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早期体験実習で看護学生が体験したケアリングの過程

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Academic year: 2021

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(1)症例報告. 早期体験実習 で看護学生 が体験 したケア リングの過程 谷. 弥 ・前. 口 清. │1幸 り. 子. The Care Giving Processes]Lcamed by a Student in]Early]Exposure to Nursing Practice. TANIGUCHI Kiyomi and MAEKAWA Yukiko Abstract: The purposc of the study is to exanline“ the care giving process"based on The experiences of one beginning nursing student through exchanges with a patient.The student faced obstluction to care giving due to contradictory feelings.However,these feelings changed to include that of a caring Πlind,shifting the cen― ter of attention away from herself and towards the patient.Engrossed in her nursing care duties, she began to develop a special concern and devotion about the actions of this particular patient. In addition,it has become apparent that the experiences of the student remained valid after caring for that particular patient ended, as she continues her active nursing career。. Key Words: early exposure,Caring,cxperience process,engrossment. 抄録 :本 研 究 で は,早 期体験 実習 で 1人 の学 生が患者 と交流す る過程 を詳細 に記述す る。その上 で. ,. 学 生 の体験 にお け る `ケ ア リ ングの過程 'と そ の 意味 を考察す るこ とが 目的 で あ る。実 習後 に行 な っ た 1人 の学 生 イ ンタ ビューの 逐語録 を中心 に,学 生 の 実習記録 を用 い て ,そ の経験 を詳細 に記 述 し た。 この記述 か ら見 えた もの は,学 生 は矛盾 す る感情葛藤 を経験 す る こ とで ,ケ ア リ ングの妨 げに直 面 した。 しか し,`Bさ ん'と い う固有 の存在 を感 じ取 る こ とで ,関 心 の転移 に よるケ アの芽生 え. ,. 専心 か ら起 こるケ アの発動 へ と変化 した。 さらに,学 生 な りのケア リ ング観 ,倫 理観 か ら,専 門職 を 目指す には,こ こが 出発点 と捉 え,実 習 を終 えた今 も看護 と向 き合 い ,厳 しい 日で看護 の現象 を見 て い る学 生 の体験 が浮 き彫 りにな った。 キ ー ワー ド :早 期体験 実習 ,ケ ア リ ング,体 験 過程 ,専 心. る ものであ る と理 解 され る。 今 回,入 学後 間 もない看護学 生が ,早 期体験 実習 と. は じめ に. して は じめて臨床 の場 を経験 した。臨床実習 は,患 者 ケ ア リ ングは,看 護 の 中 で そ の 中核 とされてお り. との 関係 を体験 しなが ら,学 生 が ケアす る人 と して成. 対象者 との相互作用 の過程 にこそケア リ ングの意味 を. 長 して い く最 も効果的 な学習 の場 であ る。 さらに臨床. ,. 見 出 して い る。 ノデ ィ ング ズ めに. `関. 1)は. ,ヶ ァ され る人 の た 'す る こ と,そ の 人の真実 に関心 を持 ち続 与. の場 は,人 間 と人 間が織 り成す情況 そ の ものであ る こ とか ら,対 象者 を独 自の存在 として ,学 生 自身が知覚 `気 づ. く'と い う主観 的 な体験 か らしか看護 は始. ける こ と,さ らに関与 の仕 方 を絶 えず更新す る こ とは. して. 内面か ら見 たケア リ ングの本 質的 な要素 で ある と述 べ. ま らな い。看護学生が ,初 めての臨床実習 で 出会 った. て い る。 この よ うに,ケ ア リ ング とは人 と人 とが 交流. 患者 を どの よ うに受 け とめ ,関 わる過程 で どの よ うに. し,意 味が織 り成す情況 と しての現実の 中に展 開 され. 変化 して い るのか。 今 回,看 護 を学 んで間 もな い早期.

(2) 甲南女子大学研 究紀要 第 3号. 144. 看護学 ・ リハ ビ リテ ー シ ヨン学編 (2009年. H月. ). 体験 実習 の 中に も学生 一患者 との ケア リ ングの 過程 を. か ら体験 の意味 を読み解 くこ とで しかで きない と考 え. 見 出す こ とが 出来 た。. る。. そ こで ,本 稿 で は早期体験 実習 での 1人 の学 生 の体. そ こで ,本 研 究 で は早期体験 実習 にお い て 1人 の学. 験 に着 目 し,学 生 と患者 の 関係 を詳細 に見て い くこ と. 生が患者 と交流す る過程 を詳細 に記述 して い きた い 。. で ,看 護学 生が 経験 したケア リ ングの過程 を明 らか に. そ の上 で ,学 生 の体験 における `ケ ア リ ングの過程. す る こ とと した。. とその 意味 を考察す る ことを 目的 とす る。. '. Ⅳ .研 究 方 法. Ⅱ。 先 行 研 究 の 検 討 看護学 生 の 臨床実習 にお け る先行研 究 を 2004年 か ら 2009年 の 過去 5年 間 で 「看 護 学 生 」「 臨床 実 習 」 「経験 」 をキ ー ワー ドに検索 した ところ ,2009年 8月 時点 で 医 中誌 では 17件 ,CiNliで は 9件 あ った。. 1.研 究 の理 論的前提 本研 究 の理論 的前提 は,人 間 の解釈過程 に着 目し ,. そ こか ら人間の主体 的あ り方 を明 らか に しようとす る シ ンボ リック相互作用論 騨であ る。 学 生 の語 りと記述 の シ ンボル か らなる世 界 ,意 味 の. 内容 と して は ,実 習 にお け る学 生 の 不 安 とス トレ ス ,看 護 の 困難 さ中や対 象理 解 の 困難 さ'な ど実 習. 世 界 に研 究者 が直接接 近す る相互作 用 を通 して ,「 臨. にお ける学生 の 問題 や困難 を明 らか に しようと した も. 床 の場 で学 生が何 を体験 し感 じて い るのか 」 とい う学. の と,看 護技術 や看護 へ の動機 づ け の促 進 な どの指導. 生 の主 観 的体験 の豊か なあ りよ うを感受 し記述 しよう. 2■. 方法. に関す る もの6"が. 多 く見 られ た。 他 には 臨床 実. とす る質的記述研 究 である。. 習 の 成果 と改善 な ど教育評価 に関す る もので ,そ の ほ とん どが 各論実習 につい てであ った。 また,研 究方法 につい て見て い くと多 くが学生 の実. 2.デ ー タ収集方法 お よび分析過程 1)基 礎看護学 実習 Iの 概要. 習記 録 や ,学 生 へ の ア ンケ ー トを分析 した もの で あ. 本実習 は,1年 次 の 8月 初旬 に実施 。実習 のね らい. り,結 果 は数値化 ,あ るい はカテ ゴ リー化 され ,学 生. は,患 者 と直接 かかわる こ とで ,生 活者 と しての患者. の体験 に着 目した もの は極 めて少 ない状 況 であ った。. を理解 し,援 助 を必要 とす る患者 に関心 を寄せ る こ と. この よ うな客観的 な方法 で は,実 習 にお ける時 間軸 の. の 意味 につい て考 える機会 とす るこ とであ る。既習知. 中で ,学 生 の体験 の過程 を知 るには限 界 があ る。. 識 と しては,専 門科 目では看護学概論 ,専 門基礎科 目. さらに,看 護学生 の早期体験 実習 につい ては実習 で. で は リハ ビ リテ ー シ ョン概論 ,医 療 コ ミュニ ケ ー シ ョ. の学 生 の学 びや経験 を明 らか に しようと した ものが 多. ン論 が終 了 し,解 剖生理学 ,健 康 と社 会 ・環境 が進行. いが ,そ の ほ とん どが レポ ー トや ア ンケ ー トを分析 し. 中 とい う段 階 で あ る。病棟 ご とに 3∼ 5名 を配 置 し 4. た もので あ り,結 果 は数値化 ,あ るい はカテ ゴ リー化. 日間で構 成 して い る。 各病棟 の実習指導者 と担 当教員. され ,学 生 の体験 に着 目した もの は極 めて少 ない状況. が指導 にあた る。. 2)対 象. であ った。. A大 学 看護学科 の 1年 次 の 女 子 学 生 。 2008年 の基 Ⅲ .問 題 設 定 と 目的. 礎看護学実習 に参加 し,研 究参加 の 同意が得 られた学 1名. 過去 の看護学 生 の 臨床実習 を扱 った研究 の 多 くが客. 3)調 査期間. 観 的 な視点 に立 った もので あ った。学生 の 関心 が どの. 2008年 8月 20日 か ら同年 10月 2日. よ うに移行 したのか ,内 面 に着 目 した もの ,学 生 の 個. 4)イ ンタビュー. に焦点 を当てた もの は,こ れ までの多 くの先行研究 に. 実 習 を冷 静 に振 り返 れ る時期 と して実 習 記 録 提 出. 見 られ る よ うな客観 的 な手法で現 わす こ とは難 しい 。. 後 ,約 1カ 月後 に イ ン タ ビュー を実施。「基 礎 看 護 学. 今 回 ,ケ ア リ ングを体験 した 1人 の学 生 と出会 い. 実習 Iの 体験 で 印象 に残 ってい るこ と」 につ い て 自由. ,. そ の経験 を時 間軸 に沿 い なが ら詳細 に記述す る こ とで. に話 して もらい ,フ ァシ リテ ー ターの研 究者 と 5名 の. ケアの過程 を追 った。 ケ ア リ ングの体験 は 目的的 に出. 学 生 でや り取 りす る とい う形式 を とった。 フ ァシ リテ. 来 る もので はない。学生 のケア リ ング体験 を明 らか に. ー ターの公 平性 をチ ェ ックす るため教 員 1名 が観察者. す るため には,実 習 での学生 の体験 に 身 を置 き,そ こ. と して同席 した。時 間 は 90分 と し,そ の 内容 は 同意.

(3) 谷口清弥 他 :早 期体験実習で看護学生が体験 したケアリングの過程. 145. 緊張 しなが ら Bさ ん と話 し始めた ところ,学 生. を得 て ICレ コー ダー に録音 した。. Aの. 録音 内容 を逐語録 に起 こ し,場 面 ご との 意味 内容 を. 学校 のこと,Bさ んの創痛や不眠のことなどを次か ら 次へ と質問され,答 えて も答 えて も繰 り返 し質問され. 詳細 に見 て意 味 の解釈 をお こなった。 そ こか ら学生 の. る こ とが 続 い た。 Bさ んは「 こん な話 で い い で す. 体験 過程 をよ り詳細 に明 らか にす るため に,1人 の 学 生 を ピックア ップ した。 ピ ックア ップ した学生 の イ ン. か ?」 と時 々学生 Aに たずね,Bさ んな りに,学 生 との コ ミュニ ケ ー シ ョンに気 を使 って い る よ うだっ. タビューの逐語録 を中心 に,そ の こ とを振 り返 る手が. た。. 5)分 析過程. か りと して ,学 生 の 実習記録 を用 い て ,実 習 での経験 をス トー リー化 した。 そ の 際 ,学 生が記述 して い る言 葉 を損 なわない よ うに,そ の ままの 表現 で抽 出 した。 これ らの過程 は,研 究者 の主観 的解釈 になる こ とを排 し,妥 当性 を確保す るため に,そ の都 度学生 の イ ンタ ビュー 内容 と実習記録 に戻 りなが ら共 同研 究者 との話 し合 い を重 ねた。 ス トー リー化 した,学 生 の体験 を以下 の 手続 きに よ り分析 した。. ①. 学生の体験 を時間軸 に沿 い なが ら見てい く中で. ,. 患者 との関係が変化 したと思われる場面 と学生のケ アに対す る意識が変 わったと思われる内容 を抽出 し た。 ②. 抽出 した内容 について,そ の背景 を学生の実習記 録 で確認 していった。. ③. 抽出された内容に,内 容 の意味 を表す テーマ をつ けた。. ④. 考察では,学 生の発言や認識が変化 した体験の意. (学 生. A)「 一番難 しか つた。 コ ミュニ ケ ー シ ヨ. ンが。 うまく伝 えられない し,敬 語 で話 さな い とい けない とか,病 気 のこといろい ろ質問 して きて。 もし, 自分に病気 について知識が あ った ら, これは こうこうみたい な, こうし た らもうち ょっと楽にな ります よとか言 えた のかな 一。 」 (研 究者)「 伝 えられなか ったのは ?」 (学 生. A)「 自分 の気持 ち」. (研 究者)「 (学 生. どんな気持 ち ?」. A)「 もっ と仲良 くな りたい と思 って る。. なんかそれが話 さない といけないか ら来てる みたい な風 にとられるのがいややなってい う のがあ った し。 」. 学生 Aは ,Bさ んと親 しく話が出来 る関係 を 〈ク 良 ぐな クた い)と 表現 してお り,(語 さないといけな いから来 てるみた いな月 にとられるの″れヽ ややな〉 と,義 務でここに居 るのではないことを伝えたいのだ. 味 を読み取 り記述 した。. が,そ んな 〈庁分 の気″ ち)を い〉 もどかしさを感 じていた。. V.倫 理 的配慮 本研 究 は,甲 南女子大学研 究倫理委員会 の審査 を経 て い る。研 究 の主 旨,参 加 や中断の 自由,プ ライバ シ ー の保護 ,結 果 の公 表 につ い て文書 と口頭 で説 明 し ,. 同意 の得 られた者 を研 究参加者 とした。 参加者 が 学 生 で あ る こ とに配慮 し,デ ー タ収集 は実習評価 の返去口 後 とし,参 加 に同意 しな い こ とが ,成 績 そ の他 へ 不利益 にはな らない ことを丁寧 に説明 した。. (う. まぐケえ られな. 私 は本当に何 も知 らないんだと悔 しくなった。 「わか りません」 とい う言葉 ばか りで本 当 に 申 し 訳な く思 った。少 しで も知識があ つたらととて も 思 った。 (実 習記録 2日 目) 患者 さんの話が聞 きたいの に患者 さんは私にば か り質問 して くる。私 は正直,会 話 をするのが し ん どい とい うよ うに感 じて しまっていた。 (最 終 レポー ト). 呆. さらに,学 生 Aは Bさ んの質問 に答 えられない こ. 学 生 の イ ン タビューで の発言 は │. とを 〈 識が あ つ 日 本当に申 ι調 な ぐ′ つた。tt ιでる矢 『 た らととてるぷ った。)と 専 門的な知識 を持たない 自. Ⅵ。 結. 1内 に,実 習. 記録 の記述 は │三 _コ に示 した。. 己の未熟 さを目の 当た りに した。そ して,(患 者 さん の話力ゞ 聞 きた いのだ患者 さんは私 に│ゴか ク質β ιて 〈. 1.す れ違 う会話 へ の徒 労感. る 〉 と質問され続ける大変 さを記録 に表現 してお り 会議 をするの″ゞιん どいとい うよ うに感 (μ ぼ屁. Aの 受 け持 ち患者 で ある Bさ んは,40歳 代 で 婦 人科 疾患 の 手術 後 5日 目の女性 で あ る。 学 生 Aが 学生. ,. じてιまっていた 〉 と Bさ ん との会話 を負担 に感 じ.

(4) 甲南女子大学研究紀要第 3号. 146. 看護学 ・ リハ ビリテー シ ヨン学編 (2009年 (学 生. る よ うにな っていた。. H月. ). A)「 本 当 は ,ち ょっ とで も元気 づ け た. り,苦 しみを和 らげてあげたい」. 2.Bさ 学生. んの 人生 と直面. Aは ,翌 日もや は り Bさ. んか ら聞かれ るばか. りで 自分 の 聞 きた い こ とは聞けず にい た。思 い余 った. Aは ,教 員 に「患 者 さんか らの 質問攻 め で 聞 き た い ことが聞けない 」 と訴 えた。す る と教員 は,学 生 Aを 連 れて再 び Bさ んの 部屋 を訪 れ た。 学 生 Aは 教員 と Bさ んが 普段 の生 活 の 様子 ,心 配 な こ とな ど 学生. ,. を話すの を教員の横 に座 って 聞 い て い た。す る といつ しか. Bさ んは 自 らの生 い 立 ち を話 しは じめ た。 そ の. 内容 を学生 A力 澪己録 に書 い て い た。. Bさ んの生 い立ちを理解 し始めた学生 Aは ,Bさ んの力にな りたいの になれない 自分が 〈ぐや ιい・・ ・/r7る 出来な いか ら 〉 と怒 りに近 い感情 を抱 い て い た。そ して,自 分 に出来ることは何か と考 えは じめ た。 い ろい ろ話 をす る ことで ,患 者 さん のい ろい ろ な背 景 が 見 えて きた。 (中 略 )で も,私 は 表面 上 の患者 さん しか見 れて い な くて私 に何 がで きるの か ととて も考 え させ られた。 まだ ,専 門的 な知識 や技術 はない 。で も患者 さんの話 を真剣 に聞 くこ. 「小 さい 頃か ら親 にほめ られた こ とが なか っ た」「パー トの経験 はあるが,失 敗 ばか りで以 後. とはで きる。 自分 自身が会話 をす る ことを拒 んで. 仕事 は してい ない」「1歯 みを話せ るような親 しく. い た ら,患 者 さんは絶対 に心 を開 い て くれ ない 。. してい る友人はい ない」 (受 け持 ち患者記録). (最 終 レポー. Aは ,じ つ と何 も語 らず に教 員 と Bさ んの会 話 を聞 い て い たが ,話 を終 えてナ ースス テ ー シ ヨンに 戻 る と,思 い を抑 え きれ ない よ うに泣 きだ した。 学生. 学生. Aは ,知 識 が ない私 にで きる こ と,Bさ. んの. 苦 しみ を和 らげる方 法 は何 か と懸命 に 自分 に問 い か け た。 そ して導 き出 され た結論 は ,(患 者 さん の話 を真 剣 /_. 「私には何がで きるだろ うか」「私 は患者 さんの. ト). ″. ぐこ と 〉 だ った 。 そ れ は ,今 まで の よ う に B. さん との 会話 を,`質 問責 め 'と 受 け取 る姿勢 で は始 ん で いた ま らな い 。 (庁 分 庁身″ゞ 会議 をする こ とを拒「. 邪魔 なのか もしれない」「 どうした ら患者 さんは 心 を開いて くれるのだろ う」な ど,た くさんのこ. ら,患 者さんは燿ガ. とで頭が一杯 にな り,涙 が止 まらなか った。 (最. /_ ノ. ヽ を用 いて ぐれない〉 と気づ ど. い た瞬 間 で あ った 。. 終 レポー ト ). できるだろ うか 〉 とい う思 私 は/r7″ ゞ 学生 Aは 〈 い と,自 分が何もで きないことがかえって (私 は患 者 /_‐. さんの邪魔 なのか るιれない )と い う思い,教 員 に 、 は′ を開いた B さんだが,〈 √どうしたらノ ま者さんは 亡 ヽ を用 いてぐれるのだろうゴ など た ぐさん ご リノ った。〉の 一杯 な クフ 励 壮 まらな″ヽ のことで頭力ゞ 6私. /_‐. /_‐. だ。学生 Aが これ まで出会ったことのないような B さん の生 い 立 ち に 驚 き,こ ん な 人生 が あ るの だ とい う 未知 の 現 実 に 直 面 した。 そ して ,こ れ まで `質 問責 め に す る患 者 'と. しか 受 け 取 っ て い な か っ た 学 生. A. 患者 さん自身のことを聞 き,お 互 い に認めあえ る関係が作れた らもっとい ろい ろな不安な話な ど 話 して くれるのではないか。 (中 略)今 の私 にで きる こと,そ れはた くさんの事 についてよ く話 し をしていただ くことだと思 う。楽 しい話 をして. ,. よ く笑い合 うこと. (中 略)積 極的に受け入れてい. ます とい う態度 を見せて,少 しで も安心で きる環 境 の一部 になれた らと思 う。 (実 習記録 3日 目). 学生 Aが 抱 く (お 互 いに認めあえる″係 〉 とは Bさ んが (不安な話なと溺tて ぐれる 〉 こと,〈 巣し ,. で ,`Bさ ん の 世 界 'に 引 き込 まれ て い った 。. い詔⇒ を して,(実 い合 うこと 〉 で あ った。 さら ヽ できる環身 の一部になれた ら〉 に,学 生 Aが (安 ′ ご. 3.安 心 で きる環境 の一 部 にな りたい. と Bさ んにとって自分が どのような存在 であ りたい かとい う具体的な願いを持ち始めた。. に ,見 え て い な か っ た. Bさ. ん 像 が 見 え て きた こ と. (研 究者 )「 患者 さんの苦 しい思 い を感 じる と E. の気持 ちはどうなる ?」 (学 生 A)「 くや しい ・・ ・何 も出来 な い か ら」 (研 究者)「 本当 は,ど. う出来た らいいの ?」. また,教 員が Bさ んを受け入れ よ う とす る態度 と,自 分が Bさ んに向き合 う姿勢が明 らかに違 うこ とを認識 し,(者 な脇 _ 受 けスれ ていますとい うま ` ど 度 〉が Bさ んの (安 ノ 〉につながると気づ き,自 分 にできる援助の可能性を見出し始めた。.

(5) 谷口清弥 他 :早 期体験実習 で看護学生が体験 したケアリングの過程. 147. が見えて,(と でる楽 ιくなった 〉のである。. 4.Bさ ん と感情 を共有 で きた喜 び 翌 日,学 生 Aは ,い つ もは Bさ ん とベ ッ ドサ イ ド で話 を して い たが ,楽 しい 時間 を過 ごす こ とを考 えて. こと〉が (楽 ιみ 〉 と言 つてもらえたことで,自 分 だけでなくBさ んも学生 Aに 心を開いて くれていた. 院内散歩 に出かけた ときの こ とで あ る。. ことを知 り,と もに過 ごす時間が楽 しい とい う感情の. (学 生. A)「 散歩 に行 ったことが す ごい良 かっ. す ると Bさ んからも (μ (学生 スリ と会議 をする. 本当にだ ιかった 〉のである。 共有がで きたことが 〈. た。 いつ もは一 人や った か ら行 けへ んか った. 看護師は患者 に成長 させ られてい るなとい うこ. ところが一 緒 に行 け て 良か った って言 つて も. とが実感で きた。何がで きるか と思 う自分 を患者. らえて ,見 てみた い ってい う ところ も行 け た. さんの一言 で救 われ,支 え られて い るな と思 っ. し,2人 で会話 をす る 中 で ,な んで ここに こ. た。. ういうのがあるんやろねっていう話 とかもし たし,な んか会話が自然にできたなというの. り立 つ 職業 で あ り,看 護 の対 象者 か ら学 ぶ こ とは. がす ごいある。 」. とて も多 いの で はな い か と考 えた。 (最 終 レポ ー. (研 究者)「 それは,何 でだと思 う ?」. 看護 師 とい う職業 は,看 護 の対象が い て こそ成. トよ り). A)「 共有 してるか らかな。病 院 のオ リエ. 看護 師 はず っ と患 者 さん の そ ばにい る こ とはで. ンテー ションの ときに ホールにピアノがあ. きない 。 けれ ど,ず っ とそばにい る よ うな安心感. って,そ の話 とか聞いてたんで,ク リスマス. を与 えてあげる こ とはで きる。そ して,必 要 な時. にこうい うことがあるみたいです よって話 も. にそ ば に い て あ げ る こ とが大 切 な の か な と思 つ. で きたか ら,情 報 を得てたか ら色 々話す るこ. た。 (実 習記録 4日 目). (学 生. ともで きた し。楽 しか った。 」. 学生. Aは ,実 習が終 わ りに近 づ くと,`自 分 'で は. 散歩 に行 くことで ,(な んか 会務 ゞ 庁然 に で きた. な く `看 護師'と い う言葉 で表現す るこ とが 多 くな. な 〉 と,同 じもの を見て思 い を伝 え合 うことで情況. り,自 分 の体験 が看護 と重 な り合 い なが ら `看 護す る' とい うこと自覚 し始 めていた。. を (共 か. し,人 としての交流 に (楽 ιか った 〉 と. しみ じみ とした内なる自然な感情が起 こってい た。そ の後 ,病 室 に戻 りさらに Bさ ん との会話 は続 いた。. Bさ んの「子 どもがほ しかった」「 自分 自身に あま り自信がない」「人の 目を気 に しす ぎる」 な どとい う よ うな背景 も見 えて きた。 (中 略 )ま ヽ 亡 を開かない と患者 さん も心 を開いて ず,自 分が″ くれないのである。. 5.人 を本当に理解することの困難 さ インタビューの中で,他 学生から「患者が落ち込ん でいる時に,前 向きになれるようなプラス言葉を返 し たいが,難 しい」 とい う発言 を受けて,学 生 Aは 次 のように語つている。 (学 生. 「一人の生活者 である」 とい うことがわかって. A)自 分が大 きい病気 とか してないか ら ,. 患者 さんの気持 ちをわか ろ うってする ことは. きた ころか ら,患 者 さんと会話 をすることが,と. 出来るけ ど,本 当にわかることはないんやろ. て も楽 しくなった。 (最 終 レポー ト). なって。言 う言葉 も,軽 々 しく言 つて もあか ん じ。 どんな風 に答えた らいいか ・・・」. 「今 の楽 しみは何ですか ?」 とたずね る と,私 と会話 をすることと言 って もらえた。私 自身 も話. (研 究者)こ. をする ことが とて も楽 しか ったので患者 さん もそ. (学 生. れか ら自分にどんな ことが必要 ?. A)「 今 の 自分 では情 けない。言葉 だ け じ. う思 って くれて い た ことが 本 当に嬉 しか った。. ゃだめかな。 自分が動かなあか ん。 まず,自. (実 習記録 4日. 」 分が しっか りしない とい けない と思 う。. 学生. 目). Aは ,Bさ. ん との会話 を重 ねて い く と,(√ 庁. 分 旨身 にあ ま ク庁信 た. いノ √ス の Fを 気 に ιす ぎ. Bさ んと楽 しさの共有が で きた学生 Aで あ つた が,実 習が終 わった今,(患 者 さんの気芹 ちをわかろ. ヽ ヽ を用かないと)と ,自 分が′ を開いてみる 自分″ちご 亡. うってすることは出来るけど 本当にわかることはな いんやろな 〉 と1人 の人を本当 に理解することの困. と違う Bさ ん像が見えて, さらにまた違 う Bさ ん像. 難さを感 じている。それでもわかろうとすることが重. るゴ〉 とい う よ うな生 活 者像 も見 えて きた。 (ま デ.

(6) 148. 甲南女子大学研究紀要第 3号. 看護学 ・ リハ ビ リテー シ ヨン学編 (2009年. H月. ). 要 で あ り,(今 の 旨分 では 信け な い 〉 と少 しで も患 者 を理解 出来 る 自分 になるため に (自 分 ″ゞιっか クιな. うした葛藤に直面 し続けることであ り,そ のいたた ま れない気持 ちが 〈会計 をするの″ゞιん どい 〉 とい う. い と い け な い )と い う言 葉 で 表現 して い る。 さ らに 動 か なあ か それ は ,(言 葉 だ け じゃだ めか な。 自分 力ゞ. 言葉 となって発せ られたのだ。. ん )と. ,表 面 だけで な く,具 体 的 に行 動 を起 こす こ. こ うした葛藤 を持 つ学生. Aの 関心 は 自分 自身の心. 配事 に向いてい る。 しか し,ケ アす る人の関心は,ケ アされるひとについてであって,わ た したち自身につ. との必 要性 を強 く感 じて い た。. い てではない。 したが って この葛藤 は,自 己 を脱却. Ⅶ.考. し,で きるだけ入念にそのひとが感 じるままを感 じと. 察. ろ う と努 めるケア リ ングの本 質的な部分 の妨 げ とな 実習後 の イ ン タ ビューでの学 生. Aの 語 りを手 が か. りに,感 情 の揺 れの エ ピソー ドを実習記録 で裏 づ け し. る。つ まり,葛 藤 を経験する ことは,ケ アリングの危 険性 のひとつりなのである。. なが らス トー リー化 し記述 した。 この記述 の 過程 で ,看 護学 生 と患 者 との 関 わ りの 中. 2.関 心の転移によるケアの芽生 え. に様 々 な様相 を呈 しなが ら `ケ ア'が 脈絡 と流 れて い. (患 者 さんか らの質周妨. で聞 きた いこと力ゞ 聞 けな. る こ とが 見 て とれ た。 そ こで ,`ケ ア'を 主軸 に置 き なが ら,看 護学 生が経験 した `ケ ア リ ングの過程 'と. 学生. そ の 意味 を時間軸 に沿 つて 考察す る。. が コ ミュニケー シ ョンをとるのを横で聞いていた。そ. い 〉 と自分では これ以上対応 で きない ことを訴 えた. Aは ,教 員 とともに Bさ. こで学生. 1.ケ ア リングの妨 げ 学生. Aは ,受 け持 ち 2日. 日 (患 者 さん の話 ″ギ 聞き. Aが 聞いた Bさ んの生活暦 は,想 像 だに し. てい なか った内容 だった。学生 Aは それ を知 り 〈μ ぼ/r7″ ゞ できるだろ うか 〉 と Bさ んの周 囲か ら理解 /_‐. されに くく,孤 独 な人生 を垣間見て衝撃 を うけたので. た いの /_‐ ノ 感者 さん はμ だ │ゴか ク質周 ιて くる。 私 ぼ正 直 会計 をするの″ゞιん ど い と い うよ う/_‐ 感 じ て ιま. ある。. Bさ ん を受 け入 れ る こ とが で きな い. 学生. っ て いた。)と. んの部屋 を訪れ,教 員. Aが 受けたこの衝撃 は,こ れ まで患者 を自分. の側か ら見てい るとい う立場か ら,一 転 ,患 者 とい う. で い た。 ん どい 'と い う言葉 が発せ られ るに至 った 学 生. その人の 中へ 放 り込 まれた瞬間であ った。 (反 力壮 ま. の経験 を Bさ ん との 関係 に基 づ い て見 て い くこ とに. らなか っ/_‐ 〉 の は ,患 者 の 人生 に巻 き込 まれ ,患 者. `し. す る。 学生. Aは ,Bさ. ん と出 会 った 当初 ,次 々 と発. せ られ る病気 につい ての 質問 に答 える こ とがで きず. ,. が これ まで経験 した様 々 な感情 を追体験 した こ とが 見 て とれ る。. `孤. 独 な Bさ ん'の 境 遇 に同情 し,自 己 の. Aで あ つたが ,そ こ には ま. (μ は本当 に/r76知 らな いんだ と作 ι ぐな った 〉 と 自. 感情 に巻 き込 まれ た学 生. 己へ の悔 しさを感 じて い た。 さらに,Bさ んの 質問 に. ぎれ もな く他 人の苦悩 を自分 の こ との よ うに親 身 にな. クませんゴ とい う言葉 ばか クで本 当 /_‐. って共 に感 じる学生 の体験 が あ った。学生 は まさに患 者 と してではない `Bさ ん'と い う苦悩す る生活者 と. 対 して. (√ わか. ≠ ι訳 な ぐぷ った 。〉 と Bさ んの 役 に立 て な い こ と へ の 申 し訳 な さを感 じ,(少 ιで る4/7識 ″ゞ あ つた らと とで るぷ っ/_‐ 。)と 自己 の 未熟 さを痛 感 した よ うで あ. しての存在 を感 じ取 ったので あ る。 また ,Bさ ん との コ ミュニ ケ ー シ ョンについて学 生 は,(教言 吾とか で話 さな きゃ いけ な い ι )と 普段 とは. った。 他 方 で学 生. Aは ,Bさ. ん と親 し く話 を して (る っ. 違 う言 葉 使 い や ,(病 気 の こ と い ろ い ろ 質 周 して き. とク良 ぐなクたいと思 つてる〉にもかかわらず,質. て 〉 と普段 の友人 と話す話題 とも違 い,(一 番難 ιか. 問 に は 答 え られ な い こ とば か りで ,現 実 の. Bさ. んと. った。 コ ミュニ ケ ー ション 〉 と会話 に不 自由 さを感. の 関係 は 自己 の 思 い とは か け離 れ て い た 。 学 生. Aの. じなが ら,本 当 は 〈ク良 ぐな クた い と思 ってる 〉 と. 描 い て い た よ うな コ ミュニ ケ ー シ ョンにはな らず ,い つ しか. Bさ んか ら質問責 め に され て い る とい う感覚. を持 ち始 めて い た。. 気楽 に付 き合える関係 を望んで い た。学 生. Aに. とっ. ては,患 者 と話す とい うことは,言 葉 も話題 も環境 に おいて も,す べ てが非 日常 であ り,自 己の振 る舞 いの. の 中 に `Bさ んの 役 に立 て な い 申 し訳 な. すべ てに意識 を向けなければならないとい う不 自由さ. さ'と ,`質 問責 め にす る Bさ んは嫌 'と い う相 反す る感情が芽 生 えて い た。Bさ ん と共 に い るこ とは,こ. の 中にい たのだ。だか らこそ教員 ととと もに Bさ ん. 学生. A. の もとを訪れた際の学生は,話 す人 としての役割 を逃.

(7) 谷 口清 弥. 他 :早 期体験 実習 で看護学生が体験 したケ ア リ ングの過程. 149. れ ,敬 語 を気 にす る必 要 も,話 題 を考 える必要 な く. 狡術 はな 札. ヽ ただ一 ′ に Bさ んの 話 に耳 を傾 け る こ とが で きた。 亡. きる。)と. そ の結果 ,ケ ア され る人へ 自己 を投入 し,Bさ んの世. 持 って い る と深 く感 じて い るのであ る。 関心 の転移 か. 界 をあ るが ままに感受す る ことが で きた。. ら自己 を脱却 した学生. ,. ケ アす る と き,そ こ にはつ ね に,ケ アす る人 自身 の. で るノ 感者 さん の話 を真 尖Jに 所 ζことは で. ,ケ アす る対象 が ,か けが えの な い価値 を. Aは ,自 分 が何 か を しなけれ. ば な らな い と感 じるだけで な く,`何 か を した い 'と. 実相 か ら,ケ ア され る人の実相 へ の ,関 心 の転移 が見 られ る。。学 生 Aの 自分 の心 配事 に向 い て い た 関心. 専心 し,受 け入 れ る と き,そ の人の安寧 へ の願 い が ケ. が ,〈 庁分 は/r7が できるのだろ う〉 と Bさ ん 自身に. アす る私 へ と動機 づ け るのであ る. A. 関心 を向け,真 剣 に考 えは じめたのである。 学 生. は 自己の感情 に巻 き込 まれるとい う体験 を経て,自 己 の内なる自然 な感情 に導 かれてケアす る心構 えが芽生. い う自分 に変化 したのである。 ケア され る人の実相 に B)。. そ の 動機 の 活力. が ,ケ ア され る人のため に何 か を した い 自分 へ と変化 させ る `ケ アの発動 'と 言 えるだろ う。. できる環芳 ごヽ さらに,(Bさ んだとって少 ιでる安ノ. Aの. えたと言 える。. の一部 にな クた い 〉 とい う願 い を見出 した学生. 3.専 心 か ら起 こるケアの発動. 言葉か らは,Bさ んを自己の延長のように捉 えてい る 様が感 じとれる。そ して,実 習最終 日について (散歩. を持 ち続けること,そ れが専心である。その実相 を感. に行 った こと″ゞ す ごい良か つた。 御割り なんか会話 申 ″ゞ す ごいあ る。 …… ζ 自然 にできた な とい うの″ゞ. じ始 めるならば,ケ アする人 もまた,そ れ相応 にその. 略り ……共有 ιてるか らな。〉 とい う学生の語 りか ら. 人のために行 なわねば と感 じるのである. は,最 初 の質問攻 めに困惑 した学生 の姿 とは うって変. ケアされる人の実相 (reality)を 理解 しようと関心. H)。. ,Bさ んの世界 を感 じ始めた ことか ら (自 分 は Bさ ん に とっ てどの よ うな存在 な のだ ろ. 時間の安寧 を感 じ取 ることがで きる。それは考えを吟. う〉 と,相 手 との 関係 の 中で埋 もれてい た 自分 を見. 味す る必要 もなければ,言 葉 を選ぶ必要 もな く,Bさ. つ めなお し,〈 属. んとの共有 を実感で きる時間を過 ごす ことがで きてい. 学生 Aも. ,. /_‐. /r7が. できるのかフ ととてる考え さ. せ られた 〉 と実際には Bさ ん と離れてい る時間にお いて も,Bさ んを深 く思 い,Bさ んへ応答 しようとし てい る。 このような姿 こそが. `専. 心'で あ り,ケ アに. わ り,学 生 Aと Bさ ん とのあい だに流れる穏やかな. る。 これが,`受 け入れ'な のである。. 4.問 いつづけるケアの意味. 対す る `主 体性 の芽生 え'で ある。 自分が相手 との関. (看 護師 は デ っと意者 さんのそばに いることは でき. 係 の中で,自 分 自身を問 うことで,自 分 の現状 を越 え ようとす る体験 こそが,自 己の主体性 を回復 させ る力. ごヽ 感 を与え な い。けれ ど デつとそばに いるよ うな安ノ 「 ことはで であゲる きる。そ して′ 必要 なけにそばに い. と言えるのではないだろ うか。. てあげる こと″汰 ″なのか なと思 った 〉 とい う学 生. 学生. Aは ,こ. の経験か ら見出 したケアを 〈庁分 庁. 身″,会 議 をする ことをだん でいた ら′患者 さんは綱 にノ を″ い て ぐれ な い 〉 とこれ までの 自分 を振 り返 ごヽ っている。ケアとは,他 の人に入 り込むのではな く ,. Aの 記述 は,看 護 の 臨床 で個別的な存在 で あ る 1人 のひとの苦悩 を克服するプロセスか ら導かれた,学 生 な りのケアリング観 と言 えよう。 また,学 生. Aは ,Bさ. んの これ まで の人生 を振 り. ・ 。 (者な″ に受けス れ てい ます 受け入れ るのである. 返るとい う経験 か ら,表 面 だけを見 ていてはその人は. とい う′ 姜度 を月 せる 〉 と自分が主体 的に患者 を受 け. 理解 で きない とい う真実 を知 った。親 身 になって B を″か な い さんの話 を聞 く教員 の姿か ら,(庁 分 ″ちごヽ. 入れてい くことの必要性 を見出 してい る。. Aの 経験 を見て い くと,客 観 的様 態か ら自己の感情へ の巻 き込 まれを経て,Bさ んの体. ようとしなけれ ば真 のその人は見えない とい うことを. 験世界を感受する とい う専心的なプロセス をた ど り. 知 ったのである。か た くなに Bさ んの質問責 めか ら. そのなかで学生 Aは Bさ んの苦悩 を受け止め,Bさ. 自分 を守ろうとしてい た学生. んの苦1歯 によって心 を動か され,こ の人の苦痛 をやわ. 姿 は見えない。それだけでな く,そ の人を. これ までの学生. ,. らげたい とい う願 い に結 びつい て い る。学生. Aは. ,. Bさ んに深 い個人的な関心 と興味 を示 し,`あ なたは 私に とって大切な人'な のだとい うことを伝 えたい と い う気持 ちが芽生 えた ことで 〈まだ 専″″な知識 や. と患 者 さん るノ を用 い て くれ な い 〉 とい うこと,見 ごヽ. Aで は,真 の Bさ `異. んの. 質なも. の'と さえ捉 えて しまいかねない,こ のような捉 え方 は道徳的 ではない とい う倫 理が芽生 えて い る。 つ ま り,こ の事実か ら言えることは,道 徳性 に対するわた したちの傾向 と関心がケアリングか ら生 じるとい うこ.

(8) 甲南女子大学研究紀要第 3号. 看護学. とである‖. を和 らげた い とい う願 い が. │。. さらに,実 習か ら lヶ 月後のインタビューで さん の結. リハ ビリテーシヨン学編 (2009年 H月. (ノ. ま者. ちをわかろ うってする ことは出来るけど. ). Bさ. んの あ るが ま まを受. け入 れ ,穏 やか な安寧 の 時間 を共有す るに至 った。 し か し,本 研究 の対 象学 生 は,こ の実習 でケ ア リ ン グを. 本当にわかることはないんやろなって〉 と語 ってい. 経験 した とは認識 して い ない だろ う。 けれ どもこの経. る。学生 Aは ,Bさ んと楽 しさの共有がで きた実習. 験 で得 た ものが核 となれば,自 分 とは違 う価値観 の人. で あ ったが ,そ れ で も,そ の 人が 感 じて い る よ う にす. に出会 った と して も,人 の表面 だ け を見て い たので は. べ て を理 解 す る こ とはで きな い と感 じて い る。 Bさ ん. そ の 人は理解 で きな い こと,そ の人の経験 に関心 を向. の 人生 を垣 間見 た か ら こ そ ,人 を 自分 の 人生 と照 ら し. け理解 しようとする姿勢につながるのではないだろう. 合 わせ る こ とは で きな い と知 っ た。`患 者 の 思 い を本. か。そ して,こ の経験 は今後の実習において発展させ. 当 に わか る こ とは 出来 な い ' とわか って い なが ら,そ. る可能性 となるだろう。. れで も関 わ つて ,`わ か ろ う とす る努力 'を す る こ と が大事 であ る と感 じて い る。Bさ ん との ケアの過程 を 経験 して 自己へ の 信頼が で きたか らこそ ,そ こ を足場 に してケアについ て さらに考 え続 け て い く力が育 って い る。. 参考 引用 文献. 1)Nd Noddings(清 水 重樹 ,林 泰 成 ,立 山善康 ケア リ ング. 洋書 房 ,京 都 ,2003,25.. 2)川 田智 美 ,本 村 由美 子 ,木 暮 深 雪 他. さらに今 の 自分 に必 要 なのは 〈知識 〉 で あ り,日 常 を整 える ことで あ り,(ι っか クιなきややれ な い 動 かな 仕事 )と 認識 し,(言 葉だけ じゃだめ,庁 分力ゞ きゃ〉 と自分 に対す る怒 りに も近 い感情 を抱 い て い る。ケアリングを基盤に専門職 を目指すには,こ こが 出発点 と捉 えたのである。. :看 護 教 員 が 学. 生 の生 活体 験 の 乏 しさを感 じた実 習場 面 ,群 馬 保 健 学 己]妻 26巻 , 2006, 133-140。 糸. 3)畑 中あ か ね ,林 裕 美 ,勝 間み ど り :が ん患 者 を受 け 持 つ 学生 の 実 習 指 導 (第 3報 )臨 地 実 習 にお け る学 生 のが ん看 護 に対 す る不 安 ・ ス トレス 感情 と教 員 の 関 わ りに つ い て の 検 討 .神 戸 市 看 護 大 学 短 期 大 学 部 紀 要 (18), 1999,73-84.. その時その場 ではわか らない ことが,lヶ 月たつて か らわかる ことがある。振 り返 って話す ことで,気 づ くことがある。そ こに今 も看護 と向 き合 い,厳 しい 目 で看護 の現象 を見てい る学生. 他 ):. 倫 理 と道 徳 の 教 育 一女 性 の 観 点 か ら.晃. Aの 姿があ った。 この. よ うな学 生の内的体験が浮 き彫 りにな つた こところ に,今 回 イ ンタビュー を実施 した意味が ある と考 え. 4)宮 本 美 佐 ,伊 藤 まゆみ ,小 泉 美 佐 子. :看 護 学 生 が痴. 呆 高齢 者 へ の 対 応 で 困難 を感 じる状 況 の 分析 .群 馬 保 己ヨ 喜 (22), 2002,47-54. 薇整備圭糸. 5)渡 辺 み ど り,小 林 陽子. :看 護 学 生 が 中等 度 ・重 度痴. 呆性老 人 を理解 す る過程 .山 梨大学紀要 (19),2002,121 -126.. 6)松 岡治 子 ,常 盤 洋子 ,神 田清 子. :看 護 学 専 攻 第 5期. 生 の 臨地実習 にお ける看護基 本技 術 の 到達 度. る。. :4期 生 と. の比 較 に よる検討 ,群 馬 保 健 学 紀 要 (25),2005,157164.. Ⅷ。お わ り に. 7)坂 江千 寿 子 ,宮 腰 由紀 子 ,富 田美 加 他. :内 容 分析 を. 用 い た看 護 学 生 の 基礎 臨床 実 習 Iの 教 育評 価 :学 習 内. 今 回,看 護 を学 んで 間 もない早期体験 実習 の 中に学 生 一患 者 との ケ ア リ ングの 過程 を見 出す こ とが 出来 た。 学 生. Aは ,受 け持 ち患 者 で あ る Bさ. ん との 会話. を `し ん どい'と 負担 に感 じて い たが ,Bさ んの生 い 立 ち とい う未知 の現実 に直面 し,自 己 の 感情 に巻 き込 まれ涙が止 ま ら くな った。 しか し,そ こか ら見 えて い なか った. Bさ ん像 が見 えた こ とで `Bさ んの 世 界. '. に引 き込 まれ ,Bさ んの視 点か ら見 る こ とがで きる よ うにな った。Bさ んの世 界 に触 れた こ とで心 を動 か さ れ ,Bさ ん をかけが えの な い 人 と感 じ,こ の人の苦痛. 容 と方 法 の 年 度 差 の 比 較 ,茨 城 県 立 医 療 大 学 (3), 1998, 107-120。. 8)船 津 衛. :シ ンボ リ ック相 互 作 用 理 論 ,恒 星 社 厚 生. 閣 ,東 京 ,1974.. 9)前 掲書. 1)19-25。. 10)前 掲書 1)22. 11)前 掲書 1)25. 12)池 川清 子 :看 護 一生 き られ る世 界 の 実践 知 一 :ゆ み る出版 ,東 京 ,1991,49.. 13)前 掲書 1)51. 14)前 掲書 1)130。.

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参照

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