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(1)

徳島大学病院フォーラム2014春

肝がんで死なないために

徳島大学病院 消化器・移植外科

島田光生

(2)

徳島大学病院消化器・移植外科学教授

消化器外科学会指導医

肝胆膵外科学会高度技能指導医

1000例を超す肝切除経験 (徳大病院は高度技能医制度施設基準A)

自己紹介

肝臓学会指導医、

肝臓学会「肝がん撲滅運動」徳島県責任者

外科医として

肝臓病の専門家として

徳島県肝炎対策協議会委員長

徳島県肝疾患連携拠点病院責任者

徳島大学病院肝疾患相談室 室長

(3)

医師が選んだスーパードクター 雑誌「プレジデント」から

(4)

彼を知り、己を知れば

百戦危うからず

孫子

(5)

都道府県別75歳未満年齢調整死亡率(女性・肝癌2011年)

資料:国立がんセンターがん対策情報センター

都道府県別の肝がん死亡率

徳島県は肝がんによる死亡が多い

(6)

C型肝炎ウイルス検診 節目検診受診率

厚生労働省老健局老人保健課 資料

全国平均:22.8%

徳島県 :

17.4%

(7)
(8)

どうして肝がんになるの?

(9)

肝臓がんの原因

(日本肝臓学会:肝がん白書、平成11年度より)

C型肝炎

ウイルス陽性

(79%)

B型肝炎

ウイルス陽性

(11%)

B型およびC型肝炎 ウイルス陽性(1%) B型およびC型肝炎 ウイルス陰性(9%)

非B非C肝がん

・脂肪肝(肥満,糖尿病)

(10)

(肝癌研究会 2005)

非B非C肝がん

80 50 0 1995 1997 1999 2001 2003 10 NBNC HBV HCV

(%)

非B非C

HCV HBV HBV+HCV

1992~ 1996~ 2000~ 2004~ (例)

NBNC-HCCの増加の原因は?

10年で約2-3倍

Alcohol消費(→), PBC/AIH-HCC(→)

<特徴>

内科 高齢、LC、進行

外科 肝機良好、進行

メタボ多い

(→自験例でも)

全国

徳島大学

2005年:18%

(11)

メタボ要因と肝がんとの関連

2.

生活習慣病

を基礎としたNASH関連因子を背景と

した肝細胞癌が増加している。

Clin Liver Dis 2005, J Hepatol 2002

1.

肥満者

は非肥満者に比して、肝がん発生率が高い。

New England J Med 2000

4. 糖尿病患者の死因は、

12.2%が肝癌

で、5.3%が

肝硬変で、癌では肝がんがトップである。

日本糖尿病学会

3.

糖尿病

患者は、肝がん発生率が高い。

(12)

脂肪肝・脂肪肝炎(NASH)

Vauthey et al. J Clin Oncol. 2006;24:2065.

全体的に黄色っぽい

正常な肝臓

たくさんの空胞

(脂肪滴)

(13)

高齢者の非ウイルス性肝がん

80代 男性

糖尿病

で近医通院中、肝腫瘍を指摘された

B, C型肝炎ウイルスは陰性.

(14)

*p<0.05 HCV (n=148) HBV (n=70) NBNC (n=15) 0 20 40 60 80 100

累積生存率

0 3 5 10 15

(年)

(%)

87.5 87.5 * * 59.9 45.9 57.3 42.4

術後年数

非B非C-肝がん(徳大)

(15)

ウイルス性肝炎は治るの?

(16)

C型肝炎治療の変遷

2004 1998 1992 2011 2013 2014 IFN 24週 IFN+Rib 24週 Peg-IFN+Rib 48週 Peg-IFN+Rib +テラプレビル 24週 Peg-IFN+Rib +シメプレビル 24週 経口2剤 24週 経口3剤 24週 S VR 率(%) 100 80 60 40 20 0 12 23 42 73 88 89 95 C型肝炎は90%以上の確率で治癒する時代へ!

難治性1b高ウイルス量患者

(17)

B型肝炎の最新治療

抗ウイルス療法

1. インターフェロン

2. 抗ウイルス薬

(核酸アナログ)

エンテカビル など

テノホビルにより肝硬変が改善する! Lancet. 2013;381:468.

B型肝炎による肝硬変への

テノホビルの効果

テノホビル

(HIV-1感染症治療薬)

2014年春にB型慢性肝疾患治療薬 として承認予定?

(18)

早期の肝がんにはどの

治療がいいの?

(19)

肝がん

A, B

C

単発 2, 3個 4個〜 1〜3個 4個〜 3cm以内 3cm超

手術

TAE HAI 肝移植

緩和ケア

3cm以内 TAE †:肝障害度B, 腫瘍径2cm以内では選択 肝癌治療のアルゴリズム (日本肝臓学会2009年) 局所療法† 局所療法

手術

手術

肝がんの治療方針

Milan基準

肝機能

がんの数

がんの大きさ

治療法

ラジオ波など ラジオ波など

(20)

肝がん治療の根治性と侵襲性

体への侵襲度合い

低 い 高 い 強い

TACE

肝切除

ラジオ波

肝移植

化学療法

鏡視下切除

弱い

1. 肉眼分類

単結節周囲増殖型

多結節融合型

2. 腫瘍存在部位

深部, etc.

考慮すべき点

?

3. 脈管侵襲

4. 腫瘍径

PEI

(治りやすさ)

(体への負担)

(21)

Comparison of resection and ablation for hepatocellular

carcinoma: a cohort study based on a Japanese nationwide

survey

治療後の生存率

再発率

J Hepatol 58:724-729, 2013. 肝切除術が、ラジオ波よりも生存率や無再発生存率が良好! 肝切除 ラジオ波 肝切除 ラジオ波

(22)

肝切除

(23)

肝がんの手術で体に優しい

方法はあるの?

(24)

腹腔鏡下肝切除術の利点

創が小さい

痛みが少ない

早期離床が可能

合併症が減る

早く退院できる

いいことばかり

ただ手術は難しい!

(徳大では100例以上の実績)

通常の開腹手術創

(25)

p

-value

0.13

<0.05

0.47

<0.05

手術時間 (分)

出血量 (ml)

術後合併症 (%)

出血

胆汁漏

胸・腹水

肝不全

その他

術後在院日数 (日)

開腹群

(n=23)

322±81

244±177

6(26%)

1

1

3

0

1

22

腹腔鏡群

(n=23)

288±70

149±116

4(17%)

0

1

0

0

3

14

~ Matched-pair analysis* ~

肝がんの切除成績(腹腔鏡下 vs. 開腹)

(26)

無再発生存率

0 20 40 60 80 100 0 1 2 3 4 5 術後年数 N.S. 62% 58% 77% 71% (年) (%)

開腹群

(n=23)

肝がんの切除成績(鏡視下 vs. 開腹)

腹腔鏡下群

(n=23)

(27)

進行した肝がんの治療法

はあるの?

(28)

~こんな進行肝がんが治った~

門脈内腫瘍栓

通常では1~2ヶ月ぐらいの余命と考えられる症例

腫瘍栓 主腫瘍

切除標本

IFNα 5 MIU ×3 /週, ×4週間

CDDP 10 mg + 5-FU 250 mg ×5 /週, ×4週間

術後11年経過, 無再発生存中

拡大肝右葉切除術, 門脈内腫瘍栓摘出術

主腫瘍

徳大方式の

化学療法

(29)

進行肝がん術後のIFN化学療法

(徳大方式)

Vp2以上の門脈侵襲陽性肝がん

(肝機能良好・肉眼的治癒切除可能)

肝切除

術後IFN併用全身化学療法

1st week 2nd week 3rd week 4th week

×4 weeks Day 1 3 5 7

IFN α : 5MIU Day1, 3, 5 5FU : 500mg Day1 - 5 cisplatin : 5mg Day1 - 5

+

Hepatogastroenterol, 2008

Vp1: 末梢枝

Vp2 : 二次分枝

Vp3 : 一次分枝

Vp4 : 本幹, 対側枝

門脈内腫瘍栓

(30)

肝切除後の生存率

0 50 100 0 2 4 6 8 10

術後年数

(%) P<0.01

IFP群

(n=14)

非施行群

(n=16) Vp4症例 1 3 5 7 9 100% 38% 61% 25% 51% 19% Hepatogastroenterol, 2008

(31)

P<0.001 ソラフェニブ (n=299) プラセボ (n=302) 0 5 10 15 0 25 50 75 100

生存率の比較

ソラフェニブ投与後月数 生存率 (% )

ソラフェニブ(分子標的薬)の効果

奏功率

(SHARP Trial, N Engl J Med. 2008)

SD 71%

PD 27%

PR 2%

病巣を小さくするより、悪くしないことを期待した治療

10.7ヵ月 7.9ヵ月

- SHARP trial -

(32)

50歳代男性、B型肝炎

HBsAg+, HBeAb+, HBV-DNA 3.1 log copy

動脈相 門脈相 平衡相

肝右葉を占める巨大肝細胞癌

肝内転移

(33)

400 mg/日

腫瘍マーカーの推移

AF P ( n g /m l) 0 1000 2000 3000 4000 5000 0 2 PIVKA-Ⅱ AFP PI VK A -Ⅱ ( m AU /m l) 1 3 op 0 200 400 600 800 1000 AF P -L 3 ( %) 20 40 60 80 100 0 AFP-L3 23,635 4

腫瘍マーカーの著明な低下

休薬 (肝障害) (投与後月数) ソラフェニブ 800 mg/日 ソラフェニブ

(34)

ソラフェニブ(分子標的薬)投与後

動脈相 門脈相 平衡相

(35)

肝右葉切除術

 大部分は壊死に陥っており、生きた癌細胞を認めず。

 現在、再発なく生存!

(36)

肝臓の外科における最近の

トピックスは?

(37)

肝がんが光るんです!

HyperEye Medical System

(38)

モニターの映像

実際の術野

術前にわからなかった腫瘍が見つかることも

(39)

あっ、ここにもあった!

肉眼では見えない腫瘍もわかることがある

モニターの映像

実際の術野

(40)

肝臓を3次元で見て、作成する!

~ 3Dプリンター ~

(41)

画像検査を駆使した術前シミュレーション

(42)

より詳細な術前シミュレーションが可能

(43)

肝アシアロシンチを用いた部分肝機能評価

(44)
(45)

3D-シミュレーション

上右肝静脈

下右肝静脈

(46)

3次元生体肝臓モデル

患部可視化モデル(肝臓がん)

(47)

肝臓の機能が悪い時にがん

の治療は出来るの?

(48)

正常肝と肝硬変

正常肝

手術? ラジオ波?

進行肝硬変

(49)

肝がん切除後進行度別の生存率

(第18回全国原発性肝癌追跡調査報告より)

0

5

10

50

100

(%)

17%

40%

73%

21%

38%

60%

12%

33%

進行度 I 進行度 II 進行度 III 進行度 IV

胃癌: 進行度 I

大腸癌: 進行度 I

98%

95%

0

肝切除術後年数

肝移植

(n=1,034)

60%

肝移植は肝がんの究極の治療!

(50)

(1) micrometastasis

肺、骨など臓器

(4) circulatory tumor cells

肝移植

(2) 肝内転移

(3) 多中心性発生

(1) micromerastasis

肺、骨など臓器

(4) circulatory tumor cells

New liver

(51)

ミラノ基準

①腫瘍直経:5cm以下

腫瘍数 :1つ

肝がんに対する移植の適応基準

②腫瘍直径:3cm以下

腫瘍数 :3つ以下

ミラノ基準による肝移植後成績

*禁忌: ・リンパ節転移(+), ・胆管or脈管浸潤(+), ・ 肝外転移(+)

Mazzaferro et al. N Engl J Med 1996

0 20 40 60 80 100 6 12 18 24 30 36 42 48 移植後月数 基準満足例 基準逸脱例 0 20 40 60 80 100 6 12 18 24 30 36 42 48 基準満足例 P=0.001 P=0.002

無再発生存率

生存率

基準逸脱例 移植後月数

(52)

S8に4.8cm大のHCC

多量の胸水、腹水貯留

こんな肝機能が悪い肝がんが治った

(53)

開腹時 閉腹時 無肝期 再建後 摘出肝 切除標本

1

2

生体肝移植手術所見

術後8年6ヶ月生存

(54)

AF

P

(n

g

/

m

l)

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 10000 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600

AFP

PIVKA

‘95 ‘97 ‘99

‘02

3月 7月 9月

再発、進行肝癌、術前化学療法症例

‘03

T.Bil(mg/dl) 腹水 1.3 (-) 1.2 (-) 2.6 (+)

3.5

(2+)

1.0 (-)

肝機能

Child-Pugh C

50代男性

(55)

摘出標本

eg, fc(+), fc-inf(+), vp1, vv0, b0, im3

15結節 中〜低分化型肝細胞癌

(56)

0 20 40 60 80 100 (%) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 10

移植後年

9

91%

86%

86%

:血液型不適合症例 全国集計

徳島大学での肝移植成績

2014年1月現在

(57)

“彼を知り、己を知れば百戦危うからず”

肝がんで死なないために

 早期がんでは治療選択多い

(腹腔鏡手術、ラジオ波)

 進行がんも治療できる時代

(分子標的薬・集学的治療)

 肝移植は肝がんの究極の治療

 肝癌の危険因子のチェック

(肝炎ウイルスと

メタボ検診

 専門医にかかる!

(肝炎は治る時代に)

(58)

徳島大学病院肝疾患相談室

(59)

ご清聴ありがとうございました

徳島の名峰

参照

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