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ステレオタイプ抑制とクリティカルシンキング志向性の関連性の検討

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Academic year: 2021

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(1)ステレオタイプ抑制とクリティカルシンキング志向性の関連性の検討  学校教育学専攻 学校心理学コース.    M09035E    田中 大資         【問題と目剛. 調査計画 4(ステレオタイプの抑制方略:意識.  ある集団に対して、共通の特徴を持っていると. 的抑制群俳意識的抑制群ノ非意識的促進群/統制. 漠然と考えることをステレオタイプといい、ステ. 群)X2(クリティカル・シンキング志向性尺度得. レオタイプが否定的評価や感情を含んだ場合に偏. 点:島群/低群)の2要因計画である。. 見となる。偏見を持たれた対象は不利益を被るの. クリティカルシンキング志向性尺度の測定. で、抑制すべきものであるが、単に否定的な思考.  本研究では、廣岡ら(2000)で得られた27項. や感情を抑制しようとすると、かえって思考など. 目のクリティカルシンキング志向性尺度に廣岡ら. の反応が増加する現象が起こることがある。これ. (200;)のsocia1ve鵬ionクリティカルシンキン. を抑制の逆説的効果という(Wegne工1994)。こ. グ志向性尺度の第1主成分9項目を加えたものを. の現象を抑えるために有効な抑制方略の方法の一. 用い、7件法による回答を求めた. つとして、判断が文脈に左右されやすいという認. 調査手続き 及川(2005)の方法を参考に、まず、. 知特性を利用したプライミング課題を使った研究. 乱文構成課題によるプライミング課題を行った. がある。及川(2005)では、プライミング課題を. (意識的抑制群・統制群=中性単語セット、非意. 使った非意識的な抑制では逆説的効果が起こらな. 識的抑制群=平等関連語セット、非意識的促進群. いことを明らかにした。しかしながら、これまで. =差別関連単語セット)。. の研究は個人差があまり考慮されてこなかったこ.  次に、ステレオタイプ度を測るため、写真のホ. とを森(1997)は指摘し、同研究で認知欲求の効. スト風の男性の日常生活を想像して、5分間でで. 果を明らかにしている。だが、この研究では認知. きるだけ詳細に記述するよう求めた。ただし。意. 欲求がステレオタイプの低減要因として扱われて. 識的抑制群のみ、偏見や固定観念を抑えるような. いない。また、認知欲求と相関があり、廣岡ら. 教示が追加された。. (2000)において社会的スキルとの相関から、認.  続いて、抑制のリバウンド効果を測るため、連. 知欲求よりも社会生活に応用できる概念とされる. 続して4つの写真の人物に対する印象評定を求め. クリティカルシンキング志向性がある。. た。そのうち3つの写真がフィラーであり、ホス.  そこで、本研究ではクリティカルシンキング志. ト風の男性に対するr自分に自信がある」、r健康. 向性が、ステレオタイプ抑制の意識的な過程ある. 的である(逆転項目)」、r協調性がある(逆転項目)」、. いは非意識的な過程に、どのような影響を及ぼす. 「派手だ」を分析対象とした。. かを検討する。また、抑制の逆説的効果にどのよ.  最後に、個人差を測定するため、クリティカル. うな影響を及ぼすか検討する。. シンキング志向性を測定した。.          【方法】.          【結果】. 調査協力者 大阪府のA大学の大学生111名(男. クリティカル志向性尺度の因子分析およびクラ. 性43名,女性68名;18歳から23歳(平均年齢. スター分析 クリティカルシンキング志向性尺度. 18.95歳)). の36項目に対して,主因子法・プロマックス回. 一62一.

(2) 転による因子分析を行った。因子負荷量が.40未. 低群)×4(意識的抑制群,非意識的抑制群,. 満の14項目を以降の分析から除外した。結果,. 非意識的促進群,統制群)の二要因分散分析. 先行研究と同様に3つの下位次元から構成される. を行った。「自分に自信がある」の項目に対す. こと示され、第1因子はr根拠に基づく探究的思. る分散分析の結果、クリティカルシンキング. 考」、第2因子はr客観的で柔軟な思考」、第3因. 尺度得点と抑制方略の間に交互作用は見られ. 子は「人間多様性理解」と命名された。. なかったが、クリティカルシンキング嗜好性.  因子分析の結果,クリティカルシンキング志向. の高さの主効果の検定の結果,クリティカル. 性が3因子と解釈されたので,クラスター分析に. シンキング志向性の尺度得点において,クリ. よってクリティカルシンキング志向性の高さの群. ティカルシンキング志向性高群(M=5.14,. 分けを行うこととした。クリティカルシンキング. 艇1.21)がクリティカルシンキング志向性. 志向性尺度のr根拠に基づく探究的思考」,r客観. 低群(M=5.61,腓1.02)よりも有意にステ. 的で柔軟な思考」,「人間多様性理解」の各因子得. レオタイプ度得点が低かった(ア(1, 102). 点を変量としたWard法によるクラスター分析を. =4.40,ρく.05)。他の3つの形容詞について. 行った。クリティカルシンキング志向性尺度の因. は、主効果および交互作用はみられなかった。. 子得点に対して,一要因分散分析をクラスター間.          【考察】. で行ったところ、全ての因子で有意な差が示され.  本研究では,クリティカルシンキング志向. た。第1クラスターは第2クラスターより、全て. 性の高さが,ステレオタイプを抑制する際に,. の因子得点が高かったため,クリティカルシンキ. 意識的な過程あるいは非意識的な過程で働く. ング志向性高群と命名した。また,第2クラスタ. のかを主たる目的としていた。しかし,本研. ーはクリティカルシンキング志向性低群と命名し. 究ではクリティカルシンキング志向性の高さ. た。. が影響した印象評定の得点に,抑制方略が影. ステレオタイプ的記述の分析 実験の仮説及び概. 響していなかったので,どの過程で働くのか. 要を知らされていない評定者1名と実験者1名が、. については証明することができなかった。だ. 調査Bの自由記述がどの程度ステレオタイプてき. が,「自分に自信がある」というステレオタイ. であるか6件法で評定を行った。2(島群,低群). プにクリティカルシンキング志向性が影響し. ×4(意識的抑制群,非意識的抑制群,非意識的. ていたことは,偏見を問題にするとき,個人. 促進群,統制群)の二要因分散分析を行った。そ. 差を考慮に入れる必要性を指摘した森. の結果、その結果,抑制方略の主効果が有意. (1997)を支持する結果となった。また,ク. であった(ア(3,102)=8.84,ρく.O1)。Tホey. リティカルシンキング志向性の効果が印象評. のHSD法による多重比較の結果,意識的抑 制群は他の3群に比べて,ステレオタイプ度. 定課題の結果にあらわれたという点も注目す べき点である。及川(2005)で有用性を示さ. 得点が有意に低かった(ρ8く.05)。クリティ. れたプライミング効果だが,これは印象評定. カルシンキング志向性の高さの主効果および. 課題においては効果を示していない。このこ. クリティカルシンキング尺度得点と抑制方略. とは、クリティカルシンキングを志向するこ. の交互作用は有意ではなかった。. とが長期的なステレオタイプ抑制につながる. 印象評定(逆説的効果)の分析 印象評定にお. 一つの可能性を示したといえるだろう。. けるホストに対するステレオタイプとして使.        主任指導教員 小林 小夜子. 用された4項目に対して,それぞれ2(島群,.          指導教員 秋光 恵子. 一63一.

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参照

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