• 検索結果がありません。

エレベータ待ち時間の確率モデル

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "エレベータ待ち時間の確率モデル"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1−C−4 1997年度日本オペレーションズ・ リサーチ学会 秋季研究発表会

エレベータ待ち時間の確率モデル

02202330 中央大学島Jl[陽−

SHIMAKAWA Youichi

1 はじめに

電車やバスなどの公共輸送機関は時刻表にしたがっ て連行されるので、待ち時間(呼びを行なったユーザが エレベータに搭乗するまでの時間)が大きくぼらつく ことはない。一方、高層ビルにおけるエレベータの場 合、待ち時間はエレベータに対する各階からの呼びに 大きく依存する。エレベー夕の連行制御においての大 きな目的は、この待ち時間のばらつきを小さくするこ し、実際のビルのODリストにこのモデルを通用する。 この分布はエレベータの連行制御の戦略の指標になる し、また高層ビルにおいて求められるエレベータの連 行能力の基準としてみなすことができる。ここでは、 この分布をもとにしてエレベータの平均移動時間や待 ち時間の計算を行なう。

2 確率過程に基づく数理モデル

2.1 モデル導出のための仮定

A

二 A ∴l A

2.2 サービス回数の分布

A A A

㌃ ̄1⊥

。‖ S叫 t 図2‥(左):呼びが1回の場合、(右)‥呼びが2回の場合 k l( I ll j.貞 k 図3:エレベータがサービスを終了している場合 (枝の上部の数字は△時間の呼びの数、時間軸は逆向き) 連続運転中にサービスが1回しか含まれない場合は、 エレベータの基準階の始動から停止までの△時間の間 に呼びが1回も起こらない場合である(図2の左参照)。 サービスが2回の場合は停止までの△時間に呼びが0 であり、その前の最初のサービスの△時間に呼びが1 することができる。 △時間にた個の呼びがある確率を擁とすると、エレ ベータが停止するまでにj回サービスする確率は 図1:エレベータの動作 モデル導出のための仮定を以下に列挙する。 ●想定するビルはn階建、フロアの高さはん、1台 のエレベータが稼働しているとする。 ・音階で乗り、j階で降りる呼びは単位時間あたり平 とを1回のサービスと言う。 ●エレベータの加減速の移動に要する時間とドアの 開閉に要する時間をあわせて一定とし、それを△と おく(図1)。それ以外の定遠道転時間を無視する。 ●エレベータは呼びがない時には、定められた基準 階Jに静止しているものとする。呼びがかかると エレベータは運転を開始し、途中に新たなる呼び が発生した場合には、すべてのサービスを完了す るまでエレベータは連続遵奉する。すべてのサー ビスを完了した後に、新たに呼びの要求がかから ない場合にはすみやかに基準階に戻るものとする。 ●連続運転中のサービスの順は着信順とする。 ∇j=輔隼1+ゆ1サメ−1 である。ここで、 せ1= 叫− n+1 甘冒 = ∑擁 i=O n+1 甘言−=∑榊㌍) ̄i i=0 (1) (4) である。以降の数値計算は、この漸化式を使って平均 待ち時間、平均移動時間を計算する。 1sima.ka.wa@ta.guchi−1ab.ise.chuo−u.aC.jp ー62− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(2)

エレベータの単位時間当たりの呼びの回数は平均 ixj A=∑入iブ=∑入よ i,j 鳥=0 4 1012107014891111 981410‖06−1112 さ12910160973 −96−−1160910 121091181191009 58119−91012110 18501010861210 12120111131114813 1008−1310810710 012101日95Hl1098 123156−8︰910 (5) のPoisson分布に従う。式(5)の右辺はi,jのsubscript を如こつけかえている。 擁は、△時間の間に発生した呼びをβ直=1,…,た) とすると

血=入β.e一人△

J=1 (6)

3 数値実験

計算機によってエレベータのシミュレーションを行 ない、これをモデルの計算結果と比較した。 3.1 エレベータの稼働条件 エレベータは以下の条件で動作するものと仮定して、 計算棟シミュレーションを行なった。 ●10階建のビル、フロアの高さは4I乃、基準階は1 階とする。 ●エレベータの時速はVたm、ドアの開閉時間を∂と し、パラメー タとして与える。 ・盲階からJ階への呼び発生確率入iブは1時間で1回 とする。 ●シュミレーション時間は10時間とする。 ●サービスが完了すると瞬時に基準階へ移動するも のとする。 3.2、OD対の作成 シミュレーションにおいて、音階からノ階までの呼び の発生確率はすべての盲,Jによらず一定とした。この仮 定のもとで、生成するODデータを表1に示す。 乱3 計算結果 と与えられる。

2.3 平均待ち時間

2.2では、定速移動の時間を無視して鶴の計算をし た。以下では∇‘を定速移動の時間を考慮して導出した ものと見なして平均待ち時間と平均移動時間の導出を 行なう。 t l 二 = 二; = I

ll l】 ■k ll

トーl l_>l 図4:呼び2回の時の待ち時間 以下、エレベータの移動スピードをγ、ドアの開閉 時間を∂とする。図4における基準階Jから壷階までの 平均移動時間は

g=詳(人ij)

エ (7) ゴ で与えられる。また、jからj階までの平均移動時間は

′=云皇吐詳

Åiブ i J (8) で与えられる。 最初の呼びの平均待ち時間ひ1=gは明らかである。

2回目以降の呼びについての平均待ち時間は、呼びの

起こる時刻を考慮すると、 1 3(2和一1)∫.2n− 1 ○ ∝旧 l∝p 柑q) 2∝氾 J+ ひn= 弄g+ 2rl ノ ー 2,l− である。したがって、エレベータの平均待ち時間は以 下のように与えられる。 図5:理論値とシュミレーションによる値 (∂=15(5叫,Ⅴ=40、縦軸はサービス回数、横軸はサービ スに要した時間) 図5にシミュレーションによる分布とモデルから算 出された分布を示す。理論値とシュミレーションの結 果が良く一敦していることがわかる。

参考文献

【1】田口東:Jo髄r乃αJげ翫Operα如几βReβeαrCん∫oc菖− eiyqfJapan・Vol・37,No・3,(Sep・1994),Pp.232 [2】伏見正則:確率と確率過程,講談社,1987. ∞ せ1叫+∑サ湖 i=2 (10) 2.4 平均移動時間 平均移動時間は、呼びが行なわれてから目的階に到 着するまでの時間の平均であり、稼働率の指標の一つ とみなすことができる。 Cく〉 勘(g+J)+2∑町 i=2 (11) ー63− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

参照

関連したドキュメント

補助上限額 (1日あたり) 7時間 約26.9万円 4時間 約15.4万円.

*1. ’18/11公表 2030年SDGs達成に向けたコミットメント(Resona Sustainability Challenge

〔付記〕

予報モデルの種類 予報領域と格子間隔 予報期間 局地モデル 日本周辺 2km 9時間 メソモデル 日本周辺 5km 39時間.. 全球モデル

22年度 23年度 24年度 25年度 配置時間数(小) 2,559 日間 2,652 日間 2,657 日間 2,648.5 日間 配置時間数(中) 3,411 時間 3,672 時間

19年度 20年度 21年度 22年度 配置時間数(小) 1,672 日間 1,672 日間 2,629 日間 2,559 日間 配置時間数(中) 3,576 時間 2,786 時間

傷病者発生からモバイル AED 隊到着までの時間 覚知時間等の時間の記載が全くなかった4症例 を除いた

 STEP ①の JP 計装ラックライン各ラインの封入確認実施期間および STEP ②の封入量乗 せ替え操作実施後 24 時間は 1 時間に