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原子炉圧力容器破壊靭性値曲線の合理的な設定法の提案

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Academic year: 2021

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(1)主要な研究成果. 原子炉圧力容器破壊靭性値曲線の合理的な設定法の提案 背 景 原子炉圧力容器(RPV)の破壊靭性の評価曲線は温度に対する破壊靭性値の下限包絡線(KIc 曲線)として 帰納的に決められており、これに代わるより合理的な破壊靭性評価が求められている。近年、破壊靭性が本来 有する統計分布特性を考慮してその信頼限界を理論的に定める、いわゆる「マスターカーブ法」* 1 が提案され た。海外では同法の規格、ガイドラインへの採用が進められており、我が国でも適用の是非が議論されつつあ る。当所ではこれまで国産 RPV 鋼を対象とした体系的な破壊靭性試験を行い、マスターカーブ法が適用可能 であることを明らかにしてきた。マスターカーブ法に基づき、KIc 曲線の代替として下限界曲線を考える場合、 破壊靭性の統計分布特性を正しく反映してこれを設定すべきであるが、現行の米国試験材料協会(ASTM) 基準における設定方法は半経験的であり、信頼性に関する検討は十分ではない。. 目 的 破壊靭性の統計分布特性および信頼性に関する検討を通じて、破壊靭性の下限界曲線の合理的な設定方法を 提案する。. 主な成果 1.下限界曲線の合理的な設定方法の提案 下限界曲線は、(a)破壊靭性のばらつきを包絡するようマスターカーブを切り下げて信頼限界を定め、 。 (b)参照温度* 2 の不確定性を考慮して信頼限界を高温側にシフトする、という過程を経て導かれる(図 1) 現行の ASTM 基準では、信頼限界を定めるのにデータ数の効果を考慮していない、下限界曲線を得る際の シフト量を半経験的に決めている、という問題があったが、これらを克服した下限界曲線の理論的な設定方 法を新たに提案した(表 1)。 2.提案曲線の検証 新たに設定した下限界曲線により、国産 RPV 鋼のばらつきを有する破壊靭性データが安全側に包絡され ることを検証した(図 2)。. 今後の展開 現行の監視試験と共存し得る、より小型の試験片を用いたマスターカーブ評価手法の開発を目指す。 主担当者 関連報告書. PLM 総括プロジェクト 照射脆化ユニット 上席研究員 三浦 直樹 「国産原子炉圧力容器鋼に対するマスターカーブ破壊靭性評価法への小型試験片の適用性検 討」電力中央研究所報告: Q07304(2008 年 7 月) 「マスターカーブ法による破壊靭性値曲線の合理的設定法の提案」電力中央研究所報告: Q07305(2008年 7 月). * 1 :同一条件下におけるフェライト鋼の破壊靭性のばらつきを最弱リンクモデルに基づくワイブル分布により記述 し、かつその分布の中間値の温度依存性を、一本の曲線(マスターカーブ)によって記述する手法。 * 2 :マスターカーブ上で破壊靭性値 100MPa - m1/2 に対応する温度。マスターカーブの形状は材料によらず不変なので、 参照温度がマスターカーブの位置を決める唯一の指標となる。. 98.

(2) 5.原子力発電. 破壊靭性. マスターカーブ (破壊靭性の中間値) 信頼限界 (破壊靭性のばらつきを包絡) (b). (a ( ) a). 下限界曲線 (参照温度の不確定性を考慮) 温 度 図1 下限界曲線の設定方法の模式図 (a)破壊靭性のばらつきを包絡するようマスターカーブを切り下げて信頼限界を定める (b)参照温度の不確定性を考慮して信頼限界を高温側にシフトする. 表1 提案する下限界曲線の設定方法の特長と現行基準との比較 現行ASTM基準 信頼限界の 決め方. 提案法. データ数が十分大きいとして切 切り下げ率をデータ数および要 り下げ率を一定値に固定 求信頼水準の関数として規定. 下限界曲線を 最低必要データ数に対し半経験 参照温度の統計分布特性をもと 得るためのシフト量 的にシフト量を決定 に解析的にシフト量を決定. 5 250 ASTM基準による 下限界曲線(半経験的). 破壊靭性 MPa-m1/2. 200. 150 試験データ 100 提案法による 下限界曲線(理論的). 50. 0 -100. -80. - 60. -40. - 20. 0. 20. 40. 60. 80. 100. 温度-参照温度, ℃. 図2 試験データと下限界曲線の比較の例 試験データはSFVQ1A鋼の厚さ10ミリから100ミリの試験片約100体より取得. 99.

(3)

参照

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