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視覚障がい児童の創造性支援ツールと参加型デザインの可能性

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2016-AAC-2 No.16 2016/12/3. 視覚障がい児童の創造性支援ツールと 参加型デザインの可能性 岡本誠†1 大槻綾子†2 伊藤精英†1 公立はこだて未来大学†1 ヤフー株式会社†2 1.は じ め に 1.1 研究の背景. 1.2 Co-Designing 参加型デザインの一種に,Elizabeth B.-N. Sanders が提 唱したCo-Designing という考え方がある.Sanders は,製. 人間中心設計の手法の一つに,設計プロセスにユーザを. 品をデザインする上でユーザの経験(過去,現在,将来)に. 参加させる参加型デザイン手法(Participatory Design). アクセスできるならば,それをデザインのための源として. がある.参加型デザインは,製品を開発する際に,デザイナ. 上質なユーザ経験を作ることができると述べている.. や技術者だけでなくユーザがデザインプロセスに参加し,. Sanders は,経験にアクセスする方法は沢山あると述べ. デザインを進める方法である.ユーザの経験に適合した製. ている.それは, 「ユーザが話すこと」,「ユーザがすること」,. 品やサービスを開発するためには,ユーザの潜在的な要求. 「ユーザが創ること」の3 つの方法である[5](図1).. や活動の背景をよく知る必要がある.しかし,ユーザのこれ. Sanders は,ユーザの暗示的な意図や概念あるいは生活. らの情報は,簡単に知ることは難しく,通常の質問紙法やイ. の文脈にアクセスするためには「say」,「do」のみでは不. ンタビューや観察で得られる情報は,知りたいことの一部. 十分だと述べている.そこで,Sanders は3つ目の視点とし. でしかない.参加型デザインは,ユーザの潜在的な要求を知. てユーザ自身が欲しいモノを創る「make」の段階を考案し. ることから始まる特色あるデザイン手法である.. た.これは,自分の欲しいモノを表現することで,ユーザ自. 参加型デザインは,ユーザの観点を重要視し,開発の初期. 身でもはっきりと把握することのできない潜在的な未来へ. 段階からユーザとデザイナがコミュニケーションをとりな. の夢が語られるきっかけとなる[6].. がらデザインを行うことが多い.また,ユーザが開発プロセ スに関わることで,ユーザの問題の文脈を知ることができ, デザイナもユーザの目を借りて新しい視点からユーザの生 活を見ることが出来る[1]. 私たちは,視覚障がい者が環境を理解するユーザインタ フェース-Future Body Finger-を研究している[2].この環 境認識装置は,距離センサーと距離伝達機構を組み合わせ て,視覚障がい者が非接触に外界の特徴を理解できる装置 である.研究メンバーの一人の伊藤氏は,優秀な認知心理学 者であるが視覚障がい者でもある.研究を進めるにあたり,. 図 1: Co-designing で観測できる情報. たくさんの研究的アドバイスをいただいているが,他の多. Fig.1 The information which can be observed in Co- designing. くの視覚障がい者の意見をカバーしたものではない.視覚 障がいも一様ではない.障がいの種類や程度,先天的障がい. 図2 は,Co-Designing の各段階で得られる知見と調査手. か後天的障がいの相違,年齢,興味などにより,障がいを支. 法を示したものである.Sanders によると,ユーザが言語化. 援する装置への要求は多様と推察される.視覚障がい者の. できることと考えていることは,インタビューによって知. 道具をデザインするためには,参加型デザイン手法を用い. ることが出来る.発話から分析できる情報は,被験者が明確. ることが有効であると考えた.. (explicit)化できた事柄を対象とした分析だけである.. しかし,参加型デザインの多くの手法は,晴眼者を対象と. そして,ユーザが行っていること,使っている様子は,観察. したものであり,視覚障がい者と共同してデザインした取. によって知ることができるが,それは観察可能なこと. り組みは,これまでにない.この研究は,盲学校の児童生徒ら. (observable)を対象とした分析しか行うことができない.. に協力をいただき,視覚障がい者も参加が可能な参加型デ. また,ユーザの知っていること,感じていること,夢は人に. ザインの手法とツールを研究したものである[3][4].. 作成を求めることによって知ることができる.ここから分 析できる情報は,暗黙知(tacit)であり潜在的(latent). †1 Makoto Okamoto, Future University Hakodate †2 Ryoko Otsuki, Yahoo †1 Kiyohide Ito, Future University Hakodate. ⓒ2016 Information Processing Society of Japan. であると述べている[7].. 1.

(2) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2016-AAC-2 No.16 2016/12/3. Step3: ツールの検討:DP01と一緒にツールを試作し,改良 を繰り返す Step4: 場の検討:DP01と一緒にツールを使う場の検討を行 い,改良を繰り返す Step5: プログラムの検討:DP01 と一緒にツールを使用す る流れなどのプログラムを検討し,改良を行う. 図 2: Co-Designing の手法と分析 Fig.2 The technique of Co-Designing and analysis method. 2.2 視 覚 障 が い 者 の た め の ク リ エ イ テ ィ ブ キット. 視覚障がい者のためのクリエイティブキットとは,視覚. 1.3 研 究 の 目 的 . 障がい者が自らの欲しいモノを表現し,そのモノについて. 本研究の目的は,視覚障がい者の要求を知るためのクリ. 語る中で調査者が要求を解読する調査手法である.また,ク. エイティブキットを作成し,その効果を検証することであ. リエイティブキットは,視覚障がい者に作成してもらうた. る. クリエイティブキットとは, Sandersの提唱する「make」. めのツール,場, プログラムから成る(図3).. の段階を支援する手法と道具であり,特に視覚障がい者を 想定した多くの工夫をしたものである.研究で明らかにし たいことは,クリエイティブキットを用いることにより視 覚障がい者の暗示的な要求(tacit knowledge)や潜在的な 要求(latent knowledge)がどのように明示することが出 来るのかである.更に,クリエイティブキットの参加型デザ インの有効性についても考察する.. 2. ク リ エ イ テ ィ ブ キ ッ ト の 開 発 . 視覚障がい者のためのクリエイティブキットは,視覚障. 図 3: 視覚障がい者用クリエイティブキットの概念図. がい者にとって使いやすいものでなくてはならない.その. Fig.3 Concept of a creative kit for visually impaired person. ためには,視覚障がい者の表現能力(リテラシ),視覚障が. い者が扱いやすい素材や接合方法など,様々な要素を考え. 2.3 ク リ エ イ テ ィ ブ キ ッ ト の 構 成 . る必要がある.. 1)ツール. クリエイティブキットのツールは5 種類のパーツと,接. 2.1 ク リ エ イ テ ィ ブ キ ッ ト の デ ザ イ ン . 合するマスキングテープから成る.5 種類のパーツの内訳. 視覚障がい者が,参加型デザインのプロセスの中で自己. は,Tool1 は木のブロック(図4),Tool2 は身に着けるもの. 表現することには幾つかの困難があることが推察される.. (図5),Tool3 は細長いもの(図6),Tool4 は小道具(図. これまでの表現の経験や支援する道具の課題,デザインに. 7),Tool5はその他のパーツ,そして接合するためのマスキ. 参加することへの理解,創造性を発揮するための道具や進. ングテープである(図8).. め方など多くのことが理解することが難しい.これらを健. Tool1は,表現の基礎となる素材である.粘土は可塑性に. 常者が知ることは容易ではないため,クリエイティブキッ. 優れているが,手がべたべたすることや保存が難しいこと. トをデザインする段階から,「参加型デザイン」の考えを取. などの理由により採用しなかった.参加型デザインでは,レ. り入れることとした.計画段階から一人の全盲の小学生. ゴブロックを表現物として使うことが多いが,凹凸の触感. (Design Partner 01:以下,DP01)に参加してもらい,クリ. をDP01は嫌った.ホームセンターで木を裁断したあとに出. エイティブキットのデザインを行った. クリエイティブキ. る端材は,指で触ると棘に注意が必要である.塗装された積. ットは,makeを行う「ツール」,「場」,「プログラム」で構. み木は,触感は問題ないが,組み立てた形を保持するのが難. 成されている.クリエイティブキットを完成させるために. しい.幾つかの接合方法(ベルクロ,磁石,両面テープなど). 以下の手順で進めた.. を試したが,マスキングテープが手軽に使えることが分か. Step1: 体制作り:DP01,盲学校教諭,研究企画者とチーム体. った.素材の特性,触感,組み立てやすさなどを考慮した結. 制を整える. 果,この実験では,積み木とメスキングテープを表現の基盤. Step2: 表現教育の調査:盲学校の児童生徒の作品や表現ツ. として採用した.. ールを調査し,インタビューを行った.. ⓒ2016 Information Processing Society of Japan. 2.

(3) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2016-AAC-2 No.16 2016/12/3. 図7: Tool 4 小道具 Fig.7 Tool 4: Various objects. 図4: Tool 1 木のブロック Fig.4 Tool 1: Wooden block. 図8: 接合材 Fig.8 Joined materials. 図5: Tool 2: 身に着けるもの. 2)場. Fig.5 Tool 2: Wearable objects. 場とは,ツールを使用する作業スペースやツールの配置 などの環境のことを言う.場は「サポータ」,「入れ物」, 「作業スペース」,「ツールの配置」から成る.「サポータ」 は,視覚障がい児童,生徒の表現活動をサポートする役割を 担う.また,ツールを入れる「入れ物」はツールが取りやす く,覚えやすい,「区切られた箱に入れる方法」を採用した. 「作業スペース」は,普段視覚障がい児童,生徒が使ってい る盲学校の机を使用する.作業スペースに置く「ツールの配 置」は, DP01 が使用頻度の高かったツールを取りやすい位 置に置いた(図 9).. 図6: Tool 3: 細長いもの Fig.6 Tool 3: Slender objects. ⓒ2016 Information Processing Society of Japan. 3.

(4) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2016-AAC-2 No.16 2016/12/3. 3. 評価実験 本研究で考案した視覚障がい者のためのクリエイティブ キットの評価実験を行った.. 3.1 実 験 の 目 的 評価実験の目的は,以下の2 点である. (1) クリエイティブキットの要求開示の可能性 (2)クリエイティブキットの評価. 3.2 評 価 実 験 の 実 施 日 時 ・ 場 所 ・ 被 験 者 日時: 2013年9月3日 10:30~12:00, 13:30~15:00. 場 所: 札幌盲学校(北海道恵庭市). 図9: 作業の場. 被験者: 視覚障がい者5 名(先天性全盲). Fig.9 Work Place. サポータ: 2 名. 3)プログラム. 3.3 評 価 実 験 の 手 法 . プログラムとは,視覚障がい児童,生徒のデザイン対象に. 表現のプログラムは,3 つのステップで構成される.最初. 関する要求を知るための手順である.クリエイティブキッ. に「基礎練習」を行う.「基礎練習」は,ツールのパーツを. トはデザイン未経験者であっても要望を表現でき,表現さ. 触りパーツの把握をし,テープで接合する練習を行い,基礎. れたものを媒介に表現者の要望を知ることができるキット. スキルを習得することが目的である.次に「表現練習」に移. と位置づけたい.しかし視覚障がい者は,表現媒体を介した. り,練習課題に取り組んでもらった.練習課題」は,アイデア. 表現の経験が少ないため,欲しいモノを直ぐに表現するこ. を出す練習であり,各自が表現した物を視覚障がい者同士. と,それについて語ることには戸惑いが多いと考えた.そこ. で触り合い,表現の違いを理解し合う.表現することは多様. でこのプログラムでは,「表現のためのサポート」,「表現. であり,いろいろな視点があることを理解してもらうのが. から要望を知るための工夫」が必要だと考えた.. このステップでは大切な目標である.最後に「本課題(見た. 表現実験は,幾つかの盲学校の児童生徒が参加する.これ. いものがわかる「みえるセンサー」)」を行った.これは,. らの児童生徒は,個人の特性や教育経験も異なる.そこで,. 参加者の児童生徒が,自分たちの暮らしを助けてくれる道. 最終的な「欲しいもののデザイン」の課題の前に幾つかの. 具をデザインする課題である.普段感じていることや過去. 準備の活動を準備した.「表現のサポート」はこの表現のた. の経験に紐づけられた新しいアイデアが生まれることが想. めの準備であり,「基礎練習」,「表現練習」,「知識習得」. 定された.本実験終了後,「本課題」で作成した表現物に関. から構成される.この「表現のサポート」の後に,「欲しい. して参加者の児童生徒にインタビューとアンケートを行っ. モノを創る」活動を行った(図10).. た.. 3.3 評 価 実 験 の 結 果 3.3.1 制 作 物 と 被 験 者 の 行 為 や 発 話 か ら 推 測される暗黙知 本課題のテーマは,「困った事を解決してくれる,見たい ものがわかる[みえるセンサー]」であった.デザインワーク に参加してくれた児童生徒は,興味深い作品を制作した.制 作後,制作したものの背景,意図,要望などに関してインタ ビューを行った. 全盲の12 歳の女子生徒は,図11にあるような,障害物を. 発見するやわらかい素材の歩行支援デバイスを作成した. 図10: プログラム. このデバイスは,白杖と一緒に持って歩き,揺らしながら歩. Fig.10 Program of creative kit for visually impaired person. くと物が当たったら音がカチャカチャと鳴る.また,柔らか. ⓒ2016 Information Processing Society of Japan. いゴムで出来ているため,物に当たっても傷つかないよう. 4.

(5) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2016-AAC-2 No.16 2016/12/3. になっている.表現物は,取手の先に長く柔らかいゴムが伸. 「現在の生活」,「晴眼者より情報入手が難しいことを知っ. びており,中心には音がなるボタンがついている.また,特. ている」などの「苦労」,「色や飾りにこだわりを持つ」な. 徴的な点として,桃色のパーツを中心に構成されており,音. どの「好み」,「コミュニティが狭い可能性がある」という. が鳴るボタンの中心にはハートの飾りがついている. . 「コミュニティ」の4 つの事柄である.Past(過去)につい. 使い方をたずねると,「モノに当たっても傷つかないも. ては,「白杖でモノを傷つけそうになったことがある」こと. ん.」と発言し,触るものに対する気遣いをしている様子を. や,「木にぶつかったことがある」などの「失敗した経験」. 知ることができる.更に「あはは,痛くないからぶつけちゃ. である.. うもん」とも述べている.白状という道具が,知りたい対象. これらの要求は,インタビュー技術に長けている人であ. を限定していることが分かる.また,このデザインパートナ. ればこのようなクリエイティブキットが無くても聞きだす. ーは,練習課題の時から赤い素材を集めて表現をしている. ことが可能かもしれない.しかし,当事者が創った表現物が. ことに関して質問すると,赤が好きだからサポータの人に. あることで,「何を創ったのか」などの簡単な質問でも当事. 赤い素材を集めてもらったと発言した.この女子生徒は,先. 者は語ることができ,調査者は要求事項を読み解きやすく. 天網なので,赤い色の視覚体験はない.視覚的に知覚できな. なると考える.このように,インタビュー技術術に長けてい. い要素でも社会的な意味を感じていると推察できる.. ない人でも,当事者の要求を容易に聞き出すことが可能に なると推察される.. 表1: 開示される要求事項の傾向 Table.1 output, speech, inference. 3.3.3 要 求 事 項 開 示 ま で の プ ロ セ ス クリエイティブキットを用いて開示された要求は,未来 の具体的な願望,漠然とした夢,現在の生活,苦労,好みやコ ミュニティ,過去の失敗した経験などの傾向があると考え る.この要求事項を得ることができた理由として,図13に示. す表現と読み解きのプロセスを想定することができる.ま. 図11: 制作物,発話,推察. ず,クリエイティブキットを用い具象物を創ることで内省. Fig.11 output, speech, inference. する時間ができ,現在の悩みや過去の経験,未来の願望を反. 3.3.2 ク リ エ イ テ ィ ブ キ ッ ト の 要 求 開 示 の 可能性. 映した具象物ができたからだと解釈できる.. 前述したような事例から開示することができた要求事項 の傾向をまとめると表1のようになる.クリエイティブキッ トを用いて開示される要求は,大きくFuture(未 来),Present(現在),Past(過去)の3つに分けることがで きる.Future(未来)は,「親しい人との距離や位置を確か めたい」ことや,「人やナイーブなものを触りたい」などの 「願望」である.Present(現在)については,「点字等の, 指で触れて情報を入手することが日常化している」などの. ⓒ2016 Information Processing Society of Japan. 5.

(6) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2016-AAC-2 No.16 2016/12/3. が表現物を用い演じることは, モノと言葉の関係について 調査者の理解を促す効果がある.これらの効用から, 調査 者は視覚障がい者の発言や行動を分析することで, 要求を 紐解いていけると推察される.従って,視覚障がい者のため のクリエイティブキットは,視覚障がい者の「現状」や「過 去の経験」,「未来の願望」などの要求を開示させる効果が あることが示唆された.. 5.2 今後の展望 この研究の成果を,市民に公開し参加型デザインに関す る議論を深める為に,「展覧会」を開催した. 多様な人をこ の研究に参加してもらい,参加型デザインの考え方や手法 を更に深めていきたい.. 図13: 開示までのプロセスモデル Fig.13 Process model until elucidation. 読み解く場合には,視覚障がい者が創った具象物を媒介 にし,デザインファシリテータ(実験者)とデザインパート ナー(視覚障がい者)が対話する中で,あるいは実際に使う 動作を伴いながら実験者に説明ができる.更に, デザイン パートナーが表現物について説明していく中で, デザイン ファシリテータは表現物について疑問や確信が生まれ,そ れをデザインパートナーはデザインファシリテータに伝え, 結果として,視覚障がい者の要求を紐解いていけると推察 する.このように,視覚障がい者のためのクリエイティブキ 図14: 「伝える積み木展」, 2014.. ットは,視覚障がい者の暗示的な要求を開示させる効果が あることが示唆された.. Fig.14 Exhibition of Building blocks for Participatory Design,. 2014.. 5. まとめと今後の展望 5.1 まとめ. 参考文献. 本研究は,視覚障がい者の暗示的な要求を知るため. [1] Elizabeth B. N. Sanders, 情 報 デ ザ イ ン わ か り や す さ の. に,Sanders の提唱するベルクロフォームを改良し,視覚障. 設 計 ,グ ラ フ ィ ッ ク 社 .2002.. がい者のためのクリエイティブキットの考案,作成を行っ. [2]Makoto Okamoto, Takanori Komatsu, Kiyohide Ito, Tetsuo Ono,. た.本研究が考案,作成するクリエイティブキットは,創る. FutureBody: Design of perception using the human body, AH2011,. ためのツール(Tool)だけでなく,創る場(Place)と使う. 2011.. 流れ(Program)を含む.クリエイティブキットを使用し視. [3]大槻 綾子, 岡本 誠,参加型デザイン手法による視覚障がい者の. 覚障がい者に欲しいモノを作成してもらうことで,どのよ. ためのコミュニケーションツールの研究,日本デザイン学会研究発表大. うな要求を開示させることができるかを明らかにするため,. 会概要集,2013.. 評価実験を行った.実験の結果,いくつかの要求を開示. [4]岡本誠,共創型デザインの状況依存性,日本デザイン学会特集. (Disclose)する様子を観測することができた.. 号,2014.. 観測できた言動は,視覚障がい者の「現状」や「過去の経. [5] Elizabeth B.-N. Sanders,From User-Centered to Participatory Design. 験」,「未来の願望」に基づいたものだと推察される.視覚. Approaches, 2002.. 障がい者はクリエイティブキットを用いることで, 現在の. [6] Elizabeth B.-N. Sanders,Tools for designers, products for users? the. 悩みや過去の経験,未来の願望を内省し, その要素が反映. role of creative design techniques in a squeezed-in design process,2005.. した表現物を作成したと推察される.さらに表現物がある. [7] Elizabeth B.-N. Sanders,Contextmapping: experiences from practice.. ことは, 視覚障がい者が内省して意識化した事柄を明確な. International Journal of CoCreation in Design and the Arts,vol.1. 言葉として発話できた可能性がある.また, 視覚障がい者. No.2,Taylor and Francis,2005.. ⓒ2016 Information Processing Society of Japan. 6.

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図 2: Co-Designing の手法と分析

参照

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