝋洲叶…j‘

47r for8キβ",,

(9)

106 鹿児島大学水産学部紀要第39巻(1990)

PM‘)=隙捌淵峻,〃

陰W;聯撒燃可剛M

for8キβ",, rsin(β'−8)

+

,

2

-

s

(

"

-

'

)

+

a

n

-

l

γ

,

2

2

-

2

1

'

r

c

o

s

(

'

(

γ

,

,

β

'

)

l

o

g

γ γ'十γ− ,脇

珊十

吻吻

一一一一

月必

R,

+脇

偽十 一一一脇 。|一

刑雌

一一一一

TQ

またfreevortexのピッチ2冗伽は,(13),(14)または(15)式を用いてγの関数として計算で きるので,内挿法によってγ=鰯のときの値を求めることができる。 プロペラに働く力およびモーメントは(18),(19)および(28)式から次のようになる, 〆 − γ −

,

.

,

2

γ

2

-

2

γ

'

γ

C

O

S

(

'

γ'一γCOS(β'−8) 1

,;(γ'’8')=一一

肺 γ諭

{21黒雲十蒜淵F"+雛M…一W岬)

Ⅳ 肘'キ加

=

,

,

,

)

-

f

(

,

β

"

)

L

z

,

1

;

(

,

)

(32) F意=F葛,+F息1,, Mを=Mき'+M2、,, (29) 以上の諸式を用いて(10)の境界条件の方程式と(18)および(19)のプロペラに働く力および モーメントの各成分を書換える。プロペラ面(P)上の境界条件を各微小扇形の中点ですな わちγ=恥,β=β”において満足させることにすると,近似的に次式を得る, (30) (31)

z

'

f

(

γ

,

β

(

P

)

z

'

1

;

(

γ

,

β

)

(

P

)

B

,

=

P

,

,

,

(

,

β

)

α

(

)

,

,

,

(

,

β

"

)

恥 た だ し

(10)

M3,、,=M島ツー0 107

=

v

+

#

(

)

+

た だ し M N

F覇p=−1o山48ZZF","〔I/P8〕郷”

、=l肺=1 J V Mゅニーノ04γ48Z 〃'=1 j V 二F加羅〔I/k〕,"ハ 肺=1 〃 ノ V M

聯=−,o448二三F","叩撫禰sin8鮒,脇=−lo4r48Z

m=l純=1 m=1 ノ V zF鯉"〔I/P8〕獅絢sin6” 抑=1 M N

'

γ

I'

"

1

/

k

c

o

s

a

耐=l〃=1 M M》恵=jo4r48Z 加=1 jV ZI、,""〔1/P8〕,"",;,、cos8” 〃=1

いⅢ肌

︾︲lN

j”肌

〃︾︾M︾詞〃刈裾

441|Ⅳ

1−21’2一一m

脇脇叩

Fym,=Fgm,=0 上田,中山:実船プロペラ性能の近似計算法について (33) 〃 Ⅳ +z三r,撫揃磯術,(恥,8,,), m'=1御'=1 、"” M Ⅳ

+ZzF撫揃P;擁,郷,(恥,β")

耐'=l制'=1

〔VP,〕郷"=Q恥十U1;(端,8")一

M=5, を採用する。 Ⅳ=16 2輪"K(端) 計算の手順

きてプロペラの仕様が与えられるとKr0,功,c(,.)が既知であり,さらにα(γ)は(21)∼(23)

式から計算できる。したがって(P)面の分割数MおよびⅣが与えられると,(24)∼(26)式 を用いて,(29)式および(3)式左辺の諸係数が〃を含む項と含まない項に分けて計算するこ

とができる。作動条件V,。および(P)面上の不均一流れ成分恥叫およびz'8に応じて〃の

初期値として(15)式を用い,連立方程式(30)と〃に関する方程式(13)を反復計算で解くと,

F,,",および〃の収束値が求まる。これらを用いて(20)式からCL(姥)を求め,ざらにこの

Q(姥)の値に対応したCbおよびKvの値を導入すると,(32),(33)式からプロペラに働く力

およびモーメントが計算できる。 3 . 数 値 計 算 例

前節の方法にしたがって,プロペラ性能を数値的に求めてみる。プロペラ面(P)の分割

数は16ビットパソコンで十分な速さで計算可能なように,連立一次方程式(30)の係数および

右辺の定数を表わす配列の大きさが,倍精度計算で,1セグメント(64KB)以内におきま

る範囲を考え,

(11)

鹿児島大学水産学部紀要第39巻(1990) 108 を定義しておく。

計算例として前論文3)で用いた普通のプロペラCPを取扱う。CPの主要目をTablelに示

す。まず計算によって得られた模型プロペラのKTおよびKQの値をFig.4に示す。Fig.4に

は〃の値として(15)式を初期値(〃=lstvalue)とし,この初期値をそのまま使用した場合 と,(13)式を使用して反復計算(反復回数4回)によって得られた渦の強さFとhを用い

て計算した場合(ん=4thvalue)の両方のKTおよびKQの値を山崎の実験値3''0)とともに示

している(CDおよびKvの値は上田の図3)を使用)。Fig.4からCDの値として従来の計算方

法で仮定したような大きな値を採用する必要のないことは明らかである(付録Fi9.A−1参

照)。しかしながら計算値のKTは実験値に比べてやや大きくなっており,したがってプロ ペラ効率は図示していないが明らかに計算値の方が実験値より優れている。このことは今後 の課題であり,なんらかの補正が必要であろう。また線形計算特有の前進係数ノが小さいと

きの頭下がりは避けられていない。それはそれとして,粘性の影響を考慮した計算3)で得ら

れた断面抗力係数CDおよび粘性修正係数KVを用いて近似計算法で得られたプロペラ単独 性能は定性的および定量的に模型実験結果と良く合っているといえる。 次にCPの単独性能を模型および実船プロペラについてそれぞれ計算し比較する。模型お

よび実船のKT,KQおよび11pの値を,力として初期値を用いた場合をTable2に,反復計

算で得られた値を用いた場合をTable3に示す。これらの表には実船プロペラのCDの値と

して上田の結果3)とITTC78Method8)で得られた値をそれぞれ使用した場合について,さら

にCLに対応する粘性修正係数Kvの値として上田の結果を使用した場合と粘性修正をしな い場合(Kv=1)の両方を比較のために示しており,表中MODELおよびSHIPのUEDA はCDおよびKvの値として上田の結果を使用し,ITTC78はITTC78Methodによって計算 されたCDを使用している。ざらに〃の値として初期値を使用した場合の模型と実船プロペ ラの両方の単独性能曲線をFig.5に示す(CDおよびKVの値は上田の図を使用)。Fig.5に

おける模型プロペラ単独性能と実船プロペラ単独性能の相違はほとんど前論文3)と一致して

いることが分かる。 ここでプロペラ'性能を表わすために前進係数,推力係数,トルク係数,およびプロペラ効

率として,J;K”KQおよびワPとして次式を定義しておく,

V|咽 ﹄ T VT JKT KT= KQ= ワP= RnD=〃γD2/ツ jO〃,2,5 D = 2 叩 , 秘 γ = Q / 2 汀 10”,2,4 た だ し

2,r"ァQ2,rKQ,

またプロペラレイノルズ数RnDとして

(12)

5432JO

00000

109 0.30.40.50.60.70.8C、91.0 −−→J Fig.4.PropellerOpenCharacteristicsofCP Table1.PrincipalParticularsofPropellerCP Table2(a)ComparisonofThrust Coefficients(CP) Rno二5.90xIO5 CP −EXPERlMENT oCALCULAT10NUsingh二IStva1ue ▲CALCULATIaVUsingh二4thvalue Table2(b)ComparisonofTorque Coefficients(CP) 0.8 K T lOKQ

上田,中山:実船プロペラ性能の近似計算法について Table3(a)ComparisonofThrust Coefficients(CP) Table2(c)ComparisonofEfficiency(CP) 』 KT 〃=1stVALUE MODEL R、, |’ 5.90×105 SHIPRnD=8.12×107 UEDA CD=ITTC78 Kv=UEDA Kv=1 0.30 0.383 0.385 0.386 0.386 0.45 0.332 0.334 0.336 0.336 0.60 0.272 0.274 0.275 0.276 0.75 0.201 0.203 0.204 0.206 0.90 0.120 0.121 0.123 0.126 1.00 0.061 0.063 0.064 0.067 Propeller MODEL SHIP Diameter (、) 0.574 7.170 PitchRatio(const.) 1.0200 ExpandedAreaRatio 0.7300 BladeThicknessRatio 0.0604 BossRatio 0.1925 NumberofBlades 5 BladeSection MAU RakeAngle 10.0◎ SkewAngle 16.2◎ Revolution(r、p,s) 10.15 1.80 』 K 〃=lstVALUE R MODEL 、,= 5.90×105 SHIPR、、=8.12×107 UEDA CD=ITTC78 Kv=UEDA Kv=1 0.30 0.564 0.553 0.545 0.547 0.45 0.514 0.503 0.494 0.496 0.60 0.444 0.435 0.424 0.427 0.75 0.350 0.343 0.331 0.335 0.90 0.232 0.224 0.212 0.218 1.00 0.138 0.130 0.118 0.124 』 ワ 〃=lstVALUE MODEL R、, 一一 5.90×105 SHIPR、,=8.12×107 UEDA CD=ITTC78 Kv=UEDA Kv=1 0.30 0.324 0.332 0.338 0.337 0.45 0.464 0.476 0.486 0.485 0.60 0.585 0.600 0.619 0.618 0.75 0.685 0.706 0.735 0.734 0.90 0.742 0.777 0.831 0.829 1.00 0.707 0.769 0.867 0.866 』 KT "=4thVALUE MODEL R 一一 5.90×105 SHIPR、,=8.12×107 UEDA CD=ITTC78 Kv=UEDA Kv=1 0.30 0.414 0.416 0.417 0.418 0.45 0.352 0.354 0.355 0.356 0.60 0.283 0.285 0.286 0.287 0.75 0.206 0.208 0.209 0.211 0.90 0.122 0.123 0.125 0.128 1.00 0.062 0.063 0.065 0.068

(13)

09 110 0 0 . 2 0 4 0 . 6 0 . 8 1 . 0 1 . 2 1 . 4 − J Fig.8.PropellerOpenCharacteristicsofAU5−65 Table3(b)ComparisonofTorque Coefficients(CP) Table3(c)ComparisonofEfficiency(CP) 0 0 . 2 0 . 4 0 . 6 0 . 8 1 . 0 1 2 1 . 4 −−→J Fig.7.PropellerOpenCharacteristicsofAU5−50 、、 、 R 09 、 、S 、 、 , く、。=590XIC MAU4−40 −EXPERIMENT −CALCULATION 叩怜晩 I そno二8.'2ェIC 欧C

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、 0.30.4050.60.70.80.91.0 − → J Fig.5.ComparisonofOpenCharacteristicsofCP 00.20.40.6061.01.214 −−→J Fig.6.PropellerOpenCharacteristicsofMAU4−40 0.9 、 鹿児島大学水産学部紀要第39巻(1990) 、 ミミミ ・50 ERIMENT CULATION AU5-65

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』 ワP "=4thVALUE MODEL RnD= 5.90×105 SHIPR、,=8.12×107 UEDA CD=ITTC78 Kv=UEDA Kv=1 0.30 0.335 0.343 0.348 0.348 0.45 0.473 0.484 0.494 0.494 0.60 0.591 0.606 0.624 0.623 0.75 0.689 0.709 0.738 0.736 0.90 0.744 0.779 0.833 0.830 1.00 0.708 0.770 0.867 0.866 』 K h=4thVALUE MODEL R、, 一一 5.90×105 SHIPR、,=8.12×107 UEDA CD=ITTC78 Kv=UEDA Kv=1 0.30 0.591 0.580 0.572 0.574 0.45 0.534 0.524 0.514 0.517 0.60 0.457 0.448 0.437 0.440 0.75 0.357 0.350 0.338 0.342 0.90 0.235 0.226 0.215 0.220 1.00 0.138 0.130 0.119 0.124

(14)

上田,中山:実船プロペラ性能の近似計算法について 111 Tables2,3,Fig.4およびFig.5から前進係数が特に小きい場合を除いて今回の改良さ れた新しい相当無限翼数プロペラの計算法で十分であり,またhの値としては従来通りの 初期値でも十分だと云える。 Table2およびTable3における実船プロペラ性能のUEDAとITTCの相違は小さいが, 前論文で計算された実船プロペラの境界層には層流部分がかなり残っており,そのことが実 船プロペラのCDの値をITTC78Methodで得られた値に比べて大きくしていると考えるな ら,実船プロペラの場合Kvの値が1.00に近いことも考慮し,CDの値としてITTC78 Methodで得られた値を採用した方が良いかもしれない。 参考までにこの計算方法でAU型プロペラについて単独性能を計算し実験結果'')と合せ てFig.6∼Fig.8に示す。これらの図からピッチ比の大小によって実験値と計算値の定量 的な大小関係の傾向が少し異なってくるが,全体として計算結果は定性的および定量的に実 験値と良く合っているといえる。 4 . 結 目 以上において,実船のプロペラ性能を計算するために必要な,不均一流の中で定常的に稼 働しているプロペラの性能を簡単で計算時間が短く,かつ流体力や近傍の流場をできるだけ

良好に推定できる計算法の1つとして,相当無限翼数プロペラの数値計算法を改良し,プロ

ペラ単独性能を計算し,実験結果と比較した。その結果,本計算方法は模型および実船のプ

ロペラ性能を定性および定量的に十分推定できる方法であることが分かった。しかしながら,

今回の計算例はプロペラ単独性能のみの検討であり,船体および舵との相互干渉を考慮した 実船については計算する必要がある。このことは今後の研究に待ちたい。 最後に本論文を書くにあたり,貴重な御意見,御討議を頂いた九州大学中武一明教授に感 謝致します。なお本研究は文部省科学研究費補助金に依って遂行したことを付記する。 参 考 文 献 1)森山文雄(1979):プロペラ性能の近似計算法について.船舶技術研究所報告,16(6),49-64. 2)凌志浩ウ佐々木康夫,高橋通雄(1985):境界要素法の直接法によるプロペラまわりの三次元流 れ解析(第1報:均一流中の計算).日本造船学会論文集,157,82-94. 凌志浩,佐々木康夫,高橋通雄(1986):境界要素法の直接法によるプロペラまわりの三次元流 れ解析(第2報:定常な船尾伴流中).日本造船学会論文集,159,44-58. 3)上田耕平(1985):定常状態のプロペラに及ぼす粘性の影響.九州大学学位論文 上田耕平(1985):定常状態のプロペラに及ぼす粘性の影響(1).西部造船会々報,69,57-78. 上田耕平(1985):定常状態のプロペラに及ぼす粘性の影響(Ⅱ).西部造船会々報,70,27-42. 4)上田耕平(1975):ダクトプロペラに関する研究(1).西部造船会々報,49,221-253. 5)上田耕平(1976):ダクトプロペラに関する研究(Ⅲ).西部造船会々報,52,1-18. 上田耕平(1978):ダクトプロペラに関する研究(Ⅳ).西部造船会々報,55,77-94. 上田耕平(1980):ダクトプロペラに関する研究(V).西部造船会々報,59,163-177. 6)中武一明,古賀隆典,山崎隆介(1980):プロペラと舵の相互干渉について.西部造船会々報,61, 15−24.

(15)

112

大きめに推定しており,例えば上田4,5)はCD=0.010を仮定している。また従来の近似計算

においてはCDの値が確かなものが無いと言う事から,例えば森山')は,数多くのプロペラ

の計算値と実験値を比較してCDの推定式を導き,それを用いたプロペラ単独性能の計算値 は実験値とよく合っている。しかし,森山の式を今回の模型プロペラcPに適用するとcL

とCDの関係はFigA−2のようになってる。FigA−2には上田の計算値3)およびITTC78

Method8)に計算値も合せて記入しているが森山の式を用いた計算値は明らかに他の2つの値

と掛離れていることがわかる。 7 ) Yamazaki,R、,Nakatake,K・andMoriyama,F、(1985):“OntheMutualInteractionbetweenthe ScrewPropellerandtheRudder",MemoirsoftheFacultyofEngineering,KyushuUniv.,45(1), 79-109. ITTC78(1978),“1978ITTCPerformanceMethodforSingleScrewShips・Conputerprogram.", AppendintotheReportofthePerformanceCommitteeofthel5thlnternationalTowingTank Conference,1978.,390-404. ITTC87(1987),“ManualforUseofthel978ITTCPerformancePredictionMethodasModified inl984andl987.",AppendixtotheReportofthePerformanceCommitteeofthelTTC87.,266-273. 上田耕平,山崎隆介(1987):定常プロペラの簡易理論.九州大学工学集報,60(3),317-323. 山崎正三郎(1983):ハイスキユープロペラの研究.広島大学学位論文 矢崎敦生(1961):AU型プロペラ設計法に関する研究.運輸技術研究所報告,11(7),1-111. 8 ) 111901 11 付 録

従来の相当無限翼数プロペラの近似計算法5)を用いて前論文3)の模型プロペラCpの単独

,性能を計算すると,断面抗力係数を前論文3)から近似的にCD=0.0064とおいたとき,Fig・

A−1のようになる。このままでも実船相当のCD及びKVを用いれば,実船プロペラの性能 を一応推定できるが,トルクが小さすぎる。従来これらの計算方法においては,CDの値を 叩伶雌 I

543210

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くno二590XIC 0.030 【 】 1 口 M e T n O O 0.30.40.50.60.70.80.91.0 − → J Fig.A-1.PropellerOpenCharacteristicsofCP 鹿児島大学水産学部紀要第39巻(1990) CP R1.二590xlO5

ポ 0010 qO20 Co ITTC78Method 0 0 0 . 1 0 . 2 0 . 3 0 . 4 − → C L Fig。A-2.ComparisonofDragCoefficients UEDASMethod

参照