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ニホンミツバチ ―生態とその飼育法 Ⅴ―

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ミツバチ科学19(1):27-36 HoneybeeScience(1998)

ニホ ン ミツバ チー生態 とその飼育

-吉田 忠晴

8.東 南 ア ジア各地 で の トウ ヨウ ミツパ テの 飼育 法 ニホ ン ミツパ テ は,北 海道 を除 き日本 に広 く 分布 す る トウ ヨウ ミツバ チ の-亜 種 で, 日本亜 種 (Apisceranajaponica)で あ る. その他 の

トウ ヨウ ミツバ チ は三亜 種 が知 られて い る.一 つ は中Bgで採取 され た標本 に基 づ き命名 され た 基亜 種 (承 名基準亜 種) で, 中国北 部 , イ ン ド 北部 , ア フガニ ス タ ン, パ キ ス タ ン北部 に分布

して い る中国亜種 (A.ceranacerana)で あ る. も う一 つ は南 イ ン ド,ス リラ ンカ, ミャ ンマ ー, タイ, ベ トナ ム, ラオ ス, カ ンボ ジア, マ レー シア, イ ン ドネ シア, フ ィ リピンの広 い地域 に 分布 して い るイ ン ド亜種 (A.cerana indica) で, さ らに ヒマ ラヤか ら中国雲両 省 にか けて分 布 す る ヒマ ラヤ亜種 (A.ceranahimalaya)で

あ る (図92). これ ら東南 ア ジア各地 で の トウ ヨウ ミツバ チ の養蜂 は,丸太 を利 用 した り,壁 を くりぬ いた りす る伝統 的 な巣箱 や,可 動式 巣枠 を用 いた巣 箱 が使 われて い る. (1) 丸太巣 箱 伝統 的 な丸太 巣箱 は垂 直 に立 て る もの と横 に す る もの が あ る. イ ン ドで は垂 直型 丸 太 巣 箱 は, 標高2000m以上 の高 地 で一 般 的 に使 われ て い る (Kapil,1971). ビル マで は長 さ 30-35cmの垂 直型 丸太巣箱 が数 州 で み られ, ブー タ ンで も丸太 を くり抜 いた巣箱 や厚板 を利 用 し た 箱 型 の 巣 箱 が 使 用 さ れ て い る (Bradbear, 1986), 中国 で は長 さ40cm, 直 径30cmの垂 直型 丸 太巣箱 が一 部 の地 域 で使 用 されて い るが, ハ チ ミツ生 産 量 は 1群 当 た り5kgと少 な い (Os c-hmann,1961).韓 国 で は,長 崎県 ・対馬 の丸 洞 に類似 して い る長 さ90cm, 直径40cm はど の垂 直型 丸太 巣箱 が み られ る (Woo,1991). ベ トナ ムで は長 さ60-100cm,直径20-50 図92 トウヨウミツバチの分布域 1ApI's

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亜種 (二ホンミツパテ) 2ApI'sceranacerana

中国亜種 3Apisceranaindica

イン ド亜種

4 Apisceranahlma/aya ヒマラヤ亜種

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図93 ネパールの桃型丸太巣箱 cm の垂直型, 横型丸太巣箱 に, 巣板を支える ための トップバー (上桟) を使用す る巣箱が広 く使用 されている (Craneeta1.,1993). ネパールでは長 さ35-100cm,直径 15-50 cm の横型丸太巣箱が使 われている (図93). 直径約6cm の巣門を丸太 中央 に作 った ものが 一般的で,丸太 の両端 は板,石,わ らを編んだ もの,石 に土や牛ふんで上塗 りした ものが蓋 と して使 われ る.据 え付 けは家 の軒下 に吊 した り,屋根 の上,木製の台上,樹上 と様 々である. さらにネパールではこの横型丸太巣箱 に改良を 加え,ベ トナムで使用 されているものと同様な トップバーを使 った改良巣箱が推奨 されている (SaubolleandBachman,1979).

ス リランカでは,安価 に入手で きる植木鉢 ト ップバー巣箱 に-チ ミツ生産用の継箱を重ねる ことによって採蜜を可能 に し, この巣箱を用 い た養蜂振興が進 め られている (図94). (2)壁 に取 り付 けた巣箱 パキスタン, イ ン ド,中国, ネパール, ブー タン,バ ングラデシュ, ミャンマーの

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か国に またが る大 ヒマ ラヤ山脈 と山麓丘陵部か らなる ヒン ドゥクシヒマラヤ地帯で は,壁 に取 り付 け た特徴的な壁巣箱が用 いられている. ネパールでの壁巣箱 は, コパ巣箱 と呼ばれて いる (図95).石を積んで土を塗 り上 げた農家 の壁を,内側か ら高 さ30cm,幅 30-50cm に くり抜 いて空間を作 り,上部 に板を漉 して壁が 崩れるのを防 ぐ 屋外 に通 じる巣門を設 け,内 側 に石 または板で蓋を して巣箱 に した ものであ る (中村, 1987).ハチ ミツの採取 は家の中で 行 われ,木綿 の ポ ロ布 を よ った もの に火 を付 アフガニスタンの トウヨウ ミツバチは,南東 地域でみ られ,西パキスタンでみ られるのと同 じ壁巣箱 で飼 われて い る. この地方 の壁巣箱 は,壁 に空間を作 る代わ りに木製 の巣箱が家を 作 る時 に壁 に組 み込 まれ て いる (Verhagen, 1971). (3)その他の伝統的な巣箱 ビルマでは伝統的な丸太巣箱以外 に,竹の筒 を利用 した もの,地下 に素焼の水差 しを埋 め込 んだ もの,なだ らかな丘 に穴を掘 り,小 さな穴 を開 けた板で入 口を覆 った ものなどが巣箱 とし て使われている (Nyein,1984). パキ スタ ンで は麦 わ ら入 りの土で作 った も の,泥に籾が らを混ぜて作 った もの,セメン ト 製などの巣箱がある. (4) トウヨウミツパテの可動巣枠式巣箱 可動巣枠式巣箱での トウヨウ ミツバチの養蜂 は1880年 にイ ン ドで始 まった. アメ リカ人宣 図94 スリランカの植木鉢を利用 した トップバー 巣箱 継箱を重ねた状態 (左)と内部の様子 (右)

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29 図95 : : / ...[ ・. ''. . .I JJr ::. ( . :' .. . 1.I. [ -二 ・.. .. I:J ・1 1. 三 .:__ 二 .--:_ 教師ニュー トン神父 は,南 イ ン ドで トウヨウ ミ ツバチに適 した可動巣枠式の小型 のニュー トン 巣箱を考案 した (図96). 1880-1930年 の約 50年 間, ニュー トン神父 が考案 した巣箱 がイ ン ド中 で 一 般 的 に使 わ れ て い た (Verma, 1990). しか し, イ ン ド北西部の標高 の高 い地 域 の働 き蜂 は体型が大 き く,蜂群 も大 きくなる ためニュー トン巣箱 は適 さず,分蜂や逃去が頻 発 した.Muttoo(1954) は標高の高 い地域 に 適す る巣箱 を考案 し,最初 に使われた村の名前 か らジョリコテ巣箱 と言 われている, その後 こ の二つの巣箱 を基 に した改良巣箱が15種類 も 考案 され実用化 している. イ ン ドの巣箱の規格 は ヒン ドゥクシヒマラヤ地帯 の養蜂で,一部 に 改良を加えて使われてい る (Verma,1990). 中国では伝統的な巣箱 で飼われている トウヨ ウ ミツバチの-チ ミツ生産量 は,1群当た り5 kgと非常 に少ないため可動巣枠式巣箱の導入 ネパールの壁に取り付けたコパ巣箱 壁に設けた巣門 (左)と内側の巣箱部分 (右) が検討 された.そ して巣板が10枚入 る巣箱が 中国全土 に普及 している

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,1985). (5)トウヨウミツバチの蜂群数 ニホ ンミツパテ飼育 の盛んな長野県 ・伊那谷 で は飼育 者 は318名,蜂 群数 は 1208群 (岩 崎 ・井原,1992,1994),奈良県十津川村地方 で は飼 育 者84人,蜂 群 数 は 174群 (宅 野, 1997),長崎県 ・対馬で は飼育者 は2000人, 蜂群数 は2700-4000群 (大坪 ・宮川,1988) の報告がある. しか し日本全体での蜂群数 は, 統計上明椎 にされていな いが,数万 か ら数10 万群のニホ ンミツバチが生息 しているのではな いか と考 え られる. 東南 アジア地域での トウヨウ ミツパテ蜂群数 については, これまで報告 されている国々につ いて下記 に示 した.

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,1990) 200万群以上 (1987) 図96 ニュー トン巣箱 巣箱と貯蜜用継箱 (左),巣箱の内部と巣板 (中),貯蜜用継箱の巣板 (左)

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図97 インドネシアで使われているAY巣箱 従来型の巣箱とAY巣箱 (左),AY巣箱の 巣板 (右)

・イ ン ドネシア (Sudradjatand Sulisti -anto,1993) 57,460群 (1991) ・韓国 (Woo,1991) 199,847群 (1989) ・マ レーシア (Wongsiri,1989) 5,000群 (1988) ・パキスタン(Ahmad,1992) 35,000-40,000群 (1990) ・フィ リピン (Cervancia,1997) 450群 (1992) ・ス リランカ (Wongsiri,1989) 12,000群 (1988) ・タイ (Wongsiri,1989) 10,951群 (1988) ・ベ トナム (Ha,1991) 130,000群 (1991)

9

.二ホ ンミツバ チの将来 日本固有 の野生種であ るニホ ン ミツバチは, 豊 かな森 や営巣 に適 した古木が減少 している中 にあ って も,人工 の建造物 に棲みつ き, た くま しく生 きているよ うに思 われ る. この貴重 な ミ ツバチを守 り,健全 な生息 を維持 してい くため に も, よ りよい環境 を保持 し, さ らに復活 して 行 きたい ものである. ニホ ンミツバ チには,野生群 の生息場所 の多 様性,温和 な性質,高 い耐病性,害敵 に対 す る 抵抗性,低温下 での訪花活動 といった優 れた資 質を持 ち合わ して いる, しか し,逃 げやす い, 分蜂 しやす い,観察時 に騒 ぎやす い,集蜜力が 小 さい,盗蜂がつ きやす いな どの欠点が挙 げ ら れ る (佐 々木, 1994).現在 の ところニホ ン ミ ツバチはセイ ヨウ ミツバ チのよ うな産業養蜂種 として利用 されて はいないが, そのよ うに育成 すべ きか は判断の要す るところであ る. 趣味的養蜂 と してニホ ンミツバチの飼育 は, 日本各地 で伝統的に継承 されて きたが, その将 来 について考 えてみたい. (1)蜂群 の確保 ア ジア各国で トウヨウ ミツバ チ養蜂 の振興 の 際 に蜂群 が巣 を捨 てて逃 げる逃去性 は,飼養管 理上最 も不利 な性質であ る. ニホ ンミツバチ も それ は受 け継 がれてお り, よ く逃 げ られ る (中 村,1996b).ニホ ン ミツバ チの一般的な趣味養 蜂 の範匪Ⅰで は

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「ハチ ミツを多 く採 ろ う」とい う 生 産性 につ いて はあ ま り関心 が払 わ れて いな い. それよ りも 「逃 げ られない」 よ うに, うま く,長 く飼 う楽 しみが優先 している. しか しハ チ ミツの生 産 性 に関心 が集 中 して い る地域 で は,逃去 が起 こるとハチ ミツ生産 は無 とな るた め,その落胆 は倍増す る.逃去 の原因 と して は, 貯蜜 の減少 や-チノスッヅ リガ幼虫 の繁殖が上 げ られ る. セイ ヨウ ミツバチの盗蜂 による貯蜜 の減少 は,逃去 を早 め る原因で もあ る. そのた め巣箱や蜂具 に工夫が凝 らされている. これま で に述 べた可動巣枠式巣箱 であ る

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巣箱 は, 蜂群 内部 の観察や-チノスッヅ リガ幼虫 の繁殖

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31 図

9

8

二ホンミツパテの人工授精 上左 :ガラスチップへの精液の採取 上中 :女王蜂の生殖口を開いて紺子で固定する 上右 :精液の注入 下左 :人工授精女王蜂 下右 :人工授精女王蜂による有蓋巣房 の原因 となる巣屑 の除去 を容易 に し,盗蜂防止 器 はセイ ヨウ ミツバチ盗蜂パテの侵入 を十分阻 止 できるものにな っている.中村

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は, 縦長巣板のニホ ンミツバチでの有効性 を指摘 し てお り,イ ン ドネシア森林省でのAY巣箱 と他 の巣箱の検討か らも,縦長の巣枠 を用 いる巣箱 が トウヨウ ミツバチの標準巣箱 となる可能性 も ある (図

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ニホ ンミツパテの高 い分煙性 は,蜂群 を手 に 入れるためには有利 な点で もあるが,飼育群を 確保 してい くためには逃去性 と同様 に問題 とな る.可動巣枠式巣箱では,人工分蜂が可能であ ることは重要で,蜂 ろうやプラスチ ック製 の人 工王椀 を用 い,人工養成 で女王蜂を確保す るこ とも考 え られる. また, その養成女王蜂 と人工 授精 を組み合わせ ることも可能である. ニホン ミツバチ女王蜂の人工授精 は,刺針室の開口位 置などセイ ヨウ ミツパテとの技術上 の相違点が 兄 いだされてお り,実用的な人工授精技術が確 立 されている

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図98

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人工授精 の応用 によって,逃去性や分蜂性な どの性質を低下 させ る選抜育種や,ニホ ンミツ パテの有用形質を導入 した優良な 「形質転換 ミ ツパテ」を作 るための,在来種 としての保護策 にも寄与で きると思われ る. (2)採蜜 伝統的巣箱 による採蜜 は,蜂群を逃亡 させ る か死滅 させ,内部の巣を全て取 り去 る方法や, 貯蜜巣板だけを切 り取 る方法が行われている. 伝統的巣箱では可動巣枠式巣箱 に比較 して採蜜 量 は一般的に多 いが,-チの損失を伴 うことに つなが って くる.可動巣枠式巣板 は遠心分離器 を用 いることがで き (図

9

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)

,巣板 を継続的に 使えることは,蜂群を継続的に管理す る上で重 要 な点 にな って くると考え られる. (3)ポ リネーションへの利用 イ ン ドでは, トウヨウ ミツバチはセイ ヨウ ミ ツバ チよ り早朝,低温 の内か ら採餌活動 を行 い,訪花行動を開始す る気温 もセイ ヨウ ミツバ チに較

ベ 3-5

℃低 い. トウヨウ ミツバチは,特 定作物の小規模 な栽培地 での花粉媒介 に集中的

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とい う理 由か ら,食糧増産 に結 びつ く花粉媒介 者 と しての トウヨウ ミツパ テの有用性が評価 さ れている (Verma,1994a;1994b). フィ リピンにおいて も,作物生産 に関連 した 花粉媒介者 と訪花昆虫 の採餌行動 の研究で,荏 来種である トウヨウ ミツパ テの保護 と品種改良 は 重 要 な 課 題 と な っ て い る (Cervancia, 1997).特 に, ピクルス用 キ ュウ リの花粉交配 に トウヨウ ミツバチが有効 であることや, アブ ラナ科 の葉菜 や根菜 の種子生産 に利用 されてい る. 日本 で は,1996年 には花粉交配 用 と してセ イ ヨウ ミツバチが, イチ ゴ, メロン, スイカな どの施設園芸 に102,465群,施設園芸以外 の リ ンゴ, ナシ, ウメなどに31,187群が使 われて いる. しか しニホ ン ミツバ チの利用 は, ほとん どな く,一部で イチ ゴ (図100)やメロンの施 設園芸で試験的 に利用 されている. またハ ウス 栽培 モモ (図101)で は, セイ ヨウ ミツパ テは - ウス内の温度 が15℃以上 にな らな い と活動 しないのに対 して, ニホ ンミツバチは日の出 と と もに出巣 し, 日没 まで活 動 が観察 され て い る. ニホ ン ミツバ チはセイ ヨウ ミツバチよ り低 温 ・高湿で もよ く活動す るため,受粉効果 はセ イ ヨウ ミツバチよ り高 い と報告 されている (岡 田, 1997). これ らの ことか らも, ニホ ン ミツ バチのポ リネー シ ョンへ の利用 は,可動巣枠式 合 に防除な しで は養蜂 は成 り立 たないさえ言 わ れ る ミツパテへギイタダニ,壊滅的な被害 を与 え るアメ リカ腐姐病や スズメバ チ類 によって, 蜂群 が死滅 した例 はな く,高 い抵抗性を持 って いる. しか し, パキスタンで は, 1981年 に成蜂 の 胸部気管内で繁殖 し,寿命 の短縮や蜂群越冬死 が増大す るアカ リンダニ

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の 侵入 によ って,あ る地域 の例で は500群 の トウ ヨウ ミツバ チが 26群 にな るな ど,壊滅 な被害 を受 けている (Ahmad,1988).原因 はセイ ヨ ウ ミツバチの輸入 によるアカ リンダニの侵入 に よるものであ るが, このよ うな被害が 日本で起 こらないことを願 うもので ある.病気 につ いて ち,サ ックブルー ドの一種 によ って東南 アジア 諸 国 の トウ ヨウ ミツパ テ は被 害 を被 って い る が, こホ ンミツパテが抵抗性 を もっているとの 保証 はな く, アカ リンダニ と同様 に不用意 な ト ウヨウ ミツバチの導入 を避 けることやセイ ヨウ ミツバチの輸入 の際の病気 のチェ ックが重要 と 考 え られ る. (5) ペ ッ トと して 最近, ニホ ンミツバ チの飼育 を希望す る人 が 増えて きている. その理 由 と して は, ミツバチ の飼育 に興味 を抱 いていた折 に,分蜂群が庭先 に飛来 して蜂群 を手 に入れ た り,飼育 を楽 しん でいる人 を知 ることな どが理 由である. 図 99 ニホンミツバチ縦長巣板による採蜜 蜜蓋の除去 (左) 蜜巣板に取 り付けた縦長巣枠ホルダー(中) 遠心分離器を用いた採蜜 (右)

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33 図100 ハ ウス内で栽培 されるイチゴの花粉媒介に利用されるニホンミツバチ (熊本県八代市昭和地区) 図101 ハウス栽培モモの花粉媒介に利用されるニホンミツバチ (熊本県下益城郡) ニ ホ ン ミツパ テ はお とな しく,焼煙器 を使 う 必要 が な く,面 布 だ けで蜂群 の点検 がで きる. さ らにセ イ ヨウ ミツバ チ の よ うに病気 にや害敵 に対 す る人 間 の保護 も特 に必要 と しな い. 飼育 して い る間 には, 自家製 のハ チ ミツ も採 れ,港 味 と実益 を兼 ね た 「ホ ビー養蜂」 に, まさに適 して い る と思 わ れ る. そ の 飼 育 自体 が 岡 田 (1981) が述 べ て い るよ うな庭 先飼育 での 「ペ ッ ト」 と して可 愛 が られ る一 端 を備 え て い る. さ らにニ ホ ン ミツパ テの逃去性 や分 蜂性 に よ っ て,逃 げ られて時 に は, その失 敗 を補 うよ うな 飼 い方 を発想 させ, 飼育 者 とニ ホ ン ミツバ チ と の問 で, か けひ さを伴 ったゲ ー ム性 を秘 めてお り,楽 しませ て くれ る. ニホ ン ミツバ チを飼 う 人 が ます ます増 え る ことによ って, まだ解 明 さ れて いな い ニホ ン ミツバ チの側面 が 明 らか に さ れ て行 くことを期待 した い. (〒194-8610 町田市玉川学園 6-1-1 玉川大学 ミツバチ科学研究施設) 引用文献 Ahmad,R.1988.ミツ′ヾチ科学9(4):150-151. Ahmad,a 1992.InHoneybeesinMountain

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This review isdivided into five parts.The Japanesehoneybee.Apisceranajaponica(Acj)is a subspecies of the Eastern honeybee,Apis cerana(Ac),ltisindigenousinJapanexcluding Hokkaido.In 1877,ADismellifera(Am)wasi n-troducedtoJapan. Am iskeptforhoneypr o-duction,etc.,butcoloniesareeasilyattackedby Ves♪aspp.andVarroamites.Acjisresistantto bothVespaspp.andVarroa.Chapter1describes the history ofAcjand beekeeping.The first descriptionof honeybeesinJapanisfoundin Nihonshokidated 643A.D.(Fig.1).Hachimitsu Ichiran(AllaboutHoney)published in 1872,

has pictures ofbeekeeping,extracting honey (Fig.4). Chapter 2 describes the scientific naming ofAcj.Radoszkowskifirstdescribed AcjasAPismeuificaL,γar.japonicain 1887. Chapter3describesnaturalnestlngPlacesof

ofAcjusesvarioushivesandspecialwaysof extractinghoney.Chapter5describestheecol o-gy ofAcj.Thelifespan oftheAcjqueen is about3 years.Queen cells are builton the bottom ofcombs from Aprllto June ofthe matingseason.Threedaysaftersealing queen cells,thewaxcapisremovedandacocoonis

seen(Fig.36).A uniquefeatureofAcJisatiny poreatthecenterofeach dronecellcap(Fig. 40).SmokersarenotneededtohandleAcjbe -causeworkersaregentle.Theswarmingseason islateApriltoearlyJune.Swarmsaftersettle under tree branches (Fig.52).Sometimes,an Acjswarm lSattracted by mimicpheromones toorientalorchidflowers(Cymbidium pumilum) (Fig.53).Fanningatthenestentrancepullln air from outside(Fig.57).Chapter6describes Acjbeekeepingusingmovable-framehives,and extracting honey.A verticalAY hivedevised byMr.KeizoAokiandDr.TadaharuYoshidais morebeneflCialforsavlng COmbsthan ahori -zontalframehive(Fig.65).A preventertostop robbingbyAm isdescribed(Fig.73).Chapter7 comparesAcjandAm morphologyandphysiol -ogy,ethologyandecology,foraging,naturale n-emies and disease,and products.illustrations show thevenation ofthehind wlng(Fig.80),

seasonalcolorchange(Fig.81),queen ovaries (Fig.82),the fimbriate lobeofthe drone e n-dophallus(Fig.83),eggs laid by queens(Flg. 84),the mating fllghttime (Fig.85),a queen cell(Fig.86),theporeinthedronecellcap(Fig. 87),aswarmingcluster(Fig.88),andthef ann-ing posture (Fig.89).Chapter8 describes Ac beekeeping using log hives,niche hives,and othertraditionalhivesinSoutheastAsianc oun-tries.Chapter9describesaspectsofhoneye x-traction by popularizing movable-frame hives,

usingAcjingreenhousesforpollinatingstr aw-berry,melon,etc.,precautionsagainstdamage bydlSeaSeandenemies.andhobbybeekeeping.

図 9 3 ネパールの 桃型丸太巣箱 c m の垂直型, 横型丸太巣箱 に, 巣板を支える ための トップバー ( 上桟) を使用す る巣箱が広 く使用 されている ( Cr anee ta1
図 97 インドネシアで使われている AY 巣箱 従来型の巣箱とAY 巣箱 ( 左) ,AY 巣箱の 巣板 ( 右)

参照

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