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市民性を育成する地理学習の授業構成 : オーストラリアNSW州中等地理「人口問題」単元の分析を通して

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社会

系教科教

育学会

『社会

系教科教育学研究』第22

号 2010

(pp.21-30)

市民性を育成する地理学習の授業構成

−オース

トラリア

W州中等地理匚

人口問題」単元の分析

を通

して

Structuring Geography Lessons to Promote Students' Citizenship:

Through an Analysis of

a Geography Unit

“Population Issues

” in Secondary School Courses

1n the State of New South Wales,

Australia

I。問題の所在

2008

年版の小

・中学校社会科や2009

年版の高等

学校地理歴史科

・公民科といった社会

系教科の

習指導要領では

,社会的事象の

知識

・技能の

習得,

それ

らを活用

,探究す

る力を育成す

るとともに

持続可能な社会の実現を目指すなど

,匚

公共的な

事柄に自ら参画

していく資質や能

力」を育成する

ことが示され

。この

ことは,社会系教科の究極

目標である市民的資質の育成が改めて強調

され

たものと考

えられる

。言

い換えれ

ば,めま

ぐる

く変化

,様々

な課題

を有す

る現代社会において,

持続可能な社会の実現のために

,社会

系教科では

学習者が将来市民と

しての役割

を果たすような市

民性

を育成する教育が

求め

られている

本研究では

,持続可能な社会

を実現するため

に,

集団生活を工

夫して運営

していく人間

を市民とと

らえる

。市

民性を育成するためには,現代社会の

諸課題の現状

を確認

し(

記述)

,それ

らが出現する

背景

をとらえる(

説明)

という社会認識の形成

とと

もに

,諸課題の解決策

を批判的に評価

し(

価値判

断)

,課題の解決に向けて実践的な判断を行う(

思決定)

必要がある(

図I)15

。学習者の価値判断

と意思決定は広義の社会参加2)

といえる。

加・

1

1

1 

理学

,設

した

地域の

地域

える

地誌

的学

地理

的事

象の

らえる

系統

永 

田 

(三

成 

学)

地理

的学

,現

代世

界の

諸課

どの

テー

して追

究す

主題

習に

され

。事

実認

成に

とど

まる

地誌

学習

系統

的学

区別

して

,現代

社会

して

いる

課題

を取

り上

,考

られ

る解決

策の

中か

ら望ま

しい

もの

を選

択す

とを通

して

,価

値認

とも

,学

習者

感情

まで

関わ

うな

学習

を設

定す

とに

り市

民性

を育成

とが

きる

研究

は市

民性

を育

成す

地理

を次の

うに

義す

可能

な社

会の

実現の

ため

,大

小様

々な

地域ス

で表出す

る現

代世界の

問題

につ

いて

けて模

,それ

して

らの

背景

く資

を地理

を育成

的に

探究

る教

し,解決

この

ような定義に基づけば

,地理教育における

民性

育成の意義と

して,次の2点を指摘するこ

とができる。

1に

,認識

と資質を統一的に育成す

るという

社会系教科に属する地理教

育の本質に関わ

る意

である

。2008

年版小

・中学校社会科の総括

目標で

「我が国の国土の理解

,平和で

民主的な国家

社会の

形成者と

して必要な公

民的資質の基礎

を養

」,

2009

年版高等学校地理歴史科の総括目標

「我が国及び世界の生活

・文化の地域的特色

の理解と認識

,平和

で民主的な国家

・社会

を形成

する

日本国

民と

して必要な自覚と資質

を養

」と

いう文言が示され

てお

,地理教育の究極

目標は

民性育成となっている。

2に

,現代世界の様々な地域にみ

られる諸課

を学習対象とする地理教育

への社会的要請か

の意

義である

。 1992

年に地球サ

ミッ

トが開催

され

持続

可能

な開発の行動計

画である

「アジ

ェンダ21

(2)

中で

,環境と開発の課題に人々が対処する能

を育成するために教育が重要であることが

示され

。同年に国際地理学連合により制定された匚

理教

育国際憲章」では

,現代世界が直面する主要

な問題の解決には

,すべての世代の

人々がそれ

問題に関心

を持

つことが求め

られ

ている

。地理

教育の三大

目標

して

,地理的知識の習得と理解

の深化

,地理的技能とともに態度と価値形成が示

され

,意思決定に

おける態度や価値観の理解が強

調され

ている几また

,地理的技能と

して,問題

の発見

,問題の追究,問題の解決という地理的探

究に基づく学習過程が

示され

ている5)

しか

,現実の地理における現代世界の諸課題

の学習では

,世界の大小様

々な地域

レベルにおけ

る諸課題の現状や原因や解決策

を認識することに

重点がおかれ

,その解決に向けて模

索していくと

いう学習者が参加するまでに至

らない場合が

多い

民性を育成する地理学習では

,様々な地域規模

で出現する現代世界の諸問題について

,地理的な

見方や考

え方を踏まえた追究

をもとに

,地域社会

などで実際に活動す

る狭義の社会参加

を促すよう

な展開となる必要が

ある

。このように地理教育に

おいて

,どの

ような内容,どのような方法から,

どのように市

民性を育成

していくのかを明

らかに

する

ことが課題となっている

本研究の

目的は

,中等地理教育において,市

性を育成す

る地理学習の改革の

方向性を提案をす

ることである

ース

トラ

リアの中等地理教

育は環境教育の内

容を軸と

して

,意思決定や社会参加が

重視され

いる6)

。また,持続可能な開発のための教育

(Education for Sustainable Development:

D)

視点を導入

した授業構成となっている几E

Dは

地球の持続可能性

を脅かす諸問題に対

して

,批判

的な思考と問題解決

,参加型の意思決定を行

うと

いう特徴

を持

っている8)

。オース

トラ

リアの中等

地理教育の現代世界の

諸課題に関わる単元を分析

する

ことによ

,地理教育の枠組みの中で,持続

可能な社会の

実現

を見据

えた市民性

を育成する授

業構成の

示唆を得ることができる。

本研究では

,オース

トラ

リアの

中等地理教育の

単元の授業構成から示唆を得て,市民性

を育成す

地理

学習の

改革の

向性

を提

,それ

いた

理学

を構

想す

n。市民性

を育成す

る地理教育の現状

と課題

.地理教育における現代世界の諸課題の学習

現代世界の

諸課題の学習は,

2009

年版高等学校

学習指導要領の地理

Aの中項

目匚

地球的課題の地

理的考察

」で主題的ア

プロー

チによって追究

し,

地理Bの大項目匚

現代世界の系統地理的考察

現代世界の地誌的考察

」において系統的

・地誌

的ア

プロ

チか

ら個別の地理的事象や地域独自の

課題

をとらえるよ

うに

なっている

しか

し,持続

可能な社会の実現を見据えた市民性

を育成す

るた

めの

方策は具体的に

示され

ていない

。また,

2008

年版小

・中学校学習指導要領の社会科における地

理的内容や地理的分野には現代世界の

諸課題を取

り上げる項目は示され

ていない

o地理教育におい

て系統的に市

民性を育成するためには

,小

・中学

校においても現代世界の諸課題の学習を意図的に

み込んでいく必要がある

現代世界の諸課題の学習は

,地理教

育ばか

りで

,公民教育でも取

り上げ

られ

ている。 2008

版の中学校学習指導要領公

民的分野では,

1998

版の中項目

[ ̄

世界

平和と人類の福祉の増大]か

独立

・改変

して,大項目匚

私だちと国際社会の諸

課題

]が設定

された

。中項目厂

世界

平和と人類の

福祉の増大

」では

,地球環境,資源

・エネルギー

貧困などの課題の解決に重点がおかれ

,経済的,

技術的な協

力に対する理解が求め

られ

ている

。中

学校の社会科の集大成と

して位置付

けられている

新設の

中項

目匚

よりよい社会

を目指

して

」では,

持続可能

な社会の形成する観

点か

,解決すべ

課題

を学習者に設定させ

,探究

させるようになっ

ている

。この

中項目でも,現代世界の

諸課題を課

して設定することができ

,持続可能な社会

実現

を見据

えた市

民性

を育成する

ことが

可能とな

ている。

地理教

育では

,広

い視野か

らまず

分布

をとらえ,

それ

をもとに地域の環境条件

,そ

して人々の営み

などに着目

して各地域の様子

をとらえ

,それぞれ

の地域

るものなどを明らかにするなど地域性

ならではのものと地域

を超

えて共通にみ

をふま

22

(3)

る必 要 かあ る9)。 現 代世 界 の諸 課 題を地 理 的な見

方 や考 え方 によ って分析 し, これ らの認識を 通し

て,地 域 の実 情 に即し た解決策 を意思 決定 するこ

と は地 理 教育 の独 自性で あ るlO)

。 地理 教育 にお い

て現代世 界 の諸 課題を 取 り上 げ る場合,地 理独 自

の手法を 取り入 れて公 民教育 と の違 いを 明確 に示

してい く必 要 がある。

2。地 理教 育にお ける人 口問題 学習

持続 可能 な社会 の実現を 目指 す地理 教育で は,

様々な地 域規 模で 出現 す る持続可 能性 が危 ぶ まれ

てい る現 代世 界 の 諸課 題 が 対 象 とな る。

ES

D の

社 会文 化 , 環境 , 経済 の 3領 域 の枠 組 み11)に地

理 教育で取 り上 げら れてき た主 な現代 世界 の諸課

題を示 し た(図 2)。

図 2 地理で取 り上げる現 代世界 の諸課 題

小 ・ 中 ・ 高 等 学 校 の地 理 教 育 で は , 市 民 性 の 育

成 の た め に持 続 可 能 性 が 危 ぶ ま れ て い る現 代 世 界

の 諸 課 題 の 学 習 に つ い て , 学 習 者 の 地 理 的 意 識 の

発 達12)を 視 野 に 入 れ て 課 題 や 地 域 規 模 を 設 定 す

る こ と が 重 要 で あ る 。

本 研 究 で は, 現 代 世 界 の 諸 課 題 の学 習 を 系 統 的

に 位 置 付 け る こ と が 必 要 で あ る 中 学 校 社 会 科 地 理

的 分 野 を 対 象 と し , 主 題 と し て 人 口 問 題 を 取 り 上

げ る。 人 口 問 題 は 現 代 世 界 の諸 課 題 の ほ と ん ど の

問 題 に 関 連 し, 地 域 性 に よ り そ の 問 題 や 解 決 方 法

か 異 な り , 持 続 可 能 性 が危 ぶ ま れ て い る 典 型 的 な

問 題 で あ る。 ま た , 世 界 規 模, 国 規 模 , 地 域 規 模

の 問 題 が 存 在 し, 様 々 な 地 域 ス ケ ー ル か ら の 考 察

が必 要 で あ る 。

2008 年 版 の 中 学 校 学 習 指 導 要 領 社 会 科 地 理 的 分

野 で は , 中項 目「 世 界 と 比 べ た日 本 の地 域的 特 色 」

の中で 小項 目 匚

人 口」 が明確 に位置付 けら れてい

る。 小項 目の内容 は, 次 のよう に示 さ れてい る。

口 に 関 す る 特 色 を 大 観 さ せ る 。 ぺ

下線 部筆者

学 習 指 導 要 領 で は, 国 規 模 の 課 題 と し て 少 子 高

齢 化 問 題 , 国 内 の 地 域 別 の 課 題 と し て 過 疎 ・ 過 密

問 題 が 取 り 上 げ ら れ, 日 本 の人 口 の特 色 を 大 観 す

る こ と が 目 的 と な って い る 。

学 習 指 導 要 領 に 対 応 す る 教 科 書13) を み る と ,

人 口 の 学 習 で は , 人 口 密 度 や 人 口 増 加 率 か ら世 界

の 人 口 分 布 と変 化 を と らえ た 上 で , 人 口 密 度 や人

ロ ピ ラ ミ ッド か ら 日本 の 人 口 の 特 色 を 把 握 し , 少

子 高 齢 化 と い う人 口問 題 と 国 内 の問 題 とし て 過疎 ・

過 密 問 題 を 取 り上 げ る よ う に な って い る( 表 1) 。

人 口 の 学 習 で は, 世 界 と 日 本 を 比 較 し た り , 日 本

国 内 の地 域 性 を 踏 ま え て 考 察 し て い る。 し か し,

人 口 に 関 わ る 構 成 要 素 を 取 り 上 げ る こ と に よ り 日

本 の 人 口現 象 の 特 色 や 問 題 点 を 大 観 し , 日 本 の人

口 問 題 の背 景 に 深 く立 ち 入 っ て い な い。 過 疎 ・ 過

密 問 題 を 取 り 上 げ る 場 合 で も, 具 体 的 な 地 域 の 事

例 か ら 地 域 別 の 問 題 を 把 握 す る と い う 社 会 認 識 の

形 成 が 中 心 と な って い る。

表 1 人口 の学習の内容

主 な 項 目

主 な 用 語

《 世 界 の人 口 分 布 と変 化 》

○ 世 界 の 人 口分 布

○ 世 界 の人 口 の変 化

・ 人 口 密 度

・ 人 口 爆 発 ・ 人 口増 加率

《 日 本 の 人 口 と人 口 問 題 》

○ 日 本 の人 口 分 布

○ 日 本 の人 口 構 成

○ 日 本 の 人 口 問 題

・ 人 口 密 度

・ 人 ロ ピ ラ ミ ッド

・ 少 子 高 齢 化

《 過 疎 ・ 過 密 問 題 》

○ 過 密 地 域 一事 例 地 域

○ 過 疎 地 域 一事 例 地 域

・ ニ ュ ー タ ウ ン ・ 再 開 発

・ 高 齢 化 ・ 町 村 お こ し

※1998年版学 習指導 要領対 応した大 阪書籍, 教育 出版, 帝国

書 院,東京 書籍, 日本文教出版教科書を参考に作成。

地理 教育 にお ける人 口学習 は, 人 口問題 その も

のに焦 点を あて, その解 決策を 模索す るこ とで市

民 性を 育成し てい く学習 に改善 してい く必要 があ

る。 そ の参考 となる ものが オー ストラ リアの中 等

地理 単元 であるO

(4)

Ⅲ。市 民性を 育成 する人 口問題単 元 の授業 構成

1. オ ーストラ リア NSW 州 の人 口問題単 元

オー スト ラ リア のニ ュ ーサ ウ スウェ ー ルズ(以

下 NSW と表記) 州 の地 理 教育 は, 意 思 決定 や 社

会参加 を重 視す るなど市民 性育成 を 目指 し た典 型

事例 であ る。 オ ースト ラ リア NSW 州 中等 地理 の

目的 と到達 目標に は, 環境 領域を 軸 として,地 域

性を踏 まえ た生 態 的持続可 能性 の視点 から探究 す

る ことや, 社会参加 の視点 に関 わる活動 的な市民

の育成 が示 さ れてい る弋 この よう に, 価値 と態

度 形 成 か ら 学 習 者 の 行 動 の変 革 を 促 す と い う

ES

D の視点 が明確 に示さ れて いる。

表 2は, オ ース トラ リア NSW 州 のシ ラバ スに

準拠 し た, 中等 前期( 第 4段 階:yearl2-13)

の教科

書に示 さ れた地 理的 に調査 し伝達 する技 能として

の主 要 な地 理 的問 い15)を , 図 1で 示 し た市民 性

育 成 の記 述,説 明, 価値判 断, 意思 決定 の学習 過

程にあて は めた もので あ る。 記述 の段階 は主 とし

て地理的 見方, 説明 の段階 は地理 的考え方 に対応

し, 対象 とす る地理的事 象 につい ての社 会認識 が

形 成さ れる。価 値判 断の段 階で解 決策につ いて評

価し,意 思決定 の段 階で解決 に向 けた行動 案 の実

行 を吟 味させ るこ とで 社会 参加が なさ れる。

表 2  地 理 的 問 い と 学 習 過 程

地 理 的 問 い

学 習 過 程

○ 何 か あ る の か

○ ど こ にあ る の か

記 述

社 会

認 識

○ な ぜ そ こ に あ る の か

○ ど のよ うな 影 響 が あ る の か

○ ど のよ う に 変 化 し て き た か

説 明

○ こ のよ う に な る べ き か

価 値 判 断

社 会

参 加

○ ど のよ うな 行 動 が 適 切 か

意 思 決 定

※GEOGRs む°HY for Global Citizens, MACMILLAN, 2004, p. 11 に示 さ れて い る地 理 的 問 いを も と に 作 成 表 3 は ,『 オ ー ス ト ラ リ ア 市 民 の 地 理 』 の 教 科 書( 第 5 段 階:yearl4-15) の パ ー ト 4 匚地 域 的 世 界 的 な 背 景 の 中 で の オ ー ス ト ラ リ ア」 の 単 元「 オ ー ス ト ラ リ ア の 未 来 へ の 挑 戦 : 人 口」 を 授 業 展 開 の 形 に し た も の で あ る16)。 対 象 と な る 地 域 は オ ー ス ト ラ リ ア で あ る 。 世 界 に お け る オ ー ス ト ラ リ ア の 立 場 か ら , 主 題 で あ る 人 口 に つ い て 主 に 経 済 的 側 面 か ら 考 察 す る よ う に な っ て い る 。 単 元 匚オ ー ス ト ラ リ ア の 未 来 へ の 挑 戦 : 人 口]

は , 匚現 在 と 未 来 の 人 口 の 傾 向 を 考 え る 」 と 匚人

口 傾 向 に よ る影 響 」 の二 つ の パ ー ト か ら構 成 さ れ

て い る。

匚現 在 と 未 来 の 人 口 の 傾 向 を 考 え る」 の パ ー ト

で は , 労 働 市 場 の 持 続 可 能 性 を 追 究 し て い く 。 ま

ず , オ ー ス ト ラ リ ア の場 所 の 視 点 か ら , 人 口 の 構

成 要 素 で あ る 人 口 増 加 , 人 口 構 成 に つ い て の 現 状

と原 因 の追 究 に よ り , 人 口 の 漸 増 , 人 口 の 高 齢 化

と い う 問 題 を 認 識 し た 上 で , 匚人 口 問 題 の 対 策 に

つ い て あ な た の考 え を 述 べ な さ い ] と い う 国 規 模

の 人 口 問 題 対 策 に 対 す る 評 価( 価 値 判 断)を 行 う 。

次 に, オ ー ス ト ラ リ ア の 空 間 の 視 点 か ら , 人 口 分

布 に つ い て の 現 状 と 原 因 の 追 究 に よ り, 海 岸 沿 い

に人 口 が 集 中 し て い る と い う 問 題 を 認 識 し , 匚人

の 流 れ の 変 化 へ の あ な た の 見 方 を 議 論 し な さ い 」

と い う 国 規 模 の 人 の 流 れ の 変 化 の 事 実 に 対 す る 評

価( 価 値 判 断)を 行 う 。

さ ら に, 人 口 問 題 が 特 に 深 刻 化 し て い る 地 域 の

事 例 と し て シ ド ニ ー を 取 り 上 げ, 近 年 人 口 増 加 が

激 し い 都 市 中 心 部( イ ン ナ ー シ テ ィ )と 都 市 周辺 部

( 郊 外)の そ れ ぞ れ の 背 景 を 追 究 し , 移 民 が 増 加 し

て い る事 実 に 着 目 さ せ る 。 そ の 上 で , 匚地 区 人 口

増 加 の 都 市 計 画 や 環 境 方 策 を 評 価 し な さ い 」 匚人

口 過 密 地 区 の肯 定 的 ・ 否 定 的 影 響 を 考 え な さ い」

匚出 稼 ぎ 労 働 者 が 他 地 域 に 住 む 政 策 を 議 論 し な さ

い 」「 人 口 増 加 に よ る 環 境 へ の 影 響 を 読 み 取 り ま

し ょ う」 と い う 地 域 規 模 の 都 市 計 画 につ い て 事 実

に 基 づ き 評 価( 価 値 判 断 )を 行 う。 最 後 に , 国 規 模

の オ ー ス ト ラ リ ア, 地 域 規 模 の シ ド ニ ー の 人 口 問

題 か ら, オ ー ス ト ラ リ ア の人 口 の 高 齢 化 と 都 市 部

で の 移 民 の 増 加 に 着 目 し , 匚オ ー ス ト ラ リ ア の 高

齢 化 緩 和 の た め, さ ら な る 移 民 は 必 要 か 」 厂移 住

増 加 に よ る肯 定 的 ・ 否 定 的 影 響 を 考 え な さ い 」 と

い う世 界 と オ ー ス ト ラ リ ア と の 関 係 を 見 据 え て 実

践 的 判 断( 意 思 決 定 )を 行 う。

匚人 口 傾 向 に よ る 影 響 」 の パ ー ト で は , 未 来 の

経 済成 長 の持 続 可 能 性 を追 究 し て い く。 ま ず, オ ー

ス ト ラ リ ア の 未 来 の人 口 に つ い て , 環 境 保 護 と 労

働力 確 保 の二 つ の 見 解 が あ り , そ れ が論 争 に 発 展

し て い る こ と を 把 握 し , 匚オ ー ス ト ラ リ ア の 人 口

論 争 へ の 見 解 を 述 べ な さ い」 とい う 国 規 模 の人 口

傾 向 の 見 解 に対 す る 評 価( 価 値 判 断 )を 行 う 。 次 に,

24

(5)

匚オ ー ス ト ラ リ ア の 人 ロ サ ミ ット を 開 き な さ い」

と い う 環 境 保 護 の た め に移 民 抑 制 か , 労 働 力 確 保

の た め に 移 民 奨 励 か に つ い て ク ラ ス 全 体 の 議 論 を

踏 ま え て 実 践 的 判 断( 意 思 決 定) を 行 う。 人 口 移 動

と 都 市 計 画 の 事 例 と し て , 南 東 ク イ ン ズ ラ ン ド地

域 を 取 り上 げ, 人 口 が 増 加 し て い る こ とを 把 握 し ,

匚南 東 ク イ ン ズ ラ ン ド の 成 長 へ の 対 応 を 議 論 し な

さ い」 と い う 地 域 規 模 の人 口 増 加 へ の 統 治 機 関 の

対 応 に 対 す る 評 価( 価 値 判 断) を 行 う 。

各 パ ー ト は「  ̄

記 述 → 説 明 → 価 値 判 断 → 意 思 決 定」

の 学 習 過 程 か ら 構 成 さ れ て お り, 人 口 の 傾 向 と 人

口 の 影 響 の 持 続 可 能 性 の 視 点 か ら 教 材 の 二 重 構 造

化 が 図 ら れ て い る。 単 元 全 体 と し て , 人 口 問 題 が

内 容 の 中 核 に 据 え ら れ, オ ー ス ト ラ リ ア の 移 民 に

よ る人 口 増 加 や 高 齢 化 と い う 人 口 問 題 を 認 識 し た

上で, 高齢 化緩和 のた めのさ らなる移民 の受 け入

れという解 決策を 模索す るこ とで社会 参加 がなさ

れて い る。 社会参加 で は, 環境 と経 済的側面 か ら

対立 を個人 で考え た上で, 集 団で議論 してい る。

地 理的な アプロ ー チとして, 大小 様々な地 域を

取 り上げて い る。 具体的 に は, 国規 模であ るオ ー

ストラ リアの人 口問題を 取り上 げ, その問題 が顕

著 に表 れて い る地 域規 模の事 例で考察 して いる。

そ れぞ れの問題 への対策 を評 価し,最 終的 に国規

模 の視点 から対立 す る論 争問 題につ いて実践 的判

断を 行う よう になって いる。

単 元 匚オ ーストラ リアの未 来へ の挑戦:人 口」

は, 主 に国規模 の人 口問題 が取り上 げ られてい る

ため,世 界の人 口問題 との比較 や学 習者 に切 実な

行動 案 の実行を考 察 する側面 が弱い。

表 3  単 元 : 「 オ ー スト ラ リ ア の 未 来 へ の挑 戦 : 人 口 」 の 授 業 展 開

学習パート 学 習 過 程 学 習 項 目 と主 な 発 問・ 指示 学習 活 動 習 得 さ れ る知 識 と 技 能 資 料

Jt

○ オ ー スト ラ リア 統 計局 か 使 用 し て い る 「 持 続 可 能 な 開 発」 ,「 労 働市 場」 , 匚未 来 の経 済 成 長」 と い う言 葉 の 有 用 性 を 考 え な さ い 。 021 世 紀 に 向 け た人 口推 計を し て い る オ ー ス ト ラ リ ア 統 計局 の 用語 の 有 用 性 を 考 え る。 ○ オ ー スト ラ リ ア は 高 齢化 , 移 住 の程 度 が問 題 と な っ て お り, 将 来 の人 口計 画 , 生 態 的 持 続 可 能 性 , 都市 計 画 に 関 わ っ て い るo 【 記 述 】 【 説 明 】 《人 口 増 加 》 ○ オ ー スト ラ リ ア の人 口 は ど の く ら い 増 加 し まし た か。 ○ オ ー スト ラ リ ア の人 口 増 加 の 予 測 を 概 説 し な さ い 。 ○ オ ー スト ラ リ ア の人 口 増 加 の主 要 因 を 挙 げ な さ い 。 ○ オ ー スト ラ リ ア統 計 局 が人 口 予 測 に 考 慮 し て い る 要因 を 説明 し な さ い。 ○ オ ー スト ラ リ ア統 計 局 に よ っ て 設定 さ れ た人 口 予 測 を 述 べな さ い。 ○ 表 か ら10年 の 人 口 増加 を 読 み 取 る。 ○ 図 か ら 未来 予 測 を 読 み 取 る。 ○ 人 口 増 加 の 3つ の 要 因を 挙 げ る。 ○ 図 か ら 3千 万 人 に なる 時間 を考え る。 0 3つ の人 口 予 測を 述 べ る。 01991 か ら2001 年 に220万 人 増 え, 1950万 人 に な っ た。 O2021 年 まで 増 加 し, 2051 年 ま で 漸 増 し, 以 後 減 少 す る。 ○ 出生 率 と平 均 余 命 と 海 外 移 民 で あ る。 ○ 出生 率 か 高く, 平 均 余 命 が長 く, 海 外 移 民 か多 く な れ ば人 口 か 増 加 す る。 ○ 低 位 , 中位 , 高 位 か あ り, そ れ ぞ れ 出生 率 の 高 低, 移民 の 多 少 か ら設 定 す る。 表 : 最近 の 世 界 の人 口 の 動 き 図 : オ ー ス ト ラ リ ア人 口 予 測 【 記 述 】 【 説 明 】 《人 口 構 成 》 ○ オ ー スト ラ リ ア の 出生 率 の変 化 を 描 写 し な さ い 。 ○ オ ー スト ラ リ ア の 出生 率 は ど の 程 度 低 下 し まし た か。 ○ オ ー スト ラ リ ア の 出生 率 低下 の 要 因 を 概 説 し な さ い。 ○ オ ー スト ラ リ ア人 口 の 高 齢化 を 読 み 取 り な さ い 。 ○ オ ー スト ラ リ ア人 口 の 高 齢化 を 描 写 し な さ い 。 ○ オ ー スト ラ リ ア の 高齢 人 口率 の 影 響 を 議 論 し な さ い 。 ○ オ ー スト ラ リ ア の 高齢 人 口 へ の 見 解 を 概 説 し な さ い 。 ○ 図 か ら 出生 率 の変 化 を 読 み 取 る。 01961 か ら2003 年 の 低下 を 調 べ る。 ○ 出生 率 低下 の 要 因 を 考 え る。 ○ 図 か ら人 口 の 高 齢 化 を 計 算 す る。 ○ 人 口 の 高齢 化 を 描 写 す る。 O2031 年 の 比 率 拡 大 の影 響 を 考 え る。 ○ 家 族 研 究所 の 見 解 を 読 み 取 る。 01961 年 の ベ ビ ーブ ー ム で 最 高 に なり 徐 々 に 低下 す る。 01961 か ら2003 年 に 出 生 率 が3.6 か ら1.75に低 下 し た。 ○ こ の 時 期 は, 主 に女 性 が 労 働力 にな り 結婚 が 遅 れ た。 02003 年 に65歳 以 上 が12%, 2051 年 に は25 %を 占 め る。 ○ 急 速 に 高齢 人 口率 が 高 ま っ て い く。 ○ 労 働力 不 足, 退 職 者 の生 活保 障, 支 援 か必 要 と な る。 ○ 支 援 も必 要 だ が, 家 事 で老 年人 口 は社 会 に貢 献 す る。 図 : 出生 率 (1921-2000) 図: 人ロ ピラミッ ド 資 : 高齢 人 口 の 見 解 【価値判断】○ グ ル ープ で 人 口 問 題 に対 する 経 過 と対 策 を 確 認 し , クラ ス全 体 にあ な た の 考 え を 述 べ な さ い 。 ○ 人 口 問 題 に対 す る 経 過 と対 策 につ い て 考 え る。 ○ 高 齢 化 す る人 口, 高 齢者 支 援 か 必 要 に な る こ と か ら 出生 率 向上 や労 働者 確 保を 視 点 と し て 意 見 を 出し 合 う 。 国 八 空 間 口 【 記 述 】 【 説 明 】 《人 口 分 布 》 ○ オ ー スト ラ リア の人 口 分 布を 描 写 し な さ い 。 ○ 大 学 研 究 で の人 の流 れ の変 化 の 概念 を 説 明 し な さ い 。 ○ 人 口分 布を と らえ る。 ○ 人 の流 れ の変 化 の 概念 を 調 べ る。 ○ 人 々 は海 岸 沿 い に, 特 に東 海 岸 に集 中し て い る。 ○ 人 間 の ライ フ スタ イ ル の変 化 に 根本 的 に起 因 す る。

(6)

○ 人 の流 れ の変 化 の二 つ の タ イ プを 概 説 し な さ い 。 ○ 大 都 市 周 辺 地 域 に人 々 が移 動 す る 要 因 は何 で す か。 ○ 人 の流 れを 変 化 さ せ る人 の二 つ の タ イ プ は何 で す か 。 ○ 人 の流 れ の変 化 を 二 つ 考 え る。 ○ 移 動 す る 要 因を 考 え る。 ○ 変 化 さ せ る人 を 二 つ 考 え る。 ○ 大 都市 周辺 地 域 と 快 適 成 長 を 続 け る地 域 か あ る。 ○ 仕 事 の た め に一 時 的 に 住 む 不 安 定 な 人 が多 い。 ○ 退 職 者 等 の 自 由 移 住 者 と 経 済 的 な 強 制移 住 者 が あ る。 【価値判断】○ 人 の流 れ の変 化 へ のあ な た の 見方 を 議 論 し な さ い。 ○ 人 の流 れ の変 化 に 対 し て 議 論 す る。 ○ 人 の流 れ の変 化 に対 し て, 自 分 の考 え か ら議 論 で き る。 地 域 へ イ ン ナ l と ア ご 【 記 述 】 【 説 明 】 ○ 近 年 さ か んな 都市 内 部 再生 につ い て 描 写 し な さ い 。 ○ シド ニ ー地 区 の20-29,30-39歳 の人 口 を 計 算 し な さ い 。 ○ シド ニ ー地 区 の年 代 別 の人 口 割合 を 計 算 し な さ い 。 ○ イ ン ナ ー地 区 で の人 口 増加 の 要 因 は 何 で す か 。 ○ シド ニ ー, シド ニ ー と メ ル ボ ル ン, 州 都 全 体 の人 口 は ど の く らい で す か。 ○ イ ン ナ ー地 区 の 再 生 を 考 え る。 ○ 図 か ら2001 年 の人 口を 計 算 す る。 ○ 図 か ら年 代別 人 口 割 合 を 計 算 す る。 ○ 人 口増 加 の要 因を 話 し 合 う。 ○ 表 か ら 各地 域 の人 囗を 計 算 す る。 ○ 近 年 最 も人 口増 加 し て い る の は イ ン ナ ー地 区で あ る。 O 20-29歳 は 約10000 人,30-39歳 は 約6000 人 で あ る。 O20-29 歳 は 約40%, 30-39 歳 が 約 25 % を 占 めて い る。 ○ 都 市 文 化 生 活を 好 む人 が 増え , 近 年 ビ ル が 建 っ て い る。 ○ シ ド ニ ー は420 万 , シ ド ニ ー と メ ル ボ ル ン は760 万 , 州 都 全 体 は1200 万 と な る。 図 : シ ドニ ー 地 区 の人 口 構 成 表: 都 市人 口 (2001)

【 記 述 】 【 説 明 】 《 人 口 増 加 管 理 の政 府 政 策》 01996 か ら2001 年 の シド ニ ー の人 口 を 描 写 し な さ い 。 ○ 居 住 面 か ら シド ニ ー移 民 増 加 の影 響 を 概 説 し な さ い 。 ○ 人 口 増 加 に対 応 す る 開 発 の方 策を 概 説 し まし ょ う。 ○ シド ニ ー の どこ に新 し い 住宅 か 開 発 さ れ ます か 。 ○ 州 知 事 の シド ニ ー人 口 へ の 心 配を 概 説 し な さ い 。 ○ シド ニ ーで 最 も 成長 し て い る 地 区 を あ げ な さ い 。 ○ シド ニ ー の人 口 増 加 を 調 べ る。 ○ 移 民 増 加 の影 響 を 考 え る。 ONSW 州 の 都 市 作 り 計画 を 調 べ る。 ○ 新 しい 住宅 開 発 を 調 べ る。 ○ 州 知 事 の 心配 を 調 ‘○ 表 か ら 成長 地 区 をべ る。 読 み取 る。 01996 か ら2001 年 に273,000 人 増 加 し た。 O2016 年 ま で に さ ら に27,000の 移 民 住 居 が必 要で あ る。 ○ 都 市 地 区 の 再生 と 緑 地 地 区 の 開 発 か らな っ て い る。 ○ 都 市 中心 部 と 周辺 部 に 各 々 計 画 し て い る。 ○ 人 口増 加 を 心配 し, 政 府 の 移 住 計 画 に批 判 的で あ る。 01996 か ら2001 年 に, シ ド ニ ー 地 区 が18.1% で あ る。 表 ニシ ドニ ー の 地 区 別 エ リ ア 【価値判断】○ 地 区 人 口 増 加 の 都市 計 画や 環 境方 策 を 評 価 し な さ い 。 ○ シド ニ ー 中心 部 や郊 外 にで き た人 口 過 密 地 区 の肯 定 ・ 否定 的 影 響を 考え な さ い 。 ○ 出 稼 ぎ 労 働者 か 他地 域 に 住 む 政 策を 議 論 しな さ い。 ○ シド ニ ー の環 境 保護 の足 跡 の 影 響 を 描 写 し な さ い 。 ○ シド ニ ー の人 口 増加 を 止 め る 方 法 を 読 み取 り な さい 。 ○ 人 口 増 加 によ る 環境 へ の 影 響 を 読 み 取 り ま し よう 。 ○ 地 区 の ウ ェブ サ イ ト を 検 索 す る。 ○ グ ル ープ で思 考 地 図 に 表 す。 ○ 住 居政 策 につ い て 考 え る。 ○ 環 境 セ ン タ ー の 足 跡 の影響を 調 べ る。 ○ 資 料 か ら 防 止 の 方 法 を 読 み 取 る。 ○ 資 料 か ら 環 境 へ の 影 響を 読 み 取 る。 020 地 区 か ら 選 ん で 都 市 計 画 と 環 境 方 策を 検 索 す るo O シド ニ ー 中 心 部 と 郊 外 に つ い て 交 通 的側 面 や 環 境 的 側 面 か ら 考 え る。 ○ シド ニ ー は人 口 急 増, 過 密, ス フ ロ ー ル に な っ て い る。 ○ 自然 へ の人 間 の 影 響 の 総 量 の 考 え 方 は広 か つ て い る。 ○ 移 民 を な く す こ と と 出 生 率 を 低 下 さ せ る こ と で あ る。 ○特 に 都心 で の 水 や 空 気 の 質 が 惡 化 し て い る。 図: シ ドニ ー の 地 区 別 エ リ ア 資 : シ ド ニ ー か で き る こ と 国 【意思決定】○ オ ー スト ラ リ ア の 永 住 計 画 の 必 要 性 を 説 明 し な さい 。 O 「 オ ー スト ラ リ ア の高 齢 化 緩 和 のた め , さ ら な る 移民 は 必 要 か」 を 議 論 し な さ い。 ○ オ ー ス ト ラ リ ア の 移 住 増 加 に よ る 肯 定 的 ・ 否 定 的影 響を 考え な さ い 。 ○ 二 つ の 永 住 の 必 要 性 を考 え る。 ○ 移 住 計 画 につ い て 話 し 合 う。 ○ グ ル ー プ で 思 考 地 図 に 表 す。 ○ 労 働力 移民 と人 権 侵 害 に よ る 難 民 か ら 構 成 さ れ て い る。 ○ オ ー ス ト ラ リ ア の 国 際 義 務 と 高 齢化 , 移 住 で の 経 済 と 環 境 の 影 響 か ら 議 論 す る。 ○ 移民 と 難 民 につ い て 経 済 的 側 面 と人 道 的 側 面 を 中 心 に 考 え る 。

国 【 記 述 】 【 説 明 】 《生 態的 持 続可 能 性 》 ○ オ ー ス ト ラ リ ア の 人 口 か 変 化 し た のは な ぜで す か。 ○ オ ー ス ト ラ リ ア の 未 来 の 人 口 へ の 見 解 を 述 べ な さ い。 ○ 二 つ の 見 解 につ い て 詳 し く レ ポ ート に ま と め な さ い。 020 世 紀 を 通 し て 考 え る。 ○二 つ の 組 織 の 見 解 を 読 み 取 る。 ○ イ ン タ ー ネ ッ ト で 調 べ る。 ○ 大 き な 挑 戦 と し て 大 陸 へ の 植 民 が み ら れ た。 ○ 環 境 保 護 持 続, 労 働 力 確 保 の人 口 へ の 見 解 か あ る 。 ○ イ ン タ ー ネ ッ ト を 活 用 す る 。 図 : 人 口 管 理 の 様 々な 見 解 【価値判断】○ オ ー ス ト ラ リ ア の 人 口 論 争 へ の 見 解 を 述 べ な さ い。 ○ 人 口 論 争 に対 す る 見 解 を 述 べ る 。 ○ 環 境 保 護 の 移 民 抑 制 か 労 働 力 確 保 の 移 民 奨 励 が あ る 。 【意思決定】○ ク ラ ス で オ ー ス ト ラ リ ア 人 ロ サ ミ ッ ト を 開 き な さ い。 ○ 図 の 様 々 な 見 解 を も と に 話 し 合 う 。 ○ 環 境 , 老 齢 化 , 権 利 , 保 障 , 人 口 支 持力 , 水 , 過 密 等 。 地 域 【 記 述】 《人 口 移 動 と 都 市 計 画 》 ○ 近 年 の 南 東 ク イ ン ズ ラ ン ド の成 長 を 描 写 し ま し ょ う。 ○ 南 東 ク イ ン ズ ラ ン ド の将 来 の成 長 を 計 算 す る。 ○ 南 東 部 の 成 長 を 調 べ る。 ○ 南 東 部 の将 来 の成 長 を 計 算 す る 。 01991 年 か ら2000 年 にか けて 人 口 が25 % 増 加 し た 。 O2001 年 か ら2021 年 に か け て350 万 人 に 増 加 す る 。 図 : 南 東 ク イ ン ス ラ ント 地 区 【価値判断】○ 南 東 ク イ ン ズ ラ ン ド の 成 長 へ の 対 応 を 議 論 し な さ い 。 ○ 各 地 区 の統 治 機 関 の 対 応 を 考 え る。 ○ あ る 地 区 で は , 人 口 や ビル の 高 さ を 制 限 し て い る。

※ 《  

》 は 学習 項 目, 太 字 は 社 会参 加 に 関 わ る 部 分。 Brian Parker, Kate Lanceley, Debra Owens, and Rebecca Fitzpatrick,

GEOGRAPl 汀for Ausか

α/

だin

Citizens,

MACMILLAN,

2004, pp.315-334

をもとに作成

(7)

。オース

トラリアN

W州中等地理か

らの示唆

W州中等地理の単元

「 ̄

ース

トラリアの未

来への挑戦

:人口」の授

業構成の分析か

ら,市民

性を育成する地理学習の改革の方向性

として次の

ことが挙

げられ

る。

り上げる学習内容

して

,現代世界の諸課題

と解決策

である社会的論争問題

を中心に据

えるこ

とである

。人口問題の場合,地理的な見

方や考え

方か

,どの

ような人口問題が

地域に生

じ,なぜ

そのような人口問題がその地域

で生

じているのか

を追究

していく

。さらに,持続

可能性の視点か

価値観の対立が生ずるために社会的論争問題に発

している人口問題対策について

,事実に基づき

批判的に評価

,実践的に判断

していく。

学習方法と

して

,記述→説明→価値判断→意思

決定の学習過程

を設定する

ことである

。具体的な

人口問題は記述

,説明の段階で,解決策と

しての

社会的論争問題は価値判断

,意思決定の

段階で授

業に組み込んでいく

。地域の

人口問題の

事実

をと

らえ

,その背景

を説明することで,様々な解決策

を把握する

。その上で,解決策

を吟味

していく。

解決策の中で価値観の対立か

ら社会的論争問題に

発展

している解決策について

,価値判断に基づき

意思決定

を行う

。また

,記述→説明→価値判断→

意思決定の学習過程の中で大小様々な地域

レベル

の考察

を意図的に組み

込んでいく

。世界規模,国

規模

,地域規模か

ら人口問題

をとらえていくこと

,位置や空間という地理独特のア

プロー

チか

地域

ごとの

問題を把握す

ることが可能となる

学習者に持続

可能な社会の実現

を見据

えた市民

性を育成するためには

,人口問題の解決に向けた

行動の変革を促す必要が

ある

。そのために,学習

者の生活する身近

な地域において学習者に切実な

問題

を設定する必要が

ある

。単元匚

オース

トラ

アの未来への挑戦

:人口」では

,オース

トラリア

全体の視

点に立

った社会参加は可能

であるが

,学

習者の身近な生活の視

点に立

った社会参加が不十

である

。現代世界の諸課題の解決策と学習者の

解決に向けた地域

レベルの行動

をつなぐものと

,生活の中で実行する行動案に着

目す

る。この

行動案を現実生活の

中で本当に実行できるのか

吟味

していく必要か

おる

Ⅳ。市民性育成

を育成す

る人口問題学習の構想

1.人口問題学習の内容

と方法

① 

内容

日本は2005

年から人口減少が

始まった

。国立社

会保障

・人口問題研究所の匚

日本の

将来推計人

口」

の中位推計によると,

2050

年の総

人口は約

1億人

に減少することが

予測され

ている

。日本の人口問

題の地域的特殊性は世界に類をみ

ない人口減少の

速度である

。日本の少子高齢化による将来にわ

る人口減少によ

,社会

,経済にどのよ

うな変化

が起

こり

,社会

・経済政策の

あるべ

き方向性

を考

える必要がある

。日本の人口問題である人口減

と労働

力人口の減少は

,国民生産の減少,国内消

費の縮

,社会保障水準の

低下

をもた

らす

出生と死亡の地域

的差異が現代世界の

人口問題

を解

1つの鍵であ

,地域的に多様な人口政策

が求め

られる17)

。今後の超高齢

・人口減少社会に

おいて

,外国人労働者の

受け入れの増加

しに

あらゆる分野の労働

力を確保

していけると考える

のは非現実的である18)

。中学校社会科地理的分野

の現代世界の諸課題の学

習として

,日本の人口問

を事例

に取

り上げ

,その動態的側面である人口

増減

とその解決策

しての人口移動に着

目する

労働

力人口の減少に対する方策

して

,女性労働

の促進

,高齢者雇用の促進ではな

く,外国人労働

者の

受け入れの促進を取

り上げていく

日本ではアメ

リカやオ

ース

トラ

リアの

ような永

を見据

えた移

民政

策を採用

して

いない

したが

,日本の人口減少を労働

力の減少に焦点をあて

だ外国人労働者の

受け入れ

という視

点か

ら考察

ていく

。日本では

,外国人労働

者の

受け入れ

につ

いては価値観の対立か

ら社会的論争問題に発展

ている。

学習者は経験か

ら社会事象に対する価値

づけを

うため

,単元は事実認識か

ら価値認識まで含め

て構成す

る必要がある19)

。そのため,外国人労働

者の

受け入れについて事実認識か

ら価値認識を

た上で

,実践的判断を行う。また

,学習者の行動

の変革

を促すために

,解決に向けて生活の中で実

行す

る行動案と

して

,公

共の利益

と個

人の利益の

対立か

ら生

じる社会的ジ

レンマを設定

,よ

り深

く考察

させ

る。

(8)

②  学 習 方 法

単 元 を 通 し て , 記 述 → 説 明 → 価 値 判 断 → 意 思 決

定 の 学 習 過 程 を 設 定 す る20)

。 記 述 の 段 階 で は, 世

界 の 人 口 動 態 と 比 較 し て , 日 本 は先 進 国 の 中 で も

少 子 高 齢 化 が 進 ん で お り , 今 後 は人 口 が 減 少 す る

こ と, 人 口 減 少 は 経 済 成 長 に影 響 す る こ と を 把 握

さ せ る 。 説 明 の 段 階 で は, 女 性 の社 会 進 出 や 晩 婚

化 に よ る 出 生 率 の 低 下 が 日 本 の 人 口 減 少 の 背 景 で

あ る こ と, 日 本 の人 口 減 少 に よ り 労 働力 が 不 足 し ,

生 産 力 が低 下 す る こ と を つ か ま せ る。 ま た, 日 本

で は子 ど もを 増 や す 子 育 て 支 援 が 中 心 で あ る こ と,

国 際 的 に は カ イ ロ コ ン セ ン サ ス に よ り 南 北 経 済 格

差 に よ る外 国 人 労 働 者 の受 け 入 れを 視 野 に入 れ て

い る と い う事 実 認 識 を さ せ る。

価 値 判 断 の 段 階 で は, 日 本 の人 口 減 少 の解 決 策

と し て の外 国 人 労 働 者 の受 け 入 れ につ い て , 労 働

不 足 解 消 に よ る 経 済 発 展 の 側 面 と 外 国 人 労 働者 の

流 入 に よ る文 化 摩 擦 の 側 面 で 対 立 し て い る と い う

価 値 認 識 を さ せ , 社 会 的 論 争 問 題 に発 展 し て い る

こ とを つ か ま せ る。 外 国 人 労 働 者 の 受 け 入 れ に つ

い て 賛 成 と反 対 の立 場 の理 由 を 発 表 さ せ, メ リ ッ

ト ・ デ メ リ ッ ト を 整 理 し た 上 で , 目 的 と 結 果 を 再

確 認 さ せ る。 意 思 決 定 の 段 階 で は ,「 ̄

人 口 減 少 し

て い る 日 本 は, 発 展 途 上 国 か ら 外 国 人 労 働 者 を 受

け 入 れ る べ き か 」 を ク ラ ス 全 体 で 討 論 さ せ , 最 終

的 に実 践 的 判 断 を さ せ る。 社 会 的 ジ レ ンマ と し て ,

匚少 子 化 対 策 の 目 的 税 と し て 消 費 税 率 を 引 き 上 げ

て は ど う で す か 」 につ い て 判 断 さ せ る。

地 域 規 模 につ い て は , 日 本 の人 口 減 少 や 外 国 人

労 働 者 の 受 け入 れを 認 識 す る 段 階 で は, 世 界 を 視

野 に入 れ な が ら 日本 を 中 心 に 考 察 す る。 外 国 人 労

働者 の受 け 入 れ につ い て 評 価 ・ 吟 味 す る段 階 で は,

日 本 と身 近 な 地 域 の 視 点 か ら 考 察 す る。 消 費 税 率

引 き 上 げ につ い て 評 価 ・ 吟 味 す る段 階 で は, 身 近

な 地 域 に お け る 生 活 者 の 視 点 か ら考 察 す る。

2。 単 元 厂日 本 の 少 子 高 齢 化 問 題 対 策 を 考え る 」

単 元 目 標 は次 の 通 り で あ る 。

○ 日 本 の人 口 問 題 を 考 察 し , 持 続 可 能 な 社 会 の 視

点 か ら 考 え て い こ う と す る。【 関心・意 欲・態度】

○ 日 本 の人 口 減 少 問 題 の 対 策 と し て , 外 国人 労 働

者 の 受 け 入 れ を 評 価 ・ 吟 味 す る。【 思考・ 判断】

○ 日 本 の人 口 減 少 問 題 の 背 景 を 追 究 し , 解 決 に 向

け て 調 査 し , 討 論 す る。    【 技 能 ・ 表 現 】

○ 日 本 の少 子 高 齢 化 の 解 決 策 と し て , 外 国 人 労 働

者 の 受 け 入 れ を つ か む。    【 知 識 ・ 理 解 】

単 元 匚日 本 の少 子 高 齢 化 問 題 対 策 を 考 え る」 の

構 想(10 時 間)を 示 し た も の が表 4で あ る 。

表 4  単 元 「 日 本 の少 子 高 齢 化 問 題 対 策 を 考え る 」

学 習 過 程 と 学 習 項 目 主 な 発 問・ 指 示 学習 活 動 習 得 さ れ る知 識 と 技 能 資 料 事 実 ↓ 説 明 ↓ 価 値 判 断 ↓ 意 思 決 定 国 世 界 Mj §1 1 時 間 1. 日 本 の 人 口 問 題 【 記 述 】 ○ 世 界 に は ど れ く ら い の 人 が 住 ん で い る の だ ろ う。 ○ 世 界 の 人 口 分 布を 調 べ て み よ う。 ○ 人 口 推 移 に は地 域 的 に 特 徴 が あ る の だ ろ う か。 ○ 日 本 の 人 口 に は ど の よ う な 特 徴 が あ る の だ ろ う か。 ○ こ の ま ま 日 本 の 人 口 が 減 少 す る と ど う な る か。 ○ 図 か ら 世 界 の人 口 を 読 み 取 る。 ○ 図 か ら 分 布 に 着 目 し て読 み 取 る。 ○ 図 か ら地 域 に 着 目 し て読 み 取 る。 ○ 図 か ら人 口 推 移 の の特徴 を 読 み取 る。 ○ 人 口減 少 に よ る 影 響 を 考 え る。 01999 年 に60 億 を 超 え, 2050 年 に 90 億 に達 す る。 ○ 人 口 分 布 は 地 域 に よ り 隔 た り が あ る。 ○ 人 口急 増 地 域 と 人 口 停 滞 ・ 減 少 地 域 が あ り , そ れ ぞ れ 大 き く 発 展 途上 国 と先 進 国 で 区 分 で き る。 ○ 先 進 国 の 中 で も 日 本 の 人 口 は 減 少 して い る。 ○ 日本 の経 済成 長 に影 響 す る。 図 : 世 界 の人 口 の 増加 図 : 人 口 密度/ 地 域別人 口 図 : 年 平 均 増 加 率 図 : 日本 の人 口 推 移 図 : 先 進 国 の の人 口推 移 1 時 間 2. 日 本 の 人 口 減 少 の 背 景 【 説 明 】 ○ な ぜ 日 本 で は人 口 か 減 少 し て い る の か。 ○ 設 定 し た 仮 説 が 正 し い か 検 証 し て み よ う。 ○ 検 証 結 果 を 発 表 し , 吟 味 し て み よ うo ○ 予 想し , 仮説 を 設 定 す る。 ○ 仮 説 の検 証方 法 を 考 え る。 ○ 検 証 結 果 を 発 表, 吟 味 す る。 ○ 人 口 減 少 が 既 に 始 ま っ て い る こ と に着 目 して 考 え る。 ○ 仮 説 を 検 証 す る 資 料 を 検 討 す る。 資 料 に よ り 仮 説 か 正 し い の か を 検 証 す る。 ○ 日 本 で は経 済 の 発 展 に よ り 女 性 の 社 会 進 出 や 晩 婚 化 に よ り 出 生 率 が低 下 し た。 資 二教 科 書/ 資 料 集 等 1 時 間 3. 日 本 の 人口僚 帋・ 減 少 に よ る 変 化 【 説 明 】 ○ 日 本 で は ど の よ う に 人 口 が 変 化 して き ま し た か。 ○ 日 本 の 人 口 減 少 は よ い こ と だ と 思い ま す か。 ○ 人 口 停 滞 ・ 減 少 の 日 本 で は ど の よ う な 影 響 が あ り ま す か。 ○ 図 か ら年 齢 層 に 着 目 して 考 え る。 ○ 日本 の人 口 減 少 に つ いて 考 え る。 ○ 人 口停 滞 ・ 減 少 に よる影 響を 考え る。 ○ 日 本 は 少 産 少 子 型 か ら 超 少 産 少 子 型 へ と変 化 し た。 ○ 日 本 の 人 口 減 少 に つ い て 自 分 の 意 見 を 持 つ 。 ○ 日 本 は 労 働力 不 足 や 労 働力 不 足 に よ る 社 会 保 障 か 問 題 と な っ て い る。 図 : 日本 人 口 ピ ラ ミ ッド −28 −

(9)

1 時 間 4. 日本 の 取 り組 み と 国 際 的 取 り 組 み 【 記 述 】 【 説 明 】 ○ 日 本 で は ど の よ う な 取 り 組 みを し て い ま す か。 ○ 今 後 日 本 の 人 口 は 増 加 し て い く と考 え ら れ ま す か。 ○ 国 際 的 に は ど の よ う な 取 り 組 み を し て い ま す か。 ○ 日 本 の 人 口 問 題 は ど う や っ て 解 決 で き ま す か。 ○ 教 科 書 等 の資 料 か ら探 す 。 ○ 日本 の取 り 組 み か ら考 え る。 ○ 国 際 的 な 取 り 組 み を 調 べ る。 ○ カ イ ロ コ ン セ ン サ スを もと に考え る。 ○ 労 働 力 確 保 の た め の 子 育 て 支 援 を 実 施 し て い る。 ○ 日 本 の 取 り 組 み は 効 果 が 薄 く , 日 本 は ま す ま す 人 口 が 減 少 が 深 刻 にな る。 ○ 国 際 人 口 開 発 会 議 が 開 か れ, カ イ ロ コ ン セ ン サ ス と し て , 国 際 移 住 は 南 北 間 の 経 済 的 不 均 衡 に 対 処 す る と さ れ た。 ○ 子 ど も を 増 や す 政 策 と 労 働 者 を 入 れ る政 策 が あ る。 写 : 保 育 所 の 様 子 資 : カ イ ロ コ ン セ ン サ ス 国 身 近 な 地 域 ミ 加 1 時 間 5. 外国 人 労 働者 の 受 け入 れ 【 記 述 】 【 説 明】 【 価値判断】 ○ 日 本 は ど の く ら い 外 国 人 労 働 者 を 受 け人 れて い ま す か。 ○ な ぜ 外 国 人 労 働 者 の受 け 入 れ が 論 争 問 題 に 発展 し て い る の か。 ○ 外 国 人 労 働 者 の受 け 入 れ に つ い て ど う思 い ま す か。 ○ 外 国 人 労 働 者 と 一 緒 に 生 活 で き ま す か 。 ○ 資 料 か ら外 国 人 労 働者 の受 け人 れを 確 認 す る。 ○ 論 争 問 題 に発 展 し て い る背 景 を 考 え る。 ○ 外 国 人 労 働者 の受 け人 れを 考 え る。 ○ 外 国 人 労 働者 と の 生 活 を 考 え る。 ○ 日 本 は 厳 し く 外 国 人 労 働者 の受 け入 れを 制 限 して い る。 ○ 労 働 不 足 解 消 に よ る 経 済 発 展 と 外 国 人 と の文 化 摩 擦 の 価 値 観 か 対 立 し て い る。 ○ 日 本 の 労 働力 不 足 の 解 決 策 か 論 争 問 題 に発 展 して い るo O 身 近 な 地 域 で の 行 動 案 の実 行 を 考 え る。 資 : 外 国 人 労 働 者 の受 け 入 れ 2 時 間 6. 外国 人 労 働者 の 受 け入 れ の評 価 【価値判断】 ○ 賛 成 ・ 反 対 の 立 場 に 立 つ 理 由 を 発 表 し まし ょう 。 ○ 外 国 人 労 働者 の受 け 入 れ の メ リ ッ ト ・ デ メ リ ット は 何 か。 ○ な ぜ メ リ ッ ト ・ デ メ リ ッ ト か 生 じ る のか 。 ○ メ リ ッ ト と デ メ リ ッ ト は ど ち ら が 大 き い か 。 ○ 外 国 人 労 働 者 の受 け 入 れ を す る と 何 か 解 決 し 何 か 問 題 と し て 残 り ま す か 。 ○ キ ャプ ショ ンで 表 現 す る。 ○ 賛 成 反 対 の 各 立 場 の キ ャプ シ ョ ンを クル ーピ ン ク す る。 材: キャプショ ン用 短 冊 資 : 学 習 者 が 準 備 ○ 外 国 人 労 働 者 受 け 入 れ で ど の よ う な よ い こ と が あ る か 。 ○ な ぜ そ の よ う な よ い こ と が 生 じ る のか 。 ○ 外 国 人 労 働 者 受 け 入 れで ど の よ う な 問 題 か生 じ て い る のかo O な ぜ そ の よ う な 問 題 か 生 じ る のか 。 ○メ リット・デメリ ッ ト の 大 き さ を 判 断 す る 。 ○ 解 決 す るこ と と問 題 と し て 残 るこ と を 考 え る。 ○ 人 口 問 題 の 解 決 に 向 け た 行 動 案 とし て , メ リ ッ ト と デ メ リ ッ ト か ら 判 断 す る。 ○ 労 働 者 か 増 え る か 生 活 上 の ト ラ ブ ル が 多 く な る こ と を 再 確 認 す る 。 2 時 間 7. 価 値 観 の対 立 に よ る討 論 【意思決定】 ○ 匚人 口 減 少 し て い る 日 本 は, 発 展 途 上 国 か ら 外 国 人 労 働 者 を 受 け 入 れ る べ き か 」 を 討 論 し な さ い 。 ○ 日 本 で 労 働力 不 足 の 状 態 を 続 け て い っ て よ い か 。 O 「 人 口 減 少 し て い る 日本 は , 発 展 途 上 国 か ら 外 国 人 労 働 者 を 受 け 入 れ る べ き か 」 主 な 賛 成 の意 見 ○ 人 手 が 足 り な い 。 ○ 社 会 保 障 制 度 が 成 り 立 だ な い 。 ○ 受 け 入 れ の 国 際 的 要 望 を 無 視 で き な い 。 主 な 反 対 の 意 見 × 異 民 族 か 入 っ て 共 生 で き る の か 。 × 犯 罪 か 増 加 す る 。 × 送 り 出 し 国 も 労 働者 が 必 要 で あ る 。 資 : 学 習 者 か 準 備 ○ 現 状 か 続 い て もよ い の か を 考 え る。 ○ 意 思 決 定 す る 。 ○ 社 会 変 革 の シ ス テ ム の 変 更 や 行 勁 の 変 革 か 必 要 で あ る。 ○ 地 域 性 ・ 持 続 可 能 性 を も と に 行 動 案 の 実 行 の 意 思 決 定 を す る。 身 近 な 地 域 1 時 間 8. 社 会 的 ジレ ンマ によ る 検 討 【 意思決定】 ○ 外 国 人 労 働者 を 受 け 入 れ な い 場 合 , 人 口 減 少 に ど う 対 応 す れ ば よ い で す か 。 O 「 少 子 化 対 策 の 目 的 税 と し て 消 費 税 率 を 引 き 上 げ て は ど う で す か」 ○ 再 度 外 国 人 労 働 者 の 受 け 入 れ を 考え よ う。 ○ 他 の 労 働 者 を 増 や す 方 法 を 考 え る 。 ○ 公共 利 益 と 個 人 利 益 の 対 立 か ら 考 え る。 ○最 終意 思 決定 す る。 ○ 日 本 国 内で 労 働 者 を 増 や す( 子 ど も を 産 む) 政 策 か 必 要 とな る 。 ○ 学 習 者 の 生 活 に 関 係 す る 消 費 税 率 を 欧 米 諸 国(20 %) 並 に 引 き 上 げ る か を 議 論 す る 。 ○生 活 者 と し て 意 思 決 定 す る 。 図 : 各 国 の 消 費 税 率

V。成 果と課 題

本研 究 の成 果 は次 の 3点 であ る。

第 1に,市民 性を育 成 する地理 教育 の意義 とと

もに, 市民性 は,記述 ,説 明 の過程を踏 まえ た社

会認識 と, 価値 判断, 意思 決定を 踏まえ た社会 参

加か ら育成さ れ ること示 したこ とであ る。

第 2に, 市民 性育成 を意識 し たオ ーストラ リア

の中等地 理教育 の人 口問題単 元 の授業 構 成を分 析

し, 人 口問題 の解決策 の中 で社会 的論争 問題 に発

展 して いる ものを取 り上げ, 議論 してい くこ とで

社 会参加 がなさ れ ることを確認 し たことで あ る。

第 3に, オ ースト ラリア の人 口問題 単元 から市

民性 を育成 す る授業構成 の示 唆を得 て, 地理 学習

の改革 の方 向を示 し,単 元 厂

日本 の少 子高齢 化問

題対 策を考 え る」 の構想 を提案 し たことで ある。

今 後, 構想し た単元 の実験授 業を行 い, より市

民性 を育成 す る単 元に改 善して い く必 要 がある。

ま た, 単発 の授業 の みで はな く, 市民性 を育 成す

る現代 世 界の諸課 題に関 わ る地 理学習 につい て,

系統的 なカ リキ ュラ ムの検討を 行う必要 があ る。

(10)

【註】

1)森分の市民的資質の構造図を参考に

した。森分は

市民的資質は社会認識体

制である事実

,解釈

,法則

理論

,価値と感情と意思力で構成され

,合理的意思

決定

,実践的意思決定,市民的行動か

ら構成される

市民的活動の土台であることを示

した

。本研究では

価値判断と意思決定か

らなる社会参加過程

を狭義の

市民的資質

,社会認識過程と社会参加過程

を併せた

広義の市民的資質

を市

民性ととらえている

。森分孝

民的資質育成における社会科教育一合理的意

思決定−」

『社会系教科教育学研究』第13

号,

2001

pp.46-47

2)唐木は直接参加の立場から

,参加を冂

人が

目的

を同

じくする人々の集団に加入し

,集団の構成員と

して重要な役割を担いながら

,彼

らと行動を共にす

ること

」と定義

している。岡明は社会参加について

活動そのものにかかわるものから

,将来を見越

して

かかわるものまである

ことを示し,社会の運営に関

する議論を行う授業事例

を紹介

している

。本研究で

,後者の広義の社会参加の概念

を採用する。唐木

清志

社会科における

「参加

」の意義一

「市民」育

を目指す社会科教育のお

り方−

『社会科教

育研究

別冊2002

年度研究年報』2003,

p.26,

岡明秀忠

「社会

参加学習を取

り入れた社会科授業

」社会認識教育学

会編

『社会科教育のニューパースペクティブ』明治

図書,

2003,

p.257

3)伊藤は従来の社会認識形成を重視する地理教育と

区別

して

「市

民性育成のための地理教育」と名付け

ている

。伊藤直之厂

現代イギ

リス

地理教育改革論研

究一市民性育成に向けてー

」広島大学博士学位論文,

1993,

p.106

4)国際地理学連合

・地理教育委員会緇,中山修

一訳

地理教

育国際憲章

」地理科学48-2,

1993,

pp.

106-108

5

)金弦辰匚

地理的探究に基づく学習の意義一

「 ̄

地理

教育国際憲章」を手がか

りにー」新地理56-1 2008,

p.5

6

)井田仁康匚

オース

トラ

リアの

地理教育」日本地理

教育学会

『地理教育用語技能事典』帝国書院,

2006,

p.47

7)拙稿

オース

「E

トラリア

Dの視

点を導入

W州中等地理を事例としてー」

した地理教

育の授

業構

『社会科教育研究J

No.109,

2010,

pp.28-40

-8)U

NでESCO,

United

Natl

s £decade

of Educati

凹力

μ

匐加able

』evelo

別ent(2005-2014):

Internatio

)raft

α/

Implemen

だ7

θ77 Scheme,

2004,

p.5

9)渋津文隆匚

地球的課題を地理的に扱う教材開発」

澁滞文隆編『新地理授業を拓く・創る』古今書院,

2002,

pp.

124-125

10)熊野敬子「問題解決能力育成をめざす高校地理

現代世界の課題」学習の構想一人口問題の場合一」

『地理科学J vol.57-1,

2002,

pp.2-3

11』前掲8,

pp.

17-20

12)日本地理教育学会の小・中・高地理教育一貫カリ

キュラムでは,学習者の地理意識の発達を踏まえて

同心円的拡大方式を採用している。山口幸男・西木

敏夫・八田二三一・小林正人・泉貴久編『地理教育

カリキュラムの創造一小・中・高一貫カリキュラムー』

古今書院,

pp.

1-24

13)

1998

年版と2008

年版の学習指導要領解の匚

人口」

の趣旨は変更されていない。 1998

年版に対応した大

阪書籍,教育出版,帝国書院,東京書籍,日本文教

出版の教科書を分析した。

14)前掲7, pp.31-32

15)

Bri

皿Parker,

Kate Lanceley, Debra Owens, and

Rebecca Fitzpatrick, GEOGRA

?'HY

for Global

Citizens,

MACMILLAN,

2004,

p.

11

16)

Brian Parker,

Kate Lanceley,

Debra Owens,

and

Rebecca Fitzpatrick,

GEOGRAP.

圧F力

r 

j回か

αZ

油7

Citizen

ぶ,

MACMILLAN,

2004,

pp.315-334

17)大関泰宏匚

地理教育における人口学習の連続性」

『新地理』46-3,

1998,

p.9

18)阿藤誠匚

人口減少と社会変動」阿藤誠・津谷典子

編『人口減少時代の日本社会』原書房,

2007,

p.23

19)峯明秀厂

価値認識形成をめざす中学校社会科授業一

単元匚

外国人労働者を考える」の場合一」

『社会科教

育研究』第42

号バ994,

pp.81-90

20)熊野は人口問題学習に価値判断→意思決定の過程

を示しているが,解決策の選択に留まっているため

社会参加の意識が弱い。前掲10,

p.13

30−

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