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総説 唾液腺再生を目的とした血小板由来増殖因子の分岐形生促進作用の解明

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総説 唾液腺再生を目的とした血小板由来増殖因子

の分岐形生促進作用の解明

著者

福本 敏

雑誌名

東北大学歯学雑誌

27

2

ページ

37-43

発行年

2008-12

URL

http://hdl.handle.net/10097/44342

(2)

唾液腺再生を目的とした血小板由来増殖因子の分岐形成促進作用の解明

福 本 敏 東 北 大 学 大 学 院 歯 学 研 究 科 口 腔 保 健 発 育 学 講 座 小 児 発 達 歯 科 学 分 野 AnalysisofbranchingmorphogenesisregulatedbyPDGFtogeneratethesalivarygland SatoshiFukumoto Dん「isionof月ediatricDentistty,Departmento'Ora∬HealthandDeve'opmentSciences,Tohokuし ノηivers'fyGraduateSchoofoプDentistry Abstract:Platelet-derivedgrowthfacto「(PDGF)wasoriginallyidenti†iedasamitogenfor smoothmusclecells,fibroblasts,andgliacellsandasaparacrinegrowthfactorthatmediates epithelial-mesenchyma[interactionsinvarioustissues.Sali>aryglandbranchingmor-phogenesis(SMG)involvesGoordinatedreciprocalinteraotionbetweentheoralepitheliumand mesenchyrne.PDGFRαisoneofthemarkersofneuralcrest-derivedcells,Inthisstudy,we demonstratedtheroleofPDGFandtheirreceptorsinmouseSMGmorphogenesis.PDGF-A wasexpressedinSMGepithelium,andPDGF-Bwasexpressedin†hemesenchyme,Further, PDGFRαandPDGFRβwereexpressedinthemesenchyrne,ExogenousPDGF-AAand-BB causedincreasedbranchingandepithelialproliferationinSMGorganculture,whiletheir receptorswereexpressed]nthemesenohyme.siRNAforPDFD-Aand-B,andneutralizing antibodiesforPDGF-ABand-BBcauseddecreasedbranching.PDGF-AAandPDGF-BB inducedtheexpressionofFgf/,Fgf3,fgf7andigflO,ThePDGFRinhibitor,AG-17,inhibitedthe PDGF-inducedSMGbranching.ExogenousFGF7andFGFIO†ullyrestoredthebranchingafter inhibitionwithAG17.Furthermore,adminis†ra†ionofrecombinantFGFRIband2b,orthe FGFRIbinhibltor,SU5402,inhibitedbranching,whichwasnotblockedbyexogenousPDGF, TheseresuItsindicatedthattheFGFsweredownstreamo†PDGFsignalingandthatPDGF signalingregulatesbothFgfexpressioninneuralcrest-derivedmesenchymalcellsandSMG branchingmorphogenesis.PDGFsignalingisapotentialmechanismofinteractionbetween epithelial-andneuralcrest-derivedmesenchyme, Keywords:submandibuIargland,platelet-derivedgrowthfactor(PDGF),fibrobIastgrowth faotor(FGF),neuralcrest、branGhingmorphogenesis は じ め に 伝 子 発 現 解 析 力樋 灘 の 分 岐 形 成 に 関 わ る 遺 伝 子 ス ク リ ー ニ ン グ と し て 重 要 な 役 割 を 果 た す と と も に,唾 液 腺 器 官 培 養 法 を 唾 液 は,口 腔 内 の 湿 潤 や 摂 食 機 能 に 重 要 な 役 割 を 演 じ て い る 用 い た モ デ ル でFGFの 唾 液 腺 分 岐 促 進 の 役 割 を 証 明 し た1)。 ま の み な ら ず,唾 液 中 に 含 ま れ る 様 々 な 因 子 に よ り,口 腔 組 織 の た,唾 液 腺 に 発 現 す る 様 々 な 遺 伝 子 を 欠 損 し た マ ウ ス モ デ ル か 修 復 や 生 体 防 御 機 能 を 有 し て い る 。 唾 液 を 産 生 す る 腺 は,口 腔 ら,今 ま で ブ ラ ッ ク ボ ッ ク ス で あ っ た 唾 液 腺 の 発 生 メ カ ニ ズ ム 内 に 開 口 す る 大 き な 唾 液 腺(大 唾 液 腺)と し て,耳 下 腺,顎 下 が 紐 解 か れ て き た 。こ の よ う に 唾 液 腺 研 究 は,2000年 以 降 の 研 腺,舌 下 腺 で あ り,さ ら に 口 腔 粘 膜 上 に 開 口 す る 小 さ い 唾 液 腺 究 の 中 で,大 き く進 展 し て き た 領 域 と い え る 。 (小 唾 液 腺)に よ り 構 成 さ れ る 。 唾 液 腺 の 機 能 低 下 に よ っ て 引 き 起 こ さ れ る 口 腔 乾 燥 症(い 唾 液 腺 は,胎 児 期 の 口 腔 上 皮 の 肥 厚 と,そ の 周 囲 に 集 積 す る わ ゆ る ド ラ イ マ ウ ス)は,そ の 罹 患 者 人 口 は 推 定800万 人 で あ' 神 経 堤 由 来 の 細 胞 集 団 と の 相 互 作 用 に よ っ て そ の 発 生 が 進 む 。 り,日 本 人 の 「5人 に 一 人 は 何 ら か の 形 で ド ラ イ マ ウ ス の 症 状 こ の い わ ゆ る 上 皮 お よ び 間 葉 組 織 と の 相 互 作 用 の 結 果,高 度 に を 呈 し て い る と 予 想 さ れ る 。し た が っ て,唾 液 腺 の 機 能 回 復 や, 分 岐 し た 唾 液 腺 が 形 成 さ れ る こ と に な る 。唾 液 腺 と 同 じ よ う な 再 生 の た め の 治 療 法 の 開 発 は,大 変 重 要 な 事 項 で あ る と い え 2種 類 の 異 な る 組 織 の 相 互 作 用 に よ り発 生 す る 組 織 と し て は,る 。 し か し な が ら,現 状 で は 人 工 唾 液 や 薬 剤 を 用 い た 対 処 療 法 歯,肺 や 腎 臓 な ど が あ る 。 し た が っ て,唾 液 腺 の 発 生 メ カ ニ ズ が 主 体 で あ り,根 本 的 な 唾 液 の 機 能 回 復 を 行 な う 為 の 治 療 法 が ム の 解 明 は,唾 液 腺 の み な ら ず,広 く 他 の 組 織 の 発 生 の 理 解 や,存 在 し な い の が 現 状 で あ る 。 そ こ で 本 稿 で は,唾 液 腺 再 生 の 為 再 生 の 為 の 基 礎 的 な 知 見 と な り う る 。 の 候 補 分 子 と し てPDGFの 役 割 と,そ の 機 能 を 紹 介 す る 。 近 年 の 発 生 研 究 の 進 展 に よ り,唾 液 腺 の 発 生 過 程 に お け る 各 種 遺 伝 子 発 現 の 変 化 や,そ の 機 能 解 析 が 行 な わ れ て き た 。特 に, 米 国 国 立 衛 生 研 究 所 のHo†fman博 士 らが 発 表 し た 包 括 的 な 遺 37

(3)

38福 本 敏 東 北大 学歯 学雑 誌 酸 配 列 の 異 な るNGFやTGF一 β2と 類 似 し て い る こ と が 知 らPGDFとは れ て い る。 血 小 板 由 来 増 殖 因 子(PDGF)は,血 小 板 中 に存 在 し,主 に 間PDGFAお よ びPDGF-Bの 欠 損 マ ウ ス は,い ず れ も胎 児 期 葉 系 細 胞 の 増 殖 を促 す 因 子 と し て 今 か ら約30年 前 に 精 製 さ あ る い は 出 生 後 ま も な く死 亡 す る4・5)。子 宮 内 死 亡 を免 れ た れ た 分 子 で あ る。 の ち に構 造 の類 似 したPDGF-AとPDGF-BPDGF-Aノ ッ ク ア ウ トマ ウ ス は 肺 気 腫 様 の 変 化 を 示 す が,そ の2量 体 で あ る こ とが 分 か っ た 。 さ ら にPDGF-Bは サ ル 肉 腫 の原 因 は 筋 線 維 芽 細 胞 の 欠 損 に よ る肺 胞 形 成 不 全 と考 え ら れ ウ イ ル スv-sisの プ ロ トオ ン コ遺 伝 子 で あ る こ とが 判 明 し,発 て い る。さ ら にPDGF-Bの ノ ッ ク ア ウ トマ ウ ス で は,腎 臓 の メ 癌 研 究 の観 点 か ら も注 目 さ れ て きた 鋤 。 サ ン ギ ウ ム細 胞 の欠 損 に伴 う腎 糸 球 体 の 形 成 不 全,周 細 胞 の 欠 ヒ トの 染 色 体 上 で は,PDGF-A遺 伝 子 が7q22に,PDGF-B損 に伴 う全 身 の 微 小 血 管 瘤 形 成 と出 血,そ れ に伴 う心 形 成 不 全 遺 伝 子 が22q12.3-13.1に 位 置 す る 。 い ず れ も7個 の エ ク ソ ン を呈 す る。 こ の こ とか ら,肺 や 腎 臓 と同 様 の発 生 過 程 を示 す 唾 を 有 し,そ の 全 長 は 約24kbで あ る(図rA)。 最 近 で は,液 腺 に お い て も,こ れ らマ ウ ス にお い て 何 らか の 異 常 を呈 して PDGF-Aお よびPDGF-B以 外 に,PDGF-C,PDGF-Dの 存 在 い る 可 能 性 が 示 唆 され る。 しか しな が ら,こ れ らマ ウ ス に お け が 確 認 さ れ,A∼Dの4つ の分 子 に よ っ て 構 成 さ れ る フ ァ ミ る唾 液 腺 の表 現 系 に 関 す る 報 告 は皆 無 で あ る。 リー で あ る こ とが 知 られ て い る(図IB)。PDGF-AとPDGF-PDGF-Bに は,ア ミ ノ酸 のG末 端 領 域 に ヘ パ ラ ン硫 酸 と結 Bの タ ンパ ク 質 は,ジ ス ル フ ィ ド結 合 に よ り,ホ モ な い しヘ テ 合 し う るretantionmotifが 存 在 し,PDGF-BBが 分 泌 され た の ロ の2量 体 構 造 を と り,そ の 組 み 合 わ せ か らPDGF-AA,ち に,お も に細 胞 表 面 の ヘ パ ラ ン硫 酸 と結 合 す る事 で,細 胞 表

PDGFABお よ びPDGF-BBの3種 類 が 存 在 す る(図IC)。 面 に と ど まっ て 作 用 す る事 が 予 想 され る。実 際,こ のretantlon

PDGF-AとPDGF-Bに は,成 熟 型 タ ンパ ク質 で 約60%の 相motifを 欠 損 さ せ たPDGF-Bの 過 剰 発 現 モ デ ル で は,網 膜 の 血 同 性 を有 し て お り,さ ら にPDGF-Bの 立 体 構 造 は,全 くア ミノ 管 障 害 や 腎 糸 球 体 の 硬 化 性 変 化 を示 す こ とか ら,毛 細 血 管 の 正

AC

PDGF-AAPDGF-ABPDGF-BBPDGF -A

ATG蜘

●●

㏄(i㈲

噸345∵

↓/lti]iiiii;

細 胞 外 領 域 1234567

B膜

貫通領域

PDGF・A PDGF-B PDGF.Aキ ナ ー ゼ 領 域 PDGF・B VEGF'Dα α α β β β VEGF・C VEGF-BPDGF受 容 体 PIGF VEGF(-A) 図1血 小 板 由来 増 殖 因 子(PDGF)の 遺 伝 子 構 造 と,そ の 受 容 体 結 合 APDGF-Aお よ びPDGF-B遺 伝 子 は,お の お の7つ の エ ク ソ ンか ら構 成 さ れ て い る。 い ず れ も エ ク ソ ン1に 翻 訳 開 始 コ ド ン が 存 在 し て お り,停 止 コ ド ン はPDGF-Aで は エ ク ソ ン6と7に 存 在 し,エ ク ソ ン6の ス キ ッ プ に よ る ス プ ラ イ シ ン グ に よ り,少 な く と も2種 類 の 長 さ の タ ン パ ク が 形 成 さ れ る。 BPDGFフ ァ ミ リ ー の 分 子 樹 形 図 で あ る。pDGFは,現 在 ま で4つ の 分 子 種 が 報 告 さ れ て お り,VEGFフ ァ ミ リー と 類 似 した 配 列 を有 す る。 C,PDGFリ ガ ン ド は,ホ モ ダ イ マ ー あ る い は ヘ テ ロ ダ イ マ ー を構 成 す る こ とか ら,PDGF-Aお よ びPDGF-Bの 組 み 合 わ せ に よ り,PDGF-AA,PDGF-AB,PDGF-BBの3種 類 が 存 在 す る。 受 容 体 も α 鎖 β 鎖 の 組 み 合 わ せ に ょ り3種 類 存 在 す る こ と に な る。PDGF-AA,PDGF-ABは それ ぞ れ1種 類 の 受 容 体 に 結 合 す る が,PDGF-BBは3種 類 の 受 容 体 に 結 合 可 能 で あ る 。

(4)

常 機 能 維 持 に はPDGF-Bが 細 胞 表 面 に と ど ま って 作 用 す る必FGFrOが,唾 液 腺 の 分 岐 形 成 を著 し く促 進 す る事 を,唾 液 腺 の 要 性 が 考 え られ る。現 在,PDGFは 幹 細 胞 か ら血 管 細 胞 へ の分 器 官 培 養 法 を用 い る事 で 証 明 し た1)。実 際,FGFtoを 欠 損 す る 化 誘 導 の た め に 臨 床 応 用 が 期 待 され て い る と と もに,血 管 の平 マ ウ ス や,人 の疾 患 に お い て は 唾 液 腺 の 形 成 障 害 を生 じ る事 が 滑 筋 細 胞 へ はPDGF-BBが 必 要 で あ る と報 告 され て い る6)。ま 同 時 に 明 らか と な っ て き た。 た 下 肢 虚 血 モ デ ル にお け るFGF-2の 血 管 新 生 効 果 が,PDGFSAGEを 用 い た 解 析 で は,唾 液 腺 の分 岐 過 程 に 生 じ る ク レ フ BBの 併 用 に よ り著 し く増 強 さ れ る事 が 報 告 さ れ て お り,再 生 ト形 成 部 分 の 上 皮 組 織 に お い て,一一過 性 に フ ィプ ロ ネ ク チ ン と 療 法 へ の応 用 が 期 待 さ れ て い る。 呼 ば れ る細 胞 外 マ ト リ ッ ク ス の 発 現 が 上 昇 し,こ の フ ィプ ロ ネ ク チ ン に結 合 し う る 唾 液 腺 の 問 葉 系 細 胞 が ク レ フ ト部 分 に 侵 入 す る こ とで,そ の ク レ フ トを押 し広 げ,唾 液 腺 の 分 岐 が 行 な 先 行 研 究 概 念 わ れ る こ とが 明 らか とな った(図2B)。 また フ ィプ ロ ネ クチ ン 従 来 よ り,唾 液 腺 研 究 に関 して は,そ の分 泌 機 能 に 関 わ る研 が 分 泌 さ れ る こ と に よ り,上 皮 で の カ ドヘ リ ン な どの,上 皮 細 究 が 主 体 で あ っ た。 そ の 原 因 と して は,invitroの 実 験 系 が 構 胞 同 士 の 結 合 に 関 わ る分 子 の 発 現 低 下 が 誘 導 さ れ る。 そ の 結 築 さ れ て い な か っ た 点 が 大 き く影 響 し て い る と考 え られ る。具 果,上 皮 細 胞 の 結 合 が 解 除 さ れ,そ こ に 間葉 細 胞 が 侵 入 す る こ 体 的 に は適 切 な 唾 液 腺 の器 官 培 養 系(図2A)や,唾 液 腺 由 来 とで,分 岐 が進 む とい う こ とが 分 か っ た 。 さ ら に唾 液 腺 の 器 官 の 細 胞 株 が 十 分 存 在 して い な い 事 が,分 子 生 物 学 的 な ア プ ロ ー 培 養 法 に,外 来 性 に フ ィ プ ロ ネ クチ ン を添 加 す る事 で,人 工 的 チ を妨 げ る結 果 と な っ て い た 。 に 唾 液 腺 の 分 岐 を 促 進 す る事 に も成 功 した 。この2っ の 包 括 的 唾 液 腺 に 関 す る分 子 遺 伝 学 的 な ア プ ロ ー チ と して,全 世 界 で な分 子 ス ク リー ニ ング か ら,FGFと フ ィ プ ロ ネ ク チ ン が,唾 液 展 開 さ れ て き た ゲ ノ ム プ ロ ジ ェ ク トの 終 焉 に伴 い,米 国 国 立 衛 腺 の 分 岐 促 進 作 用 を有 す る と い う,新 し い発 見 を提 供 した こ と 生 研 究 所 を 中心 に,頭 蓋 顔 面 の形 成 に 関 わ る遺 伝 子 発 現 の 包 括 に な っ た7)。 的 な ス ク リー ニ ン グ が 開 始 さ れ た 。これ をオ ー ラル ゲ ノ ム プ ロ しか しな が ら,問 葉 組 織 に 発 現 す るFGFは,そ の よ う な分 子 ジ ェ ク トと呼 ん で い る が,こ の ア プ ロ ー チ の 中 で 唾 液 腺 に関 し の刺 激 に よ り,誘 導 さ れ るの か,あ る い は ク レ フ ト部 分 に侵 入 て は,マ イ ク ロ ア レ ー とSAGEと 呼 ばれ る 手 法 を 用 い て,唾 液 し た細 胞 は,唾 液 腺 上 皮 に対 し て,ど の よ う な分 子 作 用 を及 ぼ 腺 発 生 過 程 に お け る遺 伝 子 発 現 の 解 析 が 行 な わ れ て きた 。マ イ す の か 明 らか で は な か っ た 。 ク ロ ア レ ー を用 い た 解 析 で は,マ ウス の胎 児 唾 液 腺 組 織 の 発 生

段 階 にお12るmRNAを

抽 出 し・このmRNAの

発 現の差 を利用

筆者 ら

の 研 究成 果

し て,唾 液 腺 分 岐 形 成 に 関 わ る 分 子 の 同 定 が試 み られ て い た 。 一 方 で,SAGEを 用 い た 解 析 で は,分 岐 形 成 過 程 に 生 じ る唾 液1・PDGFお よ びPDGF受 容 体 の 唾 液 腺 組 織 で の 発 現 腺 の 裂 形 成(ク レ フ ト)(図2B)に 着 目 し,ク レ フ ト を生 じ て 唾 液 腺 の 発 生 は,前 述 の 通 り上 皮 系 の細 胞 と,そ の 周 囲 に集 い る部 分 と,そ うで な い 部 分 との 遺 伝 子 発 現 の 差 に つ い て検 討 積 した 神 経 堤 由 来 細 胞 との 相 互 作 用 に お い て 段 階 的 に 進 む ご が 行 な わ れ た 。前 者 の マ イ ク ロ ア レ ー を用 い た 手 法 か ら,唾 液 とが 知 られ て い た 。歯 胚 に お い て も神 経 堤 由 来 細 胞 が ,間 葉細 腺 発 生 過 程 に お け るBMPとFGFの 役 割 に つ い て 詳 細 な 検 討 胞 の 大 部 分 を示 す こ とが,Wntl-Cre/R26Rマ ウ ス を用 い た 解 が 行 な わ れ,特 に 唾 液 腺 の 問 葉 組 織 に 発 現 す るFGF7と 析 か ら明 らか とな っ た8)。こ れ は神 経 堤 由 来 細 胞 の マ ー カ ー 分

AB

24hr48hr 顎 下 腺 耳 下 腺 駆 ・ クレフ ト形 成 間 葉 細 胞 の 侵 入 図2唾 液腺 の器官 培 養 と分岐 形成 A.マ ウス胎生13日 の顎 下 腺 お よび 耳 下腺 組 織 を摘 出 し,器 官 培 養後24時 間(24hr)と48時 間(48hr)の 組 織 を示 す。顎 下腺 お よび耳下 腺 と もに48時 間で約 「5倍以上 に分岐 が充 進 す る。B .分 岐形 成過 程 に おい て は,ま ず上 皮組 織 内 にク レ フ ト(左 図,矢 印)が 生 じる。 その後,ク レ フ ト部 分 に聞葉 細胞 が 侵入 して,ク レフ トを押 し広 げ るよ うにな り,そ の結果,分 岐が お こ る こ とにな る(右 図,破 線矢 印)。

(5)

40福

本 敏

東北大学歯学雑誌

APDGF.APDGF.BPDGFαRPDGFβR B PDGF-AAFGF1,FGF3,FGF7,FGFIOの 発 現 促 進 一 一 レ → 分 岐 促 進 PDGF・BBFGF2の 発 現 低 下 PDGFAsiRNAFGF1,FGF3,FGF7,FGFloの 発 現 低 下 ・レ → 分 岐 抑 制 PDGF-BsiRNAFGF2の 発 現 促 進 図3.PDGFお よび その受容 体 の 発現 と,分 岐形 成 にお ける役割 A.PDGF-Aは 上 皮 に 限局 して発現 す るが,PDGF-Bお よびPDGF受 容 体 は,問 葉細 胞 に のみ発 現 を示 す。B.PDGF-AAお よびPDGF-BBは,FGF1,FGF3,FGF7,FGFIOの 発現 を誘 導 す る一 方で,FGF2の 発現 を抑制 す る。 これ らの 結果,唾 液 腺 の分岐 が 充進 す るこ とが 予測 され る。PDGF-Aお よびPDGF-Bに 対 す るsiRNAは,そ の逆 の結 果 を示 し, 分 岐形成 を抑制 す る。 子 で あ るWntlを プ ロ モ ー タ ー と し てCreリ コ ン ビ ナ ー ゼ を て,何 らか の 影 響 を 及 ぼ して い る可 能 性 が 示 唆 され た。 発 現 さ せ,こ の 酵 素 の 作 用 に よ り該 当 す る細 胞 に β一ガ ラ ク ト シ ダ ー ゼ を発 現 させ る こ とで,神 経 堤 由 来 細 胞 を青 色 に 染 色 す2・PDGFに よ る唾 液 腺 分 岐 形 成 促 進 る 手 法 で あ る。 しか しな が ら,同 様 に手 法 を 用 い て,唾 液 腺 にPDGFお よ びPDGF受 容 体 が,唾 液 腺 組 織 に発 現 して い る お け る 問 葉 細 胞 集 団 が,神 経 堤 由来 で あ るか ど うか を,遺 伝 子 こ とが 明 らか と な った 為,唾 液 腺 の 器 官 培 養 系 にPDGF-AA レ ベ ル で 解 析 した 報 告 は無 か っ た 。従 来 は神 経 堤 細 胞 を色 素 で お よ びPDGF-BBを そ れ ぞ れ 添 加 し,そ の 分 岐 形 成 に及 ぼ す ラ ベ ル し,そ の ラベ ル さ れ た 細 胞 が,ど の よ うに 各 組 織 に移 動 影 響 を検 討 す る こ と と し た 。 す る か とい っ た 発 生 工 学 的 な 手 法 で 解 析 が な され て い た 。そ こPDGF受 容 体 は,い ず れ も 問 葉 細 胞 に 発 現 し て い る こ とか でWntl-Cre/R26Rマ ウ ス を 用 い て,唾 液 腺 の 問 葉 細 胞 に お い ら,唾 液 腺 上 皮 細 胞 お よ び 間 葉 細 胞 の 初 代 培 養 系 に,PDGF一 て 青 く染 色 さ れ るか ど うか を確 認 した 。そ の 結 果,ほ と ん ど全AAお よ びPDGF-BBを 添 加 し,そ の 下 流 の シ グ ナ ル 分 子 で あ て の 唾 液 腺 の 問 葉 細 胞 は,神 経 堤 由 来 の細 胞 集 団 で あ る こ とを るERKr/2の リン酸 化 を検 討 した 。い ず れ の リガ ン ドに お い て 明 ら か に した 。 またPDGF受 容 体 の 一 つ で あ るPDGFαRは,も,上 皮 細 胞 に お い て はERKI/2の リ ン酸 化 は検 出 で き な か っ 神 経 堤 由 来 細 胞 の マ ー カー 分 子 と して,Wntlと と も に使 用 さ た が,問 葉 細 胞 にお い て の み,ERK1/2の リ ン酸 化 が 認 め られ れ て い た が,PDGF受 容 体 が 神 経 堤 由来 細 胞 に お い て どの よ う た 。 この 結 果,PDGF受 容 体 の 発 現 と一 致 して,PDGFの 刺 激 な 作 用 を 有 して い る の か 明 らか で な か った 。 そ こで,神 経 堤 由 が 間 葉 組 織 の み に伝 達 さ れ作 用 して い る こ とが 確 認 で き た 。 来 唾 液 腺 細 胞 に お け るPDGFの 役 割 に つ い て解 析 す る こ と と 唾 液 腺 の器 官 培 養 で は,マ ウ ス の 胎 生13日 目 に お い て,3一 した9}。4個 に分 岐 した 顎 下 腺 と,1個 の耳 下 腺 が 混 在 した 器 官 を得 る は じめ に,PDGF-A,PDGF-Bお よ び これ らの 受 容 体 で あ る こ とが で き る(図2A)。 こ れ を48時 間 培 養 す る と,そ の 分 岐 PDGFαR,PDGFβRの 発 現 に つ い て 免 疫 組 織 学 的 に 検 討 を行 の数 は約 「5倍 程 度 まで 増 加 す る。唾 液 腺 の 器 官 培 養 は,短 時 間 な っ た 。 そ の 結 果,PDGF-Aは 唾 液 腺 上 皮 に 限局 し て発 現 し,で 分 岐 の 評 価(発 生 の 評 価)が で き るた め,大 変 簡 便 で 重 要 な PDGF-B,PDGFαRお よびPDGFβRは 間 葉 細 胞 に特 異 的 に発 解 析 法 と い え る。参 考 ま で に歯 胚 の 器 官 培 養 で は,同 様 の分 化 現 し て い る結 果 を得 た。 さ ら にPDGFお よ びPDGF受 容 体 の 過 程 を経 過 す る為 に は7-10日 の培 養 器 官 を必 要 とす る。 この mRNAの 発 現 パ タ ー ン は,免 疫 染 色 を用 い て 行 な っ た 解 析 に 唾 液 腺 の 器 官 培 養 にPDGF-AAお よ びPDGF-BBを 添 加 し た お い て も,同 様 の 結 果 を得 た(図3A)。 この 結 果 か ら,上 皮 由 際 に は,い ず れ の リガ ン ドの 添 加 にお い て も,分 岐 の形 成 が 促 来 のPDGF-Aは,神 経 堤 由 来 の 間 葉 細 胞 のPDGFαRを 介 し 進 され る こ とが 分 か った 。 そ の 一 方 で,PDGFの 発 現 抑 制 を行

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な う為 に,各PDGFに 対 す るsiRNAを 添 加 した 結 果,PDGF一 も外 来 性 にFGFを 添 加 す る こ とで,唾 液 腺 の 分 岐 が 回 復 す る Aお よびPDGF-Bの 唾 液 腺 に お け る 発 現 低 下 と と も に,器 官 は ず で あ る。 も し,PDGFに よ りFGF以 外 の 別 の 因 子 が 作 用 培 養 に お け る分 岐 形 成 が 著 し く阻 害 さ れ た 。 同 様 の 結 果 が,し,唾 液 腺 の分 岐 を促 進 して い る な ら ば,FGFの 添 加 の み で は PDGFの 作 用 を 中 和 す る抗 体 の 添 加 に よ って も確 認 さ れ た こ 分 岐 が 回復 し な い 。 さ らに,上 皮 に お け るFGFシ グ ナ ル を ブ とか ら,PDGF-AAお よ びPDGF-BBが 唾 液 腺 分 岐 に必 須 の分 ロ ッ クす れ ば,外 か らい く らPDGFを 添 加 し て も,唾 液 腺 の 分 子 で あ る こ とが 分 か っ た 。 また,こ れ ら の結 果 は,PDGF-Aお 岐 形 成 は起 こ ら な い こ とに な る 。 よぴPDGF-Bノ ック ア ウ トマ ウ ス で 観 察 され た 肺 や 腎 臓 の形 我 々 は,こ の 問 題 を 明 らか に す る為 に,PDGF受 容 体 の 阻 害 成 異 常 に お け る結 果 と,類 似 し て い た もの と予 想 され る 。 剤 で あ るAG-17と,FGFの1型 受 容 体(FGFR1)の 抑 制 剤 SU5402とFGF7お よ びFGFIOの 中和 目 的 の 為 に,リ コ ン ビ 3・PDGFに よ る神 経 堤 由 来 細 胞 で のFGFの 発 現 誘 導 ナ ン トFGFRIbお よ びFGFR2bを 用 い た。AG-17を 用 い る PDGFの 唾 液 腺 分 岐 形 成 促 進 作 用 は,BrdUな どの取 り込 み と,PDGF刺 激 に よ るERK1/2の リ ン酸 化 の 抑 制 と と も に,間 を指 標 に,組 織 内 で の 細 胞 の 増 殖 能 を検 討 した 結 果,上 皮 細 胞 葉 組 織 で のFGF7お よ びFGFIOの 発 現 低 下 が 認 め られ た 。 さ の細 胞 増 殖 を特 異 的 に 促 進 し,間 葉 細 胞 の 増 殖 に は全 く影 響 し らに 器 官 培 養 に お い て は,唾 液 腺 の 分 岐 形 成 が 抑 制 さ れ た 。 こ な い こ とが 分 か った 。こ の こ とは,唾 液 腺 上 皮 細 胞 にPDGFaRのAG-17の 存 在 に よ る唾 液 腺 の分 岐 形 成 抑 制 効 果 は,外 来 性 お よ びPDGFbRの 発 現 が 認 め られ な い事 か ら,PDGFAAお に添 加 し たFGF7お よ びFG[0の 作 用 に よ り,完 全 に キ ャ ン よ びPDGF-BBの 作 用 は,上 皮 細 胞 に 直 接 的 な影 響 を 及 ぼ す セ ル さ れ た 。 この こ と は,PDGF刺 激 が ブ ロ ッ ク さ れ て も, の で は な く,そ の 受 容 体 が 発 現 して い る唾 液 腺 問 葉 細 胞 に作 用FGF7お よ びFG[0の み で,PDGFの 効 果 を 代 償 で き る とい し,2次 的 に そ の細 胞 か ら上 皮 の細 胞 増 殖 を誘 導 す る分 子 が分 う こ とで あ る。 し か し なが ら,FGFの1型 受 容 体(FGFRI)の 泌 され て い る こ と を予 想 し た 。 そ こで,PDGF刺 激 に よ り,唾 抑 制 剤SU5402を 用 い た 場 合 に は,PDGFか らの 刺 激 に は何 ら 液 腺 間 葉 細 胞 に お い て 発 現 の 上 昇 す る分 子 の ス ク リー ニ ン グ 影 響 を及 ぼ して い な い に も関 わ らず,唾 液 腺 の 分 岐 形 成 は抑 制 を行 な う こ と と した 。 さ れ,同 様 の 結 果 は リ コ ン ビ ナ ン トFGFRIbお よ びFGFR2b 従 来 の 報 告 か ら,PDGFの 夕 一 ゲ ッ ト分 子 と し て,FGFフ ァ を 用 いた 実 験 で も確 認 さ れ た 。 この2つ の 実 験 に よ り,PDGF ミ リー を 予 測 して い た 。そ れ はFGFの 大 部 分 が,問 葉 組 織 に発 の 下 流 にFGF7お よびFGFIOhS存 在 し て い る こ と を証 明 で き 現 し,上 皮 細 胞 の増 殖 を促 進 す る こ とが,Hoffman博 士 ら の研 た 。 究 か ら明 らか とな っ て い た た め で あ る。実 際,PDGF-AA刺 激 本 研 究 の 結 果 を ま とめ る と,以 下 の よ う に な る。発 生 の初 期 に お い て は,FG[,FGF3,FGF7お よ びFGFIOの 発 現 が 促 進 段 階 にお い て,神 経 管 周 囲 の神 経 堤 細 胞 が,歯 胚 な ど と同様 に さ れ,PDGF-BB刺 激 に お い て も同 様 の 結 果 を 得 た(図3B)。 唾 液 腺 の発 生 す る部 分 に移 動 す る 。そ の 結 果,唾 液 腺 の 上 皮 細 さ ら にFGFフ ァ ミ リー 分 子 の 中 で は,唾 液 腺 の 分 岐 抑 制 に作 胞 と の相 互 作 用 に よ っ て,唾 液 腺 の 分 岐 が 充 進 す る こ と に な 用 す るFGF2に お い て は,PDGF-AAお よ びPDGF-BB刺 激 の る。 そ の 過 程 に お い て,上 皮 由 来 のPDGF-Aや 問 葉 由 来 の い ず れ に お い て も,そ の 発 現 が 低 下 し て い た 。 こ の こ と はPDGF-Bが,神 経 堤 由 来 細 胞 に発 現 す るPDGF受 容 体 に結 合 PDGFが,唾 液 腺 分 岐 促 進 作 用 を 有 す るFGFの 発 現 を,問 葉 細 し,FGF7やFGFIOの 発 現 を誘 導 す る 。そ の 結 果,誘 導 さ れ た 胞 にお い て 誘 導 し て い る可 能 性 を示 した こ と に な る。 一 方 で,FGFは,上 皮 細 胞 に発 現 す るFGF受 容 体 に 結 合 し,上 皮 細 胞 PDGF-Aお よ びPDGF-Bの 発 現 抑 制 の た め にsiRNAを 添 加 の増 殖 を促 進 す る こ とで,唾 液 腺 の分 岐 が 充 進 す る こ とに な る した 際 に は,FGF発 現 は全 く逆 の 結 果 を 示 し,FGFI,FGF3,(図4)。 FGF7お よびFGFIOの 発 現 は 著 し く低 下 す る と と も に,FGF2こ の よ う に,我 々 の研 究 成 果 か ら,新 た な上 皮 一間 葉 組 織 の の発 現 の 増 加 を 認 め た(図3B)。 相 互 作 用 が 証 明 で きた と と も に,こ れ らの 分 子 は直 接 唾 液 腺 の PDGFに よ るFGFフ ァ ミ リー の 発 現 誘 導 が 確 認 さ れ た こ と 分 岐 を促 進 で き る こ とか ら,萎 縮 あ る い は形 成 障 害 を伴 っ た 唾 か ら,お そ ら くPDGFの 下 流 でFGFが 作 用 し て い る こ とが,液 腺 の 組 織 再 生 に 直 接 応 用 可 能 で あ る か も しれ な い 。 実 際, 単 純 に予 測 さ れ る。 こ こで 注 意 し な けれ ば な ら な い こ と は,PDGF-BBに 関 し て は,血 管 新 生 の た め の 臨 床 応 用 が検 討 さ れ PDGFに よ っ て誘 導 さ れ たFGFが 本 当 に 唾 液 腺 の 分 岐 形 成 に て い る こ とか ら,FGF7やFGFrOよ り も早 い 段 階 で の 利 用 が 十 分 な ほ どの 作 用 を持 っ て い るの か ど うか とい う こ と で あ る 。 可 能 と な る で あ ろ う。 また,PDGF,FGF7,FGFIOお よ び フ ィ PDGFに よ っ て,FGFが 誘 導 さ れ る こ と は 間 違 い な い と し て プ ロ ネ ク チ ンの 混 合 薬 が,ド ラ イ マ ウ ス 等 の 治 療 へ と応 用 で き も,そ れ が 今 まで 報 告 され て い るFGFの 唾 液 腺 に お け る効 果 る様 に な る か も しれ な い。 こ の よ う な,い くつ か の夢 を抱 きな を証 明 す る も の で は な い 。そ こで,我 々 は 以 下 の仮 説 を た て る が ら,今 後 の 研 究 を遂 行 して い く予 定 で あ る。今 後 の 唾 液 腺 研 こ とで,そ れ を証 明 す る為 の 実 験 計 画 を 立 て た 。 も し,PDGF究 の 目的 は,さ らな る唾 液 腺 分 泌 促 進 分 子 の 同定 と,上 皮 内 で に よ り誘 導 さ れ たFGFが 唾 液 腺 の 分 岐 形 成 を促 進 した の で あ のPDGF発 現 に関 わ る分 子 の 同 定 で あ る。こ れ らの 成 果 が,広 れ ば,唾 液 腺 の 間 葉 細 胞 に お け るPDGFシ グ ナ ル を ブ ロ ッ ク く国 民 の 健 康 に貢 献 で き る こ とを期 待 し つ つ,本 稿 を終 了 さ せ す る こ とで,FGFの 発 現 を抑 制 す る で あ ろ う し,こ の 条 件 下 で て い た だ き た い と思 い ま す。

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42福

本 敏

東北大学歯学雑誌

㌦.灘

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FGF7医

歯薬 学研究科 の福本 恵美子博 士,九 州大 学大 学院歯学 研究 院

FGF10

の岩本

勉博 士,吉 崎恵悟 博士 お よび東北 大学大 学院歯 学研究

科 の山田亜矢博 士 に感 謝 申 し上 げ ます。

SU5402 図4.PDGFお よ びFGFを 介 し た 上 皮 一問 葉 相 互 作 用 神 経 堤 由 来 細 胞 は,唾 液 腺 の 発 生 部 位 に 移 動 す る が, PDGF受 容 体 を 発 現 し て い る た め,上 皮 由 来 のPDGFA の 作 用 を 受 け て,FGF7やFGFrOの 発 現 を 誘 導 す る 。 神 経 堤 由 来 の 間 葉 細 胞 に お い て 発 現 す るFGF7やFGFIO は,上 皮 側 の 受 容 体 に 結 合 し,上 皮 の 細 胞 増 殖 を 促 進 す る 。 そ の 結 果,唾 液 腺 の 分 岐 が 充 進 す る こ と に な る 。 内 容 要 旨:血 小 板 由 来 増 殖 因 子(PDGF)は,平 滑 筋,線 維 芽 細 胞,グ リ ア 細 胞 の 増 殖 因 子 と し て,ま た 上 皮 一問 葉 相 互 作 用 の パ ラ ク ラ イ ン 因 子 と し て 同 定 さ れ た 。唾 液 腺 も 上 皮 一間 葉 相 互 作 用 に よ り 形 成 さ れ る 組 織 で あ る 。唾 液 腺 の 問 葉 細 胞 は, 神 経 堤 由 来 細 胞 で あ り,従 来 よ りPDGFの α 受 容 体(PDGFαR)が そ の マ ー カ ー と し て 知 ら れ て き た 。 し か し な が ら,こ れ ら 受 容 体 の 唾 液 腺 に お け る 役 割 は 不 明 で あ っ た 。 そ こ で,唾 液 腺 発 生 過 程 に お け るPDGFの 役 割 に つ い て 検 討 を 行 な っ た 。PDGF-Aは 唾 液 腺 上 皮 に 発 現 し,PDGF-Bは 聞 葉 組 織 に 発 現 し て い た 。 そ の 受 容 体(PDGFαRお よ びPDGFβR)は, い ず れ も 間 葉 組 織 に 発 現 し て い た 。 外 来 性 に 添 加 し たPDGF-AAお よ びPDGF-BBは,器 官 培 養 に お け る 唾 液 腺 の 分 岐 形 成 を 促 進 し,PDGF-Aお よ びPDGF-Bに 対 す るsiRNAや,そ の 中 和 抗 体 は,逆 に 唾 液 腺 の 分 岐 形 成 を 抑 制 し た 。PDGF-AAお よ びPDGF-BBと も に 唾 液 腺 に お け るFGF1,FGF3,FGF7とFGFIOの 遺 伝 子 発 現 を 促 進 し,PDGF受 容 体 の 阻 害 剤 で あ るAG-17は,FGF7お よ びFGF10の 遺 伝 子 発 現 を 抑 制 し た 。外 来 性 に 添 加 し たFGF7お よ びFGFrOは,AG-「7に よ っ て 抑 制 さ れ て い た 唾 液 腺 の 分 岐 形 成 を ほ ぼ 完 全 に 回 復 し た 。 一 方,FGF受 容 体 シ グ ナ ル の 阻 害 剤 で あ るSU5402や,FGF の 作 用 を 中 和 す る リ コ ン ビ ナ ン トFGFRIbお よ びFGFR2bは,唾 液 腺 の 分 岐 形 成 を 抑 制 し,こ の 抑 制 は 外 来 性 に 添 加 し た PDGFに よ っ て 回 復 し な か っ た 。 以 上 の 結 果 か ら,唾 液 腺 に お い てFGFはPDGFシ グ ナ ル の 下 流 に 存 在 し,上 皮 一問 葉 組 織(神 経 堤 由 来 細 胞)の 相 互 作 用 と,分 岐 形 成 に 重 要 な 役 割 を 演 じ て い る こ と が 示 唆 さ れ た 。 tor.Science221:275-277,1983. 文 献4)Boucher ,P,1Got†hard†,M.,Li,W.P.,Anderson,R.G,and 1>H。ffmanlM.P.ロKidd。,,B.L.,St,i,b,,9,Z.L,L、kh。,1,S.,He「z,J・:LRP:「

。leinvascula「wailinteg「ityandp「ote。-H。,S.,KI,i,m。,,H.K.。,dL。,se,,M.、G,,eexp,essi。,ti。nf「 。mathe「 。scle「osis・Science300:329-332,2003・

P,。fil。、 。fm。use、ubm。,dib、1。,gl。,ddevel。pm,,t、5)Kli"ghoffe「,R・A・,Muetlng一Nelsen・PF・,Fae「man,A・,ShaniI

FGFR1,eg・1、t,、b,a,chi,gm。,ph。9。,e,i,invlt,。M・andS。 「iano,P・:Thetw。PDGF「ecept。 「smaintain

th,。 、ghBMP-andFGF-d,pend。,tmech。,i、m、.DeveトcQnse・vedsignalinginvivodespl†edive「gentem' ・pment129・5767-5778,2002,b・y。1・gicalfuncti。ns・Mol・Cell7・343"354,2001・ 2)Waterfield,MD.,Scrace,G.T.,Whittle,N.IStrooban†,P.,6)Yamashita,J・lltohlトL・Hi「ashimalM・lOgawa,Ml,Nishi-Johnsson,A,,Wasteson,A,,Westermark,B.,Heldin,C,H.,kawa,S・,Yurugi,T・1Naito・M・1Nakao・K・andNishikawa, Huang,JS.andDeuel,T.F.:Platelet-dθrivedgrowthfac-S・:Flk1-posi†iveceilsderivedfromembryonicsterncells torisstructurallyrelatedtotheputativetransformingserveasvasoularprogenitors.Nature408:92-96,2000. proteinp28sisofsimiansaroomavirus,Nature304:35-7)Sakai,T・,Larsen,M・andYamada,K・M・:Fibronectin 39i1983,requirementinbranchingmorphogenesis.Na†ure423: 3)Doolittle,R.F.,Hunkapiller,MW.,Hood,L.E.、Devare,S.G.,876-881,2003. Robbins,K.G.1Aaronson,S.A,andAntoniades,H.N,:8)Chai,Y.,Jiang,X,,lto,Y,,Bringas,P,Jr,,Han,J,lRowitch, Simiansarcomavirusoncgene,v-sis、isderivedfromtheDH.,Soriano,P.,McMahon,A.P,andSucov,トLM,:Fa†e gene(orgenes>encodingaplatelet-derivedgrowthfac-of†hemammalianGranialneuralcres†duringtoothand

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maRdibularmorphogenesisrDevelopment1271671-Yuasa,K,Oka,K,Chai,Y,Nonaka,K,andFukumoto,S,:

1679,2000Pla†elet-derivedgrowthfactorrecep†orregula†essaljvary

9)Yamamoto,S.,Fukumoto,E,Yoshizaki,K.,lwamo†o,T.,glandmorphogenesisviafibroblas†growthfactorθxprθs-Yamada,A.iTanaka,K.,Suzuki,H、 、Aizawa,S,Arakakl,M.,sionJ,Biol,Chem,283:23139-23149,2008,

oe・ ・en・・ee…e・]£・Vpv・一 一 一 一 著 者 プ ロ フ ィ ー ルc・ ■・・■eAe/eeeexeeeerte-]£i)caeAc.

¥福 本 敏i ,亨/1969年 生 ま れ 。 山 口 県 出 身 。 n L't東 北 大 学 教 授(大 学 院 歯 学 研 究 科 口 腔 保 健 発 育 学 講 座 小 児 発 達 歯 科 学 分 野)

!窪1994年

大 学歯 学部 輔1994年

長 崎大 学助手 欝

部小 脳

科),1998年1

日本 学術振 興会特別 研究 員(DC1)

,2000年

長崎大 学歯学 研究 科修了,2000年

長l

r崎

大学助 手

(歯学部 小 児歯 科),2000年

米 国 国立衛 生研 究所 客員 研 究員,2003年

長崎 大学病 院講師(小 児 歯科),2004年

九州大 学助教 授(歯 学研 究 院小 児 口腔医 学

分野),20Q7年

東北大 学教授(歯 学研究 科小児 発達歯 科学分野)

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