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終末期にある小児がん患者のQOL と関連要因─看護師によるQOL 代理評価尺度を用いて─

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Palliative Care Research 2015; 10(3): 00–00

緒 言

 近年,小児がん治療の向上によって多くの小児がん 患者が治癒を望める時代になった.しかしながら,未 だ小児がん患者の 20∼30%は治癒が難しく,子どもの 死因の上位を占めている状況に変わりはない1,2).小児 がんの終末期医療やケアの現状に関しては諸外国を中 心に,終末期における積極的な治療や心肺蘇生などの 実施状況3∼5),死亡場所の希望や現状6,7)などの報告が されているが,終末期におけるケアの構造・プロセス の評価や Quality of Life (QOL)に焦点を当てた定量的 調査の報告は数少ない.  終末期ケアの質の保証や向上のために,質の評価を 行うことは重要である8∼10) .質の評価として,Donabe-dian11)は,構造・プロセス・アウトカムの三つの側面 から評価する理論モデルを提唱している.終末期ケア 評価におけるアウトカム指標の一つとして QOL が挙 げられ12,13),成人領域ではすでに終末期における QOL の客観的評価のための数量化が国内外で実用化される とともに8,14),終末期の QOL 評価や関連要因の検討が 行われている15∼20)  終末期の QOL 評価を行ううえでの課題がいくつか 挙げられている.QOL は患者立脚型のアウトカム指標 であり主観的側面が強く,代理評価が難しいとされて いるが21),終末期は死が差し迫っていることから患者 本人による評価が難しく,成人の終末期の QOL 調査に おいても,患者と同居の家族もしくは毎日面会に来た 人を中心とした代理評価が行われている22).小児領域 においてはさらに,患者が子どもという特性から患者 本人による QOL 評価がより一層困難になる.このよう な場合,代理評価者として適しているのは患者の最も 身近にいる親であるが23),終末期にある患者の家族は 精神的苦痛が強い状況にあることや24),精神的苦痛は 死別後の悲嘆にも大きな影響をおよぼすことが指摘さ れている25,26).また,日本で年間亡くなる小児がん患 者は約 400∼450 人であり27),大規模な遺族調査を実施 することは事実上非常に難しい.  医療者による代理評価について Jones らは28),終末 期にある患者が自己申告した QOL と家族および緩和 ケア医による QOL の代理評価との一致度を調査した 結果,入院後の時間経過とともに自己申告と代理評価 の差が減少したと報告している.このことから,われ われは,長期的に患者に関わる医療者による子どもの QOLの代理評価が可能であるとともに,疾患だけでな く患者とその家族を包括的に理解しケアする役割を

原 著

Palliat Care Res 2020; 15(2): 53–64

終末期にある小児がん患者の QOL と関連要因

─看護師による QOL 代理評価尺度を用いて─

名古屋祐子

1,2)

,宮下 光令

3)

,入江  亘

2)

,余谷 暢之

4)

,塩飽  仁

2) 1)宮城県立こども病院 看護部,2)東北大学大学院医学系研究科 保健学専攻 小児看護学分野, 3)東北大学大学院医学系研究科 保健学専攻 緩和ケア看護学分野, 4)国立成育医療研究センター 総合診療部 緩和ケア科 【目的】看護師による代理評価を用いて終末期にある小児がん患者の Quality of Life(QOL)とその関連要因を検証す る.【方法】2015 年 10 月〜2016 年 2 月に国内の小児がん治療施設に勤務し,終末期にある小児がん患者を担当し た看護師を対象とし,看護師による QOL 代理評価尺度(Good Death Inventory for Pediatrics: GDI-P)22 項目 とその関連要因を調査した.【結果】18 施設から患者 53 名分の代理評価を得た.GDI-P8 下位尺度のうち「からだや 心の苦痛が緩和されていること」が最も平均が低かった.GDI-P の総得点は,ケアの構造・プロセスの評価と正の相 関がみられ(r=0.58),死亡場所は症例数に偏りがあったが集中治療室の場合は自宅や病棟より得点が低かった.【結 論】苦痛緩和が最優先課題であるとともに,ケアの構造・プロセスの評価がQOLと関連している可能性が示唆された. Palliat Care Res 2020; 15(2): 53-64

Key words: 終末期,quality-of-life,代理評価,小児緩和ケア,小児がん

受付日 2019 年 10 月 1 日/改訂日 2020 年 1 月 31 日/受理日 2020年 2 月 14 日 Corresponding Author:名古屋祐子 宮城県立こども病院 看護部 〒 989-3126 仙台市青葉区落合 4 丁目 3-17 TEL 022-391-5111 E-mail: [email protected]

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担っている看護師が医療者の中で最も終末期ケアの代 理評価に適していると考えた.  以上のことから,本研究では看護師による代理評価 を用いて終末期にある小児がん患者の QOL とその関 連要因を検証することを目的とした.本研究は,終末 期の小児がん患者の QOL 向上の一助になると考える.

方 法

対象  看護師が代理評価を行う患者の選定基準は(1)小児 がんによって亡くなった,(2)調査日から 3 年以内に亡 くなった,(3)終末期であることを少なくとも家族に は伝えられていた,とした.また,除外基準は(1)終末 期と診断されてから 1 週間以内に亡くなった,(2)死亡 時年齢が 20 歳以上,とした.なお,本研究における終 末期とは,これ以上積極的な治療を行っても治癒する 可能性が残されていないと医師が診断した以降の時期 とした.  代理評価を行う看護師は,日本国内の小児がん治療 施設のうち,本研究の先行研究29)の調査で積極的に協 力が得られた施設もしくは小児がん拠点病院計 45 施 設に勤務し,終末期の小児がん患者のプライマリー看 護師や固定チーム内の看護師など,代理評価を行う患 者を主に担当していた看護師とした.本研究における 小児がん治療施設とは,2015 年 4 月時点で日本小児白 血病リンパ腫研究グループ,日本小児肝癌スタディグ ループ,日本ウィルムス腫瘍スタディグループ,日本 横紋筋肉腫研究グループ,日本神経芽腫研究グルー プ,日本ユーイング肉腫研究グループおよび日本小児 脳腫瘍コンソーシアムのいずれかに登録されている施 設とした.なお,代理評価を行う患者 1 名につき看護 師 2 名を対象とした. データ収集方法  各施設の看護部長に依頼文書を送付し,調査の同意 が得られた場合にのみ,各施設から配布許諾を得た部 数の質問紙を送付し返信用封筒を用いて返信を依頼し た.なお,質問紙は代理評価を行う患者 1 名に対して 2部送付し,ペアがわかるように番号を付した.調査 期間は 2015 年 10 月から 2016 年 2 月であった. 調査項目  1)看護師が代理評価を行う患者および患者が死亡時 に入院していた施設の背景  性別,病名,発症年齢,死亡年齢,死亡場所(病棟, 自宅,集中治療室),自宅からの病院までの移動時間, きょうだいの有無,小児がん拠点病院の有無,施設の 種別(総合病院の小児科・小児外科,小児専門病院), 終末期の面会制限の有無,利用できる緩和ケアチーム の有無について尋ねた. 2)代理評価を行う看護師の背景  性別,年齢,職業経験年数,小児がん領域の経験年 数,小児がん患者の終末期ケアの経験人数を尋ねた. なお,終末期ケアの経験人数は厳密な回答が難しいと 考え,6 段階(1∼5 人から 21∼25 人まで 5 人刻み,26 人以上)の選択式回答とした. 3)終末期ケアの質の構造・プロセス評価  終末期ケアの質の構造・プロセス評価には,日本の 成人がん領域で作成された「ケアに対する評価尺度 (Care Evaluation Scale: CES)30)」を尺度開発者に承諾を 得たうえで一部改編して用いた.CES は 10 下位尺度 28項目からなり,信頼性・妥当性が確認されている. CESに含まれる下位尺度は「医師の対応」,「看護師の 対応」,「患者様への精神的配慮」,「医師から患者様へ の説明」,「医師から家族への説明」,「設備」,「ご家族 への配慮」,「費用」,「入院(利用)」,「連携や継続性」で あるが,「費用」は代理評価が難しく,また,小児がん の場合には血液腫瘍が多く,終末期であっても病院で 過ごすことが多いため「入院(利用)」は該当しにくいと 考え,二つの下位尺度を除外し,8 下位尺度 25 項目を 使用した.なお,下位尺度名は小児領域の特徴に合わ せ,「からだの苦痛に対する医師の対応」,「からだの苦 痛に対する看護師の対応」,「子どもと家族への精神的 配慮」,「医師から子どもへの説明」,「医師から家族へ の説明」,「設備」,「家族への配慮」,「連携や継続性」と した.小児用に改編後,内容的妥当性の検討を小児看 護学の研究者 3 名と小児看護専門看護師 1 名によって 行った.また,表面妥当性の検討のために小児がん患 者の終末期ケアを 1 例以上行った経験のある 6 名の看 護師と 1 名の医師にパイロット調査を行ったが,質問 項目の追加, 削除や表現の修正に関する意見はな かった.  回答は,各項目の達成度について,5 段階リッカー トスケール(「5 点:非常にそう思う」,「4 点:どちらか というとそう思う」,「3 点:どちらともいえない」,「2 点:どちらかというとそう思わない」,「1 点:まった くそう思わない」)で求めた.得点の高さは,各項目の 達成度の高さを示す.なお,「医師から子どもへの説 明」は,子どもの年齢や状況によって,いずれの回答欄 にも該当しないと考えられる場合に限り「該当しな い」という回答を認めた. 4)終末期ケアの質のアウトカム評価  終末期ケアの質のアウトカム評価には,筆者らが作 成した「看護師による終末期にある小児がん患者の QOL代理評価尺度(Good Death Inventory for Pediatrics: GDI-P)」31)を用いた.GDI-P は「からだや心の苦痛が緩 和されていること」,「遊び学べること」,「思い出づく

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りや望みを叶えること」,「できる限りこれまでと同じ ように過ごすこと」,「医療者と良好な関係で過ごすこ と」,「家族と過ごすこと」,「最小限の医療環境で過ご すこと」,「家族に見守られながら穏やかに最期を迎え ること」の 8 下位尺度 22 項目で構成されている.GDI-P は信頼性・妥当性が検討されているが,代理評価に関 連するリスクを軽減するために,評価者 2 名の平均値 を用いることが推奨されている31)  GDI-P は,小児がん患者の終末期の QOL 評価のため に開発された尺度であり,小児がん患者の QOL 尺度の 中で代表的な Pediatric Quality of Life Inventory(PedsQL) がんモジュール32)を一例に挙げて比較すると,PedsQL がんモジュールが,痛み,吐気,不安(処置/治療)と いった治療関連のドメインで構成されているのに対し て,個人の幸せや満足といった主観的認識によるとこ ろが大きいドメイン(例「できる限りこれまでと同じよ うに過ごすこと」「思い出づくりや望みを叶えるこ と」)や,終末期特有のドメイン(例「最小限の医療環境 で過ごすこと」「家族に見守られながら穏やかに最期を 迎えること」)が含まれている.このことから,より終 末期の小児がん患者の QOL 評価に適していると考え, 本研究では GDI-P を用いた.  回答は各項目の達成度について,終末期ケアの質の 構造・プロセス評価と同様に 5 段階リッカートスケー ルで求めた.また,子どもの年齢や状況により,いず れの回答欄にも該当しないと考えられる場合に限り, 「該当しない」という回答を認めた. 分析方法  看護師が代理評価を行う患者 1 名に対して看護師 2 名から回答が得られた場合には,看護師 2 名の平均点 を分析に用い,看護師が代理評価を行う患者 1 名に対 し看護師 1 名のみから回答が得られた場合にはそのま ま得点を用いた.該当しないと回答があった場合と欠 損値は除外して分析を行った.分析は次の手順で行っ た.(1)看護師が代理評価を行う患者の背景,代理評価 を行う看護師の背景,CES 総得点および下位尺度得点, GDI-P総得点および各下位尺度得点について記述統計 を行った.(2)CES と GDI-P の各項目の得点が 3.5 点以 上の割合を算出し,その割合を便宜的に達成度とし た.(3) GDI-P の関連要因を検討するため,独立変数 を看護師が代理評価を行う患者の背景,従属変数を GDI-P総得点および各下位尺度得点とし,2 群間差は Wilcoxon検定,3 群間差は独立サンプルによる Kruskal-Wallis検定を行った.(4)CES と GDI-P の関連を検討す るため,独立変数を CES 総得点および下位尺度得点, 従属変数を GDI-P 総得点および下位尺度得点とし,相 関係数を算出した.

 すべての分析において有意水準は 5%とし,両側検

定を用いた.統計学的分析には,JMP® 13.1.0(SAS Insti-tute Inc., Cary, NC, USA)を用いた.

倫理的配慮  調査への参加は対象者の自由意志によるものとし, 質問紙への回答をもって同意とした.回収した回答用 紙は東北大学大学院医学系研究科小児看護学分野内で 鍵管理のもとに保管するとともに,看護師が代理評価 を行う患者および代理評価を行う看護師が特定されな いように配慮した.本研究は東北大学大学院医学系研 究科倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号: 2015-1-413).

結 果

1.看護師が代理評価を行った患者と代理評価を行っ た看護師の背景  45 施 設 中, 協 力 が 得 ら れ た 18 施 設(施 設 応 諾 率 40.0%)112 名に配布し,85 名(回収率 75.9%)から回答 が得られた.看護師が代理評価を行った患者は 53 名で あった.看護師が代理評価を行った患者 1 名に対して 看護師 2 名から回答が ったのは 32 組 64 部,他 21 部 は看護師が代理評価を行った患者 1 名に対して看護師 1名から回答が得られた.看護師が代理評価を行った 患者と代理評価を行った看護師の背景を表 1 に示す. 2.終末期ケアの質の構造・プロセス評価  CES の各下位尺度は平均 3.2 から 4.4 点であり,最も 低かったのが「設備」で,最も高かったのが「医師から 家族への説明」であった.全 25 項目のうち,達成度が 8割以上であったのは 14 項目であり,5 割未満だった のは 3 項目であった(表 2). 3.終末期ケアの質のアウトカム評価  GDI-P の各下位尺度は平均 3.3 から 4.4 点であり,最 も平均が低かったのは「からだや心の苦痛が緩和され ていること」,最も平均が高かったのは「家族と過ごす こと」であった.全 22 項目のうち,達成度が 8 割以上 であったのは[信頼できる医師がいた],[日中,家族と 一緒に過ごすことができた],[夜間,家族と一緒に過 ごすことができた],[家族が仲良く過ごすことができ た],[家族に見守られながら最期を迎えることができ た]の 5 項目,5 割未満だったのは[穏やかな気持ちで 過ごすことができた],[終末期以前と変わらない日常 生活を過ごすことができた]の 2 項目であった(表 3). 4.アウトカム評価の関連要因  看護師が代理評価を行った患者の背景要因と GDI-P との関連を表 4 に示す.GDI-P の下位尺度で最も平均 が低かった「からだや心の苦痛が緩和されているこ と」は女児で発症時期と死亡時期が 6 歳以上の場合に 有意に得点が低かった.また,GDI-P の総得点は,死

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亡場所が集中治療室の場合に自宅よりも 30.9±9.0(平 均±標準偏差)点,病棟よりも 19.8±7.2 点低かった.ま た,死亡場所が集中治療室の場合,GDI-P8 下位尺度中

4下位尺度でほか二つの死亡場所よりも平均が有意に

低かった.

 CES と GDI-P との関連を表 5 に示す.CES の総得点 と GDI-P の総得点間に正の相関が認められた(r=0.58, P<0.001).また,GDI-P の下位尺度で最も平均が低かっ た「からだや心の苦痛が緩和されていること」は,苦痛 に対するケアプロセスを示す CES の下位尺度である 「からだの苦痛に対する医師の対応」との間に弱い相 関が認められ(r=0.28, p=0.073),「からだの苦痛に対す る看護師の対応」との間には相関が認められなかった (r=0.16, p=0.308).

考 察

 本研究では,看護師による代理評価を用い,日本に おける終末期にある小児がん患者の QOL とその関連 要因を定量的に調査した.研究の限界として,看護師 による代理評価を用いている,看護師の主観や思い出 しバイアスによる影響が考えられる,対象者数が少な いといったことが挙げられ,結果の解釈には注意を要 するが,本研究の結果から主に二つの知見が得られ た.一つ目は,終末期にある小児がん患者の苦痛緩和 が不十分であり,苦痛が高い子どもの特徴として,女 児,学童期以上であることが推察された.また,集中 治療室と自宅で死亡した対象患者数が限られていた が,死亡場所も苦痛と関連している可能性が示唆され た.二つ目は,終末期にある小児がん患者の QOL に は,子どもの家族への精神的配慮や説明といった終末 期ケアの構造・プロセスの評価や死亡場所との関連が 示唆された. 1.終末期にある小児がん患者の苦痛緩和  GDI-P の下位尺度得点の中で,最も平均点が低かっ たのは「からだや心の苦痛が緩和されていること」で あった.終末期にある小児がん患者の約 9 割が少なく とも一つ以上の苦痛症状を有しているといわれてお り33),本研究においても先行研究と同様に苦痛緩和が 十分に行えているとは言い難い現状にあることが推察 された.また,成人領域の遺族調査の結果,終末期の 若年成人(20∼39 歳)がん患者は,身体症状の苦痛緩和 が得られた割合が 56%であり,中年(40∼64 歳)がん患 者の 65%や高齢(65 歳以上)がん患者の 72%と比較し て低いことが指摘されている34).本研究の結果から, 苦痛の緩和が小児・若年成人領域に共通した課題だと 推察される.  「からだや心の苦痛が緩和されていること」の得点の 表 1 対象者の背景 mean±SD n(%) 看護師が代理評価を行った患者の 背景(n=53) 性別 男性 24(50.0) 女性 24(50.0) 欠損値 5 病名 造血器腫瘍 20(39.2) 脳腫瘍 10(19.6) 脳腫瘍以外の固形腫瘍 21(41.2) 欠損値 2 発症年齢 5.8±4.4 死亡年齢 8.5±4.9 死亡場所 病棟 42(84.0) 自宅 4(8.0) 集中治療室 4(8.0) 欠損値 3 自宅からの移動時間(分) 59.9±35.7 きょうだい あり 42(79.3) なし 11(20.8) 小児がん拠点病院 拠点病院 20(38.5) 拠点病院以外 32(61.5) 欠損値 1 施設の種別 総合病院の小児科・小児外科 32(60.4) 小児専門病院 21(39.6) 終末期の面会制限 あり 5(9.4) なし 48(90.6) 緩和ケアチーム あり 52(100.0) なし 0 欠損値 1 代理評価を行った看護師の背景 (n=85) 性別 男性 4(4.7) 女性 81(95.3) 年齢 31.9±7.5 職業経験年数 9.9±7.2 小児がん領域の経験年数 7.7±5.7 小児がん患者の終末期ケアの 経験人数 1-5 22(25.9) 6-10 24(28.2) 11-15 14(16.5) 16-20 11(12.9) 21-25 4(4.7) 26 10(11.8) SD:標準偏差

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低さは,女児,発症時期および死亡時期が 6 歳以上, 死亡場所が自宅よりも集中治療室であることと関連し ていた.性差と苦痛の関連について,女児の方が苦痛 の訴えが強いことが先行文献においても指摘されてい る35,36).また,年齢と苦痛の関連について,Jalmsell37) らは 9∼15 歳の年代は他の年代と比較して苦痛が強い と述べており,本研究においても 9∼15 歳の年代が含 まれる 6 歳以上の群の方がより苦痛が強く,性差,年 齢と苦痛との関連は先行研究と一致していた.一方, 6歳未満の子どもは言語的コミュニケーション能力の 獲得段階にあるため,医療者側が子どもの苦痛を十分 に捉えきれていない可能性も否定できない.死亡場所 と苦痛の関連については,集中治療室と自宅で死亡し た対象患者数が限られているため十分な考察に至らな 表 2 Care Evaluation Scale(CES)の代理評価得点(n=53)

達成度(%) mean±SD からだの苦痛に対する医師の対応について(α=0.92) 4.2±0.7 医師は子どものからだの苦痛をやわらげるように努めていた 94.3 4.3±0.7 医師は子どものつらい症状にすみやかに対処していた 92.5 4.2±0.8 医師はからだの苦痛をやわらげるのに必要な知識や技術を持っていた 94.3 4.2±0.7 からだの苦痛に対する看護師の対応について(α=0.81) 4.2±0.6 看護師は子どものからだの苦痛をやわらげるように努めていた 98.1 4.5±0.4 看護師は子どものつらい症状にすみやかに対処していた 96.2 4.3±0.6 看護師はからだの苦痛をやわらげるのに必要な知識や技術を持っていた 77.4 3.8±0.6 子どもと家族への精神的配慮について(α=0.85) 4.3±0.6 スタッフは子どもの不安や心配をやわらげるように努めていた 92.5 4.4±0.6 スタッフは家族の不安や心配をやわらげるように努めていた 94.3 4.4±0.5 スタッフは子どもと家族の望みを叶えられるように努めていた 92.5 4.3±0.6 スタッフは子どもの毎日の生活がなるべく快適になるように努めていた (気晴らし,遊び,学びなど) 92.5 4.2±0.5 医師から子どもへの説明について(α=0.86) 3.4±1.0 医師は現在の病状や治療内容について,子どもの年齢に応じて十分に説明 していた 71.8 3.7±0.9 医師は将来の見通しについて,子どもの年齢に応じて十分に説明していた 48.7 3.2±0.9 医師は治療方針の決定に子どもの希望が取り入れられるよう配慮していた 54.1 3.4±1.0 医師から家族への説明について(α=0.94) 4.4±0.7 医師は現在の病状や治療内容について,家族に十分に説明していた 92.5 4.5±0.6 医師は将来の見通しについて,家族に十分に説明していた 83.0 4.3±0.8 医師は治療方針の決定に家族の希望が取り入れられるよう配慮していた 94.3 4.4±0.6 設備について(α=0.85) 3.2±0.9 病室は生活しやすく快適だった 50.9 3.2±0.9 静かで落ち着いた環境だった 54.7 3.5±0.8 トイレや洗面台などの設備は使いやすかった 39.6 3.0±1.0 家族への配慮について(α=0.78) 3.4±1.0 家族が健康を維持できるような配慮があった 62.3 3.4±0.9 家族が自分の時間をもったり,仕事を続けられるような配慮があった 37.7 3.0±1.1 家族(きょうだいも含む)が一緒に過ごせるような配慮があった 73.6 3.8±1.0 連携や継続性について(α=0.77) 3.9±0.7 医師や看護師などスタッフ間の連携はよかった 78.9 3.9±0.7 担当の医師や看護師が変わっても,必要な情報は伝わっていた 83.0 3.9±0.7 治療方針や予定は,今までの病気の経過に十分配慮して立てられていた 86.8 4.0±0.7 全項目 α=0.91 ・ 代理評価を受けた患者 1 名に対して代理評価を行った看護師 2 名から回答が得られた 32 組 64 部につ いては,看護師 2 名の回答の平均得点を分析に用い,代理評価を受けた患者 1 名に対して代理評価を 行った看護師 1 名からのみ回答が得られた 21 部については看護師 1 名の回答者の得点を分析に用い た. ・ 「5 点:非常にそう思う」「4 点:どちらかというとそう思う」「3 点:どちらともいえない」「2 点:どちら かというとそう思わない」「1 点:まったくそう思わない」とし,平均点および標準偏差を算出した. ・ 達成度は各項目の得点が 3.5-5 点の割合を算出した. ・ 子どもの年齢や状況によって,いずれの回答欄にも該当しないと考えられる場合に限り,「該当しな い」という回答を認め,欠損値として扱った. SD:標準偏差  α:クロンバックの α 係数

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いが,集中治療室で亡くなる子どもは,全身状態が悪 い,急変に伴う予期せぬ入室,侵襲的処置を受ける機 会が多いといったことから苦痛の増加につながったと 考えられる. 2.終末期にある小児がん患者の QOL の関連要因  終末期にある小児がん患者の QOL は死亡場所とケ アの構造・プロセスの評価と関連しており,死亡場所 については集中治療室の場合に最も QOL が低かった. 死亡場所が集中治療室の場合,GDI-P の下位尺度であ る「からだや心の苦痛が緩和されていること」,「でき る限りこれまでと同じように過ごすこと」,「最小限の 医療環境で過ごすこと」,「家族に見守られながら穏や かに最期を迎えること」が,病棟や自宅の場合に比べ て有意に得点が低かった.今回得られたデータは,集 中治療室と自宅で亡くなった対象患者が少ないため, 死亡場所と QOL が関連すると言い切ることは難しい が,集中治療の場で,生命維持のためのケアと苦痛が 少ない穏やかな時間づくりなどの質の高い終末期ケア が併走できているとは言い難い現状である可能性が示 唆された.

表 3 Good Death Inventory for Pediatrics(GDI-P)の代理評価得点(n=53)

達成度(%) mean±SD からだや心の苦痛が緩和されていること(α=0.84) 3.3±0.9 からだの痛みや苦しみが少なかった 58.7 3.3±0.9 穏やかな気持ちで過ごすことができた 40.0 3.0±0.9 夜間眠ることができた 54.2 3.4±0.8 遊び学べること(α=0.87) 3.7±0.9 病院内の友人やスタッフと遊べた 62.2 3.5±0.9 体調に合わせた遊びの機会が得られた 72.3 3.8±0.8 季節の行事に参加できた 72.3 3.8±0.9 思い出づくりや望みを叶えること(α=0.87) 3.9±1.0 行きたい場所ややってみたいことを叶えることができた 77.6 3.9±1.0 思い出づくりをすることができた 75.5 3.9±1.0 会いたい人に会うことができた 70.2 3.8±0.9 できる限りこれまでと同じように過ごすこと(α=0.77) 3.4±1.2 食べたいものを食べることができた 59.1 3.6±1.0 終末期以前と変わらない日常生活を過ごすことができた 34.0 2.8±1.1 希望に応じて外出や外泊をしながら過ごすことができた 63.8 3.8±1.2 医療者と良好な関係で過ごすこと(α=0.84) 4.0±0.7 信頼できる医師がいた 83.0 4.1±0.7 信頼できる看護師がいた 78.7 3.9±0.7 素直に気持ちを伝えられるスタッフがいた 74.5 3.9±0.8 家族と過ごすこと(α=0.76) 4.4±0.8 日中,家族と一緒に過ごすことができた 94.3 4.5±0.8 夜間,家族と一緒に過ごすことができた 88.5 4.4±0.9 家族が仲良く過ごすことができた 88.7 4.3±0.7 最小限の医療環境で過ごすこと(α=0.72) 3.4±1.2 苦痛が強い治療を受けずに過ごすことができた 50.0 3.1±1.1 望んだ以上の処置を受けずに最期を迎えることができた 69.4 3.7±1.1 家族に見守られながら穏やかに最期を迎えること(α=0.71) 4.2±1.0 家族に見守られながら最期を迎えることができた 90.4 4.5±0.8 穏やかに最期を迎えることができた 72.6 4.0±1.1 全項目 α=0.88 ・ 代理評価を受けた患者 1 名に対して代理評価を行った看護師 2 名から回答が得られた 32 組 64部については,看護師 2 名の回答の平均得点を分析に用い,代理評価を受けた患者 1 名 に対して代理評価を行った看護師 1 名からのみ回答が得られた 21 部については看護師 1 名 の回答者の得点を分析に用いた. ・ 「5 点:非常にそう思う」「4 点:どちらかというとそう思う」「3 点:どちらともいえない」「2 点:どちらかというとそう思わない」「1 点:まったくそう思わない」とし,平均点および標 準偏差を算出した. ・ 達成度は各項目の得点が 3.5-5 点の割合を算出した. ・ 子どもの年齢や状況によって,いずれの回答欄にも該当しないと考えられる場合に限り, 「該当しない」という回答を認め,欠損値として扱った. SD:標準偏差  α:クロンバックの α 係数

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4 Good Death Inventory for Pediatrics

(GDI-P) と看護師が代理評価を行った患者の背景との関連 G D I-P: 総 得 点 G D I-P: 下 位 尺 度 か ら だ や 心 の 苦 痛 が 緩 和 さ れ て い る こ と 遊 び 学 べ る こ と 思 い 出 づ く り や 望 み を 叶 え る こ と       で き る 限 り こ れ ま で と 同 じ よ う に 過 ご す こ と   医 療 者 と 良 好 な 関 係 で 過 ご す こ と       家 族 と 過 ご す こ と         最 小 限 の 医 療 環 境 で 過 ご す こ と         家 族 に 見 守 ら れ な が ら 穏 や か に 最 期 を 迎 え る こ と     n m ea n SD p n m ea n SD p n m ea n SD p n m ea n SD p n m ea n SD p n m ea n SD p n m ea n SD p n m ea n SD p n m ea n SD p 性 別   男   女 16 18 83 .8 79 .2 10 .4 12 .3 .2 41 18 19 10 .2 8.9 2. 1 1. 7 .0 22 17 21 11 .4 10 .9 2. 3 2. 6 .5 07 21 20 12 .2 11 .0 2. 0 3. 2 .1 15 19 20 10 .2 9.7 2. 9 3. 0 .4 05 21 21 12 .0 11 .6 1. 7 2. 2 .5 02 24 23 13 .4 12 .9 1. 5 2. 8 .8 44 21 21 7. 2 6. 0 1. 9 2. 0 .0 44 24 22 8. 9 7. 9 1. 4 2. 3 .1 01 病 名   造 血 器 腫 瘍   脳 腫 瘍   脳 腫 瘍 以 外 の 固 形 腫 瘍 16 6 15 80 .0 86 .5 81 .1 10 .9 7.5 12 .1 .5 01 17 7 18 8. 9 11 .1 9.7 2. 1 1. 4 1. 7 .5 52 17 7 17 11 .1 12 .6 10 .6 2. 3 1. 7 2. 5 .1 45 19 8 17 10 .9 12 .8 11 .8 3. 1 1. 4 2. 3 .4 13 16 8 18 9. 3 9. 9 10 .6 3. 1 2. 2 3. 0 .2 91 18 9 18 12 .1 11 .2 11 .9 2. 0 2. 2 1. 7 .5 25 21 10 19 13 .5 13 .5 12 .6 1. 2 1. 9 2. 9 .6 81 19 9 17 6. 2 6. 8 7. 2 2. 0 2. 1 1. 9 .3 27 22 9 18 8. 1 9. 3 8. 4 2. 2 0. 8 1. 7 .4 10 発 症 時 期   乳 幼 児   6 歳 以 上 15 20 83 .5 80 .0 11 .1 11 .7 .2 86 17 21 10 .5 8.9 2. 0 1. 7 .0 11 18 21 11 .6 10 .6 1. 8 2. 8 .2 95 21 21 12 .0 11 .1 2. 2 3. 1 .3 70 20 20 10 .4 9.5 2. 5 3. 3 .4 89 21 22 11 .9 11 .9 2. 0 1. 7 .7 22 26 22 12 .9 13 .4 2. 6 1. 4 .8 66 20 23 6. 9 6. 5 2. 0 2. 1 .6 16 24 23 9. 0 7. 7 1. 2 2. 2 .0 22 死 亡 時 期   乳 幼 児   6 歳 以 上 11 24 84 .7 80 .0 12 .5 10 .8 .1 45 11 27 10 .6 9.2 2. 3 1. 7 .0 48 12 26 12 .0 10 .6 1. 5 2. 7 .1 43 14 28 11 .9 11 .4 2. 4 2. 8 .5 46 13 26 10 .4 9.7 2. 6 3. 2 .6 32 13 30 12 .2 11 .8 1. 9 1. 8 .4 62 17 30 13 .3 13 .4 2. 0 1. 6 .9 37 12 31 7. 2 6. 5 1. 7 2. 1 .3 07 17 30 9. 0 8. 0 1. 3 2. 1 .0 57 死 亡 場 所   病 棟   自 宅   集 中 治 療 室 33 3 2 82 .0 93 .2 62 .3 10 .4 4.1 0.4 .0 14 36 3 2 9. 7 11 .2 6.8 1. 9 1. 3 1. 8 .0 35 35 3 2 10 .9 12 .7 13 .3 2. 4 0. 8 2. 5 .2 17 38 4 2 11 .8 12 .5 4.8 2. 3 0. 9 2. 5 .0 67 36 3 2 10 .1 12 .8 4.5 2. 7 0. 3 2. 1 .0 08 38 3 4 11 .9 11 .5 10 .9 1. 8 1. 3 3. 3 .6 11 41 4 4 13 .2 14 .4 13 .8 1. 8 0. 8 1. 0 .3 66 37 4 4 6. 9 9. 0 2. 5 1. 5 0. 4 0. 6 <. 00 1 42 4 3 8. 5 9. 6 5. 5 1. 7 0. 5 2. 2 .0 23 自 宅 か ら 病 院 ま で の 時 間   60 分 未 満   60 分 以 上 19 20 82 .3 82 .1 9. 6 12 .8 .9 89 20 22 9. 3 10 .1 2. 3 1. 5 .1 59 21 22 11 .0 11 .1 1. 9 2. 8 .7 14 22 24 11 .7 11 .6 1. 9 3. 1 .5 14 22 22 10 .5 9.6 2. 3 3. 3 .3 28 23 24 11 .7 12 .0 1. 7 2. 1 .8 64 27 25 13 .4 13 .0 2. 3 1. 9 .2 46 22 25 6. 7 6. 8 2. 0 2. 0 .7 40 25 26 8. 6 8. 3 1. 7 1. 9 .5 64 き ょ う だ い   あ り   な し 33 6 82 .4 81 .1 11 .5 10 .6 .8 00 36 6 9. 8 9. 3 1. 9 2. 5 .9 86 34 9 11 .0 11 .6 2. 5 2. 0 .4 81 37 9 11 .8 11 .1 2. 7 2. 4 .2 78 35 9 10 .0 10 .2 3. 1 1. 7 .8 04 38 9 12 .1 10 .8 1. 8 1. 8 .1 02 41 11 13 .3 13 .0 1. 7 3. 3 .6 15 38 9 6. 8 6. 6 2. 0 2. 0 .7 86 42 9 8. 4 8. 7 1. 8 1. 9 .3 57 小 児 が ん 拠 点   拠 点 病 院   拠 点 病 院 以 外 16 22 81 .1 83 .0 9. 1 12 .8 .4 78 16 25 9. 4 9. 9 1. 7 2. 1 .1 45 18 24 10 .4 11 .7 2. 1 2. 4 .0 46 17 28 11 .6 11 .6 2. 1 2. 9 .6 05 19 24 10 .2 9.9 2. 5 3. 2 .7 31 18 28 11 .9 11 .8 1. 8 2. 0 .9 19 20 31 12 .6 13 .6 2. 9 1. 3 .4 96 17 29 7. 1 6. 5 1. 3 2. 3 .6 81 19 31 8. 5 8. 4 1. 6 2. 0 .7 21 施 設 区 分   総 合 病 院 の 小 児 科 27 83 .4 9. 1 .4 11 27 9. 8 2. 1 .9 37 28 11 .4 2. 1 .3 12 30 11 .9 2. 1 .9 08 28 10 .4 2. 0 .6 95 28 11 .7 1. 8 .4 12 32 13 .5 1. 2 .8 48 29 7. 1 1. 5 .3 22 32 8. 4 1. 6 .5 18   小 児 専 門 病 院 12 79 .4 15 .0 15 9. 7 1. 7 15 10 .5 2. 8 16 11 .2 3. 4 16 9. 4 3. 9 19 12 .1 2. 1 20 12 .8 3. 0 18 6. 2 2. 6 19 8. 4 2. 2

(8)

表 4  (つづき) G D I-P: 総 得 点 G D I-P: 下 位 尺 度 か ら だ や 心 の 苦 痛 が 緩 和 さ れ て い る こ と 遊 び 学 べ る こ と 思 い 出 づ く り や 望 み を 叶 え る こ と       で き る 限 り こ れ ま で と 同 じ よ う に 過 ご す こ と   医 療 者 と 良 好 な 関 係 で 過 ご す こ と       家 族 と 過 ご す こ と         最 小 限 の 医 療 環 境 で 過 ご す こ と         家 族 に 見 守 ら れ な が ら 穏 や か に 最 期 を 迎 え る こ と     n m ea n SD p n m ea n SD p n m ea n SD p n m ea n SD p n m ea n SD p n m ea n SD p n m ea n SD p n m ea n SD p n m ea n SD p 終 末 期 の 面 会 制 限   制 限 あ り   制 限 な し 3 36 80 .2 82 .4 16 .4 11 .0 .8 54 3 39 8. 7 9. 8 3. 5 1. 8 .4 45 3 40 12 .3 11 .0 1. 0 2. 4 .3 89 5 41 11 .6 11 .7 3. 0 2. 6 .9 43 3 41 9. 8 10 .1 3. 4 2. 8 .9 25 3 44 11 .5 11 .9 0. 9 2. 0 .6 29 5 47 13 .7 13 .1 0. 8 2. 2 .7 75 4 43 6. 9 6. 7 3. 0 1. 9 .7 30 5 46 8. 7 8. 4 1. 8 1. 8 .5 71 2 群 間 差 は W ilc ox on 検 定 , 3 群 間 差 は 独 立 サ ン プ ル に よ る K ru sk al -W al lis 検 定 を 行 っ た . 網 掛 け / 太 字 は 有 意 差 あ り 表

5 Good Death Inventory for Pediatrics

(GDI-P)

Care Evaluation Scale

(CES) との関連 G D I-P: 総 得 点 G D I-P: 下 位 尺 度 か ら だ や 心 の 苦 痛 が 緩 和 さ れ て い る こ と 遊 び 学 べ る こ と 思 い 出 づ く り や 望 み を 叶 え る こ と       で き る 限 り こ れ ま で と 同 じ よ う に 過 ご す こ と   医 療 者 と 良 好 な 関 係 で 過 ご す こ と       家 族 と 過 ご す こ と         最 小 限 の 医 療 環 境 で 過 ご す こ と         家 族 に 見 守 ら れ な が ら 穏 や か に 最 期 を 迎 え る こ と     相 関 係 数 P 相 関 係 数 P 相 関 係 数 P 相 関 係 数 P 相 関 係 数 P 相 関 係 数 P 相 関 係 数 P 相 関 係 数 P 相 関 係 数 P C E S: 総 得 点 .5 8 < .0 01 .2 4 .1 55 −.0 7 .6 69 .5 3 .0 01 .5 4 .0 01 .2 7 .1 02 .6 3 < .0 01 .2 4 .1 52 .1 6 .3 44 C E S: か ら だ の 苦 痛 に 対 す る 医 師 の 対 応 .3 4 .0 30 .2 8 .0 73 −.1 1 .4 75 .2 9 .0 50 .2 6 .0 90 .2 7 .0 65 .4 4 .0 01 .3 8 .0 09 .2 1 .1 33 C E S: か ら だ の 苦 痛 に 対 す る 看 護 師 の 対 応 .3 5 .0 26 .1 6 .3 08 −.0 4 .7 82 .2 1 .1 71 .1 0 .5 07 .4 4 .0 02 .4 8 < .0 01 .2 5 .0 94 .2 1 .1 32 C E S: 子 ど も と 家 族 へ の 精 神 的 配 慮 .5 5 < .0 01 .1 5 .3 48 −.0 3 .8 69 .5 5 < .0 01 .4 2 .0 05 .2 9 .0 45 .5 9 < .0 01 .3 8 .0 09 .1 9 .1 84 C E S: 医 師 か ら 子 ど も へ の 説 明 .2 4 .1 67 −.0 3 .8 57 −.4 7 .0 04 .3 3 .0 50 .2 3 .1 73 .0 8 .6 45 .2 5 .1 46 .0 9 .5 85 −.0 2 .9 31 C E S: 医 師 か ら 家 族 へ の 説 明 .5 5 < .0 01 .1 0 .5 23 −.1 4 .3 78 .5 0 < .0 01 .4 7 .0 01 .4 1 .0 04 .4 2 .0 02 .3 7 .0 10 .2 6 .0 63 C E S: 設 備 .3 3 .0 41 .2 9 .0 61 .2 6 .0 88 .3 0 .0 47 .3 0 .0 51 .3 5 .0 16 .1 8 .1 91 .1 9 .1 93 .1 1 .4 60 C E S: 家 族 へ の 配 慮 .2 8 .0 75 .2 6 .0 87 .1 3 .3 94 .2 1 .1 53 .2 8 .0 71 .0 5 .7 34 .2 2 .1 24 .0 2 .8 92 .1 7 .2 23 C E S: 連 携 や 継 続 性 .4 5 .0 03 .1 6 .3 03 .1 7 .2 83 .2 6 .0 86 .3 5 .0 22 .2 9 .0 49 .4 7 < .0 01 .2 2 .1 47 .0 7 .6 26 Pe ar so n の 相 関 係 数   網 掛 け / 太 字 は 相 関 係 数 0. 4 以 上

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 GDI-P の総得点は CES の総得点および CES の下位尺 度である「子どもと家族への精神的配慮」,「医師から 家族への説明」と正の相関が認められ,家族に対する 十分な説明や希望を叶えるための調整といったケアが 終末期の小児がん患者の QOL につながっていると推 測される.一方で,CES の下位尺度である「からだの苦 痛に対する医師の対応」や「からだの苦痛に対する看護 師の対応」の達成度が 6 項目中 5 項目で 9 割を超えてい たが,GDI-P の総得点および GDI-P の下位尺度「からだ や心の苦痛が緩和されていること」と弱い相関しか認 められず,苦痛緩和へのケアプロセスが効果的な苦痛 緩和に結びついていない可能性が示唆された.先に示 した若年成人の調査結果においても,若年成人がん患 者に対する終末期ケアの質は全体的に高かったもの の,若年成人がん患者の QOL は全体的に低いことが指 摘されている34).ケアの構造・プロセスの評価と QOL の結果のかい離に対し,小児領域における症状緩和の 質を向上させるための方略の検討や小児緩和医療・ケ アのベースアップが必要である. 研究の限界  本研究の主な限界は,第 1 に,GDI-P は看護師によ る代理評価尺度であり,看護師と遺族間,看護師と患 者本人間の評価者間信頼性は検討されていない.代理 評価の場合,医療者と遺族間で心理的側面の評価の一 致率が低いといわれており38),終末期にある小児がん 患者本人や遺族の声をどの程度正確に反映しているか 課題が残る.第 2 に,GDI-P は,看護師の主観や思い 出しバイアスによる影響を最小限にするために 2 名の 代理評価者の平均を用いることが推奨されているが, 代理評価を行う患者 1 名につき看護師 2 名から回答が ったのは約 6 割にとどまった.また,1 名の看護師 からのみの回答と 2 名の看護師からの回答の平均を同 一に扱うことで,達成度の基準が不明瞭になった点が 課題として挙げられる.第 3 に,看護師が代理評価を 行った患者数が少なく,QOL および関連要因を十分に 検討することができたとは言い難い.そのため,本研 究の結果を,日本の現状として一般化することは難し い.以上のような限界があるものの,本研究は日本に おいて小児がん患者の終末期の QOL とその関連要因 を定量的に評価した初めての調査である.今後,対象 者数を増やしデータを蓄積して関連要因をより明確に するとともに,数年ごとに同様の調査を行い,終末期 ケアの質を経年的に評価し,終末期にある小児がん患 者と家族の QOL 向上につなげていくことが大切だと 考える.

結 論

 本研究は,終末期にある小児がん患者の QOL とその 関連要因を看護師による代理評価尺度を用いて定量的 に調査した.本研究は看護師による代理評価であるた め結果の解釈には注意を要するが,本研究の結果か ら,終末期にある小児がん患者の苦痛緩和が不十分な 現状と,苦痛緩和へのケアプロセスの評価は全体的に 高かったが,効果的な苦痛緩和へ結びついていない現 状にあることが示唆された.終末期にある小児がん患 者に対する QOL の向上において,苦痛緩和が最優先課 題であると考えられる. 付記 本研究は平成 27 年度公益財団法人安田記念医学財団の 癌看護研究助成(大学院学生)を受けて行った.また,平成 29 年第 15 回日本小児がん看護学会学術集会にて発表した. 宮下光令:企業の職員・顧問職(NPO 法人ホスピス緩 和ケア協会理事),原稿料(株式会社メディカ出版) その他:該当なし 名古屋は研究の構想およびデザイン,研究データの収 集,分析,解釈,原稿の起草に貢献;宮下および塩飽 は研究の構想およびデザイン,研究データの収集,分 析,解釈,原稿の重要な知的内容に関わる批判的な推 敲に貢献;入江は研究の構想およびデザイン,原稿の 重要な知的内容に関わる批判的な推敲に貢献;余谷は 研究データの解釈,原稿の重要な知的内容に関わる批 判的な推敲に貢献した.すべての著者は投稿論文なら びに出版原稿の最終承認,および研究の説明責任に同 意した. 文 献

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(12)

Original Research

Quality-of-life of Pediatric Cancer Patients Receiving

End-of-life Care and Related Factors: Using a Proxy

QOL Rating Scale from the Nurse’s Perspective

Yuko Nagoya,

1,2)

Mitsunori Miyashita,

3)

Wataru Irie,

2)

Nobuyuki Yotani,

4)

and Hitoshi Shiwaku

2)

1) Nursing Department, Miyagi Children’s Hospital,

2) Department of Child Health Nursing, Tohoku University School of Medicine, 3) Department of Palliative Nursing, Tohoku University School of Medicine, 4) Division of Palliative Medicine, National Center for Child Health and Development

Objectives:

The study purpose was to examine quality-of-life (QOL) of pediatric cancer patients at end-of-life

and related factors using a QOL proxy rating scale from the nurse’s perspective. Methods: We conducted a

sur-vey in October 2015−February 2016. The subjects to be sursur-veyed were nurses who were primarily in charge of

patients with childhood cancer at end-of-life. We investigated 22 items of the Good Death Inventory for

Pediat-rics (GDI-P) and their related factors. Results: In total, 53 proxy evaluate questionnaires were completed from

18 centers. Among the eight factors of GDI-P, “Relief from physical and psychological suffering” was the lowest.

The total score of GDI-P was positively correlated with the structure and process of care (r=0.58). Although

there was a bias in the number of cases, in the case of the place of death was the intensive care unit, the total

score of GDI-P was lower than home and the general ward. Conclusions: It was suggested that the top priority

in improving QOL was relief from suffering and the structure and process of care were related to QOL.

Palliat Care Res 2020; 15(2): 53-64

表 3 Good Death Inventory for Pediatrics(GDI-P)の代理評価得点(n=53)

参照

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