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SFP+用低消費電力ICチップセットの開発

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Academic year: 2021

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情報通信

2. SFP+用チップセットの開発

今回開発した SFP+用チップセットを搭載した SFP+の 内部写真を写真 1 に、ブロック構成図を図 1 に示す。主要 構成部品は、①基板(トランシーバ IC、CPU を含む)、② ROSA(Receiver Optical Sub Assembly), ③シャント駆 動 IC 内蔵 TOSA(Transmitter Optical Sub Assembly) である。①は SFP+で想定される全てのアプリケーション での使用を想定しており、②と③では SFP+の品種毎の要 求仕様に応じて適切な LD、PD が使用される。

1. 緒  言

当社では、これまで数多くの光データリンクの開発(1) 行ってきたが、その中で使われる光通信用 IC は、LD (Laser Diode)や PD(Photo Diode)と並び、光データ リンクの性能を左右するキーデバイスとなっている。中で も当社が得意とする SFP(Small Form factor Pluggable) の様な小型プラガブル光データリンクは、送信信号を増幅 し LD を直接変調する LDD(Laser Diode Driver)、PD で 受光した微小信号を増幅する TIA(Trans-Impedance Amplifier)、TIA の出力信号を一定振幅にリミットするた めの LA(Limiting Amplifier)、小型プラガブルリンクを 監視制御する制御部で構成されている。これら光データリ ンクの小型、低消費電力化を実現するため、筆者らは SFP 用のトランシーバ IC とマルチレート TIA の開発(2)、(3) 行ってきた。一方、通信需要の拡大と共に、小型プラガブ ル光データリンクに要求される伝送速度は、10Gb/s に達 し 、 2006 年 1 月 に は SFP と 同 じ フ ォ ー ム フ ァ ク タ で 10Gb/s が伝送可能な SFP+と呼ばれる MSA(4)が登場した。 本稿では、SFP+の小型、低消費電力化に必要な、シャ ント駆動方式の駆動 IC と、VCSEL ドライバ、LA、線形ア ンプ LB(Linear Buffer)、制御部等を内蔵した低消費電力 トランシーバ IC について報告する。これら 2 つの IC から な る チ ッ プ セ ッ ト を 、 端 面 発 光 型 LD を 搭 載 し た 10GBASE-LR 用 SFP+に搭載し、SFP+のケース温度 Tc=-5~85 ℃で 750mW 以下の低消費電力 SFP+を実現(5)した。

Development of Low-Power-Consumption IC Chipset for SFP+ ─ by Keiji Tanaka, Akihiro Moto, Hayato Fujita, Shunsuke Sato, Hiroyasu Oomori, Hiromi Tanaka, Hiroto Ishibashi and Katsumi Uesaka─ For Small Form-factor Pluggable plus (SFP+), the authors have successfully developed a chipset, which is composed of a transceiver IC equipped with a vertical-cavity surface-emitting laser (VCSEL) driver and a shunt driver IC. This paper describes the concept of low-power-consumption designs and the details of circuit designs. This combination of the shunt-laser driver and the VCSEL driver with an asymmetric pre-emphasis circuit has enabled to reduce the total power dissipation of SFP+ module without any degradation of optical performance. A shunt-driver IC mounted in transmitter optical sub-assembly (TOSA) realizes the operation at 2.5 V supply voltage, which contributes to design the transceiver IC under 2.5V supply voltage. Consequently, the development of such ICs has effectively reduced the total power dissipation of SFP+ module intended for 10GBASE-LR to below 750 mW at the operating temperature range from Tc = -5 to 85 deg. C, in accordance with the requirements of SFF-8472.

Keyword: shunt laser driver, VCSEL driver, SiGe-BiCMOS process, SFP+, IEEE802.3ae

SFP+用低消費電力 IC チップセットの開発

田 中 啓 二

・本   昭 宏・藤 田 勇 人

佐 藤 俊 介・大 森 寛 康・田 中 弘 巳

石 橋 博 人・上 坂 勝 己

② ROSA ③ TOSA FPC ① 基板 Transceiver-IC Shunt Driver IC 写真 1 SFP+の内部写真とチップセット

(2)

2 − 1 チップセット開発コンセプト XFP や X2 等の 従来型 10Gb/s 用光データリンクでは、図 2 に示す様に、 端面発光型 LD のアノードとカソード端子が LDD の差動出 力端子とコンデンサを介して交流結合される、所謂差動駆 動方式が使われてきた。この方式では、LDD に内蔵される バックターミネーション抵抗を伝送路の特性インピーダン スと整合させることで、LD からの反射波を吸収し、多重 反射を抑制できる。またバックターミネーションによって、 広帯域での直接変調が可能となる。その一方で、交流結合 による LD バイアス電流の増加だけでなく、バックターミ ネーション抵抗による変調電流のロスが発生し、消費電力 の増加が問題となっていた。 SFP+は機構面で SFP と互換性を持ち、最大 48 連ポート への搭載が想定されており、最大消費電力は 1W(Level 1) 以下にする必要がある。消費電力を抑えるため、SFP+の 仕様からはクロック再生機能等が除かれているが、単純に 余分な機能を削減しただけでは、1W 以下の実現は困難で ある。 差動駆動方式を用いた X2、XFP、SFP+の消費電力内訳 とシャント駆動方式を用いた SFP+の消費電力内訳を図 3 に示す。差動駆動方式の場合、送信部(LDD+TOSA)だ けで約 1W 消費しており、トータルでは 1W を大きく超え てしまう。Tc=85 ℃動作を 1W 以下で実現するには、送信 部の消費電力を 750mW 以下に削減する必要がある。そこ で、以下に示す 3 つの方法をチップセット開発により実現 し、SFP+の低消費電力化を実現した。 ・低電圧(2.5V)シャント駆動 IC の開発 ・低電圧(2.5V)VCSEL ドライバ IC の開発 ・高効率 DC/DC コンバータの採用 2 − 2 シャント駆動 IC の開発 低電圧で LD を駆動で きるシャント駆動方式は、主に LED を低伝送速度で駆動す る方式として従来から使われてきた。近年のトランジスタ と端面発光型 LD の高速化により、10Gb/s の領域でも適用 可能と考え、筆者らはシャント駆動方式のドライバ IC の開 発を行った。シャント駆動とは、LD と並列に接続された トランジスタをスイッチすることにより LD に流れる電流 を変調する方法である。 図 4 にシャント駆動方式での送信回路構成を示す。送信 器回路はシャント駆動 IC とそれを駆動する VCSEL ドライ バ IC で構成される。シャント駆動 IC は 10Gb/s 動作を実 現するため、TOSA 内部に搭載され、TOSA 外部の VCSEL ドライバ IC から 50 Ω伝送系で駆動される。

LD と並列に接続されるトランジスタ M1 には、線形性が 良好で、入力インピーダンスが高く、高速動作が可能な、 ゲート長 0.18µm の N チャネル型の MOS-FET(Metal Oxide Semiconductor - Field Effect Transistor)を採用 した。 TxDisable トランシーバIC シャントドライバ内蔵 TOSA SFP+ 電気 I/F SFP+ 光 I/F シャント ドライバ C TD+ Rate Select CPU w/ROM APC LA LB PD TIA LDD 50Ω 50Ω ROSA モニタ 制御部 D/A 変換 A/D 変換 I2C Interface C C RD+ C C RD-C C TD-C 図 1 10GBASE-LR 用 SFP+ブロック図 IMOD Vf<1.6V C Rs LD Rd Rs 2RL=2Rs+Rd Positive Negative Zo=50Ω Zo=50Ω L L C IBIAS 50Ω VCC 50Ω ILD=IBIAS±α̶IMOD2 α=̶50+RL50 図 2 従来の差動駆動回路 MSA仕様上限 SERDES CDR ROSA LDD TOSA 差動駆動 シャント駆動 Po w er c on su m pt io n[ W ] 4.5 4 3.5 3 2.5 2 1.5 1 0.5 0 X2 XFP SFP+ SFP+ 図 3 各フォームファクタの消費電力内訳

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ゲート幅は最大変調電流、電圧-電流変換利得と動作速度 を考慮し最適値を決定した。シャント駆動 IC 内部には 50 Ωの終端抵抗 R1 を内蔵し、伝送路の特性インピーダンス と整合している。ゲート端子には、M1 を On するための ゲートバイアス電圧 VG が TOSA 外部から L2、C3 で構成 されるバイアス T を経由して供給される。R1 を GND に直 接終端すると、VG により直流電流が流れ、余分な電力を 消費する。そこで、直流的に高抵抗 R2 で GND に接続し、 交流的にコンデンサ C1 で GND に接続している。一方で、 LD のアノード端子と M1 のドレイン端子は、高周波電流の 漏れを阻止するフェライトビーズ L1 に接続される。 シャント駆動 IC は、ボンディングワイヤを用いて、LD や TOSA パッケージと接続されている。TOSA 化に際して、 シャント駆動 IC 各端子のワイヤ長さ、およびパッケージ内 の部品配置を、電磁界解析を用いて最適化(6)しており、こ れら工夫により、シャント駆動方式の 10Gb/s 動作を世界 で初めて実現した。 図 5 に当社製端面発光型 LD とシャント駆動 IC を搭載し た TOSA の、電気-光変換特性を示す。10Gb/s 動作に必要 十分な帯域として 10GHz が確保できている。図 6 はパル スパターン発生器で直接 TOSA を駆動した時のアイパター ンを示す。10GBASE 仕様のパルスマスクに対して、全温 度(Ta=-10 〜 90 ℃)で 20 %以上のマスクマージンが得 られている。 シャント駆動方式では、M1 が電圧—電流変換利得 gm を持っているため、TOSA に供給する変調電流を小さくで きる。LD に流れる変調電流を IMODとし、VCSEL ドライバ 出力抵抗と図 4 における R1 が同じと仮定すると、ドライ バ IC の出力電流は 2・IMOD/(gm・R1)あれば十分である。 すなわち M1 の利得によって、ドライバの変調出力電流を 2/(gm・R1)倍にすることができる。一般的に、ドライバ IC の出力電流が大きくなると、ドライバ IC 全体の消費電 流も比例して増加する。また、シャント駆動方式では、LD との整合改善に必要な直列抵抗が不要で、低電圧動作が可 能となる。LD の順方向電圧の最大ピーク値を 2.0V と仮定 すると、電源側に 0.5V でバイアス電流源が構成できれば、 2.5V 動作が可能となる。写真 2 にシャント駆動 IC のチッ プ写真を示す。チップサイズは 440 × 630µm でゲート長 0.18µm のメタル配線 4 層 CMOS プロセスで作成した。 2 − 3 トランシーバ IC の開発 シャント駆動 IC とペ アで使用する VCSEL ドライバ、TIA からの受信信号を飽 和増幅する LA(Limiting Amplifier)、線形動作する TIA から受信信号を線形増幅する LB(Linear Buffer)を内蔵 したトランシーバ IC(図 1 参照)を開発した。VCSEL ド LDD VCC C2 C3 L3 L2 VCC L4 L1 M1 R3 LD R1 R2 C1 VCSELドライバ Gate Biasing TDINP TDINN

ILD=IBIAS±IFET

IFET IBIAS Vf<2V Vcs>0.5V VCC>2.5V シャント駆動IC シャントドライバ内蔵TOSA IMOD<25mA 図 4 シャント駆動方式の送信回路構成 10 0 -10 -20 -30 -40 frequency (GHz) E/ O R es po ns e (d B) 0 5 10 15 20 図 5 シャント駆動方式での電気-光変換特性

Pulse Mask Margin=29%

Ta=-10˚C Ta=25˚C Ta=90˚C

Pulse Mask Margin=29% Pulse Mask Margin=47%

図 6 シャント駆動 IC 内蔵 TOSA の光出力波形 630µm 44 0µ m 写真 2 シャント駆動 IC チップ写真

(4)

ライバ、LA、LB で構成される高周波増幅回路は、トラン シーバ IC の消費電力の大半を占めるが、これらの電源電圧 を 2.5V とすることで、低消費電力を実現している。トラ ンシーバ IC には、高周波部の他、SFP+の状態を監視し、 高周波部の動作条件を設定、調整するための制御部が搭載 されている。制御部は SFP+の動作状態を示すアナログ情 報をディジタル情報に変換する AD 変換器とディジタル データを処理するディジタル回路で構成されている。これ らディジタル回路は、内蔵レギュレータによる 1.8V 動作 と し 、 制 御 部 の 消 費 電 力 増 加 を 抑 え て い る 。 本 IC は 0.18µm の SiGe-BiCMOS プロセス(ft=80GHz、BVCE = 3.6V)を用いて設計した。写真 3 にチップ写真を示す。 チップサイズは 2.34 × 2.34mm で 40pinQFN パッケージ (5 × 5mm)に実装される。 (1) 低電圧 VCSEL ドライバの開発 今回開発した VCSEL ドライバのブロック図を図 7 に示 す。SFP+のコネクタを経由して伝送される送信差動信号 は入力終端回路で終端され、初段の高利得増幅器で飽和増 幅される。光波形の Duty を調整する Duty 調整回路を経た 信号はプリドライバ回路に入力され、最終出力段の駆動に 必要な低インピーダンス出力に変換され、出力段を駆動す る。出力段は CML(Current Mode Logic)回路で構成さ れており、電源に接続された 50 Ωのバックターミネー ション抵抗が内蔵されている。VCSEL ドライバを 2.5V で 動作させるには、VCSEL ドライバ出力段を直流的にプル アップする必要がある。インダクタ L3、L4 は 2.5V 電源に 直接接続されており、低電圧化に伴うトランジスタの動作 電圧余裕の減少を防いでいる。 LD の直接変調において、光波形が Off から On 状態に変 化する時、LD 固有の緩和振動によって、LD 活性層に流れ る電流の変化速度以上で、光波形が変化する。一方で光波 形が On から Off 状態に変化する場合、光波形は活性層を 流れる電流と同等の速度で変化する。その結果、光波形は 立ち上がりが速く、立ち下りが遅くなりやすい。特に 10Gb/s 伝送では、この効果が顕著に光波形に現れ、光波 形のアイパターンの形状が非対称になりやすく、アイ開口 を制限する。 そこで、非対称な波形を補正できる非対称プリエンファ シス回路を本 VCSEL ドライバに搭載し、光波形改善を試 みた。通常プリエンファシスによって波形整形する場合、 LD 変調電流に比例した電流を消費してしまう。ところが シャント駆動方式を採用することで、シャント駆動 IC が VCSEL VCSEL ドライバ ドライバ 監視制御回路 監視制御回路 デジタル回路 デジタル回路 リ ミ ッ テ ィ ン グ リ ミ ッ テ ィ ン グ ア ン プ ア ン プ VCSEL ドライバ 監視制御回路 デジタル回路 リ ミ ッ テ ィ ン グ ア ン プ 写真 3 トランシーバ IC チップ写真 図 9 VCSEL ドライバ電気出力波形 (a)プリエンファシス無 (b)プリエンファシス有 バックターミネー ション抵抗 OUTP DP AP AN

Sub Driver Main Driver

Vth DN VCC VCC OUTN K2・IMOD 50Ω 50Ω K2・IMOD

K1・IMOD IMOD

図 8 VCSEL ドライバ出力回路 TOSAへ バックターミ ネーション 抵抗 可変 遅延 回路 INP 100Ω バッファ Duty調整 2.5V 2.5V Duty調整 電流源 入力終端 メイン ドライバ50Ω 50Ω サブ ドライバ プリドライバ C2 OUTP OUTN AP AN DP DN IMOD K-IMOD C3 L4 L3 INN 図 7 VCSEL ドライバのブロック図

(5)

VCSEL ドライバ出力を線形増幅するので、低電力でプリ エンファシスによる波形整形ができる。 図 8 に非対称プリエンファシス回路を含む、VCSEL ドラ イバの出力回路を示す。メインドライバの電流出力にサブ ドライバから電流出力を加算し、非対称な波形生成を行っ ている。非対称プリエンファシス回路は、低電源電圧でも 動作可能な ECL(Emitter Coupled Logic)-OR/NOR 回 路で構成される。非対称プリエンファシス信号は、メイン 信号(AP,AN)と遅延信号(DP,DN)の論理演算で生成 し、電流源の比率 K1、K2 により任意の振幅、形状に調整 可能で、ドライバの出力電流 IMODに比例して変化する。 図 9 に VCSEL ドライバの電気出力波形を示す。図 9(a) はプリエンファシス無しの波形、図 9(b)は非対称プリエ ンファシス有りの波形を示す。プリエンファシス無しでは 立ち上り時間 tr=27psec、立下り時間 tf=22psec であるが、 非対称プリエンファシスを加えることで、tr=24psec、 tf=26psec と電気出力波形の波形を整形することができる。 これらの波形はシャント駆動 IC で論理値が反転するため、 光波形の tr を遅く、tf を速くできる。 (2) 受信部の開発 SFP+では 10GBASE-LR の他、10GBASE-LRM への対 応も必要となる。LR の場合、受信部は飽和増幅しても問 題ないが、LRM の場合、MMF(Multi-Mode Fiber)伝送 で歪んだ波形を、SFP+のホスト側で電気分散補償 EDC (Electric Dispersion Compensation)する必要がある。

この場合、受信部は線形動作が必要となり、線形動作の TIA が必要になる。本チップセットの開発に際しては、 10GBASE-LR と 10GBASE-LRM 用 SFP+基板設計の共通 化を考慮し、リミッティングアンプ LA に加え、線形増幅 器 LB を搭載し、これら 2 つの増幅器を制御部から選択可 能な構成とした。 LA 部は 2.5V で動作できる高利得アンプ 2 段と CML 出 力回路で構成されており、LA 部のオフセットを補償する

AOC(Auto Offset Controller)回路と LA の入力振幅を 検出し、信号の有無を判別する LOS(Loss Of Signal)回 路が集積されている。 図 10 に LA 部と LB 部の周波数特性の実測値を示す。LA 部の帯域は 10GHz 以上確保されており、約 36dB の差動利 得を有している。低域カットオフ周波数は、10GBASE 仕 様のストレスドアイ試験を考慮し、100kHz 以下に設計し た。AOC 回路の積分容量はチップ内部で実現し、外部容量 を削減した。LB 部の帯域は約 14GHz で、2dB の利得を実 現している。LB 部の特性で 10GHz 近傍にピーキングが見 られる。このピーキングは基板による高周波損失を補償す るために意図的に加えている。CML 出力段の負荷抵抗は LA と LB で共用しているが、増幅用トランジスタ差動対と 電流量を変える事で線形性を変更している。

3. 評価結果

今回開発したチップセットを使って 10GBASE-LR 用 SFP+を試作し、評価を行った。図 11 に光送信波形を示す。 図 11(a)は非対称プリエンファシス無しの場合、図 11(b) は非対称プリエンファシス有りの場合の波形を示す。光波 形の非対称性が改善されパルスマスクマージンが改善して いることが分かる。図 12 に Tc=-5 〜 85 ℃の範囲における 40 30 20 10 0 -10 freq (GHz) SD D2 1 (d B) 0 5 10 15 20 LA LB 図 10 受信部の利得特性 図 11 10GBASE-LR 用 SFP+光波形 (a)プリエンファシス無 (b)プリエンファシス有 フ ィ ル タ 無 フ ィ ル タ 有 図 12 10GBASE-LR 用 SFP+の光波形温度特性 Tc=-5˚C PMM= 23 % Tc= 25˚C PMM= 39 % Tc= 85˚C PMM= 29 %

(6)

光波形の温度特性を示す。85 ℃の高温下においても、十分 なアイ開口が得られている。図 13 に受信誤り率特性を示 す。実線はクロストーク有り、破線はクロストーク無しの 場合を示す。クロストークの有無によるペナルティは僅か 0.5dB である。シャント駆動方式では、シャント駆動は TOSA 内部に搭載され、大電流によるスイッチング雑音は 金属筐体によってシールドされるため、受信側へのクロス トーク雑音を低減できる。図 14 に消費電力の温度特性を 示す。Tc=70 ℃で約 600mW、Tc=85 ℃で約 700mW と なっており、SFP+の消費電力要求仕様(Type-I)である 1W を十分余裕を持って満足することができる。 一方、今回開発したトランシーバ IC は、VCSEL を使用 する 10GBASE-SR でも使用できる。図 15 は本トランシー バ IC を用いた 10GBASE-SR 用 SFP+の光波形を示す。

4. 結  言

10GBASE-SR/LR/LRM 用途に使用する SFP+用チップ セットを自社開発し、良好な特性を確認した。特に今回実 現した低消費電力特性は、昨今、通信機器に求められてい るグリーン IT 化に寄与できると考えており、当社顧客にお ける光通信機器の低消費電力化に十分貢献できる。 参 考 文 献 (1)西江、「光データリンクの研究開発」、SEI テクニカルレビュー No.173、 p1-14、July(2008) (2)田中、「マルチレート対応小型プラガブル光リンクの技術開発」、SEI テクニカルレビュー No.172、p133-139、January(2008) (3)Tanaka, K. et al :“SDH/SONET Multi-rate SFP Module with Gain Selectable Transimpedance Amplifier and Extinction Ratio Control Circuit”, 2007 Electric Components and Technology Conference. (4)SFF Committee, SFF-8431 Specifications for Enhanced 8.5G and 10 Gigabit Small Form Factor Pluggable Module“SFP+”, Rev 2.2, December(2007) (5)本 他、「10Gb/s 動作可能な低消費電力 DFB-LD 駆動 IC の開発」、電子 情報通信学会 総合大会、C-12-36、March(2009) (6)佐藤 他、「低消費電力駆動可能な SFP+ 用シャント駆動 TOSA」、電子 情報通信学会 総合大会、C-3-14、March(2009) 執 筆 者---田中 啓二*:伝送デバイス研究所 光部品実装技術研究部 グループ長 光送受信用モジュール・ IC の開発に 従事 本  昭宏 :伝送デバイス研究所 光部品実装技術研究部 藤田 勇人 :伝送デバイス研究所 光部品実装技術研究部 佐藤 俊介 :伝送デバイス研究所 光部品実装技術研究部 大森 寛康 :伝送デバイス研究所 光部品実装技術研究部 田中 弘巳 :光伝送デバイス事業部 開発部 主席 石橋 博人 :光伝送デバイス事業部 開発部 グループ長 上坂 勝己 :伝送デバイス研究所 光通信デバイス研究部 グループ長 ---*主執筆者 10-3 10-4 10-5 10-6 10-7 10-8 10-9 10-10 10-12 10-14 BI T ER RO R RA TI O OMA (dBm) -23 -21 -21 -20 -19 -18 -17 -16 -15 w/o x-talk w/ x-talk 図 13 10GBASE-LR 用 SFP+の受信特性 図 15 10GBASE-SR 用 SFP+の光波形温度特性 Tc=-5˚C PMM= 21 % Tc= 25˚C PMM= 21 % Tc= 85˚C PMM= 20 % 1000 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 -25 0 25 50 75 100 Po we r D iss ip at io n (m W ) Temperature (C) 10GBASE-LR 10GBASE-SR 図 14 消費電力の温度特性

図 6 シャント駆動 IC 内蔵 TOSA の光出力波形
図 8 VCSEL ドライバ出力回路 TOSAへバックターミネーション抵抗可変遅延回路INP100Ωバッファ Duty調整2.5V2.5VDuty調整入力終端電流源ドライバメイン50Ω 50ΩドライバサブプリドライバC2OUTPOUTNAPANDPDNIMODK-IMODC3L4L3INN図 7 VCSEL ドライバのブロック図

参照

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