「在宅の心身障害児への看護音楽療法 -家族も楽しく参加できるプログラムの開発」
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(2) Ⅰ.研究の背景 研究者らの主催する「看護音楽療法(以下、本療法) 」は、生演奏により創られた音楽空 間の中で、看護師がリードしながらトランポリン運動とケアを行い、楽しく心地よいセッ ションを体感してもらうことにより心身の活性化を図る療法である。本療法のユニークな 取り組みの1つは、看護師、演奏家、特別支援教育の専門家ら多職種が協働して、対象者 の QOL の改善にアプローチをしていることである 1)2)。在宅の重症心身障害児・者を対象と するコミュニケーション改善を目的としたこれまでの実践研究により、本療法に家族が参 加する場面が自然発生的に多くなり、児・者との楽しい交流の場になっていること、スタ ッフもまた家族の協力により、快・不快や「イエス・ノー」の表出が不自由な児・者との 相互交流が促されることが見いだされた 3)4)5)。なお、参加する家族の関わり方には個別性 がみられた。 また近年、本療法の取り組みを知って、重症心身障害児・者の参加が増えたこと、年齢 や障害の様相が異なることもあり、各々に適した個別プログラムの作成が必要になってき た。 個別プログラム作成にあたっては、家族の果たす役割が重要と考えられたため、改めて 家族の希望を反映させ、楽しく参加できる個別プログラムの開発に取り組むこととした。. Ⅱ.研究の目的 本研究では、心身障害児・者の家族がセッションにおいて果たしている役割、および期 待することを明らかにし、家族も楽しく参加できるプログラムの開発を目的とした。. Ⅲ.研究方法 1.対象:研究参加の同意が得られた、本療法に参加する心身障害児・者(以下、本人と する)6 名とその家族。 2.データ収集期間:平成 25 年 8 月~平成 26 年7月(本療法の実施は、原則として月に 2 回) 。 3.データ収集の方法および分析 本療法の実施記録および家族に対する聞き取りの結果から、個別プログラムの作成に必 要と思われるデータを抽出し、研究協力者ら(以下、スタッフとする)と検討・吟味し た。 2.
(3) 4.プログラム作成の手順 1)心身障害児・者の標準的プログラム 個別プログラムの検討に先立って、心身障害児・者の標準的プログラムを作成した。 その枠組みは、①本療法の目標、②家族がどのように参加するか(家族の役割) 、③トラ ンポリンプログラムの構成要素にそった具体的メニュー、から構成されている(表1)。 2)仮個別プログラムの作成 上記①②の枠組みをもとに、以下の手順に沿って作成した。 (1)本療法参加当初からの対象者の心身の状況、ならびに家族がどのような役割を果たし ていたか、を実施記録の振り返りによって把握した。 (2)家族のプログラムに対する希望を取り入れるため、①本人にどうなって欲しいか、② 家族はどのように参加したいか、について把握した。 (3)上記の結果を総合して、家族の希望を反映し、家族の役割を組み込んだ仮個別プログ ラムを作成した。 3)仮個別プログラムの実施と評価 (1)仮個別プログラムの実施にあたっては、毎回の体調や疲労度などを考慮した上で、 父・母と相談して決め、終了後の結果から評価し、随時修正した。 (2)ほぼプログラムが決定した時点で、家族に対して感想を尋ねた。 4)個別プログラムの完成 得られた全データを整理し、その結果を反映した個別プログラムを完成させた。なお、 仮プログラム実施後の修正点は表中の下線部に示した。 5.倫理的配慮 本研究の参加にあたり、事前に本人及び家族に療法への参加と主旨について口頭及び文 書で説明した。また研究への参加を同意しない場合や途中で参加を辞退しても不利益を被 らないこと、今回得たデータについてはプライバシーの保護、研究以外には用いないこと を本人と家族に説明した。本人は未成年であり意思の疎通が難しいため、書面をもって代 諾者である両親の同意を得た。なお、本研究は研究者が所属する法人の倫理委員会の承認 を得た。. Ⅳ.結果 1.対象の概要について 対象の概要については表2に示す通りである。 1)本人の年代は、幼児期・学童期各 1 名(以下、年少事例) 、10 代後期 4 名(以下、青年 事例)で、性別は男性 2 名、女性 4 名であった。参加家族は、30~50 代の父 2 名、母 6 名であった。 3.
(4) 2)参加回数は、月 1 回参加の年少事例 2 例のうち1例は入院治療のため 4 回の参加であ ったが、他 1 例はほぼ毎回参加していた。月 2 回参加の青年事例 4 例はほぼ毎回参加し ていた。 3)主な病名・症状・治療状況は、全例で脳機能障害による四肢または不全麻痺等の運動 障害と言語障害があり、1名が強度の側弯症のためコルセットを装着していた。治療状 況は、抗痙攣薬の内服治療 4 名(うち 1 例は筋弛緩薬の髄腔内持続投与中)で、2 名が気 管切開しておりうち 1 名は人工呼吸器を装着していた。 4)心身の状況は、つかまり立ち・伝い歩きなど介助歩行可能が 3 名、姿勢保持・移動は 全介助が 3 名であった。意思の疎通については、全例で表情や仕草などから「イエス・ ノー」を推察していたが、不十分であった。 2.対象毎の個別プログラムについて 1)A さんの場合 (1)A さんの状況と課題 A さんは小学校入学間近の男児で、参加して 3 年 2 ケ月になる。病状や治療薬の影響に より体調が不安定で、家族の方に活発に這い出す日と、ぐったりと活気のない日があっ た。意志疎通については、活気のある日は、声をかける相手の誰にでも元気な笑顔を見 せていた。 トランポリンでは家族の姿が視界に入るよう配慮し、父母が直接介助するようにする と、這い出すことなく楽しそうに歓声を上げた。またスタッフや父母がハンドドラムな どの太鼓を叩くよう促すと、背筋を伸ばし笑顔を返しながら、時には介助の手を振り切 って叩き、姿勢やコミュニケーションの改善に効果を感じた。 A さんの課題は、体調に合わせ本人の意思を尊重しながら、楽しくトランポリンで座位 をとること、であった。 (2)父母が果たしていた役割と、プログラムに対する希望 父母は家族のことが大好きな A さんの傍で見守り、トランポリンや楽器演奏などの活 動に一緒に参加することによって、A さんが安心して楽しくセッションに集中できるよう にしていた。 父母に本人にどうなって欲しいか尋ねると、 「発作が減るという淡い期待」 「立つこと、 歩くこと」の他に、 「トランポリンの日常に無い動きを経験することによって楽しさを感 じ」「色々な人と触れ合い」「色々複合的なコミュニケーション」の場となって欲しい、 であった。父母がどのように参加したいかについては、「どう参加するか教えて欲しい」 であり、家での関わりのヒントになるので「リハビリの様子を直接見る機会」とし、 「家 に持ち帰ってすること、宿題、OK です」であった。 父母の希望は、親子一緒の楽しいトランポリンの実施による身体機能とコミュニケー 4.
(5) ションの向上、であった。 (3)仮個別プログラムのポイント 以上の情報を総合して作成した A さんの仮個別プログラムのポイントを以下に示す。 なお A さんの仮個別プログラム実施は、入院のため 2 回であった。 ①目標は、体調に合わせて安全で心地よいバウンドが楽しめるようにする、言葉かけ、 音楽、バウンドを通じて周囲と楽しく交流する機会を増やしコミュニケーションを促す、 とした。 ②父母の役割については、体調の把握と親子が楽しい時間を共有するために、親子で一 緒にトランポリンに乗るよう配慮する、本人の意欲を尊重しながら親子一緒の楽器演奏 を積極的に取り入れ、親子の交流をはかる、とした。 ③具体的なトランポリンメニューについては、姿勢は、体調把握と本人の安心のために 導入時は父が抱いて乗り母介助の座位で楽しく終了する、バウンドは、姿勢が保てる程 度に小から中バウンドとし、時間については基本通り、とした。 意思確認は、開始の合図に返事は無いので、笑顔の有無、セッションに集中している か、姿勢を保っているか、等で判断する、とした。楽器演奏については、口にくわえて も危険の無い形状の楽器を選び、本人の意欲を確かめながら静止時に実施する。特に太 鼓類はそれまでの反応が良いので積極的に用いた。音楽は、本人の好みの曲がわからな いので、 「親子で楽しい体験のある曲」を基本に、歌詞の有無も考慮し、選曲した。その 他、トランポリン実施時は、父母の姿がみえるようにし、運動具(ドッジボール)は、 前屈する上体を支えるために随時使用とした。 (4)個別プログラムの完成 以下の評価と修正により完成したプログラムを表 3 に示す。 ①父母の聞き取りによる評価 本人については「トランポリンによって姿勢がしっかりして欲しい」 「目標を持ってト ランポリンに乗せたい」「嫌なら嫌と言えるようになって欲しい」、父母自身については 「 (他児の父母のように)協力して賑やかに参加したい」との希望が語られた。プログラ ムについては、入院治療後に体調が変化したが、全体として「今のままで良い」であっ た。 ②総合的評価と修正点 ア)目標について、参加時の反応により意思確認の際に笑顔でも嫌である場合がある と判ったので、家族の希望もあり、様々な反応を引き出すように積極的に働きかけて 意志表示を促す、を付け加える。 イ)父母の役割について、父母が協力して楽しく賑やかに盛り立てるようにする、を付 け加える。 5.
(6) ウ)姿勢については、入院治療後は発作の心配が減り、本人の姿勢が改善しているので、 父の抱っこによる導入ではなく独り座位で開始、とした。また介助による膝立ちの姿勢 も取り入れる。 エ)意思確認については、笑顔であっても、逃げ出す、手を振り払う、与えられた楽器 類を押し出すなどの場合は、嫌・飽きた・疲れた、と判断する。 オ)楽器演奏については、活気の無い日でも父の促しに応えながら笑顔で太鼓を叩いた ので、継続する。 2)B さんの場合 (1)B さんの状況と課題 B さんは特別支援小学校に通っている女児で、参加して 3 年 5 ケ月になる。B さんは伝 い歩きができるがトランポリンではすぐに座り込み、特定の模様や手触りの玩具に集中 すると周囲の働きかけに反応しなかった。意思の疎通は表情の変化で推察していた。し かし父母が協力して楽しい雰囲気で関わると、スタッフの働きかけにも応え、笑顔で独 り座位と介助の立位がとれるようになった。 B さんの課題は、立位で楽しく安定して跳べるようになることであった。 (2)父母が果たしていた役割と、プログラムに対する希望 父母はいつも B さんを見守っており、B さんがスタッフの働きかけに反応しない時には、 自発的に楽器や声かけで楽しい雰囲気をつくっていた。特に父が B さんの手をとったり バウンドを作ったりすると、楽しそうに立位で跳ぶことができていた。 父母に本人にどうなって欲しいか尋ねると、「立てるようになって欲しい」「本人の動 きに合わせた生演奏でトランポリンに乗れる機会は他にない」「(トランポリンは普通と は違う動きなので)運動機能と発達を促すようにトランポリンに十分に乗らせたい」 「色々な年代の人と触れあって欲しい」であった。父母がどのように参加したいかにつ いては、 「今まで通り一緒で関わって行きたい」、父自身は「トランポリンに一緒に乗っ てみたい」とのことだった。 父母の希望は、父が直接的に姿勢を介助して立位をとり、父母や他参加者との交流を はかりながら発達が促進されることであった。 (3)仮個別プログラムのポイント 以上の情報を総合して作成した B さんの仮個別プログラムのポイントを以下に示す。 ①目標は、父母の協力の元に出来るだけ楽しく立位で跳べるようにする、言葉かけ、音 楽、バウンドを通じて、他参加者とのコミュニケーションを促す、とした。 ②父母の役割については、父が一緒にトランポリンに乗る・手を取るなど直接的な姿勢 の介助をし、親子が交流しながら楽しく立位がとれるようにする、とした。 6.
(7) ③具体的なトランポリンメニューについては、姿勢は、座位では大バウンドを楽しみ、 立位では毎回、父による姿勢介助で導入し、展開時はスタッフの姿勢介助で父母は見守 りや励ましとする。時間については、あまり長いと座り込むので基本通りとする。 意思確認は、こだわりの物に集中していても必ず声をかけて、表情の変化などの反 応を確かめてから進行し、周囲との交流や意思の疎通をはかる。楽器演奏については、 本人に持たせるとバウンドに集中し難いので、それまで通り父母が使って注意を惹き 励ますようにしてもらう。音楽は、本人が楽しく面白く跳べる曲を選び、本人の好み を試す。その他、運動具(フラフープ、リボン)を用いた関わりは、セッションの進行 に注意を向けるきっかけとなり姿勢も改善するので、随時使用とした。 (4)個別プログラムの完成 以下の評価と修正点から完成したプログラムを表 4.に示す。 ①父母の聞き取りによる評価 概ね参加当初のイメージ通りに、本人が楽しく意欲的に参加し、父母も一緒にトラ ンポリンに乗り「肌で触れ合う感じがする」ので楽しく参加できたとのことであった。 プログラムについては、 「自分達は親として遊べれば良いし、ここへ来ているのは専門的な 知識を持った人がトランポリンをやって貰いたい」とスタッフの専門性を求めていたが、 「そ れまで通りで良い」であった。. ②総合的評価と修正点 ア)目標について、父の希望により、家族と遊ぶように楽しく関わって意欲的にセッ ションに参加できるようにする、とする。 イ)父母の役割については、父が参加できない時に母にも直接介助をして貰った。長 く楽しそうに立位で跳べたので、母による姿勢介助、も付け加える。 ウ)意思確認については、こだわりの物に集中していても、顔を上げて眼を合わせる ようになり、意思の疎通もはかれるようになったので、継続する。 エ)楽器演奏については、母が「色々な楽器を演奏することが楽しい」と言いながら 演奏によって本人に働きかけ、笑顔や立つ意欲を引き出していたので、継続する。 オ)選曲については、本人の好みはわからないが、音楽そのものをじっくり楽しめる ゆったりした曲と、アップテンポで刺激的な曲とをバウンドに合わせて使い分ける、と する。 3)C さんの場合 (1)C さんの状況と課題 C さんは特別支援高等学校に在学中の女性で、参加して 3 年 8 ケ月になる。C さんは右 不全麻痺や空間認知障害のため姿勢や歩行のバランスが悪く、トランポリン上では不安 そうな表情になって独りでは立てない。意思の疎通は、質問に対し「ウン」と答えたり 7.
(8) 眼を逸らして黙り込んだりという反応から「イエス・ノー」を推察していた。音楽は好 きでピアノ演奏に聴き入り、楽器を持たせると楽しそうに鳴らし、トランポリン上で歌 いかけると大歓声をあげた。 C さんの課題は、怖がらずに独りで立位がとれるようになること、意志表示や社会性が 向上することであった。 (2)母が果たしていた役割と、プログラムに対する希望 母は C さんの傍に常に付き添い、他参加者との交流を促していた。また、スタッフの 働きかけに対し C さんが反応しない時は、本人の気持ちを代弁し、本人の行動を促して いた。 母に本人にどうなって欲しいかを尋ねると、「しっかり立って欲しい」「人との触れ合 いを本人が楽しんで欲しい」 「スタッフと仲良くなって欲しい」であった。また「メリハ リが欲しい。この曲の時は凄い跳ぶ!とか」 「体力があるので長く跳ばせたい」と具体的 な希望があった。 母の希望は、音楽を楽しみながらバランス良く立位がとれるようになること、他参加 者との交流によって意思表示や社会性が高まることであった。 (3)仮個別プログラムのポイント 以上の情報を総合して作成した C さんの仮個別プログラムのポイントを以下に示す。 ①目標は、音楽に合わせて跳び方に変化をつけ、トランポリン上でバランス良く立位を とれるようにする、言葉かけ、音楽、バウンドを通じて他参加者と交流し意思の疎通や 社会性の向上をはかる、とした。 ②母の役割については、見守りを基本に本人の意思の代弁、本人の体調や曲の好みなど の情報を提供してもらい、トランポリンの跳び方などの希望は参考としていく、とした。 ③具体的なトランポリンメニューについては、独りでバランスよく立てるようになるよ う、姿勢は、導入時は前方から介助者が片手を介助して跳び、本人が自発的に手を離し たら別の介助者が後に一緒に乗って見守る、時間は、基本より長めにとる、とした。 意思確認については、視野に入るように顔を覗きこみ眼を合わせ、確実にできるよう にする。楽器演奏は、楽器を持たせることによって、怖がらず自然に両手を介助者から 離して楽しく立位がとれる機会とする。音楽は、定番の曲以外にバウンドに合うよう雰 囲気に変化をつけ、呼名する曲(例:魔法使いサリー、の名前の部分を C ちゃん、と替 える)や歌詞のある曲で会話するように歌いかけることによって、対話をはかる。その 他、他者との交流の機会とするために、トランポリンの時は他者が視界に入る位置に来 てもらう、とした。 (4)個別プログラムの完成 8.
(9) 以下の評価と修正点から完成したプログラムを表 5 に示す。 ①母の聞き取りによる評価 本人が立位で安定して跳べるようになり、「(本人は)人が好きだから皆に可愛がって 貰うと嬉しい」 、母娘ともに他参加者との良い交流の場となり、「月に2回の療法参加を 楽しみに生活している」であった。プログラムについては概ね希望通りに参加できたの で、 「今のままでよい」だった。 ②総合的評価と修正点 ア)独りで安定した立位がとれるようになったので、後介助者はトランポリンサイド からの見守りとした。また不全麻痺側の右膝も上手につかえるようにするために、介 助者が一緒に乗って左右に 3 拍子で重心移動を促す跳び方と音楽を追加する。 イ)意思確認については、声かけにほぼ確実に「ウン」と声に出して返事をするよう にので、継続する。 ウ)歌いかけによる歓声が、多彩になり色々なニュアンスが感じられるようになった ので、継続する。 エ)楽器演奏を通して、意図した通り、怖がらずに立位が取れるようになった。また トウモロコシ型ギロでピアニストと音のやり取りをする様子が見られ、見守る他参加 者の励ましに応えるように楽器を鳴らすようになった。他参加者と交流する機会とな ったので、継続する。 4)D さんの場合 (1)D さんの状況と課題 D さんは 10 代後期の男性で、参加して 6 年 4 ケ月になる。D さんは関節の拘縮が進んで きており、定期的にボトックスを注射している。また僅かな移動や姿勢の変化により全 身の筋肉が硬直しやすく、苦痛なく安定した姿勢を取ることが難しかった。意思の疎通 は、表情、身体の緊張の度合い、瞬きによって「快・不快」や「イエス・ノー」が僅か に推察できる程度で、難しかった。 D さんの課題は、本人の意思を推しはかりながら、筋緊張を引き起こさずに安楽で安定 した姿勢をとることであった。 (2)母が果たしていた役割と、プログラムに対する希望 母は D さんを見守り、体調・音楽の好みや、僅かな本人の反応をスタッフに情報提供 し、意思を代弁していた。また、D さんの姿勢介助ついてスタッフにアドバイスし、眠そ うな時や反応に乏しい時は声をかけ、励ましていた。 母に、本人にどうなって欲しいか尋ねると、 「とにかく本人が楽しければ良い」であり、 「トランポリンと音と人との関わりを楽しみ」 「もっと意思表示できるようになって欲し い」であった。母がどのように参加したいかについては、 「本人と一緒に楽しみたい」 「見 9.
(10) 守りたい」であった。 母の希望は D さんがトランポリンを楽しみ、他参加者との関わりによって意思の疎通 や社会性が向上することであった。 (3)仮個別プログラムのポイント 以上の情報を総合して作成した D さんの仮個別プログラムのポイントを以下に示す。 ①目標は、苦痛の無い姿勢で楽しくトンポリンに乗るようにする、言葉かけ、音楽、バ ウンドを通した他参加者との関わりによって、意志の疎通や社会性の向上をはかる、と した。 ②母の役割については、見守りを基本に、本人の意思の代弁や、体調、快・不快、姿勢 介助や音楽についてのリクエストなどの情報提供、とする。また母も一緒に楽しめる活 動を取り入れる、とした ③具体的なトランポリンメニューについては、姿勢は、介助者が座位姿勢を微調整し、 バウンドは、苦痛となる筋緊張を引き起こさない程度に強弱をつけることとした。時間 は、疲労を予防するために基本通りとした。 意思確認は、声かけに対する瞬き、表情、右上下肢の動き、全身の緊張状態などの反 応によって判断する。また楽器演奏を取り入れ、母と一緒に演奏することで、楽しい音 楽活動や母や他参加者との交流をはかる。音楽については、施設等で馴染みの曲、母の リクエスト曲を取り入れ、本人が好む(と感じられる)曲を試していく。その他、他者 との交流の機会とするために、トランポリンの時は他者が視界に入る位置に連れて来て もらう、とした。 (4)個別プログラムの完成 以下の評価と修正により完成したプログラムを表 6 に示す。 ①母の聞き取りによる評価 「本人が楽しければ良い」という思いで参加を続け、「(本人が)人見知りしなくなって きた」と社会性の変化を感じており、プログラムについては概ね希望通りだったので「今 のままで良い」とのことであった。 ②総合的評価と修正点 ア)母の役割は、母の自発的な姿勢介助についてのアドバイスが増え、スムーズにバウ ンドが導入できたので、継続する。 イ)姿勢については、母やスタッフの励ましに応えるように自らが姿勢を修正すること ができたので、股関節の拘縮が緩和しているときには、積極的に前傾姿勢を取る、とす る。 ウ)楽器演奏は、バウンドしながら試すと D さんが嫌な顔をし、 「二つのことを同時にす るのは難しい」という母のアドバイスもあって、静止時に試すこととした。母と一緒の 10.
(11) 演奏は互いが恥ずかしそうだったので、メニューから外す。 オ)他者との交流については、他者が見学すると D さんは、注視したり表情や姿勢に変 化が見られた。また他児に付き添う母との交流も生まれたので、継続する。 5)E さんの場合 (1)E さんの状況と課題 E さんは 10 代後期の女性で、参加して 5 年になる。E さんのトランポリンでは、側弯 症でコルセットを使用している脆弱な身体の負担にならないよう、また毎日起きている てんかん発作を誘発しないよう、姿勢やバウンドを調整していた。意思の疎通は難しく、 嫌な時は泣き声を上げ、嬉しい時は母が「ペコちゃん」と呼ぶ表情や笑顔を「快・不快」 の反応の目安として関わってきた。家で聴かせている音楽をつかってトランポリンをバ ウンドさせると、表情や姿勢の変化がみられるようになってきた。 E さんの課題は、姿勢が崩れない程度にバウンドの大きさを調整し、音楽的な関わりを 取り入れて意思表出や姿勢の改善を促すこと、であった。 (2)母が果たしていた役割と、プログラムに対する希望 母は E さんを見守り、スタッフの声かけに殆ど反応しない本人の意思を代弁し、好き な曲や体調について情報を提供していた。また特に E さんが眠そうな時はマラカス等の 楽器を鳴らしながら声をかけ、バウンドや演奏などの働きかけに注意を向けるように励 ましていた。 母に本人にどうなって欲しいかを尋ねると、音楽とトランポリンによって「できるだ け笑顔が引き出される」 、音楽の関わりに「これが好きというものをみつけたい」であっ た。母がどのように参加したいかについては、 「見ていたい」 「E には刺激になるので、で きるだけスタッフの皆さんと関わって欲しい」であった。 母の希望は、母以外の他参加者と触れ合い、トランポリンや様々な音楽的関わりを通 して意思表出を促すことであった。 (3)仮個別プログラムのポイント 以上の情報を総合して作成した E さんの仮個別プログラムのポイントを以下に示す。 ①目標は、脆弱な身体に負担をかけないように安全にバウンドの刺激を体感できるよう にする、言葉かけ、バウンド、音楽的関わりによって他参加者と交流し音楽的活動の充 実をはかりながら意思表出を促す、とした。 ②母の役割については、見守りを基本に本人の意思の代弁、体調や本人が好きと思われ る曲のリクエストなどの情報提供や、自発的な活動(本人に声かけ、楽器を選んで自ら 鳴らす・本人に渡すなど)とした。 ③具体的なトランポリンメニューについては、姿勢は、疲労や発作に気をつけながら介 11.
(12) 助者が抱えるように寄りかからせ、手で頭部を支え、バウンドは、姿勢が崩れない程度 に強弱をつけて楽しませる、時間については基本通りとした。 意思確認については、声かけに対する表情の変化や眼の動きから判断し、反応を引き 出すようにする。楽器演奏は、自分で握るよう促し、他動的演奏によって音楽的活動を 豊かにしつつ他参加者との交流をはかる。音楽については、これまで通りに反応の良い 定番の曲を基本に、呼名する曲(例:魔法使いサリー、の名前の部分を E ちゃん、と替 える)もつかって歌いかける。その他、他者との交流の機会とするために、トランポリ ンの時は他者が視界に入る位置に連れて来て貰うようにした。 (4)個別プログラムの完成 以下の評価と修正により完成したプログラムを表7に示す。 ①母の聞き取りによる評価 本人については「あれだけ良い表情で起きているっていう…楽しいんだと思います」 「ここに来る時は(本人が)起きているでしょ、それが嬉しい」と、本人が楽しむ姿を 見ることを母の楽しみとしていた。また「私自身が楽しみにしている」と語った。 プログラムについては、E さんが音楽やバウンドにもっと反応を見せるようになって欲 しいという希望はあるが、 「今のままで良い」であった。 ②総合的評価と修正点 ア)トランポリン上の姿勢については、眠ってしまうことがなくなり、毎回自分で頭を 起こし周囲を見回すので、積極的に前傾姿勢を取り入れ、手による頭部の支持は不要と する。 イ)楽器演奏への反応は不確かであったが、本人の反応を引き出す大事な機会として継 続する。 ウ)音楽については、特定の曲で母や他参加者の誰もが認めるほど表情がイキイキする ようになった。そして自分で頭部を保持できるようになったので、継続する。 エ)母の声かけに表情が変わる様子がみられたので、母の関わりは継続してもらう。 6)F さんの場合 (1)F さんの状況と課題 F さんは 10 代後期の女性で、参加して 9 ケ月になる。F さんは人工呼吸器を装着してお り、母とヘルパーが付き添って電動車椅子と公共の乗り物で 1 時間以上かけて通ってく る。到着時には疲れて眠ってしまうことも多い。 F さんは移動や姿勢の変化や僅かに動く右手で何かしようとする時に、全身の緊張と不 随意運動が起きることが多かった。気切部を保護しながら不安定な頭部を支える必要も あり、座位の保持も難しかった。意思はあり、質問には相手の眼を見る、顔をしかめる、 口元を動かす、などの反応があるが、 「イエス・ノー」の確認には母の助けが必要だった。 12.
(13) また、同年代の他参加者が視界に入ると注視しており、関心があるようだった。音楽に 関しては、習っていたバレエの曲で表情が変わったり、右手に持たせた楽器を鳴らそう としたりした。 Fさんの課題は、意思確認に努めながら音楽的活動を取り入れ、筋緊張を引き起こさ ず安定した座位姿勢をとることであった。 (2)母が果たしていた役割と、プログラムに対する希望 母は 1 時間半程の滞在中に数回吸引しながらヘルパーともに F さんを見守っていた。そ して F さんの表情や体の緊張の具合をスタッフに伝えて意思を代弁したり、体が緊張で 反り返るとリラックスするようになだめ、励ましたりしていた。 母に本人にどうなって欲しいかを尋ねると、「コミュニケーションが一番」「(自分で) 判って貰うように努力が必要」 「同年代の人と触れ合う時間を一杯つくって欲しい」であ った。母はどのように参加したいか尋ねると「ずっと手足になるわけにはいかない」 「程 よい距離をとりたい(本人も鬱陶しいと思う)」であった。 母の希望は、F さんと同年代の他参加者との交流や、それによって意思の疎通や社会性 が向上すること、であった。 (3)仮個別プログラムのポイント 以上の情報を総合して作成した F さんの仮個別プログラムのポイントを表 8 に示す。 ①目標は、体の緊張を引き起こさないように心地よくトランポリンに乗って本人の意志 を尊重した活動をする、音楽、トランポリン、同年代の他参加者との関わりによって意 思の疎通や社会性の向上をはかる、とした。 ②母の役割については、他参加者との交流促進のために、見守りを基本に本人の意思の 代弁、体調や快・不快、姿勢介助のアドバイス等の情報提供、とした。 ③具体的なトランポリンメニューについては、移乗は、疲労や筋緊張を引き起こさない ように人工呼吸器の扱いに十分に気をつけながら 3 人以上で静かに行い、姿勢は、寄り 掛かり気味の胡坐座位で頭部までしっかり支持し、姿勢保持のためにクッション等の補 助具を十分につかう、バウンドは筋緊張を引き起こさないように小から中バウンドで強 弱をつけ変化を楽しめるようにする、とした。時間については、疲労しないように基本 通りとした。 意思確認については、視線や表情の変化等により読み取るよう努めた。楽器演奏につ いては右手で握れる楽器を選んで自動的・他動的な演奏を促し、音楽については、本人 が音楽好きなので、バレエ曲の他に色々なジャンルの曲を試した。その他、他者との交 流の機会とするために、トランポリンの時は同年代の他参加者が視界に入る位置に連れ て来てもらうようにした。. 13.
(14) (4)個別プログラムの完成 以下の評価と修正により完成したプログラムを表 8 に示す。 ①母の聞き取りによる評価 母は F さんが「人と接する喜びとか楽しみ」が経験でき、 「母から離れても不安がらな くなった」 「友達に会える」と社会性の変化を感じていた。また、楽器演奏については音 楽を聴きたい時と鳴らしたい時がある、という演奏を勧めるタイミングや、好みの楽器 が見つかると良い、という音楽的関わりについての希望があった。プログラムについて は、概ね希望通りであり、本人も「楽しんでいる」ので「今のままで良い」であった。 ②総合的評価と修正点 ア)母の役割は、スタッフからの相談が減ったが引き続き見守りを継続してもらう。 イ)姿勢については、自分で頭を起こすなど姿勢を保つ動きがみられ、体が緊張するこ とも減ったので、介助者が積極的に上体を起こすようにし、大きなバウンドを取り入れ る。疲労しなくなったので、時間についても 5 分程度基本より延長する。 ウ)楽器演奏については、自分で鳴らす様子があるので、演奏するかどうかは本人の自 発性を優先し、音楽を静かに聴く時と賑やかに鳴らす時を区別する。 オ)音楽については流行の J-pop や好きな映画曲など、関心を示す曲のジャンルが広が ったので、積極的に多彩な曲を取り入れる。 カ)意思確認については、母に頼らず「イエス・ノー」が推察されるようになったので、 継続する。 キ)同年代の他参加者との交流については、眠そうな時でも眼を開き相手を注視し、イ キイキとした表情になり、他者に付き添う母達との交流も増えたので、継続する。. Ⅴ.考察 1.個別プログラムの作成にあたって気づいた点 今回、 「家族も楽しく参加できるプログラム」を作成する過程で、本人の年代による違い や、安定した姿勢の重要性が明らかになった。 1)本人の年代による違い 年少事例の場合は、父母は「立てるようになって欲しい」「運動機能の発達が促されて 欲しい」と本人の発達促進を願っていた。父母と子どもとの関わりについては、「家族で 一緒に関わりたい」「トランポリンに一緒に乗りたい」と直接的に参加することを望んで いた。そこで親子一緒の楽器演奏を促し、父母が直接に姿勢を介助してトランポリンに乗 るよう配慮したプログラムを実施した。その結果、A さん・B さんは、父母が直接的に関 わることで安心し、一緒に遊ぶような気持ちで楽しくセッション参加することが出来たと 考えられる。父母に関しては、トランポリンで「肌で触れ合う感じがする」ことが楽しい 14.
(15) という感想があったことから、直接的な参加によって親子が交流する喜びが得られた。 よって、年少事例では本人と一体感をもって喜びが感じられるよう、家族が本人と接す ることのできる場面、つまり家族の直接的な役割を出来るだけ多く取り入れることが、家 族も楽しめるプログラムの要素であるといえる。 一方、青年事例の場合、母は「コミュニケーションが一番」「笑顔を引き出したい」と 本人の意思疎通や、 「人との触れ合いを楽しんで欲しい」 「同年代の人と触れ合う時間をい っぱい持って欲しい」と社会性の向上を願っていた。母と子どもとの関わりについては、 「見守りたい」 「いつまでも手足になるわけにはいかない」「本人が鬱陶しいと思うので」 と距離をとることを望んでいた。保護的に関わりがちであった研究者にとって見守りたい という希望は意外であり、同時に障害があっても本人なりの発達を望む母の思いに応える 必要があると考えた。そこで、楽器演奏を積極的に取り入れて音楽による交流をはかり、 トランポリンの実施時には同年代の他参加者が見えるような位置に連れて来てもらうな ど、出来るだけ多くの人と触れ合う機会を設けた。母については情報提供や本人の意思の 代弁という見守りを中心としたプログラムを実施した。その結果、本人の意思表出が促さ れ、母以外の他参加者と交流する様子がみられた。そして本人が楽しんでいる様子を見守 ることを母自身が楽しみ、本人の意思疎通や社会性の向上を喜びとしていることがわかっ た。 よって、青年事例では、家族が安心して本人の反応を見守れる程度の距離がとれるよう に、家族の直接的な役割は最小限にすることが本人とともに家族も楽しめる要素であると いえる。 2)安定した姿勢をとることの重要性 僅かな移動や姿勢の変化によって全身が緊張してしまう D さんや、体に緊張が入りや すい上に気切部分に負担をかけずに頭部を保持する必要のあるFさんは、苦痛なく姿勢 を取ることが難しかった。そこで、トランポリンへの移乗は、2~3 人の介助者でスムー ズに行った。姿勢をとる時は母のアドバイスも参考にし、介助者が上体を起こす角度や 頭部までの支持の程度、バウンドの大きさ、実施する時間を本人の反応を見ながら微調 整し、疲労や過剰な刺激によって発作が誘発されないように努めた。その結果、2 事例と も自ら姿勢保持しようとする様子がみられ座位姿勢が安定していった。また、他参加者 に関心を向けたり、楽器の演奏を楽しんだりする余裕が生まれたと考えられる。 この 2 事例のように疲労しやすく体調やわずかな刺激によって体の緊張が強まる重度 の障害がある場合には、とりわけ安楽で苦痛のない姿勢をとることが楽しい活動の大前 提となることがわかった。姿勢保持の意義について療育に携わる江草らは「自ら姿勢を 調整したり変換できない重症心身障害児・者の QOL において、姿勢保持は重要な位置を 占める。その目的は(中略)心身の能動性、社会参加や環境との間の相互交渉の援助や 改善などである。 」6)と述べている。その点からもトランポリン上での姿勢を安定させる 15.
(16) 支援は、その後の楽器の演奏や他参加者との交流を促すことにつながったのではないか と考えられる。 2.父母の役割と希望をいかした個別プログラムの成果 A さんの父母は、本人が安心してセッションに集中するように関わっていたが、どのよ うに参加すべきかを知りたがっていた。今回、父母の希望をいかす具体的な関わりが示さ れ積極的に参加できたことは、本人の身体機能の改善や親子が楽しく交流する機会になっ た。 B さんの父母は、本研究参加以前から自発的に本人に関わっており、B さんがセッショ ンに集中することができそうな親なりの見通しがあったと考えられる。今回、具体的に父 母の意見をいかして積極的に参加する機会とした結果、親子ともに楽しみながら本人の身 体機能や意思の疎通が改善した。 C さんの母は、音楽的な関わりによる運動機能の向上や、他参加者との交流による意思 表示や社会性の向上を願い、本研究参加以前からその願いが叶えられるように行動してい た。今回、聞き取りによって得られた母の願いや意図を具体的にいかす方法で関わり、音 楽的活動とトランポリンの跳び方にバリエーションを持たせた。その結果、音楽的な活動 で他参加者と交流しながら本人の運動機能や社会性が向上し、母の願い通りになった。 D さんの母は、何より本人が楽しむ姿を見ることが希望であり、身体状況に配慮する親 なりの方法をいかして安楽にトランポリンに乗ること、同時に音楽や他参加者との交流を 楽しみつつ意思疎通や社会性が向上することを願っていた。そこで、母からアドバイスを 得ながら慎重に姿勢を介助し、他参加者と交流する機会を設けた。その結果、D さんは他 参加者に関心を示し、自らが安楽に姿勢を保持できるようになり、母の希望する変化がみ られた。 E さんの母は、バウンドや音楽的な活動を通して E さんの楽しそうな表情が、より引き 出されることを願い、セッションに注意を向けるよう促していた。そこで、身体に負担を かけないよう姿勢やバウンドに注意しながら、それまで反応の良かった母からのリクエス ト曲を用い、楽器演奏を促した。その結果、E さんは自ら姿勢を保持し、特定の曲に「良 い表情をしている」と母が喜ぶ程の変化があり、意思表出に改善がみられた。 F さんの母は、身体状況により困難なFさんの意思表示が促され、同年代の他参加者と の交流により社会性が向上することを願って、本人との距離をとろうとしていた。そこで、 母は見守るようにし、疲労や身体の緊張を引き起こさないように姿勢やバウンドを慎重に 調整した。また、楽器演奏を促しながらFさんが好きな音楽を聴かせ、関心を示している 同年代の参加者との交流をはかった。その結果、同年代の参加者が視界に入ると特に表情 や姿勢が変化し「イエス・ノー」が推察されるともに、楽器を自ら演奏することによって 周囲との交流が生まれ、母の期待通りの変化がみられた。. 16.
(17) 以上のことから、父母の役割を明らかにし、希望を取り入れ作成したプログラムは、6 事 例とも概ね満足できるものとなった。それは、本プログラムを実施することにより、本人 の身体機能や意思の疎通、社会性の向上を促すことにつながったと考えられるからである。 なお、今回の研究に参加した心身障害児・者は、全例が特別支援学校や通所施設、その 他の医療機関を利用しているため、今回の結果がすべて本研究によるものとは言い難い。 今後も、充実したプログラムになるよう取り組んでいきたい。 Ⅴ.結論 1.今回、本療法に参加する重症心身障害児・者 6 事例について個別に「家族も楽しく参 加できるプログラム」を作成することができた。プログラムの作成の過程では年代によっ て家族の役割や希望に違いがあること、安定した姿勢をとることの重要性が明らかになっ た。 2.家族も楽しめるプログラムを実施したことにより、重症心身障害児・者の身体機能や 意思疎通や社会性の向上が促された。 本研究は、公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の助成により実施したものである。. Ⅵ.引用・参考文献 1)川 島みどり :在宅高齢パ ーキンソ ン病患者の QOL の評価 について, 月刊ナー シン グ,19(2),74-7,1999. 2)川島みどり他:高齢パーキンソン病患者への看護音楽療法の効果-プログラムの精錬と 看護技術の効果の再評価を通して,日本赤十字看護大学紀要,第 18 号,47-51,1997. 3)平松則子他:在宅の重度障害児・者のコミュニケーション改善に向けた看護音楽療法の 試み,2007 年度在宅医療助成 勇美記念財団研究助成完了報告書.2008. 4)小林由子他:在宅の心身障害児に対する看護音楽療法の試み-コミュニケーションに着目 して,日本看護技術学会第 10 回学術集会 講演抄録集,120,2011. 5)小林由子他:在宅の心身障害児に対する看護音楽療法の試み(2)-コミュニケーションの 広がりと家族のかかわり,日本看護技術学会第 12 回学術集会 講演抄録集,68,2013. 6)江草安彦監修:重症心身障害者療育マニュアル第 2 版,74-76,医歯薬出版,2005.. 17.
(18) 謝辞 本研究に参加下さった対象者の方々に深く感謝いたします。 本研究は、公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の助成によるものであり、貴財団に 感謝いたします。. 18.
(19) 表1.心身障害児・者の標準的プログラムの枠組み. 1.本療法の目標 2.家族がどのように参加するか(家族の役割) その日の体調・意欲・疲労度・どの程度の姿勢がとれるかを考慮し、以下のトラ ンポリンプログラムの構成要素を組み合わせる。 全 体 の 基 本 形. 3 具 体 的 メ ニ ュ ー 実 施. ①姿勢(立位・座位・臥位) 介助法(介助者の人数・支持法・姿勢補助具など) ②バウンドの種類(大きさ・速さ・鋭さなど) ③時間(基本的に10分前後)、1曲の長さ(同3分以内)・曲数(同4~5曲) ④意思確認の方法:(瞬きや表情、仕草、身体の緊張の度合いなどで判断する) ⑤楽器演奏(目的は、手を使うことによる身体機能の向上、音楽によるコミュニ ケーション、楽しい音楽的活動) ⑥選曲(バウンドの質・本人の好み・季節性・関わりの意図による) (使用曲名は♪○○と記載) ⑤その他(他者との交流方法など). 移乗時. 安定した姿勢を定める. 導入時. 穏やかなバウンドで開始する. 展開時. 本人の体調・疲労度・反応にあわせて2~3曲 心身の活性化を図る時は、立位又は座位・前傾姿勢で活発に大バウンド リラックスを図る時は、座位・寄りかかり姿勢で穏やかに小~中バウンド. 終了時. 高揚して終了する場合は、座位・前傾姿勢で活発に大バウンド クールダウンして終了する場合は、寄りかかり姿勢で穏やかに小~中バウンド.
(20) 表2.対象の概要 事. 対象児・者. 例. 性別. A. 男. 家族. 年代. 幼 児 期 後 期. 年代. 父 母. 30 ~ 40 代. 参 加 回 数. 4. 主な病名・症状. B. 女. 学 童 期. 父 母. ・つかまり立ち可. 難治性てんかん、. ・抗てんかん薬. ・意思疎通は声かけに笑顔あり、嫌な時は家族の. 左側不全麻痺、知. 内服. 方に逃げ出す. 的・言語障害. 9. C. D. 女. 男. 10 代 後 期. 母. 母. 40 代. 40 代. ・発語は喃語数語あり. 特に無し. ・伝い歩き可. 運動障害、知的・. ・意思疎通は、欲求は表情や態度で訴え、声かけ. 言語障害. には反応が無いことが多く、嬉しい時は笑顔 ・発語は無く、発声は嬉しい時に歓声あり. 脳感染症後遺症、 10 代 後 期. 心身の状況. 大脳皮質形成異常、 ・開頭術 3 回. 全般的発達障害、 30 ~ 40 代. 治療状況. 17. 17. 特に無し. ・歩行バランス不良で見守り歩行. 軽度四肢麻痺、知. ・意思疎通は、嬉しい時は笑顔になり、嫌な時は. 的言語障害、摂食. 表情曇る. 機能障害、失語、. ・発語は無く、イエスは「ウン」と発声、ノーは. 空間認知障害. 無反応。嬉しい時は歓声あり. 急性硬膜下血腫後. ・脳シャント造. ・姿勢保持・移動は全介助. 遺症、水頭症、痙. 設、スピーチカ. ・緊張時は上体が左に回旋するように硬直する. 性四肢麻痺、てん. ニューレ留置. ・意思疎通は、嫌な時は顔が強張り泣き声や全身. かん、摂食機能障. ・抗てんかん. の緊張あり。声かけに応答様の瞬きや注視・追視. 害、失語. 薬、鎮痙薬内服. あり。時折笑顔がみられる ・発語は無く、発声は時々軽い呻り声あり. E. 女. 10 代 後. 母. 50 代. 16. 期. 細菌性髄膜炎後遺. ・抗てんかん薬. ・姿勢保持・移動は全介助. 症、側弯症、弛緩. 内服. ・意思疎通は、時折笑顔と思われる表情あり、嫌. 性四肢麻痺、摂食. ・コルセット装. な時は顔をしかめ、払いのける. 機能障害. 着. ・発語は無く、発声はごくたまにあり. ・経鼻栄養. F. 女. 10 代 後 期. 母. 40 代. 14. 小脳出血後遺症. ・脳シャント造. ・姿勢保持・移動は全介助. 水頭症、混合型四. 設、永久気管瘻. ・右上下肢は随意運動やや可. 肢麻痺、慢性呼吸. (人工呼吸器装. ・緊張時は体幹部が反り返り、右上下肢が多動に. 不全、摂食嚥下機. 着). なる. 能障害、失語. ・鎮痙薬内服、. ・意思疎通は、声かけに眼を合わせ、注視・追視. 筋弛緩薬(髄腔. する。口元を引き結ぶ、顔をしかめる等の表情の. 内持続投与). 変化はあるが、意味はつかめていない. ・胃瘻造設.
(21) 表3:Aさんのプログラム. (表の下線部分は仮プログラム実施後の修正点). 本療法の目標 1.体調に合わせて、安全で心地よいバウンドが楽しめるようにする 2.言葉かけ、音楽、バウンドを通じて周囲と楽しく交流する機会を増やしコミュニケーションを促す →様々な反応を引き出すように積極的に働きかけて意思表示を促す 父母がどのように参加するか(家族の役割) 1.体調の把握と親子が楽しい時間を共有するために、親子で一緒にトランポリンに乗るよう配慮する →父母が協力して賑やかに盛り立てるようにする 2.本人の意欲を尊重しながら親子一緒の楽器演奏を積極的に取り入れ、親子の交流をはかる. 全 体 の 基 本 型. 具 体 的 メ ニ ュ ー. 実 施. その日の体調と活気、疲労度、どの程度の姿勢がとれるかを考慮し、以下を組み合わせる ①姿勢:座位が基本 介助法:導入時は父による縦抱き、終了時は母介助の座位 →独り座位で開始 →展開時には全体の様子をみて後方介助の膝立ちを取り入れる 補助具:ドッジボールを抱えさせる場合もある ②バウンド:体調により介助時は大バウンド可 介助座位の時は、中~大バウンド 独り座位の時は、姿勢が保てる程度の大きさ ③時間:基本通り ④意思確認の方法:開始の合図に返事は無いが、笑顔の有無、 集中しているか、姿勢を保っているか等で判断 →笑顔でも嫌な場合があるので行動をより注意深く観察する ⑤楽器演奏:本人の意思を推しはかりながら、父と一緒に実施 口にくわえても危険でない楽器 (尖ってないもの、棒状でないもの=鈴、フルーツマラカス、太鼓類) ⑥音楽:基本は「親子で楽しい体験のある曲」で楽しむ 歌詞の有無も考慮し、構成する ⑦その他:トランポリン実施時は、父母の姿がみえるようにする 運動具(ドッジボール)は随時使用. 移乗時. 父の縦抱きで上がる→スタッフが移乗する. 導入時. 父の縦抱き ♪スロージャズ→独り座位で開始、落ち着かない時は介助の座位. 展開時. 在位が基本。→後方介助による膝立ちも実施 ゆったりの時=♪スモールワールド、躍動感を味わう時=♪ウィリアムテル 楽器:柄の長いマラカス、太鼓のバチ使用は、静止時に本人の動きをみて最小限の介助で実施. 終了時. 父母の後方介助で座位、♪バスに乗って(お気に入りの曲).
(22) 表4.Bさんのプログラム. (表の下線部分は仮プログラム実施後の修正点). 本療法の目標 1.父母の協力の元に、出来るだけ楽しく立位で跳べるようにする →父母と遊ぶように楽しく関わって意欲的にセッションに参加できるようにする 2.言葉かけ、音楽、バウンドを通じて、周囲の参加者とのコミュニケーションを促す 父母がどのように参加するかについて(家族の役割) 1.父が一緒にトランポリンに乗る・手を取るなど直接的な姿勢の介助をし、親子が交流しながら楽しく立位がとれるよう にする →母も直接的に姿勢介助をする. 具 体 的 メ ニ ュ ー. 実 施. 全 体 の 基 本 型. 座位は大バウンドを楽しみ、家族の協力によりできるだけ立位で跳ぶようにする ①姿勢:立位が基本 介助法:立位は後方介助、又は正面で手繋ぎの介助 父による姿勢介助を組み入れる →母による姿勢介助も組み入れる スタッフの介助時、父母は楽器や声かけで立位を促す ②バウンド: 座位時は大バウンド 立位時は小~中バウンド 父がバウンドを作る(随時) ③時間:基本通り ④意思確認の方法:こだわりの物に集中していても必ず声をかけて、表情の変化等の反応を確か めてから進行する ⑤楽器演奏:バウンドに集中できないので本人には用いず、父母に演奏して貰う ⑥音楽:楽しく面白く跳べることを目的にしている。 →音楽そのものを楽しむゆったりした曲と、アップテンポで刺激的な曲をバウンドに応じて 使い分ける ⑦その他:運動具(フラフープ、リボン)は随時使用する. 移乗時. スタッフ、又は父の両手繋ぎで歩いて上がる ♪アンパンマン. 導入時. 父の姿勢介助で立位をとる ♪チキチキバンバン. 展開時. 終了時. 立位時=Ns.の姿勢介助を主とする。父母は声かけや楽器類で励まし、父がバウンドを作ることも ある。 ゆったりした曲=♪サニーサイド、アップテンポの曲=♪道化師 座位時=大バウンドを楽しむ ♪フォーチュンクッキー 立位で疲れて座り込んだら終了 ♪ハイホー.
(23) 表5.Cさんのプログラム. (表の下線部分は仮プログラム実施後の修正点). 本療法の目標 1.音楽に合わせて跳び方に変化をつけ、トランポリン上でバランス良く立位がとれるようにする 2.言葉かけ、音楽、バウンドを通じて周囲と交流し意思の疎通や社会性の向上をはかる 母がどのように参加するかについて(家族の役割) 1.見守りを基本に、本人の意思の代弁、本人の体調や曲の好みなどの情報を提供してもらう 2.トランポリンの跳び方などの希望は、参考としていく. 全 体 の 基 本 型 具 体 的 メ ニ ュ ー. 実 施. 曲の性質に合わせたバウンドの変化を楽しみながら、独りでバランスよく立てるようにする ①姿勢:立位が基本 介助法:本人の希望により、介助者はトランポリンサイドから片手繋ぎ~両手離しが基本 本人自らが前介助者の手を解いたら、他介助者が後ろに乗って見守る →トランポリンサイドから見守る バランスを崩しても、すぐにはサポートしない。 →介助者が乗って左右に沈み込みを作り、手を繋ぎ、3拍子で重心移動を促しながら跳ぶ ②バウンド: 手繋ぎの時は中~大バウンド 両手離しの時は 小~中バウンド ♪フニクリ で手離しの時は小~中バウンド 〃 手繋ぎの時は中~大バウンド ③時間:基本より長めとする ④意思確認の方法:視野に入るように顔を覗きこみ眼を合わせ、確実にできるようにする ⑤楽器演奏:握って振る楽器を毎回使用(トウモロコシ型ギロ、ピンポンマラカス) ⑥音楽:呼名する曲、歌詞のある歌で、会話するように歌いかける 定番の母リクエストによる反応の良い曲以外にも、曲の雰囲気に変化をつけるように配慮する (定番の曲=フニクリフニクラ、人間っていいな 呼名する曲=魔法使いサリー、歌いかける曲 =ドロップス) →3拍子の重心移動に合わせた曲を加える ⑦その他:トランポリンの時は他者が視界に入る位置に連れて来てもらう. 移乗時. 左右の介助者が手を繋ぎ、踏み段を使用して上がる. 導入時. 介助者はトランポリンサイドから片手繋ぎで支持 中バウンド ♪サザンの曲. 本人が両手を離したら 中バウンド ♪チキチキバンバン 歌いかける時=♪ドロップス 呼名する時 =♪魔法使いサリー 展開時 バウンドの大小に変化をつける時=♪フニクリフニクラ →前後介助で左右に重心移動させる時 3拍子で♪サンタルチア 楽器演奏を積極的に促す ♪ウィリアムテル 終了時. 介助者はトランポリンサイドから片手繋ぎで支持、大きく跳んで終了 ♪ウィリアムテル.
(24) 表6.Dさんのプログラム (表の下線部分は仮プログラム実施後の修正点). 本療法の目標 1..苦痛の無い姿勢で楽しくトランポリンに乗るようにする 2.言葉かけ、音楽、バウンドを通した他参加者との関わりによって、意志表示を促進し、社会性の向上をはかる 母がどのように参加するかについて(家族の役割) 1.見守りを基本に、本人の意思を代弁し、体調、快不快、姿勢介助や音楽についてのリクエストなどの情報を提供し てもらう →トランポリン開始時に姿勢介助の方法について母からアドバイスをもらう 2.母も一緒に楽しめる活動をとりいれる. 全 体 の 基 本 型 具 体 的 メ ニ ュ ー. 実 施. 体調・本人の反応・疲れ具合・母コメントを総合し、以下に配慮し組み合わる ①姿勢:胡坐座位~足を伸ばし気味の座位 →股関節の緊張が緩和しているときは前傾姿勢を積極的にとる 介助法:緊張の度合いによって後方に寄りかかり姿勢~背面開放した姿勢のように調節 頭部の支持は、疲労時・本人の力が入らない時は手で支持 補助具:腹回りに授乳クッション 背部に小枕を挟む ②バウンド:ゆったりした中バウンドが基本 大バウンドはあまり用いない ③時間:基本通り ④意思確認の方法:声かけに対する瞬きの有無、表情、右上下肢の動き、体の緊張状態の変化 などで判断する ⑤楽器演奏:握れば(握らせれば)鳴る楽器(鈴、マラカス)、バチを持たせて太鼓類 ⑥音楽:施設等で馴染みの曲、母のリクエスト曲を取り入れ、本人が好む(と感じられる)曲を試 していく ⑦その他 :トランポリンの時は他者が視界に入る位置に連れてに来てもらう. 移乗時. 2人以上の介助でスムーズに行う ♪インディージョーンズ. 導入時. 寄り掛かり気味の姿勢で、小バウンド ♪ペーパームーン →母に姿勢の取り方を教わる. 展開時. 終了時. 疲労や体の緊張時=寄りかかり姿勢 中バウンド ♪君を乗せて 体の緊張がほぐれていたら =中バウンド、上体を起こして背面開放、♪チキチキバンバン、サラバ゙愛しき悲しみ達よ(母リク エスト) 楽器演奏は母も一緒の演奏を促す →必ずしも母と一緒にはしない。静止時に試す 疲労や体の緊張がある、眠い時=小バウンド ♪星に願いを 体の緊張が無く覚醒時=中バウンド ♪闘牛士.
(25) 表7.Eさんのプログラム. (表の下線部分は仮プログラム実施後の修正点). 本療法の目標 1.脆弱な身体に負担をかけないように安全にバウンドの刺激を体感できるようにする 2.言葉かけ、バウンド、音楽的関わりによって他参加者と交流し、音楽的活動の充実をはかりながら、意思表出を促す 母がどのように参加するかについて(家族の役割) 1.見守りを基本に、本人の意志の代弁、体調や本人が好きと思われる曲のリクエストなどの情報を提供してもらう 2.自発的な活動(本人に声かけ、楽器を選んで自ら鳴らす・本人に渡す、など). 全 体 の 基 本 型 具 体 的 メ ニ ュ ー. 実 施. 本人の覚醒度・疲れ具合・発作の起きやすさ・母の意見を総合し、以下に配慮して休憩を取りなが ら組み合わせる ①姿勢:胡坐座位 コルセットを装着(圧迫部位が無いか確認) 介助法:寄りかかり姿勢で後ろから抱えるようにする →前傾姿勢をとる 頭部は手で支持 →頭部の支持は殆ど不要 動揺が激しい場合は手で支持、又は後ろに寄りかかり姿勢 眠い時・発作が心配な時は寄りかかり姿勢 補助具:腹回りに授乳クッション、右臀部下に円座1枚 ②バウンド:小~中バウンドが基本 発作が無く姿勢保持できていれば活発に大バウンド ③時間:基本通り ④意思確認の方法:表情の変化や眼の動きから判断する ⑤楽器演奏:基本的に毎回実施、握るだけでバウンドにより他動的に鳴るもの(鈴、小さなマラカ ス) ⑥音楽:定番の曲、呼名する曲を取り入れる(定番の曲=ポニョ、ラデッキー、365歩のマーチ、カ ンカン、呼名する曲=サリー) ⑦その他:トランポリンの時は他者が視界に入る位置に連れて来てもらう. 移乗時. コルセットを装着し、静かに移動する ♪ポニョ. 導入時. 寄りかかり気味の姿勢で、頭部を支持 ♪ポニョ. 展開時. 疲れていない・発作が心配されない表情の時=大バウンドで ♪365歩 ♪AKB 疲れが見られる・発作が心配な表情の時=小~中バウンドで ♪トトロ 楽器演奏を促す 呼名する曲を試す ♪魔法使いサリー. 終了時. 発作・疲労が無い時=大バウンド ♪ラデッキー、♪カンカン そうでない時=小~中バウンド ♪ペーパームーン.
(26) 表8.Fさんのプログラム (表の下線部分は仮プログラム実施後の修正点). 本療法の目標 1.体の緊張を引き起こさないように心地よくトランポリンに乗って、本人の意思を尊重した活動をする 2.音楽、トランポリン、同年代の他参加者との関わりによって意思の疎通や社会性の向上をはかる. 母がどのように参加するかについて(家族の役割) 1.他参加者との交流促進のために、見守りを基本に、本人の意思の代弁、体調や快・不快、姿勢介助のアドバイスな どの情報を提供してもらう. 全 体 の 基 本 型 具 体 的 メ ニ ュ ー. 本人の覚醒度・反応・疲れ具合・母の意見を総合し、以下に配慮して組み合わせる。疲れや休憩 を十分にとる ①姿勢:胡坐座位 圧迫が無いよう、脚を少し崩した形 介助法:全体を通してやや後方に寄りかかり姿勢 →介助者がお腹に手を当て介助者の上体で胸を押し出し上体を起こすようにする 頭部の支持は、後ろ介助者の胸に寄りかかり・又は手で 眠いとき・疲労時は介助者に寄りかかって起坐位 補助具:背部に小枕2個をT字型に挟む 脚にはクッションや円座等十分使用 ②バウンド:小~中バウンドのみ、大バウンドはしない →様子を見て大バウンドも実施 ③時間:基本通り →5分程度延長 ④意思確認の方法:視線、表情などにより判断 ⑤楽器演奏:右手に握るだけで鳴る楽器(鈴、マラカス等)を握らせる(握らない時は固定、又は 介助で) バウンドによって他動的に鳴らし始め、時には介助で振らせる →演奏するかどうかは、本人の意欲・自発性を優先する ⑥音楽:バレエ曲以外にも、幅広いジャンルの曲を試す ⑦その他:トランポリンの時は同年代の他者が視界に入る位置に連れて来てもらう。. 移乗時. 人工呼吸器の扱いに気をつけながら、3人以上の介助でスムーズに行う ♪ありがとう、トトロ(雰囲気で選曲). 導入時. 小バウンドで、♪ワルツィングマチルダ. 展開時. 疲労や体の緊張なく覚醒良いとき=中バウンド、♪ビビデバビデ゙ →上体を起こすようにし、大バウンドも可 疲労や体の緊張がある時、眠い時=小~中バウンド、♪AKB 楽器演奏を積極的に促す. 終了時. 疲労や体の緊張がなく覚醒が良いとき=中バウンド、♪ハピネス 疲労や体の緊張がある時、眠い時=小バウンドでゆっくり、♪星に願いを. 実 施.
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子どもたちは、全5回のプログラムで学習したこと を思い出しながら、 「昔の人は霧ヶ峰に何をしにきてい
在宅の病児や 自宅など病院・療育施設以 通年 病児や障 在宅の病児や 障害児に遊び 外で療養している病児や障 (月2回程度) 害児の自
ユース :児童養護施設や里親家庭 で育った若者たちの国を超えた交 流と協働のためのプログラム ケアギバー: 里親や施設スタッフ
では,訪問看護認定看護師が在宅ケアの推進・質の高い看護の実践に対して,どのような活動
町の中心にある「田中 さん家」は、自分の家 のように、料理をした り、畑を作ったり、時 にはのんびり寝てみた
学校の PC などにソフトのインストールを禁じていることがある そのため絵本を内蔵した iPad