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山陰地方の地震活動の謎 Mystery of seismic activity in the San'in district

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Academic year: 2021

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A33

山陰地方の地震活動の謎

Mystery of the seismic activity in the San’in district,

飯尾能久

Yoshihisa IIO

In the San'in district, there is a seismic zone along the Japan Sea coast, and major seismic activity has been active during the past hundred years. On t the Japan Sea coast, from western Shimane Prefecture to northern Hyogo Prefecture, however, active faults are not well known. In the Kinki, Chugoku, and Shikoku regions, the direction of the maximum compressive stress was almost east-west, while from western Shimane to northern Hyogo, it was found to be west-northwest-east-southeast. But the cause is not well understood. These causes will be examined based on dense seismic observation data.

1. 何が問題なのか? 内陸地震は、海のプレートによって圧縮されて いる陸のプレート内にたまったひずみが限界に達 したときに発生するとよく言われるが、これは誤 解を招く表現である。この文章は、海のプレート の沈み込みによって陸のプレート内の応力が増加 して断層の強度に達すると内陸地震が発生すると 解釈出来る。しかしながら、沈み込みによって増 加した陸のプレート内の応力は、海溝型の巨大地 震が発生すると元に戻ってしまうため、その発生 間隔を越えて、内陸の断層の応力を増加させるこ とは出来ない。ある活断層における大地震の発生 間隔は一般的には千年以上であるため、この単純 な枠組みだけでは、いつまで経っても内陸大地震 は起こらないはずである。 この文章では明に示されていないプロセスが背 景に存在し、それこそが、内陸大地震を発生させ る最も重要な要因であると考えられる。 山陰地方においては、日本海沿岸に沿って帯状 の地震帯が存在し、この約百年の間では大地震活 動も活発である。この地域は、他と違って、上記 のプロセスが顕著に現れている非常に稀なフィー ルドなのである。 2. 内陸プレート内の不均質構造 島根県西部から兵庫県北部にかけての日本海沿 岸においては、最大圧縮応力の向きが西北西-東南 東であるのに対して、その南側ではほぼ東西であ ることが分かってきた。東西方向の最大圧縮応力 は、南側だけではなく、広く近畿から四国にかけ ても見られる。南海トラフにおいてフィリピン海 プレートは西北に沈み込んでいるのに、陸のプレ ートのトラフに近い側の最大圧縮応力は東西方向 となっているのである。このことは、フィリピン 海プレートの「押し」そのものが、日本海沿岸の 内陸地震を直接的に引き起こしている訳では無い ことを強く示唆している。 日本海沿岸の応力場は、地震帯の直下の下部地 殻内に、周囲に比べて変形しやすい Weak zone(例 えば、周囲に比べて粘性が低い領域)が存在すると 定性的には説明出来る。西南日本に広く分布する 東西圧縮応力の下で、東北東-西南西走向の幅の狭 い Weak zone が右横ずれを起こすことにより、そ の直上の最大圧縮応力の向きを東西から時計回り に回転させるからである。 3. 残された問題 -地震や断層とはどういうも のか?- しかしながら、観測された応力場は、定量的に は再現されていない。有限要素法によるモデリン グにおいて、遠方から地殻全体に一様に加わる応 力の下で、下部地殻内の Weak zone が変形し、そ の直上に二次的な応力集中を起こすことが出来る が、回転量を大きくするために遠方応力を大きく すると、上部地殻に加わる応力も大きくなるため、 変形量が増えた分を打ち消してしまうからである。 この枠組みの中で回転量を増やすためには、下部 地殻に働いている差応力を上部地殻より大きくす る必要がある。このことが、どのような場合に可 能かどうかを具体的に検討する。

参照

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