地域日常支援事業「暮らしの保健室」における栄養介入の体制と地域栄養ケア体制確立に向けた取り組みとその検証
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(2) 目次 1. 研 究 の背 景 ............................................................................................................ 3 1-1. 住 民 運 営 の通 いの場 における栄 養 支 援 の必 要 性 ................................................................. 3 1-2. 「暮 らしの保 健 室 」の取 組 みの検 証 と分 析 の必 要 性 .............................................................. 3 2. 研 究 の目 的 ............................................................................................................ 4 3. 研 究 の計 画 ・方 法 ................................................................................................... 5 3-1. 「暮 らしの保 健 室 」における栄 養 ケアの取 組 み ........................................................................ 5 3-1-1 実 施 場 所 .................................................................................................................................. 5 3-1-2. 栄 養 ケア介 入 方 法 ................................................................................................................. 5. 3-1-3. 参 加 者 へのインタビュー ........................................................................................................ 5. 3-2. 全 国 コミュニティ拠 点 での栄 養 ケアの取 り組 み調 査 ................................................................ 6 3-2-1. 調 査 対 象 ................................................................................................................................ 6. 3-2-2. 調 査 方 法 ................................................................................................................................ 6. 3-2-3. 調 査 期 間 ................................................................................................................................ 6. 3-2-4. 主 な調 査 内 容 ......................................................................................................................... 6. 3-2-5. 解 析 ....................................................................................................................................... 6. 3-3.. 先 進 事 例 の 実 地 調 査 ............................................................................................................ 7. 3-3-1 訪 問 先 一 覧 .............................................................................................................................. 7 3-3-2 ヒアリング項 目 .......................................................................................................................... 7 4. 結 果 ..................................................................................................................... 8 4-1.「暮 らしの保 健 室 」の栄 養 ケア介 入 の試 み ................................................................................. 8 4-1-1. 「暮 らしの保 健 室 」における栄 養 ケアの取 り組 み .................................................................. 8 4-1-2. 「暮 らしの保 健 室 」におけるインタビュー結 果 ...................................................................... 12 4-2.全 国 コ ミ ュ ニ テ ィ 拠 点 で の 栄 養 ケ ア の 取 り 組 み の 調 査 .................................................. 15 4-2-1. 回 収 状 況 .............................................................................................................................. 15. 4-2-2. 結 果 の詳 細 .......................................................................................................................... 16. 4-3. 先 進 事 例 の実 地 調 査 ............................................................................................................... 33 4-3-1 取 組 み事 例 1 ......................................................................................................................... 33 4-3-2 取 組 み事 例 2 ......................................................................................................................... 35 4-3-3 取 組 み事 例 3 ......................................................................................................................... 37 4-3-4 取 組 み事 例 4 ......................................................................................................................... 39 5. 考 察 ................................................................................................................... 41 6. 結 語 ................................................................................................................... 42 7. Reference(参 考 文 献 )等 ........................................................................................ 43 2.
(3) 1. 研 究 の背 景 1-1. 住 民 運 営 の通 いの場 における栄 養 支 援 の必 要 性 地 域 住 民 に対 する栄 養 教 育 や食 事 提 供 などの食 の支 援 は、正 しい食 事 栄 養 情 報 の提 供 、望 ま しい食 事 に対 する意 識 改 革 、共 に食 べる事 を通 してコミュニケーションの充 実 を図 ることなど多 くが 期 待 される。特 に、近 年 対 策 が強 化 され始 めている高 齢 者 の「フレイル」対 策 においては、低 栄 養 に より身 体 面 の生 活 機 能 の低 下 したフレイルの状 態 に至 る前 段 階 で栄 養 面 から支 援 し虚 弱 を予 防 す ることが重 視 され始 めた(1)。これは、地 域 における食 の支 援 ・ 対 策 が大 きな意 義 を持 つことを示 唆 している。しかし、医 療 現 場 では重 視 され始 めた栄 養 食 事 治 療 ではあるが、地 域 においては食 の支 援 についての必 要 性 の高 まりが感 じられるが、実 際 の取 り組 みには求 められる栄 養 対 策 に到 底 達 していないように感 じられる。このような栄 養 支 援 が定 着 しない問 題 を抽 出 した報 告 は少 ない。今 回 は、地 域 における「食 」の取 り組 みがどのような状 況 にあるのかを明 らかにする共 に、今 後 の地 域 に おける食 支 援 の必 要 性 と栄 養 ・食 事 など食 を通 した積 極 的 な健 康 な社 会 への関 わりについて検 討 する。. 1-2. 「暮 らしの保 健 室 」の取 組 みの検 証 と分 析 の必 要 性 1.住 民 運 営 の通 いの場 における栄 養 支 援 の必 要 性 平 成 25 年 7 月 から毎 週 、在 宅 医 療 連 携 拠 点 としての機 能 を持 つ相 談 ・支 援 の場 「暮 らしの保 健 室 」(東 京 都 新 宿 区 戸 山 ハイツ)で管 理 栄 養 士 ボランティとして、がん患 者 と家 族 、高 齢 者 と介 護 者 の栄 養 相 談 と週 一 回 の昼 食 提 供 プログラム「体 に優 しい食 事 」を 20 人 から 30 人 分 に提 供 してきた。 地 域 での栄 養 食 事 相 談 、昼 食 の利 用 者 と交 流 を通 して食 事 に関 する不 安 な気 持 ちを十 分 に反 映 する場 を見 いだせない「栄 養 ・食 事 難 民 」が溢 れていることに疑 問 と現 状 を改 善 することの重 要 性 を 感 じた。栄 養 支 援 の継 続 は、食 事 会 に参 加 した数 人 の閉 じこもり高 齢 者 が笑 顔 になり、夫 へのがん の告 知 に苦 悩 して訪 室 した妻 は終 末 期 の食 事 に関 する指 導 に夫 を支 え生 きる意 欲 を見 出 した。 「暮 らしの保 健 室 」における食 事 ・栄 養 の支 援 は、閉 じこもり、虚 弱 高 齢 者 、がん患 者 の生 活 機 能 回 復 と心 身 機 能 へのアプローチとなり生 活 期 リハビリテーションに求 められる存 在 と思 われた。 2.「暮 らしの保 健 室 」の取 り組 みの検 証 と分 析 の必 要 性 地 域 での日 常 支 援 事 業 の充 実 が推 奨 され、住 民 運 営 の通 いの場 づくりが生 活 支 援 ・ 介 護 予 防 の 充 実 と 強 化 にな るよ う 効 果 的 な 取 り 組 み の 見 直 し がな されて い る 。 しかし 、 栄 養 ・ 食 事 の 生 活 支 援 体 制 における役 割 と専 門 性 を活 かすことに関 する検 討 はない。継 続 してきた「暮 らしの保 健 室 」に おける栄 養 支 援 の関 わりの現 状 評 価 と効 果 の分 析 は、今 後 の地 域 栄 養 ケア活 動 の調 査 と課 題 を 明 らかにし、他 関 連 職 種 と連 携 し共 に地 域 包 括 ケアシステムづくりに協 力 していくための導 入 調 査 として重 要 であると考 えられた。. 3.
(4) 2.. 研究の目的. 平 成 37 年 には 3,510 万 人 まで増 加 する在 宅 高 齢 者 医 療 は、寿 命 を延 長 するのではなく、生 命 の質 を視 野 に入 れた健 康 寿 命 の延 長 が重 視 される。高 齢 者 の尊 厳 の保 持 と自 立 生 活 支 援 の目 的 のもと地 域 社 会 の「自 助 ・互 助 ・共 助 ・公 助 」の組 み合 わせによる地 域 包 括 ケアシステムの構 築 が 目 指 され、地 域 の実 情 に応 じた介 護 予 防 事 業 の充 実 が検 討 されている。また、がんの死 亡 数 と罹 患 数 は人 口 の高 齢 化 の主 な要 因 として増 加 し続 けている。日 本 人 の 2 人 に1人 ががんになる生 涯 リスクをもつ。加 齢 による虚 弱 (フレイル)、がんを抱 えて生 きる患 者 ・家 族 の食 にまつわる悩 みや不 安 を抱 き地 域 に溢 れる「栄 養 ・食 事 難 民 」に関 わり、生 活 に寄 り添 う「顔 の見 える」助 け合 いに栄 養 介 入 ・栄 養 支 援 の仕 組 み作 りが必 要 と強 く感 じた。どの病 期 にある患 者 であっても、患 者 の心 を支 えるような食 事 を提 案 することで、栄 養 状 態 ひいては全 身 状 態 の改 善 をみることがある。食 べること の意 義 が「見 える支 援 」となり最 期 まで「食 べる喜 び」を支 えることになると考 える。 地 域 の多 様 な通 いの場 に高 齢 者 やがん患 者 そして障 害 者 に効 果 的 かつ効 率 的 な栄 養 相 談 ・食 事 サービスを提 供 することは「食 べること」を支 援 すると同 時 に個 々人 のフレイル(虚 弱 )の進 展 予 防 の栄 養 アセスメントと栄 養 ケアプランを提 案 すること及 び家 族 と介 護 者 においても生 活 に密 着 した支 援 とな る 。 地 域 日 常 支 援 事 業 に 提 供 さ れる コミ ュ ニテ ィ にお いて 、 最 期 ま で 望 む食 事 の 支 援 とな る 栄 養 ケア活 動 のアプローチの必 要 性 とサービス提 供 の形 式 を検 討 することを目 的 とする。. 4.
(5) 3.. 研究の計画・方法. 3-1. 「暮 らしの保 健 室 」における栄 養 ケアの取 組 み 3-1-1 実 施 場 所 暮 らしの保 健 室 :〒162-0052 東 京 都 新 宿 区 戸 山 2-33 戸 山 ハイツ 33 号 棟 125 (1 階 商 店 街 ) に設 立 3-1-2. 栄 養 ケア介 入 方 法. 「暮 らしの保 健 室 」における栄 養 ケアの取 組 み 利 用 者 の質 的 インタビュー調 査 と地 域 住 民 への「暮 らしの保 健 室 」における栄 養 ニーズ(食 事 ・栄 養 指 導 など)に関 する調 査 を実 施 する ・毎 週 木 曜 日 「暮 らしの保 健 室 」のボランティアプログラムに栄 養 相 談 を継 続 し、利 用 者 の方 々の 食 にまつわる悩 み事 や 家 族 の食 事 に関 わる負 担 の重 さに ついての食 事 ・栄 養 治 療 法 の相 談 を受 ける。 ・毎 週 木 曜 日 「暮 らしの保 健 室 」のボランティアプログラ ム「 体 に優 しい食 事 」 の提 供 を継 続 し、利 用 者 の方 々に調 理 の指 導 と会 食 を通 し、食 事 に関 わる会 話 や食 事 摂 取 の状 態 から栄 養 ケアの必 要 な方 々をスクリーニングする。. 3-1-3. 参 加 者 へのインタビュー. ・「暮 らしの保 健 室 」における栄 養 ケアの取 組 みの検 証 ・分 析 と地 域 において「暮 らしの保 健 室 」に 栄 養 支 援 が関 わることの意 識 調 査 を行 う。 ・「暮 らしの保 健 室 」の利 用 者 インタビューを行 い、利 用 者 の特 性 を知 る 期 間 :平 成 27 年 7 月 ~12 月. 19 日 間. 対 象 :「からだに優 しい食 事 」の利 用 者 17 名 方 法 :記 述 分 析 を実 施 (記 録 は全 て録 音 する) める。. 5. データーは「カテゴリー化 」してまとめ.
(6) 3-2. 全 国 コミュニティ拠 点 での栄 養 ケアの取 り組 み調 査 地 域 の多 様 な通 いの場 (コミュニティ拠 点 )における、栄 養 ケアの取 り組 みについて現 状 を調 査 し、 地 域 栄 養 ケア体 制 確 立 に向 けて必 要 な活 動 、情 報 を整 理 ・分 析 し、栄 養 介 入 の意 義 を検 証 した。. 3-2-1. 調査対象. 情 報 誌 やインターネット上 に公 開 されている地 域 の多 様 な通 いの場 (コミュニティ拠 点 ) 全 国 1,006 拠 点 のうち、地 域 高 齢 者 もしくは食 事 ・栄 養 に対 する取 組 みが実 施 されていると予 測 できた先 684 拠 点 を対 象 とした。石 川 県 の情 報 に関 しては、株 式 会 社 エイチツーオーの協 力 を得 た。. 3-2-2. 調査方法. 郵 送 紙 面 調 査 にて実 施 した。. 3-2-3. 調査期間. 平 成 28 年 7 月 中 旬 ~8 月 中 旬 、ただし回 収 状 況 を考 慮 し、 9 月 10 日 まで締 切 を延 長 した。. 3-2-4. 主 な調 査 内 容. ・コミュニティ拠 点 の概 要 (開 設 時 期 、利 用 時 間 、スタッフの人 数 ・資 格 、開 設 理 由 、対 象 等 ) ・コミュニティ拠 点 の取 組 み内 容 、地 域 への影 響 、連 携 状 況 ・食 事 ・栄 養 に対 する取 組 み状 況 3-2-5. 解析. ・記 述 式 の調 査 項 目 に関 しては、KH Coder を用 いてテキストマイニングを行 った。. 6.
(7) 3-3.. 先進事例の実地調査. 地 域 の多 様 な通 いの場 (コミュニティ拠 点 )として、医 療 専 門 職 が開 設 している施 設 (3 か所 )と管 理 栄 養 士 の介 入 のある施 設 (1 か所 )に訪 問 調 査 を実 施 した。 訪 問 先 一 覧 、ヒアリング項 目 は下 記 の通 り。. 3-3-1 訪 問 先 一 覧 表 .1 ヒアリング調 査 実 施 地 域 一 覧 地域. 特徴. 訪問日. 福岡県福岡市. 障 害 児 、医 療 型 特 定 短 期 入 所 者 施. 平 成 28 年 7 月 3 日. 設併設 大阪府大阪市. 都 市 部 、複 合 型 施 設 の交 流 スペース. 平 成 28 年 7 月 24 日. 埼玉県和光市. 高 齢 化 団 地 、行 政 委 託. 平 成 28 年 8 月 15 日. 島根県雲南市. 過 疎 地 、高 齢 者 の生 きがい共 助 目 的. 平 成 28 年 6 月 22 日. に取 り組 む弁 当 サービス. 3-3-2 ヒアリング項 目 表 .2 ヒアリング調 査 項 目 区分. 項目 開設時期. 施設概要. 開 設 のきっかけ. 食 ・栄 養 に関 する取 組. 食 事 の提 供 方 法 、状 況. み. 食 ・栄 養 に関 するイベント開 催 状 況 等 地 域 との関 わり. コミュニティ拠 点 の 特 徴 的 な活 動. 連携状況 利 用 者 ・患 者 とのエピソード等. 7.
(8) 4. 結 果 4-1.「暮 らしの保 健 室 」の栄 養 ケア介 入 の試 み 4-1-1. 「暮 らしの保 健 室 」における栄 養 ケアの取 り組 み 「暮 らしの保 健 室 」の役 割 :常 駐 の看 護 師 とボランティアスタッフが運 営 地 域 の医 療 ・介 護 状 態 を熟 知 した相 談 員 (医 療 ・介 護 従 事 者 )が当 番 で担 当 し、地 域 住 民 の健 康 に関 する質 問 、生 活 にかかわるさまざまな相 談 に応 じる。医 療 コーディネターとしての機 能 を持 ち、 在 宅 医 療 も理 解 した看 護 師 が相 談 を受 け、病 院 と地 域 の医 師 に繋 ぐ。がん患 者 と家 族 の相 談 (平 日 13 時 〜16 時 30 分 受 付 )地 域 包 括 支 援 センターとも連 携 し、地 域 住 民 を支 援 する窓 口 となって いる。また、地 域 住 民 や、診 療 所 の医 師 に、介 護 、福 祉 の情 報 提 供 を行 う。医 師 からの相 談 にも適 切 に対 応 できる窓 口 である。 「暮 らしの保 健 室 」における栄 養 支 援 の実 際 ①「暮 らしの保 健 室 」において毎 週 木 曜 日 に管 理 栄 養 士 (本 研 究 担 当 者 川 口 美 喜 子 )がボランティ アとして参 加 し、他 のボランティアの方 々と「からだに優 しい食 事 」プログラムとして昼 食 を提 供 。 食 事 提 供 に関 わるスタッフ(ボランティア): 管 理 栄 養 士 1-2 名 学 生 (食 物 学 科 、看 護 科 等 医 療 や栄 養 、福 祉 、人 間 関 係 を学 ぶ学 生 ) 数 名 ボランティア 数 名 (調 理 補 助 、利 用 者 の相 談 に応 じるなど) 1 回 の平 均 利 用 者 は地 域 住 民 18 名 、学 生 、ボランティア 20-25 名 で毎 回 の食 事 提 供 は 30-45 食 であった。 ②食 事 提 供 方 法 暮 らしの保 健 室 の調 理 設 備 、器 具 は一 般 家 庭 と同 程 度 の品 を揃 え、調 理 は利 用 者 が自 由 に見 学 できる用 に実 施 した。. ③調 理 を通 した嚥 下 対 応 食 、がん患 者 対 応 食 の栄 養 食 事 がん患 者 、摂 食 嚥 下 障 害 者 、慢 性 疾 患 患 者 とその家 族 への栄 養 食 事 指 導 「暮 らしの保 健 室 」看 護 師 、保 健 師 からの情 報 提 供 を受 けて栄 養 食 事 相 談 を実 施 する。. 8.
(9) 9.
(10) ④オリジナルに考 案 したランチプレーを使 用 し、栄 養 バランスと適 切 な摂 取 量 になるよう盛 り付 け栄 養 教 育 を実 施 。. オリジナルのプレート. 食 事 の盛 り付 けは、毎 回 オリジナルのプレートを用 いて、バランスよく食 事 を摂 る栄 養 教 育 を行 った。 プレートは主 食 (ご飯 ・パン・麺 類 )、主 菜 (肉 ・魚 ・たまご・大 豆 類 )、副 菜 (野 菜 ・煮 しめ類 、海 藻 ・き のこ類 )の文 字 を描 き各 区 切 りに調 理 を載 せた。プレートを使 用 した食 事 は、盛 り付 け量 が毎 回 同 程 度 の量 になるため、調 理 方 法 によって 580-620kcal 程 度 のエネルギー量 となる。. 栄 養 教 育 の目 的 と効 果 1.必 要 エネルギー量 、必 要 な食 品 摂 取 について視 覚 的 、食 事 摂 取 によって体 感 し理 解 する。 2.たんぱく質 食 品 を必 ず摂 る。調 理 の工 夫 調 理 方 法 を身 近 に見 ることで理 解 を深 める 3.実 践 的 な調 理 法 方 法 を目 の前 で観 察 する 4.調 理 器 具 の活 用 、調 理 工 程 、調 理 方 法 を学 ぶ 5.楽 しく、美 味 しく調 理 し食 べる事 を体 感 する 利 用 者 の望 む健 康 長 寿 の食 事 ・栄 養 の摂 り方 は大 切 だが、人 は老 いを迎 え機 能 は低 下 する。老 い ても「ごちそうさま」と家 族 で食 べる喜 び・笑 顔 を持 ち続 けるような食 事 として、柔 らかい調 理 の仕 方 、 誤 嚥 予 防 の調 理 や食 べ方 も取 り入 れている。. 10.
(11) プレートを使 用 して提 供 した昼 食. 11.
(12) 4-1-2. 「暮 らしの保 健 室 」におけるインタビュー結 果. 12.
(13) 「からだに優 しい食 事 」の利 用 者 のインタビューにおいては、利 用 する理 由 は知 人 の存 在 、食 事 への 期 待 感 (「美 味 しいから来 る」「健 康 に良 い食 事 だから」「うまいから」)、食 事 の支 度 に関 して(「一 人 だと食 事 をつくりたくない」)であった。利 用 することで感 じていることは、生 き甲 斐 (「食 事 が楽 しみ」、 「また来 たい」)、会 食 の良 さ、食 事 への関 心 (「献 立 が気 になる」「食 事 が教 材 になる」)という回 答 が 多 かった。高 齢 者 における食 事 関 連 QOL 尺 度 において「食 事 内 容 の質 (例 :いろいろな献 立 の料 理 を食 べている)」と「一 緒 に食 べる(例 :誰 かと話 しながら食 べている)」が食 生 活 の満 足 度 に影 響 を及 ぼす(文 献 7)。そして、食 事 を楽 しみにしている人 ほど低 栄 養 が少 ないと報 告 がある(2)。. 暮 らしの保 健 室 で必 ず毎 週 決 まった曜 日 に提 供 する調 理 は、コミュニケーションの場 として定 着 し、 継 続 的 な 集 団 食 事 栄 養 教 育 は 食 と健 康 意 識 への関 心 と 意 識 を持 つ ようになった。そして、社 会 と のつながりが広 がり、健 康 維 持 に貢 献 できている。 利 用 者 の中 には、社 会 参 加 が 出 来 ないためヘルパーと共 に食 事 を利 用 し、その後 デイサービスに 行 けるようになった方 、同 じ団 地 内 で長 年 顔 を合 わせることがなく消 息 が知 れないと思 われていた方 が車 いすで昼 食 を食 べに来 て、その後 身 だしなみもきれいになり、杖 を突 いて歩 いて訪 室 した。 この栄 養 教 育 はたんに疾 病 予 防 や回 避 のためではなく、高 齢 者 がより豊 かな社 会 生 活 のなかで望 ましい健 康 状 態 を維 持 するための食 意 識 を持 つための方 向 づけができていると考 えられる。. 13.
(14) 暮 らしの保 健 室 で必 ず毎 週 決 まった曜 日 に提 供 する調 理 は、コミュニケーションの場 として定 着 し、 継 続 的 な集 団 食 事 栄 養 教 育 は食 と健 康 意 識 への関 心 と意 識 を持 つようになった。そして、社 会 と のつながりが広 がり、健 康 維 持 に貢 献 できている。この栄 養 教 育 はたんに疾 病 予 防 や回 避 のため ではなく、高 齢 者 がより豊 かな社 会 生 活 のなかで望 ましい健 康 状 態 を維 持 するための食 意 識 を持 つための方 向 づけができていると考 えられる。. 14.
(15) 4-2.全 国 コ ミ ュ ニ テ ィ 拠 点 で の 栄 養 ケ ア の 取 り 組 み の 調 査 4-2-1. 回収状況. 情 報 誌 並 びにインターネットに公 開 されている地 域 の多 様 な通 いの場 (コミュニティ拠 点 )の情 報 をも とに、管 理 台 帳 を作 成 し、1,006 拠 点 の所 在 地 情 報 を把 握 した。本 調 査 ではこのうち、地 域 高 齢 者 もしくは食 事 ・栄 養 に対 する取 組 みが実 施 されていると予 測 できた先 684 件 を抽 出 し発 送 した。 宛 先 不 明 のため先 方 に到 着 せず、返 送 されたものが、92 件 あったため、発 送 数 は 572 件 とみなし た。 有 効 な回 収 数 は、106 件 で、有 効 回 収 率 は 18.5 %だった。. 表 .3 回 収 結 果 発 送 数 (みなし). 有効回答数. 有効回収率. 572 件. 106 件. 18.5 %. ここでは、有 効 な回 答 のあった 106 件 について、分 析 した結 果 を報 告 する。. 15.
(16) 4-2-2. 結 果 の詳 細. ・コミュニティ拠 点 の所 在 地 有 効 な回 答 のあった 106 施 設 の所 在 地 一 覧 を表 .4 に示 した。 25 都 道 府 県 のコミュニティ拠 点 より回 答 を得 た。東 京 、千 葉 、石 川 の 1 都 2 県 の拠 点 が共 に 13 ヵ 所 と最 も多 かった。 表 .4 有 効 回 答 施 設 の所 在 地 一 覧. コー. 都道府県. コー. 都道府県. ド. 名. ド. 名. 1. 北海道. 5. 26. 京都府. 5. 2. 青森県. 1. 27. 大阪府. 1. 3. 岩手県. 1. 28. 兵庫県. 2. 4. 宮城県. 2. 29. 奈良県. 0. 5. 秋田県. 0. 30. 和歌山県. 0. 6. 山形県. 0. 31. 鳥取県. 0. 7. 福島県. 2. 32. 島根県. 0. 8. 茨城県. 1. 33. 岡山県. 0. 9. 栃木県. 0. 34. 広島県. 0. 10. 群馬県. 2. 35. 山口県. 0. 11. 埼玉県. 10. 36. 徳島県. 1. 12. 千葉. 13. 37. 香川県. 0. 13. 東京都. 13. 38. 愛媛県. 0. 14. 神奈川県. 8. 39. 高知県. 1. 15. 新潟県. 1. 40. 福岡県. 2. 16. 富山県. 3. 41. 佐賀県. 0. 17. 石川県. 13. 42. 長崎県. 0. 18. 福井県. 0. 43. 熊本県. 4. 19. 山梨県. 0. 44. 大分県. 0. 20. 長野県. 0. 45. 宮崎県. 0. 21. 岐阜県. 0. 46. 鹿児島県. 0. 22. 静岡県. 4. 47. 沖縄県. 0. 23. 愛知県. 9. 24. 三重県. 1. 25. 滋賀県. 1. 拠点数. 16. 拠点数.
(17) ・コミュニティ拠 点 の概 要 コミュニティ拠 点 の開 設 時 期 は、1976 年 から 2016 年 と施 設 によってまちまちであった。 直 近 4年 以 内 に開 設 した割 合 は、23%、10 年 以 内 に開 設 した割 合 は 57%であった。. 開設時期 16 14 12 10 8 6 4 2 0. 図 .1 コミュニティ拠 点 の開 設 時 期. n=101. コミュニティ拠 点 のスタッフは、5 人 以 下 の常 勤 で運 営 している場 合 が 67 軒 と多 くの施 設 が少 人 数 で運 営 していた。有 資 格 者 の割 合 は、介 護 士 、看 護 師 、ケアマネジャー、社 会 福 祉 士 の順 に多 かった。管 理 栄 養 士 ・栄 養 士 は併 せて 12 名 であった。 表 .5 コミュニティ拠 点 のスタッフ(施 設 数 ). 1~5 人. 6~10 人. 11 人 以 上. 常 勤 の方. 67 軒. 4軒. 6軒. ボランティアの方. 44 軒. 6軒. 19 軒. その他 の方. 27 軒. 3軒. 11 軒. 17.
(18) 表 .6 コミュニティ拠 点 のスタッフの有 資 格 者 の一 覧 資格. 人数. 介護士. 18. 看護師. 13. ケアマネジャー. 12. 社会福祉士. 11. 保健師. 8. 教 育 関 係 (幼 稚 園 教 諭 ・保 育 士 等 ). 8. 栄養士. 7. 調理師. 7. 精神保健福祉士. 6. 管理栄養士. 5. 歯科医師. 1. 歯科衛生士. 1. 薬剤師. 1. 介護福祉士. 1. マクロビオティック師 範. 1. 歯科技工士. 1. 助産師. 1. 介護予防指導士. 1. 認定心理士. 1. 手話通訳者. 1. 地 域 福 祉 ボランティアコーディネーター 生 活 支 援 コーディネーター その他. 1 10. コミュニティ拠 点 の広 報 手 段 では、Web(ホームページ、SNS、ブログ)を活 用 する方 法 と 紙 媒 体 (チラシ、機 関 紙 、広 報 誌 )を活 用 する方 法 であった。Web と紙 媒 体 の2本 立 て (チラシを Facebook に掲 載 等 )で広 報 している施 設 も多 く見 受 けられた。. 18.
(19) 70 60 50 40 30 20 10 0. 図 .2 コミュニティ拠 点 の広 報 手 段 について(複 数 回 答 可 ). コミュニティ拠 点 の対 象 者 、利 用 人 数 を下 記 に示 す。 特 定 の年 齢 層 だけではなく、多 世 代 の交 流 の場 と位 置 づけている施 設 が多 かった。 1日 当 たりの利 用 人 数 は 20 名 未 満 、年 間 200 名 未 満 であるある施 設 が多 かった。. 80 70 60 50 40 30 20 10 0 高齢者. 子供. 若者. 障がい者. 動物. 図 .3 コミュニティ拠 点 の対 象 者 (複 数 選 択 可 ). 19. その他. n=261. n=285.
(20) 70 60 50 40 30 20 10 0. 図 .4 一 日 当 たりの利 用 者 人 数. n=103. 50 40 30 20 10 0. 図 .5 年 間 の利 用 者 人 数. n=113. 利 用 頻 度 に関 する問 いに関 しては、104 施 設 より回 答 を得 て、平 均 7.1±2.1 割 ほどはリピートし ているという結 果 であった。. 20.
(21) ・財 務 状 況 コミュニティのおおよその収 入 源 としては、100%売 上 で構 成 されている施 設 が多 かった(41 軒 )。 一 方 、一 部 のコミュニティでは、補 助 金 を中 心 した運 営 をされているケースも散 見 された。. 50 40 30 20 10 0 0-10 10-20 20-30 30-40 40-50 50-60 60-70 70-80 80-90 100 全体収入にける売上の割合(%). 図 .6 コミュニティ拠 点 の収 入 源 1. n=94. 70 60 50 40 30 20 10 0 0-10 10-20 20-30 30-40 40-50 50-60 60-70 70-80 80-90 100 全体収入にける補助金の割合(%). 図 .7 コミュニティ拠 点 の収 入 源 2. n=93. コミュニティの年 間 の運 営 費 用 は、半 数 以 上 は 300 万 円 未 満 であった。. 24%. 100万円未満. 26%. 100~300百万円未満 300~500百万円未満. 8% 4%. 500~700百万円未満. 12%. 700~1000百万円未満. 26%. 1000百万円以上. 図 .8 コミュニティの年 間 の運 営 費 用. 21. n=100.
(22) ・コミュニティの取 り組 みについて. 一 般 の方 向 け、専 門 職 の方 向 け、今 後 取 り組 みたいことについて、調 査 したところ、セミナー、相 談 業 務 を挙 げた施 設 が多 かった。セミナーの内 容 としては、一 般 の方 向 けの料 理 が多 かった。その他 の項 目 としては、趣 味 の講 座 (手 芸 、音 楽 、折 り紙 等 )、体 操 等 が挙 げられた。相 談 内 容 としては、 介 護 相 談 が多 かった。. 一般向けに実施. 専門の方向けに実施. 今後取り組みたい. セミナー 相談 雑貨等の販売 レンタルス… 菓子類の販売 傾聴 利用者状況の… 情報誌等の発行 終活 就職 その他 0. 20. 40. 60. 80. 100. 120. 図 .9 一 般 の方 向 け、専 門 職 の方 向 け、今 後 取 り組 みたいこと. 一般向けに実施. 専門の方向けに実施. 今後取り組みたい. 認知症 がん 料理 その他6 0. 10. 20. 30. 40. 50. 60. 図 .10 セミナーの内 容 一般向けに実施. 専門の方向けに実施. 今後取り組みたい. 食事 介護 医療 その他5 0. 10. 20. 30. 図 .11 相 談 内 容 22. 40. 50. 60. 140.
(23) 表 .7 イベントの実 施 状 況. 実 施 していない. 実 施 している. 複 数 実 施 している. 無 料 のイベント. 21. 41. 36. 有 料 のイベント. 19. 44. 35. ・連 携 している専 門 職 ・組 織 連 携 している専 門 職 、組 織 に関 しては、医 療 系 の職 種 とのつながりを持 っている高 い施 設 が多 かっ た。組 織 は、下 記 図 にある通 り、地 域 の多 様 な機 関 と連 携 を図 っていた。. 医師 看護師 保健師 薬剤師 作業療法士 歯科医師 歯科衛生士 理学療法士 言語聴覚士 管理栄養士 栄養士 ケアマネ 社会福祉士 介護士 その他. 図 .12 連 携 している専 門 職. 病院、診療所など 大学等教育機関 薬局 歯科 食品企業 製薬企業 商店街 自治体 福祉関係機関 介護事業者 介護施設 マスコミ等 趣味等団体 別のコミュニティ拠点 その他. 図 .13 連 携 している組 織. 23.
(24) ・食 事 ・栄 養 に対 する取 組 み状 況 コミュニティ拠 点 にて、食 事 を提 供 している施 設 に対 して、状 況 を調 査 した。提 供 理 由 としては、場 に は必 須 、美 味 しいものを食 べてもらいたいからと回 答 した施 設 が 40 軒 を超 えた。 食 事 内 容 はバランス食 が多 く、半 数 以 上 の施 設 で 500 円 未 満 の料 金 設 定 をしていた。 メニューに関 して、管 理 栄 養 士 と相 談 している割 合 は低 く、13%であった。メニュー本 、知 人 や友 人 等 の情 報 、ネット等 を参 考 にしていた。食 の好 みにあったメニュー、バランス、健 康 を考 慮 したメニュー の追 加 要 望 が挙 がっていた。調 理 方 法 、健 康 と栄 養 に関 する質 問 があると回 答 した施 設 が多 かっ た。. コミュニティの場には必須と考えているから 美味しいものを食べてもらいたいから 利用者の健康サポートが可能だから 利用者からの要望が大きいから 利用者の生きがいに貢献できるから 提供者側の生きがいのため (郷土料理などを)情報発信ができるから 収益の面で必要だから 集客を見込めるから 食事の評価をしてもらえるから 0. 10. 20. 30. 40. 50. 図 .14 コミュニティで食 事 を提 供 している理 由 (複 数 選 択 可 ). 23%. 15%. n=91. ドリンクのみの提供 日替わりメニューの提供 ブッフェスタイル. 6%. 27% 27%. 定食 惣菜 その他. 2%. 図 .15 提 供 されている食 事 の状 況 (複 数 選 択 可 ). 24. 60. n=91.
(25) バランス食 減塩食 やわらか食 低カロリー食 低たんぱく食 その他の特別なメニュー 0. 5. 10. 15. 20. 25. 30. 図 .16 提 供 されている食 事 内 容. 35. n=97. 1000円以上 700~1000円未満 500~700円未満 400~500円未満 300~400円未満 300円未満 0. 5. 10. 15. 図 .17 提 供 されている食 事 の料 金. 20. 25. 30. n=93. 25.
(26) 13%. はい いいえ. 87%. 図 .18 管 理 栄 養 士 と相 談 して提 供 しているメニューの有 無 (n=85). 25%. 考慮している. 32%. 少し考慮している あまり考慮していない. 10%. ほとんど考慮していない. 33%. 図 .19 提 供 している食 事 のエネルギー量 、栄 養 量 について (n=85). その他 専門書(慢性疾患の食事、がんの食事など) 日本人の食事摂取基準 料理教室等で勉強した やわらか食(かたさや飲み込みやすさ) TV、ラジオ、新聞などの情報 インターネットによる検索 知人や友人等との情報交換 メニュー本など 0. 5. 10. 15. 20. 25. 30. 35. 図 .20 提 供 する食 事 のエネルギー量 、栄 養 量 について参 考 にされているすべての項 目 (複 数 選 択 可). 26.
(27) 表 .8 食 事 について利 用 者 から質 問 や要 望 があった項 目 (件 、複 数 選 択 可 ). 追 加 メニューの要 望. レシピに関 する 質問. やわらかさや飲 み込 みやすさを意 識 したメニュー. 7. 価 格 を意 識 したメニュー. 6. 利 用 者 の食 の好 みにあったメニュー. 26. バランス、健 康 を意 識 したメニュー. 15. その他. 11. 価 格 の変 更 要 望. 4. 健 康 と栄 養 についての質 問. 16. 子 供 の食 事 について. 8. 慢 性 疾 患 に対 する食 事 の相 談. 7. 調 理 方 法 の指 導. 18. がんの方 の食 事 に関 する相 談. 2. 宅 配 サービスの要 望. 12. (利 用 者 の)同 居 人 に何 を食 べさせれば良 いのかという相 談 惣 菜 類 販 売 の要 望. 4 15. 食 事 の形 態 (やわらかさや飲 み込 みやすさ等 )についての 質問 その他. 9 9. 表 .9 お持 ち帰 り用 の惣 菜 の提 供 (軒 数 ) 実 施 している. 26. 実 施 していない. 61. 27.
(28) ・コミュニティ拠 点 の運 用 のきっかけと運 用 後 の影 響 に関 して 各 コミュニティの①運 用 を開 始 したきっかけ、②運 用 後 に周 りに与 える影 響 をそれぞれ自 由 記 載 で 101 施 設 より回 答 を得 た。バイアスの影 響 を考 慮 し統 計 的 に分 析 するため、すべての記 載 項 目 を KH Coder(Ver. 2.00f)を用 いて、テキストマイニング分 析 を行 った。 KH Coder の機 能 のうち、関 連 の強 い語 同 士 をネットワーク図 化 することが可 能 な「共 起 ネットワーク」 を使 用 した。①運 用 を開 始 するきっかけ、②運 用 後 の影 響 、それぞれに共 起 ネットワーク図 を作 成 し、 更 に三 つのキーワード(食 ・料 理 ・栄 養 )との結 びつきのネットワーク図 も作 成 した。 分 析 にあたり、最 小 出 現 数 は①きかっけについては 3、②影 響 については 5 と設 定 した。また描 画 数 は 60 と設 定 し、品 詞 による語 の取 捨 選 択 は既 定 値 のまま実 行 した。三 つのキーワードとの結 びつ きの分 析 においては、最 小 出 現 数 は①、②ともに 2 と設 定 した。. 文 章 の単 純 集 計 結 果 を下 記 に示 す。 表 .10 自 由 記 載 回 答 の集 計 結 果 ① 運 用 のきっかけ. ② 運 用 後 の影 響. 総 抽 出 語 数 (使 用 ). 3335(1,503). 3,553(1,447). 異 なり語 数 (使 用 ). 907(701). 889(688). 文数. 239. 251. 段落数. 101. 79. 共 起 ネットワーク図 の解 釈 は以 下 の通 りである。 ・円 が大 きいほど語 の出 現 頻 度 が多 い。 ・円 と円 を結 んでいる線 が太 いほど関 連 が強 い。 ・線 で結 ばれておらず、円 と円 が近 いもの、遠 いものは意 味 を持 たない。 ・結 びつきの強 いドメインごとに色 分 けをしている。. 28.
(29) ① 運 用 を開 始 するきっかけ 共 起 ネットワーク図 を作 成 した結 果 を図 .21 に示 す。また、三 つのキーワード(食 ・料 理 ・栄 養 )との結 びつきのネットワーク図 を作 成 した結 果 を図 22 に示 す。. 図 .21 「①運 用 を開 始 するきっかけ」の共 起 ネットワーク図 最 も頻 回 に出 現 していた語 は地 域 であり、要 望 、運 営 、社 会 、食 事 、課 題 といった語 は複 数 の語 に リンク数 が多 く共 通 性 のある要 素 という結 果 であった。 食 事 ・ 栄 養 に対 する 取 組 みの コミ ュニ ティを 調 査 対 象 と し ての 開 設 の きっかでは 、 ネッ トワ ーク 図 で 頻 度 の最 も多 い「 地 域 」 と次 に出 現 数 の多 い介 護 、交 流 、居 場 所 、場 と結 ぶことが出 来 ていなかっ た。次 に 経 路 ( 語 ) にリンクの多 い 課 題 、 食 事 、社 会 、 要 望 であり、「 食 事 」 を通 過 して一 緒 、提 供 、 必 要 、世 代 を通 過 し他 の語 へと繋 がれている。開 設 のきっかけへの大 きい問 題 要 素 が「食 事 」であ った。また、リンクは一 方 であるが、居 場 所 、介 護 の出 現 頻 が多 いことも注 目 した結 果 であった。. 29.
(30) 図 .22 「①運 用 を開 始 するきっかけ」のうち、三 つのキーワード(食 、・料 理 ・栄 養 )との共 起 ネットワ ーク図 食 、料 理 、栄 養 の語 は中 心 性 にあって、他 への要 素 のリンクが多 く多 くの効 果 を期 待 されていること が明 らかとなった。 食 、料 理 、栄 養 の語 と繋 がりのある語 はあるが、それぞれのキーワードの繋 がりはなく、開 設 のきっ かけとしては独 立 した語 であることが分 かる。 最 も頻 度 が高 い人 、交 流 は、「料 理 」と結 ばれていた。. 30.
(31) ② 運 用 後 の影 響 共 起 ネットワーク図 を作 成 した結 果 を図 23 に示 す。また、三 つのキーワード(食 ・料 理 ・栄 養 )との結 びつきのネットワーク図 を作 成 した結 果 を図 〇に示 す。. 図 .23 「②運 用 後 の影 響 」の共 起 ネットワーク図 出 現 頻 度 は、地 域 、人 が多 く、地 域 を通 過 して、場 、思 うが最 も多 く他 とネットワークを構 成 し、全 て の要 素 がリンクしている。 食 、食 事 は地 域 から利 用 ➡思 うを通 過 し結 ばれた。 最 も他 との関 連 の多 い要 素 は、思 う、場 であり共 通 性 のある問 題 要 素 と捉 えられた。 運 用 後 は、開 設 するきっかけに出 現 頻 度 が高 く、リンクしていた居 場 所 ⇔障 害 ⇔支 援 ⇔実 施 と介 護 ⇔保 険 ⇔制 度 は、ネットワークに取 り込 むことが出 来 ていなかった。. 31.
(32) 図 .24 「②運 用 後 の影 響 」のうち、三 つのキーワード(食 、・料 理 ・栄 養 )との共 起 ネットワーク図. 図 22.の開 設 のきっかけと大 きく異 なる点 は、食 、料 理 、栄 養 の語 が、利 用 、たくさん、活 動 、広 がる という語 を介 してリンクした。さらに食 、料 理 、栄 養 の語 は、他 の要 素 との関 連 が多 く連 結 し、食 にお いては出 会 い、支 える、地 域 、人 の語 とリンクし、運 用 後 のコミュニティ拠 点 に与 える影 響 がより強 い 意 味 を持 っていると考 えられる。 食 、料 理 、栄 養 を中 心 とした語 のリンクが開 設 のきっかけよりも、運 用 後 においては栄 養 では変 わら なかったが、食 と料 理 においてはリンク数 が多 くなり、食 と料 理 からの要 素 が多 くなったことが明 らか となった。 開 設 のきっかけでは料 理 を中 心 として、人 と交 流 をリンクさせることが大 きな要 素 となっていたが、運 用 後 は食 が多 くの要 素 と連 結 し、栄 養 、料 理 へ影 響 を及 ぼす役 割 となったことが明 らかとなった。. 32.
(33) 4-3. 先 進 事 例 の実 地 調 査 4-3-1 取 組 み事 例 1 事例1. たねカフェ. 訪問日. 平 成 28 年 7 月 3 日. 場所. 福岡県福岡市. 訪問先. 医 療 法 人 にのさかクリニック 地 域 生 活 ケアセンター 小 さなたね. 面会者. にのさかクリニック 地 域 生 活 支 援 センター 小 さなたね 所 長 水 野 英 尚 氏 にのさかクリニック 管 理 栄 養 士 小 渕 智 子 氏. 施設概要. 医 療 型 特 定 短 期 入 所 者 施 設 「小 さなたね」 平 成 23 年 4 月 設 立 重 症 心 身 障 害 児 ・家 族 の日 中 活 動 支 援 や在 宅 支 援 をおこなっている施 設 。受 入 小 児 等 の主 な疾 患 として、脳 性 麻 痺 、てんかん、滑 脳 症 、全 前 脳 胞 症 、早 期 ミオクロニー脳 症 、18 トリソミー、ダウン症 等 。 平 成 27 年 9 月 、同 施 設 に併 設 したカフェ「たねカフェ」を増 設 。管 理 栄 養 士 によ るランチを週 2回 (水 ・金 )提 供 している。. 食 ・栄 養 の関 わ. 管 理 栄 養 士 によるランチを週 2回 (水 ・金 )開 催 。. り. 週 替 わりスープランチ 500 円 を 30 食 /日 提 供 している。 胃 瘻 等 の口 から食 べることの出 来 ない方 でも食 事 ができるように、ミキサーでペ ースト状 にした献 立 を準 備 している。入 所 者 の自 立 支 援 、社 会 参 加 の場 としても 活 用 され、地 域 の方 と入 所 児 が地 域 と繋 がる多 世 代 の交 流 の場 になっている。 ランチを食 べに来 た地 域 の方 と施 設 の子 供 たちも一 緒 にカフェで過 ごすことが可 能 。 口 から 食 べる こと が 出 来 な い 子 供 た ちも 、 楽 し そう な 食 事 の 場 を 見 て 感 じ 、 近 くにいるだけで楽 しそうな表 情 を示 す。場 の共 有 の大 切 さを感 じる。 『メニュー』 「豆 腐 ハンバーグ」、「トマトスープ」. エピソード内 容. 「野 菜 のジュレソースかけ」 かなり体 調 が悪 く、泣 いてばかりいた彼 女 です が、体 調 がよい時 は、調 理 を一 緒 にしたり、. 患 者 さん. お気 に入 りの器 に盛 り付 けて楽 しんでいました。. 30 代 の女 性. この食 器 もご本 人 お気 に入 りのものです、ランチョンマットです。. 腹 膜 内 の腫 瘍. 最 後 は、クリニックスタッフとお母 さんとたねカフェでご本 人 が食 べたいとリクエス. の末 期. トしたものを作 り食 事 会 をしましたが、体 調 わるく、全 く食 べられていない状 況 で、 来 るだけになるだろうという事 でしたが、一 口 ずつ食 べられました。ホントに驚 きま したね、嬉 しかったですね。それから 1 週 間 後 に永 眠 されました。. 管 理 栄 養 士 と施 設 責 任 者 、スタッフとの連 帯 感 が感 じられた。実 践 している管 理 栄 養 士 の知 識 、技 術 がエピソードに記 した取 り組 みを実 現 できたと感 じる。そして、食 の専 門 家 としての信 念 が大 きいと 33.
(34) 思 う。. キッチンの写 真. カフェの写 真. 34.
(35) 4-3-2 取 組 み事 例 2 事例1. よどまちステーション. 訪問日. 平 成 28 年 7 月 24 日. 場所. 大阪府大阪市. 訪問先. よどきり医 療 と介 護 のまちづくり株 式 会 社 よどまちステーション. 面会者. 取 締 役 まちケア事 業 部 部 長 地 域 看 護 専 門 看 護 師 三 輪 恭 子 氏. 施設概要. よどまちステーションを平 成 27 年 4 月 設 立 。 ・ かんご 庵 ( ホス ピス 型 賃 貸 住 宅 ) 、よ どま ち 保 健 室 、 よ どまちカ フェ 、 よどきり ケ アプランセンター、よどきり訪 問 看 護 ステーション等 を有 する複 合 型 施 設 。 退 院 支 援 を 実 施 して い た 中 で、が ん以 外 の 方 の生 活 の 場 が少 な い。 生 活 の 場 でケアを受 けながら住 むことのできる場 、ホームホスピスを作 りたい想 いで開 設 さ れた。 かんご庵 (2階 )には、6つの個 室 があり、「さいごまで自 分 らしく、心 地 よく暮 らし たい」という方 が、“第 二 の我 が家 ”として、安 心 して過 ごせる新 しいホスピス型 賃 貸 住 宅 。看 護 師 が常 駐 して、医 療 依 存 度 が高 い方 でも入 居 可 能 。 よどまち保 健 室 、よどまちカフェは、1階 の多 目 的 交 流 スペースにて、よろず相 談 と 健 康 相 談 が 行 われ て い る。 健 康 問 題 を 抱 え る 人 々に と っての 癒 し の 空 間 と し て、住 民 同 士 がつながる場 所 として、地 域 ぐるみで支 えあう仕 掛 けをしている。 小 さい子 供 向 けのイベント、お薬 相 談 、健 康 教 室 、セラピー教 室 、子 育 てサーク ル 、 専 門 職 の セ ミ ナ ー 、 商 店 街 の ロ ック フ ェ ス 、 高 校 生 が 勉 強 に や っ て く る 等 の 多 様 な利 用 方 法 があり、公 民 館 的 場 として利 用 されている。. 食 ・栄 養 の. かんご庵 では、入 所 者 の方 に、調 理 師 (5名 体 制 )によるリクエスト食 が提 供 され. 関 わり. ている。 1階 のカフェスペースでは、栄 養 士 会 とのタイアップした食 育 セミナーを予 定 。『あ っぱれ!食 ラボ』、食 生 活 相 談 の開 催 。 地 域 の飲 食 店 と連 携 していくことも検 討 中 。 慢 性 疾 患 の栄 養 を学 ぶことの必 要 性 を感 じている。 まちの元 気 塾 は健 康 づくり: 血 管 年 齢 、脳 年 齢 、体 組 成 な どを測 定 して、健 康 セルフチェ ック。 かんご庵 のランチ:リクエストの 多 いお好 み焼 きは定 番 メニュ ーになりつつある。. 今 後 、栄 養 士 の介 入 を心 待 ちにされていた。さらに栄 養 35.
(36) 食 事 相 談 が 実 施 さ れ、 食 育 、 栄 養 教 育 が 充 実 して い くこ と で 地 域 の 食 に 対 す る 知 識 啓 発 に な る と 思 われた。. 食 育 セミナー『あっぱれ!食 ラボ』 食 生 活 相 談 月 2回 開 催 (9月 のイベントカレンダー) 外 部 の管 理 栄 養 士 が講 師 となり調 理 ワークショップを行 っている。. 食 リーダー養 成 講 座 【まちを元 気 にする食 リーダー育 成 講 座 】 ~認 知 症 予 防 に役 立 つ「料 理 療 法 」のすすめ方 ~ ①知 識 ②調 理 ③知 恵 について、認 知 症 予 防 に役 立 つ料 理 療 法 を通 じて、家 庭 や地 域 で実 施 でき る指 導 者 の人 材 を育 成 します。 36.
(37) セミナーでは、ロールプレイングを交 えて調 理 実 習 を進 行 し、調 理 を通 じて認 知 症 のかたを支 援 する 方 法 を習 得 します。. 4-3-3 取 組 み事 例 3 事例1. 認 定 栄 養 ケア・ステーション「まちかど健 康 相 談 室 」. 訪問日. 平 成 28 年 8 月 15 日. 場所. 埼玉県和光市. 訪問先. 特 定 非 営 利 活 動 法 人 ぽけっとステーション 認 定 栄 養 ケア・ステーション「まちかど健 康 相 談 室 」. 面会者. 代 表 理 事 主 任 介 護 支 援 専 門 員 管 理 栄 養 士 健 康 運 動 指 導 士 山 口 はるみ 氏. 施設概要. 管 理 栄 養 士 健 康 運 動 指 導 士 野 島 まり 氏. まちかど健 康 相 談 室 は、西 大 和 団 地 居 住 者 の少 子 高 齢 化 が進 展 するなか、地 域 包 括 ケアシステムの一 環 として、団 地 内 店 舗 スペースを活 用 して高 齢 者 等 の 孤 立 予 防 や世 代 間 の地 域 交 流 を推 進 するための場 所 。和 光 市 の委 託 事 業 とし て、平 成 26 年 4 月 9 日 に開 設 。 営 業 時 間 :10:00~15:00 定 休 日 :土 日 ・祝 日 管 理 栄 養 士 や看 護 師 が 常 駐 し健 康 や栄 養 について相 談 可 能 なサロン、ミニ講 座 、クッキング、育 児 相 談 など行 い、ミニサークルをつくり、地 域 の活 性 化 を図 る 年 間 延 べ 4,000 人 が訪 れ、今 でも新 規 の利 用 者 が増 えている。 管 理 栄 養 士 常 勤 4 人 非 常 勤 10 人 強. 食 ・栄 養 の. 訪 問 栄 養 (総 合 事 業 ・通 所 型 サービス C)や介 護 予 防 栄 養 教 室 :月 40 件 訪 問. 関 わり. 過 栄 養 、低 栄 養 の両 面 に対 して訪 問 栄 養 に入 る予 防 事 業 を行 っている。 予 防 介 入 の場 合 、ご本 人 ・家 族 は栄 養 介 入 の必 要 性 を認 識 していない、聞 く気 がない、聞 きたくない場 合 が多 い。栄 養 面 を第 一 に考 えるのではなく、優 先 順 位 を考 え、栄 養 の 話 をす るタイミングを計 ること がポイント。いきなり栄 養 の 話 はせ ずに、まずは、利 用 者 さんのいい関 係 をつくる。ヒトの気 持 ちを理 解 すること、生 活 全 般 を捉 えるできることが大 切 。 多 職 種 の中 で、栄 養 の意 識 が高 く、栄 養 士 の存 在 価 値 をきちんと認 識 されてい るので、チームの歩 調 を合 わせフラットな関 係 で連 携 することが大 切 。. 食と患 者さん. 相 談 室 には、多 種 多 様 な方 が訪 れる。デイサービスの代 わりとして訪 れる方 、認. のエピソード. 知 症 の方 、市 役 所 からの手 紙 がわからないので、相 談 したい方 。市 役 所 まで辿 りつかず、途 中 で休 憩 される方 、生 活 のメリハリをつけるためにいらっしゃる方 等 、多 種 多 様 な方 が訪 れる。 怒 られたいから来 る人 もいる。昼 間 からお酒 を飲 んじゃだめと言 ってほしい。話 を 聞 いて、適 切 な場 所 に繋 ぐ。かつて家 族 がやっていたことを代 わりに保 健 室 が実 37.
(38) 施 しているようなもの。 参 加 者 同 士 で声 かけが始 まっている。野 菜 が足 りない、減 塩 した方 がいいと日 ごろの栄 養 士 の声 が刷 り込 まれ、利 用 者 同 士 でフレイル予 防 を行 う環 境 が整 っ ている。また、室 内 でちょっとしたいざこざが起 きそうになったとき、ハーモニカをも った利 用 者 が空 気 を読 み、弾 き出 す。気 持 ちが沈 んでいた方 も、帰 るときには 「来 てよかった」と思 えるよう、職 員 や利 用 者 同 士 で接 している。. 団 地 内 店 舗 スペースを活 用 して高 齢 者 の孤 立 予 防 や世 代 間 の地 域 交 流 を推 進 するための場 所. 38.
(39) 4-3-4 取 組 み事 例 4 事例1. 「おもてなし母 ちゃん」. 訪問日. 平 成 28 年 6 月 22 日. 場所. 島 根 県 雲 南 市 大 東 町 上 久 野 1371-3. 訪問先. 公 益 財 団 ふるさと島 根 定 住 財 団 助 成 四 季 折 々の野 菜 ・山 菜 を用 いたおもてな し弁 当 プロジェクトとして開 始 した「おもてなし母 ちゃん」のグループでお弁 当 作 り をしている、交 流 会 館 「清 流 の館 」を訪 問 した。「清 流 の館 」は古 民 家 を改 修 した 施 設 である。(写 真 ). 面会者. 事 務 局 岩 本 一 馬 さん 代 表 中 西 勝 子 さん 「おもてなし母 ちゃん」参 加 者 の方 々 6名. 施設概要. 「おもてなし母 ちゃん」はこの地 区 を愛 し、地 域 を活 性 化 させるために料 理 好 きの お母 ちゃんの集 まった団 体 である。 雲 南 市 内 での低 栄 養 状 態 高 齢 者 の増 加 が懸 念 され、久 野 地 区 内 においても 低 栄 養 状 態 の予 防 対 策 を指 摘 された。高 齢 者 の低 栄 養 状 態 や健 康 状 態 の悪 化 防 止 に 食 環 境 を 改 善 するため 、 地 区 内 のや る 気 のある 女 性 たち が 中 心 にな り、高 齢 者 が育 てた野 菜 を使 ってお弁 当 を調 理 し調 理 場 が併 設 された交 流 会 館 「清 流 の館 」で提 供 する、イベントの弁 当 として販 売 する、希 望 者 に宅 配 するこ とを計 画 した。 弁 当 が「 清 流 の 館 」 に て販 売 さ れ 、また 交 流 会 館 で 食 事 を共 にす る ことが コミュ ニティーとして活 用 されることになる。. 食 ・栄 養 の. 高 齢 者 への健 康 弁 当 配 食 サービス。. 関 わり. 余 剰 野 菜 、手 作 り保 存 品 を弁 当 の献 立 に活 用 健 康 を推 進 する仕 組 みをお弁 当 の活 用 を通 じて考 える。. 食 のエピソード. 本 プロジェクトの参 加 者 同 士 が、食 と調 理 に関 わる話 題 を多 く持 つことで、献 立 内 容 が豊 富 になってきた。お弁 当 を作 成 するために、健 康 な食 事 、減 塩 の工 夫 、 バ ラ ン スの 取 れ た 献 立 内 容 、 購 入 者 が 満 足 す る 献 立 は 何 か につ い て 検 討 を行 った。管 理 栄 養 士 の調 理 栄 養 支 援 を受 け、昔 ながらの料 理 を伝 える、自 分 たちが得 意 な料 理 をメニューに加 えるなど、参 加 者 の協 力 によって弁 当 のメニュ ーは充 実 し、地 区 の最 も多 きな祭 りのイベントにお弁 当 を販 売 することが出 来 た。. 地 域 高 齢 者 の 低 栄 養 対 策 の ために、コミュ ニ ティにお い て弁 当 を 販 売 し 、 古 民 家 の 囲 炉 裏 を囲 んで団 欒 を 共 に食 事 をする仕 組 みを定 着 させようとする試 みと同 時 に 天 候 や交 通 の不 便 さのため に参 加 でき ない 場 合 は 、地 区 の 者 がお 弁 当 を 届 けると い う仕 組 みを 打 ち 立 て た 。お 弁 当 の 内 容 や 調 理 作 業 、食 材 の無 駄 のない活 用 など「食 」を通 じた団 結 が、地 域 に定 着 し住 民 組 織 の活 動 によっ て、参 加 者 の生 き甲 斐 ともなり、また住 民 の健 康 に寄 与 することも期 待 されている。 39.
(40) 地 域 高 齢 者 の 低 栄 養 対 策 の ために、コミュ ニ ティにお い て弁 当 を 販 売 し 、 古 民 家 の 囲 炉 裏 を囲 んで団 欒 を 共 に食 事 をする仕 組 みを定 着 させようとする試 みと同 時 に 天 候 や交 通 の不 便 さのため に参 加 できない場 合 は、地 区 の者 がお弁 当 を届 けるという仕 組 みを打 ち立 てた。そして、自 信 の持 てない低 栄 養 、慢 性 疾 患 の高 齢 者 に対 するお弁 当 の内 容 は、管 理 栄 養 士 の支 援 と助 言 を受 け入 れ自 信 となった。お弁 当 の内 容 や調 理 作 業 、食 材 の無 駄 のない活 用 など「食 」を通 じた団 結 が、地 域 に定 着 し住 民 組 織 の活 動 によって、参 加 者 の生 き甲 斐 ともなり、また住 民 の健 康 に寄 与 すること も期 待 されている。 写 真 1.「清 流 の館 」. 写 真 2.弁 当 の内 容 について打 ち合 わせ会. 写 真 3.提 供 されている弁 当. 40.
(41) 5. 考 察 地 域 包 括 ケアシステム構 築 への取 り組 みが進 められている。地 域 で医 療 を支 えるために栄 養 食 事 の 支 援 は 重 要 と 唱 えら れて い る。 地 域 高 齢 開 設 は 、 者 の 疾 病 予 防 、 健 康 維 持 に 栄 養 食 事 の 取 り 組 みは不 可 欠 である。本 調 査 から高 齢 者 もしくは食 事 栄 養 の取 り組 みが実 施 されているコミュニテ ィ拠 点 は、売 り上 げを収 入 源 に(一 部 は補 助 金 を中 心 に)直 近 の4年 以 内 で増 加 傾 向 にある。しか し、栄 養 士 、管 理 栄 養 士 が拠 点 にスタッフとして参 加 している割 合 は、全 スタッフの有 資 格 者 中 10.3%と低 かった。コミュニティ拠 点 の利 用 者 は、高 齢 者 が最 も多 く、障 がい者 、子 供 が次 いで若 者 が一 日 平 均 100 名 以 上 から 20 名 未 満 と幅 のある数 で利 用 している。コミュニティ拠 点 が取 り組 み を希 望 しているキーワードは、認 知 症 、介 護 と食 事 、料 理 であった。特 に追 加 メニューの要 望 として、 柔 らかさや飲 み込 み易 さを意 識 したメニューが挙 げられ、また食 事 の形 態 についての質 問 が挙 がっ てきた。 このようなニーズの背 景 を考 えると、食 事 の問 題 で、コミュニティ拠 点 に集 まることを諦 めて しまった方 もいるかもしれない。コミュニティ拠 点 に参 加 できなくなることは、社 会 性 の欠 如 、運 動 量 の減 少 (コミュニティ拠 点 への通 い)につながりやすく、フレイルを助 長 しかねない。 飯 島 らの報 告 によると、人 間 のフレイル(虚 弱 )には身 体 的 な虚 弱 (フィジカル・フレイル)だけでは なく、精 神 心 理 的 な虚 弱 (メンタル・フレイル)や社 会 的 な虚 弱 (ソーシャル・フレイル)が複 雑 に関 連 していること、健 康 長 寿 のために必 要 な大 切 なポイントとして「 栄 養 ( 食 ・口 腔 機 能 )」「 運 動 」「 社 会 参 加 」という 3 つの柱 があること、3 つの柱 は相 互 に影 響 しており身 体 が衰 える最 初 の入 り口 になり やすいのは「社 会 参 加 」の機 会 の低 下 であること等 が明 らかになってきた(6)。 高 齢 者 が集 まる場 では慢 性 疾 患 を併 存 している場 合 も多 く、積 極 的 な栄 養 の専 門 職 との連 携 によ る栄 養 食 事 支 援 が実 現 できるように努 力 することで、フレイル予 防 対 策 を実 施 できる場 であり、管 理 栄 養 士 、栄 養 性 の必 要 性 は高 まると推 測 できた。そして、今 後 のコミュニティ拠 点 では、充 分 なスキ ルをもった栄 養 士 ・管 理 栄 養 士 との連 携 が大 切 と考 えられる。 飯 島 らの研 究 によると、社 会 とのつながりがフレイルに陥 る上 流 にあるとし、フレイル対 策 として、社 会 性 、身 体 、精 神 のアプローチが重 要 と考 えている。 地 域 包 括 ケアシステムにおける5つの視 点 、コミュニティ拠 点 の重 要 性 と食 ・栄 養 支 援 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiikihoukatsu/ ヘルスプロモーション、食 育 の観 点 から考 えると、コミュニティ拠 点 という空 間 が集 まった方 々の集 団 としての学 びや気 づきの場 になっていると推 察 される。住 民 の学 びを支 援 しヘルスプロモーション を向 上 の機 会 をつくるためには、専 門 家 からの「啓 発 」、「 教 育 」といった上 から目 線 でなく、自 発 的 な「学 び」を支 援 する姿 勢 が重 要 と言 われている(7)。今 回 の調 査 では、集 まった施 設 の現 状 は、利 用 者 20 人 以 下 、リピート率 70%以 上 というコミュニティ拠 点 が多 く存 在 した。また、一 般 向 けのセミ ナー、相 談 を実 施 している施 設 が多 く見 受 けられた。よって、ピアサポートという社 会 資 源 の活 用 の 観 点 から も 高 い 頻 度 で 参 加 さ れる 顔 なじ みの 住 民 同 士 の 助 け 合 い 、 学 びあ いに 繋 がって い ると 推 察 される。共 起 ネットワークの解 析 からも、コミュニティ拠 点 開 設 前 は食 、栄 養 、料 理 は結 びつきがな 41.
(42) く、特 に料 理 を通 じて人 、交 流 の関 係 性 が強 く影 響 するとした。しかし、コミュニティ拠 点 運 用 後 の影 響 においては、食 事 と食 の関 連 性 が強 く、また食 は栄 養 という問 題 にも関 連 にもリンクしていた。食 を中 心 に据 えて、料 理 と栄 養 が関 連 したことは、栄 養 食 事 の専 門 職 種 が求 められていると推 測 され る。コミュニティの場 には食 事 提 供 が必 須 と考 えている回 答 した施 設 が多 かったことから、食 を通 じ た社 会 性 の維 持 、コミュニティヘルスが広 がっている可 能 性 が高 い。 先 進 事 例 では、食 事 提 供 と料 理 によって地 域 との繋 がり、絆 を強 固 にしていた。コミュニティ拠 点 における最 期 の「食 べる喜 び」の提 供 、カフェスペースの栄 養 士 会 とのタイアップした食 育 セミナーや 地 域 の飲 食 店 と連 携 した食 育 発 信 の企 画 の立 ち上 げ、利 用 者 同 士 が食 事 内 容 を確 認 して声 を掛 け合 う姿 、地 域 の高 齢 者 の低 栄 養 対 策 にお弁 当 開 発 の実 践 は、今 後 、地 域 住 民 参 加 によって住 民 自 身 を心 身 ともに豊 かに導 いていく事 例 であった。「暮 らしの保 健 室 」の取 り組 みは、団 地 の方 々 に栄 養 食 事 治 療 を礎 に「美 味 しい料 理 」を提 供 しようとするボランティア自 身 の生 き甲 斐 、楽 しみが 継 続 した活 動 に繋 がっている。 今 後 コミュニティ拠 点 に求 められる「食 」「栄 養 」「料 理 」が定 着 するためには、人 、場 所 、経 営 など 問 題 は大 きいが、地 域 の人 々が望 み影 響 を及 ぼす取 り組 みの実 現 に向 けて提 案 しなければならな い時 期 となっていることは確 かである。. 6. 結 語 日 常 生 活 を自 立 した生 活 行 動 で過 ごし、住 み慣 れた地 域 で自 分 らしい生 活 を続 ける支 援 のために 地 域 連 携 に力 が注 がれて久 しい。地 域 ・在 宅 の栄 養 管 理 に関 わり、食 に問 題 を抱 えながら気 持 ち を十 分 に 反 映 する 場 を見 いだせな い孤 立 者 と 高 齢 者 集 団 である「栄 養 ・食 事 不 良 難 民 」 が溢 れて いることに戸 惑 う。立 ち遅 れる栄 養 ・食 事 支 援 である。今 回 の調 査 で、食 事 を提 供 しているが、栄 養 士 、管 理 栄 養 士 と連 携 している取 り組 みは少 ない。地 域 コミュニティー活 動 の場 に健 康 や生 活 のリ スクを放 置 しないために栄 養 ・食 事 のサポート支 援 を常 設 し、栄 養 ・食 事 支 援 を置 き去 りにしないこ とが、子 供 たち、障 害 者 、高 齢 者 の栄 養 管 理 の視 点 としてのメタボ対 策 とフレイル対 策 、 がん患 者 支 援 の前 提 になると考 える。 そして、高 齢 者 が集 まる場 にはがん、慢 性 疾 患 を併 存 している場 合 も多 い、フレイル予 防 のために も栄 養 の専 門 職 との連 携 の必 要 性 が高 まると思 われるとともに、この調 査 を通 して、対 応 できる管 理 栄 養 士 、栄 養 士 のスキルを高 めることも重 要 であると強 く感 じた。. 42.
(43) 7. Reference(参 考 文 献 )等 1). 飯 島 勝 矢 ,2016,健 康 寿 命 延 伸 をめざす栄 養 戦 略 フレイル・疾 病 重 症 化 予 防 のために 葛 谷 雅 文 編 集 ,臨 床 栄 養 別 冊 11,医 歯 薬 出 版 ,154-162. 2). 大 塚 理 加 :在 宅 療 養 高 齢 者 の栄 養 の課 題 .Run&Up 2014;10:1, 6-7. 3). 樋 口 耕 一 ,2004,「テキスト型 データの計 量 的 分 析 ―2 つのアプローチの峻 別 と統 合 」『理 論 と方 法 』19(1): 101-115.. 4). 樋 口 耕 一 ,2014,『社 会 調 査 のための計 量 テキスト分 析 』ナカニシヤ出 版 .. 5). 飯 島 勝 矢 , 2016, 口 腔 機 能 ・栄 養 ・運 動 ・社 会 参 加 を総 合 化 した複 合 型 健 康 増 進 プログ ラムを用 いての新 たな健 康 づくり市 民 サポーター養 成 研 修 マニュアルの考 案 と検 証 (地 域 サロンを活 用 したモデル構 築 )を目 的 とした研 究 事 業 . 平 成 27年 度 老 人 保 健 健 康 増 進 事業等補助金 老人保健健康増進等事業 事業実施報告書. 6). 秋 山 美 紀 , 2014, 「地 域 医 療 」から「コミュニティヘルス」へ-住 民 が役 割 を持 てる仕 掛 けを 考 える. 病 院 73(9):692-695.. 「本 研 究 は、公 益 財 団 法 人 在 宅 医 療 助 成 勇 美 記 念 財 団 の助 成 による」. 43.
(44) 感. 想. 全 国 の高 齢 者 もしくは食 事 ・栄 養 に対 する取 り組 みが実 施 されているコミュニティ拠 点 の調 査 を実 施 させてい頂 きまして大 変 に感 謝 致 しています。 実 施 計 画 は早 期 に致 しましたが、対 象 拠 点 の方 から今 回 の調 査 について疑 問 やご意 見 を多 く頂 き、調 査 実 施 までに大 変 な時 間 と労 力 が必 要 となりました。全 国 規 模 の調 査 は、初 めての 経 験 でしたので、段 取 り等 大 変 に勉 強 になりました。今 後 の参 考 にしていきたいと思 っていま す。 回 収 率 も高 く、回 答 頂 きました コミュニティ拠 点 の方 々からは、報 告 書 には書 ききれませんでした が、大 変 に貴 重 な自 由 記 載 が多 くあり感 動 いたしました。地 域 に食 事 ・栄 養 に対 する取 り組 みを望 まれる思 いや実 施 に当 たり拠 点 における様 々な特 徴 的 な企 画 や試 みもありました。 今 回 の調 査 に助 成 金 を頂 き調 査 を終 えました。これからの実 施 に向 けてのアプローチであると捉 え、栄 養 食 事 管 理 が地 域 に啓 発 できるよう努 めていきたいと考 えます。そのような期 待 を回 答 された 方 々からも多 く頂 き、期 待 されている分 野 と再 確 認 いたしています。 本 事 業 に助 成 を頂 きましたことを心 より感 謝 いたします。. 44.
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