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Title
Evaluation of fluoride uptake with fluoride
solutions to prevent dentin caries in vitro
Author(s)
古賀, 寛
Journal
歯科学報, 116(6): 508-509
URL
http://hdl.handle.net/10130/4172
Right
論 文 内 容 の 要 旨 1.研 究 目 的 現在,日本では成人から高齢者の残存歯数が増加しており,それに伴い歯根面での象牙質齲蝕の増加が懸念 されている。エナメル質齲蝕予防に関する基礎および疫学研究は多数蓄積されてきたが,成人期から認められ る歯根面での象牙質齲蝕の予防に関する疫学的およびフッ化物局所応用での in vitro での実験的研究報告は少 ない。著者らは1000ppmF 配合歯磨剤1g 使用した場合,120秒の作用時間の場合,口腔内で作用するフッ化 物イオン濃度が300ppm 以上であればエナメル質の齲蝕予防効果が期待されることを in vitro でのフッ化物取 込試験で報告した。この知見を踏まえ,本研究では象牙質齲蝕予防に効果的な口腔内での F イオン濃度を評 価することを目的とし,in vitro での象牙質表層へのフッ化物取込を指標として解析した。 2.研 究 方 法 本研究ではウシ前歯の歯冠部を用いた。歯冠部の粗造面を研磨し,エナメル質切片を得た。歯冠部を深く研 磨しエナメル質を削除して象牙質切片を得た。各切片をブロック(表面積5×5mm)として実験に供した(各 群:n=5∼6)。作用 F イオン濃度は100ppm,300ppm,500ppm および1000ppm とした。反応時間は,30, 120および300秒とした。象牙質とエナメル質切片を F イオン溶液に浸漬し,攪拌しながら反応させた。反応 後蒸留水で歯面を30秒間洗浄した。反応後の象牙質とエナメル質切片は0.5M 過塩素酸に浸漬(歯根面:5秒, エナメル質:10秒)し脱灰した。脱灰液の F イオン濃度と Ca 濃度を定量し,象牙質 F 濃度とエナメル質 F 濃 度を算出した。得られた各群のデータは多重比較で統計解析した。 3.研究成績および考察 象牙質の表層(4.2−5.8μm)取込 F 濃度をコントロール群および作用フッ化物濃度100ppm 群の双方に有意 な差が認められる作用フッ化物濃度は,作用時間30sec および120sec では500ppmF 群および1000ppmF 群で あり,作用時間300sec で300ppmF 群,500ppmF 群,1000ppmF 群であった。一方,エナメル質表層(2.3− 6.1μm)での取込 F 濃度を同様に比較すると作用時間30sec で500ppmF 群および1000ppmF 群であり,作用時 間120sec と300sec では,ともに300ppmF 群,500ppmF 群,1000ppmF 群であった。 これらの結果は,象牙質の齲蝕予防に効果的な口腔内での F イオン濃度はエナメル質で有効と考えられる 濃度より高く,500ppm 以上のフッ化物イオン濃度が必要であることを示しており,フッ化物配合歯磨剤の歯 根面齲蝕予防の疫学的研究と一致した結果が得られた。 氏 名(本 籍) こ が ひろし
古
賀
寛
(秋田県) 学 位 の 種 類 博 士(歯 学) 学 位 記 番 号 第 1878 号(乙第744号) 学 位 授 与 の 日 付 平成23年2月17日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第2項該当学 位 論 文 題 目 Evaluation of fluoride uptake with fluoride solutions to prevent dentin caries in vitro
論 文 審 査 委 員 (主査) 松久保 隆教授 (副査) 栁澤 孝彰教授 佐藤 亨教授 中川 寛一教授 新谷 誠康教授 歯科学報 Vol.116,No.6(2016) 508 ― 60 ―
4.結 論 エナメル質の齲蝕予防には,口腔内作用 F 濃度は300ppm 以上であるが,象牙質の齲蝕予防には口腔内作用 F 濃度がさらに高く,500ppm 以上必要であると考えられる。 論 文 審 査 の 要 旨 現在,日本では成人から高齢者の残存歯数が増加しており,それに伴い歯根面での象牙質齲蝕の増加が懸念 されているが,齲蝕の予防に関する疫学的およびフッ化物局所応用での in vitro での実験的研究報告は少な い。本研究では歯根面での象牙質齲蝕の予防のためのフッ化物配合歯磨剤に配合するフッ化物濃度を評価する 目的で in vitro でのウシ前歯象牙質表層およびエナメル質表層へのフッ化物取込を指標とした検討を行い,得 られたデータの多重比較による統計解析を行った。作用 F イオン濃度は100ppm,300ppm,500ppm および 1000ppm とし,反応時間は,30,120および300秒とした。その結果,象牙質の齲蝕予防に効果的な口腔内で の F イオン濃度はエナメル質で有効と考えられる濃度より高く,500ppm 以上のフッ化物イオン濃度が必要で あることを示しており,フッ化物配合歯磨剤の歯根面齲蝕予防の疫学的研究と一致した結果が得られた。 以上の結果に対して本審査委員会では,1)表題の妥当性,2)実験に供した試料の作成方法,3)エナメ ル質と象牙質の構造の違いによるフッ化物取り込みの様相の相違,4)研究結果の表現方法,5)表現の統一 などについて質疑応答が行われた。各項目について適切な回答がなされた。特に,この論文の試料が象牙質を 用いていることを明確にした論文内容に訂正し,研究結果の表現についても訂正すると説明があった。以上の ことから,本研究で得られた結果は口腔衛生学の進歩に貢献するところ大であると考えられ,学位授与に値す るものと判定された。 歯科学報 Vol.116,No.6(2016) 509 ― 61 ―