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Academic year: 2021

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C-16

伝統木造軸組の柱傾斜復元力特性と貫効果に関する実験的研究

〇前野将輝・鈴木祥之 1.はじめに 本研究では、図1に示す我が国の社寺建築が有 する構造的特徴を盛り込んだ実大軸組試験体を 使用して行った、振動実験及び静的水平力載荷実 験より、柱に生じる力の釣合関係を検証する。ま た、組物を含む柱の復元力を推定し、柱傾斜復元 力特性と貫効果の影響について考察する。 2.柱に生じる力の釣合関係 正弦波0.60Hz 35Gal 入力時における架構全体 の復元力から求めた柱1本分の復元力モーメン ト Ph と、柱頭部、柱脚部、柱-頭貫接合部にそ れぞれ生じるモーメント M1M2Mubを加算した 加算モーメント(M1+M2+Mub)の時刻歴波形を図2 に示す。また、一連の正弦波入力時における柱1 本分の復元力モーメントと加算モーメントの包 絡曲線を図3に示す。図より、入力加速度振幅レ ベルに関わらず、加算モーメントと復元力モーメ ントはほぼ一致しており、軸組構法を主とした伝 統木造構造において、架構全体の復元力と柱頭部、 柱脚部、及び各柱-貫接合部に生じる力の釣合関 係 Ph=(M1+M2+Mub)が成立することが明らかとな った。 3.組物を含む柱の復元力と貫効果 ここで、柱1本分に換算した復元力と、頭貫接 合部のモーメント抵抗を減じた組物を含む柱の復 元力の包絡曲線を、既往の研究[1],[2]より算出され た柱傾斜復元力と共に図4に示す。なお、それぞ れの復元力は、柱に生じる力の釣合関係を考慮し て、柱高さを乗じてモーメント換算して示す。 図4より、小変形レベルでは復元力と組物を含 む柱の復元力の値に大きな差はなく、柱傾斜復元 力の効果が大きいと考えられるが、変形が大きく なるにつれて両者の差が大きくなり、貫のモーメ ント抵抗効果が大きくなることが示された。また、 1/13rad を超える変形レベルにおいて、組物を含 む柱の復元力が0よりも小さい値を示している。 既往の研究では架構が転倒する変形領域であるが、 本実験では試験体は転倒せず、架構全体の復元力 が急激に低下する傾向も見られなかった。以上よ り、柱傾斜復元力の効果が期待できない大変形レ ベルにおいても、貫効果によって架構全体が十分 な耐力を示すことが明らかとなった。 参考文献

[1] Naohito Kawai:Column Rocking Resistance in Japanese Traditional Buildings,Proceeding of the International Wood Engineering Conference,Volumn-1,pp.183-190,1996.10 [2] 文化庁文化財建造物課:重要文化財(建造物)基礎診断実施 要項,2001.4 図1 試験体図 頭貫(114×181) 重り(コンクリート製板状重り) 1000 3750 1000 1000 2250 1000 3550 4237 5000 1150 200 436 桁梁(116×327) 礎石(405×405) 柱(φ308) -10 0 10 0 10 20 30 復元力モーメント 各部加算モーメント モーメ ン ト [k N ・m] Time[sec] -2 0 2 4 6 8 0 1/60 1/30 1/20 1/15 1/12 復元力モーメント 組物を含む推定復元力M 剛体仮定時 文化庁近似式 河合式 モー メ ン ト [k N ・ m] 層間変形角[rad] 図4 組物を含む柱の復元力と柱傾斜復元力 図3 各部加算モーメントと復元力の比較 図2 各部加算モーメントと復元力の比較 (正弦波0.60Hz 35Gal 入力時) -6 -3 0 3 6 -1/30 -1/40 -1/60 -1/120 0 1/120 1/60 1/40 1/30 復元力モーメント 加算モーメント モー メ ン ト [k N ・ m] 層間変形角[rad]

参照

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