第2学年1組 道徳学習指導案
1 主題名 あたたかい心をとどけよう【思いやり・親切2-(2)】 資料名 「ぐみの木と小鳥」(光村図書 どうとく2年「きみがいちばんひかるとき」より 改編) 2 主題設定の理由 ○ 本学級の子どもたちは,友達や1年生が困っていたり泣いていたりしているのを見ると,「どう したの」と声をかけたり,励ましたりすることができる。また,友達に優しく接したり,親切にし たりすることの大切さは理解しており,相手のことを思いやり,助け合っていこうとする気持ちは 持っている。しかし,困っている友達や1年生に声をかけるのは,「……してあげる」という自己 優位性の誇示や,先生や大人からほめられたいという社会的承認の欲求に根ざしていることが多い ようであり,真に相手の気持ちを理解した上での行為ではないことも多い。そのため,親切にして いるつもりでも相手にとっては「おせっかい」となってしまうこともある。また,中には,相手が 困っている気持ちは察することは出来ても,どう行動してよいのか分からず,ただ傍観している児 童もいる。 そこで,相手の心を十分に理解することはできなくても,表面にあらわれた悲しみや苦しみに共 鳴し,少しずつ自己中心的な考えから脱しつつあるこの期に,困っている人の気持ちを考え,温か い心で接し,親切にすることの大切さに気づかせたいと思い,本主題を設定した。このことは,自 分のことだけでなく,周りの人のことを考え,よりよい人間関係を築いていこうとする心情を育て ていく上からも意義深い。 ○ 本主題は,身近にいる幼い人や困っている人の気持ちを考え,自分本位にならず,温かい心で接 し,親切にしていこうとする心情を育てることがねらいである。本主題で指導する「思いやりの心」 とは,自分がこうだから相手もこうであろうと相手の身になって考え,相手の心の苦しみを我がこ とのように受け止めていくことであり,相手に思わず手を差しのべずにはいられない心境になるこ とである。「温かい心」とは,その「思いやりの心」の入り口であり,相手を拒否したり,無視を したりせず,相手のことを自分のことのように思う心である。その「温かい心」「思いやりの心」 が,自分の利害を乗り越えて,相手の身になって助け合い喜び合う,「やさしさ」「親切な行い」と なってあらわれると考える。 子どもたちにとって身近にいる人とは,子どもたちがいつも支え,支えられている人々であり, 共に生活し,あいさつをかわし合っている人々である。そういった人々に対して温かい心で接する ためには,相手は今どのような状況にあり,どんな気持ちや考えでいるかと,相手の身になって考 えることが必要である。そして,相手の状況を考え,相手の身になってこまやかな愛情を注ぐこと が親切な行いへとつながる。相手を思いやり,親切な行いをする第一段階として,「人の不幸を黙っ て見てはいられない」という人間の自然の情を大切にし,親切な行いを生む根源的な力としての「… …せずにはいられない心」を育てることが大切であると考える。 ○ 本主題の指導にあたっては,読み物資料「ぐみの木と小鳥」を通して,ねらいとする価値を育て ていきたい。「ぐみの木と小鳥」は,りすのことを心配しているぐみの木の気持ちを知り,自分自 身も病気のりすのことを思いやるようになった小鳥が,嵐の中を,りすのためにぐみの実を届けよ うと飛び立っていくという内容である。 そこで,資料「ぐみの木と小鳥」をもとに,次第に病気のりすのことを思いやるようになり,嵐 の中であってもりすのもとへと向かわずにはいられなくなった小鳥の心情を共感的に追求させるこ とにより,相手は今どうしているかと相手の身になって考えるという温かい心に気づかせ,自分も 温かい心で人に接していこうとする心情を育てたい。 そのために,まず導入段階では,泣いている子どもに声をかけている絵と黙って見ている絵を提 示し,温かい心で接することへの気がかりをもたせ,価値の方向付けを図る。次に,展開前段では, 読み物資料「ぐみの木と小鳥」をもとに,嵐の中を病気のりすのもとへと向かわずにはいられなく なった主人公・小鳥の心情を共感的に考えさせていくことにより,道徳的価値の追求を図る。その ために,まず,ペープサートを用いた話を聞き,りすのことを心配しているぐみの木の話を聞いて, りすの様子を見に行くことにした小鳥の気持ちを共感的にとらえさせる。次に,嵐の中をりすのも とへ飛び立とうとする小鳥の気持ちを考えさせることにより,病気のりすを思い,そのりすのもと へ向かわずにはいられなくなった小鳥の姿に共感させ,親切な行いの根源的な力となる小鳥の温か い心に気づかせる。さらに,「ありがとう」というりすの姿や,その言葉を聞いた小鳥の心の内を感 じ取らせることにより,温かい心で接することの大切さや親切な行いのすばらしさを味わわせたい。 さらに,展開後段では,「ようこそ,子ども広場へ」で1年生と接している写真を掲示したり,行動 の裏側にある気持ちを考えさせたりすることで,温かい心で接することのできている自分のよさを 感じさせ,道徳的価値の一般化を図るようにする。最後に,終末段階では,1年生からのお礼の手 紙を聞かせることにより,自分のよさを味わいながら余韻を残して終わるようにしていきたい。3 本 時 (1) ねらい ◎ 読み物資料の主人公の病気のりすのことを思いやるようになり,嵐の中であってもりすのもと へと向かわずにはいられなくなった心情を考えさせたり,下級生にしてあげてよかったことやこ れからしたいことを考えさせたりすることを通して,温かい心で接していくことは,相手を元気 づけたり,勇気づけたり,自分もまわりの人も明るく楽しくさせたりすることに気づかせ,まわ りの人に親切にしていこうとする心情を育てる。 (2) 準 備 ○「ぐみの木と小鳥」ペープサート ○写真 ○どうとくノート ○ハートのカード (3) 展 開 段階 学習活動 指導上の留意点 導 入 1 温かい心について考え,本時のめあてをつ かむ。 ○ 泣いている子どもに声をかけている絵と黙 って見ている絵を比べ,温かい心について気 がかりをもたせ,価値の方向付けを図る。 展 開 前 段 2 読み物資料「ぐみの木と小鳥」をもとに, 温かい心で接し,親切にしようとする価値に ついて追求する。 (1) りすをのことを心配する,ぐみの木の気 持ちを知ったときの小鳥の気持ちを話し合 う。 (1) ・ ぐみの木さんがあんなに心配しているか ら様子を見てきてあげよう。 ・ ぐみの木さんからもやさしくしてもらっ たから様子を見に行ってあげよう。 (2)嵐の中をりすのもとへ飛び立とうとする ときの小鳥の気持ちを話し合う。 ・ 嵐の中を飛んでいくのは大変だけど,り すさんが待っているし,りすさんが心配だ。 ・ 「またあしたね。」とりすさんと約束した から行こう。 ・ ぐみの木さんもりすさんのことを心配し ているだろう。 (3)りすにありがとうと言われたときの小鳥 の気持ちを話し合う。 ・ りすさんがあんなに喜んでいる。ぼくも うれしい。いいことをしてよかったな。 ・ りすさんが元気になったことをぐみの木 さんに話したら,喜ぶだろう。 ○ ペープサートや情景図を使い,登場人物の 行動や場面状況をつかませる。 ○ 場面を焦点化させ,主人公の気持ちを考え やすくするために,場面を区切って話を聞か せる。 ○ 登場人物のあたたかい心をハートのカード を貼って表していく。 ○ おなかをすかせた小鳥がぐみの実をおいし そうに食べる様子から,ぐみの木から実をも らい喜んでいることに気づかせる。 ○ りすのことを心配しているぐみの木の話を 聞いて,りすの様子を見に行くことにした小 鳥のあたたかい心に気づかせる。 ○ 嵐の様子をイメージできるように効果音を 準備しておき,嵐の中で悩んでいる小鳥の気 持ちに共感させる。 ○ 初めはぐみの木のためにりすのところへ行 ったものの,病気のりすが喜ぶ様子を見て, 小鳥もうれしくなり,りすのことを親身にな って心配するようになったことに気づかせ る。 ○ やっとの思いでりすのところにたどりつい た小鳥が,「ありがとう」というりすの言葉を 聞いて喜ぶ気持ちに共感させる。 ○ ぐみの木のあたたかい心が小鳥に伝わり, 小鳥からりすへと伝わっていったことを,ハ ートのカードで確かめさせていく。 ○ めあてを振り返り,「小鳥のあたたかい心」 について考えさせ,「相手のことを考える心」 としてまとめさせたい。 展 開 後 段 3 1年生とのかかわり方について,今までの 自分を振り返り,自分のよさを自覚する。 ・ たてわり給食のときに,座る場所が分か らなくて困っていたので教えてあげた。 ・ トイレ掃除で,掃除の仕方を教えてあげ た。一緒にそうじをしてきれいになってう れしかった。 ○ 1年生を招いた「ようこそ,子ども広場へ」 の写真を掲示し,1年生にあたたかい心で接 しようとしている自分のよさを感じさせ,道 徳的価値の一般化を図る。 終 末 4 1年生からのお礼の手紙を聞く。 ○ 1年生からのお礼の手紙を聞くことで,自分達のよさを味わいながら余韻を持って終わ るようにする。 ◎ 嵐の中を飛び立とうとするとき,小鳥は どんなことを考えていたでしょう。 ○ 1年生のことを考えて,あたたかい心で やさしくできたことはありますか。 ○ 「ようこそ,子ども広場へ」で1年生と接 している写真 自分のよさを味わわせる手立て ○ りすさんから「ありがとう」と言われた とき,小鳥はどんな気持ちだったでしょう。 ○ ぐみの木の話を聞いて「様子を見に行っ てきてあげましょう」と言ったとき,小鳥 はどんな気持ちだったでしょう。 じぶんの中のあたたかいこころをみつけよう。