大学生の英語速読力の推移
著者
藤枝 宏壽
雑誌名
福井医科大学一般教育紀要
巻
15
ページ
51-66
発行年
1995-12
URL
http://hdl.handle.net/10098/5388
福井医科大学一般教育紀要 第
1
5
号(
1
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大学生の英語速読力の推移
藤 枝 宏 書
英語教室 (平成7年10月11日受理)The P
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藤 枝 宏 書 1 緒 言 大学一般教養課程の英語教育において,速読力養成が必須の要件の一つであることは,すで に藤枝
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)
で述べたとおりであり,年々複雑多様化していく情報化社会の中で,その必要 性はいよいよ増大してきているといわねばならない口本学においても1
9
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2
年(開学3
年目) に 速読訓練をカリキュラムに組み入れて以来,一貫してこれを継続してきており,1
3
年 余 を 経 過 した今日,その成果を再点検すべき段階に至っている口 当初 5 年間 (1982~1
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年:以下「前期5
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という)の結果については前掲書で発表した が,今回は後半における5
年間(
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3
年:以下「後期5
年」という)について,ほほ前 回同様の調査を行い,最近の学生の速読力について分析を試みるとともに,前期5年 と の 比 較 を千子うものである口 比較考量を容易にする背景的知識として,前期5年の速読力調査の主な結果をここに再掲し てみよう。 1.訓練前の学生の速読力は78WPM
であった。 2.授業で速読訓練をしなければ速読力は伸び、なかった。3
.
訓練によって全般的伸びは1
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訓練が進むにつれて速読力の上下の差が大きくなった口5
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上位群は訓練と共に順調に伸び、た1
学期間でWPM
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(1.7
倍)0 以上のような速読訓練の実態は,この1
2
年間において恒常的なものであろうか,もし変化する ものであるとすれば, どのように変化しているであろうか。この間に答えるのが本稿の目的で ある口2
実 践 研 究2-1
速読訓練の授業 福井医科大学の“教養課程"における英語は8
単位が必修であり,1
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5
年以来l年前期の i 単位をLLと速読に当てている口すなわち,1
0
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分授業の前半約7
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分で聴解訓練を行い,後半3
0
分程度を別教材による速読訓練としている 1学期間における訓練回数は,事前・中間・事後3
回のテストを除いて,1
2
回であり,その総時聞はおおよそ6
時間であるO 学期当初,速読訓練コースの開始に当たり,速読の必要性を説いた後,事前テストによる各大 学 生 の 英 語 速 読 力 の 推 移 自の速読力の現状認識,速読力習得の方法(直読直解,黙読, フレーズ読み,能動読み,集中, 等 ) 説 明 , 眼 球 運 動 活 性 化 作 業 , な ど を 行 い , 比 較 的 易 し い 補 助 教 材 か ら 実 際 の 速 読 訓 練 に 入 る D 速読訓練の目標は,学期末の事後テストのクラス平均が理解度 60~80% で 150WPM に達す る こ と と す る 。 毎 回 の 訓 練 後W P Mと テ ス ト ス コ ア を 各 自 が 記 録 し , 向 上 の 励 み と す る 口 教 材 に よ っ て は , 難 し い 語 句 の 注 を 事 前 に 読 ま せ る 。 夏 休 み に は , 翌 年 の エ ッ セ イ ・ ラ イ テ イ ン グ の 準 備 も 兼 ね て ,The Kuzuryu Memoirs (約200頁)の相当部分を多読させるO 以 上 , 前 期 5
年とほぼ同様の手法を用いて速読の授業を行った口
な お 訓 練 に 使 用 し た 教 材 は 表iの通りであるo91年 度 教 材 の 述 べ 語 数 (24,050語 ) が 際 立 っ
て多く, 89年 (9,250語 ) は 比 較 的 少 な い こ と , ま た Flesch Reading Ease Score (RE) によ れ ばCMIJACが 'Standard' である他はすべて 'FaerlyEasy' か 'Easy' に ラ ン ク さ れ る こ と などが特徴的であるO 表1 速読訓練用の教材 年 度 教 科 書 : 1課当語数 回当課数 j速 読 課 数 ) 述べ語数 1989 OSCRTAA(MGWSFPLIAUIIAJPBALC) 34492532951900 D 0D 0 380 22132111115 5 6 5 1 1 1990 -970 -560 1991 -3070 1-2 1992 -900 1-2 1993 -1010 1-2
教科書略号:OAIA=Once Agαin in Americα (英宝杜) SM =Students Write(Scott, Foresman) 9250 7790 6440 24050 8380 (3000) 13280 RE栴 WP伸M(びR率ATE) 58.3 FE 1.5 (2.3) 67.2 E 2.0 (2.6) 50.3 ST 75.5 E 1.6 (1.9) 76.1 E 2.1 (2.6) 59.9 FE 1.8 (2.1)
CMIJ AC = Common Misunder、stαndings in~αpαnese-Americαn Communicαtion (金星堂)
RFAB=ReαdingF.αsterαnd Better(Seido) TGU=The Greαt Unknoωn (マクミラン) AP=Americαn Pictures(朝円出版社)
SUPL=補助教材併用
*RE=Flesch Reading Ease Score (ST=Standard, FE=Fairly Easy, E=Easy)
2 - 2 調 査 方 法
毎 年 度1年生の前期に行った速読指導の成果は,安藤・ Sell (1971) のFαsterReading in English付属のテスト (Test1, Test 2, Test 3 ) を そ れ ぞ れ 訓 練 開 始 前 (4月),中間 (6月),
お よ び 訓 練 終 了 時 (9月)に行い,その W P M,理解度テストの SCORE (10点満点), お よ び
RATE~こよって測定した。なお,集団内部の速読力習得状況を分析するため,統計処理にあたっ
て,対象者をMEAN (全員), GOOD (Test 3の上位25人), POOR (Test 3の下位25人)の 3 群 に 分 け て , そ れ ぞ れW P M,SCORE, RATEiごついての平均,最高,最低,標準偏差等を算 出 し たO また,必要に応じて平均の差の
t
検定や,相関係数の算出も行った口藤 枝 宏 書 2-3 調査の結果 後期5年 (89--93年)の速読訓練の結果の概略を表 2,表 3に,その詳細を本稿末尾の付表 1に示す口それに基づいて, Test 1から Test3にかけての WPMとRATEの 伸 び を 年 度 毎 , 群 別にグラフで示したのが図lである口図 2は,訓練開始前 (Test1 )の速読力について, これ を前期5年から後期 5年まで通してその年次推移を見たものであり,同じく群別に WPMと RATEで示しであるO 同様に訓練終了時 (Test3 )の速読力について示したのが図3であるO ( 1 )後期5年の訓練前の速読力 後期5年 (89--93年)の訓練前の読語速度 (WPM) は表 2に示すとおり, 87.3--82.8--90.6 WPMと, 91年を底に中だるみ状を呈しており(図 2- 1参照), 91年 (82.8) と93年 (90.6) との聞には有意差 (t=2.8257) もあるO しかし,後期5年間の平均をとれば,訓練前の読語 速度は85.8WPMとなるO 訓練前のRATEI土, 41.5--52.5--46.9と,今度は逆に 91年度がピーク になっており,平均は44.7であるO 91年度生のこの特異な現象は,その内容理解度SCOREが,他の 4年度 (4.6--5.2) に抜きん でて6.3と高いことに起因する口(付表 l参照)すなわち, 91年度生は速読のスピードよりも内 容把握を重視しようとする従来の"精読型"的性格が強いことを示すものであるO この傾向が その後の速読訓練結果にどのような影響をもたらすか,注意すべき点であろう口 表2 速読訓練の成績 (89--90年<<クラス平均》 89 年 90 年 人 数 100 97 T1 WPM 87.3 84.8 T3 WPM 135.1 168.1 WPM伸 び 率 1.5 2.0 T1 RATE 41.5 41.2 T3 RATE 96.7 108.4 RATE伸 び 率 2.3 2.6 ( 2 )後期5年の訓練による速読力の伸び
a
年度別比較 91 年 92 年 94 96 82.8 83.8 131.1 174.0 1.6 2.1 52.5 42.0 97.3 108.9 1.9 2.6 93 年 平 均 92 479 90.6 85.8 162.8 154.0 1.8 1.8 46.9 44.7 99.5 102.2 2.1 2.3 l学期(実質 3ヵ月)の間,述べ 6時間の訓練によって,後期 5年の学生がそれぞれの訓練 終了時点 (T3) で到達した読語速度は, 131.1--174.0WPM (平均 154WPM) であり, T 1 (平均85.8WPM)からの伸び率は1.5--2.1倍(平均1.8倍)であるO 同様にRATEI土, 96.7--108.9 (平均102.2) に達し,それは TlのRATE (平均44.7) の1.9--2.6倍(平均2.3倍)になるo W P M よりも RATEの伸び率の方が大きい。大学生の英語速読力の推移 次ぎに,中間測定 (T2)によって形成される伸び、の方のパターンに注目すれば(図l参照), 主として 91~93年度にみられる"中折れ型"が多い口これは前期 5 年でも多くみられたタイプ であり,夏休みでの中断, T 2とT3のテスト特性のためにやむを得ない現象ともいえるが, 90年度生, 89年度生は"尻上がり型"乃至は"直線型"を呈しており,理想的な伸び方も可能 であることを示唆しているO b 群別比較 主として表3により,上位群 (Good)・下位群 (Poor)の速読習得の特性をみる口上位群の 読語速度は, T 1の85.1~99.8WPM (平均91.6WPM) から T3 の 166.6~216.1WPM (平均190.7 WPM) へと飛躍的に増加し,伸び率は1. 7~2 .4倍(平均 2.1 倍)を記録している D 訓練の後半
(
T
2
-T 3
)
で伸び方がやや鈍化する傾向が見られるが,概ねj順調に伸展している口さらにR
ATEにおいては, T 1 で 42.7~59.2 (平均52.1),T 3 で 14 1. 8~167.1(平均151.9) を記録し, 伸び率は実に 2 .4 ~3.8 (平均2.9)倍という高率を示しているoWPMよりもRATEの伸び率が0.9 倍も高いということは,特に上位群では速読訓練の進行にと伴い,読む速さが増すと同時に, 理解度 (SCORE)も向上していることを意味するものである。(表4参照) 他方,下位群の WPM は Tl で 74.8~83.8 (平均79.2),T3 で 109.1~152 .4 (平均129.2), 伸 び率は1. 4~1.8倍(平均1.6倍)であり, RATEIまTlの27.3---48.3(平均36.8)からT3の54.8 ~61.3 (平均58.5)へ, 1. 2~2.1 倍(平均1.6倍)の伸びである O しかし, T 2 ~T 3にかけてW PMの伸びの鈍化が目立ち, RATE~こおいては下降さへしている,特に 91 年 ~93 年にその傾向 が著しい。 表3 速読訓緯の成績 (89--90年<<上位・下位群別》 表4 理解度 (SCORE)の変化(後期5年平均) 《上位・下位群別》藤 枝 宏 寄 他方,下位群の
WPM
はTl
で7
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からT3
にかけてWPM
の伸びの鈍化が目立ち,RATE
においては下降さへしているO 特に9
1
年-
-
9
3
年 に そ の 傾 向が著しい。 上位群と下位群の差を出発点(
T1
)→到達点(
T3)
で比較すると,WPM
の群差は1
2
.4→6
1.5
(伸び率の群差は0
.
5
倍)であり,RATE
では1
5
.
3
→9
3
.4の大差(伸び率の群差は1.3
倍 ) を 生じているO これは上位群の方がはるかに速読力習得において勝っていることを示すと同時に, 下位群は,読む速度を上げれば,理解度が下がることを物語っている。(表4参照)c
速読力習得優秀者 訓練を開始するに当って,クラス平均が150WPM
を越すことを目標にしたが,それは優に達 成され,さらにRATEt
こおいても1
5
0
を越える"速読力習得優秀者"が毎年輩出し5
年 間 の 訓練対象者計4
7
9
名中"優秀者"は5
1
名(全体の1
0
.
6
%
)
に達した口(付表2
参 照 ) 上 位 群 の5
年間平均のRATE
が1
5
1.9
であるので,上記の"速読優秀者"は上位群の中の更に上位半分に当 たるD 読む速度の最高は455WPM
,300WPM
以上は6
人,それらを含んで200WPM
以 上 が3
1
人おり,優秀者5
1
人の平均は227WPM
であるoRATE
では最高が3
0
7
で,2
0
0
以 上 に 達 し た 者 が7
人,平均は1
8
0
であるO 伸び率はWPM
で平均2
.4倍,最高は5
.
3
倍であり,RATE
では平均3
.
9
倍,最高は8
.
3
倍と極めて高い口 男女別では,5
1
人中男性が4
0
人と圧倒的に多く,女性は少ない(
2
1.6%)
。 因 み に ク ラ ス 全 体に占める女性の割合は,後期5
年間平均で31%
である口 高校卒業後の経過年数(経年)で分析すると,5
1
人中の「現役J
は1
1
人で2
1.6%
[因みに, クラス全体に占める現役の割合は5
年間の平均で29.2%
であるJ
,r
1
浪jが1
9
人 で37.3%
[同35.8%
J
,r
2
浪以上jが2
1
人で4
1.2%
[同34.6%]
,その内大学中退者は5
人であるO 速 読優秀者の中では経年が多い者の比率がやや高いようではあるが,現役も相当に入っているこ とは注目に{直する。(
3
)前期5
年と後期5
年との比較a
訓練前の速読力 訓練開始前の読語速度は,前期5
年 が65.8--86.0WPM
(平均78WPM)
であったのに対し, 後期5
年では82.8--90.6WPM
(平均85.8WPM)
と高く,前期当初の82
年(65.8WPM)
から 後期の最終年9
3
年(90.6WPM)
を望むと(図2
参照),多少の凹凸はあっても,全般的に上昇 調を示している。現にその両年度のWPM
の聞には,大きな有意差(t=10.6737
pく0
.
0
0
1
)
が検証されているoRATE
においても,前期5
年の3
9
.
5
-
-
4
7
.
1
(平均4
3
.
1
)
に対して,後期5
大学生の英語速読力の推移 図1 訓練による速読力
(WPM.RATE)
の伸び (89...93年) (1)89年生WPM
(2)89年生RATE
220 220 200 200 180 Good 180 .+ 160 1601
Good 140 Me叩 140 120 120 100 Me印 80 持d戸
80 60 E日 40 40 対4・F 20 T 1 (4月) T 2 (6月} T 3 (9月) T 1 (4月) T 2 (E月) T 3 (9月} (3) 90年生WPM
(
4
)
90年生RATE
220 220 200 200 180 Good 160 16日.
.
140 140 120 120l- Mean 1目。 100 8日 加 60 60 40 40 20 20 。 T 1 (4月} T 2 (6月) T3 (9月} T 1 (4月} T 2 (6月) T 3 {9月}(
5
)
91年生WPM
(6)91年生RATE
220 220 200 200 180 Goo,
d + 18日 160 Mean Good 140 ト 140 _.・F 120 120 ー+~-
~ー
一
ー
一
一
一
一
一
一
一
一
司
拭
Mean l目。 Poor 100戸
加'
ー
二
r
三てJ戸 品 ー
Poor 60 60 40 40 20 20 T 1 (4月} T 2 (6月} T 3 (9月} T 1 (4月) T 2 (6月) T 3 (9月}(
7
)
92年生WPM
(8) 92年生RATE
220 Good ----+ 220 200 200 180 Mean Good 160 ",,~.-*一一一一ーー+_.-一ーー
Pー
00→r〈 160 140 140 〆 120 〆 - - 120FF
ふぷ主人
ー一一
100 ,,~ 100 日 目 目。 60 60 40 40 20 Z日 T 1 (4月} T 2 (6月} TJ (9月) T 1 (4月} T 2 (6月} T 3 (9月)喜 一 吋 宏 枝 藤 側 93年生 RATE トan Good -一ーキ キーー ME
ι Z
づ ー ー 、 - . - ー ー-
F
4
,.... R U A M U 畑 咽 n u u n u n u h u n M M A u n -n v A H U 2 0 8 E 4 2 0 8 6 4 2 2 2 1 1 1 1 1 (9)93年生 WPM Good -ー四ー+ 今 Mean 一司 ...:-: 一一._---ー'ー・ー・ー.... イ.-. Poor ..:....--乞" n H V A H u n " u n H u n u u n n u 白 川 M W 内 uvnHVAHMAHwnH 首 q t -n u a E S u a -' ・ n H V R u a " a q e ' 白 2 2 1 1 1 1 1 T 3 (9月} T 2 (6月} T 1 (4月} T 3 (9月) T 2 (6月} T 1 (4月) 訓練開始前 (T1 )の速読力 (WPM. RATE)の年次推移 (82--93年) 図2 (RATE) 82 90 91 92 93 (2)82~93年生 Tl 89 86 85 84 n u n U A M a u a u n u a u 自 U 内 U 内 u n U A U Z E 8 6 4 2 0 自 B 4 2 2 2 1 1 1 1 1 (WPM) 84 + ー + ‘ Good__+ - - + - - - ー ‘4 【 e--.---e 士・一--~---左手とでで要 Jニ二企プ-" ー_.~ー 93 92 官1 君 。 (1)82~93 年生 Tl 89 86 85 内 r a a 却 刷 阻 岡 拍 相 咽 却 叩 m 舶川姐叩却 0 2 2 1 1 1 1 1 訓練終了時 (T3)の速読力 (WPM. RATE)の年次推移 (82--93年) 図3 (RATE) 守 点 , , 出 T ム 凧 4 b r v ム用 M T 一ー一一一一 点祷ー一ー持--'-ー持ー_.-持ー_.-門 n .-誕 ,..ーー 『 、 . /、ぞ、J 制 (2)82~93年生 T3 93 92 91 9日 89 86 85.
,
.
a o 出 捌 畑 出 回 加 川 却 問 伺 泊 。 (1)82~93年生 T3 (WPM) 93 92 91 9日 89 86 85 84 別 加 創 印 刷 叩 叩 ω 剖 印 刷 明 初 日 2 2 1 1 1 1 1 82 点 、 〆 . 、 ー 、 Jノ も も _ . . : 〆 ー 、 〆 ,ゆ--・・ ・ ... 司ト 〆 / ¥ / 7 ' . - . _ 咽 ~\J / ザ ιョ , 〆 誕 一 回 --官、ーー‘司-~戸・ 、 / 、 . . . 、 . ' X ー持ーー・-.・蝉F・3・ー持ー-大学生の英語速読力の推移 年は 4 1. 5~52.5 (平均
4
4
.
7
)
と高く,8
9
年度のRATE (
4
0
.
5
)
と9
3
年度のRATE (
4
6
.
9
)
の間で も,やはり有意差(t=2
.
42
7
5 P
く0
.
0
2
)
が認められるO 以上の結果は,入学生の訓練前の速読力が過去1
2
年の中に徐々に上昇してきていることを示 すものである口このことはすでに藤枝(
1
9
9
3
)
でも触れていることであり,入学生の他の英語 学力の上昇傾向と関連づけて勘案すべきであろう口 b 訓練による速読力の伸び 特に注目すべきは,速読訓練の効果である口前期5年における l学期間の訓練で到達した速 読力(
T
3) は,読語速度で 119~135WPM (平均 128WPM) ,伸び率が1.4~1.9
倍(平均1.6
倍), 有効読語数RATE
で7
1
~98 (平均8
6
)
,その伸び、率が1. 5~2.3倍(平均2.0 倍)であった口それ に対し,後期5
年の成績は,上記(2) -
bで示したように,平均で154WPM
,伸び率1.8
倍,RATE
の平均が1
0
2
.
2
,ひの伸び率が2
.
3
倍と向上してきているo (図3
参照) 表5 前期5年間・後期5年聞の平均速読力の比較 区 分 -ーーーーーーー・ー・..-."ト.".-ーーーーーーーーーーーーー・ー前期5
年間平均 -.---ーー ーーーーー・司開明田...司・ー・後期5
F司-._-.-ー---司'咽 ・年間平均・4・t・ーー・----Mean (Good/Poor)
Mean (Good/Poor)
訓練前
(
T1
)
の平均WPM
7
8
(
85/
71)8
6
(
92/ 7
9
)
訓練後(
T3
)
の平均WPM
1
2
8
(
1
5
0
/
1
1
1
)
1
5
4
(
1
9
1
/
1
2
9
)
WPM
の伸び率 1.6
(1.8/
1.6
)
18(21/16)│
...回ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー回直値a・・・・ーー・幽.幽ーー...・----・・・・ ・・・ ・・・・ ・ー--- 曹司.曹司F曹園町司'・ー・・ー ・ー・・・・・・---争申蜘-_..・..・・・・----_._. '冒.冒...朝岡,. ・・・・・圃・・---_._---_.-晶画白・ーーー---園出 訓練前(
T
1)の平均RATE
4
2
(
53/ 3
3
)
4
5
(
52/ 3
7
)
訓練後(
T3
)
の平均RATE
8
6
(121/ 5
5
)
1
0
2
(
1
5
2
/
5
9
)
RATE
の伸び率2
.
0
(
2
.
3
/
1.7
)
2
.
3
(
2
.
9
/
1.6
)
両期間の各平均値だけを示して,比較を容易にしたのが表5であるが,訓練前の前・後期の 差よりも,訓練後の差の方が大きい。つまり,後期5年間の方が訓練効果が大であったことを 示すものである口 前期5年・後期5年の対比を,上位・下位2群に分けて観察することは興味深い口すなわち, 訓練前のT1
における前・後期の差は,上位群が(92-85=)7
WPM
, 下 位 群 が(79-71=)
8WPM
と,群聞ではほとんど差がないのに対し,訓練後のT3
においては,上位群の差(
1
9
1
-150=)41WPM
に対し,下位群の差は(129-111=) 18WPM
と,大きく下回っているO 後期の 上位群の読語速度の伸展が著しいことを示すものであるORATE
においては如何であろうかoT
1
で上位群の前・後期差は平均で(52-53=)-1
, 下 位 群は(37-33=)4
と大差がないのに対し,T
3
では上位群の差(
1
5
2-121 =
)
31
と下位群の差(59-55=) 4
にはまた大差がある口速度においても,理解度においても後期5
年の上位群の伸 びが比較的大であったことがわかる口このことは,前期5
年の後半3
年間におけるRATE150
以上達成者の数が1
1
名であったのに対し,後期の後半3年間では3
0
名に及んでいることにも現 れているO藤 枝 宏 書
(
4
)結果のまとめ 以上の結果を整理すれば次のとおりとなるO<
A
>
後期5
年の速読力(平均)について 1訓練前は85.8WPM,RATE44.7であった口 2訓練後は154WPM,RATEで102.2に伸び,訓練前の目標 (150WPM)は達成した口 3訓練によるWPMの伸び率は1.8倍, RATE!土2.3倍で, RATEの伸び率の方が高い。 4上位群は190.7WPM (2.1倍), RATEで151.9 (2.9倍)に伸び, 下位群は129.2WPM(1.6倍), RATEで 58ι(1.6倍)に伸びた。 5上位群の方が速読の伸び率が大きく, しかも意味理解の伸びがさらに大きい。 6速読優秀者(上位群の上半)は訓練後平均で227WPM(最高455WPMを含め300WPM以 上 が6人), RATEで180を記録した。 7優秀者の男女比は4 であり,現役は22%である口<
B
>
前期5
年と後期5
年との速読力の比較 8訓練前の速読力は前期5年から後期5年にかけてわずかながら向上した (78WPM→86 WPM; RATEで42→45)0 9訓練によって到達した速読力も前期5年から後期5年にかけて大きく向上し(128WPM →154WPM; RATEで86→102),従って伸び率も高くなった (WPM:1.6→1.8倍 ;RATE: 2.0→2.3倍)口 10前期5年から後期5年への速読力の向上は,下位群 (111WPM→129WPM; RA TE
5
5→59) よりも上位群 (150WPM→191WPM ; RATE121→152)において大きく認められた口 2-4 考 察(
1
)伸び率の低い年度と教材 前期5年に比べて後期5年が全体としては速読力を向上させていることは,既に述べたとお りであるが,その中で比較的成績のよくなかった89年と91年について考察するo (図 2,図3 参照) 89年生については,訓練前のWPM87.3が後期5年の中で第2位 で あ っ た の に , 訓 練 後 は 最 低の91年 (131.1WPM)に次いで低く (135.1 WPM) ,伸び率は最低の1.5倍 で あ る 口 速 読 訓 練 の諸条件は年度によって変えてはいないc ただ教材は毎年市販の教科書を使用するので,多少 変化があるo89年度は使用した教科書の内容量が5年の中で最少 (9,250語 ) で あ っ た ( 表l 参照:他の年度は 24 , 050~11,380語)ことが一つの要因であると考えられる口 91年度は, 90年から93年にかけて上昇しだした速読力 (WPM,RATE)の 流 れ の 中 で , 落 ち込みが目立つ口(図3参照) それは, 2-3 (1)で言及したように, 91年 度 生 が 訓 練 前 から持っていた"精読固執"の性向が最後まで抜けきらなかったことを示すものといえよう。大学生の英語速読力の推移 また,この年度の教材は特に速読教材として作られたものであるが,量が多すぎた
(
2
4
,0
5
0
語 で5
年間中最高。次位は9
0
年度の1
4
,0
0
0
語)きらいがある口緊張の持続可能な時間的限度,読 後の理解度テストに必要な記憶量などを勘案すれば,特にE
n
g
l
i
s
h As a F
o
r
e
i
g
n
Language
(
E
F
L
)
の学生にとって1
回の訓練に適した時間,読語数には自ずから決まる最適値があろうO1
3
年間にわたる経験上,現行の条件は本学の学生に適していると思われる口すなわち,300
-
-
5
0
0
語の文章を2--3
個,3
0
分間程度ずつ速読訓練し1
学 期 で 成 果 を み る と い う も の で ある口しかし,訓練期間の始めの部分では, もう少し集中的に訓練を行って早く速読の領域に 引き上げ,その後は今のようなベースで漸次向上を計るという方法も考えられよう口(
2
)教材Grade
化の必要性 後期5
年の速読優秀者5
1
人が平均で227WPM
を達成したとはいえ,藤枝(
1
9
8
6
)
でも報告し たように,それはまだ米国の大学生の通常の速読力280WPM
にもまだ達していない口EFL
だか らと言って甘えてはおれない。EFL
学習者に適合した速読習得法をさらに研究し,実践してい かねばならない。 そのーっとして,速読訓練の個別化が考えられるO 上述のような優秀者と,100WPM'
こも満 たない者とを,同ーの教材で,同じ時間制限で訓練することの非能率は改善されるべきであろ う口それについては教材のGrade
化と訓練法の最適化が考えられねばならないロ まず速読教材の題材は,直読直解ができるe
x
p
o
s
it
o
r
y
w
r
i
t
i
n
g
かn
a
r
r
a
t
i
v
e
が適している。判 読,解読,熟読玩味を要求するような煩鎖な,抽象的なもの,専門的なものは避けるべきであ る口 次ぎに速読の教材はどのレベルからでも慌えるように,例えば5
段 階 ぐ ら い にg
r
a
d
e
イヒされ る必要がある口教材の読み易さ(Readab
i
l
i
t
Y
)のI
I
}
買にg
r
a
d
e
をつけて編集・配列され,P
r
e
-
t
e
s
t
の結果によって,学習者が自分に適したところから始め,進歩に合わせて上のg
r
a
d
e
に上がっ ていけるようにするべきである 1回の速読の量(語数)も初級と上級では差があってよいD (例えばGrade 1
では2
0
0
-
-
3
0
0
8
苦;Grade 5
では1
,0
0
0
-
、・-
2
,0
0
0
語)0R
e
a
d
a
b
i
l
i
t
y
には,構文,語葉,文体などの要素が関わってくるoF
l
e
s
c
h
のReading Ease
は 米固などでよく利用されているs
c
a
l
e
の1
つであり,参考にはなろうが, 日本におけるEFL
とい う特殊事情を勘案して,やはり教師の目で、g
r
a
d
e
の最終判断をしたほうがよい。その意味では 現行以前の中学 (3年),高校の教科書や,副読本などを利用するのも,一つの方法で、あろうD 直接の教材ではないが,速読力を測定する標準テストの作製も望まれるところである口聴解 については,JACET
などから何種類か出ているが,速読については安藤・S
e
l
l (
1
9
7
1
)
の付属 テスト以外によいものがない。安藤氏らのテストもT1--T7
の 難 易 度 の 均 一 性 , 設 問 の 適 切 さなどで問題があるO 上述の教材g
r
a
d
e
化という観点からすれば,速読の標準テストにもg
r
a
d
e
を考慮したものが望まれるし,文体・設問についても適切な配慮が必要であるO藤 枝 宏 書 特に設問については,毎回の訓練での
ComprehensionT
e
s
t
で、必要になることであるが,読 んだ、p
a
s
s
g
e
の中心的(
g
l
o
b
a
l)情報について問うものと,c
o
n
t
e
x
t
上 か な り 重 要 なd
e
t
a
i
l
s
につ いて問うものとを適当な比率で(例えば2 : 3)出題することが必要である。配点に重み付け を考慮しでもよい。(
3
)速読指導上の工夫 初級者については,まず眼球運動の訓棟から始める。(国内出版の速読テキストで,眼球運 動の頁を含んでいるものはないようだ。要するに日本人のための本格的英文速読の教材がまだ 完備していないのである。)次ぎに英文の速読は,十分に読みやすいg
r
a
d
e
から始めて, まず スピードの達成感をもたせ,速続の自信,喜びを味合わせて,速読へのm
o
t
i
v
a
t
i
o
n
をつくるこ とが大切であるO また, とうしても100WPM
にも達しない者には, もし教材に付属していれば, カセットテープ(130WPM
程度)を"伴走"させて,スピードアップを謀ることも有効であろ う口(これはすでに実験して効果を実感した方法であるが,初級者に限らねばならない。真の 速読にはi
n
n
e
rv
o
c
a
l
i
z
a
t
i
o
n
さえも禁じられているからである口) 上級者(例えば150WPM
到達者)については,S
h
i
r
l
e
y
Rudd (
1
9
8
9
,p
p
.
9
9
-
1
1
9
)
の言うよ うなskimming
や普通に言われているようなs
c
a
n
n
i
n
g
を始めるべきであろう口これまでは文頭 から順を追っ速く読む通常の速読をクラス全体に一様に指導してきたので,これらの方法はま だ用いていない。アメリカの速読の本などで言う500WPM
,2000WPM
などというスピードはskimming
やscanmng
なしには不可能である。skimming
やs
c
a
n
n
i
n
g
の段階で訓練すれば, 日本人学生でも 400~500WPM の達成は不可能ではなかろう O 圏内出版の速読のテキストにも, こ こまでの展開を盛り込んだものが望まれる口 (4) CALLによる速読訓練の可能性
C
o
m
p
u
t
e
r
-
A
s
s
i
s
t
e
d
Language L
e
a
r
n
i
n
g
において,速読を訓練する方法もある口その利点の 最たるものは,速読訓練の個別化であるO まず各種レベルの速読教材の大量保有,個人の能力 や興味に合わせた速読材料の選択,文章の呈示方法の選択,呈示速度の選択,語葉へのヘルプ,WPM
と理解度の即時フィードパックおよび個人別記録等,コンピュータの機能を駆使して, 個人のベースで訓練できることが最大のメリットであるO また,図書館的利用ができれば, い つでも訓練を重ねることができ,上級,初級を問わず,速読力の向上が期待できるD しかし,難点がないわけではない口CRT
の精度如何による視覚的疲労,また普通の印刷文字 を紙上で読むのとは異なる違和感,文字や行が物理的に画面から消えていくような時間的制約 の心理的影響,skimming
やs
c
a
n
n
i
n
g
のしにくさ,利用場所制限などの問題が生じうるO しか しながら,今後技術の進歩によって解決される点もあろうし,世の中全体がコンピュータ化に 向かっている今日,早晩この方式にも実際的に取り組まねばならなくなるであろう口大学生の英語速読力の推移
3
結 論 自動車の運転における速度感覚は人により,道路状況により,また慣れによって異なるO 高 速道路を半日も運転すれば,時速100キロはもう通常の感覚となろうD 同 様 に 文 書 を 読 む 速 度 も大ざっぱに言えば,慣れの問題であるo80WPMが 習 慣 と な っ て い れ ば , い つ ま で も そ の 速 度 が 'comfortable'な の で あ る 口 自 分 か ら 変 え よ う と は し な い 。 精 読 を 主 と す る 高 校 で の 英 語教育・受験勉強を終わって大学に入り, もしそのままの読語速度に安住していたならば,一 生涯における情報量の損失は計り知れないものとなるであろうO 大 学 に お け る 英 語 教 育 に は そ れなりの独自性がなければならない。本学における速読訓練がその意味で長年展開されてきて いることは,以前にも述べたとおりであるが,今回,その跡、を振り返り,最近の本学学生の英 語速読習得の実態調査を終えて,概ね好ましい成果を報告できたこと,また将来への展望をも 持ちえたことは,今後の教育に大きな励みとなるものである口まじめに速読訓練に取り組んで くれた学生諸君に敬意を表して,この稿を終えたい。 参 考 文 献 安藤昭一, David Sell (1971), F,αster Reαding in English.英潮社新社。Frank, Stanley D. (1990), The Evelyn Wood 7-Dαy争eed Reαding& Learning Program. Avon Books. 藤枝宏毒 (1986), 1大学生の英語速度力習得の実態と問題点
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福井医科大学一般教育紀要』第6号。 一一一一一 (1993), 11984--1993年入学性の英語学力調査一聴解・クローズ・速読の断面から-
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『福井医科大学一般教育紀要』第13号。 町田隆哉,柳善和,山本涼一, M.T.スタインパーグ(1991),r
コンピュータ利用の英語教育J
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藤 枝 宏 寄 付表 1 英語速読訓練結果統計一覧