Title
Autologus Bone Marrow Cell Transplantation Improves Left
Ventricular Function in Rabbit Hearts With Cardiomyopathy via
Myocardial Regeneration-Unrelated Mechanisms( 内容の要旨
(Summary) )
Author(s)
呂, 伝江
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第634号
Issue Date
2005-12-21
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14493
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氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 呂 伝 江(中華人民共和国) 博 士(医学) 甲第 634 号 平成17 年12 月 21日 学位規則第4条第1項該当
AutoLogous Bone Marrow Ce]lTranspIantationImproves Left Ventricular Functionin Rabbit Hearts With Cardiomyopathy via MyocardialRegeneration-Unre]ated Mechanisms (主査)教授 藤 原 久 義 (副査)教授 高 見 剛 教授 竹 村 博 文 論文内容の要旨 背景と目的 最近の研究において,骨髄幹細胞が多分化能を持ち,これを急性心筋梗塞後の心筋に直接注射することにより, 心筋や血管が再生され心機能の改善がもたらされることが報告されている。骨髄細胞移植により心筋や血管内皮 細胞が再生される一連の機序は明らかではないが,さまざまな体液因子が関与すると考えられる。したがって, 急性心筋梗塞と異なり虚血がなく炎症の程度が比較的弱い心筋症の心臓においては骨髄細胞移植の治療効果は低 いとも考えられる。しかし,少なくともこれまでJL、筋症の心臓において骨髄細胞移植の治療効果を検討した報告 はない。本研究の目的は,自家骨髄細胞移植治療が実験的心筋症モデルにおいて,急性心筋梗塞に対する場合と 同様な治療効果をもたらすか否かを検討することである。 対象と方法 日本白色種ウサギにDoxorubicin(2mg/kg/week)を連続8週間静注し,心筋症モデルを作製した。2週間後, 骨髄細胞移植(BMT)群は腸骨から骨髄液を採取し,単核球分画(約1×106)を取り出し,DiIでラベルし,PBS 液1mlに溶解後,ウサギを人工呼吸下に開胸し,左室自由壁に10ヶ所直接注射した。コントロール群はPBS液の み左重心筋に注射した。さらに,4週間後,JL、臓を取り出し,ランゲンドルフ港流下に心機能を評価した後,左 室重量を測定した。さらにモデルを作製する直前と作製した2週間後,屠殺する直前のそれぞれの時点で心エコー を施行した。心筋細胞や血管の再生や種々のサイトカイン等の発現については,骨髄細胞又はPBSを注射した2
週間後と4週間後に左室サンプルを収集しHE染色,Masson trichrome染色,Western blotting,免疫組織染
色を行い検討した。 結果 ランゲンドルフ濯流下での左室発生圧は,コントロール群に比べBMT群において有意に高嘩を示した。心エ コー上 BMT群ではコントロpル群に比べ,左室駆出率は有意に高値を示した。またBMT群において,左室壁 厚と左室重量は有意に低値を示した。病理学的検討により心筋細胞の脱落,空胞化といったDoxorubicin心筋症 の特徴がコントロール群ではしばしば観察されたが,BMT群ではこれらの所見は比較的軽度であった。骨髄細 胞移植2週間後の時点で,DiIでラベルされた骨髄由来細胞は,主に注射部位を中心に観察されたが,4週間の 時点でははとんど観察されなかった。免疫組織染色により,極めてわずかではあるがDiI陽性かつ血管内皮細胞 のマーカーであるCD31陽性細胞が確認された。しかし心筋細胞のマーカーであるtroponinI陽性の骨髄由来細 胞は確認されなかった。これは,虚血を伴わない心筋症の心臓において骨髄細胞の心筋細胞への分化は生じない または極めて生じにくいことを示唆する。Western blottingと免疫組織染色により,BMT群においては骨髄細
ー17-胞移植2週間後の時点でコントロール群に比べ,TGF-β1がupregulation,MMP-1とTNF-aが downregulationしていることが分かった。しかし,4週間後の時点ではこれらは両群間で差はなかった。 考察 本研究で用いた心筋症モデルでは,自家骨髄細胞移植によりJL、筋細胞は再生されなかった。血管内皮細胞は再 生できたと考えられるが数は極めて少なく,これによって心機能が改善されたとは思い難い。そこでJL、筋や血管 細胞の再生によらない心機能改善の機序として,サイトカイン等の液性因子の関与を検討した。本研究では骨髄 細胞移植2週間後にTGF-β1の発現元進がみられた。TGF-β1は主に骨髄細胞の注射部位に確認されたことから, 骨髄由来幹細胞又はその注射の刺激自体がその発現に重要な役割を果たしたと思われる。TGF一β1自体は心筋細 胞に対して抗アポトーシス作用と抗酸化作用があり保護的に働くと考えられる。また,TNF-αは心筋リモデリ ングの悪化に関与するという報告があり,TGF-β1がTNF一αを抑制することによっても心筋保護的に作用した 可能性がある。さらにTGF-β1はTNFTaだけでなくMMP-1を抑制することも知られており,このことによりc Ollagenの安定化を介し初期の心、腔の拡大を防ぎ,心機能の保持に関与したことも心筋保護のメカニズムである かもしれない。 骨髄細胞移植した4週間後にDiI陽性細胞ははとんど確認されなかった理由としては,移植した骨髄細胞が左室 壁から別の組織・臓器に移行したことや,移植した骨髄細胞が4週後には細胞死に陥ったこと等が考えられる。 骨髄細胞移植した4週間後にTGF-β1,MMP-1,TNF-aの発現にコントロール群と差が認められなかったこと から,骨髄細胞移植の効果は長期に持続しないと考えられる。したがって,骨髄細胞移植治療はJL、筋症のより早 い段階で行えばより効果的であると考えられた。 結論 骨髄単核細胞の」L、筋への直接移植は心筋症に陥ったJL、臓の機能低下を抑制した。その心保護効果は心筋や血管 の再生とは無関係に,TGF-βやTNF-aに代表されるサイトカインやMMP等の心臓リモデリングに関与する因 子を介して生じたと考えられた。 論文審査の結果の要旨 申請者 呂 伝江は,実験的心筋症モデルにおいて骨髄細胞移植がもたらすJL、機能改善効果及びその機序につ いて明らかにした。本研究は今後の骨髄細胞移植治療の臨床応用において,その重要な基礎的根拠を与えるもの であり,循環器病学の進歩に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌]
Autologous Bone Marrow CellTransplantationImproves Left Ventricular Functionin Rabbit Hearts With Cardiomyopathy via MyocardialRegeneration-Unrelated Mechanisms
Heart Vessels21,180-187(2006).