都 市型地場産業 にお け る
「
産業空洞化 」 と対応
1.は じめ に わが 国のエ コノ ミス トの間に 日本経済 の 「産 業 空洞化 」現象 につ いての現状 認識 の差 異が あ るが,さ らに 日本産業 の展望 につ いて も楽観論 と悲観論 が渦巻 いてい る。 一 方,産 業政策担当機 関である通産省か らは産業空洞化対策 として,1997年 か ら新 法 「地域産 業 集積 活性化 法」 が提供 され た。 なお,通 産省 は,「産 業 空洞化」対策 として4つの処方箋を提示している。それは①規制緩和の重点的実
施などによる高コス ト構造の是正,② 地域産業集積活性化法の施行,③ ベンチ
ャー企業群をはじめとする新規事業の創出,④ 経済フロンティアの開拓という
施 策 で あ る。 したが って,地 域産業集積 活性化法 は 4つ の処 方箋 の 1つ として 位 置づ け られ て い る。 本稿 では,最 初 に 「産 業 空洞化 」現象 の意味 につ いて考 え,つ ぎに,大 阪の 工 業構 造 と地場産業 を概観 し,そ の 中で と くに 2つ の地場産業 を取 りあげ,そ れ らの 「産 業 空洞化 」現象 の実 態 と,そ の対 応 につ いて記述 したい。 これ ら 2つ の地場産業 の聴取 り調査 は,大 阪工業会事務局 の ス タ ッフ と共 同 で1996年 6月 よ り継続的 に調査 をお こなってい る ものであ り,そ の成果 の一部 を活用 させ て い ただ いた。 2.「 産業空洞化」現象の意味 「産業空洞化」現象については論者によって定義 は異なる。 ここでは経済企 チB 谷 庄 幸2 美 崎 皓 教授追悼号 (第309号) 画庁 調査局 『地域経 済 レポー ト'96-空 洞化 の克服 をめ ざす地域経 済― 』の定 義 が簡潔 であ るの で,そ れ を引用 す る。 この本 では,「円高 を要 因に,① 輸入 浸透 度 の上昇,② 輸 出比率 の低下,③ 海外生産 比率 の上昇 といったルー トを通 じて,国 内生産 が縮小 し,そ の結果,製 造業 をは じめ とす る周辺産業の雇用の 減 少 等が起 きるこ と」 と定義 され てい る (同書 p.110)。 空 洞化 現 象 の生 じる第 1の ルー トとして,『地域経 済 レポー ト』 に よって業 種 別 に輸 入浸透 度 〔=輸 入額 ■ (産出額 又 は出荷 額 十輸 入額 ―輸 出額)×10o〕 をみ る と,製 造業全体 としては緩 か に上昇 してい るが,繊 維,電 気機械,一 般 機械 な ど特定 の業種 で顕著 に上昇 してい る。 と くに,加 工組立型の製造業全般 を支 えて きた金 型 な どで急速 に上 昇 して い る。 また,カ ラー TVや ビデ ォ機 器,磁 気 テー プ な ど AV・ 音響 関連や扇 風機,掃 除機 な どの家庭 電気関連が こ こ数 年 間 で急速 に上 昇 して い る。 カ ラー TVな どは高級 品 を国内で生産 し, 普及 品 を海外 で生産 してい るため,台 数ベー スでの輸入浸透度 は金額ベー ス ょ りさ らに高 くな る。 第 2,第 3の ルー トとして輸 出比率,海 外生産 比率 の動 向 をみ る と,1992年 か ら95年にかけて輸 出比率 〔=輸 出売上額 キ (親会社 の売上額 <国 内十輸出>)〕 は横 ば いに推移 してい るが,カ ロエ組立型 を中心 に海外生産比率 〔=海 外生産額 キ (国内生産 額 十海外 生産額 )〕が急速 に上昇 してい る。 とくに電気機械 は輸 出 比率 を低 下 させ つつ海外 生産 比率 を上昇 させ てお り,海 外現地生産 によ り輸出 向けの 国 内生産 を縮小 させ てお り,海 外生産 品の一部 が国内に逆輸入 され,い わゆ るブー メラン効 果 が現 れ て い る。 この よ うな輸入浸透 度,海 外生産 比率 の上昇 と雇用 との関係 をみ ると,従 業 者数減 との間 に相 関が高 い。例 えば,海 外生産 比率 の上昇 してい る自動車 をみ る と,1991∼ 94年の製造 業全体 の従業 者が8.3%減 なのに対 し, 自動車本体 で は4.7%減 と一 見減 少 幅 は大 き くないが,こ れ を支 えてい る基盤業種 の従業者 数 でみ る と,鋳 物製造,プ レス製 品,金 型 な どでlo∼20%の 減少 となってお り, 自動車製造業本体 が雇用 を保蔵 し,か つ 内製化率 を高め る中で,関 連産業の雇 用面 での打撃 が大 き く現 れ て い る (表 2-1参 照 )。
都市型地場産業における 「産業空洞化」 と対応 表 2 - 1 自 動 車 本 体 に比 べ 雇 用 減 の 大 きい基 盤 業種 増減数 増 減率 91埜千 94=子 94-91
94/91
鍛 銑 非 非 非 製 ア 金 粉 金 溶 電 金 金 業 業 業 ト 業 業 業 業 業 業 キ キ 業 品 15,457人 14,497人 39,085 34,503 19,513 12,661 25,398 23,863 1,638 2,193 97,829 92,148 20,946 19,545 94,723 68,269 10,182 9,424 38,922 29,717 6,063 7,401 40,596 35,838 13,826 14,367 106,521 92,673 527,699 457,189 △ 960 △ 6.2% △ 4,582 △ 11.7 △ 6,852 △ 35.1 △ 1,535 △ 6.0 555 33.9 △ 5,681 △ 5.8 △ 1,401 △ 6.7 △26,454 △ 27.9 △ 758 △ 7.4 △ 6,205 △ 17.3 1,338 22.1 △ 4,758 △ 11.7 541 3.9 △13,848 △ 13.0 △70,510 △ 13.4 自動 車 。同 附 属 品 製 造 業 8 2 8 , 7 8 3 全 製 造 業 1 1 , 3 5 1 , 0 3 3 790,098 10,408,940 △38,685 △942,093 △ 4 . 7 △ 8 . 3 (備考)1.通 商産業省 「工業統計表」によ り作成。 2.従 業者 4人 以上の事業所が対象。 機械工業共通基盤14業種の従業者の増減数 (率)。 (資料)経 済企画庁 『地域経済 レポー ト』 (1996年版)p.121 さ らに,経 済企画庁 の 『地 域経 済 レポー ト』 は円高 に よる空洞化現象 を三大 都 市 圏 と地 方 圏 にわけ て その影響 を分析 してい る。 す なわ ち,1991年 以前 では 製造業 の雇用減 はほぼ 同様 の動 きを示 してい るが,1991∼ 94年では地 方圏に く らべ て大都 市 圏 での従 業者減 少寄 与度 が大 き くなってい る。 また,工 業 出荷額 か らみ て も,大 都 市 圏の減少 が よ り大 き くなってお り,空 洞化現象 は大都 市製 造 業 に よ り大 き く現 われ てい る。 3 . 大 阪の工業構造 と地場産業の概況 三大都市圏の一翼 をにな う大阪府製造業についてみ る。4 美 崎 皓 教授追悼号 (第309号) 大 阪府 の製 造 業 出荷 額 の全 国 に 占め るシェア (1994年工 業 統 計)は 6.9%で あ るが,産 業 中分 類別 に大 阪府対全 国の シェア で6.9%を 越 え る業種 は,繊 維 工 業 (11.2%)衣 服 。その他 の繊 維 製 品 (11.1%),家 具 ・装備 品 (8.1%), パ ル プ ・紙 ・紙 加 工 品 (8.8%),出 版 ・印 刷 ・同 関 連 (11.8%),化 学 工 業 (10.2%),石 油 製 品 。石 炭 製 品 (7.6%),プ ラスチ ック製 品 (8,9%),な め し 革 ・同製 品 ・毛 皮 (11.1%),鉄 鋼 業 (10。9%),非 鉄 金属 (7.5%),金 属 製 品 (12.2%),一 般 機 械 器 具 (8.8%),そ の他 製 造 業 (8.1%)で あ る。 これ らは 特化 度 が 高 い産 業 とい え よ う (表 3-1参 照 )。 大 阪府下 製造業 の 中で, さ らに全 国水 準 か らみ て特化 度 の高 い製造業 を,大 阪府 立産 業 開発研 究所 は継続 的 に追 跡調査 をお こな って い る。同研 究所 編 の『大 阪経 済 白書』 (毎年 )の 巻 末 に は,地 場 産 業一 覧が収録 されてい る。 それ を引 用 させ て い ただ く (表 3-2)。 これ ら地場 産業 の大 阪府 製造業全体 に 占め る 地位 は事 業所数 では31.8%,出 荷額 では19。4%で あ る (1993年統計)。 この 『大 阪経 済 白書』 が最 初 に刊行 され た昭和 57年版 (1982年)を み る と,地 場産 業63 業種 で,大 阪府全 製造業 に 占め る地場産業 の比重 は,事 業所数 で35.0%,従 業 者数 で27.2%,出 荷 額 で22.0%で あ った (1979年工 業 統 計)。地 場 産 業 の 比 重 が,15年 間 でそれ ぞれ約 3%低 下 した こ とにな る。 『第 1回 大 阪経済 白書』 と第16回の それ を比較 す る と,「その他 製造業」 に 属 す る 「木櫛 」 (見塚 市,25事 業所 ),「貝細工 」 (高石 市, 8事 業所 )が 消 え, その反対 に 「帽子」 (184事業所 )が 追加 され てい る。 4.大 阪の 自転車工業 大 阪の地場産 業 61業種 の 中で,出 荷 額 の大 きさか らみて第 1位 は都 市型産 業 の典 型 であ る印刷 業 で9293億円の出荷額 であ る。次 いで 自転車 ・同部 品製造業 は第 2位 で3027億円の 出荷額 であ る。 この 自転車工 業 の沿革 と,現 状 の問題 点, と くに空洞化現象 とそれへ の業界 の対応 につ いて述べ たい。 わが 国の 自転車工業 は明治初期 に 自転 車が輸 入 され た後,補 修工業 として始
都市型地場産業における 「産業空洞化」 と対応 5 表 3-1 産 業 中分 類 別 出荷 額 構 成 (大阪府 ) 資料 :通商産業省 『工業統計表 (産業篇)』 (注)従 業者 4人 以上の事業所分。 まった。 その後,1889年 頃,東 京の銃 製造業者宮 田製銃所 が 自転車 の製造 に着 手 し,さ らに大 阪 ・界 で も1894∼95年頃か ら自転車部 品製造 が始 まった と伝 え られ て い る。 これ は 自転 車 の各 回転部分 の耐磨 耗性,堅 年性 を生 み 出す のに必要 な焼入れ 技術や切 削技術 に,古 くか ら界 で培 われ て きた伝統 的鉄砲鍛 治や 刀鍛 治 の技術 的蓄積 が役 立 て られ,そ の後,部 品工 業 を中心 に界 はわが国の 自転車産業 の 中 核 的役 割 を呆 た して きた。 項 目 年 産業中分類 製造品出荷額等 (億円) 構成 比 (%) 1985 1990 1994 1985 1990 1994 全 国 1994 大阪/ 全国 1994 合 食 料 品 製 造 業 飲 料 ・ 飼 料 。 た ば こ 製 造 業 繊維工業 ( 衣服, その他の繊維製品を除 く) 衣 服 ・そ の 他 の 繊 維 製 品 製 造 業 木 材 ・木 製 品 製 造 業 ( 家具 を除 く) 家 具 ・ 装 備 品 製 造 業 パ ル プ 。紙 ・紙 加 工 品 製 造 業 出 版 ・ 印 刷 。 同 関 連 産 業 石 油 製 品 ・ 石 炭 製 品 製 造 業 プ ラ ス チ ッ ク 製 品 製 造 業 ゴ ム 製 品 製 造 業 な め し 革 ・同 製 品 ・毛 皮 製 造 業 窯 業 , 土 石 製 品 製 造 業 非 鉄 金 属 製 造 業 金 属 製 品 製 造 業 一 般 機 械 器 具 製 造 業 電 気 機 械 器 具 製 造 業 輸 送 用 機 械 器 具 製 造 業 精 密 機 械 器 具 製 造 業 計 業 工 学 業 鋼 鉄 業 業 造 造 製 製 他 器 武 そ 219,982 10,807 3,251 10,547 3,903 1,741 3,249 6,409 11,724 22,565 9,206 8,759 1,760 1,126 3,685 20,650 7,111 20,009 26,823 31,604 8,583 1,985 4,287 246,173 11,239 4,227 9,259 5,243 2,226 4,460 7,585 15,520 24,915 6,155 10,969 2,042 1,296 3,775 22,014 6,969 24,717 32,541 32,814 11,645 1,951 4,552 205,928 11,643 3,679 5,018 5,968 2,041 2,908 7,107 14,674 22,895 5,937 9,298 1,368 1,065 3,168 14,848 5,206 21,247 24,400 27,309 10,367 1,736 4,044 100.0 4 . 9 1 . 5 4 . 8 1 . 8 0 . 8 1 . 5 2 . 9 5 。3 1 0 . 3 4 . 2 4 . 0 0 , 8 0 . 5 1 . 7 9 . 4 3 . 2 9 . 1 1 2 . 2 1 4 , 4 3 . 9 0 。9 1 . 9 1 0 0 . 0 4 . 6 1 , 7 3 . 8 2 . 1 0 , 9 1 . 8 3 . 1 6 . 3 10。1 2 . 5 4 . 5 0 。8 0 . 5 1 . 5 8 . 9 2 . 8 10.2 13.2 13.3 4 . 7 0 . 8
. 8 1
100.0 5 。7 1 , 8 2 . 4 2 . 9 1 . 0 1 . 4 3 . 5 7 . 1 1 1 . 2 2 . 9 4 . 5 0 , 7 0 . 5 1 . 5 7 . 2 2 . 5 1 0 . 3 1 1 . 8 1 3 。3 5 . 0 0 . 8 2 . 0 1 0 0 , 0 8 . 0 3 . 6 1 . 5 1 , 8 1 . 5 1 . 2 2 . 7 4 , 2 7 . 5 2 . 6 3 . 5 1 . 0 0 , 3 3 . 5 4 . 5 2 . 0 5 . 9 9 . 2 1 7 . 4 1 4 . 9 1 . 4 0 。1 1 . 7 6 . 9 4 . 9 3 . 5 1 1 . 2 1 1 . 1 4 . 7 8 . 1 8 9 8 1 1 , 8 1 0 . 2 7 . 6 8 . 9 4 . 4 1 1 . 1 3 . 1 1 0 . 9 7 . 5 1 2 . 2 8 . 8 5 。3 2 . 3 4 . 1 8 . 16 美 崎 皓 教授追悼号 (第309号) 表 3 - 2 大 阪 地 場 産 業 の 業 種 男u 事業 所 数 及 び 出荷 額 ( 1 9 9 3 年) 資料 :主 として大 阪府統計課 『平成 5年 大 阪の工業 (工業統計調査結果表)』 (全数) ※ 1 大 阪 タオルエ業組合 資料 (平成 6年 調べ) 出荷額 は 白タオル換算 に よる。 ※ 2 泉 州毛布工業組合資料 (平成 7年 調べ)。 ※ 3 大 阪府妻楊枝協 同組合推計 (平成 7年 ) ※ 4 大 阪簾工業協 同組合調べ (推計)。 業 種 名 業種名 と産業分 類名の相違す る場合 事業所数 出荷額(億円) 製 造 業 計 69,474 225,390 地場産業計 61業種 22,118 43,714 地場産業/全 製造業 31.8% 19.4% 繊 維 4,971 6,413 紡 績 撚 糸 (かさ高加工糸 を除 く) 綿 ス フ 織 物 1,023 タ オ ※ 1 毛 布 ※ 2 ニ ッ ト 生 地 ( 横編 ニ ッ ト生 地 ) ニ ッ ト 製 品 1,864 2,144 く つ 下 作 業 手 袋 ニ ッ ト手袋 注 染 和 晒 織物手加工染色整理業 敷 物 じゅうたん。その他の繊維製床敷物 1,052 衣 2,988 2,270 紳 士 既 製 服 男 子服 婦 人 子 供 服 1,664 1,230 布 鳥 縫 製 品 シャツ製造業 (下着 を除 く) 322 子 木 材 ・ 木 製 品 779 普 通 合 板 合 板 つ ま 楊 枝 ※ 3 家 具 ・装 備 品 1,064 木 製 家 具 木製家具 (漆塗 りを除 く) 1,049 す た れ ※ 4 パルプ・紙・紙加工品 1,467 4,046 事 務 用 紙 製 品 1,487 段 ボ ー ル 箱 1,598
業 種 名 業種名 と産業分類名の相違す る場合 事業所数 出荷額 (億円) 紙 器 出版 ・印刷 ・同関連 4,176 9,535 痛け (謄写 印帰j業を除 く) 3,795 9,293 製 本 242 学 2,684 石 け ん 。 洗 剤 塗 料 1,923 ゴ ム 製 品 ゴム製・プラスチック製はきもの ゴム製・プラスチノク製履物・同附属品 なめし革・同製品・毛皮 1,299 1,051 革 軒ヒ 革製履物 か ↓ゴ ん 255 袋 物 窯 業 ・土 石 製 品 1,149 ガ ラ ス 製 品 ガ ラス ・同製 品 1,019 ( 鏡 ) ※ 5 ほ う ろ う 鉄 器 石 綿 製 品 鉄 銅 3,706 普 通 線 材 製 品 ※ 6 伸 線業, く ぎ製造業 2,636 鍛 工 銑 鉄 鋳 物 (鋳鉄管,可 鍛鋳鉄 を除 く) 鉄 管 継 手 ※ 7 可 鍛鋳鉄製鉄管継手(フランジ形を含む) 金 属 製 品 2,862 3,747 刃 物 ※ 8 作 業 工 具 (やす りを除 く) 建 築 金 物 ※ 9 建 築用金物 金 属 熱 処 理 322 都市型地場産業 におけ る 「産業空洞化」 と対応 ※ 5 通 商産業省 『工業統計表 (品日編)』(従業者4人以上の事業所分)ガラス製品に含 まれ る。 ※ 6 伸 線業及び くぎ製造業の合計。 ※ 7 通 商産業省 『工業統計表 (品目編)』 (従業者 4人 以上の事業所分) ※ 8 通 商産業省 『工業統計表 (品目編)』(従業者 4入 以上の事業所分)ほ う丁,ナ イフ類, は さみ,工 匠具 の合計。 ※ 9 通 商産業省 『工業統計表 (品目編)』(従業者 4人 以上の事業所分)
業 種 名 業種名 と産業分 類名 の相違す る場合 事業所数 出荷額 (億円) 金 網 〉他に分類 されない金属線製品 556 ワ イ ヤ ー ロー プ 加 熱 鋲 螺
ば箔
と
, ・
魚と
い ツ
ト
1,669 2,407 製 線 鋲 螺 一 般 機 械 器 具 農 業 用 機 械 ( 農機 具 を除 く) 繊 維 機 械 家 庭 用 ミ シ ン シ ン 229 ベ ア リ ン グ 玉 軸 受 ・こ ろ軸受 1,756 輸 送 用 機 械 器 具 3,027 自 転 車 自転 車 ・同部 分 品 3,027 精 密 機 械 器 具 日長 鏡 類 眼鏡 (枠を含 む) そ の 他 1,514 玩 具 娯楽用具,がん具(人形,児童乗物を除く) 573 児 童 乗 物 人 造 真 珠 ※10 人 造真珠 身辺細貨品 ボ タ ン 歯 ブ ラ シ )ほ うき 。ブラシ 木 ブ ラ シ 洋 か さ 洋が さ ・同部分 品 魔 法 瓶 線 香 ※11 線 香類 美崎 皓 教授追悼号 (第309号 ) ※10 通 商産業省 『工業統計表 (品目編)』(従業者 4人 以上の事業所分) ※11 通 商産業省 『工業統計表 (品目編)』(従業者 4人 以上の事業所分) 第 1 次 世 界大戦 時,欧 米 か らの 自転車輸入 は完成車,部 品 ともに激減 した。 しか し,当 時, 自転車 は,通 勤,通 学,商 工業用 として 日本 人の生活の 中では, 欠 くこ との で きな い商 品 となってお り,国 内需要 は旺盛 で,保 有 台数 の年 間増 加数 も増 え続 け た。 これ らの需要 に対 応す るため, 自転車 の本格 的 国産化 が図 られ た。 第 2 次 大戦後, と くに高度成長期 に入 る と, ス クー タ, オ ー トバ イ, 自動車 の需要 が増加 す るにつ れ, 自転車需要 は,人 と物 を運 ぶ手段 か ら,乗 り心地 の都市型地場産業における 「産業空洞化」と対応 9 よい軽快 車へ移行 し,1965年 には,機 能 が シンプル で コス トも安 い ミニサ イク ルが開発 され人気 を呼 んだ。 国内主産地 は界 。大 阪の他 に,東 京,埼 玉,神 奈川,愛 知 と,「都市型」産 業 といえよう。1960年実績 (日本 自動車工業会資料)で 地区別分布 をみると次 の通 り。関西地域は数量ベースでは全国の55.2%を 占める。 表 4-1 自 転車の生産量 年 地 区 1983年 1984年 (備考 ) 自己ブランド製造企業数 束 部 西 関 中 関 343万台(42.8%) 333万 台(41.3%) 29 (3.6) 28 (3.5) 430 (53.6) 445 (55。 2) 221上 8
47(委阪?3 饗
晶?)
全 国 8 0 2 ( 1 0 0 . 0 ) 8 0 6 ( 1 0 0 . 0 ) 大 阪 ・界 の 自転車工 業 はスポー ツ車 な ど新 製 品開発 に よる成長 を経 て きたが, 1970年代 前半 の 自転車 ブー ム を ピー クに,そ の後停滞期 を迎 えた。 国内では各 家庭 に 自転 車 が普及 した こ と,技 術水 準 の向上や合理化 で力 をつ けて きたア ジ ア諸 国の 台頭 に よ り,輸 入車 が増 え,他 方,大 手部 品 メー カー,ア セ ンブル メ ー カー の海外生産比率 の増大 に よって国内 自転車 メー カーは苦境に立たされて い る。 日本 自転 車協会 の1995年資料 に よ る と,年 間総輸入量 は完成車 が327万台, 部 品の年 間総輸入額 か らの完成車換 算が160万台で,合 計487万台に も達 す る。 これ は国 内の年 間総 需要約 1000万台の 5割 弱に相 当す る。輸入先 は中国お よび 台湾 で あ る (図 4-1参 照 )。安 価 な輸 入 品に国 内市場 を奪 われ,廃 業 に追 い 込 まれ て い る企業 が相 次 いでお り,雇 用減少 につ なが ってい る。 自転車業界の 将 来 に対す る不安 は後継者 問題 に も暗 い影 をお とし,大 手 を除 く中小規模 の業 者 の約 7割 が 困難 を訴 えてい る。 産 業 空 洞化対 応策 その もの ではないが, 自転車産業 界が取組 ん でい る諸課題 と振興 策 の 中か ら注 目すべ き動 向 を記す。 (1)新製 品開発 ……マ ウンテ ンバ イ クの ブー ムに続 き,今 注 目を集めてい るのが,10 美 崎 皓 教授追悼号 (第309号) 表 4-2 自 転 車 の 統 計 (全 国 )
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2 . 完 民豊累突豊笑景畠武協【象昼; は 通商産業省機械統計, l l 1 9 日本 自転車協会会員統計, 大 蔵 省貿易続計により算出。 図 4 - 1 (1)1998年 主 要 国別 完成 手輸 出構 成 (3)1998年 主 要 回別 部 品輸 出構成f戦
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期 麟 靭 マレインア 隅 成 構 入 い 潮 要 主 ヽ (2)1998年 門96年 主 要 国別 部品輸 入構 成 年 産 生 l A l 出 荷 (Bl 輸 出 lC)輸 入 XIDl輸入受入 米国 内 向 完 成 車 部 品 完 成 車 部 品 完 成 車 部 品 完 成 車 部 品 完 成 車 完 成 卓 1 9 8 9 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 ( 台) 7 , 7 9 2 , 4 0 1 7,968,82t 7,447,85( 7,285,541 6,857,991 6,702,20セ 6,579,651 6,138,021 ( 百万円) 1 1 5 , 7 0 4 126,419 129,409 126,286 116,899 103,054 95,182 85,987 ( 百万円) 1 2 1 , 9 3 1 174,689 166,905 132,897 140,788 108,460 99,436 931916 ( 台) 7 , 8 8 0 , 8 5 9 8,032,832 7,415,888 7,232,498 6,834,048 6,969,331 7 , 3 6 5 , 1 破 7 , 0 2 5 , 4 5 4 (百万円) 120,066 130,175 131,540 128,865 119,654 111,134 109,615 104,862 (百万円) 118,258 166,025 158,671 142,102 151,196 114,926 104,725 98,531 ( 台) 2 0 0 , 1 8 t 226,05t 203,031 111,442 1 1 0 , 6 7 モ 112,20【 102,25を 147,03t (百万円) 6,510 9,467 9,426 4,833 3,007 2,025 1,591 1,066 ( 百万円) 6 8 , 2 1 3 115,426 116,776 98,201 1091027 68,719 63,059 59,387 ( 台) 8 5 6 , 6 0 0 667,122 940,376 1,169,835 1,567,876 2 , 3 4 1 , 0 1 1 3,270,169 2,887,50〔 (百万円) 6,491 7,172 12,039 12,694 14,146 20,186 27,125 25,395 ( 百万円) 6 , 6 2 2 8 , 7 1 6 10,055 8,192 8 , 8 1 6 11,428 13,591 161294 6 9 , 1 6 6 599,720 1,026,072 1,149,291 ( 台) 8 , 5 3 7 , 2 7 3 8,473,898 8,153,233 8,290,891 8,222,080 8,598,413 9,506,951 8,616,639 (資料)自 転車産業振果協会 『自転車統計要覧』 (31版),1997年 6月都市型地場産業における 「産業空洞化」 と対応 1 1 モー ター を補 助 動 力 に利 用 す る電動 自転 車 で あ る。 それ とは別 に, 自転車産業振興協会 は, このほ ど 「自転車新製 品 コンペ テ ィ シ ョン」 を創 設 し,国 内企業 か ら①折 りたたみ 自転車,② 高級車,③ 盗 まれに くい 自転車,の 3テ ー マ で新作 自転 車 を募集 して い る。 コンパ ク トな 自転車, 高級感 の あ る 自転 車や 盗 難 防止 に優 れ た施錠装 置の開発 な ど,多 様化 す る消費 者 ニー ズに対 応 で きる新種 の 自転車 の開発 に力 を入れ,高 い技術 力 と夢 のあ る 商 品 を開発す るこ とで 自転草産業 の生 き残 りを図 ってい る。 C)安全 性 ……PL法 の施行 に伴 い,製 品の安 全 性 に対 す る消 費者 の関心 が高 ま ってい る中,業 界 では安全 シー ルの貼付や メー カー名表示 と品質保証書 を添付 し販 売す るこ とで,国 産 品の安全性 ・信頼性 の ア ピー ルに力 をと いでい る。PL 法 導入 を機 にア ジア諸 国の製 品 との差別化 を図 り,そ の対応策 に取組 んでい る。 (3)放置 自転車 問題 と リサ イ クル問題 …… ター ミナル周辺 の放 置 自転車 問題 は, 今 や社 会 問題 化 してお り, 自転車業 界 に とっては頭 の痛 い課題 であ る。 自治体 の都 市計画 との関連 で駐輪場 の増 設や盗難 防止 に優 れ た施錠装 置の開発, リサ イ クル運動 の推進 な どに よ り解 決策 を模 索 中であ る。 自転 車生産地 であ る界市 では,放 置 自転車 の未然防止 と再 資源化 を図 るこ と を 目的 に,廃 棄希望 自転車 の リサ イ クル運動 をち らし等 で消 費者 に呼 びかけて い る。 消 費者 は,廃 棄希望 自転 車 を購 入店 に関係 な く,メ ー カー,ス ーパー,小 売 店 の どこに で も無料 で持 ち込 む こ とが で き,市 が定期 的 に回収 す る。 これは地 方 自治体 ・事 業者 ・消 費者 が一体 となった非常 にユ ニー クな試み であ る。 その 他 , 自転車道 の整備 に よる,快 適利用 の環境づ くりも需要拡大 につ なが る とみ て い る。 “)イベ ン トの開催 ……毎年 5月 を 自転車 月間に定 め,国 際サ イ クル ロー ドレー ス (1996年よ リツアー ・オブ 。ジャパ ンに改補 )大 阪大会 を開催 す るな ど, さ まざまな イベ ン トを企画 し,ソ フ ト面か らの支援策 を強化 してお り,産 業 界 と 行 政機 関 ・市 民 の協 力が注 目され る。
12 美 崎 皓 教授追悼号 (第309号 ) 5 . 大 阪の敷物 工業 1994年度のわが国の敷物 の製造 出荷額 は2,490億円で,そ の内大阪府の同出 荷額 は940億円 と約38%を 占めている。 また事業所数 も全国483のうち大阪府24 5事 業所 と約50%を 超 え,「敷物」は名実 ともに大阪の地場産業の 1つ である。 その生産地は界市,和 泉市 を中心 とす る泉州地域に集積 している。 敷物 の種類 は豊富で,大 分類 としては,製 法か ら,織 リカーペ ヽノトと織 らな いカーペ ヽノトに分 け られ る。織 リカーペ ヽントの代表的な ものがウィル トンカー ペ ッ ト,織 らないカーペ ッ トの代表的なものがタフテッ トカーペ ヽ/卜 や フ ック ドラッグである。 界 を中心 とす る泉州地域の敷物工業の沿革 を簡単に述べ,つ づ いて,現 在の 敷物業界が輸入品に追い上げ られている実情 を述べ,業 界の対応策 を紹介 しよ う。 図 5 - 1 敷 物の主な分類 敷 物 織 らない カーペ ッ ト
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わが 国の敷物 の歴 史 は,江 戸時代 元禄年 間 (17世紀未)に 中国か ら製法 が伝 え られ,佐 賀 で 「鋼 鳴級通」 としてつ くられ たのが最初 といわれてい る。 その 後 天保 2(1831)年 に家 に もた らされ,「界椴 通」 として発 展 した。 当時,界 で 般通がつ くられ るようになったのはこの地域で既に機業が発達 していたためだ と言われている(『大 阪の地場産業』大阪府/1977年)。 界般通の生産が急速に拡大す るのは,1877(明 治10)年 ,東 京上野で行 われ た第 1回 内国勧業博覧会への出品でその品質 を認め られたことによる。また「般鯛 な ∼ 卜
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都市型地場産業における 「産業空洞化」と対応 13 通 王」 と呼 ばれ ていた界 の級通業者 ・藤本荘太郎 らに よって,当 時既 に米 国 を は じめ英 ・仏 国へ輸 出 されて いた。 大正期 に入 り機械 の導入 に よ り,手 織 りの級通 の生産 が衰退 し,平 織敷物 の ラグ ラ ッグや刺締 の原理 を用 いたフ ック ドラ ッグな どの生産 が始 まった。 昭和 期 には米 国側 の輸 入規制 を招 くほ どの輸 出量 とな り,そ の隆盛期 を迎 え るこ と となった。 しか し国際情勢 の緊迫化 か ら,1941(昭 和 16)年 には輸 出は停 止 し,戦 時体 制 の下,業 者 は技術指 導 を受 け て毛布生産へ転換 していった。 第 2次 世 界大戦 以降 は般通や ラグラ ッグの生産 は大 き く後退 し, ウ ィル トン カーペ ヽノトや タフテ ッ ドカーペ ヽ/卜 等 の新 製 品が続々 と登場す るな ど,敷 物業 界 は従 来 か らの技術 蓄積 を利用 し,新 しい商 品へ の対応 を展 開 した。 1 9 6 2 ( 昭和37)年 には米国の輸入関税が引 き上げ られ,米 国への輸出依存度 が高か ったウィル トンカーペ ッ トは大 きな打撃 を受けたが,ち ょうどこの時期 は高度成長期 にあた り,住 宅の洋風化やオフィスビルの建設ラッシュに伴い, 国内向けの生産量は順調 な伸 びを示 した。一方,タ フテ ッ ドカーペ ッ トは もと もと輸 出よ り国内向け を中心 としてお り,国 内需要の増加 に比例 して,そ の生 産量 を伸 ば していった。 しか し1 9 8 0 年代後半以降,円 高の影響や本物志向のためにベルギー,オ ース トリアな どの ヨー ロッパ製品や イン ド製品の輸入が増 え,1994年の全国生産量 は ピー ク時の1990年の87%に 減少 した (通産省 『繊維統 計年報』1994年)。ま た,バ ブル崩壊 によるオフィスビル建設の頭打 ちなどの内需不振 も,生 産量の 低下に追 い打 ちをかけている。 では次に,主 要品 目別 に現況 をみ よう。 まず機械の物的生産性が高 く,現 在 わが国の敷物生産量の97パーセン ト以上 を占め るタフテ ッ ドカーペ ヽットは,安 価 な輸入品 との競争によ り製品単価が値 下 りし,生 産量が微増 しているに もかかわ らず,売 上高は落ちている。 またウィル トンカーペ ッ トは,敷 物の主流が タフテ ッ ドカーペ ヽノトに移行 し たこ とに加 え,低 価格志向の中で,他 の製品に比べ て相対的に価格が高いため,
14 美 崎 皓 教授追悼号 (第309号) 生産 量 は減少 してい る。 フ ック ドラ ッグは,製 品が ホテルの メインロビーや スイー トルー ム,あ るい は級帳 に使 用 され てお り,バ ブル崩壊 以降 の新規着工作数 の減少 に よ り,生 産 量,売 上 高 ともに1990年をピー クに減 少 してい る。 敷物業 界全体 では,前 述 したオフ ィスや ホテルの新規着工件数 の減少 に加 え, ダニやハ ウスグス ト対策 に よるカーペ ヽントか らフ ロー リングヘ の敷 き替 え,そ して買 い番 えサ イ クルの長期化 等 に よる需要減少傾 向が顕著 となってい る。 図 5-2 敷 物生 産 量の推移 (全国) (単位 !千 m2) 110,000 , , , ' 失 ・・・、. 、 タフテッ ド S 3 1 ( 1 9 5 6 ) 年 S 4 0 ( 1 9 6 5 ) 年 S 5 0 ( 1 9 7 5 ) 年 S60(1985)年 H2(1990)年 H 6 ( 1 9 9 4 ) 年 ウ イ ル ト ン 1,378 2,963 7,580 4,474 3,564 1,906 タ フ テ ッ ド 6,490 57,610 83,935 98,665 87,340 フ ッ ク ドラ グ 2,512 1,166 1,532 1,395 656 生 産 量 合 計 3,902 10,397 66,356 89,941 103,624 89,902 (資料)通 産省 「繊維統計年報」および 日本繊維輸出組合資料
(単位 :千 m2) 1 9 9 1 年 1992笠干 1993盗「 1 9 9 4 年 輸 出 タフテッ ド・フック ドラグ 3,646 3,206 1,944 1,257 機械 織 カーペ ッ ト ウイル トン(1) 平 織 他 ( 1 ) 級 通 ニー ドルパ ンチ チ ュー ブマ ッ ト他 623 輸 入 タフテッ ド・フック ドラグ 9,423 10,583 10,731 13,058 機械 織 カーペ ッ ト ウイル トン(1) 4,919 4,760 5,957 8,646 平 織 他 ( 1 ) 2,482 3,714 4,908 8,737 級 通 1,388 1,457 2,078 2,548 ニー ドルパ ンチ 2,023 1,674 1,305 1,451 チ ュー ブマ ッ ト他 547 1,410 都市型地場産業における 「産業空洞化」 と対応 15 表 5 - 1 主 要 カ ー ペ ッ ト輸 出入 実 績 (注)(1)カーペ ヽット用原反 を含む。 資料 :大蔵省 「日本貿易月報」 一 方雇用 面 にお いて は,全 体 的 に従 業 員 の高齢化 が進 ん でお り,特 に ウ ィル トン カー ペ ヽ/ 卜 や フ ッ ク ドラ ッ グ で は 熟 練 技 術 を要 し, 独 り立 ちに1 0 数年 か か るため,人 件 費 は高騰傾 向にあ り,低 価格競争 の 中にあ って,非 常 に厳 しい状 況 に あ る。 今 後 の製 品づ くりは,単 に敷 くだけの敷物 か ら,機 能性 を付加 した敷物へ と 変 わ りつ つ あ る。 業 界 では,防 汚 ・吸水 ・防炎 (難燃)。抗菌 ・防臭 。防虫 ・防 ダニ ・帯電防止 な どの加工 を施 した健康 志 向 ・快適生活対 応 カーペ ヽ/卜 の開発 を進め てい る。 また,炭 素繊 維 を使 用 した除電性 基布 お よびマ ッ トの開発や,豪 雪地帯 におけ る融雪用発 電 シー トの開発 も行 うな ど,新 機 能 ,新 技術 を付加 した新製 品の創 出に努 め て い る。 さ らに95年 7月 に施行 され た PL法 対策 としては,生 産 コス トの上昇 を懸念
16 美 崎 皓 教授追悼号 (第309号) しなが ら も,積 極 的 に PL保 険へ の加 入 を進め る とともに,警 告 表示 の整備 を 行 い,品 質保 証 に対 して万全 の体 制 を とって い る。 また業 界独 自の 『PL対 策 ハ ン ドブ ック』 を作成 し,消 費者か らの クレー ムに迅速 に対応 で きるよ う努め て い る。 また, リサ イクルに関 しては,工 場 内での廃菜物の リサ イクルの促進 を検討 す る一方で, リュース も念頭においた一般 リサイクルを業界団体では考えてい きたい としてい る。地球環境保全の高 ま りの中で, 今 後は 「地球 にや さしい人 にや さしいカーペ ヽ/ 卜 」への取組みが期待 され る。 6.む すぴ さ きに引用 した経 済企 画庁 調査 局 『空洞化 の克服 をめ ざす地域 経 済 一 地域 経 済 レポー ト'96-』 で は,第 2篇 第 1章 で 「空洞化 」 の実 情 を追 跡 し,つ い で第 2章 で 「米 国におけ る産業 空洞化 の克服」 の研 究 の後,第 3章 で 「地域 に お け る産業 空洞化 克服へ の途」 につ いて検 討 してい る。 ここでは産業 空洞化 に よって失 われ た雇用 をいか に して埋 め るか が最 大 の問題 であ る とし,商 業分 野, 建 設業分 野,サ ー ビス業分 野 につ いて具体 的 に検 討 し, さ らに製造業分 野 につ いて論 じて い る。 そ こで 「最 も重要 な こ とは “全 国ブ ラン ド"と して通用す る 地 元企 業 を育 て るこ とであ る。 グロバ リゼー シ ョン,独 自技術 の追求,新 商 品 の開発, ク イ ックレスポンスの徹 底 等 に よ り,地 元製造業 が飛 跡 してい くこ と が地域 の雇用 の ため に も望 まれ る」 と結 ん でい る。 大 阪府 の事例 で見 た通 り地場 産業 にお け る空洞化 現象 は深刻 で あ り,そ れ を 取 りま く地域 経 済へ の打撃 も大 きい。地場産業 におけ る適正生産 と リス トラチ ャ リン グ,生 き残 った企業群 の活性化戦略 の権 立が望 まれ る。一 方,地 域経済 としては,当該地域 にあ るポテ ンシャル な経営 資源 (歴史的産業遺産 も含 めて) を有効 に組織 し,活 用す るため のプ ログラムづ くりが大切 であ る。 その ため には,地 域産業,地 場産業 の経営者,商 工業 団体 (商工会,商 工会 議 所 ,協 同組合 等),市 民 団体 ,行 政機 関が集 り,プ ログラムづ くりの 「場 」 をつ くらね ば な らな い。地域 振興 ,産 業振興 の ため の主体 形成が最 重要課題 で
都市型地場産業における 「産業空洞化」 と対応 1 7 あ る。 それ らの プ ロ グ ラム は長期 の 目標 ,中 期 の計 画,短 期 の課題 に分 け, さ